JP2021172048A - 金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法 - Google Patents

金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着といった大掛かりな設備を必要とする工程を踏まずとも、塗装工程のみでミリ波透過などの電波特性と金属光沢色を有する美観とを両立できる金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法の提供。【解決手段】基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、島部は、基材の表面上又は基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、トップコート層は、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分では基材の表面上又はアンダーコート層の表面上を覆っている、金属調塗膜。【選択図】図2

Description

本開示は、金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法に関する。
従来、自動車のエンブレム又はラジエーターグリルは、一般的に樹脂にクロムなどを施したメッキ品が利用されてきた。しかし、近年、オートクルーズシステムなどに利用されるミリ波レーダーなどの電波送受信装置を設置する自動車が増加していることから、電波を遮断する前記のメッキ品では電波特性、特に電波透過性を確保できない問題があった。そこで、電波特性と金属光沢色を有する美観を両立させる技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
特許文献1〜3には、樹脂成分中に金属粒子が分散した塗膜提案されている。特許文献4には、ラジエーターグリルにインジウム蒸着を施す技術が提案されている。
WO2010/064285号公報 特開2004−244516号公報 特開2012−46665号公報 特開2000−344032号公報
特許文献1の技術は、金属ナノ粒子の粒子径が2〜800nmのように小さい。さらに、特許文献1の図3に示されるように金属ナノ粒子が球状などの粒状をなしている。このため、金属光沢を呈するために必要な塗膜中の金属ナノ粒子の濃度を、30〜98質量%のような比較的高濃度とする必要があるという問題があった。特許文献2の技術は、光輝材の形状が鱗片状である。しかし、この鱗片状の粒子は、平均粒径が20μm、平均厚さが0.5μmと比較的大きい。このため、塗膜の平滑性を確保することが難しく、平滑性が損なわれると金属光沢性が低下するおそれがあるという問題があった。特許文献3の技術は、金属ナノ粒子の粒子径が1〜100nmのように小さい。粒子の形状は不明であるが、特許文献1のように粒子の形状が球状などの粒状であれば、特許文献1と同様に塗膜中の金属ナノ粒子の濃度を高濃度とする必要がある。また、特許文献3の技術は、塗膜の主成分となる樹脂の種類が限定されており、用途に応じて塗膜の主樹脂を選択することができないがあった。特許文献4の技術は、蒸着を利用しており、設備が大掛かりとなりコストもかかるという問題があった。
本開示は、蒸着といった大掛かりな設備を必要とする工程を踏まずとも、塗装工程のみでミリ波透過などの電波特性と金属光沢色を有する美観とを両立できる金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属調塗膜は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、前記金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、前記島部は、前記基材の表面上又は前記基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする。
本発明に係る金属調塗膜では、前記金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1.00μmの範囲にピークを有することが好ましい。塗膜の平滑性が高まり、より高い金属光沢を発揮することができる。
本発明に係る金属調塗膜では、前記金属フィラーは、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種である形態を包含する。
本発明に係る金属調塗膜では、前記金属調塗膜の表面の単位面積に占める前記島部の占める割合が25%以上100%未満であることが好ましい。ミリ波透過などの電波特性と金属光沢色を有する美観とをより確実に両立できる。
本発明に係る金属調塗膜を有する成形体は、前記基材が透明性を有し、本発明に係る金属調塗膜が、前記基材の裏側の面に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る金属調塗膜の形成方法は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜の形成方法において、前記基材の表面上又は前記基材上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に、鱗片状の金属フィラーと溶剤とを含有し、かつ、樹脂成分を含有しない島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程と、前記島部が形成された面上に、トップコート層形成用塗料を塗布して第1樹脂成分を含有するトップコート層を形成する工程と、を有し、前記島部は、前記金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなり、かつ、前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上に散在しており、前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする。
本発明に係る金属調塗膜の形成方法では、前記第2樹脂成分は、アクリルウレタン樹脂であり、前記アンダーコート層は、平均分子量1000〜20000のアクリルポリオールと平均分子量1000〜6000のポリカーボネートジオールとを含む第一液と、ポリイソシアネートを含む第二液と、を有するアンダーコート層形成用塗料を塗布する工程によって形成されることが好ましい。樹脂の流動性を確保し、表面の平滑性を高くすることができるため、金属光沢色を有する美観をより発現することができる。
本開示によれば、蒸着といった大掛かりな設備を必要とする工程を踏まずとも、塗装工程のみでミリ波透過などの電波特性と金属光沢色を有する美観とを両立できる金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法を提供することができる。
インジウムフィラーの粒度分布のグラフである。 実施例1の金属調塗膜のSEM画像であり、(a)は加工前の画像、(b)は加工後の画像である。
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
本実施形態に係る金属調塗膜は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、島部は、基材の表面上又は基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、トップコート層は、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分では基材の表面上又はアンダーコート層の表面上を覆っている。
本実施形態に係る金属調塗膜は、基材の表面上に島部が設けられる形態(第一実施形態)と、基材の表面上にアンダーコート層が設けられ、アンダーコート層の表面上に島部が設けられる形態(第二実施形態)とを包含する。第一実施形態では、トップコート層は、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分では基材の表面上を覆う。第二実施形態では、トップコート層は、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分ではアンダーコート層の表面上を覆う。以降、特にことわりのない限り、本実施形態は、第一実施形態及び第二実施形態を包含する形態である。
本実施形態に係る金属調塗膜では、金属フィラーは、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種である形態を包含する。このうち、金属フィラーは、インジウムフィラーであることがより好ましい。
金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子である。ここで、鱗片状とは、粒子が対向する2つの主表面を有し、主表面の平均径が粒子の平均厚さ(2つの主表面間の距離)よりも大きい形状をいい、例えば、平板状又は湾曲板状のような形状を包含する。
本実施形態に係る金属調塗膜では、金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1.00μmの範囲にピーク(以降、第1ピークという。)を有することが好ましい。塗膜の平滑性が高まり、より高い金属光沢を発揮することができる。第1ピークは、0.05〜0.50μmの範囲であることがより好ましい。第1ピークが1.00μmを超えると、塗膜外観的に粒子感が目立つ場合がある。レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布の測定においては、超音波処理を例えば1分間以上施した後測定を行うことが好ましい。金属フィラーの粒子の凝集を抑制して、第1ピークとして金属フィラーの粒子の一次粒子径を測定することができる。
金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、第1ピークに加えて、第1ピーク以外のピークを有していてもよい。第1ピーク以外のピークは、粒子径が第1ピークの粒子径よりも大きいか、又は小さくてもよい。第1ピークに加えて、第1ピーク以外のピークを有する形態としては、例えば、第1ピークが、金属フィラーの粒子の一次粒子径に関するピークであり、第1ピーク以外のピークが、金属フィラーの粒子の二次粒子径に関するピークである形態が挙げられる。
本実施形態に係る金属調塗膜は、島部として、金属フィラーの一つの粒子からなる島部と、金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる島部とを包含する。金属フィラーの粒子は鱗片状であるため、粒子同士が少なくとも一部において重なり合いやすい。金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる形態とは、粒子同士が一部分において重なり合っている形態、及び粒子同士が全体において重なり合っている形態を包含する。島部が一つの粒子からなる場合、又は複数の粒子が全体において重なり合っている場合、島部は、円形状、楕円形状又は長円形状などのように各粒子の形状と同様の形状として観察される。一方、島部が複数の粒子が一部分において重なり合っている場合、島部は、ひょうたん形状などのように各粒子の形状とは異なる異形状として観察される。ここで例示した島部の形状は一例であって、本実施形態はこれらに限定されない。また、島部が散在するとは、島部同士が、相互に間隔を開けて配置されていることをいうが、島部同士の間隔は均等である必要はなく、不均等であってもよい。
トップコート層は、基材の表面上又はアンダーコート層の表面上での島部の散在状態を保持する役割及び塗膜の各種物性を確保するための役割を有する。金属調塗膜を基材の表側の面に設ける場合、トップコート層は、透明性を有することが好ましい。透明性を有するとは、無色透明、有色透明又は半透明を包含する。一方、金属調塗膜を基材の裏側の面に設ける場合、トップコート層は、透明性を有するか、又は不透明であってもよい。トップコート層は、塗膜の最表層である必要はなく、トップコート層上に別の層が設けられていてもよい。
本実施形態に係る金属調塗膜では、トップコート層は、島部の表面を覆うとともに、島部と島部との間に侵入している。これによって、島部と島部とが相互に間隔を開けた状態で保持され、この島部と島部との間隔がミリ波などの電波の通路となる。一方、第一実施形態では、トップコート層は島部と基材の表面との間には侵入しておらず、島部は基材の表面に直に接している。また、第二実施形態では、トップコート層は島部とアンダーコート層の表面との間には侵入しておらず、島部はアンダーコート層の表面に直に接している。ここで、表面に直に接しているとは、一つの島部の全体が表面に直に接している形態だけでなく、一つの島部の一部分が表面に直に接している形態も包含する。このように、第一実施形態及び第二実施形態のいずれにおいても、複数の島部が同一面上に散在していることで、金属フィラーの配列性がよくなり、高い金属光沢を有する外観を得ることができる。これに対して、島部と基材の表面又はアンダーコート層の表面との間に樹脂成分が介在すると、金属フィラーの配列性が悪くなり、金属光沢を有する外観が得られない。
第1樹脂成分は、塗膜に求められる各種物性が得られればよく、特に限定されないが、例えば、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はポリエステル樹脂である。例えば塗膜が自動車の外装部品に使用される場合、各種物性は、密着性、耐候性及び耐水性などである。
第二実施形態に係る金属調塗膜は、アンダーコート層を有する。アンダーコート層は、基材の表面の平滑性を高めて外観を良好とする役割を有する。第一実施形態のように基材の表面上に直接島部を設けると、後述する島部形成用塗料に含まれる溶剤が基材を溶解させるおそれ、又は基材の表面にある微細な凹凸に起因して金属フィラーがきれいに配列しないおそれがあるところ、アンダーコート層を設けることで、これらの不具合を改善して、十分な金属光沢を有する外観を得ることができる。アンダーコート層は、無色透明であるか、有色透明であるか、又は不透明であってもよい。また、アンダーコート層は、1層であるか、又は2層以上であってもよい。
第2樹脂成分は、例えば、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はポリエステル樹脂である。第2樹脂成分の平均分子量は、第1樹脂成分の平均分子量よりも低いことが好ましい。第2樹脂成分の平均分子量を低くすることで樹脂の流動性を確保し、アンダーコート層の表面の平滑性を高くすることができ、その結果、より光沢性が増すことができる。第2樹脂成分の平均分子量は、1000〜20000であることが好ましく、3000〜15000であることがより好ましい。平均分子量が1000未満であると、塗膜の硬化性が低下し、また、基材との密着が悪くなる場合がある。平均分子量が20000を超えると、塗膜の平滑性がなくなり、外観に悪影響が出る場合がある。平均分子量は、数平均分子量であり、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法によって求めることができる。
本実施形態に係る金属調塗膜では、金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合が25%以上100%未満であることが好ましい。この範囲とすることで、ミリ波透過などの電波特性と金属光沢色を有する美観とをより確実に両立できる。金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合が25%未満では、島部と島部との間隔が広くなりすぎて隠蔽性が劣る場合がある。また基材が透けて見える場合がある。一方、金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合が100%では、ミリ波透過性などの電波特性が劣る場合がある。金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合の下限値は26%以上であることが好ましく、28%以上であることがより好ましい。また、金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合の上限値は70%以下であることが好ましく、68%以下であることがより好ましい。金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合が70%を超えると、金属フィラーの配向性が悪化することによって白化(白ボケ)が生じ、金属光沢が若干低下する場合があるところ、70%以下とすることで白化のないより高い金属光沢性を発現することができる。なお、金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合が70%を超えても電波特性が直ちに悪化する訳ではない。金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の占める割合は、金属調塗膜を平面視したとき、観察される面の単位面積に占める島部の占める割合である。
基材は、例えば、自動車のエンブレム又はラジエーターグリルなどの自動車部品を構成する部材、又はスマートフォン若しくはパーソナルコンピュータの筐体などの電子機器の部品を構成する部材である。基材の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、アクリル、塩化ビニリデン、ポリウレタン若しくはエポキシ樹脂などのプラスチック材料;ガラスなどの無機材料;又は、炭素繊維若しくは紙などの繊維材料;又はこれらのうち少なくとも二種以上を複合した複合材料である。
金属調塗膜を設ける基材の表面は、基材の表側の面、基材の裏側の面、又は両面を包含する。表側の面とは、基材が用いられる部品などの態様において表側になる面をいい、裏側の面とは、表側の面の反対側の面をいう。
本実施形態に係る金属調塗膜を有する成形体は、基材が透明性を有し、本実施形態に係る金属調塗膜が、基材の裏側の面に設けられている。基材は、無色透明である形態、有色透明である形態又は半透明である形態を包含する。金属調塗膜を基材の裏側の面に設けるとき、アンダーコート層を設ける場合、アンダーコート層は、透明性を有することが好ましい。また、トップコート層は、黒又は白などに着色されていることが好ましい。トップコート層を着色することで、基材の表側の面から見たとき、より高い金属光沢を有する外観を得ることができる。
本実施形態に係る金属調塗膜を有する成形体は、本実施形態に係る金属調塗膜が、基材の表側の面に設けられていてもよい。金属調塗膜を基材の表側の面に設ける場合、基材は、透明性を有するか、又は不透明であってもよい。また、透明性を有する基材の表面にアンダーコート層として不透明に着色された層を設けてもよい。
本実施形態に係る金属調塗膜の形成方法は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜の形成方法において、基材の表面上又は基材上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に、鱗片状の金属フィラーと溶剤とを含有し、かつ、樹脂成分を含有しない島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程と、島部が形成された面上に、トップコート層形成用塗料を塗布して第1樹脂成分を含有するトップコート層を形成する工程と、を有し、島部は、金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなり、かつ、基材の表面上又はアンダーコート層の表面上に散在しており、トップコート層は、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分では基材の表面上又はアンダーコート層の表面上を覆っている。
第一実施形態に係る金属調塗膜の形成方法は、基材の表面上に島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程A1と、島部が形成された面上に、トップコート層用塗料を塗布してトップコート層を形成する工程A2とを有する。
工程A1では、基材の表面上に島部形成用塗料を塗布し、溶剤を揮発させる。その結果、金属フィラーが基材の表面に定着される。塗布方法は、特に限定されず、スプレー塗装、スピンコーティング、バーコート、スクリーン印刷、グラビア印刷又はロールコータなどの公知の方法である。
島部形成用塗料中の金属フィラーの濃度は、固形分換算で0.2〜3質量%であることが好ましい。0.2質量%未満では、隠蔽性が劣る場合がある。3質量%を超えると、塗装性に劣る場合がある。また、金属フィラーの固形分濃度が2質量%を超えると、金属フィラーの配向性が悪化し、金属光沢が低下する場合がある。金属フィラーの固形分濃度が0.8質量%未満では、金属フィラーの量が不足して、金属光沢が低下する場合がある。このため、より高い金属光沢性が必要な場合は、金属フィラーの濃度を0.8〜2質量%とすることが好ましい。
島部形成用塗料の溶剤は、例えば、酢酸エチル(EAC)、イソ酢酸ブチル(i−BAC)、イソ酪酸イソブチル(IBIB)である。溶剤は、1種だけを用いるか、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうち、溶剤として少なくともイソ酪酸イソブチルを含有することが好ましい。イソ酪酸イソブチルは、沸点が高いため塗装作業性が向上するが、配合量が多すぎると金属フィラーの配向性が悪くなる場合がある。そこで、全溶剤中のイソ酪酸イソブチルの配合量は、10〜50質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。全溶剤中のイソ酪酸イソブチルの配合量が50質量%を超えると、塗面がウェットである時間が長くなり、フィラー動きやすくなって、フィラーの配向性が悪くなり、金属調の外観が出にくくなる場合がある。全溶剤中のイソ酪酸イソブチルの配合量が10質量%未満では、フィラーが一定に配向する前に塗面が乾燥して、フィラーの配向性が悪くなり、金属調の外観が出にくくなる場合がある。
島部形成用塗料は、樹脂成分を含有しない。これによって、トップコート層が、島部の表面上を覆うとともに、島部が存在しない部分では基材の表面上を覆っているという構造を得ることができる。本発明者らは、島部形成用塗料に樹脂成分を配合すると金属光沢を有する外観が得られず、島部が基材の表面上又はアンダーコート層の表面上に直に接して配置されることで金属光沢を有する外観が得られるということを発見した。
工程A2では、島部が設けられた表面上にトップコート層形成用塗料を塗布し、溶剤を揮発させる。その結果、トップコート層によって、島部の表面上及び島部以外の部分では基材の表面上が覆われる。トップコート層形成用塗料の塗布方法は、島部形成用塗料の塗布方法と同様に公知の方法を用いることができる。
トップコート層形成用塗料は、主剤としてアクリルポリオールと硬化剤としてポリイソシアネートとを有する2液系の塗料であることが好ましい。このような塗料を用いることによって、第1樹脂成分としてアクリルウレタン樹脂を含有するトップコート層が得られる。本実施形態では、2液系塗料には、主剤及び硬化剤に加えて、粘度調整のためのシンナーなどの希釈液を配合してもよい。
アクリルポリオールは、1分子中に2個以上の水酸基を有するアクリル樹脂であり、例えば、水酸基含有アクリルモノマーの重合体である。水酸基含有アクリルモノマーは、例えば、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、4‐ヒドロキシブチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基を有するモノマー類、2‐ヒドロキシエチルメタクリレートへのγ‐ブチロラクトンの開環付加物、2‐ヒドロキシエチルアクリレートへのε‐カプロラクトンの開環付加物である。水酸基含有アクリルモノマーは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本実施形態は、モノマーの種類及び重合方法に制限されない。
また、本実施形態において、アクリルポリオールは、水酸基含有アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を包含する。水酸基含有アクリルモノマーは、前記に例示したものであり、それらは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本実施形態は、モノマーの種類及び重合方法に制限されない。他のエチレン性不飽和モノマーは、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン誘導体、ビニルエステル、ハロゲン化ビニルモノマー、窒素含有ビニル系モノマーと同様のモノマーである。他のエチレン性不飽和モノマーは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本実施形態は、モノマーの種類及び重合方法に制限されない。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、2,4‐トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n‐ペンタン‐1,4‐ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートである。これらは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
アクリルポリオールとポリイソシアネート化合物との配合割合は、アクリルポリオールの水酸基に対して、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5〜8モル当量となるようにすることが好ましい。より好ましくは、1〜6モル当量である。
第二実施形態に係る金属調塗膜の形成方法は、基材の表面上にアンダーコート層形成用塗料を塗布してアンダーコート層を形成する工程B1と、アンダーコート層の表面上に島部を形成する工程B2と、島部が形成された面上に、トップコート層用塗料を塗布してトップコート層を形成する工程B3と、を有する。第二実施形態に係る金属調塗膜の形成方法は、工程B1を有する以外は、第一実施形態に係る金属調塗膜の形成方法と基本的な方法を同じくする。このため、重複する部分については説明を一部省略する。
工程B1は、基材の表面上にアンダーコート層形成用塗料を塗布し、溶剤を揮発させる。その結果、基材の表面上にアンダーコート層が形成される。
本実施形態に係る金属調塗膜の形成方法では、第2樹脂成分は、アクリルウレタン樹脂であり、アンダーコート層は、平均分子量1000〜20000のアクリルポリオールと平均分子量1000〜6000のポリカーボネートジオールとを含む第一液と、ポリイソシアネートを含む第二液と、を有するアンダーコート層形成用塗料を塗布する工程によって形成されることが好ましい。
アンダーコート層形成用塗料では、アクリルポリオールに相対的に低分子量のポリカーボネートジオールを配合することによって、第2樹脂成分の分子量を適度に低くなるように調整している。これによって、樹脂の流動性を確保し、表面の平滑性を高くすることができる。その結果、金属光沢色を有する美観をより発現することができる。また、ポリカーボネートジオールを配合することによって、基材への密着性を向上させることができる。アンダーコート層形成用塗料に配合されるアクリルポリオールの平均分子量は、3000〜15000であることがより好ましい。アンダーコート層形成用塗料に配合されるポリカーボネートジオールの平均分子量は、1000〜3000であることがより好ましい。
アクリルポリオール及びポリイソシアネートは、トップコート層形成用塗料において列挙したものと同様である。
ポリカーボネートジオールは、複数のポリカーボネート結合(‐OCOO‐)及び2つの水酸基をもつ化合物である。両末端が水酸基であることが好ましい。ポリカーボネートジオールの配合量は、アンダーコート層形成用塗料の全質量に対して3〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。3質量%未満では、分子量の調整及び密着性の効果が不足する場合がある。20質量%を超えると、相溶性が悪くなって、アンダーコート層が白化(白ボケ)したり、硬化性が悪くなったりする場合がある。
工程B2は、島部形成用塗料を塗布する面がアンダーコート層の表面上である以外は、工程A1と同様である。
工程B3は、工程A2と同様である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基材として無色透明のポリカーボネート(PC)板(厚さ2mm、SABIC Innovative Plastics社製、グレード:LS2−111)の一方の表面上に、次の通り金属調塗膜を形成した。まず、基材の表面上にアンダーコート層形成用塗料として、表1に示す組成の主剤A1を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#1055、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、アンダーコート層を形成した。アンダーコート層の膜厚は、20μmであった。次いで、アンダーコート層上に、島部形成用塗料として、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)5部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル60部と、イソ酪酸イソブチル25部と、を配合した塗料をスプレー塗布し、80℃で10分間乾燥させて、島部を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.0%であった。島部形成用塗料のスプレー塗布は、3.0往復のパス回数にて行った。最後に、島部が形成された表面上に、トップコート形成用塗料として、表2に示す主剤B1を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#P275、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、トップコート層を形成した。トップコート層の膜厚は、20μmであった。ここで、トップコート層の膜厚は、島部の表面とトップコート層の表面との平均距離とした。インジウムフィラーは、島部形成用塗料を1分間超音波処理した後、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布を測定したところ、0.172μmにピークを有していた。インジウムフィラーの粒度分布のグラフを図1に示す。
(実施例2)
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料の主剤を、表1に示す組成の主剤A2に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例3)
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料の主剤を、表1に示す組成の主剤A3に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例4)
実施例1において、アンダーコート層形成用塗料を、表1に示す組成の主剤A4を40部と、硬化剤としてポリイソシアネート(ポリハードETSSヨウ、オリジン社製)を10部と、シンナー(エコネットシンナー#1056、オリジン社製)を30部と、を混合した2液系塗料に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。主剤A4のアクリルポリオール(カイハツヒン クロ プライマー In)は、黒色顔料としてカーボンブラックをアクリルポリオールに対して4%配合した液である。
(実施例5)
実施例1において、アンダーコート層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例6)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を2.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例7)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を3.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例8)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を4.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例9)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を5.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例10)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を5.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例11)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を7.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例12)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を9.0往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例13)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を0.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例14)
実施例1において、島部形成用塗料のスプレー塗布を1.5往復に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。
(実施例15)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)7部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル58部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.4%であった。
(実施例16)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)9部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル56部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.8%であった。
(実施例17)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)12部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル53部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.4%であった。
(実施例18)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)14部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル51部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.8%であった。
(実施例19)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)1部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル64部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.2%であった。
(実施例20)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)3部と、酢酸エチル10部と、イソ酢酸ブチル62部と、イソ酪酸イソブチル25部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.6%であった。
(比較例1)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)1部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ83.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.2%であった。
(比較例2)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)2.5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ82.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は0.5%であった。
(比較例3)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ79.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.0%であった。
(比較例4)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)7.5部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ77部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は1.5%であった。
(比較例5)
実施例1において、島部形成用塗料の配合を、金属フィラーペースト(インジウムフィラー、鱗片状、尾池工業社製、リーフパウダー49CJ−1120、固形分濃度20%)10部と、酢酸エチル15.5部と、エコネットFXクリヤ74.5部と、に変更した以外は、実施例1と同様にして金属調塗膜を形成した。金属フィラーの固形分濃度は2.0%であった。
(比較例6)
基材として無色透明のPC板(厚さ2mm、SABIC Innovative Plastics社製、グレード:LS2−111)の一方の表面上に、パールマイカ配合アクリルウレタン塗料(オリジプレートZ、オリジン社製)をスプレー塗布し、80℃で30分間乾燥させて、塗膜を形成した。
(比較例7)
実施例1において、島部形成用塗料を、メタリック塗料(ピカネット、オリジン社製)とした以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成した。
(参考例A)
実施例1において、島部形成用塗料の塗布を行わず、インジウム蒸着を行った。
(参考例B)
実施例1において、島部形成用塗料の塗布を行わず、アルミニウム蒸着を行った。
Figure 2021172048
Figure 2021172048
得られた金属調塗膜について、次の評価を行った。評価結果は、表3に示した。
(島部の占める割合)
金属調塗膜を平面視した面の単位面積に占める島部の割合は、次の通り測定した。図2は、実施例1の金属調塗膜のSEM画像であり、(a)は加工前の画像、(b)は加工後の画像である。金属調塗膜の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で倍率50000倍で観察し(スケールバーは0.5μm)、SEM画像を得た(図2(a)に示す。)。得られたSEM画像について画像処理ソフト(GIMP)を用いてインジウム粒子の部分とそれ以外の部分とで色を2極化する画像処理を行った(図2(b)に示す。)。このとき、インジウム粒子を白色、それ以外の部分を黒色で表した。この加工後の画像について、画像全体における白色領域の割合を求め、その値を金属調塗膜の表面の単位面積に占める島部の割合とした。
(電波透過性)
電波透過性はフリースペース法を用いて次の通り評価した。送受信アンテナを対向して配置し、その中心に実施例及び比較例で得られた塗膜が形成された基材を設置した。そして、信号発生器から出力した信号を送信側アンテナに入力し、受信側アンテナが到達した信号から透過減衰量を測定した。評価基準は次のとおりである。比較例1〜5については、目視輝度評価において実用不可レベルであったため、電波透過性評価を行わなかった。
○:76GHzにおけるミリ波減衰率が1.5dB以下である(実用レベル)
△:76GHzにおけるミリ波減衰率が1.5dBを超え3.0dB以下である(実用下限レベル)
×:76GHzにおけるミリ波減衰率が3.0dBを超える(実用不可レベル)
(初期付着性)
初期付着性は次の通り評価した。JIS K5600−5−6:1999「クロスカット法」に準じて、1mm×1mmの碁盤目状の切込みを100個入れ、粘着テープによる剥離試験を行った。評価基準についても同規格に準じて評価を行った。
○:剥離なし(実用レベル)。
×:1升以上の剥離(実用不適)。
(鉛筆硬度)
鉛筆硬度は次の通り評価した。JIS K−5600−5−4:1999「引っかき硬度:鉛筆法」に準じて試験を行い、傷跡が生じなかった最も硬い鉛筆の硬度で評価を行った。
(目視輝度)
目視輝度は、金属調塗膜の表面を目視で確認し、次の通り評価した。評価において、インジウム蒸着品は、参考例Aのサンプルである。
◎:インジウム蒸着品の金属光沢と同等レベル(粒子感がなく金属光沢が得られている)場合(実用レベル)
○:インジウム蒸着の金属光沢より劣るが実用上問題ないレベルの場合(実用レベル)
△:隠蔽性が足りず下地が若干透けたり、金属フィラーの配向性の悪化によって白ボケが若干生じたりしており、インジウム蒸着の金属光沢より劣るが実用上問題ないレベルの場合(実用下限レベル)
×1:隠蔽性が足りず下地が透けており、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
×2:金属フィラーの配向性の悪化によって白ボケが多く生じており、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
×3:金属フィラーを含有しないため、インジウム蒸着の金属光沢より劣り実用上使用可能なレベルに達しない場合(実用不可レベル)
(相溶性)
相溶性は、金属調塗膜の表面を目視で確認し、次の通り評価した。
○:塗膜の白化(白ボケ)が存在しない場合(実用レベル)
△:塗料の相分離又は相分離しないまでも相溶性の低下によって白ボケが若干生じているものの実用上問題ないレベルの場合(実用下限レベル)
×:塗料の相分離によって塗膜の白化(白ボケ)が多く生じており実用上問題あるレベルの場合(実用不可レベル)
Figure 2021172048
実施例1〜20はいずれも電波透過性と金属光沢色を有する美観とが両立されていた。比較例1は金属フィラーの配合量が少なく、また樹脂を配合していたため、隠蔽性が足りず下地が透けており、インジウム蒸着の金属光沢より劣っていた。比較例2〜5は、隠蔽性はあったが、樹脂を配合していたため、金属フィラーの配向性が悪化して、白ボケが多く生じており、インジウム蒸着の金属光沢より劣った。これらの結果から樹脂を配合すると、金属光沢色を有する美観は得られないことが確認できた。比較例6,7は光沢付与効果があるとされている従来品の塗料であるが、いずれもインジウム蒸着並みの光沢感は得られなかった。
本開示は、自動車のエンブレム又はラジエーターグリルなどの自動車部品、又はスマートフォン若しくはパーソナルコンピュータの筐体などの電子機器の部品に好適である。
本発明に係る金属調塗膜は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、前記金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、前記島部は、前記基材の表面上又は前記基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っており、前記金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1μmの範囲にピークを有し、かつ、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。金属フィラーがレーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1.00μmの範囲にピークを有することで、塗膜の平滑性が高まり、より高い金属光沢を発揮することができる。
本発明に係る金属調塗膜の形成方法は、基材の表面上に設けられる金属調塗膜の形成方法において、前記基材の表面上又は前記基材上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に、鱗片状の金属フィラーと溶剤とを含有し、かつ、樹脂成分を含有しない島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程と、前記島部が形成された面上に、トップコート層形成用塗料を塗布して第1樹脂成分を含有するトップコート層を形成する工程と、を有し、前記島部は、前記金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなり、かつ、前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上に散在しており、前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っており、前記金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1μmの範囲にピークを有し、かつ、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。

Claims (7)

  1. 基材の表面上に設けられる金属調塗膜において、
    金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなる複数の島部と、
    第1樹脂成分を含有するトップコート層と、を備え、
    前記金属フィラーの粒子は、鱗片状粒子であり、
    前記島部は、前記基材の表面上又は前記基材の表面上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に散在しており、
    前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする金属調塗膜。
  2. 前記金属フィラーは、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布において、少なくとも、0.01〜1μmの範囲にピークを有することを特徴とする請求項1に記載の金属調塗膜。
  3. 前記金属フィラーは、インジウムフィラー及びスズフィラーの中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属調塗膜。
  4. 前記金属調塗膜の表面の単位面積に占める前記島部の占める割合が25%以上100%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の金属調塗膜。
  5. 前記基材が透明性を有し、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属調塗膜が、前記基材の裏側の面に設けられていることを特徴とする金属調塗膜を有する成型体。
  6. 基材の表面上に設けられる金属調塗膜の形成方法において、
    前記基材の表面上又は前記基材上に設けられた第2樹脂成分を含有するアンダーコート層の表面上に、鱗片状の金属フィラーと溶剤とを含有し、かつ、樹脂成分を含有しない島部形成用塗料を塗布して島部を形成する工程と、
    前記島部が形成された面上に、トップコート層形成用塗料を塗布して第1樹脂成分を含有するトップコート層を形成する工程と、を有し、
    前記島部は、前記金属フィラーの一つの粒子からなる及び/又は前記金属フィラーの複数の粒子が相互に少なくとも一部において重なり合ってなり、かつ、前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上に散在しており、
    前記トップコート層は、前記島部の表面上を覆うとともに、前記島部が存在しない部分では前記基材の表面上又は前記アンダーコート層の表面上を覆っていることを特徴とする金属調塗膜の形成方法。
  7. 前記第2樹脂成分は、アクリルウレタン樹脂であり、
    前記アンダーコート層は、平均分子量1000〜20000のアクリルポリオールと平均分子量1000〜6000のポリカーボネートジオールとを含む第一液と、ポリイソシアネートを含む第二液と、を有するアンダーコート層形成用塗料を塗布する工程によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の金属調塗膜の形成方法。
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