JP3235512B2 - 電界放射冷陰極およびその製造方法 - Google Patents

電界放射冷陰極およびその製造方法

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JP3235512B2 JP11966697A JP11966697A JP3235512B2 JP 3235512 B2 JP3235512 B2 JP 3235512B2 JP 11966697 A JP11966697 A JP 11966697A JP 11966697 A JP11966697 A JP 11966697A JP 3235512 B2 JP3235512 B2 JP 3235512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射冷陰極の
構造及びその製造方法に関し、特に絶縁特性が改善され
た電界放射冷陰極の構造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電子放出を利用した熱陰極に代わる電
子源として、電界放射冷陰極が開発されている。電界放
射冷陰極は、先鋭な突起を持つ電極の先端に高電界(2
〜5×107V/cm以上)を発生させることで電子を
空間に放出させる。このため、先端の先鋭度がデバイス
の特性を左右する条件であるが、おおよそ数百オングス
トローム以下の曲率半径が必要であると言われている。
また、電界発生のためには、電極を1μm程度、あるい
はそれ以下の近接した位置に配し、数10〜数100V
の電圧を印加する必要がある。また、実際には、このよ
うな素子が同一の基板上に数千〜数万形成され、並列に
接続されたアレイとして使用されることが多い。このよ
うなことから、一般的に半導体の微細加工技術を応用し
て製造される。
【0003】このような電界放射冷陰極の具体的な製法
の一つは、アメリカのSRI(Stanford Re
search Institute)のスピント(Sp
indt)らによって開発された方法(J.Appl.
Phys.39.p3504,1968)で、導電性の
基板上にモリブデンのような高融点金属を堆積させて先
端形状の先鋭な構造を得るものである。この製造方法を
図6に示す。
【0004】まず、図6(a)に示すように、シリコン
基板40を用意し、酸化膜を成長させ絶縁層41とす
る。続いてゲート層45としてモリブデンを真空蒸着に
より堆積する。その後、フォトリソグラフィーとエッチ
ングにより直径約1μmの開口47を形成する。
【0005】次に、図6(b)に示すように、回転斜め
蒸着を行いアルミニウムの犠牲層48を形成し、続い
て、モリブデンを垂直方向から真空蒸着して、エミッタ
電極46を堆積させる。
【0006】最後に、図6(c)に示すように、犠牲層
48上に堆積したモリブデン膜49を、犠牲層48を選
択エッチングすることによりリフトオフし、デバイスの
構造を得る。
【0007】こうして作られた素子は、エミッタ電極4
6が負、ゲート層45が正となるように電圧を印加する
ことで、エミッタ電極46の先端から、シリコン基板4
0と垂直な方向に電子が放射される。このような構造
は、一般に縦型電界放射冷陰極と呼ばれている。
【0008】電界放射冷陰極は、上述したように1μm
程度の間隔を置いた電極間に数10V以上の電圧を印加
するため、電極間の絶縁特性が非常に重要な特性のひと
つである。絶縁層41のバルクとしての絶縁特性も重要
ではあるが、リーク電流のパスを考える際には、開口4
7内部の絶縁層側壁50が重要となる。プロセス上で、
ゴミ・汚れを防ぐことは重要であるが、使用環境での劣
化も無視できない要因である。
【0009】図10は、電界放射冷陰極の使用状態を概
略的に示す断面図である。使われる環境は、少なくとも
10ー4pa程度の高真空であるとは言えども、残留ガス
を皆無にすることほできない。この環境で電子を放射さ
せると、残留ガスがイオン化される。この放射電子と反
対の電荷を持つイオン51は、電子とは逆の経路をたど
って、エミッタ電極46に衝突し、エミッタ電極46を
スパッタさせる。印加電圧、真空度などの動作条件を考
えると、スパッタの起きる程度は、短時間で軽微である
ものの、長時間の実使用においては、無視できない量に
なり得る。スパッタされた導電性のエミッタ材料52
は、ゲート開口内に飛散し、絶縁層側壁50に再付着
し、絶縁層側壁50の絶縁特性を低下させる。
【0010】これに対する対策のひとつとしては、特開
平7−240143号には、図7に示すような構造の電
界放射冷陰極が開示されている。これは、基板70上に
第1の絶縁層71、ゲート層75を積層し、開口77を
形成した後に、ゲート層75の上面から開口77の内側
壁を連続した第2の絶縁層72で被覆し、エミッタ電極
76と第1の絶縁層71とを第2の絶縁層72で隔離し
た構造のものであった。特開平7−240143号によ
れば、第2の絶縁層72がゲート層75を自由空間領域
から実質的に絶縁するため、エミッタ電極76とゲート
層75との間の破壊的放電を防止できるとされている。
また、上述のスパッタ再付着による絶縁特性低下に対し
ても、ゲート層75が第2の絶縁層72で覆われている
ことにより、有効であるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】エミッション電流の一
部は、ゲート層へ飛び込んでゲート電流となることが、
一般的には起こり得る。上述した従来技術では、ゲート
層75が第2の絶縁層72で完全に覆われているため、
ゲート層75へ向かった電子は、第2の絶縁層72の表
面に衝突し、表面を負に帯電させる。第2の絶縁層72
の表面が負に帯電するということは、ゲート層75、エ
ミッタ電極76間に印加した電圧による電界を弱めるよ
うに作用するため、放射電流を低下させるという問題が
あった。
【0012】その理由は、図6のように導電性のゲート
層45が露出している場合には、ゲート層45へ飛び込
んだ電子は、電流となって流れるため、ゲート層45の
表面は電源によって印加された所定の電位に保たれ、エ
ミッタ電極46の先端電界も変化しないのに対して、図
7のように、ゲート層75の表面を絶縁材料で覆った場
合には、電子は電流として流れず、表面に滞留するため
である。
【0013】本発明の目的は、電子放射特性を劣化させ
ることなく、絶縁特性に優れ、残留ガスのイオン化によ
るスパッタ物の再付着が生じても、エミッタ、ゲート間
の絶縁特性を良好に保つことができる電界放射冷陰極及
びその製造方法を提供することことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る電界放射冷陰極は、基板上に絶縁層を
介在して形成された導電性ゲート層と、前記絶縁層及び
前記導電性ゲート層に開口された複数の開口部と、前記
開口部内に位置して前記基板上に設けられた略円錐状の
エミッタ電極と、前記絶縁層の前記開口部の前記導電性
ゲート層側から前記基板側に延在して前記基板に当接し
ない、前記絶縁層とは異なる材質の絶縁材料からなる筒
状の隔壁と、前記筒状隔壁の外面側の前記絶縁層の一
部を除去して形成され前記筒状隔壁の基板側縁から前
記絶縁層の前記開口部と連通する空洞とを有するもので
ある。
【0015】また、前記隔壁は前記絶縁層をイオン注入
により改質して形成し、前記エミッタ電極は、導電性基
板をエッチングして形成することができる
【0016】また本発明に係る電界放射冷陰極は、第1
の工程と、第2の工程と、第3の工程と、第4の工程
と、第5の工程と、第6の工程と、第7の工程とを少な
くとも含む電界放射冷陰極の製造方法であって、 前記第
1の工程は、基板上に、第1の絶縁層及び第2の絶縁層
をこの順に堆積する処理であり前記第2の工程は、前
記2層の絶縁層をエッチングして、開口の底部に前記第
1の絶縁層が僅かに残る深さの開口を形成する処理であ
り、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形成された開
口部の内側面を含む基板全面に第3の絶縁層を形成する
処理であり、 前記第4の工程は、前記開口内の充填を行
うと同時に、基板全面に充填層を形成して平坦化した
後、前記充填層及び第3の絶縁層を前記第2の絶縁層の
表面までエッチバックする処理であり、 前記第5の工程
は、前記第4の工程でエッチバックされた表面上にゲー
ト層を形成したのち、異方性エッチングにより、前記開
口と同位置に基板表面に達する深さで、かつ前記第3の
工程で開口の内側面に形成され隔壁とするための第3の
絶縁層がエッチング除去されない形状寸法の開口を形成
する処理であり、 前記第6の工程は、前記ゲート層と第
3の絶縁層とをエッチング保護層として、隔壁となる前
記第3の絶縁層と基板との隙間を介して、前記第1の絶
縁層をウエットエッチングして空洞を形成する処理であ
り、 前記第7の工程は、前記第5の工程で形成された開
口内の基板上にエミッタ電極を形成する処理である
【0017】また本発明に係る電界放射冷陰極は、第1
の工程と、第2の工程と、第3の工程と、第4の工程
と、第5の工程と、第6の工程と、第7の工程とを少な
くとも含む電界放射冷陰極の製造方法であって前記第
1の工程は、基板上に、第1の絶縁層及び第2の絶縁層
をこの順に堆積する処理であり、 前記第2の工程は、前
記2層の絶縁層をエッチングして、開口の底部に前記第
1の絶縁層が僅かに残る深さの開口を形成する処理であ
り、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形成された開
口部の内側面を含む基板全面に第3の絶縁層を形成する
処理であり、 前記第4の工程は、前記第3の絶縁層を前
記第2の絶縁層の表面までエッチバックする処理であ
り、 前記第5の工程は、前記第4の工程でエッチバック
された表面上にゲート層を形成したのち、エッチング処
理により、前記開口と同位置に基板表面に達する深さ
で、かつ前記第3の工程で開口の内側面に形成され隔壁
とするための第3の絶縁層がエッチング除去されない形
状寸法の開口を形成する処理であり、 前記第6の工程
は、前記ゲート層と第3の絶縁層とをエッチング保護層
として、隔壁となる前記第3の絶縁層と基板との隙間を
介して、前記第1の絶縁層をウエットエッチングして空
洞を形成する処理であり、 前記第7の工程は、前記第5
の工程で形成された開口内の基板上にエミッタ電極を形
成する処理である
【0018】また本発明に係る電界放射冷陰極は、第1
の工程と、第2の工程と、第3の工程と、第4の工程
と、第5の工程と、第6の工程とを少なくとも含む電界
放射冷陰極の製造方法であって、 前記第1の工程は、基
板上に第1の絶縁層を堆積する処理であり、 前記第2の
工程は、前記第1の絶縁層をエッチングして、開口の底
部に前記第1の絶縁層が僅かに残る深さの開口を形成す
る処理であり、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形
成された開口部の内側面を含む基板全面に第2の絶縁層
を形成する処理であり、 前記第4の工程は、前記第3の
工程による前記第2の絶縁層上にゲート層を形成したの
ち、エッチング処理により、前記開口と同位置に基板表
面に達する深さで、かつ前記第3の工程で形成され隔壁
とするための第2の絶縁層がエッチング除去されない形
状寸法の開口を形成する処理であり、 前記第5の工程
は、前記ゲート層と第2の絶縁層とをエッチング保護層
として、隔壁となる前記第2の絶縁層と基板との隙間を
介して、前記第1の絶縁層をウエットエッチングして空
洞を形成する処理であり、 前記第6の工程は、前記第4
の工程で形成された開口内の基板上にエミッタ電極を形
成する処理である
【0019】また前記基板としてシリコン、第1の絶縁
層としてシリコン酸化膜、第2、第3の絶縁層としてシ
リコン窒化膜を用いる
【0020】また本発明に係る電界放射冷陰極は、第1
の工程と、第2の工程と、第3の工程と、第4の工程
と、第5の工程とを少なくとも含む電界放射冷陰極の製
造方法であって、前記第1の工程は、基板上に、第1の
絶縁層,後の第4の工程のウェットエッチングにおける
エッチングレートが前記第1の絶縁層よりも低い第2の
絶縁層,及び導電性材料からなるゲート層をこの順に積
層する処理であり、前記第2の工程は、前記ゲート層,
第2の絶縁層,第1の絶縁層をエッチングして、基板の
表面に達する開口を形成する処理であり、前記第3の工
程は、基板を基板面に垂直な軸を中心として回転させな
がら、前記開口内の前記第2の絶縁層の側壁面に斜め方
向から、前記第2の絶縁層の後の第4の工程のウェット
エッチングにおけるエッチングレートを低下させる元素
イオン注入して、第2の絶縁層の側壁面に隔壁とする
イオン注入層を形成する処理であり、前記第4の工程
は、前記隔壁となるイオン注入層と基板との隙間を介し
て、前記第1及び第2の絶縁層をウエットエッチングし
て空洞を形成する処理であり、前記第5の工程は、前記
開口を通して露出した基板上にエミッタ電極を形成する
処理である。
【0021】また基板としてシリコン、第2の絶縁層と
してシリコン酸化膜、イオン注入にホウ素を用いる
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【作用】ゲート層から基板に至る開口内の絶縁層は、エ
ミッタ電極を取り囲んで筒状をなす表層部(隔壁、以下
同じ)を側壁部に有し、表層部は、基板側縁が基板から
切り離されている。さらに、絶縁層は、表層部の基板側
縁と基板との間隙の奥、すなわち、筒状の表層部の外面
側に後退している。そのため、エミッタ電極をスパッタ
して発生したエミッタ材料は、表層部の存在によって、
基板とゲート層との間の絶縁層に再付着することが阻止
され、絶縁層の絶縁特性が長期間にわたって維持される
こととなる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0027】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係る電界放射冷陰極を示す断面図である。
【0028】図に示す本発明の実施形態1に係る電界放
射冷陰極においては、シリコン基板10上に第1の絶縁
層11、第2の絶縁層12、ゲート層15を積層し、こ
の積層構造に直径1μm程度の開口17をシリコン基板
10に至る深さに複数開口する。さらに、各開口17内
のシリコン基板10上には、円錐状のエミッタ電極16
を上向きにそれぞれ形成する。
【0029】さらに、第2の絶縁層12に設けた開口1
7の開口縁には、エミッタ電極16の周囲を囲む筒状の
第3の絶縁層13を表層部(隔壁、以下同じ)20とし
て一体に形成する。また筒状の第3の絶縁層13の基板
側縁は、シリコン基板10の表面から離間して円錐状の
エミッタ電極16の基部側の途中まで達しているさら
に、筒状の表層部20の外面側の絶縁層11に空洞24
を形成することにより、絶縁層11を表層部20の外面
側に後退させている。
【0030】この空洞24は、絶縁層11を、エミッタ
電極16から見通せない、表層部20の基板側縁の外側
に後退させることにより、シリコン基板10からゲート
層15に至る第1の絶縁層11及び第2の絶縁層12並
びに第3の絶縁層13の連続した面に、エミッタ電極1
6のスパッタによるエミッタ材料52が付着することを
回避し、シリコン基板10とゲート層15との間の絶縁
特性が低下することを防止する構造となっている。
【0031】実際のデバイスとしての使用では、必要な
機能を持たせるための構成要素が必要であるが、図1に
は示していない。ただし、あらゆるデバイスに共通して
言えることは、放射された電子を捕獲するための陽極が
必要なことであり、通常は、ゲート層15よりも高い電
位(用途によっては、数100V〜数10kV)を与え
られることが一般的である。
【0032】図に示す本発明の実施形態1に係る電界放
射冷陰極を動作させるには、真空中にてシリコン基板1
0を介してエミッタ電極16を負、ゲート層15を正と
するように数10Vの電圧を印加する。すると、エミッ
タ電極16、ゲート層15の間に電界が発生するが、円
錐状エミッタ電極16の先端部に電界が集中し、エミッ
タ電極16の先端部から電子を放射する。放射した電子
は、陽極(図示略)の作る電界で加速されながら図示し
ない該陽極へ到達する。
【0033】電界放射冷陰極が使われる環境は真空であ
るとは言えども、残留ガスを皆無にすることはできな
い。この環境で電子を放出させると、ある確率で残留ガ
スがイオン化される。図9に示すように、こうして生成
したイオン51は、電子とは逆の経路をたどって、エミ
ッタ電極16をスパッタする。印加電圧、真空度などの
動作条件を考えると、スパッタの起きる程度は、短時間
では軽微であるものの、長時間の実使用においては、無
視できない量になり得る。スパッタされたエミッタ材料
52は、開口7内に飛散し、再付着する。
【0034】ところで、本発明の実施形態1に係る電界
放射冷陰極では、図9に示すように、絶縁層18(第1
の絶縁層11,第2の絶縁層12,第3の絶縁層13を
含めて絶縁層18と総称する。)に、開口17に面する
筒状の表層部20を残して、その背部に空洞24を形成
している。ゲート層15に設けた開口17の内径が約1
μmであり、実質的には動作真空度は10ー4pa以下で
あることを考慮すると、スパッタされたエミッタ材料5
2は、開口17内の領域では、直線的な軌跡を描くこと
は明らかである。エミッタ電極16のどの部分がスパッ
タされてエミッタ材料52が飛散しても、絶縁層18の
表層部20で遮断され、シリコン基板10とゲート層1
5との間に位置する第1の絶縁層11及び第2の絶縁層
12並びに第3の絶縁層13からなる連続した面にエミ
ッタ材料52が再付着しないものである。これによっ
て、図10に示すようなシリコン基板40からゲート層
45に至る絶縁層側壁の表面全体に、エミッタ材料52
の再付着が起こり得るような従来の構造に比べ、本発明
の実施形態1では、シリコン基板10とゲート層15と
の間の絶縁特性を長期間にわたって維持することができ
る。
【0035】また、エミッタ電極16から放射された電
子の一部は、ゲート層15へ飛び込むが、図7に示すよ
うにゲート層75が第2の絶縁層72で被覆されていな
いため、ゲート層15を通じてゲート電流となるため、
過剰な電荷として滞留し、電子放射特性に悪影響を与え
ることはない。
【0036】本発明の実施形態1を説明する図1及び図
9には、エミッタ電極16は、導電性材料を堆積して形
成した場合を図示しているが、基板の一部をエッチング
して円錐形状に形成してエミッタ電極16を構成した場
合でも、同様の効果を得ることができることは言うまで
もない。
【0037】なお、本発明の実施形態1に係る電界放射
冷陰極の構造と類似した構造として、特開平6−215
689号には図8に図示した構造のものが開示されてい
る。これは、図8に示すようにエッチングと熱酸化との
組み合わせてよってシリコン基板60の一部にエミッタ
電極66を形成し、シリコン基板60上のエミッタ電極
66を取り囲んで絶縁層62及びゲート層65を堆積
し、酸化膜をエッチングしたものである。ゲート層65
の開口縁は、開口67内の斜め下方へ向けて張り出した
形状になっている。図8に示した従来例の構造と、図9
に示した本発明の実施形態1の構造とを比較すると、開
口内に下方へ向いて張り出しがあるという点では共通し
ている。
【0038】しかし、本発明の実施形態1では、シリコ
ン基板10とゲート層15との間に位置する第1の絶縁
層11及び第2の絶縁層12並びに第3の絶縁層13か
らなる連続した面にエミッタ材料52が再付着すること
は、筒状の表層部20の存在によって阻止され、しか
も、第3の絶縁層13の基板側縁はシリコン基板10か
ら離間されているため、シリコン基板10とゲート層1
5との間の絶縁特性を長期間にわたって維持することが
できる。
【0039】これに対して、特開平6−215689号
の電界放射冷陰極では、シリコン基板60からゲート層
51に至る絶縁層62の側壁面が、エミッタ電極66か
らのエミッタ材料に晒されるため、この側壁面にエミッ
タ材料が再付着しやすく、シリコン基板60とゲート層
51との間の絶縁特性が低下することとなる。また、開
口内への張り出しの先端部は、図8から明らかなよう
に、傾斜した絶縁層62上に蒸着された金属膜(ゲート
層65)の膜端であり、不安定な部分である。すなわ
ち、金属膜先端の形状はばらつきが大きく、ゲート層6
5の延長であることから、エミッタ電極66周辺の電界
を乱すおそれがある。また、開口67に張り出したゲー
ト層65の先端部の膜厚は極薄であるから、プロセス途
中、あるいは、使用中に開口67内に金属片となって脱
落し、絶縁破壊の原因にもなり得る。イオンは電界に沿
って入射するとはいうものの、電界放射冷陰極からある
程度離れた領域で生成したイオンは、陽極の電位でも加
速され、エミッタ電極66の底部付近をスパッタする可
能性は十分ある。従って、図8の形状は、スパッタ再付
着を防止する構造としては、効果が不十分である。
【0040】以下、本発明の実施形態に係る電界放射冷
陰極の製造方法について説明する。
【0041】図2は、本発明の実施形態1に係る電界放
射冷陰極の製造方法を工程順に説明する断面図である。
【0042】まず、図2(a)に示すように、シリコン
基板10上に第1の絶縁層11として熱酸化膜を約0.
35μm成長させる。次に第2の絶縁層12として窒化
シリコン膜をCVD(化学気相堆積法)を用いて約0.
15μm堆積する。その後、フォトリソグラフィーによ
り直径約0.9μmの開口を持つフォトレジスト層(図
示略)を形成する。この開口をマスクとして、四フッ化
炭素等を用いたRIE(反応性イオンエッチング)によ
り、第2の絶縁層12、第1の絶縁層11をエッチング
し、第2の絶縁層12及び第1の絶縁層11に第1の開
口21を設け、その後レジスト層を除去する。このとき
に、第1の絶縁層11の厚さを約0.1μm残して、エ
ッチングを終了させる。ここで、第1の開口21は、エ
ミッタ電極形成のための開口23よりも、直径にして第
3の絶縁層13の厚さの約2倍の大きさをもつように設
定する。
【0043】続いて図2(b)に示すように、第3の絶
縁層13として窒化シリコン膜をCVDを用いて、第2
の絶縁層12の上面および開口21の内面に約0.15
μm堆積する。
【0044】続いて図2(c)に示すように、充填層1
4としてBPSG(ボロン・リンガラス)を第3の絶縁
層13に形成される第2の開口22内にCVDにより十
分に充填可能な膜厚に堆積する。このとき、当然、第3
の絶縁層13の開口22以外の領域上にも堆積するが、
引き続いて950〜1000℃で、0.5〜1時間程度
の加熱を行うと、BPSGがリフローし、表面張力によ
って充填層14の表面が平坦になる。
【0045】続いて図2(d)に示すように、充填層1
4及び第3の絶縁層13を第2の絶縁層12の表面まで
エッチバックする。このとき、充填層14と第3の絶縁
層13のエッチングレートに差が生じないような条件で
エッチングを行うと、表面を平坦化することができる。
そして、平坦化された充填層14及び第3の絶縁層13
上にゲート層15としてタングステンをスパッタ法で約
0.2m堆積する。
【0046】続いて図2(e)に示すように、フォトリ
ソグラフィーにより直径約0.6μmの開口を持つフォ
トレジスト層(図示せず)を形成する。この開口をマス
クとして、RIEにより、ゲート層15,充填層14,
第3の絶縁層13,第1の絶縁層11をエッチングし、
ゲート層15,第3の絶縁層13,第1の絶縁層11に
第3の開口23を設け、開口23を通してシリコン基板
10の表面を露出させ、その後、レジスト層を除去す
る。充填層14を形成して平坦化しているため、ゲート
層15の成膜及びフォトリソグラフィーは、平坦な面上
で行うことができる。したがって、開口23の開口縁部
でのゲート層15の断面形状を再現性よく形成すること
ができる。
【0047】続いて図2(f)に示すように、フッ化水
素酸により、開口23内の第3の絶縁層13の基板側縁
から露出した第1の絶縁層11をウェットエッチングす
る。第3の絶縁層13の外面側に存在する第1の絶縁層
11をウェットエッチングすると、第1の絶縁層11と
第3の絶縁層13とのエッチングレートの違いにより、
第3の絶縁層13はエッチングされずに張り出した形状
で残り、第3の絶縁層13の外面側に存在する第1の絶
縁層11の側壁面側がエッチングされ、エミッタ電極か
ら見通せない空洞24が形成される。
【0048】最後に、回転斜め蒸着によって犠牲層(図
示略)として、アルミニウムによる犠牲層を設けた後、
これに続けて垂直方向からエミッタ電極材料としてモリ
ブデンを真空蒸着で堆積し、エミッタ電極16を形成す
る。しかる後、犠牲層を選択エッチングすることによ
り、不要なエミッタ電極の材料層をリフトオフして、図
1のような電界放射冷陰極を完成する。
【0049】実施形態1では、特定の寸法を示したが、
この寸法に限定されるものではなく、ほかの組合わせに
おいても、同様の効果が得られる。
【0050】また、本実施形態では、基板にシリコン、
絶縁層にシリコン酸化物、シリコン窒化物、充填層にB
PSGを用いる例を示したが、エッチング選択性、絶縁
性を満足すれば、材料構成は、この組合わせに限定され
るものではない。
【0051】また、本実施形態の平坦化には、BPSG
のリフローとエッチバックを用いる方法を説明したが、
SOG(スピン・オン・ガラス)を充填し、リフローす
る方法や、CMP(ケミカル・メカニカルポリッシン
グ)で平坦に研削する方法などを用いても良い。
【0052】(実施形態2)図3は、本発明の実施形態
2に係る電界放射冷陰極の製造方法を工程順に示す断面
図である。
【0053】まず図3(a)に示すように、シリコン基
板10上に第1の絶縁層11として熱酸化膜を約0.3
5μm、第2の絶縁層12として窒化シリコン膜を約
0.15μm堆積した後、フォトリソグラフィーとRI
Eにより第1の絶縁層11の厚さ約0.1μmを残して
エッチングを終了させ、直径約0.9μmの第1の開口
21を開口する。ここで、第1の開口21は、エミッタ
電極形成のための開口23よりも、直径にして第3の絶
縁層13の厚さの約2倍の大きさをもつように設定す
る。
【0054】次に図3(b)に示すように、第3の絶縁
層13として窒化シリコン膜を、第2の絶縁層12の上
面および開口21の内面に約0.15μm堆積する。
【0055】続いて図3(c)に示すように、異方性の
RIEを行うと、第1の絶縁層11上と開口22の底の
基板面に平行な部分の第3の絶縁層13がエッチングで
除去され、開口22の側壁に筒状の第3の絶縁層13を
残留する。
【0056】続いて図3(d)に示すように、第2の絶
縁層12及び第3の絶縁層13に形成される開口22の
内面に、ゲート層15としてタングステンをスパッタ法
で約0.2μm堆積する。
【0057】続いて図3(e)に示すように、フォトリ
ソグラフィーにより直径約0.6μmの開口を持つフォ
トレジスト層(図示略)を形成する。この開口をマスク
として、RIEによりゲート層15,第1の絶縁層11
をエッチングして開口23を開口し、開口23を通して
シリコン基板10の表面を露出させ、その後レジスト層
を除去する。
【0058】続いて図3(f)に示すように、第3の絶
縁層13の基板側縁から開口23内に露出した第1の絶
縁層11をウェットエッチングすると、第1および第3
の絶縁層11,13のエッチングレートの違いにより、
第3の絶縁層13はエッチングされ、張り出した形状で
残るため、第3の絶縁層13の外面側に空洞24が形成
される。最後にエミッタ電極16を形成し、図1のよう
な電界放射冷陰極を完成する。
【0059】本実施形態2は、実施形態1に比べ、平坦
化のプロセスを省いているため、工程を短縮することが
可能である。
【0060】本実施形態2においても、寸法は例示した
値に限定されるものではなく、また、材料構成について
も、この組み合わせに限定されるものではない。
【0061】(実施形態3)図4は、本発明の実施形態
3に係る電界放射冷陰極の製造方法を工程順に示す断面
図である。本実施例は図4のように、実施形態2をさら
に変形したものであり、同様の構成要素については、図
2及び3と同じ参照符号を付し、実施形態2と異なる部
分を主に説明する。
【0062】まず、図4(a)に示すように、シリコン
基板10上に第1の絶縁層11として熱酸化膜を約0.
35μm成長させた後、フォトリソグラフィーとRIE
により、直径0.9μmの第1の開口21を第1の絶縁
層11に形成し、第1の絶縁層11の厚さ約0.1μm
を残してエッチングを終了する。ここで、第1の開口2
1は、エミッタ電極形成のための開口23よりも、直径
にして第2の絶縁層12の厚さの約2倍の大きさをもつ
ように設定する。
【0063】次に、図4(b)に示すように、第2の絶
縁層12として窒化シリコン膜を、第1の絶縁層11の
上面および、開口21の内面に約0.15μm堆積す
る。
【0064】続いて図4(c)に示すように、第2の絶
縁層12に形成される開口22を含む第2の絶縁層12
の表面にゲート層15としてタングステンをスパッタ法
で約0.2μm堆積する。
【0065】続いて図4(d)に示すように、フォトリ
ソグラフィーにより直径約0.6μmの開口を持つフォ
トレジスト層(図示せず)を形成する。この開口をマス
クとして、RIEにより、ゲート層15,第2の絶縁層
12,第1の絶縁層11をエッチングし、ゲート層1
5,第2の絶縁層12,第1の絶縁層11に開口23を
開口し、開口23を通してシリコン基板10の表面を露
出させ、その後レジスト層を除去する。
【0066】続いて図4(e)に示すように、第2の絶
縁層12の基板側縁から開口23に露出した第1の絶縁
層11をウェットエッチングすると、第1,2の絶縁層
11,12のエッチングレートの違いにより、第2の絶
縁層12は、エッチングされずに張り出した形状で残る
ため、空洞24が形成される。
【0067】最後に、開口23を通して露出したシリコ
ン基板10上にエミッタ電極16を形成し、図1のよう
な電界放射冷陰極を完成する。
【0068】本実施形態3は、実施形態2に比べ、絶縁
層の成膜プロセスおよび、RIEが少なくなっているた
め、さらに工程の短縮が可能である。
【0069】本実施形態においても、寸法は例示した値
に限定されるものではなく、また、材料構成について
も、この組み合わせに限定されるものではない。
【0070】(実施形態4)図5は、本発明の実施形態
4に係る電界放射冷陰極の製造方法を工程順に示す断面
図である。
【0071】本実施形態では、まず図5(a)に示すよ
うに、シリコン基板30上に第1の絶縁層31としてP
SG(リンガラス)をCVDにより約0.1μm堆積さ
せる。次に、第2の絶縁層32としてシリコン酸化膜を
CVDを用いて約0.4μm堆積し、第2の絶縁層32
上にゲート層35としてタングステンをスパッタ法で約
0.2μm堆積する。その後、フォトリソグラフィーに
より直径約0.6μmの開口を持つフォトレジスト層
(図示せず)を形成する。この開口をマスクとして、R
IEにより、ゲート層35,第2の絶縁層32,第1の
絶縁層31をエッチングして第1の開口37を形成し、
その後レジスト層を除去する。
【0072】続いて図5(b)に示すように、シリコン
基板30を基板面に垂直な軸を中心として回転させなが
ら、シリコン基板30に対して垂直から約40〜45°
傾けた角度から、ボロン(ホウ素)をイオン注入する。
ドーズ量は5〜10×1015cm-2、エネルギーは30
〜50keVが適当である。このイオン注入によって、
開口37内の第2の絶縁層32の側壁面にイオン注入層
33を表層部20として形成する。
【0073】続いて図5(c)に示すように、イオン注
入層33の基板側縁から開口37内に露出した第1の絶
縁層31を、フッ化水素酸によってエッチングする。こ
のとき、第1の絶縁層31のPSGは、第2の絶縁層3
2のCVD酸化膜よりも早くエッチングが進行するが、
逆にイオン注入層33は、第2の絶縁層32に比べて数
分の1程度までエッチング速度が低下している。従っ
て、イオン注入領域33が下向きに張り出した形状で残
り、その外面側に空洞34が形成される。
【0074】最後に、実施形態1と同様にして、エミッ
タ電極16を形成し、図5(d)のような電界放射冷陰
極を完成する。
【0075】本実施形態によれば、実施形態1〜3のよ
うな、フォトリソグラフィーでの精密な目合わせが不要
となる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子放射特性および、本質的な絶縁特性に影響を与えるこ
となく、ゲート−エミッタ間の絶縁特性を長期間にわた
って、良好な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る電界放射冷陰極を示
す断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る電界放射冷陰極の製
造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る電界放射冷陰極の製
造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態3に係る電界放射冷陰極の製
造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態4に係る電界放射冷陰極の製
造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】従来例に係る電界放射冷陰極の製造方法を工程
順に示す断面図である。
【図7】従来例に係る電界放射冷陰極の構造を示す断面
図である。
【図8】従来例に係る電界放射冷陰極の製造工程と構造
を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態における効果を説明する断面
図である。
【図10】従来例における問題点を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】 10 シリコン基板 11 第1の絶縁層 12 第2の絶縁層 13 第3の絶縁層 14 充填層 15 ゲート層 16 エミッタ層 17 開口 20 絶縁層の表層部 21,22,23 開口 24 空洞 30 シリコン基板 31 第1の絶縁層 32 第2の絶縁層 33 イオン注入層 34 空洞 35 ゲート層 36 エミッタ電極 37 開口

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁層を介在して形成された導
    電性ゲート層と、前記絶縁層及び前記導電性ゲート層に
    開口された複数の開口部と、前記開口部内に位置して前
    記基板上に設けられた略円錐状のエミッタ電極と、前記
    絶縁層の前記開口部の前記導電性ゲート層側から前記基
    板側に延在して前記基板に当接しない、前記絶縁層とは
    異なる材質の絶縁材料からなる筒状の隔壁と、前記筒状
    隔壁の外面側の前記絶縁層の一部を除去して形成され
    前記筒状隔壁の基板側縁から前記絶縁層の前記開口部
    と連通する空洞とを有することを特徴とする電界放射冷
    陰極。
  2. 【請求項2】 前記隔壁が前記絶縁層をイオン注入によ
    り改質したものであることを特徴とする請求項1に記載
    の電界放射冷陰極。
  3. 【請求項3】 前記エミッタ電極は、導電性基板をエッ
    チングして形成されたものであることを特徴とする請求
    項1に記載の電界放射冷陰極。
  4. 【請求項4】 第1の工程と、第2の工程と、第3の工
    程と、第4の工程と、第5の工程と、第6の工程と、第
    7の工程とを少なくとも含む電界放射冷陰極の製造方法
    であって、 前記第1の工程は、基板上に、第1の絶縁層及び第2の
    絶縁層をこの順に堆積する処理であり、 前記第2の工程は、前記2層の絶縁層をエッチングし
    て、開口の底部に前記第1の絶縁層が僅かに残る深さの
    開口を形成する処理であり、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形成された開口部
    の内側面を含む基板全面に第3の絶縁層を形成する処理
    であり、 前記第4の工程は、前記開口内の充填を行うと同時に、
    基板全面に充填層を形成して平坦化した後、前記充填層
    及び第3の絶縁層を前記第2の絶縁層の表面までエッチ
    バックする処理であり、 前記第5の工程は、前記第4の工程でエッチバックされ
    た表面上にゲート層を形成したのち、異方性エッチング
    により、前記開口と同位置に基板表面に達する深さで、
    かつ前記第3の工程で開口の内側面に形成され隔壁とす
    るための第3の絶縁層がエッチング除去されない形状寸
    法の開口を形成する処理であり、 前記第6の工程は、前記ゲート層と第3の絶縁層とをエ
    ッチング保護層として、隔壁となる前記第3の絶縁層と
    基板との隙間を介して、前記第1の絶縁層をウエットエ
    ッチングして空洞を形成する処理であり、 前記第7の工程は、前記第5の工程で形成された開口内
    の基板上にエミッタ電極を形成する処理であることを特
    徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の工程と、第2の工程と、第3の工
    程と、第4の工程と、第5の工程と、第6の工程と、第
    7の工程とを少なくとも含む電界放射冷陰極の製造方法
    であって、 前記第1の工程は、基板上に、第1の絶縁層及び第2の
    絶縁層をこの順に堆積する処理であり、 前記第2の工程は、前記2層の絶縁層をエッチングし
    て、開口の底部に前記第1の絶縁層が僅かに残る深さの
    開口を形成する処理であり、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形成された開口部
    の内側面を含む基板全面に第3の絶縁層を形成する処理
    であり、 前記第4の工程は、前記第3の絶縁層を前記第2の絶縁
    層の表面までエッチバックする処理であり、 前記第5の工程は、前記第4の工程でエッチバックされ
    た表面上にゲート層を形成したのち、エッチング処理に
    より、前記開口と同位置に基板表面に達する深さで、か
    つ前記第3の工程で開口の内側面に形成され隔壁とする
    ための第3の絶縁層がエッチング除去されない形状寸法
    の開口を形成する処理であり、 前記第6の工程は、前記ゲート層と第3の絶縁層とをエ
    ッチング保護層として、隔壁となる前記第3の絶縁層と
    基板との隙間を介して、前記第1の絶縁層をウエットエ
    ッチングして空洞を形成する処理であり、 前記第7の工程は、前記第5の工程で形成された開口内
    の基板上にエミッタ電極を形成する処理であることを特
    徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の工程と、第2の工程と、第3の工
    程と、第4の工程と、第5の工程と、第6の工程とを少
    なくとも含む電界放射冷陰極の製造方法であって、 前記第1の工程は、基板上に第1の絶縁層を堆積する処
    理であり、 前記第2の工程は、前記第1の絶縁層をエッチングし
    て、開口の底部に前記第1の絶縁層が僅かに残る深さの
    開口を形成する処理であり、 前記第3の工程は、前記第2の工程で形成された開口部
    の内側面を含む基板全面に第2の絶縁層を形成する処理
    であり、 前記第4の工程は、前記第3の工程による前記第2の絶
    縁層上にゲート層を形成したのち、エッチング処理によ
    り、前記開口と同位置に基板表面に達する深さで、かつ
    前記第3の工程で形成され隔壁とするための第2の絶縁
    層がエッチング除去されない形状寸法の開口を形成する
    処理であり、 前記第5の工程は、前記ゲート層と第2の絶縁層とをエ
    ッチング保護層として、隔壁となる前記第2の絶縁層と
    基板との隙間を介して、前記第1の絶縁層をウエットエ
    ッチングして空洞を形成する処理であり、 前記第6の工程は、前記第4の工程で形成された開口内
    の基板上にエミッタ電極を形成する処理であることを特
    徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板としてシリコン、第1の絶縁層
    としてシリコン酸化膜、第2、第3の絶縁層としてシリ
    コン窒化膜を用いることを特徴とする請求項4,5又は
    6に記載の電界放射冷陰極の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の工程と、第2の工程と、第3の工
    程と、第4の工程と、第5の工程とを少なくとも含む電
    界放射冷陰極の製造方法であって、 前記第1の工程は、基板上に、第1の絶縁層、後の第4
    の工程のウェットエッチングにおけるエッチングレート
    が前記第1の絶縁層よりも低い第2の絶縁層、及び導電
    性材料からなるゲート層をこの順に積層する処理であ
    り、 前記第2の工程は、前記ゲート層,第2の絶縁層,第1
    の絶縁層をエッチングして、基板の表面に達する開口を
    形成する処理であり、 前記第3の工程は、基板を基板面に垂直な軸を中心とし
    て回転させながら、前記開口内の前記第2の絶縁層の側
    壁面に斜め方向から、前記第2の絶縁層の後の第4の工
    程のウェットエッチングにおけるエッチングレートを低
    下させる元素をイオン注入して、第2の絶縁層の側壁面
    に隔壁とするイオン注入層を形成する処理であり、 前記第4の工程は、前記隔壁となるイオン注入層と基板
    との隙間を介して、前記第1及び第2の絶縁層をウエッ
    トエッチングして空洞を形成する処理であり、前記第5
    の工程は、前記開口を通して露出した基板上にエミッタ
    電極を形成する処理であることを特徴とする電界放射冷
    陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板としてシリコン、第2の絶縁層とし
    てシリコン酸化膜、イオン注入にホウ素を用いることを
    特徴とする請求項8に記載の電界放射冷陰極の製造方
    法。
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