JP5461336B2 - 自動車用耐衝撃性複合塗膜 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用耐衝撃性複合塗膜に関する。
自動車のラジエータグリル、ホイールキャップ、サイドモール等の自動車外装部品などに用いられる合成樹脂成形品には、意匠性を付与するため、表面に蒸着法やスパッタリング法によって金属薄膜層が形成される場合が多い。金属薄膜層を形成する際は、合成樹脂成形品上にベースコート層を設け、該ベースコート層上に金属薄膜層を形成し、さらに該金属薄膜層上にトップコート層を形成し、複合塗膜とするのが一般的である。
このような複合塗膜には、意匠性を高める目的で、金属調でありながら艶消し感を有することが要求される場合が増えている。
例えば特許文献1には、合成樹脂成形品本体の上に、無機系艶消し剤としてシリカ等を混合したベースコート層を設け、該ベースコート層上にメタル層を設け、該メタル層上にトップコート層を設けた合成樹脂成形品が開示されている。該合成樹脂成形品によれば、ベースコート層に無機系艶消し剤を混合することで、意匠性の高い艶消し外観を得ている。
また、艶消し剤としては、上述したシリカ等の無機系艶消し剤の他にも、ポリエチレン粒子、尿素樹脂粒子、ポリ4フッ化エチレン粒子、アクリル樹脂等の有機系艶消し剤が用いられている。
特開昭62−56139号公報
しかしながら、艶消し剤として用いられるシリカは多孔質であり、かつ凝集しやすい。そのため、特許文献1に記載のように、艶消し剤としてシリカを混合したベースコート層を備えた複合塗膜は、衝撃が加わるとシリカの凝集が崩れたり、シリカの多孔質部分が潰れたりして変形し、クラックが発生しやすかった。
また、艶消し剤として有機系艶消し剤を用いた複合塗膜は以下のような問題があった。
ポリエチレン粒子、尿素樹脂粒子、ポリ4フッ化エチレン粒子は柔らかいため、衝撃が加わると変形し、クラックが発生しやすかった。
アクリル樹脂は上述した有機系艶消し剤に比べて硬いものの、靭性に劣るため、耐衝撃性が低下しやすかった。
このように、シリカ等の無機系艶消し剤や、ポリエチレン粒子、尿素樹脂粒子、ポリ4フッ化エチレン粒子、アクリル樹脂等の有機系艶消し剤を含有するベースコート層を備えた複合塗膜は、金属調であり、かつ艶消し感を有するものの、耐衝撃性に劣るという問題があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、金属調で意匠性に優れ、かつ艶消し感を有すると共に、耐衝撃性が良好な自動車用耐衝撃性複合塗膜の提供を目的とする。
本発明の自動車用耐衝撃性複合塗膜は、合成樹脂成形品上に形成された艶消しベースコート層と、該艶消しベースコート層上に形成された金属薄膜層と、該金属薄膜層上に形成されたクリアトップコート層とを備えた自動車用耐衝撃性複合塗膜において、前記艶消しベースコート層は、ベースコート用樹脂と、該ベースコート用樹脂100質量部に対して、12〜90質量部のアクリル架橋粒子と、0.1〜12.0質量部のアマイド系の針状フィラーとを含有するベースコート用塗料より形成されたことを特徴とする。
また、前記ベースコート用樹脂が、水酸基価25〜200mgKOH/gのアクリルポリオールと、イソシアネートとからなることが好ましい。
本発明によれば、金属調で意匠性に優れ、かつ艶消し感を有すると共に、耐衝撃性が良好な自動車用耐衝撃性複合塗膜が得られる。
本発明の複合塗膜の一例を示す断面図である。
以下、本発明の自動車用耐衝撃性複合塗膜(以下、「複合塗膜」という。)の一例について、図1を参照しながら説明する。
この例の複合塗膜10は、合成樹脂成形品11上に形成された艶消しベースコート層12と、該艶消しベースコート層12上に形成された金属薄膜層13と、該金属薄膜層13上に形成されたクリアトップコート層14とを備えて構成される。
なお、図1においては、説明の便宜上、寸法比は実際のものと異なったものである。
<艶消しベースコート層>
艶消しベースコート層12は、ベースコート用樹脂と、アクリル架橋粒子と、アマイド系針状フィラーとを含有するベースコート用塗料より形成される。
(ベースコート用樹脂)
ベースコート用樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中でも凝集力が高く靭性に優れる点でウレタン樹脂が好ましい。
これら硬化性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートとからなる2液型のウレタン樹脂が好ましい。
アクリルポリールとしては、イソシアネートと反応する官能基を有するモノマーの単独重合体または共重合体が挙げられる。
このようなモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの両方を示すものとする。
上述したモノマーを単独重合または共重合させる方法としては特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等のラジカル重合など、公知の方法を採用できる。中でも、溶液重合が好ましく、重合開始剤の存在下、60℃以上、モノマーの沸点以下の重合温度にて重合を進行させることで、単独重合体や共重合体が得られる。
アクリルポリオールは、水酸基価が25〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは50〜100mgKOH/gである。水酸基価が25mgKOH/g以上であれば、靭性を有する艶消しベースコート層12が形成されやすくなるので、耐衝撃性に優れる複合塗膜10が得られる。一方、水酸基価が200mgKOH/g以下であれば、硬化収縮の影響が少なくなるため、艶消しベースコート層12と金属薄膜層13、または艶消しベースコート層12とクリアトップコート層14との付着性が向上する。
アクリルポリオールの水酸基価は、JIS K 0070に準拠し、中和滴定法により測定される値である。
また、アクリルポリオールは、ガラス転移点が0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは30〜60℃である。ガラス転移点が0℃以上であれば、艶消しベースコート層12の強度が向上するため、耐衝撃性に優れる複合塗膜10が得られる。一方、ガラス転移点が100℃以下であれば、艶消しベースコート層12を形成する際の造膜性が向上し、厚みムラのない艶消しベースコート層12が形成されやすくなるため、耐衝撃性に優れる複合塗膜10が得られる。加えて、衝撃を受けた後の艶消しベースコート層12と金属薄膜層13、または艶消しベースコート層12とクリアトップコート層14との付着性が向上する。
アクリルポリオールのガラス転移点は、アクリルポリオールを構成するモノマーの種類やその配合量によって調整できる。また、アクリルポリオールのガラス転移点は、下記式(1)に示されるFoxの式から求められる値である。
1/(Tg+273.15)=Σ[W/(Tg+273.15)] ・・・(1)
式(1)中、Tgはアクリルポリオールのガラス転移点(℃)であり、Wはアクリルポリオールを構成するモノマーnの質量分率であり、Tgはモノマーnの単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移点(℃)である。
なお、Tgはホモポリマーの特性値として広く知られており、例えば、「POLYMER HANDBOOK、THIRD EDITION」に記載されている値を用いればよい。
一方、イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート化合物、キシレンジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば日本ポリウレタン工業株式会社製のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体「コロネートHX」;旭化成ケミカルズ株式会社製のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体「デュラネート24A−100」等が好適である。
アクリルポリオールとイソシアネートは、アクリルポリオールの水酸基と、イソシアネートのイソシアネート基が質量比(水酸基/イソシアネート基)で0.8〜1.5であることが好ましい。
(アクリル架橋粒子)
アクリル架橋粒子は艶消し剤としての役割を果たす。従って、アクリル架橋粒子を含有するベースコート用塗料より形成される艶消しベースコート層12を備えた複合塗膜10は、金属調で意匠性に優れると共に、艶消し感を有する。
なお、非架橋型のアクリル粒子は耐熱性に劣るため、艶消し剤として用いた場合、エンジンに近い部分では熱への影響によって艶消し剤が軟化して、艶消しベースコート層がゆるむことがある。また、ベースコート用塗料を高温環境下で長期間保存するような場合、艶消し剤が溶剤に溶解して艶消し効果が低減することもある。
しかし、本発明においては、架橋型のアクリル粒子(アクリル架橋粒子)を用いるので、熱による影響を受けにくい。また、高温環境下においてベースコート用塗料を長期間保存するような場合でも、ベースコート用塗料中の溶剤に溶解しにくく、艶消し効果を維持できる。加えて、アクリル架橋粒子は一般的に真球状粒子であるため、複合塗膜10、特に艶消しベースコート層12が衝撃を受けてひずみが掛かっても、艶消しベースコート層12の樹脂成分とアクリル架橋粒子との間で亀裂が生じにくい。
アクリル架橋粒子は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、架橋剤の存在下で(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独重合または共重合させて、架橋アクリル樹脂を製造する。
ついで、架橋アクリル樹脂を粉砕機で粉砕し、得られた粉砕物を所望の粒子径になるまで分級し、アクリル架橋粒子を得る。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリルポリオールの説明において先に例示した(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、重合の際には、これらのモノマーと共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。共重合可能なモノマーとしては、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
架橋剤としては、2つ以上の重合性二重結合を有する多官能性モノマーが挙げられる。
2官能のモノマーとしては、例えばアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、例えばトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
アクリル架橋粒子としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば根上工業株式会社製の「アートパールGR−300」、「アートパールGR−400」、「アートパールGR−600」、「アートパールSE−006T」、「アートパールJ−5P」などが好適である。
アクリル架橋粒子は、平均粒子径が2〜30μmであることが好ましく、より好ましくは6〜15μmである。平均粒子径が2μm以上であれば、十分な艶消し効果が得られる。一方、平均粒子径が30μm以下であれば、得られる複合塗膜の外観にざらつき感が生じるのを抑制できる。
ここで「平均粒子径」とはメジアン径のことであり、具体的にはレーザー回折・散乱法により、例えば日機装株式会社製の「マイクロトラックHRA」を用いて測定された「平均粒子径」である。
ベースコート用塗料中のアクリル架橋粒子の割合(含有量)は、ベースコート用樹脂100質量部に対して12〜90質量部であり、30〜65質量部が好ましい。アクリル架橋粒子の割合が12質量部以上であれば、十分な艶消し効果が得られる。特に、30質量部以上であれば、アクリル架橋粒子による十分な充填効果が得られるため、得られる複合塗膜10の耐衝撃性がより向上する。一方、アクリル架橋粒子の割合が90質量部以下であれば、得られる複合塗膜10の外観にざらつき感が生じるのを抑制できる。特に、65質量部以下であれば、脆弱性が発現しにくい複合塗膜10が得られやすくなるため、複合塗膜10の耐衝撃性がより向上する。加えて、衝撃を受けた後の艶消しベースコート層12と金属薄膜層13、または艶消しベースコート層12とクリアトップコート層14との付着性がより向上する。
ところで、アクリル架橋粒子は硬いが靭性に劣るため、アクリル架橋粒子を含有するベースコート層を備えた複合塗膜は耐衝撃性が低下しやすかった。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、アクリル架橋粒子にアマイド系の針状フィラーを併用することで、艶消しベースコート層12中でアクリル架橋粒子が均一に配列することを見出した。その結果、複合塗膜10が衝撃を受けてもその衝撃が一箇所に集中することなく分散され、複合塗膜10の耐衝撃性が向上することを見出した。
(アマイド系の針状フィラー)
アマイド系の針状フィラーは、アクリル架橋粒子を艶消しベースコート層12中で均一に配列させる役割を果たす。これは、フィラーの形状が針状であることにより、アクリル架橋粒子の動きを規制できるため、艶消しベースコート層12中で均一に配列させることができるものと考えられる。従って、アクリル架橋粒子およびアマイド系の針状フィラーを含有するベースコート用塗料より形成される艶消しベースコート層12を備えた複合塗膜10は、衝撃を受けてもその衝撃が分散されるので、耐衝撃性に優れる。
ここで、「針状」とは、アスペクト比(長径/短径)が、5.0以上であることを意味する。
ところで、珪灰石のような鉱物系の針状フィラーや、酸化亜鉛のような無機系の針状フィラーを用いた場合、これらは樹脂成分や溶剤成分に対して比重が大きく、未乾燥の塗膜中で沈降しやすいこと等から、アマイド系の針状フィラーと同程度の効果(すなわち、アクリル架橋粒子の動きを規制して均一に配列させる効果)を得るためには、ベースコート用塗料に大量に配合しなければならない。しかし、鉱物系や無機系の針状フィラーを大量に配合すると、形成される艶消しベースコート層中に針状の筋が浮き出てしまい、意匠性が低下することとなる。加えて、艶消しベースコート層が脆弱化しやすくなり、耐衝撃性の低下につながる。
しかし、アマイド系の針状フィラーであれば、樹脂成分や溶剤成分に対して比重差が少ないこと等から、未乾燥の塗膜中で沈降しにくいため、少量でアクリル架橋粒子を均一に配列させることができるので、形成される艶消しベースコート層12中に針状の筋が浮き出にくく、複合塗膜10の外観に影響を与えることなく意匠性を良好に維持できる。また、アマイド系の針状フィラーであれば、合成樹脂成形品11上に塗布されたベースコート用塗料が加熱乾燥されて塗膜(艶消しベースコート層12)になるときに、アマイド系の針状フィラーがベースコート用樹脂に溶解して一体化しやすい。その結果、複合塗膜10の外観をより良好に維持できる。
このようなアマイド系の針状フィラーとしては、脂肪酸とアミンより合成される脂肪酸アマイドなどが挙げられる。脂肪酸アマイドとしては、例えば脂肪酸モノアマイド、脂肪酸ビスアマイドなどが挙げられる。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
アマイド系の針状フィラーは、上述した針状の脂肪酸アマイドが溶剤中で分散したワックス状のものが好ましい。ワックス状であれば、艶消しベースコート層12の脆弱化を効果的に抑制できるので、耐衝撃性により優れた複合塗膜10が得られる。
アマイド系の針状フィラーとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば楠本化成株式会社製の「ディスパロンA603−10X」、「ディスパロンPFA−231」、「ディスパロンF−9020」;共栄社化学株式会社製の「フローノンHR−A4F」、「フローノンSH−295S」などが好適である。
ベースコート用塗料中のアマイド系の針状フィラーの割合(含有量)は、ベースコート用樹脂100質量部に対して0.1〜12.0質量部であり、0.2〜5.0質量部が好ましい。アマイド系の針状フィラーの割合が0.1質量部以上であれば、耐衝撃性に優れた複合塗膜10が得られる。一方、アマイド系の針状フィラーの割合が12.0質量部以下であれば、複合塗膜10、特に艶消しベースコート層の外観に影響を与えることなく意匠性を良好に維持できる。
なお、アマイド系の針状フィラーの割合は、固形分換算した値である。
(その他)
ベースコート用塗料は、必要に応じてその他添加剤を含有してもよい。その他添加剤としては、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
また、ベースコート用塗料は、必要に応じて溶剤によって濃度を調整して用いてもよい。溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が挙げられる。これら溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
艶消しベースコート層12の厚さは、5〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。厚さが5μm以上であれば、複合塗膜10の外観が良好となる。一方、厚さが50μm以下であれば、艶消しベースコート層12を形成する塗料を塗布したときに、塗料が均一に塗布されず特に端部に溜まって膜厚に差が生じる、いわゆる「タマリ」と呼ばれる現象などの不具合の発生を抑制でき、複合塗膜10の外観が良好となる。
<金属薄膜層>
金属薄膜層13の材質としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、銅、銀、亜鉛、スズ、インジウム、マグネシウム、これらの酸化物、およびこれらの合金などが挙げられる。中でもスズ、インジウムが好ましい。
金属薄膜層13は、蒸着法またはスパッタリング法により形成されるが、その際、アルミニウム等を用いると連続膜として形成され、スズやインジウムを用いると不連続膜として形成される。
金属薄膜層13が連続膜の場合、複合塗膜10全体としての付着性は主に金属薄膜層13とクリアトップコート層14との付着性に依存する。
一方、金属薄膜層13が不連続膜の場合、クリアトップコート層14は金属薄膜層13のみならず、艶消しベースコート層12とも接することになる。従って、複合塗膜10全体としての付着性は、金属薄膜層13とクリアトップコート層14との付着性、および艶消しベースコート層12とクリアトップコート層14との付着性の両方に依存する。よって、金属薄膜層13が不連続膜であれば、複合塗膜10の付着性がより向上し、耐衝撃性の向上にもつながる。
金属薄膜層13の厚さは、5〜150nmが好ましく、30〜100nmがより好ましい。厚さが5nm以上であれば、金属外観が良好となる。一方、厚さが150nm以下であれば、白ボケが抑制され、良好な金属外観が得られる。
<クリアトップコート層>
クリアトップコート層14は、無色透明、または金属薄膜層13を完全に遮蔽しない程度に着色された層である。なお、クリアトップコート層14が、金属薄膜層13を完全に遮蔽しない程度に着色されている場合を「カラークリアトップコート層」ということもある。
クリアトップコート層14は、トップコート用樹脂と必要に応じて添加剤とを含有する。
トップコート用樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては、艶消しベースコート層の説明において先に例示した硬化性樹脂が挙げられる。
一方、添加剤としては、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、紫外線吸収剤、ラジカルトラップ剤、着色剤等が挙げられる。
クリアトップコート層14の厚さは、5〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。厚さが5μm以上であれば、ゆず肌などの発生を抑制でき、複合塗膜10の外観が良好となる。一方、厚さが50μm以下であれば、タマリなどの不具合の発生を抑制でき、複合塗膜10の外観が良好となる。
<複合塗膜の製造方法>
本発明の複合塗膜は、合成樹脂成形品11上に艶消しベースコート層12、金属薄膜層13、クリアトップコート層14を順次形成することで得られる。
合成樹脂成形品11としては、自動車のラジエータグリル、ホイールキャップ、サイドモール等の自動車外装部品などが挙げられる。
また、合成樹脂成形品11の材料としては、自動車外装部品に用いられる樹脂であれば特に制限されないが、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ナイロン樹脂等が挙げられる。
ここで、複合塗膜の製造方法の一例について、具体的に説明する。
まず、合成樹脂成形品11上に艶消しベースコート層12を形成する。具体的には、上述したベースコート用樹脂と、アクリル架橋粒子と、アマイド系の針状フィラーと、必要に応じてその他添加剤や溶剤とを混合してベースコート用塗料を調製し、該ベースコート用塗料を合成樹脂成形品11上に塗布し、乾燥して艶消しベースコート層12を形成する。
アクリルポリオールとイソシアネートとからなるベースコート用樹脂を用いる場合は、合成樹脂成形品11上に塗布されたベースコート用塗料を乾燥することで、アクリルポリオールとイソシアネートとが反応し、架橋硬化することで架橋艶消しベースコート層12が形成される。
ベースコート用塗料の塗布方法としては、スプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法などが挙げられる。
また、乾燥方法としては、ベースコート用樹脂の種類により、加熱法、光照射法などを適宜選択して用いることができるが、加熱法が特に適している。加熱法の場合、60〜100℃で、30〜360分間加熱するのが好ましい。
ついで、艶消しベースコート層12上に、蒸着法またはスパッタリング法により金属薄膜層13を形成する。
ついで、金属薄膜層13上にクリアトップコート層14を形成し、複合塗膜10を得る。クリアトップコート層14は、上述したトップコート用樹脂と、必要に応じて添加剤とを混合してトップコート用塗料を調製し、該トップコート用塗料を金属薄膜層13上に塗布し、乾燥することで形成できる。
トップコート用塗料は、必要に応じて溶剤によって濃度を調整して用いてもよい。溶剤としては、ベースコート用塗料の説明において先に例示した溶剤が挙げられる。
また、トップコート用塗料の塗布方法、および乾燥方法としては、ベースコート用塗料の塗布方法および乾燥方法と同様である。
上述した方法により形成された艶消しベースコート層12は、表面が波打ったように凹凸状になる。従って、金属薄膜層13の表面も、艶消しベースコート層12の表面形状が反映され、波打ったような凹凸状となる。金属薄膜層13の表面が凹凸状であることにより光が乱反射し、金属調でありながら、かつ艶消し感を有する複合塗膜10が得られる。
なお、合成樹脂成形品11上に艶消しベースコート層12を形成するに際しては、必要に応じてプライマー処理等の前処理を合成樹脂成形品11に施してもよいが、上述した艶消しベースコート層12は、合成樹脂成形品11に対する付着性にも優れるため、前処理を行わなくても十分な付着性が得られる。
以上説明した本発明の複合塗膜は、金属調で意匠性に優れ、かつ艶消し感を有する。また、艶消しベースコート層中に含まれる艶消し剤としてアクリル架橋粒子を用い、さらにアマイド系の針状フィラーを併用するので、艶消しベースコート層中でアクリル架橋粒子が均一に配列しやすい。その結果、複合塗膜が衝撃を受けてもその衝撃が分散されるので、耐衝撃性に優れる。
<トップコート用塗料の調製>
トップコート用樹脂としてアクリル樹脂(DIC株式会社製、「アクリディックA−860」、固形分濃度:50質量%)を固形分換算で80質量部、およびポリイソシアネート(DIC株式会社製、「バーノックDN−981」、固形分濃度:75質量%)を固形分換算で20質量部と、添加剤としてレベリング剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、「BYK−330」)3質量部と、溶剤として酢酸ブチル80質量部を混合し、トップコート用塗料を調製した。
<アクリルポリオールA−1の調製>
冷却器、温度計、および撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、エチルアクリレート30質量部、メチルメタクリレート58質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12質量部を仕込み、さらに重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(ABN−E)1.0質量部と、溶剤として酢酸エチル100質量部とを加え、フラスコ内の温度を80℃に昇温した。この温度を維持できるように冷却しながら発熱を抑え、重合反応を4時間行った。その後、未反応のモノマーを処理するためにABN−Eを0.5質量部投入し、80℃で2時間重合反応を行い、アクリルポリオールA−1を得た。
得られたアクリルポリオールA−1の水酸基価をJIS K 0070に準拠し、中和滴定法により測定した。また、アクリルポリオールA−1のガラス転移点を上記式(1)に示すFoxの式から求めた。結果を表1に示す。
<アクリルポリオールA−2〜A−8の調製>
モノマーの種類および配合割合を表1に示すように変更した以外は、アクリルポリオールA−1と同様にして、アクリルポリオールA−2〜A−8を得た。各アクリルポリオールについて、水酸基価とガラス転移点を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005461336
表1中の略号は下記化合物を示す。なお、各モノマーのカッコ内のTgは、ホモポリマーのガラス転移点である。
「BA」:ブチルアクリレート(Tg:−54℃)、
「EA」:エチルアクリレート(Tg:−22℃)、
「MMA」:メチルメタクリレート(Tg:105℃)、
「HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg:55℃)。
[実施例1]
ベースコート用樹脂としてアクリルポリオールA−1を固形分換算で83.8質量部、およびヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業株式会社製、「コロネートHX」、NCOの質量割合=21.3%)を固形分換算で16.2質量部と、アクリル架橋粒子C(根上工業株式会社製、「アートパールGR−600」、平均粒子径=10μm)50質量部と、アマイド系の針状フィラーB(楠本化成株式会社製、「ディスパロンPFA−231」を1.5質量部(固形分換算で0.3質量部)と、その他添加剤として表面調整剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、「BYK330」)2.5質量部と、溶剤として酢酸エチル20質量部および酢酸ブチル60質量部とを混合し、ベースコート用塗料を調製した。
合成樹脂成形品としてABS樹脂製の板(15cm×15cm)を用いた。該合成樹脂成形品上に、先に調製したベースコート用塗料を、硬化後の厚さが25μmになるように、スプレーガンでスプレー塗装し、80℃で90分間乾燥して溶剤を除去すると共に硬化させ、艶消しベースコート層を形成した。
ついで、真空蒸着装置(株式会社アルバック製、「EX−200」)を用い、艶消しベースコート層上にインジウムの金属材料を真空蒸着することにより、金属薄膜層(インジウム薄膜層)を形成した。インジウム薄膜層の厚さは60nmであった。
ついで、インジウム薄膜層上に、先に調製したトップコート用塗料を、硬化後の厚さが25μmになるように、スプレーガンでスプレー塗装し、80℃で60分間乾燥して溶剤を除去すると共に硬化させ、クリアトップコート層を形成し、複合塗膜を得た。
<評価>
(外観の評価)
複合塗膜の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:艶消し感および透明感を有し、ざらつき感が感じられず、かつ針状の筋が浮き出ていない。
△:艶消し感があり、針状の筋は浮き出ていないが、透明感にやや劣る、またはざらつき感が感じられる。
×:艶消し感がない、または針状の筋が浮き出て見える。
(初期付着性の評価)
複合塗膜のクリアトップコート層上に、1mm幅で5×5の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にテープを貼着し剥がす操作を実施し、以下の評価基準にて評価した。なお、テープとしては、セロハンテープを使用した。結果を表2に示す。
○:碁盤目の残存数が25個。
△:碁盤目の残存数が10〜24個。
×:碁盤目の残存数が9個以下。
(耐衝撃性の評価)
JIS K 5600に準じ、デュポン式衝撃試験機を用いて複合塗膜におもりを衝突させ、その衝突面を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:クラックが発生していない。
△:わずかにクラックが発生した。
×:クラックが発生した。
(耐衝撃性試験後の付着性の評価)
耐衝撃性試験後の複合塗膜のクリアトップコート層上に、1mm幅で5×5の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にテープを貼着し剥がす操作を実施し、以下の評価基準にて評価した。なお、テープとしては、セロハンテープを使用した。結果を表2に示す。
○:碁盤目の残存数が25個。
△:碁盤目の残存数が10〜24個。
×:碁盤目の残存数が9個以下。
[実施例2〜12、比較例1〜6]
表2、3に示す組成に従ってベースコート用塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして複合塗膜を製造し、各評価を行った。結果を表2、3に示す。
なお、表2、3中のイソシアネート、艶消し剤、針状フィラー等は、以下の通りである。また、アクリルポリオール、イソシアネート、針状フィラーの量は固形分換算した値である。
・HMDIイソシアヌレート:日本ポリウレタン工業株式会社製の「コロネートHX」(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体)、NCOの質量割合=21.3%。
・HMDIビウレット:旭化成ケミカルズ株式会社製の「デュラネート24A−100」
(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体)、NCOの質量割合=23.5%。
・アクリル架橋粒子A:根上工業式会社製の「アートパールGR−300」、平均粒子径=22μm。
・アクリル架橋粒子B:根上工業式会社製の「アートパールGR−400」、平均粒子径=15μm。
・アクリル架橋粒子C:根上工業式会社製の「アートパールGR−600」、平均粒子径=10μm。
・アクリル架橋粒子D:根上工業式会社製の「アートパールSE−006T」、平均粒子径=6μm。
・アクリル架橋粒子E:根上工業式会社製の「アートパールJ−5P」、平均粒子径=3μm。
・針状フィラーA:楠本化成株式会社製の「ディスパロンA603−10X」、脂肪酸アマイドペースト(有効成分10質量%)。
・針状フィラーB:楠本化成株式会社製の「ディスパロンPFA−231」、脂肪酸アマイドペースト(有効成分20質量%)。
・針状フィラーC:楠本化成株式会社製の「ディスパロンF−9020」、脂肪酸アマイドペースト(有効成分15質量%)。
・針状フィラーD:共栄社化学株式会社製の「フローノンHR−A4F」、高級脂肪酸アマイドペースト(有効成分20質量%)。
・針状フィラーE:共栄社化学株式会社製の「フローノンSH−295S」、高級脂肪酸アマイドペースト(有効成分10質量%)。
・非針状フィラーF:ライオン・アクゾ株式会社製の「アーモスリップCPパウダー」(オレイン酸由来のモノアマイド樹脂)。
・針状フィラーG:珪灰石。
・表面調整剤:ビックケミー・ジャパン株式会社製の「BYK330」。
Figure 0005461336
Figure 0005461336
表2、3から明らかなように、各実施例で得られた複合塗膜は、艶消し感を有すると共に、耐衝撃性に優れていた。
なお、ベースコート用樹脂100質量部に対するアクリル架橋粒子の割合が12質量部である実施例4と、32質量部である実施例5を比較すると、実施例5で得られた複合塗膜の方が、耐衝撃性に優れていた。同様に、アクリル架橋粒子の割合が65質量部である実施例3と、90質量部である実施例6を比較すると、実施例3で得られた複合塗膜の方が、外観、耐衝撃性、耐衝撃性試験後の付着性に優れていた。
また、アクリルポリオールの水酸基価が25mgKOH/gである実施例3と、17mgKOH/gである実施例12を比較すると、実施例3で得られた複合塗膜の方が耐衝撃性に優れていた。同様に、水酸基価が200mgKOH/gである実施例9と、260mgKOH/gである実施例11を比較すると、実施例9で得られた複合塗膜の方が初期付着性および耐衝撃性試験後の付着性に優れていた。
また、アクリルポリオールのガラス転移点が30〜60℃である実施例1〜3、5、9と、0℃または100℃である実施例7、8、10と比較すると、実施例1〜3、5、9で得られた複合塗膜の方が外観、耐衝撃性、および耐衝撃性試験後の付着性に優れていた。
一方、アマイド系の針状フィラーを含有しない比較例1で得られた複合塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
ベースコート用樹脂100質量部に対するアマイド系の針状フィラーの含有量が15質量部と多い比較例2で得られた複合塗膜は、塗膜に針状の筋が見られ、意匠性に劣っていた。
ベースコート用樹脂100質量部に対するアクリル架橋粒子の割合が5質量部と少ない比較例3で得られた複合塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
ベースコート用樹脂100質量部に対するアクリル架橋粒子の割合が100質量部と多い比較例4で得られた複合塗膜は、ざらつき感があり艶消し感に劣っていた。また、耐衝撃性試験後の付着性にも劣っていた。
アマイド系の針状フィラーの代わりに、珪灰石を用いた比較例5で得られた複合塗膜は、塗膜に針状の筋が見られ、意匠性に劣っていた。また、耐衝撃性試験後の付着性にも劣っていた。
アマイド系の針状フィラーの代わりに、非針状のモノアマイド樹脂を用いた比較例6で得られた複合塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
10:自動車用耐衝撃性複合塗膜、11:合成樹脂成形品、12:艶消しベースコート層、13:金属薄膜層、14:クリアトップコート層。

Claims (2)

  1. 合成樹脂成形品上に形成された艶消しベースコート層と、該艶消しベースコート層上に形成された金属薄膜層と、該金属薄膜層上に形成されたクリアトップコート層とを備えた自動車用耐衝撃性複合塗膜において、
    前記艶消しベースコート層は、ベースコート用樹脂と、該ベースコート用樹脂100質量部に対して、12〜90質量部のアクリル架橋粒子と、0.1〜12.0質量部のアマイド系の針状フィラーとを含有するベースコート用塗料より形成されたことを特徴とする自動車用耐衝撃性複合塗膜。
  2. 前記ベースコート用樹脂が、水酸基価25〜200mgKOH/gのアクリルポリオールと、イソシアネートとからなることを特徴とする請求項1に記載の自動車用耐衝撃性複合塗膜。
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