JP2000182816A - マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョ―クコイル - Google Patents

マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョ―クコイル

Info

Publication number
JP2000182816A
JP2000182816A JP10375616A JP37561698A JP2000182816A JP 2000182816 A JP2000182816 A JP 2000182816A JP 10375616 A JP10375616 A JP 10375616A JP 37561698 A JP37561698 A JP 37561698A JP 2000182816 A JP2000182816 A JP 2000182816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manganese
mol
ppm
zno
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10375616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4299390B2 (ja
Inventor
Masahiko Watanabe
雅彦 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP37561698A priority Critical patent/JP4299390B2/ja
Publication of JP2000182816A publication Critical patent/JP2000182816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4299390B2 publication Critical patent/JP4299390B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Ceramics (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定値以上の高い飽和磁束密度Bsと所定値
以下の低い初透磁率μiを備え、しかも主成分中のZn
Oの含有量が0に近い所定値以下においても相対密度が
低下せず高い初透磁率μiを維持することのできるマン
ガン系フェライトを提供する。 【解決手段】 本発明のマンガン系フェライトは、その
主成分が下記のA,B,C,Dの4点を直線で結んだF
23、MnOおよびZnOにそれぞれ換算しての酸化
鉄、酸化マンガンおよび酸化亜鉛の三元系主成分範囲内
にあり、 A:Fe23=58.0mol%、ZnO: 0mol% B:Fe23=54.5mol%、ZnO:7.0mol% C:Fe23=53.0mol%、ZnO:5.0mol% D:Fe23=53.0mol%、ZnO: 0mol% (いずれの点も残部MnO) かつ副成分として酸化珪素をSiO2に換算して300
ppm以下および酸化カルシウムをCaO換算で168
0ppm以下含有し、さらに、不純物としてのPが10
0ppm以下、およびBが60ppm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス及びチョ
ーク用のコアに用いられるマンガン(マンガン系−亜鉛
系を含む)系フェライトの特性改善及びそれを使用した
トランス並びにチョークコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】上記したトランス及びチョーク用のコア
に用いられるマンガン系フェライトにおいては、直流重
畳特性の向上、および漏洩磁束に因る発熱量低減のた
め、飽和磁束密度Bsが大きく、初透磁率μiが所定値
(例えば1800)以下であることが好ましい。
【0003】高い飽和磁束密度Bsの実現を目的とした
マンガン系フェライトとしては、特開昭61−1014
58公報(従来技術1)に、組成が下記組成1または2
で、高温・高周波領域において高飽和磁束密度と低電力
損失を呈するマンガン系フェライトが開示されている。
【0004】組成1 主成分 Fe23:52〜58mol% MnO :42〜48mol% 添加物 CaO :0.01〜0.2重量% SiO2 :0.1重量%以下
【0005】組成2 主成分 Fe23:52〜58mol% MnO :35〜48mol% ZnO :7mol%以下 添加物 CaO :0.01〜0.2重量% SiO2 :0.1重量%以下
【0006】また、特開昭63−14406号公報(従
来技術2)、組成が下記組成で、高温における飽和磁束
密度が低温に比べて大きく低下することのない(変化
率:7.7%〜15.6%)マンガン−亜鉛系フェライ
トが開示されている。
【0007】組成 主成分 Fe23:50〜60mol% ZnO :0〜9mol% MnO :残部
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記いずれの
従来技術においても初透磁率が従来のトランス、チョー
ク用フェライトと同等もしくはそれ以下の所定値が得ら
れていない。フェライトをトランス、チョークコイル用
として使用する場合、発熱が重要な要素となるが、発熱
の要素にはコア自体の発熱と銅損等による発熱の二つの
因子がある。従来より、コア自体の発熱についてはさま
ざまな検討が行われ低損失化を図っているが、銅損を考
慮した低損失化の検討はまだまだ不十分である。銅損に
よる発熱は電流と巻線抵抗で決まるジュール熱の他、直
流重畳特性を緩和するために設けられたギャップからの
漏洩磁束に因るものがある。機能的には、最低限必要な
AL値に合わせることができる初透磁率があり、飽和磁
束密度が大きければ、高い初透磁率は必要ない。一方、
熱的な設計からはギャップをできるだけ小さくし、磁束
の漏洩を抑えることが望ましい。漏洩した磁束はワイヤ
ーや止め金具等導電性の物質と交差し、過電流を発生さ
せる。電磁誘導加熱の系がコイルを中心にできることに
なる。よって初透磁率でギャップを小さくできることが
重要である。発熱量が大きい場合、熱による部材の損傷
の他チョークコイルにおいてはコアが温度上昇すること
により飽和磁束密度が低下し直流重畳特性が劣化する。
また、トランスにおいてはトランスとして最も重要な機
能である効率が低下するという問題が生じる。
【0009】また、理論的には主成分中のZnOが減少
しMnOが増加することにより飽和磁束密度Bs(10
0℃)は高くなるが、上記いずれの従来技術においても
主成分中のZnOの含有量が低くなると(特に5mol%以
下の主成分)、相対密度の低下が起こり、440mT以上
の飽和磁束密度Bs(100℃)、好ましくは445mT
以上の飽和磁束密度Bs(100℃)を得られていな
い。
【0010】そこで本発明は、440mT以上の飽和磁束
密度Bs(100℃)、好ましくは445mT以上の飽和
磁束密度Bs(100℃)と1800以下の所望の低い
初透磁率を兼ね備え、しかも主成分中のZnOの含有量
が5mol%以下の組成においても相対密度が低下せず高い
飽和磁束密度Bs(100℃)を維持することのできる
マンガン系フェライト、およびそれを用いたトランス並
びにチョークコイルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)のいずれかの構成により達成される。 (1) マンガン系フェライトにおいて、その主成分が
下記のA,B,C,Dの4点を直線で結んだFe23
MnOおよびZnOにそれぞれ換算しての酸化鉄、酸化
マンガンおよび酸化亜鉛の三元系主成分範囲内にあり、 A:Fe23=58.0mol%、ZnO: 0mol% B:Fe23=54.5mol%、ZnO:7.0mol% C:Fe23=53.0mol%、ZnO:5.0mol% D:Fe23=53.0mol%、ZnO: 0mol% (いずれの点も残部MnO) かつ副成分として酸化珪素をSiO2に換算して300
ppm以下および酸化カルシウムをCaO換算で168
0ppm以下含有し、さらに、不純物としてのPが10
0ppm以下、およびBが60ppm以下であるマンガ
ン系フェライト。 (2) 飽和磁束密度(100℃)が440mT以上、
かつ初透磁率が1800以下500以上である上記
(1)のマンガン系フェライト。 (3) 飽和磁束密度Bs(100℃)が445mT以
上、かつ初透磁率が1800以下500以上である上記
(2)のマンガン系フェライト。 (4) 添加物として下記の添加物を下記の範囲内で1
種または2種以上が添加された上記(1)〜(3)のい
ずれかのマンガン系フェライト。 酸化ニオブ(Nb25換算) :50〜300 ppm 酸化バナジウム(V25換算):100〜1000ppm 酸化ビスマス(Bi23換算):50〜500 ppm 酸化モリブデン(MoO) :50〜400 ppm (5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のマンガ
ン系フェライトを使用したトランス。 (6) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のマンガ
ン系フェライトを使用したチョークコイル。
【0012】
【作用および効果】本発明においては、マンガン系フェ
ライトの主成分をキュリー温度が280℃以上の高い主
成分範囲、かつ所定の副成分範囲に制御することによっ
て、なおかつ焼結過程において異常粒成長を引き起こす
原因となるP、Bを所定含有量以下に制御することによ
って、440mT以上の飽和磁束密度Bs(100℃)
かつ初透磁率が所定の低い値となるマンガン系フェライ
トを得ることができ、また同時に、主成分中のZnOの
含有量が0に近い主成分(特に5mol%以下)においても
相対密度が低下せず高い飽和磁束密度Bs(100℃)
を維持すること出来た。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のマンガン系フェライト
は、主成分として、図1に示した下記のA、B、Cおよ
びDの4点、好ましくはA、E、FおよびGの4点、特
に好ましくはA、H、IおよびGの4点を直線で結んだ
Fe23、MnOおよびZnOにそれぞれ換算しての酸
化鉄、酸化マンガンおよび酸化亜鉛の三元系主成分範囲
内にある。
【0014】 A:Fe23=58.0mol%、ZnO: 0mol% B:Fe23=54.5mol%、ZnO:7.0mol% C:Fe23=53.0mol%、ZnO:5.0mol% D:Fe23=53.0mol%、ZnO: 0mol% E:Fe23=56.1mol%、ZnO:3.9mol% F:Fe23=54.0mol%、ZnO:3.9mol% G:Fe23=54.0mol%、ZnO: 0mol% H:Fe23=57.1mol%、ZnO:1.9mol% I:Fe23=54.0mol%、ZnO:1.9mol% (いずれの点も残部MnO)
【0015】主成分の組成が、上記点Aと点Bを結ぶ線
分から外れるとμiを所定の低い値に制御することがで
きない。
【0016】上記点Bと点Cを結ぶ線分から外れると、
μiを所定の低い値に制御することができず、かつ、飽
和磁束密度Bsの温度特性が低下し、高い飽和磁束密度
Bs(100℃)が得られない。そして、上記点Cと点
Dを結ぶ線分から外れると高い飽和磁束密度Bs(10
0℃)が得られない。
【0017】本発明のマンガン系フェライトには、副成
分として、酸化珪素をSiO2に換算して300ppm
以下、好ましくは200ppm以下、および酸化カルシ
ウムをCaOに換算して1680ppm以下、好ましく
は1000ppm以下含有する。SiO2の量が300
ppmを越えると、焼結過程における異常粒成長を抑え
ることが困難となり、高い相対密度が得られず、結果と
して飽和磁束密度が得られない。CaOが1680pp
mを越えると、飽和磁束密度が低下する。
【0018】そして、本発明のマンガン系フェライトで
は、不純物としてのPの含有量が、100ppm以下、
好ましくは3〜60ppm、かつBの含有量が60pp
m以下、好ましくは2〜30ppmに規定されている。
Pの含有量が100ppmを越えると、焼結過程におい
て異常粒成長が生じ飽和磁束密度が得られない。
【0019】Bの含有量が60ppmを越えると、P同
様に焼結過程において異常粒成長が生じ、飽和磁束密度
が得られない。
【0020】なお、PとBの含有量の調整は、これらの
2成分の含有量の少ない主成分原材料を選定し、コンタ
ミ量を考慮して補正するか、必要によっては、脱燐、脱
硼素工程をかけた原材料を用いて行うことが好ましい。
【0021】さらに、本発明のマンガン系フェライトに
は、添加物として下記酸化物を下記の範囲の量内で1種
または2種以上が添加されていることが好ましい。 Nb25 50〜300ppm V25 100〜1000ppm Bi23 50〜500ppm MoO 50〜400ppm 本発明のマンガン系フェライトに、これらの酸化物を上
記の範囲内で添加すると、飽和磁束密度Bsが向上す
る。
【0022】本発明のマンガン系フェライトにおいて
は、添加物としてその他、Ni、Cu、Ti、Su、M
g、Ta、Co等を含有してもよい。その他の添加物の
含有量は、全体で、0.01〜2wt%程度であることが
好ましい。
【0023】次に、本発明のマンガン系フェライトの製
造方法について説明する。まず、特公昭47−1155
0号公報等に記載されている噴霧焙焼により製造された
Fe23とMn34との混合粉末にZnOを加え、ボー
ルミル等により混合粉砕する。また、通常の粉末冶金法
に従い、Fe23、Mn34、ZnOをボールミル等で
混合し、仮焼し、ボールミル等で粉砕してもよい。粉砕
後の平均一次粒子径は、1.0〜2.5μm程度である
ことが好ましい。
【0024】なお、CaCO3他上記の副成分および添
加物を添加する場合、添加は粉砕の前に行なうことが好
ましい。
【0025】粉砕後の粉末を乾燥した後、所定の形状に
成形する。
【0026】この成形体を所定の酸素濃度の雰囲気中で
焼結する。焼結温度すなわち高温保持温度は、焼結時の
雰囲気にもよるが、1300〜1450℃であることが
好ましい。
【0027】焼結時間すなわち高温保持時間は、1〜3
時間であることが好ましい。焼結温度までの昇温速度は
100〜300℃/時間であることが好ましい。また、
焼結温度からの降温すなわち冷却は、200℃/時間以
下であることが好ましい。
【0028】以上により本発明のマンガン系フェライト
を製造することができ、この製造されたマンガン系フェ
ライトは、飽和磁束密度Bsを15Oeの印加磁界下(1
00℃)で440mT以上、好ましくは445mT以
上、初透磁率μiを100kHzで1800以下を達成
できる。現在のところ、飽和磁束密度Bsの上限は46
0mT程度であり、初透磁率μiの下限は500程度で
ある。初透磁率の下限は500以下も可能であるが、最
低限必要なAL値を得るために500程度とした。
【0029】本発明のマンガン系フェライトの相対密度
は、96%以上であることが好ましく、現在のところそ
の上限値は98%程度である。本発明のマンガン系フェ
ライトでは、特にMnOの含有量が0に近い領域におい
ても相対密度が低下せず、高飽和磁束密度Bsが維持で
きるという特徴がある。
【0030】また、本発明のマンガン系フェライトは、
平均結晶粒径が10〜100μmであることが好まし
い。平均結晶粒径が大きすぎると所定の低い初透磁率に
制御することが困難となり、小さすぎると高い飽和磁束
密度を得ることが困難となる。
【0031】この場合の平均結晶粒径は、以下のように
規定する。まず、フェライト焼結体の断面に現われる結
晶粒子の断面積の平均、すなわち、結晶粒子1個あたり
の断面積を求める。
【0032】次に、この断面積と同じ面積の大円を与え
る球の直径を求める。本発明では、この値を平均結晶粒
径とする。
【0033】このような測定は、例えば、フェライト焼
結体を鏡面研磨後、フッ酸等によりエッチングし、これ
を500〜1000倍程度の金属電子顕微鏡により撮影
して得られた写真を用い、少なくとも面積が2500μ
2 以上の範囲について測定することにより行なえばよ
い。
【0034】本発明のマンガン系フェライトを用いてコ
アを作成する場合、その形状は、つぼ型、トロイダル形
状、EI、EE、EER等とすることができる。このよ
うなコアは、コイルが巻かれてトランスあるいはチョー
クコイルとされる。
【0035】本発明のマンガン系フェライトで形成され
たコアを用いたトランスは、従来のものに比べて直流重
畳特性が向上する。
【0036】
【実施例】表1および表2の主成分、副成分、不純物、
添加物量となるように各成分を秤量、混合、仮焼、粉砕
後、バインダーを加え顆粒とし、トロイダル状のサンプ
ルを成形した。そのサンプルを、300℃/時間で昇温
し、1380℃で6時間安定した。その後200℃/時
間で室温まで冷却した。安定から室温までの雰囲気はフ
ェライトの平衡酸素分圧に従い設定した。なお、PとB
の制御は、主成分原料を選定して行うか、主成分原料の
ブレンドによって行った。なお、最終組成を蛍光X線に
より測定したところ、原料組成とほぼ対応するものであ
った。また、各サンプルは、外径31mm、内径19m
m、高さ8mmのトロイダル状とした。
【0037】それらのサンプルの100kHzでの初透
磁率μi、15Oeの印加磁界下での飽和磁束密度Bs
(100℃)および相対密度をそれぞれ測定した。な
お、相対密度は、アルキメデス法でコアの焼結密度を測
定し、その値をその主成分の理論密度で割った値をパー
セント表示したものである。その結果は表1および表2
の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜25に示すように主成分が図1
のA,B,C,Dで結ばれる領域内にあり、かつ副成
分、不純物が所定の範囲内に存在するものは飽和磁束密
度Bs(100℃)が440mT以上の値で、かつ初透
磁率が1800以下500以上の所定値に制御されてい
る。しかし、主成分におけるFe23成分が図1のA,
Bを結ぶ線より多い領域においては比較例1、4に示す
ように初透磁率が1800以下の所定値に制御すること
ができない。また、主成分におけるZnO成分が図1の
B,Cを結ぶ線より多い領域(キュリー温度が280℃
より低くなる組成)においては比較例9に示すように相
対密度が高い焼結体においても飽和磁束密度Bs(10
0℃)が440mT以上の値が得られず、Fe23成分
がC、Dを結ぶ線より少ない領域においても比較例3に
示すように飽和磁束密度Bs(100℃)が440mT
以上の値が得られない。また、比較例2、5、6、7、
8、10、11のように主成分が図1のA,B,C,D
で結ばれる領域内にあるものでも、副成分、不純物の含
有量がいずれか1つでも所定の範囲を超えるマンガン系
フェライトについては十分な相対密度が得られず、44
0mT以上の飽和磁束密度Bs(100℃)が得られな
い。
【0041】また、実施例9〜25に示すように主成
分、副成分、不純物が所定の範囲内にあるマンガン系フ
ェライトにおいて、Nb25、V25、Bi23、Mo
3を所定の範囲で添加したものは、そうでないもの
(実施例1〜8)と比べ相対密度のより高い焼結体が得
られ、445mT以上の飽和磁束密度Bs(100℃)
が得られる。更にまた、本発明においては、実施例1
0、11、12から分かるように、ZnOの含有量が0
に近い領域であっても高飽和磁束密度Bsが維持でき
る。
【0042】また、実施例のサンプルのフェライト焼結
体を鏡面研磨後、フッ酸によりエッチングし、研磨面を
500倍の光学顕微鏡により撮影した写真に基づきこれ
らのサンプルの平均結晶粒径dを調べた。
【0043】なお、平均結晶粒径dの算出は、下記のよ
うにして行なった。まず、上記のようにして得られた写
真上に200μm×200μmの正方形の区画をとり、
この区画中に存在する結晶粒子の数を算定した。ただ
し、区画の境界に存在する結晶粒子は、1/2個として
数えた。この数をnとし、下記式により平均結晶粒径d
を算出した。
【0044】
【数1】
【0045】その結果、実施例のサンプルでは、d=1
0〜100μmの範囲内であった。また、実施例3と比
較例9を用い同形状のトランスを作製し、直流重量特性
を調べた。トランスは、EER40形状とした。その結
果を図2に示す。図2のように本発明においては100
℃での直流重量特性が、12%改善できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンガン系フェライトの主成分範囲を
示す図である。
【図2】実施例3と比較例9をトランスにした場合の1
00℃における直流重量特性を示す特性図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン系フェライトにおいて、その主
    成分が下記のA,B,C,Dの4点を直線で結んだFe
    23、MnOおよびZnOにそれぞれ換算しての酸化
    鉄、酸化マンガンおよび酸化亜鉛の三元系主成分範囲内
    にあり、 A:Fe23=58.0mol%、ZnO: 0mol% B:Fe23=54.5mol%、ZnO:7.0mol% C:Fe23=53.0mol%、ZnO:5.0mol% D:Fe23=53.0mol%、ZnO: 0mol% (いずれの点も残部MnO) かつ副成分として酸化珪素をSiO2に換算して300
    ppm以下および酸化カルシウムをCaO換算で168
    0ppm以下含有し、 さらに、不純物としてのPが100ppm以下、および
    Bが60ppm以下であるマンガン系フェライト。
  2. 【請求項2】 飽和磁束密度(100℃)が440mT
    以上、かつ初透磁率が1800以下500以上である請
    求項1のマンガン系フェライト。
  3. 【請求項3】 飽和磁束密度Bs(100℃)が445
    mT以上、かつ初透磁率が1800以下500以上であ
    る請求項2のマンガン系フェライト。
  4. 【請求項4】 添加物として下記の添加物を下記の範囲
    内で1種または2種以上が添加された請求項1〜3のい
    ずれかのマンガン系フェライト。 酸化ニオブ(Nb25換算) :50〜300 ppm 酸化バナジウム(V25換算):100〜1000ppm 酸化ビスマス(Bi23換算):50〜500 ppm 酸化モリブデン(MoO) :50〜400 ppm
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のマンガ
    ン系フェライトを使用したトランス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のマンガ
    ン系フェライトを使用したチョークコイル。
JP37561698A 1998-12-16 1998-12-16 マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョークコイル Expired - Fee Related JP4299390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37561698A JP4299390B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョークコイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37561698A JP4299390B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョークコイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000182816A true JP2000182816A (ja) 2000-06-30
JP4299390B2 JP4299390B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=18505797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37561698A Expired - Fee Related JP4299390B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョークコイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4299390B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1320108A2 (en) * 2001-12-12 2003-06-18 Spang & Company Ferrite materials, methods of preparing the same, and products formed therefrom
US6650068B2 (en) 2000-03-13 2003-11-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Induction coil core, illumination unit using the same, and polycrystalline ferrite
JP2007269502A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Tdk Corp Mn−Zn系フェライト材料
JP2007311387A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Nec Tokin Corp 酸化物磁性材料
CN103601481A (zh) * 2013-09-16 2014-02-26 南通万宝实业有限公司 变频电机用新型稀土共掺fb9永磁体的制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03223119A (ja) * 1989-12-26 1991-10-02 Kawasaki Steel Corp 低損失Mn―Zn系フェライト
JPH05217733A (ja) * 1992-01-31 1993-08-27 Tdk Corp 酸化物磁性材料
JPH07297020A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Tdk Corp フェライトおよび電源用フェライトコア
JPH0826732A (ja) * 1994-07-18 1996-01-30 Tdk Corp ソフトフェライトの製造方法
JPH08337465A (ja) * 1995-06-15 1996-12-24 Hitachi Metals Ltd ソフトフェライト原料粉、フェライト焼結体及びその製造方法
JPH09237709A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Kawasaki Steel Corp 低損失酸化物磁性材料およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03223119A (ja) * 1989-12-26 1991-10-02 Kawasaki Steel Corp 低損失Mn―Zn系フェライト
JPH05217733A (ja) * 1992-01-31 1993-08-27 Tdk Corp 酸化物磁性材料
JPH07297020A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Tdk Corp フェライトおよび電源用フェライトコア
JPH0826732A (ja) * 1994-07-18 1996-01-30 Tdk Corp ソフトフェライトの製造方法
JPH08337465A (ja) * 1995-06-15 1996-12-24 Hitachi Metals Ltd ソフトフェライト原料粉、フェライト焼結体及びその製造方法
JPH09237709A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Kawasaki Steel Corp 低損失酸化物磁性材料およびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6650068B2 (en) 2000-03-13 2003-11-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Induction coil core, illumination unit using the same, and polycrystalline ferrite
EP1320108A2 (en) * 2001-12-12 2003-06-18 Spang & Company Ferrite materials, methods of preparing the same, and products formed therefrom
EP1320108A3 (en) * 2001-12-12 2004-03-24 Spang & Company Ferrite materials, methods of preparing the same, and products formed therefrom
US6858155B1 (en) 2001-12-12 2005-02-22 Spang & Company Ferrite materials, methods of preparing the same, and products formed therefrom
JP2007269502A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Tdk Corp Mn−Zn系フェライト材料
JP2007311387A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Nec Tokin Corp 酸化物磁性材料
CN103601481A (zh) * 2013-09-16 2014-02-26 南通万宝实业有限公司 变频电机用新型稀土共掺fb9永磁体的制备方法
CN103601481B (zh) * 2013-09-16 2015-07-15 南通万宝实业有限公司 变频电机用稀土共掺fb9永磁体的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4299390B2 (ja) 2009-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5846448A (en) Ferrite and ferrite core for power supply
JP3968188B2 (ja) フェライト
JP4523430B2 (ja) 高飽和磁束密度Mn−Zn−Ni系フェライト
JP5089970B2 (ja) MnCoZnフェライトおよびトランス用磁心
WO2004028997A1 (ja) フェライト材料
JP3607203B2 (ja) MnZn系フェライトの製造方法、MnZn系フェライト、および電源用フェライトコア
JP5089963B2 (ja) MnZnNiフェライトの製造方法
JPH1064715A (ja) 低損失フェライト磁心材料
JP4711897B2 (ja) MnCoZnフェライトおよびトランス用磁心
JP5019023B2 (ja) Mn−Zn系フェライト材料
JP3418827B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP3597673B2 (ja) フェライト材料
JP3471896B2 (ja) フェライトおよび電源用フェライトコア
JP2004161593A (ja) フェライト材料
JP4299390B2 (ja) マンガン系フェライト及びそれを使用したトランス並びにチョークコイル
JP4750563B2 (ja) MnCoZnフェライトおよびトランス用磁心
JPH08169756A (ja) 低損失Mn−Znフェライトコアおよびその製造方法
JP2000340419A (ja) マンガン亜鉛系フェライトコアの製造方法及びマンガン亜鉛系フェライトコア
JP3597665B2 (ja) Mn−Niフェライト材料
JP3790606B2 (ja) Mn−Coフェライト材料
JP3446082B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP3597666B2 (ja) Mn−Niフェライト材料
JP2005108977A (ja) Mn−Zn系フェライト、トランス用磁心およびトランス
JP2000327411A (ja) Ni−Zn系フェライトの製造方法
JP3584437B2 (ja) Mn−Znフェライトの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090401

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees