JP2000176365A - 金属調光沢塗膜の形成方法 - Google Patents

金属調光沢塗膜の形成方法

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JP2000176365A
JP2000176365A JP10358715A JP35871598A JP2000176365A JP 2000176365 A JP2000176365 A JP 2000176365A JP 10358715 A JP10358715 A JP 10358715A JP 35871598 A JP35871598 A JP 35871598A JP 2000176365 A JP2000176365 A JP 2000176365A
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coating layer
layer
film
metallic
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JP10358715A
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Yoshiaki Suekado
嘉章 末角
Yoshihiro Tamura
義弘 田村
Hiroyuki Nakasuji
博行 中筋
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Nippon Bee Chemical Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Bee Chemical Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基材の表面に対して簡易に金属
調光沢を付与することができる方法を提供する。 【解決手段】 プラスチック基材の上に第一塗膜層を形
成し、該第一塗膜層の上に蒸着金属膜を粉砕して金属片
とした光輝性顔料を含むメタリック塗料を塗布すること
により第二塗膜層を形成し、該第二塗膜層の上に第三塗
膜層を形成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基材
上に金属調光沢塗膜を形成する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
部品や電化製品等の部品においては、プラスチック材料
からなる部品に高級感を与えるなどの目的で金属調光沢
を付与するため、金属メッキや金属蒸着などの方法によ
り、表面に金属薄膜を析出し付着させている。
【0003】しかしながら、金属メッキによる方法で
は、プラスチック表面に導電性を付与する必要があるた
め、無電解メッキ等を施しプラスチック基材の表面に導
電層を形成するなどの必要がある。また、基材全体をメ
ッキ浴に浸漬する必要があり、製造工程が複雑で、設備
上種々の制限があった。また、金属を蒸着させる方法で
は、真空または減圧容器中に基材を設置する必要があ
り、大型の基材には適用できないという問題があった。
また、製造工程上も、減圧にする必要があるなど実用化
にあたり制限があった。
【0004】本発明の目的は、プラスチック基材の表面
に対して簡易に金属調光沢を付与することができる方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、蒸着金属膜を
粉砕して金属片とした光輝性顔料を含むメタリック塗料
を塗布することにより、プラスチック基材の上に金属調
光沢塗膜を形成することを特徴とする金属調光沢塗膜の
形成方法である。
【0006】本発明によれば、上記光輝性顔料を含むメ
タリック塗料を塗布することにより、プラスチック基材
の上に金属調光沢塗膜を形成し、これによってプラスチ
ック基材の表面に金属調光沢を付与することができる。
なお、本発明においては、プラスチック基材の表面の上
に、必ずしも直接金属調光沢塗膜を形成する必要はな
く、プラスチック基材の上に中間塗膜層などを形成し、
その上に金属調光沢塗膜を形成してもよい。
【0007】本発明に従う好ましい実施形態において
は、プラスチック基材の上に第一塗膜層を形成し、該第
一塗膜層の上に蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝
性顔料を含むメタリック塗料を塗布することにより第二
塗膜層を形成し、該第二塗膜層の上に第三塗膜層を形成
する。
【0008】本実施形態によれば、上記光輝性顔料を含
む金属調光沢塗膜である第二塗膜層を、第一塗膜層と第
三塗膜層の間に挟む積層構造を有する積層塗膜が得られ
る。第二塗膜層とプラスチック基材の間に第一塗膜層を
形成することにより、金属調光沢塗膜のプラスチック基
材に対する密着性を高めることができる。第二塗膜層の
上に第三塗膜層を形成することにより、第二塗膜層を保
護することができるとともに、第二塗膜層からの光輝性
顔料からの剥がれ落ち等を防止することができる。従っ
て、密着性が良好で耐久性に優れた金属調光沢塗膜をプ
ラスチック基材の上に設けることができる。
【0009】プラスチック基材の上に、上記第一塗膜
層、第二塗膜層、及び第三塗膜層を積層し、第三塗膜層
側から観察する場合には、第三塗膜層を通して第二塗膜
層の金属調光沢が見えるようにする必要があるので、第
三塗膜層はある程度の透明性を有することが望ましい。
従って、このような場合、第三塗膜層は、クリヤ塗膜ま
たは半透明感を有するクリヤ塗膜、いわゆる濁りクリヤ
塗膜であることが好ましい。クリヤ塗膜及び濁りクリヤ
塗膜は、溶剤型塗料から形成してもよいし、粉体塗料か
ら形成してもよい。溶剤型塗料は、一液型塗料であって
もよいし、二液型塗料であってもよい。
【0010】アクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板
のように透明性を有する基材の場合には、プラスチック
基材側から第一塗膜層を通して第二塗膜層の金属調光沢
が観察されるように金属調光沢塗膜を形成したい場合が
ある。このような場合、第一塗膜層はある程度の透明性
を有することが望ましく、従ってクリヤ塗膜または濁り
クリヤ塗膜から形成されることが好ましい。これらのク
リヤ塗膜及び濁りクリヤ塗膜としては、上記のようなク
リヤ塗膜及び濁りクリヤ塗膜を用いることができる。ま
た、第三塗膜層は、特に限定されるものではなく、例え
ばクリヤ塗膜または着色塗膜から形成することができる
が、好ましくは、着色塗膜から形成される。
【0011】観察者側から見て第二塗膜層の下地層とな
る第三塗膜層または第一塗膜層に、着色塗膜を用いる場
合、この着色塗膜の色彩を変えることにより、金属調光
沢塗膜の色彩を調色することができる。例えば、着色塗
膜として、ブラック系統の塗膜を用いることにより、ゴ
ールド系統の色彩を付与することができる。また、着色
塗膜として、ホワイト系統またはグレー系統の塗膜を用
いることにより、シルバー系統の色彩を付与することが
できる。また、下地層としての第三塗膜層または第一塗
膜層にクリヤ塗膜を用いることにより、同様にシルバー
系統の色彩を付与することもできる。
【0012】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。光輝性顔料 本発明で用いられる光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕し
て金属片とした光輝性顔料であれば特に限定されるもの
ではない。このような光輝性顔料は、一般に基材フィル
ム上に金属膜を蒸着させ、基材フィルムを剥離した後、
蒸着金属膜を粉砕して金属片とすることにより得られ
る。蒸着金属膜の厚み、すなわち粉砕して得られる金属
片の厚みとしては、一般には100〜1000Å程度が
好ましい。また、粉砕の程度としては、粒径が約5μm
〜約100μm程度となるように粉砕されることが好ま
しい。
【0013】蒸着金属膜の材質としては、特に限定され
るものではないが、例えば、アルミニウム、金、銀、
銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロ
ム、ステンレス等の金属膜が挙げられる。
【0014】本発明において用いる光輝性顔料は、蒸着
金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料であるので、
非常に厚みが薄い金属片である。従って、面状に配向す
ることにより、表面がフラットなメッキまたは金属表面
のような光沢を有するメタリック塗膜層を形成すること
ができる。従来のメタリック塗料に用いられているアル
ミニウムフレーク等の金属フレークは、金属粉や金属箔
をボールミル等で粉砕して得られるものであるが、これ
らの金属フレークは比較的厚みが厚く、また表面に凹凸
を有しているので、このような金属フレークを面状に配
向しても、表面がフラットにならず、本発明のような金
属調光沢を付与することはできない。
【0015】本発明において用いる光輝性顔料は、例え
ば、特開平2−8268号公報や国際公開WO93/2
3481号公報等に開示された製造方法により製造する
ことができる。例えば、OPP(配向ポリプロピレ
ン)、CPP(結晶性ポリプロピレン)、PET(ポリ
エチレンテレフタレート)等のプラスチックフィルムを
基材フィルムとして用い、その上に剥離剤を塗布し、剥
離剤の上に金属蒸着を行う。金属蒸着後、蒸着金属の酸
化を防止するため、例えば蒸着面の上にトップコート剤
を塗布する。剥離剤及びトップコート剤としては、例え
ば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、セ
ルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、E
VA樹脂、塩素化PP樹脂、塩素化EVA樹脂、石油系
樹脂等の樹脂を用いることができる。
【0016】蒸着金属膜を基材フィルムから剥離し、こ
れを粉砕することにより金属片とする。なお、金属片に
は剥離剤及びトップコート剤が付着している場合がある
が、これらは一般にメタリック塗料として使用する際の
溶剤に溶解される。
【0017】メタリック塗料 本発明のメタリック塗料は、上記のようにして得られる
光輝性顔料、溶剤、さらには必要に応じて、バインダー
となる樹脂及び添加剤を添加して調製される。本発明の
メタリック塗料において、光輝性顔料の顔料重量濃度
(PWC)は40%以上が好ましく、さらに好ましくは
50%以上である。また、必要に応じて、メタリック塗
料は実質的に光輝性顔料と溶剤から構成してもよい。メ
タリック塗料におけるPWCを高くすることにより、光
輝性顔料の面状の配向を促進することができ、より良好
な金属調光沢を付与することができ易くなる。しかしな
がら、PWCが高くなりすぎると、積層塗膜における密
着性、すなわち第一塗膜層及び第三塗膜層に対する密着
性が低下する傾向にあるので、このような密着性を考慮
する場合、PWCは30%以下であることが好ましい。
しかしながら、後述するように、メタリック塗料中にシ
ランカップリング剤を添加することにより、密着性を著
しく向上させることができる。従って、シランカップリ
ング剤をメタリック塗料中に添加する場合には、より高
い濃度で光輝性顔料を含有させることができる。
【0018】本発明のメタリック塗料に含有させる溶剤
は、光輝性顔料製造の際に用いた剥離剤やトップコート
剤、あるいはメタリック塗料塗装の下地塗膜の種類など
を考慮して選択されるものであるが、例えば、トルエ
ン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、第2ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート及び、ソルベッソ10
0及びソルベッソ150(商品名、エッソ社製、芳香族
系炭化水素溶剤)等の炭化水素系溶剤を挙げることがで
きる。また、光輝性顔料が金属粉ペーストのような市販
品として入手される場合には、この金属粉ペースト中に
含有されている溶剤が含まれてもよい。
【0019】本発明のメタリック塗料においては、上述
のように必要に応じてバインダーとなる樹脂や添加剤を
添加することができる。バインダー樹脂としては、一般
に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂などを用いる
ことができ、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリ
アミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミ
ン樹脂などの樹脂が例示される。特に、後述するアクリ
ル・ウレタン系樹脂が好ましく用いられる。また添加剤
としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クスなどのワックス類や、可塑剤、分散剤、増粘剤、紫
外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、硬化触媒等が例
示される。
【0020】本発明のメタリック塗料の塗布量として
は、特に限定されるものではないが、光輝性顔料の塗布
量として、0.1〜10g/m2 程度が好ましい。本発
明のメタリック塗料中の光輝性顔料の含有量は、特に限
定されるものではないが、0.1〜30重量%程度が好
ましく、さらに好ましくは0.2〜20重量%である。
光輝性顔料の含有量が多すぎると、塗装時の微粒化が低
下するため外観が悪くなり、逆に光輝性顔料の含有量が
少なすぎると金属調光沢における光反射性が低下する。
メタリック塗膜層の厚みは、5μm以下であることが好
ましく、さらに好ましくは2μm以下である。
【0021】第一塗膜層及び第三塗膜層形成用塗料 第一塗膜層及び第三塗膜層は、上述のように、クリヤ塗
膜、濁りクリヤ塗膜、または着色塗膜などから形成する
ことができる。クリヤ塗膜及び濁りクリヤ塗膜は、透明
クリヤ塗料及び濁りクリヤ塗料から形成することがで
き、透明クリヤ塗料とは、一般に無色のクリヤ塗料であ
り、濁りクリヤ塗料とは、一般に着色されたクリヤ塗料
(カラークリヤ塗料)である。着色塗膜は、無機顔料、
有機顔料などの着色剤を含有した塗料から形成すること
ができる。
【0022】第一塗膜層形成用塗料及び第三塗膜層形成
用塗料のバインダー樹脂としては、上記メタリック塗料
のバインダー樹脂として列挙した樹脂を用いることがで
き、好ましい具体例としては、ニトロセルロース変性ア
クリルラッカー、CAB(セルロースアセテートブチレ
ート)変性アクリルラッカー、アクリルウレタン、ポリ
エステルウレタン、アミノ−アクリル系樹脂、アミノ−
アルキド系樹脂、アミノ−ポリエステル系樹脂などを例
示することができる。特に、後述するアクリル・ウレタ
ン系樹脂が好ましく用いられる。
【0023】塗料の形態は、特に限定されるものではな
く、有機溶液型、非水分散液型、水溶液型、水分散液
型、ハイソリッド型、粉体塗料等任意の形態のものを使
用することができる。
【0024】これらの塗料には、必要に応じて、アルミ
ニウム粉やマイカ粉などのメタリック顔料、着色顔料な
どの着色剤、メラミン樹脂、表面調整剤、粘性調整剤、
紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、硬化触媒等の
塗料用添加剤等を配合することができる。
【0025】アクリル・ウレタン系樹脂 上述のように、本発明におけるメタリック塗料(第二塗
膜層形成用塗料)、第一塗膜層形成用塗料、及び第三塗
膜層形成用塗料中のバインダー樹脂としては、アクリル
・ウレタン系樹脂を好ましく用いることができる。
【0026】アクリル・ウレタン系樹脂は、アクリル系
ポリオールと、ブロックされているか、またはブロック
されていないイソシアネート基を有する非黄変性ポリイ
ソシアネート硬化剤を必須成分とする樹脂である。
【0027】アクリル系ポリオールとしては、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル等の水酸基含有不飽和モノマー、及び上記水酸基含
有不飽和モノマーにε−カプロラクトンなどのラクトン
類を付加したラクトン変性不飽和モノマーを水酸基含有
不飽和モノマーとして用い、これをその他の不飽和モノ
マーと共重合させたポリマーが挙げられる。
【0028】上記水酸基含有不飽和モノマーの一部は市
販されていて、例えば、ダイセル化学工業(株)のプラ
クセルFA−1(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モ
ルにε−カプロラクトン1モルを付加したモノマー)、
プラクセルFA−2(アクリル酸2−ヒドロキシエチル
1モルにε−カプロラクトンを2モル付加したモノマ
ー)、プラクセルFM−1があり、ユニオンカーバイド
社(米)の商品として、TONE M−100(アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン
2モルを付加したモノマー)などが挙げられる。
【0029】アクリル系ポリオールを製造するために用
いるモノマー類としては、上記の水酸基含有不飽和モノ
マーやその他の不飽和モノマーである公知のモノマーが
使用できる。
【0030】その他の不飽和モノマーの代表例を示せ
ば、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、スチ
レン誘導体、アクリロニトリル、アクリルアミド、ビニ
ルトルエン、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート、
アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0031】上記モノマーを共重合することによってア
クリル系ポリオールが得られるが、アクリル系ポリオー
ルの製造方法としては従来公知のアクリル樹脂の製造方
法を用いることができる。すなわち、溶液重合、非水デ
ィスパージョン重合、塊状重合などの重合方法をとり得
るが、重合の容易さ、分子量調節の面、塗料化するとき
の使い易さの面から溶液重合法が適している。
【0032】アクリル系ポリオールの水酸基価は30〜
250mgKOH/gであることが好ましく、さらに好
ましくは40〜200mgKOH/gである。水酸基価
が30mgKOH/gより小さくなるとポリイソシアネ
ート硬化剤との架橋反応点が不足し、塗膜物性が不十分
となる場合があり、一方、250mgKOH/gより大
きくなると、過剰の水酸基が原因となり塗膜の耐湿性、
耐水性が低下し好ましくない場合がある。
【0033】酸価は1〜50mgKOH/gであること
が好ましく、さらに好ましくは3〜35mgKOH/g
である。酸価が1mgKOH/gより小さくなると架橋
性が低下する傾向にあり、一方、50mgKOH/gよ
り大きくなると、過剰の酸基が原因となり塗膜の耐湿
性、耐水性が低下する場合があり好ましくない。
【0034】また、アクリル系ポリオールの数平均分子
量は好ましくは2000〜30000、より好ましくは
3000〜20000の範囲である。数平均分子量が2
000よりも小さくなると、塗膜の物性が低下する傾向
にあり、一方、30000よりも大きくなると、塗装作
業性が低下し、仕上がり外観が低下する傾向にある。
【0035】アクリル系ポリオールのガラス転移温度
(Tg)は塗膜の層間付着性、塗膜硬度及び汚染性の点
から、−20〜100℃が好ましく、さらに好ましくは
−10〜70℃の範囲である。
【0036】ポリイソシアネート硬化剤は架橋剤として
働くものであり、耐侯性の点から非黄変性であることが
好ましく、塗料分野で従来公知の非黄変性ポリイソシア
ネート硬化剤が好ましく使用できる。例えばヘキサメチ
レンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート(XDI)、水素化キシリレンジイソ
シアネート(水素化XDI)、トリレンジイソシアネー
ト(TDI)、水素化トリレンジイソシアネート(水素
化TDI)、リジンジイソシアネート等の非黄変性ポリ
イソシアネート硬化剤及びこれらポリイソシアネート化
合物のヌレート体、ビュレット体、あるいはエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロ
パンのようなポリオールとの付加体やブロック化したポ
リイソシアネート硬化剤が挙げられる。
【0037】イソシアネートブロック化剤としては、フ
ェノール、m−クレゾール、キシレノール、チオフェノ
ール等のフェノール類、メタノール、エタノール、ブタ
ノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコ
ール類、カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸
ジエチル等の活性水素含有化合物等を挙げることができ
る。
【0038】これらのポリイソシアネート硬化剤は、単
独で用いてもよいが、塗料の硬化性と塗膜物性のバラン
スをとるために、複数の種類のポリイソシアネート硬化
剤の併用、あるいはポリイソシアネート硬化剤とメラミ
ン樹脂との併用を妨げるものではない。
【0039】アクリル・ウレタン系樹脂は、上述のよう
に、アクリル系ポリオールとポリイソシアネート硬化剤
とを必須成分とするものであるが、その配合割合は、ア
クリル系ポリオール成分中の水酸基とポリイソシアネー
ト硬化剤成分中のイソシアネート基との比率が、〔イソ
シアネート基〕/〔水酸基〕の当量比で0.5〜2が好
ましく、さらに好ましくは0.75〜1.5である。こ
の当量比が0.5未満であると、架橋剤量が不足し、架
橋が不十分となるため、得られる塗膜の物性、耐薬品性
が劣る場合があり、一方、当量比が2を超えると塗膜の
乾燥性が劣り、塗膜硬度が低下する場合がある。
【0040】プラスチック基材がポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系基材である場合には、第一塗膜層形成
用塗料のバインダー樹脂として、ポリオレフィン変性ア
クリル・ウレタン系樹脂を用いることにより、第一塗膜
層とプラスチック基材との密着性を高めることができ
る。このようなポリオレフィン変性アクリル・ウレタン
系樹脂としては、上記のアクリル系ポリオールに、ポリ
オレフィン系樹脂やポリオレフィンで変性したアクリル
系ポリオール樹脂を混合し、この混合樹脂とイソシアネ
ート硬化剤とを用いた樹脂が挙げられる。このポリオレ
フィン系樹脂及びポリオレフィン変性アクリル系ポリオ
ール樹脂の混合割合は、イソシアネート硬化剤を除く全
体の70重量%以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは20〜50重量%である。
【0041】以上のように、本発明において用いる塗料
中のバインダー樹脂としてはアクリル・ウレタン系樹脂
が好ましく用いられるが、当然のことながら、本発明は
これに限定されるものではなく、その他のバインダー樹
脂を用いてもよい。
【0042】シランカップリング剤 上述のように、メタリック塗料中にシランカップリング
剤を配合することにより、メタリック塗膜層の密着性を
高めることができる。このようなシランカップリング剤
としては、種々のものを用いることができるが、例え
ば、以下の一般式で示されるシランカップリング剤を用
いることができる。
【0043】
【化1】
【0044】(式中Xは、ビニル基、エポキシ基、アミ
ノ基、アルキル基、あるいはポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリ(メタ)アクリルなどのプレポリマーであり、
1、Y2 及びY3 は、それぞれ同一もしくは異なり水
酸基または加水分解してシラノールを生成する基を示
す。) メタリック塗料中にシランカップリング剤を配合するこ
とにより、メタリック塗料中に高いPWCで光輝性顔料
が配合されても、該光輝性顔料を含む塗膜の凝集破壊を
防止することができ、優れた金属調光沢を発現させるこ
とができる。
【0045】前述の一般式で表されるシランカップリン
グ剤において、Y1 、Y2 及びY3は、それぞれ同一も
しくは異なり水酸基または加水分解してシラノールを生
成する基、例えば、シラノール、及びメトキシ、エトキ
シ、ブトキシ等のアルコキシ基や塩素である。これらの
基の反応メカニズムに関しては、明確でない部分も多い
が、加水分解され直ちに光輝性顔料の表面と結合するも
のと推測される。
【0046】他方、Xは、有機材料と反応性あるいは相
溶性のある基、例えばビニル基、エポキシ基、アミノ
基、アルキル基、あるいはポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリ(メタ)アクリルなどのプレポリマー等であ
る。これらの基のうち、例えばエポキシ基、アミノ基な
どは塗料用基体樹脂中のカルボキシル基等と反応し、ビ
ニル基、アルキル基及び上記プレポリマー等は、塗料用
基体樹脂と相溶性を示すものと思われる。
【0047】上記シランカップリング剤のうちでも、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ官能性
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランが、蒸
着金属膜を粉砕してなる光輝性顔料を含む塗膜の凝集破
壊防止のために特に好ましく用いられる。
【0048】これらは、容易に合成、あるいは入手で
き、例えばビニル基を有するシランカップリング剤とし
て「KBM503(信越化学社製)」、エポキシ基を有
するシランカップリング剤として「KBM403(信越
化学社製)」等が入手可能である。
【0049】上記シランカップリング剤の配合量として
は、光輝性顔料100重量部に対し、0.01〜10重
量部が一般的に好ましい。また、本発明においては、上
記シランカップリング剤と同様の目的で、メタリック塗
料中にチタネート系カップリング剤やアルミニウム系カ
ップリング剤などのカップリング剤を配合してもよい。
【0050】プラスチック基材 本発明において金属調光沢塗膜は、プラスチック基材上
に形成される。プラスチック基材上に金属調光沢塗膜を
直接形成してもよいが、好ましくは第一塗膜層などの下
地層を形成した上に金属調光沢塗膜を形成する。本発明
に従う好ましい実施形態においては、さらに、金属調光
沢塗膜である第二塗膜層の上に第三塗膜層が形成され
る。プラスチック基材には、予めプライマー層等が形成
されていてもよく、本発明に従う好ましい実施形態にお
いては、このようなプライマー層の上に第一塗膜層を形
成してもよい。
【0051】本発明におけるプラスチック基材の材質
は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリウレタ
ン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などを例示することが
できる。
【0052】塗装方法 本発明における塗料の塗装方法は、特に限定されるもの
ではなく、使用する塗料の形態及びプラスチック基材の
表面形状等を考慮して種々の塗装方法で塗装することが
できる。例えば、スプレー、ロールコーター、刷毛塗
り、静電塗装など従来公知の塗装方法を採用することが
できる。
【0053】本発明の好ましい実施形態に従い、第一塗
膜層、第二塗膜層、及び第三塗膜層を順次塗装する場
合、各塗膜層を塗装し硬化後に次の塗膜層を塗装しても
よいし、いわゆるウェットオンウェット塗装により各塗
膜層を塗装した後硬化させずに次の塗膜層を塗装しても
よい。しかしながら、良好な金属調光沢塗膜を得るため
には、第一塗膜層を塗装し硬化後、金属調光沢塗膜であ
る第二塗膜層を塗装することが好ましい。
【0054】各塗膜層の塗料は、例えば常温硬化であっ
てもよいし、焼き付け硬化であってもよい。硬化条件
は、硬化剤により異なるが、ポリイソシアネート硬化剤
を使用する二液型塗料の場合は、一般に室温〜120℃
であり、ブロックイソシアネートを使用する場合は、一
般に70〜200℃である。
【0055】第一塗膜層の厚みは、特に限定されるもの
ではないが、一般的には15〜40μmの範囲内である
ことが好ましい。また、第二塗膜層の厚みは、上述のメ
タリック層の厚みと同様であり、5μm以下であること
が好ましく、さらに好ましくは2μm以下である。第三
塗膜層の厚みは、特に限定されるものではないが、一般
には15〜40μmの範囲内であることが好ましい。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施例を挙げて本
発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により
限定されるものではない。
【0057】メタリック塗料の調製 メタリック塗料として、アルミニウム蒸着膜を粉砕して
得られるアルミニウム粉を含有したアルミニウム塗料を
調製した。蒸着金属膜を粉砕して得られるアルミニウム
粉としては、以下の市販のアルミニウム粉のペーストを
用いた。
【0058】・商品名「メタルアーL−55350」…
ECKART−WERKE社製、アルミニウム粉含有量
10重量% ・商品名「メタシーンKM100」…東洋アルミニウム
株式会社製、アルミニウム粉含有量10重量% ・商品名「VD−20」…昭和アルミパウダー株式会社
製、アルミニウム粉含有量20重量% 比較として、アルミニウム粉末やアルミニウム箔をボー
ルミル等で粉砕して得られる、一般のメタリック塗料に
用いられるアルミニウムフレークを含有した以下のアル
ミニウムペーストを用いた。
【0059】・商品名「アルミペースト7130N」…
東洋アルミニウム株式会社製、アルミニウム粉含有量6
5重量%、平均粒径18μm また、シランカップリングとしては以下のものを用い
た。
【0060】・シランカップリング剤…信越化学社製
「KBM403」、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン 表1に示す配合割合で、調製例1〜12及び比較調製例
13のアルミニウム塗料を調製した。なお、表1におい
てEEPは、エチルエトキシプロピオネートであり、S
−150は、エッソ社製、芳香族系有機溶剤「ソルベッ
ソ150」である。
【0061】また、アクリル系ポリオールとしては、固
形分55重量%、数平均分子量7000、水酸基価4
0、酸価6、ガラス転移温度(Tg)50℃のアクリル
系ポリオールを用いた。イソシアネート硬化剤として
は、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を用い、
アクリル系ポリオール成分中の水酸基に対するポリイソ
シアネート化合物成分中のイソシアネート基の当量比
が、〔イソシアネート基〕/〔水酸基〕の当量比で、
0.5〜2.0の範囲となるように用いた。
【0062】
【表1】
【0063】第一塗膜層、第二塗膜層、及び第三塗膜層
の形成 表2及び表3に示す材質のプラスチック基材の上に、表
2及び表3に示す第一塗膜層、第二塗膜層、及び第三塗
膜層をスプレー塗装により形成した。第二塗膜層の塗装
には、表2及び表3に示すように、調製例1〜12及び
比較調製例13のメタリック塗料を用いた。
【0064】実施例16〜18においては、基材とし
て、厚み3mmのアクリル透明板を用い、アクリル板の
裏面側に第一塗膜層、第二塗膜層、及び第三塗膜層を順
次形成した。これらの実施例においては、透明アクリル
板側から観察されるので、第一塗膜層をクリヤ塗膜から
形成し、第三塗膜層を着色塗膜(黒色塗膜)から形成し
ている。
【0065】第一塗膜層形成用塗料としては、以下の塗
料を用いた。 ・第一塗膜層形成用塗料A…市販の二液型アクリル・ウ
レタン系クリヤ塗料(アクリル系ポリオールの数平均分
子量7000、水酸基価40、酸価6、ガラス転移温度
(Tg)50℃。イソシアネート硬化剤:ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの3量体。NCO/OH比=1/
1) ・第一塗膜層形成用塗料B…市販の二液型アクリル・ウ
レタン系黒塗料(第一塗膜層形成用塗料Aにカーボンブ
ラック「FW−200」(デグサカーボン社製)を2.
0重量%添加し、5μm以下まで分散し、塗料化した黒
色塗料。隠蔽膜厚15μm以下) ・第一塗膜層形成用塗料C…市販の二液型ポリオレフィ
ン変性アクリル・ウレタン系クリヤ塗料(数平均分子量
10000、水酸基価70、酸価3、ガラス転移温度
(Tg)32℃のアクリル系ポリオール55重量%と、
数平均分子量20000、水酸基価0、酸価6、ガラス
転移温度(Tg)10℃のポリオレフィン系樹脂10重
量%と、数平均分子量2200、水酸基価20、酸価
7、ガラス転移温度(Tg)90℃のポリオレフィン変
性アクリル系ポリオール樹脂35重量%とを用い、イソ
シアネート硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートの3量体を用いたクリヤ塗料。NCO/OH比=1
/1) ・第一塗膜層形成用塗料D…市販の二液型アクリル・ウ
レタン系黒塗料(第一塗膜層形成用塗料Cにカーボンブ
ラック「FW−200」(デグサカーボン社製)を2.
0重量%添加し、5μm以下まで分散し、塗料化した黒
色塗料。隠蔽膜厚15μm以下) 第一塗膜層の塗装後、表2及び表3に示す焼き付け条件
で焼き付けた後、第二塗膜層を塗装した。また、第二塗
膜層を塗装した後、表2及び表3に示す焼き付け条件で
焼き付けた後、第三塗膜層を塗装した。なお、焼き付け
条件において「無し(W/W)」と示されている実施例
については、焼き付けることなくウェットオンウェット
で第三塗膜層を塗装した。第三塗膜層形成用塗料として
は、以下の塗料を用いた。
【0066】・第三塗膜層形成用塗料E…市販の二液型
アクリル・ウレタン系クリヤ塗料(アクリル系ポリオー
ルの数平均分子量4000、水酸基価100、酸価3.
5、ガラス転移温度(Tg)40℃。イソシアネート硬
化剤:ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体。NC
O/OH比=1/1) ・第三塗膜層形成用塗料F…市販の二液型アクリル・ウ
レタン系クリヤ塗料(第三塗膜層形成用塗料Eにカーボ
ンブラック「FW−200」(デグサカーボン社製)を
0.01重量%添加し、5μm以下まで分散し、塗料化
した黒色の濁りクリヤ塗料。隠蔽膜厚300μm以上) ・第三塗膜層形成用塗料G…市販の二液型アクリル・ウ
レタン系黒塗料(第一塗膜層形成用塗料Aにカーボンブ
ラック「FW−200」(デグサカーボン社製)を2.
0重量%添加し、5μm以下まで分散し、塗料化した黒
色塗料。隠蔽膜厚15μm以下) 第三塗膜層の塗装後、表2及び表3に示す焼き付け条件
で塗膜を硬化させた。
【0067】なお、第一塗膜層は乾燥膜厚が20μmと
なるようにスプレー塗装し、第二塗膜層は乾燥膜厚が2
μmとなるようにスプレー塗装し、第三塗膜層は乾燥膜
厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。
【0068】以上のようにして得られた積層塗膜につい
て、外観、金属調光沢及び密着性を評価した。評価方法
は以下の通りである。外観 塗膜外観を以下の基準で肉眼により評価した。
【0069】5:平滑で、かなり光沢感がある。 4:光沢感がある。 3:普通の感覚。 2:ぼけた感じがする。 1:全く光沢感がない。
【0070】金属調光沢 金属調光沢について、以下の基準で肉眼により評価し
た。 5:かなり金属調光沢がある。 4:金属調光沢がある。 3:普通の感覚。 2:ぼけた感じがする。 1:全く金属調光沢がない。
【0071】密着性 カッター(NTカッターS型、A型または相当品)の切
り刃を塗膜に対し約30度に保持して、素地に達するよ
う2mmの間隔の平行線を11本引き、さらにそれらの
平行線に垂直に交わる2mm間隔の平行線を11本引い
て、塗膜に100個の碁盤目を形成した。この碁盤目の
上に接着テープ(ニチバン社製の工業用セロハンテー
プ)を気泡が残らないように指先で均一に圧着させた
後、直ちに接着テープの一端を持ち、塗面に対して約4
5度の角度で急激に引っ張って、塗膜からテープを剥が
し、100個の碁盤目中の塗膜が剥がれた碁盤目の数を
測定した。
【0072】評価結果を表2及び表3に示す。表2及び
表3の「第一塗膜層」及び「第三塗膜層」には、塗膜層
の形成に用いた塗料の種類A〜Gを示している。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】表2及び表3に示す結果から明らかなよう
に、本発明に従う実施例においては、良好な金属調光沢
が得られている。特に、第二塗膜層中のアルミニウム粉
のPWCを、40%以上とすることにより、より良好な
金属調光沢が得られることがわかる。
【0076】また、実施例1及び実施例19において
は、バインダー樹脂を含有させず、アルミニウム粉のP
WCを100%としているが、シランカップリング剤を
含有した実施例1は、シランカップリング剤を含有して
いない実施例19に比べ良好な密着性を示している。こ
のことから、シランカップリング剤を含有することによ
り、高いPWCでも密着性のよい金属調光沢塗膜を形成
できることがわかる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック基材の表
面に対して、メタリック塗料を塗布することにより、簡
易に金属調光沢を付与することができる。また、全ての
工程を塗装によって行うことができるので、大きな面積
を有するプラスチック基材に対しても適用することでき
る。また、簡易な製造設備で形成することができるの
で、経済的にかつ効率的に製造することができる。
【0078】また、本発明によれば、使用する光輝性顔
料の量や種類を調整することにより、金属調光沢の程度
を自由に調整することができる。また、本発明の好まし
い実施形態に従い、金属調光沢塗膜を第一塗膜層及び第
三塗膜層の間に設ける場合には、第一塗膜層及び第三塗
膜層として、クリヤ塗膜、濁りクリヤ塗膜、着色塗膜な
ど種々の選択を行うことができ、このような組み合わせ
により、さらに金属調光沢の意匠性を自由に調整するこ
とができる。従って、従来の金属メッキや金属蒸着によ
る金属調光沢に比べ、バリエーションのある金属調光沢
を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 義弘 大阪府枚方市招提大谷2丁目14番1号 日 本ビー・ケミカル株式会社内 (72)発明者 中筋 博行 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CB13 DB31 DC12 DC19 EA01 EA43 EB22 EB38 EB45 EC10 4J038 CG141 CH191 DG101 DG271 DG281 DG291 DG301 GA03 HA066 KA03 KA17 KA20 NA01 PA14 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝
    性顔料を含むメタリック塗料を塗布することにより、プ
    ラスチック基材の上に金属調光沢塗膜を形成することを
    特徴とする金属調光沢塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック基材の上に、第一塗膜層を
    形成し、該第一塗膜層の上に蒸着金属膜を粉砕して金属
    片とした光輝性顔料を含むメタリック塗料を塗布するこ
    とにより第二塗膜層を形成し、該第二塗膜層の上に第三
    塗膜層を形成することを特徴とする請求項1に記載の金
    属調光沢塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第一塗膜層がクリヤ塗膜または着色
    塗膜から形成されており、前記第三塗膜層がクリヤ塗膜
    または濁りクリヤ塗膜から形成されている請求項2に記
    載の金属調光沢塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック基材が透明性を有する
    基材であり、前記第一塗膜層がクリヤ塗膜または濁りク
    リヤ塗膜から形成されており、前記第三塗膜層が着色塗
    膜から形成されている請求項2に記載の金属調光沢塗膜
    の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第一塗膜層、第二塗膜層、及び第三
    塗膜層を形成するバインダー樹脂が、アクリル系ポリオ
    ール及びイソシアネート硬化剤を含有することを特徴と
    する請求項2〜4のいずれか1項に記載の金属調光沢塗
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
    法により形成した金属調光沢塗膜を有するプラスチック
    物品。
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