JP2013213138A - クロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品 - Google Patents

クロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品 Download PDF

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俊明 岡崎
Shuhei Kawabata
修平 川端
Masakazu Takahashi
正和 高橋
Toshifumi Nakahashi
利文 中橋
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Abstract

【課題】クロム薄膜への付着性が良好で、かつ十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性を備えた被覆塗膜を形成できるクロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品の提供。
【解決手段】本発明のクロム薄膜被覆用塗料組成物は、2−ヒドロキシエチルアクリレートを含む単量体混合物を共重合したアクリル系共重合体(A)と、ヘキサメチレンジイソシアネート型であり、イソシアヌレート構造を有するイソシアネート(B)とを含み、単量体混合物中の2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合が5〜20質量%であり、アクリル系共重合体(A)のガラス転移点が0〜60℃、質量平均分子量が5000〜50000であり、アクリル系共重合体(A)中のヒドロキシ基(OH)とイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)との比率(NCO/OH)が0.8〜1.6である。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロム薄膜の被覆に使用されるクロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品に関する。
住宅、自動車、自動二輪車などには、意匠性付与などを目的として、蒸着、スパッタリング、湿式法メッキなどで形成された金属薄膜を備えた光輝部品が使用されている。
金属薄膜の形成には、例えば鉄、アルミニウム、クロムなどが使用されるが、鉄、銅、アルミニウムなどを使用する場合は、保護用の塗膜で金属薄膜が被覆される(特許文献1参照)。一方、クロム薄膜は、独特の風合いを備え、鉄、アルミニウムなどに比べて硬度、耐候性などの特性が良好であるため、その上に保護用の被覆塗膜を設けることは、一般的ではなかった。
特開2008−63472号公報
しかしながら、近年、金属薄膜には、より高い耐久性能が求められている。そのため、耐候性試験において生じる表面の曇りなどが問題になってきている。そこで、クロム薄膜上にも被覆塗膜を設けることが検討されてきている。
ところが、クロム薄膜は他の金属薄膜に比べて被覆塗膜の付着性が悪い。そのため、クロム薄膜に対しての付着性が良好で、また、十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性をも備えた被覆塗膜を形成できる塗料組成物は未だ見出されていなかった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、クロム薄膜への付着性が良好で、かつ十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性を備えた被覆塗膜を形成できるクロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品の提供を目的とする。
本発明のクロム薄膜被覆用塗料組成物は、基材上に設けられるクロム薄膜を被覆する被覆用塗料組成物であって、2−ヒドロキシエチルアクリレートを含む単量体混合物を共重合したアクリル系共重合体(A)と、ヘキサメチレンジイソシアネート型であり、かつイソシアヌレート構造を有するイソシアネート(B)とを含み、前記単量体混合物中の2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合が5〜20質量%であり、前記アクリル系共重合体(A)のガラス転移点が0〜60℃、質量平均分子量が5000〜50000であり、前記アクリル系共重合体(A)中のヒドロキシ基(OH)とイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)との比率(NCO/OH)が0.8〜1.6であることを特徴とする。
また、本発明の自動車用光輝部品は、基材と、該基材上に形成されたクロム薄膜と、該クロム薄膜上に前記クロム薄膜被覆用塗料組成物を塗布して形成された被覆塗膜とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、クロム薄膜への付着性が良好で、かつ十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性を備えた被覆塗膜を形成できるクロム薄膜被覆用塗料組成物、および自動車用光輝部品が得られる。
本発明の自動車用光輝部品の一例を示す断面図である。 耐洗浄付着性の評価において、X型の切込みを入れた試験片を上から見た平面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[クロム薄膜被覆用塗料組成物]
本発明のクロム薄膜被覆用塗料組成物(以下、単に「塗料組成物」という場合がある。)は、基材上に設けられたクロム薄膜の上に被覆塗膜を形成するための塗料組成物である。該塗料組成物は、以下に示すアクリル系共重合体(A)と、イソシアネート(B)とを含む。
<アクリル系共重合体(A)>
アクリル系共重合体(A)は、特定量の2−ヒドロキシエチルアクリレートを含む単量体混合物を共重合した共重合体である。
特定量の2−ヒドロキシエチルアクリレートを含む単量体混合物を共重合したアクリル系共重合体(A)を用いることで、クロム薄膜に対して付着性に優れた被覆塗膜を形成することができる。
アクリル系共重合体(A)は、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、他の重合性単量体とを共重合することで得られる。
他の重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートと共重合可能であれば特に制限されないが、形成される被覆塗膜の耐候性が向上する点で、芳香族環を有さない単量体が好ましい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性に優れ、入手しやすい点で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体が好ましい。
これら他の重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの両方を示すものとする。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の両方を示すものとする。
単量体混合物100質量%中の2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合は、5〜20質量%であり、10〜15質量%がより好ましい。2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合が5質量%以上であれば、後述するイソシアネート(B)による架橋が十分なものとなり、高強度の被覆塗膜を形成できる。よって、被覆塗膜のクロム薄膜に対する付着性(初期付着性や耐洗浄付着性)、耐衝撃性が向上する。一方、2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合が20質量%以下であれば、架橋反応が過度に進行するのを抑制できるので、被覆塗膜の収縮が起こりにくくなり、クロム薄膜に対する初期付着性が向上する。
ここで、耐洗浄付着性とは、被覆塗膜に高圧水を所定時間当てた後の塗膜の付着性のことである。
アクリル系共重合体(A)は、上述の単量体混合物と、必要に応じて溶媒や重合開始剤などを混合し、窒素などの不活性ガス雰囲気下、50〜110℃において5〜15時間反応させる方法などで製造できる。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤などが挙げられる。これら溶剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2’,4’−ジメチル−4’−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−エトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチル−オキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレートなどが挙げられる。
アクリル系共重合体(A)のガラス転移点は、0〜60℃であり、10〜45℃が好ましい。アクリル系共重合体(A)のガラス転移点が0℃以上であれば、被覆塗膜の耐傷付き性が向上する。一方、アクリル系共重合体(A)のガラス転移点が60℃以下であれば、被覆塗膜の耐衝撃性が向上する。
アクリル系共重合体(A)のガラス転移点は、単量体混合物に含まれる各単量体の種類やその配合量によって調整できる。また、アクリル系共重合体(A)のガラス転移点は、下記式(1)に示されるFoxの式から求められる値である。
1/(273+Tg)=Σ(W/(273+Tg)) ・・・(1)
式(1)中、「Tg」はアクリル系共重合体(A)のガラス転移点(℃)である。「W」は単量体混合物に含まれるm種(m>1)の単量体(1)、(2)・・・(m)の質量分率である。「Tg」は単量体混合物に含まれる各単量体のホモポリマーのガラス転移点(℃)である。各単量体のホモポリマーのガラス転移点(℃)は、「POLYMER HANDBOOK、THIRD EDITION」に記載された値を使用できる。
アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量は、5000〜50000であり、8000〜20000が好ましい。アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量が5000以上であれば、被覆塗膜の耐傷付き性が向上する。一方、アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量が50000以下であれば、被覆塗膜の平滑性が向上する。
アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定し、ポリスチレン換算した値である。
<イソシアネート(B)>
イソシアネート(B)は、アクリル系共重合体(A)が有するヒドロキシ基と反応する成分である。
本発明に用いるイソシアネート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアネート型であり、かつイソシアヌレート構造を有する。このようなイソシアネート(B)には、脂肪族イソシアネート(脂環族イソシアネートを含む)と芳香族イソシアネートが存在するが、耐候性に優れる被覆塗膜を形成できる点で、脂肪族イソシアネートが好ましい。
イソシアネート(B)の配合量は、該イソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)と、アクリル系共重合体(A)中のヒドロキシ基(OH)との比率(NCO/OH)が0.8〜1.6となるように決定される。比率(NCO/OH)が0.8以上であれば、アクリル系共重合体(A)の架橋が十分なものとなり、被覆塗膜の耐衝撃性が向上する。一方、比率(NCO/OH)が1.6以下であれば、被覆塗膜が脆くなるのを抑制でき、耐衝撃性を良好に維持できる。
<他の成分>
本発明の塗料組成物は、物性に影響を与えない範囲内であれば、上述したアクリル系共重合体(A)およびイソシアネート(B)以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、溶剤、表面調整剤、チクソトロピック剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。特に、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、紫外線吸収剤を2〜8質量部、光安定剤を1〜4質量部含むと、耐候性により優れる被覆塗膜を形成できる。
溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール系溶剤などが挙げられ、1種以上を使用できる。
本発明の塗料組成物は各成分を混合することにより調製できるが、2液型の塗料として使用されるのが好ましい。従って、予めアクリル系共重合体(A)と必要に応じて他の成分とを混合して主剤を調製しておき、使用直前にイソシアネート(B)を主剤に加えるのが好ましい。なお、予めイソシアネート(B)と溶剤とを混合しておいてもよい。
以上説明した本発明の塗料組成物は、上述したアクリル系共重合体(A)とイソシアネート(B)とを含み、かつこれらの配合量を上記範囲内に規定しているので、クロム薄膜への付着性が良好で、かつ十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性を備えた被覆塗膜を形成できる。
本発明の塗料組成物は、基材上に設けられるクロム薄膜を被覆する塗料として用いられる。
基材としては、住宅などの建物に用いられる建材、自動車や自動二輪車の部品などの各種成形品が挙げられる。
以下、自動車や自動二輪車の部品上に設けられたクロム薄膜を本発明の塗料組成物で被覆した自動車用光輝部品の一例について、図1を参照しながら説明する。
[自動車用光輝部品]
図1に示す本発明の自動車用光輝部品10は、基材11と、基材11上に形成されたクロム薄膜12と、クロム薄膜12上に本発明の塗料組成物を塗布して形成された被覆塗膜13とを備える。
基材11としては、自動車や自動二輪車の部品が挙げられ、該部品を構成する材質としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、亜鉛、銅、ブリキ等の金属;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PC/ABS(ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体とのアロイ)、ポリアミド、PP(ポリプロピレン)、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂が挙げられる。
クロム薄膜12は、蒸着、スパッタリング、湿式メッキ法などにより形成される。
クロム薄膜12の厚さは、5〜150nmが好ましい。厚さが5nm以上であれば、十分な光輝感が得られる。一方、厚さが150nm以下であれば、自動車用光輝部品10の外観の白化を抑制できる。
被覆塗膜13は、本発明の塗料組成物をクロム薄膜12上に塗布し、例えば70〜90℃で加熱乾燥することで形成される。被覆塗膜の厚さは5〜60μmが好ましい。
塗料組成物の塗布方法としては、例えばスプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法などが挙げられる。
なお、基材11とクロム薄膜12との間には、公知のベースコート塗料によるベースコートなど他の層が形成されていてもよい。また、被覆塗膜13の上に、さらに他の層が形成されてもよい。
以上説明した本発明の自動車用光輝部品は、クロム薄膜が被覆塗膜により被覆されている。該被覆塗膜は、上述した本発明の塗料組成物より形成されるので、クロム薄膜への付着性が良好で、かつ十分な耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性を備えている。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[アクリル系共重合体(A−1)〜(A−15)の製造]
表1、2に示す配合組成の単量体混合物および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、トルエン100質量部とを三口の反応容器に入れた。ついで、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換し、窒素雰囲気中、撹拌下で、反応容器内の反応溶液を75℃まで昇温し、反応させた。反応時間は表1、2に示す通りとした。反応後、反応容器内の液を酢酸エチルで希釈し、固形分30質量%に調整し、表1、2に示すアクリル系共重合体(A−1)〜(A−15)をそれぞれ製造した。
得られた各アクリル系共重合体のガラス転移点(Tg)および質量平均分子量を表1、2に示す。これらの測定方法は以下の通りである。
(1)ガラス転移点:上記式(1)に示すFoxの式より求めた。
(2)質量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定し、ポリスチレン換算した。
Figure 2013213138
Figure 2013213138
なお、表1、2中の略号は以下の通りである。また、各単量体のカッコ内のTgは、ホモポリマーのTgである。
・MMA:メチルメタクリレート(Tg=105℃)
・n−BMA:n−ブチルメタクリレート(Tg=20℃)
・2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(Tg=−15℃)
・4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(Tg=−80℃)
・BA:ブチルアクリレート(Tg=−54℃)
・AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
[実施例1]
表3に示す配合組成にて各成分を混合し、塗料組成物を調製した。なお、表中のアクリル系共重合体(A)の配合量は固形分換算である。
そして、調製した塗料組成物を硬質クロムメッキの施された鋼鈑上に、乾燥膜厚20μmとなるようにスプレー塗装し、80℃×30分間乾燥することにより、塗膜(被覆塗膜)を形成し、これを試験片とした。
このようにして得られた試験片について、以下に示す初期付着性、耐傷付き性、平滑性、耐衝撃性、および耐洗浄付着性を評価した。結果を表3に示す。
[評価]
<初期付着性の評価>
試験片に1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にセロハンテープ(ニチバン株式会社製)を貼着し、剥がす操作を実施し、クロムメッキと被覆塗膜との間の初期付着性について、下記の基準により評価した。
○:剥離が全く認められない。または碁盤目の線に沿った部分やマスの角の部分にわずかな剥離が認められるが、実用上問題はない。
△:1マスのうち半分以上が剥離したマスはなく、実用上問題はない。
×:1マスのうち半分以上が剥離したマスが1マス以上ある。
<耐傷付き性の評価>
試験片の表面(被覆塗膜)にカナキン3号綿布を接触させ、荷重500g/cmで5往復させた。往復後の試験片の表面状態を目視にて観察し、下記の基準により評価した。なお、カナキン3号綿布が試験片と接触する面積は2cmとした。
○:傷が全く認められない。
△:幅0.5mm以下の筋傷が認められるが3本以下であり、実用上問題ない。
×:幅0.5mm以下の筋傷が4本以上認められる。または幅0.5mm超の筋傷が1本以上認められる。
<平滑性の評価>
試験片の表面状態を目視にて観察し、下記の基準により評価した。
○:ユズ肌が認められない。
△:わずかにユズ肌が認められるが、実用上問題ない。
×:明らかにユズ肌であり、外観に劣る。
<耐衝撃性の評価>
デュポン式試験機を用い、撃針1/2インチ、500g、高さ50cmの条件で衝撃試験を行った。衝撃試験後の試験片の表面状態を目視にて観察し、下記の基準により評価した。
○:表面に目立った傷が認められない。または表面の撃針が当たった部分にわずかなしわが認められるが、実用上問題ない。
△:表面の撃針が当たった部分にしわが認められるが剥離は認められず、実用上問題ない。
×:表面の撃針が当たった部分に剥離が認められる。
<耐洗浄付着性の評価>
図2に示すように、試験片10aの被覆塗膜13にカッターナイフにてX型(交差角度α:30°)の切込みC(長さL:50mm)を入れた後、該切込みCに、交差角度αが30°である側から試験片10aに対して30°の角度にて8MPaの水を10秒間当て洗浄試験を行った。洗浄試験後の試験片10aの表面状態を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。なお、矢印Dは、水流の方向を示している。
○:洗浄試験前と変化なし。または切込みに沿って筋状の剥離をわずかに認めるが、実用上問題なし。
△:切込みに沿って筋状の剥離を認めるが、剥がれた部分の先端から基端までの剥がれ長さは1mm以下であり、実用上問題なし。
×:切込みから剥離を認める。
[実施例2〜9、比較例1〜10]
表3、4に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、評価した。結果を表3、4に示す。
Figure 2013213138
Figure 2013213138
なお、表3、4中の略号は以下の通りである。
・デュラネート24A−100:ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製)、NCO含有量=23.5%
・スミジュールN3300:ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製)、NCO含有量=21.8%
・BYK―330:表面調整剤(ビックケミー株式会社製)
・チヌビン328:紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製)
・チヌビン292:光安定剤(BASFジャパン株式会社製)
表3から明らかなように、各実施例の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、クロム薄膜への付着性が良好で、かつ耐傷付き性、平滑性、および耐衝撃性に優れていた。しかも、耐洗浄付着性にも優れていた。
一方、表4から明らかなように、比率(NCO/OH)が0.6または1.8である比較例1、2の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
質量平均分子量が75000であるアクリル系共重合体(A−8)を用いた比較例3の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、平滑性に劣っていた。
質量平均分子量が3500であるアクリル系共重合体(A−9)を用いた比較例4の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、耐傷付き性に劣っていた。
ガラス転移点が−14℃であるアクリル系共重合体(A−10)を用いた比較例5の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、耐傷付き性に劣っていた。
ガラス転移点が76℃であるアクリル系共重合体(A−11)を用いた比較例6の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、耐衝撃性に劣っていた。
2−ヒドロキシエチルアクリレートを用いずに共重合したアクリル系共重合体(A−12)、(A−14)、(A−15)を用いた比較例7、9、10の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、初期付着性に劣っていた。特に、比較例7で用いたアクリル系共重合体(A−12)はヒドロキシ基を有する単量体単位を全く有さないので、耐衝撃性および耐洗浄付着性にも劣っていた。
2−ヒドロキシエチルアクリレートを25質量%用いて共重合したアクリル系共重合体(A−13)を用いた比較例8の塗料組成物より形成された被覆塗膜は、初期付着性に劣っていた。
10:自動車用光輝部品、10a:試験片、11:基材、12:クロム薄膜、13:被覆塗膜。

Claims (2)

  1. 基材上に設けられるクロム薄膜を被覆する被覆用塗料組成物であって、
    2−ヒドロキシエチルアクリレートを含む単量体混合物を共重合したアクリル系共重合体(A)と、ヘキサメチレンジイソシアネート型であり、かつイソシアヌレート構造を有するイソシアネート(B)とを含み、
    前記単量体混合物中の2−ヒドロキシエチルアクリレートの割合が5〜20質量%であり、
    前記アクリル系共重合体(A)のガラス転移点が0〜60℃、質量平均分子量が5000〜50000であり、
    前記アクリル系共重合体(A)中のヒドロキシ基(OH)とイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)との比率(NCO/OH)が0.8〜1.6であることを特徴とするクロム薄膜被覆用塗料組成物。
  2. 基材と、該基材上に形成されたクロム薄膜と、該クロム薄膜上に請求項1に記載のクロム薄膜被覆用塗料組成物を塗布して形成された被覆塗膜とを備えたことを特徴とする自動車用光輝部品。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012030431A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Fujikura Kasei Co Ltd 自動車用耐衝撃性複合塗膜

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