JP2021172048A - 金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
基材として無色透明のポリカーボネート(PC)板(厚さ2mm、SABIC Innovative Plastics社製、グレード:LS2−111)の一方の表面上に、次の通り金属調塗膜を形成した。まず、基材の表面上にアンダーコート層形成用塗料として、表1に示す組成の主剤A1を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#1055、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、アンダーコート層を形成した。アンダーコート層の膜厚は、20μmであった。次いで、アンダーコート層上に、島部形成用塗料として、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)5部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル60部と、イソ酪酸イソブチル25部と、を配合した塗料をスプレー塗布し、80℃で10分間乾燥させて、島部を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.0%であった。島部形成用塗料のスプレー塗布は、3.0往復のパス回数にて行った。最後に、島部が形成された表面上に、トップコート形成用塗料として、表2に示す主剤B1を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#P275、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、トップコート層を形成した。トップコート層の膜厚は、20μmであった。ここで、トップコート層の膜厚は、島部の表面とトップコート層の表面との平均距離とした。インジウムフィラーは、島部形成用塗料を1分間超音波処理した後、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布を測定したところ、0.172μmにピークを有していた。インジウムフィラーの粒度分布のグラフを図1に示す。
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料の主剤を、表1に示す組成の主剤A2に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料の主剤を、表1に示す組成の主剤A3に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料を、表1に示す組成の主剤A4を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#1056、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。主剤A4のアクリルポリオール(カイハツヒン クロ プライマー In)は、黒色顔料としてカーボンブラックをアクリルポリオールに対して4%配合した液である。
実施例1において、アンダーコート層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を2.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を3.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を4.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を5.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を5.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を7.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を9.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を0.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を1.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)7部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル58部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.4%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)9部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル56部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.8%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)12部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル53部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.4%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)14部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル51部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.8%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)1部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル64部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.2%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)3部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル62部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.6%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)1部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ83.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.2%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)2.5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ82.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.5%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ79.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.0%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)7.5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ77部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.5%であった。
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)10部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ74.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.0%であった。
基材として無色透明のPC板(厚さ2mm、SABIC Innovative Plastics社製、グレード:LS2−111)の一方の表面上に、パールマイカ配合アクリルウレタン塗料(オリジプレートZ、オリジン社製)をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料を、メタリック塗料(ピカネット、オリジン社製)とした以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成した。
実施例1において、島部形成用塗料の塗布を行わず、インジウム蒸着を行った。
実施例1において、島部形成用塗料の塗布を行わず、アルミニウム蒸着を行った。
金属調塗膜を平面視した面の単位面積に占める島部の割合は、次の通り測定した。図2は、実施例1の金属調塗膜のSEM画像であり、(a)は加工前の画像、(b)は加工後の画像である。金属調塗膜の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で倍率50000倍で観察し(スケールバーは0.5μm)、SEM画像を得た(図2(a)に示す。)。得られたSEM画像について画像処理ソフト(GIMP)を用いてインジウム粒子の部分とそれ以外の部分とで色を2極化する画像処理を行った(図2(b)に示す。)。このとき、インジウム粒子を白色、それ以外の部分を黒色で表した。この加工後の画像について、画像全体における白色領域の割合を求め、その値を金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の割合とした。
電波透過性はフリースペース法を用いて次の通り評価した。送受信アンテナを対向して配置し、その中心に実施例及び比較例で得られた塗膜が形成された基材を設置した。そして、信号発生器から出力した信号を送信側アンテナに入力し、受信側アンテナが到達した信号から透過減衰量を測定した。評価基準は次のとおりである。比較例1〜5については、目視輝度評価において実用不可レベルであったため、電波透過性評価を行わなかった。
○:76GHzにおけるミリ波減衰率が1.5dB以下である(実用レベル)
△:76GHzにおけるミリ波減衰率が1.5dBを超え3.0dB以下である(実用下限レベル)
×:76GHzにおけるミリ波減衰率が3.0dBを超える(実用不可レベル)
初期付着性は次の通り評価した。JIS K5600−5−6:1999「クロスカット法」に準じて、1mm×1mmの碁盤目状の切込みを100個入れ、粘着テープによる剥離試験を行った。評価基準についても同規格に準じて評価を行った。
○:剥離なし(実用レベル)。
×:1升以上の剥離(実用不適)。
鉛筆硬度は次の通り評価した。JIS K−5600−5−4:1999「引っかき硬度:鉛筆法」に準じて試験を行い、傷跡が生じなかった最も硬い鉛筆の硬度で評価を行った。
目視輝度は、金属調塗膜の表面を目視で確認し、次の通り評価した。評価において、インジウム蒸着品は、参考例Aのサンプルである。
◎:インジウム蒸着品の金属光沢と同等レベル(粒子感がなく金属光沢が得られている)場合(実用レベル)
○:インジウム蒸着の金属光沢より劣るが実用上問題ないレベルの場合(実用レベル)
△:隠蔽性が足りず下地が若干透けたり、金属フィラーの配向性の悪化によって白ボケが若干生じたりしており、インジウム蒸着の金属光沢より劣るが実用上問題ないレベルの場合(実用下限レベル)
×1:隠蔽性が足りず下地が透けており、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
×2:金属フィラーの配向性の悪化によって白ボケが多く生じており、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
×3:金属フィラーを含有しないため、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
相溶性は、金属調塗膜の表面を目視で確認し、次の通り評価した。
○:塗膜の白化(白ボケ)が存在しない場合(実用レベル)
△:塗料の相分離又は相分離しないまでも相溶性の低下によって白ボケが若干生じているものの実用上問題ないレベルの場合(実用下限レベル)
×:塗料の相分離によって塗膜の白化(白ボケ)が多く生じており実用上問題あるレベルの場合(実用不可レベル)
Claims (7)
- 基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、
金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、
第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、
前記金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、
前記島部は、前記基材の表面上又は前記基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、
前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする金属調塗膜。 - 前記金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1μmの範囲にピークを有することを特徴とする請求項1に記載の金属調塗膜。
- 前記金属フィラーは、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属調塗膜。
- 前記金属調塗膜の表面の単位面積に占める前記島部の占める割合が25%以上100%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の金属調塗膜。
- 前記基材が透明性を有し、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属調塗膜が、前記基材の裏側の面に設けられていることを特徴とする金属調塗膜を有する成型体。 - 基材の表面上に設けられる金属調塗膜の形成方法において、
前記基材の表面上又は前記基材上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に、鱗片状の金属フィラーと溶剤とを含有し、かつ、樹脂成分を含有しない島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程と、
前記島部が形成された面上に、トップコート層形成用塗料を塗布して第1樹脂成分を含有するトップコート層を形成する工程と、を有し、
前記島部は、前記金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなり、かつ、前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上に散在しており、
前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする金属調塗膜の形成方法。 - 前記第2樹脂成分は、アクリルウレタン樹脂であり、
前記アンダーコート層は、平均分子量1000〜20000のアクリルポリオールと平均分子量1000〜6000のポリカーボネートジオールとを含む第一液と、ポリイソシアネートを含む第二液と、を有するアンダーコート層形成用塗料を塗布する工程によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の金属調塗膜の形成方法。
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