JP2000182511A - 電界放射型素子の製造方法 - Google Patents

電界放射型素子の製造方法

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JP2000182511A
JP2000182511A JP35484998A JP35484998A JP2000182511A JP 2000182511 A JP2000182511 A JP 2000182511A JP 35484998 A JP35484998 A JP 35484998A JP 35484998 A JP35484998 A JP 35484998A JP 2000182511 A JP2000182511 A JP 2000182511A
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gate
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敦夫 服部
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/025Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エミッタ電極とゲート電極の高さ位置のバラツ
キが少ない電界放射型素子の製造方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】基板(10)上に導電材の第1のゲート膜
(11)を含む表面層に孔(13)を形成し、孔の側壁
にサイドスペーサ(14a)を形成する。孔の底部に平
坦面が形成されるように表面層とサイドスペーサの上に
エミッタ膜(15)を形成し、さらにエミッタ膜をエッ
チバックして孔の底部の第1のゲート膜を除去して基板
面を露出させる。そして、エミッタ膜と基板の露出面の
上に犠牲膜(16)を形成し、犠牲膜の全面に第2のゲ
ート膜(17)を形成してから、基板と犠牲膜の少なく
とも一部を含む不要部分を除去することによりエミッタ
膜と第1と第2のゲート膜とを露出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型素子の
製造方法に関し、特に電界放出陰極の先端から電子を放
出させる電界放射型素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放射型素子は、電界集中を利用し
て、先鋭なエミッタ(電界放出陰極)の先端から電子を
放出させる素子である。例えば、フラットパネルディス
プレイは、多数のエミッタを配列した電界放射エミッタ
アレイ(FEA)を用いて構成される。それぞれのエミ
ッタは、ディスプレイの各画素の輝度等を制御する。
【0003】電界放射型素子は、エミッタからの電子の
放出の為にエミッタ先端に電界をかけるためのエミッタ
に対して正電位にバイアスされたゲート電極をエミッタ
電極の近傍に配置している。さらに、エミッタ電極から
の電子ビームを収束させる目的で、通常のゲート電極の
他にもう一つのゲート電極(収束電極)を配置し、もう
一つのゲート電極に負電位を印加して放射電子を反発さ
せてビームを収束する働きをする。
【0004】Baoping Wang他による「No
vel Single−and Double−Gat
e Race−Track−Shaped Field
Emitter Structures」(新しい単
一あるいは二重ゲートレーストラック型電界放エミッタ
の構造),Proc.IEDM,pp.313−31
6,1996の文献には、横方向に2段のゲート電極
(二重ゲート)を持つレーストラック型電界放射型エミ
ッタについて記載されている。
【0005】図16は、その横2段のゲート電極を持つ
レーストラック型電界放射型エミッタの断面図である。
中央内側のポストゲート100は、エミッタ電極101
の先端に電界をかけて、電子をエミッタ電極101から
放射させるためのものである。
【0006】外側の第2ゲート電極102は、エミッタ
電極101の先端の電界を強めて、ポストゲート−エミ
ッタ電極間の閾値電圧(エミッタから電子が放出される
電圧)を低くできるようにするために設けられる。この
構造の素子ではエミッタ電極とゲート電極との電極間距
離はSiO2 などの絶縁膜103、104の膜厚で決ま
る。エミッタの面積が大きいので、単位面積当たりの放
射電流密度が大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記文献のFig.1
やFig.2に記載の断面図では、ポストゲート100
と、エミッタ電極101と、第2ゲート電極102との
それぞれの先端部の高さが同じにそろって描かれている
が、同文献のFig.9に示された実際の素子の走査顕
微鏡写真では、図16に示したようにエミッタ電極10
1の先端はポスト電極100の先端部位置よりも後退し
て下がった位置にあることがわかる。
【0008】ポストゲート電極100にはエミッタ電極
101に対して正の電位を印加するが、エミッタ電極1
01の先端がポストゲート電極100の下に位置してい
ると、エミッタ電極101から放射された多くの電子
は、図示しないアノード電極や蛍光体に到着する前に、
ポストゲート電極100に吸収されてしまう。これによ
り、放射電流が減少してしまうという問題がある。
【0009】しかも、エミッタ電極101の高さ位置
は、製造工程でのエッチング処理の時間や処理条件によ
り大きく変動する恐れがあり、製造時の位置のバラツキ
が大きいと、できた製品の性能もバラツキが大きくなり
問題である。
【0010】本発明の目的は、2段構造のゲートを有
し、エミッタ電極とゲート電極の高さ位置のバラツキを
少なくした電界放射型素子の製造方法を提供することで
ある。
【0011】本発明の他の目的は、エミッタ電極の先端
部の形状を先鋭化できることができる電界放射型素子の
製造方法を提供することである。
【0012】本発明のさらに別の目的は、エミッタ電極
に対する第1と第2のゲート電極の高さ方向の制御が容
易な電界放射型素子の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】基板上に導電材の第1の
ゲート膜を含む表面層を形成し、該表面層の一部を除去
して前記表面層に孔を形成するとともに前記孔の側壁に
第1の犠牲膜の材料からなるサイドスペーサを形成す
る。前記孔の底部に平坦面が形成されるように前記表面
層と前記サイドスペーサの上に導電材のエミッタ膜を形
成し、さらに前記エミッタ膜をエッチバックして前記孔
の底部の第1のゲート膜を除去して前記基板面を露出さ
せる。そして、前記エミッタ膜と前記基板の露出面の上
に第2の犠牲膜を形成し、前記第2の犠牲膜上の全面に
導電材の第2のゲート膜を形成してから、前記基板と前
記第2の犠牲膜の少なくとも一部を含む不要部分を除去
することにより前記エミッタ膜と前記第1と第2のゲー
ト膜とを露出させる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1(A)〜(C)、図2(D)
〜(F)、図3(G)〜(I)は、本発明の第1の実施
例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。以
下、エミッタ(電界放出陰極)とゲートとを有する2電
極素子の製造工程を示す。2電極素子は、電子を放出す
るエミッタ電極と、電界を制御するゲート電極の2電極
からなる。本実施例の2電極素子のゲート電極は、収束
電極すなわち、第1のゲート電極と、通常の第2のゲー
ト電極とを含む。
【0015】第2のゲート電極にはエミッタ電位(−)
に対して、正(+)の電位を印加して、エミッタ電極先
端の電界強度を高めてエミッタから電子を引き出す。収
束電極すなわち第1のゲート電極には負電位が印加さ
れ、エミッタ電極から放出された電子は第1のゲート電
極による電界により反発力を受けて電子ビームが収束す
る作用を受ける。以下の説明ではすべて、第1のゲート
電極を収束電極とし、第2のゲート電極を上記説明の電
極とする。
【0016】図1(A)において、例えばガラス、石英
などの単層基板、あるいはSi基板上にシリコン酸化膜
を積層してなる基板10上に第1のゲート電極膜11を
形成する。第1のゲート電極膜11は、P(リン)また
はB(ボロン)をドープしたSi膜を減圧CVD法によ
り厚さ0.15μm成膜して形成する。
【0017】上記のSi成膜条件は、例えば、成膜容器
にHe希釈のSiH4 ガスを原料ガスとし、基板温度を
625℃、反応室内圧力を30Paとする。そして膜の
抵抗値を下げる目的で、PあるいはB等を拡散あるいは
イオン注入する。
【0018】さらに、図1(A)に示すように、第1の
ゲート電極11上に第1の絶縁膜12を成膜する。この
成膜は、例えば、O3 とTEOSを原料ガスとし、基板
温度を400℃にしてSi酸化膜を第1のゲート電極5
1上に厚さ0.15μm堆積して行う。
【0019】次に、フォトリソグラフィにより所定パタ
ーンのレジスト膜(図示せず。)を第1の絶縁膜12上
に形成する。そして、レジスト膜をマスクとして、第1
の絶縁膜12及び第1のゲート電極11を異方的にエッ
チングし、図1(B)に示すように、凹部13を有する
所定パターンの第1の絶縁膜12aと第1のゲート電極
11aとを残す。凹部13は、ほぼ垂直な側壁を持ち、
平面(上面)形状が直径0.6μmの円形で、その深さ
が0.3μm程度とする。
【0020】次に、図1(C)に示すように、常圧CV
D法により、Si酸化膜を第1の絶縁膜12aと凹部1
3上に厚さ0.2μm堆積して第1の犠牲膜(絶縁膜)
14を形成する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEO
Sを原料ガスとし、基板温度を400℃にする。
【0021】次に、第1の犠牲膜14を異方性ドライエ
ッチング(エッチバック)して、図2(D)に示すよう
に、凹部13の側壁上にのみ第1の犠牲膜14の一部を
サイドスペーサ14aとして残す。
【0022】エッチングは、例えば、マグネトロンRI
E装置を用い、エッチングガスとしてCHF3 +CO2
+Arを用い、反応室内圧力を50mTorrにして行
う。
【0023】次に、図2(E)に示すように、基板10
の開口部と、サイドスペーサ14aと、第1の絶縁膜1
2aの上に、例えばTiNx からなるエミッタ電極15
を厚さ0.1μm(絶縁膜12a上での厚さ)反応性ス
パッタ法で堆積する。反応性スパッタは、DCスパッタ
装置を用いて、ターゲットとしてTiを用い、N2 +A
rガスを導入しながら行う。エミッタ電極15は、基板
10、サイドスペーサ14aの表面に、その表面形状を
引き継ぎながら、かつ上部平坦面上で厚く、凹部内では
低い位置に向かうほど徐々に薄く堆積される。凹部の底
の幅は、凹部の深さに対して比較的小さいため、凹部の
底のエミッタ電極15は薄くなる。
【0024】次に、図2(F)に示すように、エミッタ
電極15を0.05μm程度全面エッチバックして、凹
部13の底のみで完全に除去し、上部と凹部13の側壁
上ではエミッタ電極15aとして残す。このエッチバッ
クには、異方性ドライエッチングを用いる。例えば、マ
グネトロンRIE装置を用い、エッチングガスとしてC
2 を用い、反応室内圧力を125mTorrにして行
う。
【0025】次に、図3(G)に示すように、常圧CV
D法により、Si酸化膜からなる第2の犠牲膜(絶縁
膜)16を基板全面に厚さ0.15μm堆積する。成膜
の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガスとし、基
板温度を400℃にする。すなわち、第2の犠牲膜16
は、基板10、エミッタ電極15aの表面に、その表面
形状を引き継ぎながら(コンフォーマルに)堆積され
る。
【0026】次に、図3(H)に示すように、第2の犠
牲膜16の上に、例えばTiNx からなる第2のゲート
電極17を0.2μm反応性スパッタ法で堆積する。反
応性スパッタは、DCスパッタ装置を用いて、ターゲッ
トとしてTiを用い、N2 +Arガスを導入しながら行
う。
【0027】最後に、図3(I)に示すように、エッチ
ングにより基板10とサイドスペーサ14aと第2の犠
牲膜16の一部を除去して、第1のゲート電極(収束電
極)11aと、第2のゲート電極17と、エミッタ電極
15aとを露出させて2電極素子を得る。Si基板10
等のSiのエッチングには、HF+HNO3 +CH3
OOHを用い、シリコン酸化膜等のエッチングには、H
F+NH4 Fを用いる。
【0028】上記の第1の実施例によれば、エミッタ電
極15aの先端の高さ位置が第2のゲート電極17の高
さよりも高い位置(図3(I)ではより下方)に突き出
した素子が得られた。この電界放射型素子はエミッタ電
極15aから放射された電子が第2のゲート電極17に
よって吸収されることが少ない。
【0029】また、本実施例によれば、エミッタ電極1
5aの高さ位置は基板10の面で決まり、エミッタ電極
15aと第2のゲート電極17の先端の位置関係は、図
3(G)の工程での第2の犠牲膜16の膜厚で決まり、
必ず、エミッタ電極15aの先端位置が第2のゲート電
極17の先端よりも突出するようになる。しかも、製造
の際のこれらの位置精度は再現性がよい。
【0030】図4(A)、(B)は、上記の第1の実施
例の変形であり、第2のゲート電極17を支持基板で補
強する方法を示す。
【0031】図4(A)に示す方法においては、第1の
絶縁膜12aにはシリコン窒化膜を用いる。そして上記
第1の実施例の図1(A)〜図3(H)までの工程を行
って得た素子の第2のゲート電極17の表面の凹部を、
例えばSOG膜からなる平坦化膜18で埋める。その
後、平坦化膜18を化学機械研磨(CMP)法で研磨し
て表面を平坦化する。続いて、平坦化膜18の上に支持
基板19を静電接着あるいは接着材により接着する。
【0032】次に、図3(I)のエッチング工程と同様
な方法により、基板10等の不要部分をエッチングによ
り除去し、図4(A)に示すように、第2のゲート電極
17および第1のゲート電極11aならびにエミッタ電
極15aを露出させて2電極素子を完成する。
【0033】図4(B)の別の変形例においても、第1
の絶縁膜12aにはシリコン窒化膜を用いる。上記第1
の実施例の図1(A)〜図3(H)までの工程を行って
得た素子の第2のゲート電極17の表面にエポキシ樹脂
あるいは低融点ガラス等の接着材18pを塗布し、支持
基板19を接着材18pにより接着する。
【0034】そして、図3(I)のエッチング工程と同
様な方法により、基板10等の不要部分をエッチングに
より除去し、図4(B)に示すように、第2のゲート電
極17および第1のゲート電極11aならびにエミッタ
電極15aを露出させて2電極素子を完成する。
【0035】次に、図5(A)〜(C)、図6(D)〜
(F)を参照して、本発明の第2の実施例による電界放
射型素子(2電極素子)の製造工程を説明する。第2の
実施例の2電極素子においてもゲート電極は第1と第2
のゲート電極を含む。第1の実施例と同じ参照番号のも
のは基本的に同一の要素を示す。
【0036】第2の実施例では、エミッタ電極の先端部
の形状をより先鋭化させる。エミッタ電極の先端の位置
は、第1及び第2のゲートの高さより高い位置に突出さ
せることができる。第2の実施例の製造工程において
は、最初は第1の実施例の図1(A)〜(C)と同じ工
程を行う。
【0037】図1(C)の工程の後、第1の実施例の場
合には、第1の犠牲膜14のエッチバック処理は基板1
0の表面が露出するところでエッチングを停止していた
が、第2の実施例においては図5(A)で示すように、
基板10の途中までエッチングしてサイドスペーサ14
bを形成する。この場合、凹部13の底の基板10の孔
の角は図示のように丸く形成される。
【0038】本出願人による特開平9−292835号
公報に、ドライエッチングにおける異方性と等方性成分
の比率を調整することによって、基板10の凹部13の
底の角13aを丸く形成する方法が記載されている。
【0039】図13は、そのエッチングのシミュレーシ
ョングラフである。0.5μm厚のシリコン酸化物基板
30の上に多結晶シリコン膜31が厚さ0.15μm、
さらにその上にシリコン窒化膜32が厚さ0.15μm
積層され、これらを貫通して凹部34が形成される。さ
らにその上にシリコン酸化膜33が厚さ0.2μm成膜
された状態から、全面エッチバック処理をした場合のシ
ミュレーションである。図13においてシリコン酸化膜
33の実線の表面がエッチバック開始前の状態であり、
エッチング時間の経過とともに点線のような形状とな
る。
【0040】図13のシミュレーショングラフによれ
ば、異方性指数Af=0.8(すなわち、等方的なエッ
チングレート:異方的なエッチングレートが1:5の場
合)の条件でドライエッチングを行い、凹部34の側壁
にサイドスペーサ35が形成され、基板30の表面から
0.1μmの深さまで彫り込んだ。ここで、異方性指数
Afは、次式で定義される。
【0041】
【数1】Af=1−Ri /Ri+di は凹部の横方向のエッチングレートであり、Ri+d
は、凹部の下方向のエッチングレートである。完全異方
性であれば、Af=1であり、完全等方性であればAf
=0となる。
【0042】この場合の凹部36の底の角の曲率半径r
cは0.03μm程度であった。このシミュレーション
例では、エッチングスタートと同時に凹部36の底の角
が丸くなり始める。
【0043】Af=0.8よりも小さな値の異方性指数
でエッチングすれば、凹部34の底が基板面に達する前
に、凹部34の底の角の曲率半径rcが0.03μmよ
りも大きくすることも可能である。
【0044】図5(A)の工程におけるエッチングは、
例えば、マグネトロンRIE装置を用い、エッチングガ
スとしてCHF3 +CO2 +Arを用い、反応室内圧力
を50mTorrにして行う。
【0045】次に、図5(B)に示すように、基板10
の開口部と、サイドスペーサ14bと、第1の絶縁膜1
2aの上に、例えばTiNx からなるエミッタ電極15
を厚さ0.1μm(上部平坦面上の厚さ)反応性スパッ
タ法で堆積する。反応性スパッタは、DCスパッタ装置
を用いて、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガ
スを導入しながら行う。エミッタ電極15は、基板1
0、サイドスペーサ14bの表面に、その表面形状を引
き継ぎながら段付きで堆積される。
【0046】次に、図5(C)に示すように、エミッタ
電極15を厚さ0.05μm程度全面エッチバックし
て、凹部13の底のみで完全に除去し、上部と凹部13
の側壁上ではエミッタ電極15bとして残す。このエッ
チバックには、異方性ドライエッチングを用いる。例え
ば、マグネトロンRIE装置を用い、エッチングガスと
してCl2 を用い、反応室内圧力を125mTorrに
して行う。凹部36の底の角が丸められているので、エ
ミッタ電極15bの下端は鋭い先端を持つ。
【0047】次に、図6(D)に示すように、常圧CV
D法により、Si酸化膜からなる第2の犠牲膜(絶縁
膜)16を基板全面に等方的に厚さ0.1μm堆積す
る。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガス
とし、基板温度を400℃にする。すなわち、第2の犠
牲膜16は、基板10、エミッタ電極15bの表面に、
その表面形状を引き継ぎながら(コンフォーマルに)堆
積される。
【0048】次に、図6(E)に示すように、第2の犠
牲膜16の上に、例えばTiNx からなる第2のゲート
電極17を厚さ0.2μm反応性スパッタ法で堆積す
る。反応性スパッタは、DCスパッタ装置を用いて、タ
ーゲットとしてTiを用い、N 2 +Arガスを導入しな
がら行う。
【0049】最後に、図6(F)に示すように、エッチ
ングにより基板10とサイドスペーサ14bと第2の犠
牲膜16の一部を除去して、第1のゲート電極(収束電
極)11aと、第2のゲート電極17と、エミッタ電極
15bとを露出させて2電極素子を得る。Si基板10
等のSiのエッチングには、HF+HNO3 +CH3
OOHを用い、シリコン酸化膜等のエッチングには、H
F+NH4 Fを用いる。
【0050】第2の実施例によると、図5(C)の工程
におけるエッチバック処理によって、図6(F)で明ら
かなようにエミッタ電極15bの先端部内側に非常に先
鋭な形状が与えられたことがわかる。エミッタ電極15
bの先端位置は、第1のゲート電極11a及び第2のゲ
ート電極17の高さより高い位置にある。
【0051】次に、図7(A)〜(C)を参照して、本
発明の第3の実施例による電界放射型素子(2電極素
子)の製造工程を説明する。第3の実施例においてもゲ
ート電極は第1と第2のゲート電極を含む。
【0052】第3の実施例では、第2の犠牲膜16を第
1及び第2の実施例よりもステップカバレッジの比較的
よくない方法で形成して、エミッタ電極と第2のゲート
電極間の容量を減らして、絶縁耐圧を向上させる。この
第3の実施例の製造工程においては、最初は第1の実施
例の図1(A)〜(C)と、それに続き第2の実施例の
図5(A)〜(C)と基本的に同じ工程を行う。
【0053】図5(C)の工程の後、本第3の実施例に
おいては図7(A)で示すように、第2の犠牲膜16と
してO3 とTEOSを原料とする常圧CVD法、光CV
D法、SiH4 とO3 を原料とする減圧CVD法等の熱
CVD法よりもステップカバレッジの悪い反応性スパッ
タ法によりシリコン窒化膜を、基板全面に厚さ0.2μ
m(上部平坦面上の厚さ)堆積する。成膜の条件は、例
えば、Siターゲットを用い、N2 +Arガスを導入し
てスパッタを行う。なお、ステップカバレッジの悪い第
2の犠牲膜16は、スパッタ法の他、蒸着法、プラズマ
CVD法により形成することができる。第2の犠牲膜は
多層構造であってもよい。ステップカバレッジの悪い絶
縁耐圧の低い膜であっても、絶縁耐圧がよいが、ステッ
プカバレッジが良い膜と組み合わせることにより、カバ
レッジが悪く、絶縁耐圧のよい膜を得ることができる。
【0054】凹部底での第2の犠牲膜16の厚さを所定
値とした時、他の部分の厚さは、第1及び第2の実施例
における第2の犠牲膜の厚さよりも厚くなる。
【0055】次に、図7(B)に示すように、第2の犠
牲膜16の上に、例えばTiNx からなる第2のゲート
電極17を厚さ0.2μm反応性スパッタ法で堆積す
る。反応性スパッタは、DCスパッタ装置を用いて、タ
ーゲットとしてTiを用い、N 2 +Arガスを導入しな
がら行う。
【0056】最後に、図7(C)に示すように、エッチ
ングにより基板10とサイドスペーサ14bと第2の犠
牲膜16の一部を除去して、第1のゲート電極(収束電
極)11aと、第2のゲート電極17と、エミッタ電極
15bとを露出させて2電極素子を得る。Si基板10
等のSiのエッチングには、HF+HNO3 +CH3
OOHを用い、シリコン酸化膜等のエッチングには、H
F+NH4 Fを用いる。シリコン窒化膜のエッチングに
は、160〜180℃に加熱したH3 PO4 を用いる。
【0057】図7(C)に示す第3の実施例の電界放出
型素子では図6(F)で示す第2の実施例のものに比べ
てエミッタ電極15bと第2のゲート電極17との間の
電極間容量を少なくして絶縁耐圧を高くすることができ
る。
【0058】図17(A)〜図18(C)は、本発明の
第3の実施例の変形による電界放射型素子の製造方法を
示す基板断面図である。本実施例では、凹部13の直径
を小さくすることにより、エミッタ先端の先鋭化及びエ
ミッタの低抵抗化を実施する。
【0059】図1(A)に示す基板を形成した後、図1
(B)ではレジストパターンをマスクとして第1の絶縁
膜12及び第1のゲート電極11を異方的にエッチング
し、直径が0.6μmで深さが0.3μmの凹部13を
有する第1の絶縁膜12a及び第1のゲート電極11a
を形成する。本実施例では、図17(A)に示すよう
に、レジストパターンの開口部の直径を小さくすること
により、直径が0.45μmで深さが0.3μmの凹部
13を有する第1の絶縁膜12a及び第1のゲート電極
11aを形成する。
【0060】次に、図5(B)の工程と同様に、第1の
ゲート電極11a及び第1の絶縁膜12aの側壁上にサ
イドスペーサ14bを形成し、基板10に0.1μmの
凹部13aを形成する。凹部13aの底の角は、図17
(A)に示すように、丸く形成される。凹部13aの底
の直径は0.15μmである。これに対し、図1(B)
に示す凹部13の底の直径は0.3μmである。図17
(A)に示す凹部13a及び13を含む基板の凹部13
bのアスペクト比は大きくなる。アスペクト比は、(凹
部の深さ)/(凹部の底の幅)で表される。
【0061】上記のエッチングは、例えばマグネトロン
RIE装置を用い、エッチングガスとしてCH3 +CO
2 +Arを用い、反応室内圧力を50mTorrにして
行なう。
【0062】次に、図17(B)に示すように、基板上
にTiXx からなるエミッタ電極15を反応性スパッタ
法により0.3μm堆積する。エミッタ電極15は、基
板の凹部13bのアスペクト比が大きいため、第1の絶
縁膜12a上の平坦部では膜厚が0.3μm堆積する
が、凹部13bの底ではそれより薄く堆積する。
【0063】上記の反応性スパッタは、DCスパッタ装
置を用い、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガ
スを導入しながら行なう。
【0064】次に、エミッタ電極15を約0.05μm
全面エッチング(エッチバック)して、凹部の底にある
エミッタ電極15を完全に除去し、図17(C)に示す
ように、凹部の側壁及び第1の絶縁膜12a上にエミッ
タ電極15bを残す。
【0065】このエッチバックは、例えばマグネトロン
RIE装置を用い、エッチングガスとしてCl2 を用
い、反応室内圧力を125mTorrにして、異方性ド
ライエッチングを行なう。
【0066】次に、図18(A)に示すように、基板上
にシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜16を反応性ス
パッタ法により0.3μm堆積する。基板の凹部13b
のアスペクト比が大きいため、第2の絶縁膜16は、第
1の絶縁膜12aの上方の平坦部では膜厚が0.3μm
堆積するが、凹部の底ではそれより薄く堆積する。
【0067】この反応性スパッタは、DCスパッタ装置
を用い、ターゲットとしてB又はP等の不純物をドープ
したSiを用い、O2 +Arガスを導入しながら行な
う。
【0068】次に、図18(B)に示すように、基板上
にTiNx からなる第2のゲート電極17を反応性スパ
ッタ法により0.2μm堆積する。この反応性スパッタ
は、DCスパッタ装置を用い、ターゲットとしてTiを
用い、N2 +Arガスを導入しながら行なう。
【0069】最後に、基板10、サイドスペーサ14b
の全部と第2の絶縁膜16の一部をエッチングにより除
去し、図18(C)に示す2電極素子を得る。シリコン
基板のエッチングにはHF+HNO3 +CH3 COOH
を用い、シリコン酸化膜のエッチングにはHF+NH4
Fを用いる。
【0070】エミッタ電極15bには、負電位が印加さ
れる。第2のゲート電極17に正電位を印加すると、エ
ミッタ電極15bから電子を放出させることができる。
第1のゲート電極(収束電極)11aに負電位を印加す
ることにより、エミッタ電極15bからの放射電子を収
束させることができる。
【0071】本実施例によれば、基板の凹部13bのア
スペクト比を大きくすることにより、エミッタ電極15
bの先端を先鋭化し、エミッタを低抵抗化することがで
きる。すなわち、基板の凹部13bのアスペクト比が大
きいため、エミッタ電極15bの平坦部の膜厚が厚くな
り、エミッタの抵抗を下げることができる。これらの理
由の詳細は、後に図21及び図22を参照しながら説明
する。
【0072】図19(A)〜図20(C)は、本発明の
第3の実施例の他の変形による電界放射型素子の製造工
程を示す基板断面図である。本実施例では、第1の絶縁
膜12及び第1のゲート電極11を厚くすることによ
り、基板の凹部のアスペクト比を大きくし、エミッタ先
端の先鋭化及びエミッタの低抵抗化を実現する。
【0073】図1(A)では、第1のゲート電極11及
び第1の絶縁膜12の膜厚を共に0.15μmとした
が、本実施例では、図19(A)に示すように、第1の
ゲート電極11a及び第1の絶縁膜12の膜厚を共に
0.3μmと厚くし、その後、図1(B)の工程と同様
にして、凹部13を有する第1のゲート電極11a及び
第1の絶縁膜12aを形成する。図19(A)に示す凹
部13は、直径が0.6μmで深さが0.6μmであ
る。
【0074】次に、図5(A)の工程と同様にして、第
1のゲート電極11a及び第1の絶縁膜12aの側壁上
にサイドスペーサ14bを形成し、基板10に0.1μ
mの凹部13aを形成する。凹部13aの底の角は、図
19(A)に示すように丸く形成される。凹部13及び
13aを含む基板の凹部13bの深さは0.7μmであ
る。これに対し、図1(B)に示す基板の凹部13の深
さは0.4μmである。図19(A)に示す基板の凹部
13bのアスペクト比は大きくなる。
【0075】サイドスペーサ14b及び凹部13aを形
成するためのエッチングは、例えばマグネトロンRIE
装置を用い、エッチングガスとしてCHF3 +CO2
Arを用い、反応室内圧力を50mTorrにして行な
う。
【0076】次に、図19(B)に示すように、基板上
にTiNx からなるエミッタ電極15を反応性スパッタ
法により0.3μm堆積する。凹部13bのアスペクト
比が大きいため、エミッタ電極15は、第1の絶縁膜1
2a上の平坦部では膜厚が0.3μm堆積するが、凹部
の底ではそれより薄く堆積する。
【0077】この反応性スパッタは、DCスパッタ装置
を用い、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガス
を導入しながら行なう。
【0078】次に、エミッタ電極15を約0.05μm
全面エッチング(エッチバック)して、凹部の底にある
エミッタ電極15を完全に除去し、図19(C)に示す
ように、凹部の側壁及び第1の絶縁膜12aの上にエミ
ッタ電極15bを残す。
【0079】このエッチングは、例えばマグネトロンR
IE装置を用い、エッチングガスとしてCl2 を用い、
反応室内圧力を125mTorrにして、異方性ドライ
エッチングを行なう。
【0080】次に、図20(A)に示すように、基板上
にシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜16を反応性ス
パッタ法により0.3μm堆積する。凹部13bのアス
ペクト比が大きいため、第2の絶縁膜16は、第1の絶
縁膜12aの上方の平坦部では膜厚が0.3μm堆積す
るが、凹部の底ではそれより薄く堆積する。
【0081】この反応性スパッタは、DCスパッタ装置
を用い、ターゲットとしてB又はP等の不純物をドープ
したSiを用い、N2 +Arガスを導入しながら行な
う。
【0082】次に、図20(B)に示すように、基板上
にTiNx からなる第2のゲート電極17を反応性スパ
ッタ法により0.2μm堆積する。この反応性スパッタ
は、DCスパッタ装置を用い、ターゲットとしてTiを
用い、N2 +Arガスを導入しながら行なう。
【0083】最後に、基板10、サイドスペーサ14b
の全部と第2の絶縁膜16の一部をエッチングにより除
去し、図20(C)に示す2電極素子を得る。シリコン
基板のエッチングにはHF+HNO3 +CH3 COOH
を用い、シリコン窒化膜のエッチングには160〜18
0℃に加熱したH3 PO4 を用いる。シリコン酸化膜の
エッチングには、HF+NH4 Fを用いる。
【0084】本実施例によれば、第1のゲート電極11
及び第1の絶縁膜12の膜厚を厚くすることにより、基
板凹部のアスペクト比を大きくし、エミッタ電極15b
の先端を先鋭化し、エミッタの抵抗を下げることができ
る。これらの理由を、次に示す。
【0085】図21(A)は、図7(C)に示す第3の
実施例の電界放射型素子の基板断面図であり、図21
(B)は、図21(A)に示すエミッタ電極15bの先
端部211の拡大図である。
【0086】図22(A)は、図20(C)に示す電界
放射型素子の基板断面図であり、図22(B)は、図2
2(A)に示すエミッタ電極15bの先端部211の拡
大図である。
【0087】図22(A)に示すエミッタ電極15bの
平坦部の膜厚d4は、図21(A)に示すエミッタ電極
15bの平坦部の膜厚d2に比べて厚いため、図22
(A)に示す電界放射型素子はエミッタの配線抵抗を低
減することができる。
【0088】図22(B)に示すエミッタ電極15bの
先端部の頂角θ2は、図21(B)に示すエミッタ電極
15bの先端部の頂角θ1に比べて小さく、しかも図2
2(B)に示すエミッタ電極15bの先端と第2のゲー
ト電極17との最短距離d3は、図21(B)に示すエ
ミッタ電極15bの先端と第2のゲート電極17との最
短距離d1に比べて小さくできるので、図22(A)及
び(B)に示すエミッタ電極15b先端の電界が強くな
り、エミッタ電極15bや第2のゲート電極17の電圧
を低くしてもエミッタ電極15bから電子放射させるこ
とができる。
【0089】図22(A)、(B)に示すエミッタ電極
15bの先端部の頂角θ2が、図21(A)、(B)に
示すエミッタ電極15bの先端部の頂角θ1よりも小さ
くなる理由を説明する。図22(A)、(B)に示すエ
ミッタ電極15bの先端付近の膜厚は、図21(A)、
(B)に示すエミッタ電極15bのものよりも小さいた
め、図22(A)、(B)に示すエミッタ電極15bの
先端部の曲率半径が、図21(A)、(B)に示すもの
よりも大きくなる。そのため、図22(A)、(B)に
示すエミッタ電極15bの先端部の頂角θ2は、図21
(A)、(B)に示すエミッタ電極15bの先端部の頂
角θ1よりも小さくなり、図22(A)、(B)に示す
エミッタ電極15bの上記の特性が向上する。
【0090】図23は、コリメータ201を用いた斜め
スパッタ法により形成する膜のステップカバレッジを制
御する方法を示す。
【0091】コリメータ201がない場合、スパッタ粒
子200は、途中で散乱しながら基板203に到達する
ため、散乱なしに粒子が基板202に入射する真空蒸着
法に比べて、入射角の角度分布が広い。コリメータ20
1には、種々の方向へ放射されるスパッタ粒子200が
入射し、一定の放射方向に揃ったスパッタ粒子200a
がコリメータ200aから放出される。この放射方向の
揃ったスパッタ粒子200aは、基板ホルダ203上に
保持された基板202の法線に対して角度θ3にて入射
する。
【0092】基板ホルダ203及び基板202は、角度
θ3を保ちながら、スパッタ粒子200aの入射方向と
平行の軸208を軸としてモータ(図示せず)により回
転する。これにより、基板凹部におけるステップカバレ
ッジの非対称性を改善することができる。
【0093】図24は、上記の斜めスパッタ法におい
て、コリメータのより具体的な機能を示す図である。
【0094】コリメータ201は、厚さD1の金属やセ
ラミック等の板に直径D2の多数の穴を形成したもので
ある。このコリメータ201の穴は、開口率を最大にす
るため、六角形の断面形状が一般的であり、コリメータ
201はハニカム状の板となっていることが多い。コリ
メータ210の穴の形状は円形でも六角形以外の多角形
でもよい。
【0095】コリメータ201には、スパッタ粒子20
0が入射し、スパッタ粒子200bが出射する。スパッ
タ粒子200bは、基板202への入射角θ3に対し
て、+Δθ1〜−Δθ1の範囲内で角度分布を持つ。Δ
θ1は、コリメータ201の穴の寸法で決まり、次式の
関係がある。
【0096】
【数2】tanΔθ1=D2/D1 コリメータ201の厚さD1が薄いほど、また、コリメ
ータ201の穴の直径D2が大きいほど、Δθ1が大き
くなる。
【0097】図25は、斜め蒸着法を用いて形成する膜
のステップカバレッジを制御する方法を示す。
【0098】容器(ボート)207内の蒸着源206を
加熱することにより、蒸着源206から蒸発粒子が放出
される。蒸着源206から放射された粒子は、基板ホル
ダ203上に保持された基板202の法線に対して角度
θ3にて入射する。基板ホルダ203及び基板202は
角度θ3を保ったまま、回転軸204aを軸としてモー
タ(図示せず)により回転し、基板202を自転させ
る。これにより、基板凹部におけるステップカバレッジ
の非対称性を改善する。
【0099】回転軸204aは、プラネタリ205に固
定されている。プラネタリ205は回転軸204を軸と
してモータ(図示せず)により回転する。基板202は
公転し、基板202面内の膜厚均一性を向上させること
ができる。
【0100】図26(A)は、上記の斜め蒸着法におい
て、蒸着源が有限の大きさを有することに起因した粒子
の入射角の角度分布を示す。
【0101】基板202の回転中心P2において、蒸着
源206の中心から飛来した入射粒子の基板202法線
に対する入射角はθ3である。しかし、基板202の回
転中心P2において、蒸着源206全面から飛来した入
射粒子の基板202法線に対する入射角は、θ3+Δθ
2〜θ3−Δθ3の角度分布を持つ。
【0102】図26(B)は、上記の斜め蒸着法におい
て、蒸着源206から基板202までの距離と基板20
2の直径が有限であることに起因した粒子の入射角の角
度分布を示す。
【0103】基板202の回転中心P2の位置を除き、
蒸着源206から基板202への入射角は、基板202
の回転と共に変化し、ある角度分布を持つ。例えば、基
板202上において蒸着源206から遠い位置P1への
入射角は、基板202法線に対してθ5である。しか
し、基板202が180度回転すると、位置P1上の膜
は蒸着源206に近い位置P3に移動する。位置P3へ
の入射角は、基板202法線に対してθ4になる。な
お、蒸発粒子はほとんど散乱を起こさないが、蒸着源2
06と基板202との間に、図23に示すようなコリメ
ータ201を設けてもよい。
【0104】図27(A)及び(B)は、本発明の第3
の実施例の他の変形による電界放射型素子の製造工程を
示す基板断面図である。
【0105】図5(A)に示す基板を形成した後、図2
7(A)に示すように、図23に示したコリメータによ
る斜めスパッタ法や図25に示した斜め蒸着法を用い
て、粒子200bを基板に入射し、基板上にエミッタ電
極15を形成する。粒子200bは、基板法線に対して
入射角θ3で基板に入射する。例えば、TiNx からな
るエミッタ電極15を反応性スパッタ法により0.3μ
m堆積する。この反応性スパッタは、DCスパッタ装置
を用い、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガス
を導入しながら行なう。
【0106】入射粒子200bの入射角をθ3に揃える
ことにより、基板凹部の段差によるシャドウイング効果
を増大させ、凹部の底部でエミッタ電極15の膜厚を薄
くし、平坦部でエミッタ電極15の膜厚を厚くすること
ができる。シャドウイング効果についていは、後に図2
8(A)及び(B)を参照しながら説明する。上記のよ
うに、入射粒子200bの入射角をθ3に揃えることに
より、ステップカバレッジの悪いエミッタ電極15を形
成することができる。
【0107】次に、エミッタ電極15を0.05μm程
度全面エッチング(エッチバック)して、図27(B)
に示すように、凹部の底にあるエミッタ電極15を完全
に除去し、凹部の側壁及び第1の絶縁膜12a上にエミ
ッタ電極15bを残す。このエッチバックは、例えばマ
グネトロンRIE装置を用い、エッチングガスとしてC
2 を用い、反応室内圧力を125mTorrにして、
異方性ドライエッチングを行なう。
【0108】その後、図6(D)〜(F)の工程と同様
の工程を行い,2電極素子を完成させる。
【0109】図28(A)及び(B)は、シャドウイン
グ効果を説明するための基板断面図である。
【0110】図28(A)は、図26(B)に示す基板
202上の位置P2付近における粒子200bの堆積を
示す。粒子200bの入射角が基板法線に対してθ3で
ある場合、凹部の底及び右側壁には陰となる領域209
ができる。
【0111】図28(B)は、図28(B)に対して基
板が180度回転した時の粒子200bの堆積を示す。
位置P2は、基板の回転中心にあるため、基板法線に対
する粒子200bの入射角はθ3のまま変化しない。し
かし、凹部の底及び左側壁に陰となる領域210がで
き、陰となる領域が移動する。
【0112】図26(A)に示したように、基板法線に
対する粒子の入射角はθ3+Δθ2〜θ3−Δθ3の間
で変化する。また、図26(B)に示したように、位置
P1は基板が180度回転した場合に位置P3に移動す
るため、基板法線に対する粒子の入射角はθ5〜θ4の
間で変化する。上記の理由により、図28(A)及び
(B)に示す陰の領域209、210にも薄く粒子が堆
積し、薄いエミッタ電極15が形成される。
【0113】次に、図8(A)〜(C)を参照して、本
発明の第4の実施例による電界放射型素子(2電極素
子)の製造工程を説明する。第4の実施例においてもゲ
ート電極は第1と第2のゲート電極を含む。
【0114】第4の実施例では、最初は第1の実施例の
図1(A)〜(C)と、それに続き第2の実施例の図5
(A)〜(C)及び図6(D)と基本的に同じ工程を行
う。
【0115】そして、図6(D)の工程の後、本第4の
実施例においては図8(A)で示すように、第2の犠牲
膜16を全面エッチバックして、凹部13の底のみで完
全に除去して、さらに基板10も表面から深さ0.05
μm程度彫り込む。上部と凹部側壁上では第2の犠牲膜
16bとして残す。このエッチバックには異方性ドライ
エッチングを用いる。例えば、マグネトロンRIE装置
を用い、エッチングガスとしてSF6 +Heを用い、反
応室内圧力を125mTorrにして行う。
【0116】次に、図8(B)に示すように、第2の犠
牲膜16bの上に、例えばTiNxからなる第2のゲー
ト電極17を厚さ0.2μm反応性スパッタ法で堆積す
る。反応性スパッタは、DCスパッタ装置を用いて、タ
ーゲットとしてTiを用い、N2 +Arガスを導入しな
がら行う。
【0117】最後に、図8(C)に示すように、エッチ
ングにより基板10とサイドスペーサ14bと第2の犠
牲膜16bの一部を除去して、第1のゲート電極(収束
電極)11aと、第2のゲート電極17と、エミッタ電
極15bとを露出させて2電極素子を得る。Si基板1
0等のSiのエッチングには、HF+HNO3 +CH 3
COOHを用い、シリコン酸化膜等のエッチングには、
HF+NH4 Fを用いる。シリコン窒化膜のエッチング
には、160〜180℃に加熱したH3 PO4を用い
る。
【0118】第2のゲート電極17は、エミッタ電極1
5bよりも下方に出っ張っており、エミッタ電極15b
から放出される電子がエミッタ電極15b及び第2のゲ
ート電極17の中心軸に集まりやすい。エミッタ電極1
5bからアノード電極(図示せず)に照射される電子
は、スポット径が小さくなり、高解像度化できる。この
フォーカシングは、エミッタ電極15bに対する第1及
び第2のゲート電極11a、17の電圧を制御すること
により行なうことができる。
【0119】次に、図9(A)〜(C)、図10(D)
〜(F),図11(G)〜(I)を参照して、本発明の
第5の実施例による電界放射型素子(3電極素子)の製
造工程を説明する。第5の実施例の3電極素子は、エミ
ッタ電極とゲート電極とアノード電極の3電極を有す
る。この実施例においてもゲート電極は第1と第2のゲ
ート電極を含む。
【0120】図9(A)において、Si酸化物の出発基
板20a上にPまたはBをドープした多結晶Siからな
るアノード電極20bをスパッタ法により厚さ0.15
μm堆積する。
【0121】次に、SiO2 からなる第1の犠牲膜(絶
縁膜)20cをアノード電極20b上にCVD法により
厚さ0.3μm堆積し基板20を得る。その上にさらに
PまたはBをドープした多結晶Siからなる第1のゲー
ト電極21をスパッタ法により厚さ0.15μmを形成
する。さらに、第1のゲート電極21上にSi酸化膜の
第2の犠牲膜22を厚さ0.15μm堆積する。
【0122】次に、フォトリソグラフィにより所定パタ
ーンのレジスト膜(図示せず。)を第2の犠牲膜22上
に形成する。このレジスト膜をマスクとして、第2の犠
牲膜22と第1のゲート電極21とを異方的にエッチン
グし、図9(A)に示すように、凹部23を有する所定
パターンの第2の犠牲膜22aと第1のゲート電極21
aとを残す。凹部23は、ほぼ垂直な側壁を持ち、平面
(上面)形状が直径0.6μmの円形で、その深さが
0.3μm程度とする。
【0123】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE装置を用いたドライエッチングであり、エッチン
グガスとしてHBrを用い、反応室内圧力を100mT
orrにして行う。
【0124】次に、図9(B)に示すように、常圧CV
D法により、Si酸化膜を凹部23の表面上と第2の犠
牲膜22a上に厚さ0.2μm堆積して第3の犠牲膜2
4を形成する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOS
を原料ガスとし、基板温度を400℃にする。
【0125】次に、第3の犠牲膜24を異方性ドライエ
ッチング(エッチバック)して、図9(C)に示すよう
に、第2の犠牲膜22aの側壁上にのみ第3の犠牲膜2
4の一部をサイドスペーサ24aとして残す。
【0126】次に、図10(D)に示すように、基板2
0の開口部表面とサイドスペーサ24aと第2の犠牲膜
22aとの上に、例えばTiNx からなるエミッタ電極
25を厚さ0.1μm(上部平坦面上の厚さ)だけDC
スパッタ装置を用いて堆積する。DCスパッタ装置で
は、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガスを導
入しながら行う。
【0127】次に、図10(E)に示すように、エミッ
タ電極25を0.05μm程度全面エッチバックして、
凹部23の底のみで完全に除去し、上部と凹部23の側
壁上ではエミッタ電極25aとして残す。このエッチバ
ックには、異方性ドライエッチングを用いる。例えば、
マグネトロンRIE装置を用い、エッチングガスとして
Cl2 を用い、反応室内圧力を125mTorrにして
行う。
【0128】次に、図10(F)に示すように、常圧C
VD法により、Si酸化膜からなる第4の犠牲膜(絶縁
膜)26を基板全面に等方的に厚さ0.1μm堆積す
る。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガス
とし、基板温度を400℃にする。
【0129】次に、図11(G)に示すように、第4の
犠牲膜26の上に、例えばTiNxからなる第2のゲー
ト電極27を厚さ0.2μm反応性スパッタ法で堆積す
る。反応性スパッタは、DCスパッタ装置を用いて、タ
ーゲットとしてTiを用い、N2 +Arガスを導入しな
がら行う。
【0130】さらに、第2のゲート電極27の上に通常
のフォトリソグラフィ技術を用いて、レジストマスク
(図示せず。)を形成し、第2のゲート電極として利用
しない部分をエッチングにより除去し、図11(H)で
示すようにスリット開口28と第2のゲート電極27
a、27bを形成する。このエッチングには、異方性ド
ライエッチングを用いる。例えば、マグネトロンRIE
装置を用い、エッチングガスとしてCl2 を用い、反応
室内圧力を125mTorrにして行う。
【0131】次に、スリット開口28を通じて第1の犠
牲膜20c、サイドスペーサ24a、第4の犠牲膜26
の一部を等方的にウエットエッチングして除去し、図1
1(I)に示すように、第2のゲート電極27a、27
b、第1のゲート電極21a、エミッタ電極25a及び
アノード電極20bを露出させて、3電極素子が完成す
る。なお、SiO2 のエッチングにはHF+NH4 Fを
用いる。
【0132】図12(A)と、(B)は、上記第5の実
施例の変形例を示す。図12(A)の変形例は、最初図
9(A)〜図11(G)までの工程と基本的に同一の処
理を行う。この実施例では不要部分の除去のためのスリ
ット開口部をフォトリソグラフイを用いずに設ける。つ
まり、図11(G)の工程の後に、第2のゲート電極2
7を全面エッチバック処理により第2のゲート電極27
の底を抜いて、開口部29を有する第2のゲート電極2
7bを残す。このエッチングには、異方性ドライエッチ
ングを用いる。例えば、マグネトロンRIE装置を用
い、エッチングガスとしてCl2 を用い、反応室内圧力
を125mTorrにして行う。またこの実施例では第
2の犠牲膜22aとしてシリコン窒化膜を用いている。
【0133】図12(B)の変形例でも、第2の犠牲膜
22aとしてシリコン窒化膜を用いる。最初、図9
(A)〜(B)までの工程と基本的に同一の処理を行
う。サイドスペーサ形成用の第3の犠牲膜24のエッチ
バック工程で、第2の実施例の図5(A)の工程と同様
に、基板の第1の犠牲膜20cの途中までオーバエッチ
ングを行う。その後は図5(B)〜図6(I)の工程と
基本的に同様な処理を続ける。そして、図12(A)と
同じく、第2のゲート電極27の底をエッチングにより
開口して、開口部29を介して、第1の犠牲膜20c、
サイドスペーサ24a、第4の犠牲膜26の一部を等方
的にウエットエッチングして除去し、第2のゲート電極
27a、27b、第1のゲート電極21a、エミッタ電
極25a及びアノード電極20bを露出させて、3電極
素子が完成する。この実施例においても図12(B)か
ら明らかなように、エミッタ電極の先端部が先鋭化でき
る。
【0134】図14は、図11(I)に示す第5の実施
例の3電極素子の斜視図である。第2のゲート電極27
aは、第2のゲート電極27bに接続され支持される。
エミッタ電極25aの先端部は、第1のゲート電極21
aの開口部の内側に配置し、その先端は円形の孔を有し
て火口形状に形成される。第2のゲート電極27aの先
端位置は、エミッタ電極25aから少し後退した奥側に
配置される。
【0135】3電極素子は、陰極であるエミッタ電極2
5aと陽極であるアノード電極20bを有し、第1と第
2のゲート電極21a、27aにそれぞれ所定値の電位
を印加することにより、エミッタ電極25aからアノー
ド電極20bに向けて電子ビームを収束させて放出させ
ることができる。
【0136】図15は、上記の実施例の電界放射型素子
を用いたフラットパネルディスプレイの断面図である。
【0137】電界放射型素子は、上述の第1の実施例に
示した方法により製造された2電極素子である。絶縁体
からなる支持基板41の上に、AlまたはCu等からな
る配線層42と多結晶Si等からなる抵抗層43を形成
する。抵抗層43の上には、火口状の第2のゲート電極
44と、エミッタ電極45を多数配列し、電界放射エミ
ッタアレイ(FEA)を形成する。第1のゲート電極4
6は、各エミッタ電極45の先端付近に小さな開口(ゲ
ートホール)を有し、図示しないが開口ごとに独立して
電圧を印加することができる。複数のエミッタ電極45
も、それぞれ独立して電圧を印加することができる。
【0138】エミッタ電極45および第1と第2のゲー
ト電極46、44を含む電子源に対向して、ガラスまた
は石英等からなる透明基板47を含む対向基板を配置す
る。対向基板は、透明基板47の下にITO等からなる
透明電極(アノード電極)48を配置し、さらにその下
に蛍光材49を配置する。
【0139】電子源と対向基板とは、透明電極48とエ
ミッタ電極45の間の距離が0.1〜5mm程度に保た
れるように、接着剤を塗布したガラス基板からなるスペ
ーサ50を介して接合される。接着剤には、例えば低融
点ガラスを用いることができる。
【0140】なお、スペーサ50としてガラス基板を用
いず、エポキシ樹脂等の接着剤中にガラスビーズ等を分
散させてスペーサ50を構成することもできる。
【0141】ゲッター材51は、例えばTi、Al、M
g等で形成され、放出ガスがエミッタ電極45の表面に
再付着するのを防止する。
【0142】対向基板には、予め排気管52が形成され
ている。排気管52を利用して、フラットパネルディス
プレイの内部を10-5〜10-9Torr程度まで真空排
気した後、バーナー53等で排気管52を封止する。そ
の後、アノード電極(透明電極)48、エミッタ電極4
5、第1と第2ゲート電極46、44の配線を行い、フ
ラットパネルディスプレイを完成させる。
【0143】アノード電極(透明基板)48は、常に正
電位に保持されている。表示画素は、エミッタ配線とゲ
ート配線とにより2次元的に選択される。つまり、電圧
が印加されたエミッタ配線とゲート配線の交点に配置さ
れる電界放射型素子が選択される。
【0144】エミッタ電極および第2のゲート電極に
は、それぞれ負電位(又は接地)および正電位が与えら
れ、エミッタ電極からアノード電極に向けて電子が放出
される。電子が蛍光材49に照射されると、その部分
(画素)が発光する。
【0145】なお、第1及び第2のゲート電極やエミッ
タ電極には、多結晶Siや非晶質Si等の半導体、ある
いはWSix やTiSix やMoSix 等のシリサイド
化合物、AlやCuやWやMoやNiや、Cr,Hf,
TiNx 等の金属を用いることができる。
【0146】さらに、犠牲膜や絶縁膜あるいはサイドス
ペーサなどには、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シ
リコン酸化窒化膜などを用いることができる。
【0147】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1のゲート電極膜を含む表面層に孔を生成し、孔の側
壁にサイドスペーサを形成し、その上にエミッタ電極膜
を形成し、エミッタ電極膜をエッチバックして孔の底を
露出し、さらにその上に犠牲膜(絶縁膜)を介して第2
のゲート電極を形成したことによってエミッタ電極とゲ
ート電極との高さ位置の製造バラツキが少なく、エミッ
タ電極に対する第1及び第2ゲート電極の高さ方向の制
御がし易い。従って、歩留りがよく、設計の自由度が大
きく、最適化がし易い。
【0149】また、本発明の実施例によれば、エミッタ
電極の先端部の先鋭化が容易におこなえて単位面積当た
りの電流量を増加できる。
【0150】また、エミッタ電極−第2ゲート電極間の
犠牲膜あるいは絶縁膜に熱CVDよりもカバレッジの悪
いスパッタあるいは蒸着を用いれば、エミッタ電極−第
2ゲート電極間の容量を下げ、絶縁耐圧を大きくするこ
とができる。また、エミッタ電極の成膜においてカバレ
ッジの悪いスパッタや蒸着を用いれば、エミッタ先端の
先鋭度をより鋭くして、エミッタの配線抵抗を下げられ
る。
【0151】本発明の実施例においては、高価なフォト
プロセスが少ないために、製造のコストダウンが可能で
ある。またスループット、歩留りが高い。具体的には、
1回のフォトプロセスで、第1のゲートが加工され、エ
ッチバックでエミッタ電極、第2のゲート電極の加工が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施
例による2電極素子の電界放射型素子の製造工程を示す
図である。
【図2】 図2(D)〜(F)は、図1(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図3】 図3(G)〜(I)は、図2(F)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図4】 図4(A)、(B)は、第1の実施例の変形
例であり、第1の実施例による電界放射型素子を支持基
板で補強する方法を示す図である。
【図5】 図5(A)〜(C)は、本発明の第2の実施
例による電界放射型素子(3電極素子)の製造工程を示
す図である。
【図6】 図6(D)〜(F)は、図5(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図7】 図7(A)〜(C)は、本発明の第3の実施
例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図8】 図8(A)〜(C)は、本発明の第4の実施
例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図9】 図9(A)〜(C)は、本発明の第5の実施
例による電界放射型素子(3電極素子)の製造工程を示
す図である。
【図10】 図10(D)〜(F)は、図9(C)に続
く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図11】 図13(G)〜(I)は、図10(F)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図12】 図12(A),(B)は、第5の実施例に
よる電界放射型素子の変形例を示す図である。
【図13】 図13は、本発明の実施例のエッチング工
程のシミュレーションのグラフである。
【図14】 図14は、本発明の実施例による電界放射
型素子の斜視図である。
【図15】 図15は、電界放射型素子を用いたフラッ
トパネルディスプレイの断面図である。
【図16】 図16は、従来の技術による電界放射型素
子の断面図である。
【図17】 図17(A)〜(C)は、本発明の第3の
実施例の変形による電界放射型素子の製造工程を示す図
である。
【図18】 図18(A)〜(C)は、図17(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図19】 図19(A)〜(C)は、本発明の第3の
実施例の他の変形による電界放射型素子の製造工程を示
す図である。
【図20】 図20(A)〜(C)は、図19(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図21】 図21(A)は、図7(C)に示す電界放
射型素子の基板断面図であり、図21(B)はエミッタ
電極の先端部の拡大図である。
【図22】 図22(A)は、図20(C)に示す電界
放射型素子の基板断面図であり、図22(B)は、エミ
ッタ電極の先端部の拡大図である。
【図23】 コリメータによる斜めスパッタ法を説明す
るための図である。
【図24】 コリメータによる斜めスパッタ法の詳細を
説明するための図である。
【図25】 斜め蒸着法を説明するための図である。
【図26】 図26(A)及び(B)は、斜め蒸着法の
詳細を説明するための図である。
【図27】 図27(A)及び(B)は、本発明の第3
の実施例の他の変形による電界放射型素子の製造工程を
示す図である。
【図28】 図28(A)及び(B)は、シャドウイン
グ効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 基板、 11,11a 第1のゲート電極、
12,12a 第1の絶縁膜 13 凹部、 1
4 第1の犠牲膜、 14a サイドスペーサ、
15、15a、15b エミッタ電極、 16 第2
の犠牲膜 17 第2のゲート電極、 18 平坦
化膜、 18p 接着材 19 支持基板、 2
0 基板、 20a 出発基板、 20b アノー
ド電極、20c 第1の犠牲膜、 21,21a 第
1のゲート電極、 22,22a 第2の犠牲膜、
23 凹部、 24a サイドスペーサ、 2
5,25a,25d エミッタ電極、 26 第4の
犠牲膜、 27,27a,27b 第2のゲート電
極、 28 スリット開口、 29 開口、30
シリコン酸化膜、 31 多結晶シリコン膜、 3
2 シリコン窒化膜、 33 シリコン酸化膜、
34 凹部、 35 サイドスペーサ、41 支持基
板、 42 配線層、 43 抵抗層、 44
第2のゲート電極、 45 エミッタ電極、 46
第1のゲート電極、 47透明基板、 48 透
明電極、 49 蛍光材、 50 スペーサ、51
ゲッター材、 52 排気管、 53 バーナ、
100 ポストゲート、 101 エミッタ電
極、 102 第2のゲート電極、 103,10
4 絶縁膜、 200 スパッタ粒子、 201
コリメータ、202 基板、 203 基板ホルダ、
204 回転軸、 205プラネタリ、 20
6 蒸発源、 207 ボート
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月5日(1999.11.
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】基板上に導電材の第1の
ゲート膜を含む表面層を形成し、該表面層の一部を除去
して前記表面層に孔を形成するとともに前記孔の側壁に
第1の犠牲膜の材料からなるサイドスペーサを形成す
る。前記孔の底部に平坦面が形成されるように前記表面
層と前記サイドスペーサの上に導電材のエミッタ膜を形
成し、さらに前記エミッタ膜をエッチバックして前記孔
の底部のエミッタ膜を除去して前記基板面を露出させ
る。そして、前記エミッタ膜と前記基板の露出面の上に
第2の犠牲膜を形成し、前記第2の犠牲膜上の全面に導
電材の第2のゲート膜を形成してから、前記基板と前記
第2の犠牲膜の少なくとも一部を含む不要部分を除去す
ることにより前記エミッタ膜と前記第1と第2のゲート
膜とを露出させる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)基板上に導電材の第1のゲート膜
    を含む表面層を形成する工程と、 (b) 該表面層の一部を除去して前記表面層に孔を形
    成する工程と、 (c)前記孔の側壁に第1の犠牲膜の材料からなるサイ
    ドスペーサを形成する工程と、 (d)前記孔の底部に平坦面が形成されるように前記表
    面層と前記サイドスペーサの上に導電材のエミッタ膜を
    形成する工程と、 (e)前記エミッタ膜をエッチバックし、前記孔の底部
    の第1のゲート膜を除去して前記基板面を露出させる工
    程と、 (f)前記エミッタ膜と前記基板の露出面の上に第2の
    犠牲膜を形成する工程と、 (g)前記第2の犠牲膜上の全面に導電材の第2のゲー
    ト膜を形成する工程と、 (h)前記基板と前記第2の犠牲膜の少なくとも一部を
    含む不要部分を除去することにより前記エミッタ膜と前
    記第1と第2のゲート膜とを露出させる工程とを含む電
    界放射型素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(c)は、前記表面層上に第1
    の犠牲膜を等方的に形成し、前記第1の犠牲膜と前記表
    面層を異方的にエッチバックすることにより前記サイド
    スペーサを前記孔の側壁に形成すると共に底部の角に丸
    みを有する孔を前記表面層に形成することを特徴とする
    請求項1に記載の電界放射型素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(f)の後、前記工程(g)の
    前に、 (i)前記第2の犠牲膜を全面エッチバックして前記孔
    の底部の前記第2の犠牲膜と前記エミッタ膜とを除去し
    て前記基板を露出する工程を含むことを特徴とする請求
    項2記載の電界放射型素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(b)において、前記第2の犠
    牲膜を熱CVDよりもステップカバレッジが悪い処理方
    法により前記エミッタ膜と前記基板の露出面に形成する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電界
    放射型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板はアノード電極となる導電層を
    有し、前記工程(h)は前記エミッタ膜と前記第1と第
    2のゲート膜及び前記アノード電極表面を露出させる工
    程である請求項1記載の電界放射型素子の製造方法。
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