JPH09190764A - 電界放射型素子の製造方法 - Google Patents

電界放射型素子の製造方法

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JPH09190764A
JPH09190764A JP103996A JP103996A JPH09190764A JP H09190764 A JPH09190764 A JP H09190764A JP 103996 A JP103996 A JP 103996A JP 103996 A JP103996 A JP 103996A JP H09190764 A JPH09190764 A JP H09190764A
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film
field emission
emitter electrode
sacrificial film
electrode
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JP103996A
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Atsuo Hattori
敦夫 服部
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/025Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端部の頂角および曲率半径が小さい電界放
出陰極(エミッタ)を有する電界放射型素子の製造方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 断面形状が互いに対向する2パートから
なるオーバーハング部を基板に形成する工程と、2パー
トのオーバーハング部の上にそれぞれ堆積される断面形
状が2パートからなる犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程
と、犠牲膜を化学反応させ、2パートからなる犠牲膜を
互いに接触させる反応工程と、接触した犠牲膜の上に電
界放出陰極膜を堆積する工程と、犠牲膜の一部または全
てを除去し、電界放出陰極膜の先端を露出させる電極露
出工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型素子の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放射型素子は、電界集中を利用し
て、先鋭なエミッタの先端から電子を放出させる素子で
ある。例えば、フラットパネルディスプレイは、多数の
エミッタを配列した電界放射エミッタアレイ(FEA)
を用いて構成できる。それぞれのエミッタは、ディスプ
レイの各画素を制御する。
【0003】図19(A)、(B)は、従来技術による
電界放射型素子の製造方法を説明する。図19(A)に
示すように、まず、垂直な側壁を持つ凹部を有する基板
101に、ステップカバレッジの悪い堆積方法で犠牲膜
103を堆積する。当該凹部に堆積した犠牲膜103
は、テーパ形状になる。この犠牲膜103を成形型とし
エミッタ電極(陰極)を成形すると、先端部Aが広がり
を持つエミッタ電極105ができる。エミッタ電極10
5の先端部Aの曲率半径が大きいと、電界が集中しにく
く、好ましくない。
【0004】図19(B)に示すように、犠牲膜103
を厚く堆積すると、犠牲膜103の側面同士が接触し、
先端部の頂角が比較的小さなエミッタ電極105を形成
することができる。
【0005】しかし、この方法によれば、犠牲膜を厚く
することが必要であり、エミッタ電極105の先端部
は、基板101の凹部の底から上方向に離れた位置に成
形されてしまう。電界放出型素子として、エミッタ電極
の他にゲート電極を形成する際、一般的にゲート電極
は、図示しないが、基板101と犠牲膜103の境界付
近に形成される。図19(B)の方法により、エミッタ
電極105を形成すると、エミッタ電極とゲート電極と
の距離は離れてしまい、電界放出型素子の駆動電圧は高
電圧を必要とし、好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エミッタ電極の先端の
曲率半径が大きいと、電界が集中しにくく、電界放射型
素子としての性能は低下する。また、エミッタ電極とゲ
ート電極の相対位置が電界放射型素子の性能に多大な影
響を与える。
【0007】本発明の目的は、先端部の頂角および曲率
半径が小さい電界放出陰極(エミッタ)を有する電界放
射型素子の製造方法を提供することである。本発明の他
の目的は、先端部の位置を精度よく決めることができる
電界放出陰極を有する電界放射型素子の製造方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電界放射型素子
の製造方法は、断面形状が互いに対向する2パートから
なるオーバーハング部を基板に形成する工程と、2パー
トのオーバーハング部の上にそれぞれ堆積される断面形
状が2パートからなる犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程
と、犠牲膜を化学反応させ、2パートからなる犠牲膜を
互いに接触させる反応工程と、接触した犠牲膜の上に電
界放出陰極膜を堆積する工程と、犠牲膜の一部または全
てを除去し、電界放出陰極膜の先端を露出させる電極露
出工程とを含む。
【0009】化学反応により2パートからなる犠牲膜を
互いに接触させることにより、その接触部には2つの円
が接触したかのように鋭い谷ができる。その谷を成形型
として用いれば、先端の頂角および曲率半径が小さい電
界放出陰極を製造することができる。
【0010】また、本発明の2極管構造を有する電界放
射型素子の製造方法は、上記の製造方法において、前記
反応工程は、犠牲膜の一部のみを化学反応させる工程で
あり、該犠牲膜のうち化学反応しない部分が半導体また
は導電体からなるゲート電極であり、前記電界放出陰極
膜は導電体からなるエミッタ電極であり、前記電極露出
工程は、前記エミッタ電極の先端および前記ゲート電極
の先端を露出させる工程である。
【0011】2パートからなるオーバーハング部の上に
犠牲膜を堆積する工程と、当該犠牲膜を化学反応させる
工程の各プロセス条件を組み合わせることにより、エミ
ッタ電極とゲート電極の相対位置を精度よく決めること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1(A)〜(C)、図2(D)
〜(F)、図3(G)は、本発明の実施例による電界放
射型素子の製造工程を示す図である。以下、電界放射型
素子を構成するエミッタ(陰極)の製造工程を示す。
【0013】図1(A)に示すように、基板10は、出
発基板10aと、その上に積層される約140nmの積
層膜10bから構成される。例えば、出発基板10aは
Siからなり、積層膜10bはSiNx からなる。
【0014】積層膜10bは、SiNx の他、SiO2
でもよい。出発基板10aにAlを用いることもでき
る。その場合、積層膜10bは、AlNX またはAl2
3 等である。以下、SiとSiNx を用いる場合を例
にとって説明する。
【0015】図1(B)では、積層膜10bの上に所定
パターンのレジスト膜を形成し、当該レジストをマスク
として積層膜10bを選択的にエッチングし孔12をあ
け、断面形状が2パートからなる積層膜10cを形成す
る。エッチングは、SF6 系のエッチングガスを用い
て、RIEにより行う。孔12は、直径が約0.5μ
m、深さが約140nmである。
【0016】図1(C)では、積層膜10cをマスクと
して、HF+HNO3 +H2 Oを用いて、出発基板10
aをウェットエッチングし孔12aをあけ、基板10d
を形成する。孔12aは、直径が約1.5μmであり、
深さが約0.5μmである。孔12aを形成することに
より、積層膜10cの孔12周辺部は庇状に張り出す。
断面で見ると、図1(C)に示すような2パートからな
るオーバーハング部13ができる。以下、断面が2パー
トである状態を単に「2パート」と表す。
【0017】図2(D)では、CVD法により、例えば
多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2パートから
なる積層膜10c上に約0.3μm堆積する。同時に、
開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の犠牲膜
15bが基板10d上に堆積される。2パートからなる
第1の犠牲膜15aの各側面の間隔は、約0.1μmで
ある。
【0018】第1の犠牲膜15a,15bは、多結晶S
iの他、非晶質Si、WSix 、MoSix 、TaSi
x 、Al、Ta、Mo、Tiでもよい。また、CVD法
の他、スパッタ法を用いてもよい。例えば、DCスパッ
タ装置を用いて、PまたはBを含む多結晶Siをターゲ
ットとしてスパッタすれば、非晶質Siの第1の犠牲膜
15a,15bを形成することができる。スパッタの条
件は、例えば、パワーが1kWであり、Arガス圧力が
8mTorrである。
【0019】次に、図2(E)に示すように、加湿(ウ
ェット)酸化法により第1の犠牲膜15a,15bの表
面を酸化させ、例えばSiO2 からなる反応膜16c,
16dを形成する。反応膜16cは、2パートの第1の
犠牲膜15aの表面がそれぞれ約0.1μm体積膨張し
て接触することにより連続した状態となる。第1の犠牲
膜15cは、図2(D)に示す第1の犠牲膜15aのう
ち酸化されずに残った部分である。体積膨張により、
0.05μmの表面隆起を得るには、多結晶Siを深さ
約0.05μm酸化させればよい。
【0020】加湿酸化は、例えば縦型炉を用いて、炉内
温度を850℃とし、H2 ガスを30000cc/mi
n、O2 ガスを20000cc/min供給することに
より行う。
【0021】以上のように、第1の犠牲膜を体積膨張さ
せ、断面形状が2パートからなる第1の犠牲膜の各側面
を互いに接触させた直後に化学反応を止めれば、当該接
触部に鋭角の谷を形成することができる。当該接触部
は、2つの円ないし楕円が接触したかのように鋭い鋭角
を持つ。なお、開口部閉塞後、さらに酸化を行うと、元
2パートの犠牲膜の接触点は次第に上方に移動する。た
だし、この変化によっても接触部の頂角は鋭い鋭角を保
つ。この鋭角を成形型として、以下エミッタ電極を形成
する。
【0022】図2(F)では、反応膜16cの上に、例
えばTiNからなるエミッタ電極17を約0.2μm反
応性スパッタ法で堆積する。スパッタの条件は、例え
ば、DCスパッタ装置を用いて、パワーを5kW、圧力
を4mTorr、ターゲットをTiとし、N2 ガスを8
4sccm、Arガスを56sccm供給する。なお、
エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、Cr、Ti、
Wでもよい。
【0023】図3(G)では、基板10dをHF+HN
3 +H2 Oでウェットエッチングする。その後、反応
膜16cをHF+NH4 Fでウェットエッチングし、エ
ミッタ電極17を露出させる。
【0024】エミッタ電極17の先端は、高さ0.3〜
0.8μmのでっぱりであり、頂角が約20°、曲率半
径が約10nm程度になることが予測される。エミッタ
電極17の先端の曲率半径および頂角を小さくすること
ができるので、エミッタ電極17の先端に電界を集中さ
せやすい。
【0025】図4(A)〜(C)は、エミッタ電極17
を支持基板18で補強する方法を3種類示す。エミッタ
電極17は、膜厚が約0.2μmと薄いので、支持基板
18でエミッタ電極17を補強することが望ましい。
【0026】図4(A)は、第1の方法を示す。上記に
より製造されたエミッタ電極17の凹部を、例えばSO
G膜からなる平坦化膜19aで埋める。その後、平坦化
膜19aをCMP法でエッチバックし、エミッタ電極1
7の表面を平坦化する。平坦化膜19aは、SOG膜の
他、PSGやBPSGをリフローして形成してもよい。
【0027】続いて、エミッタ電極17の上に支持基板
18を接着する。支持基板18は、例えば、ガラス、石
英またはAl2 3 である。図4(B)は、第2の方法
を示す。エミッタ電極17の上に、例えば低融点ガラス
からなる接着剤19bをリフローし、エミッタ電極17
と支持基板18を接着する。接着剤19bは、エミッタ
電極17の表面を平坦化する役目も有する。
【0028】接着剤19bは、低融点ガラスの他、Al
を用いてもよい。その場合、温度400〜500℃を保
ち、1kVの高電圧をかけ、静電気力によりエミッタ電
極17と支持基板18を陽極接合してもよい。接着剤1
9bにAlを用いれば、接着剤19bをエミッタ配線と
して用いることもできる。
【0029】図4(C)は、第3の方法を示す。エミッ
タ電極17の凹部を、例えばWからなる平坦化膜19a
で埋める。その後、平坦化膜19aをエッチバックし、
エミッタ電極17の表面を平坦化する。続いて、エミッ
タ電極17の上に、例えばAlからなる接着剤19b
を、さらにその上に支持基板18を形成する。
【0030】なお、本実施例では、エミッタ電極の形状
を決める上で、図2(D)に示した第1の犠牲膜15a
の生成工程が重要である。例えば、2パートからなる第
1の犠牲膜15aの各側面の間隔は、約0.1μmが好
ましい。そこで、以下の方法により、第1の犠牲膜15
aを生成してもよい。
【0031】図5は、第1の犠牲膜を形成する他の方法
を示す図である。図1(C)の工程の後、CVD法等に
より第1の犠牲膜15d,15eを厚めに形成する。た
だし、第1の犠牲膜15dは、2パートを保つようにす
る。その後、等方ウェットエッチングを行い、図2
(D)に示す第1の犠牲膜15aの厚さに修正する。第
1の犠牲膜15dのオーバーハング部の裏面を薄くする
こともできる。その後は、前述に示した図2(E)から
続く工程を続ければよい。
【0032】図2(E)において、加湿酸化法により反
応膜16c,16dを形成する場合について説明した。
加湿酸化法の他、窒化法、陽極酸化法、シリサイド化反
応、イオン注入法等によっても形成することができる。
以下、それぞれの方法について説明する。
【0033】窒化法を用いて、多結晶Siの第1の犠牲
膜15aからSiNx の反応膜16cを形成することが
できる。窒化の条件は、例えば温度を1050℃、RF
パワーを10kW、圧力を130Paとし、NH3 を1
slmで供給する。
【0034】陽極酸化法により、Alの第1の犠牲膜1
5aを酸化させるには、例えば、浴組成をほう酸塩、り
ん酸塩とし、陽極をAl、陰極をカーボンとし、電圧を
10〜80Vとする。
【0035】次に、シリサイド化反応およびイオン注入
法により、反応膜を形成する方法を図を参照しながら説
明する。図6(A)〜(C)、図7(D)、(E)は、
シリサイド化反応を用いて電界放射型素子を製造する方
法を示す。
【0036】図6(A)は、図2(D)に続く工程であ
る。例えば多結晶Siまたは非晶質Siからなる第1の
犠牲膜15aの上に、例えばTiからなる第2の犠牲膜
21aを成膜する。第2の犠牲膜21aは、Tiの他、
Ta,MoまたはWでもよい。
【0037】次に、図6(B)に示すように、400〜
600℃で加熱すると、シリサイド化反応が起こり、S
iからなる第1の犠牲膜15cとTiからなる第2の犠
牲膜21bとの間に、TiSiからなる反応膜22が形
成される。
【0038】図6(C)は、硫酸を用いて、第2の犠牲
膜21bをエッチング除去した後の図である。反応膜2
2に形成される谷を成形型として、以下エミッタ電極を
形成する。
【0039】図7(D)では、例えばTiNからなるエ
ミッタ電極17を、反応膜22の上に形成する。図7
(E)は、フッ酸を用いて、TiSiからなる反応膜2
2をエッチング除去した後の図である。反応膜22を除
去し、エミッタ電極17を露出させる。
【0040】図8(A)〜(C)は、イオン注入法を用
いて電界放射型素子を製造する方法を示す。図8(A)
は、図2(D)に続く工程である。例えば多結晶Siま
たは非晶質Siからなる第1の犠牲膜15aの上に、酸
素をドーズ量1×1018cm-2、加速エネルギ20〜4
0keVの条件でイオン注入する。第1の犠牲膜15a
の表面に、イオン注入層25ができる。なお、酸素の代
わりに窒素をイオン注入してもよい。
【0041】次に、図8(B)に示すように、アニール
を行い、酸化膜16c,16dを成長させる。第1の犠
牲膜15cは、図8(A)の第1の犠牲膜15aのうち
酸化されずに残る領域である。
【0042】酸素が注入されたイオン注入層25では、
特に酸化膜が高速に成長する。2パートに分離されてい
た第1の犠牲膜は、酸化膜16cが成長すると、2パー
トの互いの側面が接触しつながる。当該接触部に形成さ
れる谷を成形型として、以下エミッタ電極を形成する。
【0043】図8(C)では、例えばTiNからなるエ
ミッタ電極17を、酸化膜16cの上に形成する。その
後、HF+NH4 Fを用いて、酸化膜16cをウエット
エッチングすれば、エミッタ電極17を露出させること
ができる。
【0044】なお、図8(A)において、不純物を第1
の犠牲膜15aの表面付近にイオン注入する場合につい
て説明したが、イオン注入条件を変え、第1の犠牲膜1
5aの中間の深さの帯域にイオン注入し、表面の不純物
濃度を薄くしてもよい。
【0045】後に説明するが、2極管または3極管を形
成する場合、第1の犠牲膜15cがゲート電極となる。
第1の犠牲膜15aの表面にイオン注入すると、比較的
上の位置にエミッタ電極17の先端部が形成される。た
だし、2パートからなるゲート電極15cの相互の間の
間隔(ゲート径)は狭くなる。
【0046】一方、第1の犠牲膜15aの深い位置の帯
域にイオン注入すると、比較的下の位置にエミッタ電極
17の先端部が形成される。ただし、2パートからなる
ゲート電極15cの相互の間の間隔(ゲート径)は広く
なる。
【0047】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図9は、2極管の製造工程を示す図であ
る。まず、上記の工程に従い、図2(F)に示す素子を
製造する。その後、基板10dと反応膜16cの一部を
エッチングし除去する。反応膜16cの一部を除去し、
反応膜16eを残すことにより、エミッタ電極17の先
端を露出させる。
【0048】第1の犠牲膜15aを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15cの電極を有する。反応膜16e
は、エミッタ電極17とゲート電極15cを電気的に絶
縁する。なお、積層膜10cは、エッチングにより除去
してもよい。
【0049】2極管の場合は、エミッタ電極17とゲー
ト電極15cの相対位置が重要である。エミッタ電極1
7とゲート電極15cとの距離は、原則として小さい方
がよい。すなわち、2パートのゲート電極15cを相互
に結ぶ直線近傍上にエミッタ電極17の先端を形成する
ことが望ましい。
【0050】図10(A)は、ゲート電極15aとエミ
ッタ電極17の相対位置を表す概略図であり、図9とは
上下方向が逆になっている。距離Zgeは、エミッタ電
極17からの電子放出による電子が飛ぶ方向について
の、エミッタ電極17とゲート電極15aとの間の距離
である。
【0051】図10(B)は、図10(A)においてゲ
ート電極の膜厚tdを0.4μmとしたときの最適な距
離Zgeを示すグラフである。横軸は、距離Zgeを示
し、縦軸はエミッタ電極17の先端の最大電界強度Em
axを示す。
【0052】このグラフは、エミッタ電極とゲート電極
の距離Zgeを−0.35μmから0.25μmまで変
化させたときのエミッタ電極の最大電界強度Emaxの
変化を示す。最大電界強度Emaxが大きいほど電界集
中しやすいので、電界放射型素子としての性能は向上す
る。距離Zgeが−0.1μmのとき、最大電界強度E
maxが極大値1.16×107 V/cmになる。つま
り、エミッタ電極17の先端は、ゲート電極の中心位置
よりも、図10(A)において少し上の位置(図9では
下の位置)になるのが最適である。
【0053】なお、図2(D)では、積層膜10cの上
に第1の犠牲膜15aを異方的に堆積する場合について
説明したが、等方的に堆積してもよい。ただし、異方的
な堆積を行えば、ゲート電極の孔(ゲートホール)の直
径を小さくでき、電気的特性を向上させることができ
る。
【0054】例えば、図11の2極管は、図9の2極管
よりゲート電極(第1の犠牲膜)の膜厚が厚く、ゲート
ホールの直径が小さい。ゲート電極(第1の犠牲膜)の
膜厚を厚くするには、第1の犠牲膜15aをより異方的
に堆積すればよい。第1の犠牲膜15aを異方的に堆積
することにより、ゲートホールの直径を小さくすること
ができる。その結果、ゲート−エミッタ間の電圧を低く
しても、エミッタから電子放出させることができる。後
に示す3極管の場合も同様な効果がある。
【0055】また、等方的に堆積すると、オーバーハン
グ部に堆積される第1の犠牲膜15aと基板10d上に
堆積される第1の犠牲膜15bが一体化しやすく、2パ
ートからなる第1の犠牲膜15aを形成しにくい。
【0056】本実施例によれば、第1の犠牲膜を形成し
た後、当該犠牲膜を化学反応させ、体積膨張させること
により、エミッタ電極17の先端位置を精度よく制御す
ることができる。
【0057】CVD法により形成される膜は、ほぼ時間
に比例して厚くなる。それに対し、酸化等の化学反応に
より形成される膜は、ほぼ時間の平方根に比例して厚く
なる。すなわち、時間の経過と共に膜厚が飽和する傾向
を持つ。酸化等によれば、時間が経過するほど細かな膜
厚の制御が可能になり、エミッタ電極の先端位置を精度
よく制御することができる。また、酸化の方がCVD法
よりも、均一性のよい膜を形成することができる。
【0058】2極管は、エミッタ電極17を陰極とし、
ゲート電極15cを制御電極とする。エミッタ電極17
の先端を適した位置に形成すれば、ゲート電極に印加す
る制御電圧を低くしても、エミッタ電極17の先端から
容易に電子を放出させることができる。
【0059】さらに、前述のように、本実施例によれ
ば、エミッタ電極17の先端の頂角および曲率半径を小
さくすることができるので、電界放射型素子としての性
能は向上する。
【0060】図11は、2極管の他の例を示す図であ
る。この2極管は、図9の2極管に比べ、ゲート電極
(第1の犠牲膜)15aの膜厚と絶縁膜(反応膜)16
eの膜厚が異なる例を示す。積層膜10c上に第1の犠
牲膜を堆積する厚さを変えたり、当該第1の犠牲膜を反
応させる時間または方法を変えたりすることにより、ゲ
ート電極15aの膜厚と絶縁膜16eの膜厚を、任意の
値に制御することができる。
【0061】図12(A)〜(C)は、上記の2極管を
支持基板18で補強する方法を3種類示す。図12
(A)は、第1の方法を示す。エミッタ電極17の凹部
を、例えばSOG膜、PSG膜またはBPSG膜からな
る平坦化膜19aで埋め、CMP法でエッチバックし、
エミッタ電極17の表面を平坦化する。続いて、エミッ
タ電極17の上に支持基板18を接着する。支持基板1
8は、例えば、ガラス、石英またはAl2 3 である。
【0062】図12(B)は、第2の方法を示す。エミ
ッタ電極17の上に、例えば低融点ガラスからなる接着
剤19bをリフローし、エミッタ電極17の表面を平坦
化すると共に、エミッタ電極17と支持基板18を接着
する。接着剤19bにAlを用いて、エミッタ電極17
と支持基板18を陽極接合してもよい。
【0063】図12(C)は、第3の方法を示す。エミ
ッタ電極17の凹部を、例えばWからなる平坦化膜19
aで埋める。その後、平坦化膜19aをエッチバック
し、エミッタ電極17の表面を平坦化する。続いて、エ
ミッタ電極17の上に例えばAlからなる接着剤19b
を、さらにその上に支持基板18を形成する。
【0064】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図13(A)〜(C)は、3極管の製造工程を
示す図である。まず、前述の工程に従い、図2(F)に
示す素子を製造する。
【0065】その後、図13(A)に示すように、エミ
ッタ電極17の上に所定パターンのレジストを形成し
(図示せず)、当該レジストをマスクとし、Cl2 系の
エッチャントを用いてRIE(reactive ion etching)
を行い、エミッタ電極17aの両側にスリット開口20
を作る。エミッタ電極17bは、スリット開口20の外
側のエミッタ電極である。
【0066】エミッタ電極17aの直径は、約0.3μ
mである。スリット開口20の深さは、約0.2μmで
ある。図13(B)では、反応膜16cの一部と反応膜
16dの全部をウェットエッチングする。例えば、Si
2 からなる反応膜16c,16dをウェットエッチン
グするには、HF+NH4 Fを用いればよい。
【0067】反応膜16cの一部をエッチングにより除
去し、反応膜16fを残すことにより、エミッタ電極1
7a、ゲート電極15cおよびアノード電極10dを露
出させることができる。
【0068】図14は、3極管の斜視図である。エミッ
タ電極17aは、エミッタ電極17bに接続され支持さ
れる。ゲート電極15cは、エミッタ電極17aの先端
付近に円形の孔を有する。エミッタ電極17aは、ゲー
ト電極15cの孔付近で針状に尖っている。
【0069】図15(A)は、図14の3極管の上下方
向を逆にした図であり、基板10dを透かしゲート電極
15cの孔(ゲートホール)を通してエミッタ電極17
aを見た図である。エミッタ電極17aの先端は針状に
尖っている。なお、エミッタ電極17aの先端は、その
他の形状に形成することもできる。
【0070】図15(B)は、ゲート電極15cに細長
いゲートホールをあけた場合の3極管の外観を示す。エ
ミッタ電極17aは、ゲートホールの長さ方向に沿った
頂をもつ山の形状になる。
【0071】図14において、3極管は、陰極であるエ
ミッタ電極17aと陽極であるアノード電極10dを有
し、ゲート電極15cに正電位を印加することにより、
エミッタ電極17aからアノード電極10dに向けて電
子を放出させることができる。
【0072】3極管の場合も、エミッタ電極17aの先
端の頂角および曲率半径を小さくすることができる。そ
して、エミッタ電極17aとゲート電極15cの相対位
置を精度よく制御することができる。
【0073】以上は、積層膜10cを例えばSiNx
絶縁体で形成する場合について説明した。次に、積層膜
10cを導電体で形成する場合について説明する。図1
3(C)は、他の3極管の例を示す図である。積層膜
(第1のゲート電極)15fは、WSix 、TaSix
またはMoSix 等の導電体で形成される。アノード電
極10dと積層膜15fの間には、SiO2 またはSi
x 等からなる絶縁膜10fが形成される。以下、製造
工程を示す。
【0074】図1(A)では、出発基板10aの上に絶
縁体で構成される積層膜10bを積層した基板10を用
いた。図13(C)に示す3極管の場合は、例えば、S
iからなる基板10dの上に、SiO2 等からなる絶縁
膜10fと導電体からなる積層膜15fを積層する。そ
の後は、前述と同様の工程を行えば、図13(C)に示
す3極管を製造することができる。
【0075】積層膜15fを導電体とすることにより、
第1のゲート電極15fと第2のゲート電極15cを積
層して低抵抗のゲート電極を形成することができる。ゲ
ート電極15f,15cとアノード電極10dとは、絶
縁膜10fで電気的に絶縁されている。
【0076】図16は、電界放射型素子を用いたフラッ
トパネルディスプレイの断面図である。電界放射型素子
は、本実施例に示した方法により製造されたエミッタ電
極または2極管である。絶縁体からなる支持基板41の
上に、AlまたはCu等からなる配線層42と多結晶S
i等からなる抵抗層43が形成される。抵抗層43の上
には、頂角および曲率半径の小さい先端を持つエミッタ
電極44が多数配列され、電界放射エミッタアレイ(F
EA)を形成する。ゲート電極45は、各エミッタ電極
44の先端付近に開口を有し、開口ごとに独立して電圧
を印加することができる。複数のエミッタ電極44も、
それぞれ独立して電圧を印加することができる。
【0077】エミッタ電極44およびゲート電極45を
含む電子源に対向して、ガラスまたは石英等からなる透
明基板46を含む対向基板が配置される。対向基板は、
透明基板46の下にITO等からなる透明電極(アノー
ド電極)47が配置され、さらにその下に蛍光材48が
配置される。
【0078】電子源と対向基板とは、透明電極47とエ
ミッタ電極44の間の距離が0.1〜5mm程度に保た
れるように、接着剤を塗布したガラス基板からなるスペ
ーサ50を介して接合される。接着剤には、例えば低融
点ガラスが用いられる。
【0079】なお、スペーサ50としてガラス基板を用
いず、エポキシ樹脂等の接着剤中にガラスビーズ等を分
散させてスペーサ50を構成することもできる。ゲッタ
ー材51は、例えばTi、Al、Mg等で形成され、放
出ガスがエミッタ電極44の表面に再付着するのを防止
する。
【0080】対向基板には、予め排気管49が形成され
ている。排気管49を利用して、フラットパネルディス
プレイの内部を10-5〜10-9Torr程度まで真空排
気した後、バーナー等で排気管49を封止する。その
後、アノード電極(透明電極)47、エミッタ電極4
4、ゲート電極45の配線を行い、フラットパネルディ
スプレイを完成させる。
【0081】図17は、フラットパネルディスプレイの
斜視図である。ゲート電極45は、多数のゲートホール
53を有する。各ゲートホール53に対応して、エミッ
タ電極44が形成される。各エミッタ電極44は、絶縁
膜54により仕切られている。エミッタ電極44から放
出される電子は、真空である中空部52を介して蛍光材
48に照射され発光する。
【0082】フラットパネルディスプレイは複数の画素
で構成される。1つの画素は、4つのエミッタで構成さ
れる電子源の領域PQRSと、それに対応する対向基板
の領域P’Q’R’S’で構成される。
【0083】エミッタ電極44の下に形成される抵抗層
43と配線層42は、画素(4つのエミッタ電極)毎に
平坦化層(絶縁膜)55で仕切られる。図18は、フラ
ットパネルディスプレイの電気回路を示す等価回路であ
る。フラットパネルディスプレイは、多数の3極管を含
む電界放射エミッタアレイ(FEA)で構成される。
【0084】2次元に配線されるエミッタ配線とゲート
配線の交点には、多数の3極管が配置される。各3極管
のアノード電極(透明基板)47は、常に正電位に保持
されている。各3極管は、エミッタ配線とゲート配線と
により2次元的に選択される。つまり、電圧が印加され
たエミッタ配線とゲート配線の交点に配置される3極管
が選択される。
【0085】選択された3極管のエミッタ電極およびゲ
ート電極には、それぞれ負電位および正電位が与えら
れ、エミッタ電極からアノード電極に向けて電子が放出
される。
【0086】本実施例では、2パートからなる第1の犠
牲膜を化学反応により体積膨張させ、当該2パートを相
互に接触させることにより、接触部に鋭角の谷を作る。
その谷をエミッタ電極の成形型とすることにより、先端
の頂角および曲率半径が小さいエミッタ電極を作ること
ができる。
【0087】また、エミッタ電極とゲート電極との相対
位置を精度よく決めることができる。さらに、積層膜1
0cのオーバーハング部の上にゲート電極を成膜するこ
とにより、2パートのゲート電極の間の間隔(ゲート
径)を狭くできるので、ゲート電極に印加する制御電圧
を低くすることができ、電界放射型素子としての性能が
向上する。
【0088】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
化学反応により断面が2パートの犠牲膜を膨張させて互
いに接触させることにより、その接触部に2つの円ない
し楕円が接触したかのように鋭い谷を作ることができ
る。その谷を成形型として用いれば、先端の頂角および
曲率半径が小さい電界放出陰極を製造することができ
る。
【0090】また、2極管を形成する際には、2パート
からなるオーバーハング部の上に犠牲膜を堆積する工程
と、当該犠牲膜を化学反応させる工程の各プロセス条件
を組み合わせることにより、エミッタ電極とゲート電極
の相対位置を精度よく決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)は、本発明の実施例によ
る電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図2】 図2(D)〜(F)は、図1(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図3】 図3(G)は、図2(F)に続く電界放射型
素子の製造工程を示す図である。
【図4】 図4(A)〜(C)は、エミッタ電極を支持
基板で補強する方法を3種類示す図である。
【図5】 第1の犠牲膜を形成する他の方法を示す図で
ある。
【図6】 図6(A)〜(C)は、本発明の実施例によ
る電界放射型素子の製造工程の他の例を示す図である。
【図7】 図7(D)、(E)は、図6(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図8】 図8(A)〜(C)は、本発明の実施例によ
る電界放射型素子の製造工程の他の例を示す図である。
【図9】 本実施例による2極管構造の電界放射型素子
の製造工程を示す図である。
【図10】 図10(A)はエミッタ電極とゲート電極
の相対位置を表す概略図であり、図10(B)はエミッ
タ電極とゲート電極との間の距離と、最大電界強度の関
係を示すグラフである。
【図11】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子の製造工程を示す図である。
【図12】 図12(A)〜(C)は、2極管を支持基
板で補強する方法を3種類示す図である。
【図13】 図13(A)〜(C)は、本実施例による
3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図であ
る。
【図14】 本実施例による3極管の斜視図である。
【図15】 図14の3極管の上下方向を逆にした図で
ある。図15(A)は針状の先端をもつエミッタ電極を
示し、図15(B)はある1次元方向に長さをもつ頂の
山の形状をした先端をもつエミッタ電極を示す斜視図で
ある。
【図16】 電界放射型素子を用いたフラットパネルデ
ィスプレイの断面図である。
【図17】 電界放射型素子を用いたフラットパネルデ
ィスプレイの斜視図である。
【図18】 フラットパネルディスプレイの電気回路図
である。
【図19】 図19(A)、(B)は、従来技術による
電界放射型素子の断面図である。
【符号の説明】
10 基板、 12 孔、 13 オーバーハング
部、 15 第1の犠牲膜、 16 反応膜、
17 エミッタ電極、 18 支持基板、19a 平
坦化膜、 19b 接着剤、 20 スリット開口、
41 支持基板、 42 配線層、 43 抵抗
層、 44 エミッタ電極、45 ゲート電極、
46 透明基板、 47 透明電極、 48 蛍光
材、 49 排気管、 51 ゲーター材、 5
2 中空部、 53ゲートホール、 54 絶縁
膜、 55 平坦化層、 101 基板、103
犠牲膜、 105 エミッタ電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】2極管は、エミッタ電極17を陰極とし、
ゲート電極15cを制御電極とする。エミッタ電極17
の先端を適した位置に形成すれば、ゲート電極に印加す
る制御電圧を低くしても、エミッタ電極17の先端から
容易に電子を放出させることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】さらに、前述のように、本実施例によれ
ば、エミッタ電極17の先端の頂角および曲率半径を小
さくすることができるので、電界放射型素子としての性
能は向上する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】図11は、2極管の他の例を示す図であ
る。この2極管は、図9の2極管に比べ、ゲート電極
(第1の犠牲膜)15aの膜厚と絶縁膜(反応膜)16
eの膜厚が異なる例を示す。積層膜10c上に第1の犠
牲膜を堆積する厚さを変えたり、当該第1の犠牲膜を反
応させる時間または方法を変えたりすることにより、ゲ
ート電極15aの膜厚と絶縁膜16eの膜厚を、任意の
値に制御することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】例えば、図11の2極管は、図9の2極管
よりゲート電極(第1の犠牲膜)の膜厚が厚く、ゲート
ホールの直径が小さい。ゲート電極(第1の犠牲膜)の
膜厚を厚くするには、第1の犠牲膜15aをより異方的
に堆積すればよい。第1の犠牲膜15aを異方的に堆積
することにより、ゲートホールの直径を小さくすること
ができる。その結果、ゲート−エミッタ間の電圧を低く
しても、エミッタから電子放出させることができる。後
に示す3極管の場合も同様な効果がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】なお、図2(D)では、積層膜10cの上
に第1の犠牲膜15aを異方的に堆積する場合について
説明したが、等方的に堆積してもよい。ただし、異方的
な堆積を行えば、ゲート電極の孔(ゲートホール)の直
径を小さくでき、電気的特性を向上させることができ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】また、等方的に堆積すると、オーバーハン
グ部に堆積される第1の犠牲膜15aと基板10d上に
堆積される第1の犠牲膜15bが一体化しやすく、2パ
ートからなる第1の犠牲膜15aを形成しにくい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】本実施例によれば、第1の犠牲膜を形成し
た後、当該犠牲膜を化学反応させ、体積膨張させること
により、エミッタ電極17の先端位置を精度よく制御す
ることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】CVD法により形成される膜は、ほぼ時間
に比例して厚くなる。それに対し、酸化等の化学反応に
より形成される膜は、ほぼ時間の平方根に比例して厚く
なる。すなわち、時間の経過と共に膜厚が飽和する傾向
を持つ。酸化等によれば、時間が経過するほど細かな膜
厚の制御が可能になり、エミッタ電極の先端位置を精度
よく制御することができる。また、酸化の方がCVD法
よりも、均一性のよい膜を形成することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が互いに対向する2パートから
    なるオーバーハング部を基板に形成する工程と、 前記2パートのオーバーハング部の上にそれぞれ堆積さ
    れる断面形状が2パートからなる犠牲膜を堆積する犠牲
    膜堆積工程と、 前記犠牲膜を化学反応させ、2パートからなる犠牲膜を
    互いに接触させる反応工程と、 前記接触した犠牲膜の上に電界放出陰極膜を堆積する工
    程と、 前記犠牲膜の一部または全てを除去し、前記電界放出陰
    極膜の先端を露出させる電極露出工程とを含む電界放射
    型素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記犠牲膜堆積工程は、犠牲膜を堆積し
    た後に該犠牲膜を等方エッチングする工程を含む請求項
    1記載の電界放射型素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応工程は、犠牲膜の一部のみを化
    学反応させる工程であり、該犠牲膜のうち化学反応しな
    い部分が半導体または導電体からなるゲート電極であ
    り、 前記電界放出陰極膜は導電体からなるエミッタ電極であ
    り、 前記電極露出工程は、前記エミッタ電極の先端および前
    記ゲート電極の先端を露出させる工程であり、前記電界
    放射型素子が2極管構造を有する請求項1または2記載
    の電界放射型素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記反応工程は、犠牲膜の一部のみを化
    学反応させる工程であり、該犠牲膜のうち化学反応しな
    い部分が半導体または導電体からなるゲート電極であ
    り、 前記電界放出陰極膜は導電体からなるエミッタ電極であ
    り、 前記基板は、半導体または導電体からなるアノード電極
    であり、 前記電極露出工程は、前記エミッタ電極の先端および前
    記ゲート電極の先端および前記アノード電極を露出させ
    る工程であり、前記電界放射型素子が3極管構造を有す
    る請求項1または2記載の電界放射型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに、前記電界放出陰極膜を支持基板
    に固定する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の
    電界放射型素子の製造方法。
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