JPH1167057A - 微小冷陰極 - Google Patents

微小冷陰極

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JPH1167057A
JPH1167057A JP21506597A JP21506597A JPH1167057A JP H1167057 A JPH1167057 A JP H1167057A JP 21506597 A JP21506597 A JP 21506597A JP 21506597 A JP21506597 A JP 21506597A JP H1167057 A JPH1167057 A JP H1167057A
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Japan
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insulating film
tip
cold cathode
emitter tip
emitter
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JP21506597A
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Yasuhiro Endo
康浩 遠藤
Ichiro Honjo
一郎 本荘
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート−エミッタ間電流リークを抑制して長
寿命化を可能にする微小冷陰極を提供する。 【解決手段】 この微小冷陰極49は、基板41上に形
成したエミッタティップ48から構成され、その周囲を
絶縁膜45、46とその上に形成したゲート電極50と
により取り囲まれていて、エミッタティップ48に面す
る絶縁膜45、46の側壁面である絶縁膜沿面をエミッ
タティップ48の先端から少なくとも部分的に掩蔽する
ことにより、エミッタティップ48とゲート電極50間
のリーク電流の発生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小な真空管の集
積化デバイスやフラットパネルディスプレイ、あるいは
電子発生装置等に応用される、半導体微細加工技術を駆
使して製作された微小冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、固体素子の速度限界を克服するた
め、半導体の微細加工技術を利用して微小な真空管を作
る試みに端を発して、微小な電界放射型冷陰極を多数配
列、集積化したフラットパネルディスプレイや、微小な
電子鏡筒の開発が進められている。最近では、こうした
微小冷陰極を電子源として用いて電子ビーム装置に応用
しようとする研究・開発もさかんに行われている。
【0003】微小冷陰極の製造方法としては、いくつか
の方法が提案されている。例えば、アルミナ基板上にM
o陰極膜層とアルミナ絶縁膜層とMo陽極膜層を順次被
着し、Mo陽極膜層の一部にエッチング孔を形成したの
ち、そのエッチング孔を通してアルミナ絶縁膜層を選択
エッチングして空孔を形成し、次いでMo陽極膜層のエ
ッチング孔の上方からMoを、また、斜め方向からアル
ミナを基板を回転しながら、蒸着またはスパッタして、
前記空孔の底部にMoの冷陰極コーンを形成する方法が
知られている(J. of Appl. Phys., vol.39, p3504, 19
68)。
【0004】あるいは、シリコン基板の等方性エッチン
グによりシリコンの冷陰極コーンを形成する方法も提案
されている(Mat. Res. Soc. Symp., vol.76, p25, 198
7)。
【0005】一例として、後者について、以下に示す主
な工程を、図1、図2を参照して順を追って簡単に説明
する。 工程1: シリコン基板1の上に、一様な厚さの絶縁
膜、例えばSiO2 膜2を熱酸化法で形成する(図1
(a))。 工程2: こうして基板1に形成したSiO2 膜2を、
フォトリソグラフィ法で、円形のSiO2 マスクパター
ン3が残るように、例えば、CF4 +H2 ガスを用いて
SiO2 膜のみをリアクティブイオンエッチング(RI
E)して除去する(図1(b))。 工程3: SiO2 マスクパターン3を形成した基板1
を、例えば、SF6 ガスを用いてシリコンのみを等方的
にリアクティブイオンエッチングして、SiO 2 マスク
パターン3の下にエミッタコーン部4を形成する(図1
(c))。この時、コーン頭部からSiO2 マスクパタ
ーン3が取れてしまう前にエッチングを中止する。 工程4: エミッタコーン部4を形成した基板1に熱酸
化処理を施し、表面にSiO2 膜5を形成する(図1
(d))。 工程5: 熱酸化処理済み基板1の上方から絶縁膜、例
えば、SiO2 膜6を電子ビーム蒸着で形成する(図2
(a))。 工程6: SiO2 膜6を形成した基板1の上方からゲ
ート電極膜、例えば、Mo膜7を電子ビーム蒸着で形成
する(図2(b))。 工程7: Mo膜7を形成した基板1のSiO2 マスク
パターン3をフッ酸で選択的にエッチングし、更に引き
続いて、露出したコーン部4の円錐側面に形成されてい
る熱酸化膜5のエッチングを継続して完全に除去し、冷
陰極ティップ8を露出させ、シリコン基板上にシリコン
からなる微小冷陰極9を形成する(図2(c))。
【0006】こうして形成したシリコン微小冷陰極9
は、真空中でエミッタティップ8とゲート電極10(図
2(c))間に所定の電圧を印加すると、エミッタティ
ップ8のコーン先端に大きな電界が生じ、電界放出が起
きて電子を放出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】微小冷陰極を長時間動
作させた際に、ゲート電極とエミッタ間に電流リークが
発生する場合がある。我々の調査の結果、図3に示すよ
うに、この電流リークはエミッタティップ8を取り囲む
ゲート−エミッタ間絶縁膜5、6の沿面(エミッタティ
ップ8に面する絶縁膜5、6の側壁面)で発生し、すな
わち15で示したリーク経路で電流リークが発生してお
り、そしてこの電流リークはエミッタからの電子放出が
ある場合にのみ発生することから、電子放出が引きがね
となってリークを引き起こしていることが分かった。絶
縁膜沿面にエミッタからの放出電子が入射することで電
流リークが発生する原因は十分解明されてはいないが、
放出電子の入射により沿面でコンタミネーションや何ら
かの生成物が形成されていると考えられる。ゲート−エ
ミッタ間電流リークは微小冷陰極の累計動作時間が増え
るにつれて、例えば数十時間から数百時間動作後に目立
つようになり、そして電流リークが発生すると、電源負
荷が増大するためエミッタからの電子放出が困難とな
り、それ故に微小冷陰極の寿命が制限されてしまう。
【0008】微小冷陰極を電子源として用いる冷陰極装
置において、アレイ状のエミッタ(FEA)を用いるデ
ィスプレイ等では、エミッタアレイを複数のブロックに
分離し、ヒューズ構造を用いて、不良となったエミッタ
を切り離すことによりアレイの冗長性を持たせ、装置の
長寿命化を可能としている。しかしながら、例えば、微
小冷陰極を電子源として用いるマイクロ電子銃において
は、単一のエミッタを電子源として用いることから、エ
ミッタアレイで採用されているような冗長手段を用いる
ことができない。そのため、このような用途では単一の
エミッタ自体の寿命を延ばすことが不可欠である。ま
た、エミッタアレイのように多数の微小冷陰極を用いる
装置においても、個々の微小冷陰極の寿命の延長は願っ
てもないことである。
【0009】従って、本発明の目的は、ゲート−エミッ
タ間電流リークを抑制して長寿命化を可能にする微小冷
陰極を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の微小冷陰極は、
基板上に形成したエミッタティップから構成され、その
周囲を絶縁膜とその上に形成したゲート電極とにより取
り囲まれた電界放射型微小冷陰極であって、エミッタテ
ィップに面する絶縁膜の側壁面である絶縁膜沿面をエミ
ッタティップの先端から少なくとも部分的に掩蔽するこ
とにより、エミッタティップとゲート電極間のリーク電
流の発生を抑制したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一つの態様においては、
ゲート電極の絶縁膜側壁からの張出しを大きくすること
で、その張出したゲート電極により絶縁膜沿面をエミッ
タティップ先端から少なくとも部分的に掩蔽する。ゲー
ト電極とエミッタティップ先端との距離は微小冷陰極の
性能に関し重要なものであるから、具体的には、絶縁膜
とエミッタティップとの間隔をより広くとるように、エ
ミッタティップに対して絶縁膜沿面を後退させる。
【0012】張出したゲート電極を利用して絶縁膜沿面
をエミッタティップ先端から少なくとも部分的に掩蔽す
るもう一つの態様においては、エミッタティップ先端を
ゲート電極より電子放出方向に突出させるようにする。
【0013】本発明の別の態様においては、絶縁膜沿面
に段差あるいは凹凸を設け、それにより絶縁膜沿面をエ
ミッタティップ先端から少なくとも部分的に掩蔽する。
【0014】本発明のなお別の態様においては、エミッ
タティップと絶縁膜沿面との間に隔壁を設け、それによ
り絶縁膜沿面をエミッタティップ先端から少なくとも部
分的に掩蔽する。
【0015】これらの態様のいくつかを任意に組み合わ
せることも可能である。例えば、エミッタティップに対
して絶縁膜沿面を後退させるとともに、絶縁膜沿面に段
差あるいは凹凸を設けるようにしてもよい。また、エミ
ッタティップに対して絶縁膜沿面を後退させるととも
に、エミッタティップ先端をゲート電極より電子放出方
向に突出させるようにしてもよい。
【0016】先に説明したように、エミッタティップ−
ゲート電極間の電流リークはエミッタティップを取り囲
む絶縁膜の沿面(すなわち側壁面)で発生し、そしてこ
の電流リークは、エミッタからの電子放出がある場合に
のみ発生することから、エミッタから直接絶縁膜沿面に
入射する一次電子、あるいは一次電子の反射により発生
して間接的に絶縁膜沿面に入射する反射電子や二次電子
が原因になっているものと思われ、そのうちでも特に一
次電子や反射電子の入射が特に大きな原因になっている
ものと思われる。電流リークが起きるためには、エミッ
タティップがその上に形成されているシリコン基板から
絶縁膜を介して形成されたゲート電極に至る絶縁膜沿面
のリーク経路が確保されることが必要であり、そのため
には、上述のようにリーク経路にエミッタティップから
の放出電子が入射することが必要である。図3に示した
ような従来の微小冷陰極におけるように、絶縁膜5、6
の沿面がエミッタティップ8の先端から十分に掩蔽され
ていない場合、エミッタティップ先端からの放出電子や
反射電子は破線で示された範囲の、絶縁膜沿面の実質上
全体に入射して、電流リーク経路15を確立させること
になる。
【0017】これに対し、本発明においては、上述のよ
うに、エミッタティップからの放出電子が絶縁膜沿面に
入射して電流リークの原因となるのを効果的に抑制する
のに十分なように、絶縁膜沿面をエミッタティップの先
端から少なくとも部分的に掩蔽するようにし、言い換え
ればエミッタティップ先端から絶縁膜沿面全体が直接見
えることがないようにする。これを、図4を参照して説
明すれば、シリコン基板41の上に形成した絶縁膜4
5、46からなる絶縁層65がエミッタティップ48か
ら相対的に後退してゲート電極50が絶縁膜沿面から大
きく張出しており、且つ絶縁膜45を絶縁膜46よりも
更に後退させて絶縁層65に段差を設けていることか
ら、エミッタティップ48からの放出電子は破線で示し
た範囲の、絶縁膜沿面のうちの一部にのみ入射する。こ
のように、放出電子の入射領域が局限されることから、
図3で説明した従来の微小冷陰極の場合のようにリーク
経路が確立されることはなく、従って電流リークが効果
的に抑制される。すなわち、本発明では、絶縁膜沿面に
形成されるリーク経路へのエミッタティップからの放出
電子の入射を防ぎあるいは制限することで、このリーク
経路の形成を阻止し、あるいはリーク経路を分断するも
のである。
【0018】絶縁膜沿面をエミッタティップ先端からど
れくらい掩蔽すればよいかは、個々の微小冷陰極の構成
条件(エミッタティップやゲート電極の形状・寸法、そ
れらの相対的位置関係等)や、動作条件、所望の有効寿
命条件等に応じて決める必要があるが、こうした条件が
定まれば掩蔽の度合いは実験等により容易に決定するこ
とができる。
【0019】
【実施例】次に、実施例を参照して本発明を更に説明す
る。
【0020】〔実施例1〕この例では、図3の従来の微
小冷陰極と比較して、絶縁膜沿面が後退し且つその沿面
に段差を設けた図4に示した微小冷陰極49を説明す
る。この段差は、例えば、下層の絶縁膜45を熱酸化S
iO2 膜とし、上層の絶縁膜46を蒸着SiO膜とし、
この2層構造の絶縁膜をフッ酸でエッチングすることに
より、両者のフッ酸に対するエッチングレートの違いを
利用して形成することができる。
【0021】この微小冷陰極の製造工程を、図5、図6
を参照して、順を追って説明する。 工程1: シリコン基板41の上に、一様な厚さ(0.
5μm)の絶縁膜、例えばSiO2 膜42を熱酸化法で
形成する(図5(a))。 工程2: 形成したSiO2 膜42を、フォトリソグラ
フィ法で直径1.5μmの円形のSiO2 マスクパター
ン43が残るように、例えばCF4 +H2 ガスを用いて
SiO2 膜42のみをリアクティブイオンエッチング
(RIE)し、除去する(図5b))。 工程3: マスクパターン43を形成した基板41を、
例えばSF6 ガスを用いてシリコンのみを等方的にリア
クティブイオンエッチングして、SiO2 マスクパター
ン43の下にエミッタコーン部44を形成する(図5
(c))。この時、コーン頭部からSiO2 マスクパタ
ーン43が取れてしまう前にエッチングを中止する。 工程4: エミッタコーン部44を形成した基板41を
熱酸化処理して、表面にSiO2 膜45(厚さ0.3μ
m)を形成する(図5(d))。 工程5: 熱酸化SiO2 膜45を形成した基板41の
上方から絶縁膜、例えばSiO膜46(膜厚0.6μ
m)を電子ビーム蒸着により形成する(図6(a))。 工程6: SiO膜46を形成した基板41の上方から
ゲート電極膜、例えばMo膜47(膜厚0.2μm)を
電子ビーム蒸着により形成する(図6(b))。 工程7: Mo膜47を形成した基板41のSiO2
スクパターン43をフッ酸を用いて選択的にエッチング
し、更に引き続いて、露出したコーン部44の円錐側面
に形成されている熱酸化SiO2 膜45のエッチングを
継続して完全に除去し、エミッタティップ48を露出さ
せ、シリコン基板41上にシリコンからなる微小冷陰極
49を形成する。 工程8: こうして微小冷陰極49を形成した基板41
をフッ酸に浸し、露出している絶縁膜45、46の沿面
を選択的にエッチングし、沿面を後退させる(図6
(d))。この時、SiO2 膜45及びSiO膜46か
らなる絶縁層65には、SiO2 とSiOのそれぞれフ
ッ酸に対するエッチングレートが異なるため、次第に図
に示すような段差が形成される。
【0022】SiO膜46を0.9μm後退させ、そし
てSiO2 膜45を1.6μm後退させて完成した微小
冷陰極を長時間連続動作させて得られた結果を図7に示
す。この図のグラフにおいて、Ieはエミッタ電流を示
しており、Igはゲート電流を示している。このよう
に、ゲート電流に実質的な変化がみられないことから、
800時間以上連続で動作させてもゲート電極−エミッ
タ間に電流リークは発生しないことが確認できた。ゲー
ト電流の曲線に認められる局所的な電流の増加は、その
後再び電流値が0に戻っていることから分かるように、
エミッタティップからの放出電子が直接ゲート電極に入
射したことによるものであり、絶縁膜沿面のリーク経路
を介しての電流リークではない。
【0023】〔実施例2〕この例では、エミッタティッ
プと絶縁膜沿面との間に隔壁を設けた微小冷陰極を説明
する。このような微小冷陰極では、例えば図8に示した
ように、エミッタティップ78の先端と絶縁膜75、7
6の沿面との間に、先端が下方に曲がったゲート電極膜
80によって形成された隔壁81を設けることによっ
て、エミッタティップ78の先端から絶縁膜沿面全体が
掩蔽される。
【0024】図8に示した微小冷陰極79の製造工程
を、図9を参照して、順を追って説明する。 工程1〜5: 実施例1において図5(a)〜(d)と
図6(a)を参照して説明した工程1〜5と同じであ
る。 工程6: 工程1〜5によりSiO2 マスクパターン7
3、エミッタコーン部74、熱酸化SiO2 膜75、蒸
着SiO2 膜76(ここでは実施例1の絶縁膜と違って
SiO2 膜とする)を形成したシリコン基板71上に、
ゲート電極となるMo膜77をスパッタ蒸着法により形
成する。このように、実施例1の工程6で使用した蒸着
法に代えてスパッタ蒸着法を用いることによって、マス
クパターン73の下部にもMo膜77が回り込むように
形成される(図9(a))。 工程7: こうしてMo膜77を形成した基板71のS
iO2 マスクパターン73をフッ酸を用いて選択的にエ
ッチングし、更に引き続いて、露出したコーン部74の
円錐側面に形成されている熱酸化膜75のエッチングを
継続して完全に除去し、エミッタティップ78を露出さ
せ、シリコン基板71上にシリコンからなる微小冷陰極
79を形成する(図9(b))。Mo膜77は熱酸化膜
75の除去によりエミッタティップ78から切り離され
て、ゲート電極80が形成される。このゲート電極80
の先端付近の下方に曲がった部分(すなわち隔壁81)
の下にあるSiO2 絶縁膜76は、引き続きエッチング
を行って除去する。
【0025】ここでは、下方に曲がったゲート電極先端
を隔壁とした例を説明したが、このほかにも、例えばエ
ミッタティップの周囲に設けた張出しを隔壁として利用
することも考えられる。
【0026】〔実施例3〕この例では、エミッタティッ
プ先端がゲート電極より電子放出方向に突出した構造の
微小冷陰極を説明する。図10に例示したように、この
ような微小冷陰極99では、エミッタティップ98がゲ
ート電極100より突出することにより、絶縁膜95、
96により構成された絶縁層105の沿面がエミッタテ
ィップ98の先端から部分的に掩蔽されている。
【0027】この例の微小冷陰極の作製方法は、基本的
に実施例1の工程(1)〜工程(7)と同じである。異
なるのは、工程3でのシリコン基板91のエッチング
を、エミッタコーン部がMo蒸着膜形成面より高くなる
ように、深くエッチング処理する点と、必要に応じ工程
5の絶縁膜を薄く形成する点である。もちろん、そのど
ちらか一方でもよい。
【0028】〔実施例4〕この例では、実施例1の場合
よりも更に絶縁層を後退させた微小冷陰極を説明する。
図11(a)の上面図と図11(b)の断面図に示した
ように、この微小冷陰極119が実施例1の微小冷陰極
49と異なるのは、エミッタティップ118を取り囲む
ゲート電極120に開口121が設けられている点であ
る。この開口121によって、絶縁膜を後退させるエッ
チングが容易になった結果として、実施例1の場合より
も更に絶縁層を後退させている。
【0029】この微小冷陰極119の製造工程を、図1
2を参照して、順を追って説明する。 工程1〜7: 実施例1において図5(a)〜(d)と
図6(a)〜(c)を参照して説明した工程1〜7と同
じである。 工程8: 工程1〜7によりエミッタティップ118の
形成までを終了したシリコン基板111を硝酸第二セリ
ウムアンモニウムでエッチング処理して、ゲート電極1
20のパターニングを行い、この時一緒に、エミッタテ
ィップ118を取り囲む様にゲート電極120に開口1
21を設ける(図12(a))。 工程9: ゲート電極120のパターニングと開口12
1の形成を終えた基板111をフッ酸に浸し、露出して
いる絶縁膜沿面を選択的にエッチングして沿面を後退さ
せるとともに、ゲート電極120に設けた開口121か
らもエッチングを進行させて、絶縁膜115、116を
実質的に短時間で、且つ深く後退させる(図12
(b))。また、SiO絶縁膜116およびSiO2
縁膜115はそれぞれフッ酸に対するエッチングレート
が異なるため、これらの絶縁膜から構成される絶縁層1
25の沿面には段差が形成される。
【0030】以上の実施例は本発明の態様の一部を例示
しているに過ぎない。従って、本発明の主旨に沿うもの
である限り、使用する素材や個々のプロセスなど、適宜
好ましいもの、あるいはそれらの組み合わせを用いても
よいことは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電流リークの発生がなく、長時間の動作に耐える、長寿
命の電界放射型微小冷陰極の利用が可能になる。このよ
うな微小冷陰極は、単一の電子放出源を使用する、例え
ば走査型電子顕微鏡、電子線露光装置、電子ビームテス
ターといったような装置の電子放出源として特に有利に
使用することができる。このほかにも、本発明の微小冷
陰極は、微小な真空管の集積化デバイスやフラットパネ
ルディスプレイ等の用途に使用して、それらの信頼性の
向上に大いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の微小冷陰極の製造工程の一例のうちの前
半を説明する図である。
【図2】図1で説明する従来の微小冷陰極の製造工程の
一例のうちの後半を説明する図である。
【図3】従来の微小冷陰極を説明する図である。
【図4】本発明の実施例1の微小冷陰極を説明する図で
ある。
【図5】実施例1の微小冷陰極の製造工程の前半を説明
する図である。
【図6】実施例1の微小冷陰極の製造工程の後半を説明
する図である。
【図7】実施例1の結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例2の微小冷陰極を説明する図で
ある。
【図9】実施例2の微小冷陰極の製造工程の後半を説明
する図である。
【図10】本発明の実施例3の微小冷陰極を説明する図
である。
【図11】本発明の実施例4の微小冷陰極を説明する図
であって、(a)はその上面図、(b)は(a)のB−
B線断面図である。
【図12】実施例4の微小冷陰極の製造工程の後半を説
明する図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…熱酸化SiO2 膜 3…SiO2 マスクパターン 4…エミッタコーン部 5…熱酸化SiO2 膜 6…SiO2 蒸着膜 7…Mo蒸着膜 8…エミッタティップ 9…冷陰極 10…ゲート電極 15…リーク経路 41、71、91、111…シリコン基板 42…熱酸化SiO2 膜 43、73…SiO2 マスクパターン 44…エミッタコーン部 45、75、95、115…熱酸化SiO2 膜 46、96、116…SiO蒸着膜 47、77…Mo蒸着膜 48、78、98、118…エミッタティップ 49、79、99、119…微小冷陰極 50、80、100、120…ゲート電極 76…SiO2 蒸着膜 81…隔壁 121…開口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成したエミッタティップから
    構成され、その周囲を絶縁膜とその上に形成したゲート
    電極とにより取り囲まれた電界放射型微小冷陰極であっ
    て、エミッタティップに面する絶縁膜沿面をエミッタテ
    ィップの先端から少なくとも部分的に掩蔽することによ
    り、エミッタティップとゲート電極間のリーク電流の発
    生を抑制したことを特徴とする微小冷陰極。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜沿面から張出した前記ゲート
    電極により前記絶縁膜沿面を少なくとも部分的に掩蔽し
    た、請求項1記載の微小冷陰極。
  3. 【請求項3】 前記エミッタティップの先端を前記ゲー
    ト電極よりも電子放出方向に突出させることで前記絶縁
    膜沿面を少なくとも部分的に掩蔽した、請求項1記載の
    微小冷陰極。
  4. 【請求項4】 前記絶縁膜沿面に設けた段差あるいは凹
    凸により前記絶縁膜沿面を前記エミッタティップの先端
    から少なくとも部分的に掩蔽した、請求項1記載の微小
    冷陰極。
  5. 【請求項5】 前記絶縁膜が複数の絶縁材料層から構成
    され、それらの層の材料が異なる、請求項4記載の微小
    冷陰極。
  6. 【請求項6】 前記エミッタティップと前記絶縁膜沿面
    との間に設けた隔壁により当該絶縁膜沿面を当該エミッ
    タティップの先端から少なくとも部分的に掩蔽した、請
    求項1記載の微小冷陰極。
  7. 【請求項7】 前記エミッタティップ周辺のゲート電極
    に開口が存在し、当該開口の下に絶縁膜が存在していな
    い、請求項1又は2記載の微小冷陰極。
JP21506597A 1997-08-08 1997-08-08 微小冷陰極 Withdrawn JPH1167057A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010058197A (ko) * 1999-12-24 2001-07-05 박종섭 전계방출표시 소자의 제조방법
JP2005294263A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Samsung Sdi Co Ltd ホール構造物,ホール構造物の形成方法,及び電子放出素子
JP2011077042A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Qinghua Univ 電界放出陰極素子及び電界放出表示装置

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