JP2000173285A - バイアス回路及び半導体記憶装置 - Google Patents

バイアス回路及び半導体記憶装置

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JP2000173285A JP34161798A JP34161798A JP2000173285A JP 2000173285 A JP2000173285 A JP 2000173285A JP 34161798 A JP34161798 A JP 34161798A JP 34161798 A JP34161798 A JP 34161798A JP 2000173285 A JP2000173285 A JP 2000173285A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定電位への電圧の立上げの高速化及び所
定電位での安定性向上を図ることができるバイアス回路
及び半導体記憶装置を提供する。 【解決手段】 本実施の形態に係るバイアス回路400
はバイアス出力回路41、バイアス電位検出回路43、
及びバイアス出力回路41の駆動回路としてバイアス安
定化回路44及びバイアス立上げ回路45を有してな
り、バイアス安定化回路44及びバイアス立上げ回路4
5の2つをバイアス電位VDIGの値によって切り替え
るようにしたためバイアス立ち上げの初期及び定常状態
において最適な性能を有する。また、定常状態では外乱
の影響が少なく安定したバイアス電位VDIGを被バイ
アス回路42に供給することができるため電流検出回路
46は安定した状態で被バイアス回路42の電流を検出
することができる。以上により上記目的を達成すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイアス回路及び
半導体記憶装置に関する。特に、電位の立ち上げの際の
効率化及び電位の安定化の向上を図ることができるバイ
アス回路、または前記バイアス回路を備え、マスクRO
M、浮遊ゲート型MOSFETをメモリセルとして用い
る不揮発性メモリ等の半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体記憶装置においては、
記憶情報の読み書きに要するアクセスタイムが重要な課
題となっており、システム全体の高速化を図るために半
導体記憶装置の高速化の要求が大きくなってきている。
半導体記憶装置のなかでも、不揮発性メモリやROMな
どでは、1つの記憶用トランジスタに1または数ビット
の情報を記憶させ、読み出すときには、ドレインに所定
の電圧を印加して、そこに流れるドレイン電流が所定値
より大きいか否かで記憶データを判定するようにしてい
る。一般に、トランジスタのドレイン電流は、ドレイン
電圧が高くなるほど大きくなる。従って、記憶データを
読み出すとき、ドレインに印加する電圧が一定していな
いと、ドレイン電流も一定せず、読み出したドレイン電
流が記憶データ“0”によるものなのか、“1”による
ものなのか判定できなくなる。近年、記憶データの多値
化が進み、1つの記憶用トランジスタに4ビットを記憶
させることもある。このような多値メモリにおいては、
ドレイン電流の微少な差異によって、記憶データを判定
するため、バイアス電位を所定の電圧に厳密に設定しな
ければならない。このように、半導体記憶装置のアクセ
スタイムを決定する重要な要因の1つとしてセンスアン
プの性能が挙げられ、これまでに種々の検討がなされて
きた。例えば、特開昭63−142596号及び特開平
4−353699号には、EPROM読み出し用センス
アンプの改良に関する発明が開示されている。
【0003】従来の半導体記憶装置の構成を、図を用い
て説明する。図12及び図13は、従来の半導体記憶装
置内に設置されるセンスアンプ回路100の一構成例を
示す図である。
【0004】従来の半導体記憶装置は、例えば図12に
示すように、例えば浮遊ゲート型MOSFETをメモリ
セルとして用いる不揮発性メモリであり、データ格納用
のメモリセルアレイ101を有し、デジット線DL1〜
DLnをグランド電位から所定電位に引き上げることに
より、このメモリセルアレイ101からのデータを読み
出すセンスアンプ回路100を有してなる。前記センス
アンプ回路100は、センス回路10、基準回路11
0、データ検出回路201等から構成される。
【0005】また、メモリセルアレイ101は、複数本
のワード線WL1〜WLmと、それに直交する複数本の
デジット線DL1〜DLnを有し、そのワード線WL1
〜WLm及びデジット線DL1〜DLnの交点には、1
組のデジット線とワード線との組み合わせにつき1個の
浮遊ゲート型MOSFETからなるメモリセル1131
1〜1131n、…113m1〜113mnが接続され
ている。すなわち、メモリセルアレイ101にはm×n
個のメモリセルがマトリクス状に配置されており、前記
メモリセル113ji(j=1〜m、i=1〜n)は、
そのゲートがワード線WL1〜WLmに接続され、ソー
スが接地され、さらにドレインがデジット線DL1〜D
Lnに接続されている。
【0006】また、基準セルアレイ102は、1本の基
準ワード線WLRと、それに直交する1本の基準デジッ
ト線DLRとを有し、その基準ワード線WLR及び基準
デジット線DLRには、メモリセル113jiと同一構
造の基準セル111が1個配置されている。基準セル1
11は、そのゲートが基準ワード線WLRに接続され、
ソースが接地され、さらにドレインが基準デジット線D
LRに接続されている。この例では、基準セル102に
は基準ワード線WLR及び基準デジット線DLRがそれ
ぞれ1本のみ設置されているため、基準セル102に設
置されているMOSFETは基準セル111のみであ
る。
【0007】メモリセルアレイ101内のワード線WL
1〜WLmには、行デコーダ104の出力側が接続さ
れ、デジット線DL1〜DLnには、列デコーダ105
が接続される。行デコーダ104と列デコーダ103
は、図示しないアドレス信号がそれぞれ入力され、前記
アドレス信号に対応してワード線WL1〜WLmとデジ
ット線DL1〜DLnの1つをそれぞれ活性化する。カ
ラムセレクタ103は、列デコーダ105によってデジ
ット線選択用のMOSFET1071〜107nをオ
ン、オフ動作させ、デジット線DL1〜DLnの1つを
選択してセンス回路10に接続する。メモリセルアレイ
101内に設置され、n本のデジット線それぞれに接続
されるn個のMOSFET1071〜107nのソース
は、デジット線DL1〜DLnに接続されている。さら
に、この半導体記憶装置においては、複数本のデジット
線DL1〜DLnごとに1個のバイアス回路を設けた構
成となっている。また、基準デジット線DLRには、カ
ラムセレクタ103のMOSFET1071〜107n
と同一サイズのMOSFET106が1個接続され、そ
のゲートは電源電位に接続されている。
【0008】カラムセレクタ103内に設置されるMO
SFET1071〜107nのドレインは、ともにセン
ス回路10に共通接続されている。同様に、基準セルア
レイ102に設置されるMOSFET106のドレイン
も、基準回路110に接続されている。
【0009】以下、図12及び図13においては、行デ
コーダ104によってワード線WLjが選択され、列デ
コーダ105によってデジット線DLiが選択され、ワ
ード線WLjとデジット線DLiに接続されるメモリセ
ル113jiの記憶データを検出する場合を例にとり説
明する。
【0010】図12に示すように、センス回路10及び
基準回路110の出力端は、それぞれ信号線LDi,L
REFiを介してデータ検出回路201と接続されてい
る。データ検出回路201は、信号線LDi,LREF
iそれぞれにおける電位である検出電位VDiと基準電
位VREFとを比較し、選択されたメモリセルの記憶デ
ータを判定する回路である。このデータ検出回路201
の出力側には、図示しないが出力バッファ等が接続され
て、外部に記憶データを出力する。
【0011】不揮発性メモリのメモリセル11311〜
1131n…113m1〜113mn及び111は、浮
遊ゲートに電子が注入されているか否かでデータを記憶
している。メモリセル113の記憶データを読み出すと
きは、センス回路10内のバイアス回路20により所定
の電圧がメモリセル113に印加され、選択されたメモ
リセル113に電流が流れるか否かで記憶データを判定
する。つまり、浮遊ゲートに電子が注入されたものはゲ
ートにハイレベルの信号が供給されてメモリセル113
が選択状態になっても、ドレイン電流は流れない。逆
に、浮遊ゲートから電子が引き抜かれたものは、ゲート
にハイレベルの信号が供給されてメモリセル113が選
択状態になると、ドレイン電流が流れる。これに対し、
基準セルアレイ102内に設置される基準セル111
は、電子が注入されていなかったり、所定量の電子が注
入されているため、常に所定の基準電流が流れる。
【0012】本例の不揮発性メモリでは、前述したよう
に、浮遊ゲートに電子が注入されている場合を記憶デー
タ“1”に対応させ、浮遊ゲートに電子が引き抜かれて
いる場合を記憶データ“0”に対応させているが、この
逆の場合もある。
【0013】基準回路110におけるNチャネルトラン
ジスタ212とセンス回路10におけるNチャネルトラ
ンジスタ202は、負荷抵抗として働き、基準デジット
線DLRとデジット線DLiに流れる電流を電圧に変換
してデータ検出回路201に供給する。一般に、トラン
ジスタ212の電流供給能力は、トランジスタ202の
電流供給能力より大きく設定されており、基準デジット
線DLRとデジット線DLiに同一の電流が流れたとし
ても、トランジスタ212よりトランジスタ202の方
が電圧降下が大きい。いま、基準セル111に流れる基
準電流によってトランジスタ212のドレインに生ずる
電位を基準電位VREFとし、オン、オフのメモリセル
113に流れる電流によってトランジスタ202に生ず
る検出電位VDiをそれぞれVDion,VDioff
とする。このとき、基準電位VREFは、通常、基準電
位VDioffとVDionとの中間の電位(以下、中
間電位という)となるように設定されている。従って、
検出電位VDiが基準電位VREFより高ければ、デー
タ検出回路201は、メモリセル113がオフしている
(記憶データ“0”)と判定し、逆に、検出電位VDi
が基準電位VREFより低ければ、データ検出回路20
1は、メモリセル113がオンしている(記憶データ
“1”)と判定する。この結果をもとに、データ検出回
路201は読み出しデータをDOUTiとして出力す
る。
【0014】図12に示すように、バイアス回路20
は、センスアンプ動作許可信号SAEがローレベルのと
き、デジット線DLiにバイアスを供給し、ハイレベル
のとき、バイアス供給を停止する。基準デジット線DL
R側のバイアス回路120も同様に動作する。センスア
ンプ動作許可信号SAEは、読み出し動作のときのみデ
ジット線DLiにバイアス電位を供給することで、メモ
リセルに電流が流れる期間を短くして、半導体記憶装置
の消費電力を低減するたものであり、読み出し動作に不
可欠の信号ではない。
【0015】行デコーダ104がワード線WLjを活性
化するとメモリセル113jiは、それに電子が注入さ
れている時(記憶データが“1”の場合)には、オフ状
態のままになっていることから、デジット線DLiに電
流が流れないので、検出電位VDiは基準電位VREF
より高いレベルの電位VDioffになる。逆に、選択
されたメモリセル113jiに電子が引き抜かれている
時(記憶データが“0”の場合)には、それがオン状態
となり、基準電位VREFより低いレベルの電位VDi
onになる。基準電位VREFと検出電位VDionと
の電位差は、前述したようにデータ検出回路201によ
って検出される。すなわち、データ検出回路201は、
VDi(VDi=VDioff)>VREFであるとき
はメモリセルの浮遊ゲートに電子が注入されている状
態、すなわちメモリセルの記憶データが“1”であると
判定し、一方、VDi(VDi=VDion)<VRE
Fであるときはメモリセルの浮遊ゲートに電子が引き抜
かれている状態、すなわちメモリセルの記憶データが
“0”であると判定する。
【0016】次に、図12に示される半導体記憶装置内
に設置されるセンスアンプ回路100について説明す
る。センスアンプ回路100は、センス回路10、基準
回路110、及びデータ検出回路201等から構成され
る。センス回路10は、センスアンプ動作許可信号(S
AE)30により活性化され、デジット線DLiに対し
て所定電位を供給し、選択されたメモリセルからの読出
しデータに基づき検出電位VDiを生成する回路であ
り、デジット線DLiに対して所定電位を供給するバイ
アス回路20、及びバイアス回路20に接続される負荷
部70から構成される。バイアス回路20は、帰還回路
40及びNチャネルトランジスタ203からなる。帰還
回路40は、Pチャネルトランジスタ204、及びNチ
ャネルトランジスタ205、302から構成される。P
チャネルトランジスタ204のソース端は、電源電圧側
に接続され、そのドレインはNチャネルトランジスタ2
05、302のドレイン端と接続している。Nチャネル
トランジスタ205、302のソースは接地されてい
る。
【0017】また、センスアンプ動作許可信号SAE3
0は、Pチャネルトランジスタ204、Nチャネルトラ
ンジスタ302のゲートに入力される。読出動作以外の
状態では、センスアンプ動作許可信号SAEがハイレベ
ルであり、トランジスタ204がオフし、トランジスタ
302がオンするので、信号線FBiはローレベルにな
り、デジット線DLiもローレベルになる。読出動作に
入ると、センスアンプ動作許可信号SAEがローレベル
になり、トランジスタ204がオンし、トランジスタ3
02がオフするので、信号線FBiは所定のレベルにな
り、デジット線DLiも所定のレベルにバイアスされ
る。
【0018】信号線FBiが所定のレベルになると、ト
ランジスタ203はソースフォロア動作しているので、
信号線FBiのレベルと同程度のレベルVD0を出力す
る。このレベルVD0はNチャネルトランジスタ205
のゲートに供給され、トランジスタ205は所定の電流
を流す。もし、デジット線DLiの電位が所定の電位よ
り高いと、トランジスタ205は所定の電流より多く電
流を流すので、信号線FBiのレベルを下げる。信号線
FBiのレベルが下がると、トランジスタ203はデジ
ット線DLiの電位を下げる。逆に、デジット線DLi
の電位が所定の電位より低いと、トランジスタ205は
所定の電流より少ない電流を流すので、信号線FBiの
レベルを上げる。信号線FBiのレベルが上がると、ト
ランジスタ203はデジット線DLiの電位を上げる。
このように、バイアス回路20は、デジット線DLiの
電位が変動しても、デジット線DLiを所定のバイアス
電位に収束させる。また、負荷部70は、Nチャネルト
ランジスタ202からなり、Nチャネルトランジスタ2
02のドレイン端及びゲートは電源電圧側に接続されて
いるため、Nチャネルトランジスタ202は定電流回路
として動作する。帰還回路40からの出力がNチャネル
トランジスタ203のゲートに入力されることによりメ
モリセル113のドレインが所定の電位にバイアスさ
れ、メモリセル113に所定のドレイン電流が流れるこ
とで、負荷部70に検出電位VDiが発生する。
【0019】一方、基準回路110は、基準デジット線
DLRに対して所定電位を供給し、基準セル111のデ
ータに基づき基準電位VREFを生成する回路であり、
基準デジット線DLRに対して所定電位を供給する基準
バイアス回路120、及び基準バイアス回路120に接
続される負荷部170から構成される。前記基準バイア
ス回路120及び前記負荷部170は、センス回路10
内に設置されるバイアス回路20及び前記負荷部70と
同様の構成を有する。すなわち、基準バイアス回路12
0は、帰還回路140及びNチャネルトランジスタ21
3からなる。
【0020】帰還回路140は、Pチャネルトランジス
タ214、及びNチャネルトランジスタ215、312
から構成され、負荷部170は、Nチャネルトランジス
タ212から構成される。Nチャネルトランジスタ21
2は、センス回路10内のNチャネルトランジスタ20
2と比較して抵抗が小さいものを用いる。これにより、
負荷部170は、オン状態のメモリセル113とオフ状
態のメモリセル113によって生ずる各々の検出電位の
中間電位になるように設定される。基準バイアス回路1
20は、センスアンプ動作許可信号SAE130が帰還
回路140のPチャネルトランジスタ214、Nチャネ
ルトランジスタ312のゲートに入力されることによ
り、帰還回路140が動作して、基準ビット線LDRを
所定の電位にバイアスする。
【0021】次に、図12に示される半導体記憶装置の
センスアンプ回路100内に設置されるセンス回路10
内のバイアス回路20についてさらに詳述する。バイア
ス回路20は、前述のように、読出動作時に、センスア
ンプ動作許可信号SAE30がローレベルになると、P
チャネルトランジスタ204がオンになり、信号線FB
iの電位が上昇するとともに、Nチャネルトランジスタ
203のソース、即ちデジット線DLiの電位が信号線
FBi相当の電位になる。それを受けて、Nチャネルト
ランジスタ205のゲートにその電流が帰還し、Nチャ
ネルトランジスタ205に所定の電流が流れるため、信
号線FBiの電位が所定の電位に収束する。信号線FB
iの電位が所定電位にバイアスされるため、デジット線
DLiの電位が所定の電位にバイアスされるとともに、
このバイアスがメモリセル113jiに印加される(プ
リチャージ過程)。このメモリセル113jiに流れる
電流に対応した検出電位VDiがデータ検出回路201
に出力される。このとき、基準バイアス回路120にお
いても、基準デジット線DLRの電位の引き上げが行わ
れ、基準電位VREFがデータ検出回路201に出力さ
れるので、データ検出回路201において検出電位VD
iと基準電位VREFとの電位差のセンシングが行われ
る(センス過程)。
【0022】メモリセル113jiの内容が“1”であ
る場合、センスアンプ動作許可信号SAE30がローレ
ベルになると、上記の動作により負荷部70の電位が基
準電位VREFよりも高いVDioffになる。一方、
記憶データ“0”を読み出す場合、デジット線DLiに
接続しているメモリセルの浮遊ゲートには電子が引き抜
かれているのでメモリセルに電流が流れることから負荷
部70に電圧降下が起こり、負荷部70の電位は、基準
電位VREFよりも低い検出電位VDionになる。
【0023】一方、基準回路110においては、デジッ
ト線DLRに接続されるメモリセル106が“0”の状
態になっているため、Nチャネルトランジスタ212に
電流が流れ、電圧降下が生じる。ここで、Nチャネルト
ランジスタ212はNチャネルトランジスタ202と比
べて抵抗が小さいため、基準電位VREFは検出電位V
DioffとVDionとの中間電位に設定される。
【0024】その結果、メモリセルアレイ101内のメ
モリセル113jiの記憶データ“1”を読み出す場合
には、検出電位VDiが基準電位VREFより高いため
(VDi=VDioff)、データ検出回路201は、
出力DOUTiとして“0”を出力する。一方、メモリ
セルアレイ101内のメモリセル113jiの記憶デー
タ“0”を読み出す場合には、読出し電位VDiが基準
電位VREFにより低いため(VDi=VDion)、
データ検出回路201はデータ“1”を出力する。
【0025】また、図13に従来の半導体記憶装置の別
の例を示す。図13に示される従来の半導体記憶装置
は、図12に示される従来の半導体記憶装置内に設置さ
れるセンスアンプ回路100とほぼ同様の構成を有する
が、センス回路10及び基準回路110のセンスアンプ
動作許可信号SAE30の入力端にそれぞれインバータ
208、218が設置され、さらに、バイアス回路2
0、120内に、図12のセンスアンプ回路100のよ
うにPチャネルトランジスタ204、214が設置され
る代わりに、インバータ208、218からの出力端に
Nチャネルトランジスタ206、216が設置されてい
る点が異なる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
及び図13に示される従来の半導体記憶装置においては
次のような問題点があった。前述したように、半導体記
憶装置の高速化の要求に応えるためにセンスアンプ回路
の性能向上が求められている。センスアンプ回路の性能
向上を図る一手段として、センスアンプ回路内に設置さ
れるバイアス回路の効率化、安定性の向上が挙げられ
る。図12に示される従来の半導体記憶装置内のセンス
アンプ回路100に設置されるセンス回路10のバイア
ス回路20は、電源電圧Vcc側にはPチャネルトラン
ジスタ204が設けられている。Pチャネルトランジス
タを上記のバイアス回路の動作範囲内で用いる場合、一
般に、ドレイン電流の微小変化に対するドレイン−ソー
ス間の電圧降下量が大きい。このため、センス回路10
内のバイアス回路20の電源電圧Vcc側にPチャネル
トランジスタ204を用いると、負荷微分抵抗が大きく
なることにより出力FBiの振幅が大きくなる。また、
読出動作を開始した直後は、トランジスタ204のソー
ス電位(FBi)はほぼ0Vとなっており、ゲートには
SAEとしてハイレベル(Vcc)が供給されるので、
トランジスタ204のゲート−ソース間電位差はVcc
程度であるため、トランジスタ204はドレイン電流の
駆動能力が最大となっている。このため、デジットDL
i線を所定の電位まで引き上げるプリチャージ過程を高
速に行うことができる。しかしながら、図12に示す従
来のバイアス回路20は、電源電圧側にPチャネルトラ
ンジスタ204が設置されているので、ノイズ等により
デジット線LDiの電位が変動すると、バイアス回路2
0は過敏に反応するため、検出電位VDiと基準電位V
DREFとをデータ検出回路201にて比較するセンス
過程において、安定したセンシングを行うことが難しい
という問題をはらんでいる。また、データ検出回路20
1は、ノイズ量によっては、記憶データを誤判定しかね
ない。さらに、デジットDLi線を高速に所定の電位ま
で引き上げ過ぎると、センス回路10は検出電位VDi
が安定するまでに時間がかかるので、かえってアクセス
時間を長くする要因になっていた。
【0027】一方、図13に示される従来の半導体記憶
装置に設置されるセンスアンプ回路100においては、
センス回路10のバイアス回路20の電源電圧Vcc側
にNチャネルトランジスタ206が設けられている。N
チャネルトランジスタ206はドレイン電流の微小変化
に対するドレイン−ソース間の電圧降下の変化量が小さ
い。このため、図13に示されるバイアス回路20にお
いてはNチャネルトランジスタ206が電源電圧側に配
置されるため、デジット線LDiが何らかのノイズ源に
よって変動しその影響がNチャネルトランジスタ205
を介して帰還されても、信号線FBiの変動は図12に
示される半導体記憶装置内のセンス回路10と比較して
少ないため、図13に示されるセンス回路10のセンシ
ングが阻害される影響は少ない。しかしながら、Nチャ
ネルトランジスタ206を電源電圧側に配置すると、図
13に示す帰還回路40の出力は、電源電圧Vccから
トランジスタ206の閾値電圧値(VTN)の分だけ降
下した電圧となる。このため、トランジスタ206のソ
ース電位に対するゲート−ソース間電圧が小さくなり、
トランジスタ206の電流駆動能力が低くなることか
ら、トランジスタ203のゲートを急速に立ち上げるこ
とができない。さらに、帰還回路40の出力FBiの振
幅上限がVcc−VTN程度に制限されてしまい、トラ
ンジスタ203もデジット線LDiを高速にプリチャー
ジすることができないという問題が生じる。その結果、
データ検出回路201が検出電位VDiと基準電位VR
EFとのセンシングを行うのに十分な程度の電位になる
のに時間を要するため、結果としてメモリセル113の
データの読出しが遅くなり、データの読出し速度が悪い
という問題が生じていた。さらに、近年、半導体記憶装
置全体の省電力化が進められており、半導体記憶装置の
電源電圧Vccも低電圧化されてきている。このため、
閾値電圧値VTNによる電圧降下の影響が従来と比較し
て相対的に大きくなってきた。すなわち、例えば、従来
電源電圧Vccが5Vであった場合には閾値電圧値VT
Nによる電圧降下の影響に比べ、電源電圧が3Vに設定
された場合、前述した閾値電圧値VTNによる電圧降下
の影響がより大きくなる。以上の問題点が、検出電位V
Diがセンシングを行うのに十分な電位に到達するのに
要する時間をさらに増加させ、メモリセル113の記憶
データをデータ検出回路201が判定するまでより多く
の時間を要するという問題が生じていた。
【0028】また、記憶容量の大規模化に伴い、半導体
記憶装置が大型化し、半導体記憶装置のチップ内の配線
が長くなり、配線の寄生容量や配線抵抗が増加してい
る。従来のバイアス回路では、寄生容量の大きい配線を
急速に立ち上げようとすると、定常状態の安定性がわる
くなり、逆に、安定性を向上させようとすると、立ち上
がり特性が悪くなるという矛盾を生じていた。
【0029】本発明は、以上の従来技術における問題に
鑑みてなされたものである。本発明の目的は、上記問題
点を解決し、所定電位への電圧の立ち上げの高速化及び
所定電位での安定化向上を図ることができるバイアス回
路、及びメモリセルデータの読出しの高速化及びメモリ
セルデータの読出し時の検出電位の安定性向上を図るこ
とができる半導体記憶装置を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本出
願第1の発明は、所定電位を被バイアス回路に出力して
被バイアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路で
あって、特性の異なる1対のトランジスタを有し、前記
1対のトランジスタを被バイアス回路の電圧変化に応じ
て切り替えて作動させる帰還回路を有してなることを特
徴とするバイアス回路である。
【0031】上記構成を有する本出願第1の発明のバイ
アス回路によると、特性の異なる1対のトランジスタを
有し、前記1対のトランジスタを被バイアス回路の電圧
変化に応じて切り替えて作動させる帰還回路を有してな
ることにより、1対のトランジスタのうちの1つをはじ
めに作動させたのちに、電圧の変動に応じてもう一方の
トランジスタに自動的に切り替えて作動させることで、
被バイアス回路に出力する電位を効率よく立ち上げるこ
とができ、且つ立ち上げられた後の前記電位の安定化を
図ることができる。
【0032】また、本出願第2の発明は、所定電位を被
バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流を
検出するバイアス回路であって、特性の異なる1対のト
ランジスタを有し、前記所定電位を基準として前記1対
のトランジスタを切り替えて作動させる帰還回路を有し
てなることを特徴とするバイアス回路である。
【0033】上記構成を有する本出願第2の発明のバイ
アス回路によると、特性の異なる1対のトランジスタを
有し、前記所定電位を基準として前記1対のトランジス
タを切り替えて作動させる帰還回路を有してなることに
より、1対のトランジスタのうちの1つをはじめに作動
させたのちに、設定された所定電位を基準としてもう一
方のトランジスタに自動的に切り替えて作動させること
で、被バイアス回路に出力する電位を所定電位まで効率
よく立ち上げることができ、且つ前記所定電位からの変
動を低減し電位の安定化を図ることができる。
【0034】また、本出願第3の発明のバイアス回路
は、本出願第1の発明又は本出願第2の発明のバイアス
回路であって、特性の異なる1対のトランジスタが、P
チャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタであ
って、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトラ
ンジスタが並列に接続されてなることを特徴とする。
【0035】ゲート接地型Pチャネルトランジスタのソ
ースを電源電圧に接続すると、前記トランジスタのドレ
イン電圧は電源電圧まで出力することができる。このた
め、信号線を駆動するトランジスタのゲート電圧を高電
位にすることができるので、信号線を高速に所定の電位
まで立ち上げることができる。一方、ドレイン接地型N
チャネルトランジスタは、ゲートが電源電圧に接続され
ているので、帰還電圧の微小変化に対する出力電位の振
幅が小さく、出力電位が所定電位に到達したのち出力電
位を一定に保持することができる。このため、出力され
る電位の安定化を図ることができ、ノイズ耐性を向上で
きる。以上のように、Pチャネルトランジスタ及びNチ
ャネルトランジスタは異なる特性を有する。したがっ
て、上記構成を有する本出願第3の発明のバイアス回路
によると、特性の異なる1対のトランジスタが、Pチャ
ネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタであっ
て、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトラン
ジスタが並列に接続されてなることにより、定常状態に
達するまでの初期状態において、Pチャネルトランジス
タからの電流が主に流れるようにし、出力される電位が
所定電位に到達したらNチャネルトランジスタに自動的
に切り替えNチャネルトランジスタからの電流が主に出
力されるようにすることで、被バイアス回路に出力する
電位を所定電位まで効率よく立ち上げることができ、且
つ前記電位の安定化を図ることができる。さらに、この
ようなトランジスタの切り替え時に、前記外部からの切
り替え信号が原因によるノイズの発生が問題となる。し
かしながら、本出願第3の発明のバイアス回路による
と、外部からの切り替え信号なしにバイアス回路の状態
に応じて前記トランジスタの切り替えが実行されるの
で、出力電位に影響を与えることなく前記切り替えが行
われるため、初期と定常状態でそれぞれに最適な動作状
態を得ることができる。
【0036】また、本出願第4の発明は、所定電位を被
バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流を
検出するバイアス回路であって、前記被バイアス回路を
所定電位付近に急速に立ち上げるバイアス立上げ手段
と、前記被バイアス回路が所定電位付近に到達するとと
もに作動し、前記被バイアス回路の電位変動を低減する
バイアス安定化手段とを備えてなることを特徴とするバ
イアス回路である。
【0037】上記構成を有する本出願第4の発明のバイ
アス回路によると、前記被バイアス回路を所定電位付近
に急速に立ち上げるバイアス立上げ手段と、前記被バイ
アス回路が所定電位付近に到達するとともに作動し、前
記被バイアス回路の電位変動を低減するバイアス安定化
手段とを備えてなることにより、バイアス立上げ手段に
より所定電位へと急速に立ち上げられた被バイアス回路
への出力電位が、バイアス安定化手段により変動を抑え
られ所定電位で保持されるため、前記電位を所定電位ま
で効率よく立ち上げることができ、且つ前記信号線の電
位の安定化を図ることができる。
【0038】また、本出願第5の発明のバイアス回路
は、本出願第4の発明のバイアス回路であって、前記バ
イアス立上げ手段としてPチャネルトランジスタを用
い、前記バイアス安定化手段としてNチャネルトランジ
スタを用い、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネ
ルトランジスタが並列に接続されてなることを特徴とす
る。
【0039】ゲート接地型Pチャネルトランジスタのソ
ースを電源電圧に接続すると、前記トランジスタのドレ
イン電圧は電源電圧まで出力することができる。このた
め、信号線を駆動するトランジスタのゲート電圧を高電
位にすることができるので、信号線を高速に所定の電位
まで立ち上げることができる。一方、ドレイン接地型N
チャネルトランジスタは、ゲートが電源電圧に接続され
ているので、帰還電圧の微小変化に対する出力電位の振
幅が小さく、出力電位が所定電位に到達したのち出力電
位を一定に保持することができる。このため、出力され
る電位の安定化を図ることができ、ノイズ耐性を向上で
きる。したがって、上記構成を有する本出願第5の発明
のバイアス回路によると、前記バイアス立上げ手段とし
てPチャネルトランジスタを用い、前記バイアス安定化
手段としてNチャネルトランジスタを用い、前記Pチャ
ネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタが並列に
接続されてなることにより、定常状態に達するまでの初
期状態において、Pチャネルトランジスタからの電流が
前記信号線に主に流れるようにし、出力される電位が検
出電位に到達したらNチャネルトランジスタに自動的に
切り替えNチャネルトランジスタからの電流が主に流れ
るようにすることで、デジット線の電位を所定電位まで
効率よく立ち上げることができ、且つデジット線の電位
の安定化を図ることができる。さらに、このようなトラ
ンジスタの切り替えを行うのは一般に困難であるうえ、
たとえ外部からの切り替え信号を送信することで前記切
り替えが可能であったとしても、前記外部からの切り替
え信号が原因によるノイズの発生が問題となる。しかし
ながら、本出願第5の発明のバイアス回路によると、外
部からの切り替え信号なしにバイアス回路の状態に応じ
て前記トランジスタの切り替えが実行されるので、検出
電位に影響を与えることなくすみやかに前記切り替えが
行われるため、出力される電位の安定化を図ることがで
きる。
【0040】また、本出願第6の発明の半導体記憶装置
は、ワード線及びデジット線に接続されたメモリセル
と、前記デジット線に対して所定電位を供給し、選択さ
れた前記メモリセルからの読出しデータに基づき検出電
位を形成するバイアス回路を有してなるセンス回路とが
設けられてなる半導体記憶装置であって、デジット線を
所定電位付近に急速に立ち上げる第1の手段と、デジッ
ト線が所定電位付近に到達するとともに作動し、デジッ
ト線の電位変動を低減する第2の手段とを前記バイアス
回路に備えてなることを特徴とする。
【0041】本出願にいう検出電位とは、メモリセルの
記憶データを検出するために設定された出力電位であ
る。上記構成を有する本出願第6の発明の半導体記憶装
置によると、ワード線及びデジット線に接続されたメモ
リセルと、前記デジット線に対して所定電位を供給し、
選択された前記メモリセルからの読出しデータに基づき
検出電位を形成するバイアス回路を有してなるセンス回
路とが設けられてなり、デジット線を所定電位付近に急
速に立ち上げる第1の手段と、デジット線が所定電位付
近に到達するとともに作動し、デジット線の電位変動を
低減する第2の手段とを前記バイアス回路に備えてなる
ことにより、第1の手段により所定電位へと急速に立ち
上げられたデジット線の電位が、第2の手段により変動
を抑えられ所定電位に保持されるため、デジット線の電
位を所定電位まで効率よく立ち上げることができ、且つ
前記デジット線の電位の安定化を図ることができる。
【0042】また、本出願第7の発明の半導体記憶装置
は、ワード線及びデジット線に接続されたメモリセル
と、前記デジット線に対して所定電位を供給し、選択さ
れた前記メモリセルからの読出しデータに基づき検出電
位を形成するバイアス回路を有してなるセンス回路とが
設けられてなる半導体記憶装置であって、デジット線を
所定電位付近に急速に立ち上げる第1の手段と、デジッ
ト線を所定電位付近に到達させたのち、デジット線の電
位変動を最小限に止める第2の手段とを前記バイアス回
路の電源電圧側に備えてなることを特徴とする。
【0043】本出願にいう検出電位とは、メモリセルの
記憶データを検出するために設定された出力電位であ
る。上記構成を有する本出願第7の発明の半導体記憶装
置によると、ワード線及びデジット線に接続されたメモ
リセルと、前記デジット線に対して所定電位を供給し、
選択された前記メモリセルからの読出しデータに基づき
検出電位を形成するバイアス回路を有してなるセンス回
路とが設けられてなり、デジット線を所定電位付近に急
速に立ち上げる第1の手段と、デジット線を所定電位付
近に到達させたのち、デジット線の電位変動を最小限に
止める第2の手段とを前記バイアス回路の電源電圧側に
備えてなることにより、第1の手段により所定電位へと
急速に立ち上げられたデジット線の電位が、第2の手段
により変動が最小源に止められ所定電位に保持されるた
め、デジット線の電位を所定電位まで効率よく立ち上げ
ることができ、且つ前記デジット線の電位の安定化を図
ることができる。
【0044】また、本出願第8の発明の半導体記憶装置
は、本出願第6の発明又は本出願第7の発明の半導体記
憶装置であって、第1の手段としてPチャネルトランジ
スタを用い、第2の手段としてNチャネルトランジスタ
を用い、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルト
ランジスタが並列に接続されてなることを特徴とする。
【0045】Pチャネルトランジスタは、一般に、電流
の微小変化に対する電流供給能力の変化が小さいため負
荷抵抗が大きくなることにより、出力電位の振幅が大き
くなるため、出力電位を所定の電位まで高速に引き上げ
ることができる。一方、Nチャネルトランジスタは、ゲ
ートから出力される電流の微小変化に対する負荷抵抗が
小さく出力電位の振幅が小さいので、出力電位が所定電
位に到達したのち出力電位を一定に保持することができ
るため、出力電位の安定化を図ることができる。以上に
より、上記構成を有する本出願第8の発明の半導体記憶
装置によると、第1の手段としてPチャネルトランジス
タを用い、第2の手段としてNチャネルトランジスタを
用い、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトラ
ンジスタが並列に接続されてなることにより、まずPチ
ャネルトランジスタからの電流が主に流れるようにし、
出力される電位が検出電位に到達したらNチャネルトラ
ンジスタに自動的に切り替えNチャンネルトランジスタ
からの電流が主に出力されるようにすることで、デジッ
ト線の電位をグランド電位から効率よく立ち上げること
ができ、且つデジット線の電位の安定化を図ることがで
きる。さらに、このようなトランジスタの切り替えを行
うのは一般に困難であるうえ、たとえ外部からの切り替
え信号を送信することで前記切り替えが可能であったと
しても、前記外部からの切り替え信号が原因によるノイ
ズの発生が問題となる。しかしながら、本出願第8の発
明の半導体記憶装置によると、バイアス回路において、
外部からの切り替え信号なしにバイアス回路の状態に応
じて前記トランジスタの切り替えが実行されるので、検
出電位に影響を与えることなくすみやかに前記切り替え
が行われるため、出力される検出電位の安定化を図るこ
とができる。
【0046】また、本出願第9の発明の半導体記憶装置
は、ワード線及びデジット線に接続されたメモリセル
と、デジット線の電位をフィードバックする帰還回路を
含み、前記帰還回路により前記デジット線の電位を所定
電位にするバイアス回路を有してなるセンス回路とを設
けてなる半導体記憶装置において、デジット線の電位が
前記所定電位と差が大きいときは、前記帰還回路の利得
を大きく設定し、デジット線の電位が前記所定電位と差
が小さいときは、前記帰還回路の利得を小さく設定した
ことを特徴とする。
【0047】上記構成を有する本出願第9の発明の半導
体記憶装置によると、ワード線及びデジット線に接続さ
れたメモリセルと、デジット線の電位をフィードバック
する帰還回路を含み、前記帰還回路により前記デジット
線の電位を所定電位にするバイアス回路を有してなるセ
ンス回路とを設けてなり、デジット線の電位が前記所定
電位と差が大きいときは、前記帰還回路の利得を大きく
設定し、デジット線の電位が前記所定電位と差が小さい
ときは、前記帰還回路の利得を小さく設定したことによ
り、デジット線の電位が所定電位と差が大きいときはデ
ジット線の電位が所定電位まで急速に立ち上がり、デジ
ット線の電位が所定電位と差が小さいときはデジット線
の電位の変動を抑えることができることから、デジット
線の電位を所定電位まで効率よく立ち上げることがで
き、且つ前記デジット線の電位の安定化を図ることがで
きる。
【0048】また、本出願第10の発明の半導体記憶装
置は、本出願第9の発明の半導体記憶装置であって、前
記バイアス回路が電源電圧側にPチャネルトランジスタ
及びNチャネルトランジスタを並列に備えてなることを
特徴とする。
【0049】本出願にいう検出電位とは、メモリセルの
記憶データを検出するために設定された、デジット線の
所定電位である。Pチャネルトランジスタは、一般に、
電流の微小変化に対する電流供給能力の変化が小さいた
め負荷抵抗が大きくなることにより、出力電位の振幅が
大きくなるため、出力電位を所定の電位まで高速に引き
上げることができる。一方、Nチャネルトランジスタ
は、ゲートから出力される電流の微小変化に対する負荷
抵抗が小さいことから出力電位の振幅が小さいので、出
力電位が所定電位に到達したのち出力電位を一定に保持
することができるため、出力電位の安定化を図ることが
できる。以上により、上記構成を有する本出願第10の
発明の半導体記憶装置によると、前記バイアス回路が、
電源電圧側にPチャネルトランジスタ及びNチャネルト
ランジスタを並列に備えてなることにより、まずPチャ
ネルトランジスタからの電流が主に流れるようにし、出
力される電位が検出電位に到達したらNチャンネルトラ
ンジスタからの電流が主に出力されるようにすること
で、デジット線の電位を効率よく立ち上げることがで
き、且つデジット線の電位の安定化を図ることができ
る。さらに、このようなトランジスタの切り替えを行う
のは一般に困難であるうえ、たとえ外部からの切り替え
信号を送信することで前記切り替えが可能であったとし
ても、前記外部からの切り替え信号が原因によるノイズ
の発生が問題となる。しかしながら、本出願第8の発明
の半導体記憶装置によると、バイアス回路において、外
部からの切り替え信号なしに、デジット線の電位に応じ
て前記トランジスタの切り替えが実行されることによ
り、読出し電位に影響を与えることなくすみやかに前記
切り替えが行われるため、出力される検出電位の安定化
を図ることができる。
【0050】また、本出願第11の発明は、本出願第6
の発明乃至本出願第10何れか1の発明の半導体記憶装
置であって、ワード線及び基準デジット線に接続された
基準セルと、バイアス回路よりも大きな電流供給能力を
有し、前記基準デジット線に対して所定電流を供給し前
記基準セルからの読出しデータに基づき基準電位を形成
する基準バイアス回路と、前記検出電位と前記基準電位
とを比較して前記メモリセルの記憶データを検出するデ
ータ検出回路とを設置してなることを特徴とする。
【0051】上記構成を有する本出願第11の発明の半
導体記憶装置によると、ワード線及び基準デジット線に
接続された基準セルと、バイアス回路よりも大きな電流
供給能力を有し、前記基準デジット線に対して所定電流
を供給し前記基準セルからの読出しデータに基づき基準
電位を形成する基準バイアス回路と、前記読出し電位と
前記基準電位とを比較して前記メモリセルの記憶データ
を検出するデータ検出回路とを設置してなることによ
り、検出電位を基準電位に対する電位の大小で記憶デー
タの内容を判断するので、検出電位を低く設定すること
ができるため、半導体記憶装置全体の省電力化を図るこ
とができる。
【0052】また、本出願第12の発明は、本出願第6
の発明乃至本出願第11何れか1の発明の半導体記憶装
置であって、前記デジット線の電位がグランド電位付近
のときは前記Pチャネルトランジスタからの電流が前記
Nチャネルトランジスタからの電流より大きく、前記デ
ジット線の電位が所定電位にあるときは前記Nチャネル
トランジスタの電流が前記Pチャネルトランジスタから
の電流より大きくなるよう、前記Pチャネルトランジス
タ及び前記Nチャネルトランジスタが設定されてなるこ
とを特徴とする。
【0053】上記構成を有する本出願第12の発明の半
導体記憶装置によると、前記デジット線の電位がグラン
ド電位付近のときは前記Pチャネルトランジスタからの
電流が前記Nチャネルトランジスタからの電流より大き
く、前記デジット線の電位が所定電位にあるときは前記
Nチャネルトランジスタの電流が前記Pチャネルトラン
ジスタからの電流より大きくなるよう前記Pチャネルト
ランジスタ及び前記Nチャネルトランジスタが設定され
てなることにより、デジット線の電位を所定電位まで効
率よく立ち上げることができ、且つデジット線の電位の
安定化を図ることができる。さらに、このようなトラン
ジスタの切り替えを行うのは一般に困難であるうえ、た
とえ外部からの切り替え信号を送信することで前記切り
替えが可能であったとしても、前記外部からの切り替え
信号が原因によるノイズの発生が問題となる。しかしな
がら、本出願第12の発明の半導体記憶装置によると、
外部からの切り替え信号なしに、デジット線の電位に応
じて前記トランジスタの切り替えが実行されることによ
り、検出電位に影響を与えることなくすみやかに前記切
り替えが行われるため、出力される検出電位の安定化を
図ることができる。
【0054】また、本出願第13の発明は、本出願第6
の発明乃至本出願第12何れか1の発明の半導体記憶装
置であって、前記バイアス回路、若しくは前記バイアス
回路及び前記基準バイアス回路の入力にセンスアンプ動
作許可信号を用いることを特徴とする。
【0055】上記構成を有する本出願第13の発明の半
導体記憶装置によると、前記バイアス回路、若しくは前
記バイアス回路及び前記基準バイアス回路の入力にセン
スアンプ動作許可信号を用いることで、センシングを行
うときだけセンスアンプ動作許可信号を入力することに
より回路を作動させることでセンシングを行うことによ
り、回路全体の省電力化を行うことができる。
【0056】また、本出願第14の発明は、所定電位を
被バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流
を検出するバイアス回路において、特性の異なる1対の
スイッチ部を有し、前記所定電位を基準として前記1対
のスイッチ部を切り替えて作動させる帰還回路を有して
なることを特徴とするバイアス回路である。
【0057】本願にいう1対のスイッチ部とは、前記所
定電位を基準として切り替えて作動するものであり、1
対のスイッチ部のうち一方がバイアス回路の電位を急速
に立ち上げる機能を有し、バイアス回路の電位が所定電
位に到達したらもう一方のスイッチ部に切り替わり、も
う一方のスイッチ部がバイアス回路の電位を所定電位に
安定化させる機能を有するものである。上記構成を有す
る本出願第14の発明のバイアス回路によると、特性の
異なる1対のスイッチ部を有し、前記1対のスイッチ部
を電圧の変動に応じて切り替えて作動させる帰還回路を
有してなることにより、1対のスイッチ部のうちの1つ
をはじめに作動させたのちに、設定された所定電位を基
準としてもう一方のスイッチ部に自動的に切り替えて作
動させることで、電位を効率よく立ち上げることがで
き、且つ前記所定電位の安定化を図ることができる。
【0058】また、本出願第15の発明のバイアス回路
は、本出願第14の発明のバイアス回路であって、前記
スイッチ部がトランジスタであることを特徴とする。
【0059】上記構成を有する本出願第15の発明のバ
イアス回路によると、前記スイッチ部がトランジスタで
あることにより、1対のトランジスタのうちの1つをは
じめに作動させて速やかに所定電位まで立ち上げること
ができるうえ、設定された所定電位を基準としてもう一
方のトランジスタに速やかに切り替えて作動させること
ができるため、電位を所定電位まで効率よく立ち上げる
ことができ、且つ前記所定電位の安定化を図ることがで
きる。
【0060】また、本出願第16の発明のバイアス回路
は、所定電位を被バイアス回路に出力して被バイアス回
路に流れる電流を検出するバイアス回路において、前記
被バイアス回路に供給する電位が前記所定電位に満たな
いとき、バイアス供給能力を高めて前記被バイアス回路
に電力を供給するバイアス立上げ手段と、前記被バイア
ス回路に供給する電位が前記所定電位に達したとき、所
定電位変動の影響を抑制して前記被バイアス回路に所定
電位を供給するバイアス安定化手段とを備えてなること
を特徴とする。
【0061】上記構成を有する本出願第16の発明のバ
イアス回路によると、前記被バイアス回路に供給する電
位が前記所定電位に満たないとき、バイアス供給能力を
高めて前記被バイアス回路に電力を供給するバイアス立
上げ手段と、前記被バイアス回路に供給する電位が前記
所定電位に達したとき、所定電位変動の影響を抑制して
前記被バイアス回路に所定電位を供給するバイアス安定
化手段とを備えてなることにより、バイアス立上げ手段
により被バイアス回路への出力電位を所定電位へと急速
に立ち上げたのちにバイアス安定化手段により変動を抑
えられ所定電位で保持されるため、前記電位を所定電位
まで効率よく立ち上げることができ、且つ前記電位の安
定化を図ることができる。
【0062】また、本出願第17の発明のバイアス回路
は、バイアス供給許可信号に応じて所定電位を被バイア
ス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流を検出す
るバイアス回路において、前記バイアス供給許可信号が
アクティブになってから所定時間経過するまで、バイア
ス供給能力を高めて前記被バイアス回路に電力を供給す
るバイアス立上げ手段と、前記バイアス供給許可信号が
アクティブになった期間、所定電位変動の影響を抑制し
て前記被バイアス回路に所定電位を供給するバイアス安
定化手段とを備えてなることを特徴とする。
【0063】上記構成を有する本出願第17の発明のバ
イアス回路によると、前記バイアス供給許可信号がアク
ティブになってから所定時間経過するまで、バイアス供
給能力を高めて前記被バイアス回路に電力を供給するバ
イアス立上げ手段と、前記バイアス供給許可信号がアク
ティブになった期間、所定電位変動の影響を抑制して前
記被バイアス回路に所定電位を供給するバイアス安定化
手段とを備えてなることにより、バイアス立上げ手段に
より被バイアス回路への出力電位を所定電位へと急速に
立ち上げたのちにバイアス安定化手段により変動を抑え
られ所定電位で保持されるため、前記電位を所定電位ま
で効率よく立ち上げることができ、且つ前記電位の安定
化を図ることができる。さらに、前記バイアス供給許可
信号がアクティブになった期間のみ回路を作動させるこ
とで、回路全体の省電力化を行うことができる。
【0064】また、本出願第18の発明のバイアス回路
は、バイアス供給許可信号に応じて所定電位を被バイア
ス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流を検出す
るバイアス回路において、前記被バイアス回路に供給す
る電位と所定の電位との差信号を検出するバイアス電位
検出手段と、前記バイアス電位検出手段が検出した差信
号に応じて出力電圧を決定するバイアス安定化手段と、
前記バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バ
イアス回路に出力するバイアス出力手段と、前記バイア
ス電位検出手段が検出した差信号が所定値以上あること
を検出して前記バイアス出力手段の電力供給能力を高め
るバイアス立上げ手段とを備えてなることを特徴とす
る。
【0065】上記構成を有する本出願第18の発明のバ
イアス回路によると、前記被バイアス回路に供給する電
位と所定の電位との差信号を検出するバイアス電位検出
手段と、前記バイアス電位検出手段が検出した差信号に
応じて出力電圧を決定するバイアス安定化手段と、前記
バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バイア
ス回路に出力するバイアス出力手段と、前記バイアス電
位検出手段が検出した差信号が所定値以上あることを検
出して前記バイアス出力手段の電力供給能力を高めるバ
イアス立上げ手段とを備えてなることにより、バイアス
電位検出手段により被バイアス回路への出力電位を所定
電位へと急速に立ち上げたのちにバイアス安定化手段に
より変動を抑えられ所定電位で保持されるため、前記電
位を所定電位まで効率よく立ち上げることができ、且つ
前記電位の安定化を図ることができる。さらに、バイア
ス出力手段により前記バイアス安定化手段の出力が電力
増幅されて前記被バイアス回路に出力されるため、回路
全体の効率化及び安定化を図ることができる。
【0066】また、本出願第19の発明のバイアス回路
は、バイアス供給許可信号に応じて所定電位を被バイア
ス回路に出力して被バイアス回路に流れる電流を検出す
るバイアス回路において、前記被バイアス回路に供給す
る電位と所定の電位との差信号を検出するバイアス電位
検出手段と、前記バイアス電位検出手段が検出した差信
号に応じて出力電圧を決定するバイアス安定化手段と、
前記バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バ
イアス回路に出力するバイアス出力手段と、前記バイア
ス供給許可信号がアクティブになってから所定時間経過
するまでの期間に起動信号を出力するタイマと、前記タ
イマが起動信号を出力している期間に前記バイアス出力
手段の電力供給能力を高めるバイアス立上げ手段とを備
えてなることを特徴とする。
【0067】上記構成を有する本出願第19の発明のバ
イアス回路によると、前記被バイアス回路に供給する電
位と所定の電位との差信号を検出するバイアス電位検出
手段と、前記バイアス電位検出手段が検出した差信号に
応じて出力電圧を決定するバイアス安定化手段と、前記
バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バイア
ス回路に出力するバイアス出力手段と、前記バイアス供
給許可信号がアクティブになってから所定時間経過する
までの期間に起動信号を出力するタイマと、前記タイマ
が起動信号を出力している期間に前記バイアス出力手段
の電力供給能力を高めるバイアス立上げ手段とを備えて
なることにより、バイアス電位検出手段により被バイア
ス回路への出力電位を所定電位へと急速に立ち上げたの
ちにバイアス安定化手段により変動を抑えられ所定電位
で保持されるため、前記電位を所定電位まで効率よく立
ち上げることができ、且つ前記電位の安定化を図ること
ができる。さらに、バイアス出力手段により前記バイア
ス安定化手段の出力が電力増幅されて前記被バイアス回
路に出力されるため、回路全体の効率化及び安定化を図
ることができる。また、前記タイマが起動信号を出力し
ている期間に前記バイアス出力手段の電力供給能力を高
めるバイアス立上げ手段とを備えてなることにより、回
路全体の省電力化を図ることができる。
【0068】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明するが、以
下の実施の形態は本発明に係る一例にすぎない。図1
は、本実施の形態に係るバイアス回路400のブロック
図である。本実施の形態におけるバイアス回路400
は、バイアス出力回路41、バイアス電位検出回路4
3、バイアス安定化回路44、及びバイアス立上げ回路
45を有してなる。また、信号線LDi、DIG、FB
を介して出力される電圧をそれぞれ検出電位VDi、バ
イアス電位VDIG、駆動電位VFBとする。また、バ
イアス回路400は、被バイアス回路42及び電流検出
回路46に接続され、バイアス出力回路41より被バイ
アス回路42へ所定のバイアス電位VDIGを供給し
て、被バイアス回路42に流れる電流量を電流検出回路
46で検出する。電流検出回路46は、電流量を電圧V
Diに変換して出力することもできる。
【0069】バイアス電位検出回路43は、バイアス出
力回路41から被バイアス回路42に供給されるバイア
ス電位VDIGを検出し、所定の電位に達していないと
きは、バイアス立上げ回路45を起動してバイアス電位
を急速に立ち上げ、所定の電位に達したときは、バイア
ス安定化回路44を起動してバイアス電位VDIGの変
動を低減する。
【0070】バイアス立上げ回路45は、バイアス電位
VDIGが所定の電位に達していないときは、バイアス
電位検出回路43からの起動信号に基づきバイアス出力
回路41に信号線FBを介してバイアス駆動電位VFB
0を出力する。このバイアス駆動電位VFB0は、バイ
アス出力回路41の出力電圧または出力電流を定常状態
よりも高める働きをする。このため、バイアス回路40
0は、バイアス電位VDIGを急速に所定の電位まで立
ち上げることができる。なお、バイアス立上げ回路45
は、バイアス電位VDIGが所定の電位に達したとき、
その動作を停止させてもよいし、バイアス出力回路41
へのバイアス駆動能力を低下させるようにしてもよい。
【0071】バイアス安定化回路44は、バイアス電位
VDIGが所定の電位に達したとき、バイアス電位検出
回路43を介して帰還されるバイアス電位VDIGを所
定の電位と比較して、バイアス駆動電位VFB1を生成
し、バイアス出力回路41に出力する。ここで、帰還回
路の利得は、バイアス立上げ回路45よりバイアス安定
化回路44の方が小さくなるように設定してある。この
ため、バイアス電位VDIGが何らかの理由により変動
したとき、バイアス安定化回路44から出力されるバイ
アス駆動電位VFB1の変動は小さくなり、バイアス出
力回路41の出力であるバイアス電位VDIGの変動も
小さくなる。なお、バイアス安定化回路44は、バイア
ス電位VDIGが所定の電位に達していないとき、その
動作を停止させていてもよいし、バイアス出力回路41
へのバイアス駆動能力を低下させていてもよい。
【0072】このように、本実施の形態に係るバイアス
回路400は、バイアス出力回路41を駆動する回路と
してバイアス立上げ回路45とバイアス安定化回路44
の2つを設け、バイアス回路の出力電圧であるバイアス
電位VDIGの値によって切り替えるようにした。これ
により、本実施の形態に係るバイアス回路400は、バ
イアス立ち上げの初期及び定常状態において最適な性能
を有する。また、定常状態では、外乱の影響が少なく安
定したバイアス電位VDIGを被バイアス回路42に供
給することが可能であるため、電流検出回路46は、安
定した状態で被バイアス回路42に流れる電流を検出す
ることができる。
【0073】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施の形態に係るバイアス回路401のブロック図で
ある。本実施形態におけるバイアス回路401は、バイ
アス出力回路41、バイアス電位検出回路43、バイア
ス安定化回路47、及びバイアス立上げ回路48、及び
タイマ49等を有してなる。また、信号線LDi、DI
G、FBを介して出力される電圧をそれぞれ検出電位V
Di、バイアス電位VDIG、駆動電位VFBとする。
なお、バイアス出力回路41、バイアス電位検出回路4
3、被バイアス回路42、及び電流検出回路46は、本
発明の第1の実施形態に係るバイアス回路400と同様
であるため、詳細な説明を省略する。
【0074】本実施の形態に係るバイアス回路401
は、バイアス許可信号BEが入力され、バイアス許可信
号BEがアクティブ状態のときのみ被バイアス回路42
にバイアス電位VDIGを供給するようにしたものであ
る。タイマ49は、バイアス許可信号BEがアクティブ
になると所定時間の間、起動信号をバイアス立上げ回路
48に供給する。
【0075】バイアス立上げ回路48は、タイマ49か
ら供給される起動信号にもとづき、バイアス許可信号B
Eがアクティブになってから所定時間の間、バイアス出
力回路41にバイアス駆動電位VFB0を出力する。こ
のバイアス駆動電位VFB0は、バイアス出力回路41
の出力電圧または出力電流を定常状態よりも高める働き
をする。このため、バイアス回路は、バイアス電位VD
IGを急速に所定の電位まで立ち上げることができる。
【0076】バイアス安定化回路47は、バイアス許可
信号BEがアクティブの期間のみ動作する点を除き、本
発明の第1の実施形態のバイアス安定化回路44と同じ
である。なお、バイアス安定化回路47は、タイマ49
が起動信号を出力している期間中は動作を停止させても
よいし、動作させたままでもよい。
【0077】このように、本実施の形態に係るバイアス
回路401は、バイアス出力回路41を駆動する回路と
してバイアス立上げ回路48及びバイアス安定化回路4
7の2つを設け、バイアス許可信号BEがアクティブに
なってから所定の期間はバイアス立上げ回路48を用い
て急速にバイアス電位VDIGを立ち上げるようにし
た。このため、本実施の形態に係るバイアス回路401
はバイアス立ち上げの初期と定常状態において最適な性
能を有する。また、定常状態では、外乱の影響が少なく
安定したバイアス電位VDIGを被バイアス回路42に
供給できるので、電流検出回路46は、安定した状態で
被バイアス回路42に流れる電流を検出することができ
る。
【0078】(第3の実施形態)図3は、本実施の形態
に係るバイアス回路1を示す図である。本実施の形態に
係るバイアス回路1の構成を、図3を参照して説明す
る。バイアス回路1は信号線DLを介して被バイアス回
路42に接続され、所定のバイアス電位VDIGを被バ
イアス回路42に供給する。負荷抵抗7は、所定のバイ
アス電位VDIGを被バイアス回路42に供給したと
き、被バイアス回路42に流れる電流量を検出し、検出
電位VDiとして出力する。ここで、検出電位VDi、
バイアス電位VDIG、駆動電位VFB、及び基準電圧
値VRはそれぞれ、信号線LDi、DL、FB、及びL
Rを介して出力される電圧である。
【0079】バイアス回路1は、帰還回路2及びバイア
ス出力用のNチャネルトランジスタ3、バイアス電位検
出用の比較回路8から構成される。帰還回路2は、バイ
アス電位を検出するNチャネルトランジスタ5と、前記
トランジスタ5の負荷でありバイアス立上げ用のPチャ
ネルトランジスタ4と、前記トランジスタ5の負荷であ
りバイアス安定化用のNチャネルトランジスタ6とを有
してなる。Pチャネルトランジスタ4のソース端は電源
電圧側に接続され、ゲートは比較回路8の出力と接地さ
れ、そのドレイン端はNチャネルトランジスタ3のゲー
ト端と接続されている。Nチャネルトランジスタ6のド
レイン端は電源電圧側に接続され、ゲートは比較回路8
の出力と接地され、そのソース端はトランジスタ3のゲ
ート端と接続されている。また、Nチャネルトランジス
タ5のソース端は接地され、ゲートはトランジスタ3の
ドレイン端に接続され、ドレイン端はNチャネルトラン
ジスタ3のゲートに接続されている。また、Nチャネル
トランジスタ3のドレイン端は負荷抵抗7に接続され、
ソース端は信号線DLを介して被バイアス回路42と接
続されている。
【0080】比較回路8は演算増幅器9と比較電圧11
とからなり、バイアス電位VDIGと比較電圧11の基
準電圧値VRとを比較する。演算増幅器9は、バイアス
電位VDIGが基準電圧値VRより低いときローレベル
を出力し、基準電圧値VRより高いときハイレベルを出
力する。
【0081】バイアス電圧VDIGが所定の電圧VRよ
り低いとき、比較回路8がローレベルを出力するので、
Pチャネルトランジスタ4が導通し、そのドレイン端か
らトランジスタ3のゲートに対して駆動電位VFBを出
力する。Pチャネルトランジスタでの電圧降下は少ない
ので、駆動電位VFBをほぼ電源電圧(Vcc)に到達
するまで引き上げたのち出力する。このため、Nチャネ
ルトランジスタ3は被バイアス回路42に対して駆動能
力を高めることができ、バイアス電位VDIGを所定電
位まで急速に立ち上げることができる。
【0082】バイアス電位VDIGが所定の電圧VRに
達すると、比較回路8がハイレベルを出力するので、P
チャネルトランジスタ4がオフし、Nチャネルトランジ
スタ6が導通し、Nチャネルトランジスタ6のソースよ
りNチャネルトランジスタ3のゲートに対して駆動電位
VFBが出力される。このとき、Nチャネルトランジス
タ5の負荷がPチャネルトランジスタ4になり、かつP
チャネルトランジスタ4のソースに接続されるので、N
チャネルトランジスタ5の負荷インピーダンスはゲート
接地のPチャネルトランジスタ4より小さい。このた
め、バイアス電位VDIGが何らかの理由で外乱を受け
て変動したとしても、Nチャネルトランジスタ5のドレ
インに生ずる駆動電位VFBの変動は小さい。従って、
外乱によってバイアス回路が発振したり、外乱の影響が
収束するのに長時間を要しなくて済む。この結果、負荷
抵抗7は被バイアス回路42に流れる電流量を短時間で
検出できるとともに、外乱などの影響が少なく安定した
検出電位VDiを出力することができる。また、Pチャ
ネルトランジスタ4のサイズを、Nチャネルトランジス
タ6のサイズに制約されることなく大きくすることがで
きるので、設計の自由度が向上するとともに、Nチャネ
ルトランジスタ3の駆動能力を大きくすることができ
る。
【0083】(第4の実施形態)図4は、本実施の形態
に係るバイアス回路1を示す図である。図5は、バイア
ス回路21が設置された、本実施の形態に係る半導体記
憶装置のセンスアンプ回路100を示す図である。図7
は、図4に示されるバイアス回路1の特性と、図12及
び図13に示される従来の半導体記憶装置のセンスアン
プ回路100内に設置されるバイアス回路20の特性と
を示す図である。図7は、図5に示されるバイアス回路
21、図12に示されるバイアス回路20、及び図13
に示されるバイアス回路20内の電位VDion・VD
ioff、及び駆動電位VFBiのプリチャージ過程開
始からの時間変化を示す図である。図8〜図10はそれ
ぞれ、図7における200ns〜250ns、230n
s〜330ns、350ns〜400ns付近の拡大図
である。
【0084】本実施の形態に係るバイアス回路1の構成
を、図4を参照して説明する。バイアス回路1は信号線
DLに接続され、帰還回路2及びNチャネルトランジス
タ3から構成される。バイアス回路1は信号線DLに対
して所定電位を出力する。すなわち、バイアス回路1は
信号線DLを所定電位にする。帰還回路2は、1対の負
荷としてPチャネルトランジスタ4とNチャネルトラン
ジスタ6、及びNチャネルトランジスタ5を有してな
り、信号線DLを所定電位に保持する。Pチャネルトラ
ンジスタ4とNチャネルトランジスタ6は並列に接続さ
れている。また、Pチャネルトランジスタ4のソース端
は、電源電圧側に接続され、そのドレインはNチャネル
トランジスタ6のドレイン端と接続されている。Nチャ
ネルトランジスタ5のソース及びPチャネルトランジス
タ4のゲートは接地されており、Nチャネルトランジス
タ6のゲート及びドレイン端は電源電圧側に接続されて
いる。また、Nチャネルトランジスタ3のドレインは負
荷抵抗7に接続され、信号線DLに流れる電流に比例し
た電圧VDiを信号線LDに出力する。
【0085】次に、本実施の形態に係るバイアス回路1
の動作について説明する。ここで、バイアス回路1の信
号線DLの電位は、当初グランド電位付近であるとす
る。Pチャネルトランジスタ4とNチャネルトランジス
タ6は常に所定の電流を流す状態にある。さらに、Pチ
ャネルトランジスタ4は信号線FBの電位に関わらずソ
ース−ゲート間電圧は一定であるうえ、その電位差は電
源電圧Vcc相当と大きいので、急速にNチャネルトラ
ンジスタ3のゲートを所定の電位まで充電する。ここ
で、Nチャネルトランジスタ3の出力電圧の上限は電源
電圧Vcc程度である。これに伴い、Nチャネルトラン
ジスタ3は信号線DLに大きな充電電流を流すことがで
きるので、そのソース電位、即ち、信号線DLも信号線
FBからNチャネルトランジスタ3の閾値電圧値VTN
分低下した電位VDIGへと高速にプリチャージを行う
ことができる。
【0086】これにより、バイアス回路3は信号線DL
の電位が所定の電位より高くなると、Nチャネルトラン
ジスタ3に流れるドレイン電流が増加し、Nチャネルト
ランジスタ5のドレイン電位であるFBを低くさせると
ともに、Nチャネルトランジスタ3から出力される電圧
も低くさせる。逆に、信号線DLの電位が所定の電位よ
り低くなると、Nチャネルトランジスタ3に流れるドレ
イン電流が減少し、バイアス回路3は、Nチャネルトラ
ンジスタ5のドレイン電位であるFBを高くさせるとと
もに、Nチャネルトランジスタ3から出力される電圧も
高くさせる。この結果、バイアス回路2の出力電圧は、
所定の電圧に収束する。
【0087】以上のような動作がバイアス回路1で繰り
返されることにより、帰還回路2の出力FBが一定電位
に保持されることから、バイアス回路1により信号線D
Lの電位はグランド電位付近から所定電位まで引き上げ
られたのち、所定電位VDiに維持される。
【0088】バイアス回路1において、Pチャネルトラ
ンジスタ4は、ゲート接地増幅回路として動作している
ので、ドレイン電流の微小変化に対するドレイン電圧V
FBの変化が大きい。このため、本実施の形態に係るバ
イアス回路1において、帰還回路2の電源電圧側にPチ
ャネルトランジスタ4及びNチャネルトランジスタ6を
並列に接続し、バイアス回路1の電位がグランド電位に
近い間はPチャネルトランジスタ4からの電流が支配的
になるようにすることにより、Pチャネルトランジスタ
4のドレイン電位を電源電圧に近づけることができるの
で、Nチャネルトランジスタ3のゲート電圧が高くな
り、バイアス回路1の電位をグランド電位から所定の電
位まで引き上げるプリチャージ過程を高速に行うことが
できる。また、Nチャネルトランジスタは一般に負荷抵
抗が小さいので、電流の微小変化に対するバイアス回路
1の出力振幅が小さい。このため、本実施の形態に係る
バイアス回路1において、帰還回路2の電源電圧側にP
チャネルトランジスタ4及びNチャネルトランジスタ6
を並列に接続し、バイアス回路1の電位が定常状態付近
である間はNチャネルトランジスタ6からの電流が主に
出力されるようにすることにより、所定の電位まで引き
上げられたバイアス回路1の電位を安定した状態で維持
することができる。
【0089】また、Pチャネルトランジスタ4及びNチ
ャネルトランジスタ6のゲートを接地電位と電源電位に
それぞれ接続し、所定のドレイン電圧(例えば1.5
V)を印加したときに流れる電流をIP0、IN0とす
る。上記の動作を実行できるように、トランジスタ4,
6のサイズを選定し、IP0:IN0を1:3〜5にす
ることで、バイアス回路1の電位がグランド電位に近い
ときはPチャネルトランジスタ4からの電流が支配的に
なるようにでき、バイアス回路1の電位が安定し所定電
位付近であるときはNチャネルトランジスタ6からの電
流が支配的になるようにすることができる。このよう
に、Pチャネルトランジスタ4及びNチャネルトランジ
スタ6の特性比を設定することにより、外部からの切り
替え信号なしにバイアス回路1の電位に応じてPチャネ
ルトランジスタ4からの電流に比べてNチャネルトラン
ジスタ6の電流が主であるように自動的且つ連続的に変
化するため、バイアス回路1からの出力電位を効率よく
立ち上げることができ且つ所定電位に到達したのちは前
記電位を安定化させることができる。
【0090】次に、図6をもとに図4に示すバイアス回
路1の動作を、図12、図13に示す従来例と比較しな
がら説明する。図6において、曲線“4”、“5”、
“6”はそれぞれ、図4に示すバイアス回路1のPチャ
ネルトランジスタ4、Nチャンネルトランジスタ5、N
チャネルトランジスタ6を単体で測定したときのドレイ
ン−ソース間の電圧VDSとドレイン電流IDとの関係
を示す曲線である。また、“4+6”は、Pチャネルト
ランジスタ4とNチャンネルトランジスタ6を並列接続
して測定したときのドレイン−ソース間の電圧VDSと
ドレイン電流IDとの関係を示す曲線である。また、曲
線“5”は、ゲートに印可される電圧VGSを種々変化
させたときのドレイン−ソース間の電圧VDSとドレイ
ン電流IDとの関係を示している。さらに、図12に示
される従来の半導体記憶装置に設置されるバイアス回路
20内のPチャネルトランジスタ204と、図13に示
される従来の半導体記憶装置に設置されるバイアス回路
20内のNチャネルトランジスタ206とにおけるドレ
イン−ソース間の電圧VDSとドレイン電流IDとの関
係を示す曲線も、それぞれ“204”、“206”とし
て図6に併せて示す。なお、従来例のNチャネルトラン
ジスタ205の特性は、曲線“5”と同じである。
【0091】曲線“6”、“206”は、Nチャネルト
ランジスタ6,206のドレインとゲートに2.7Vの
電圧を印加し、ソースの電圧VDSを0〜2.7Vの範
囲で変化させたときのドレイン電流IDを測定したもの
である。これらNチャネルトランジスタ6、206は、
ソース電位が2.7Vから低下するにつれて、即ちドレ
イン−ソース間の電位差VDSが増加するにつれて、ド
レイン電流IDが増加する。これはダイオード特性に相
当する。
【0092】曲線“5”は、Nチャネルトランジスタ5
のゲートに一定の電圧VGSを印加し、ソースを接地
し、ドレインの電圧VDSを0〜2.7Vの範囲で変化
させたときに流れるドレイン電流IDを測定したもので
ある。図6には、このゲート電圧VGSを種々変化させ
たときの曲線を示している。一般にゲート電圧VGSが
一定であると、トランジスタは定電流特性を示し、ドレ
イン−ソース間の電位差VDSが変化しても、ドレイン
電流IDはさほど変化しないことが分かる。また、ケー
ト電圧VGSが高くなるにつれて、ドレイン電流IDが
増えている。
【0093】曲線“4”、“204”は、Pチャネルト
ランジスタ4のゲートを接地し、ソースに2.7Vを印
加し、ドレインの電圧VDSを0〜2.7Vの範囲で変
化させたときに流れるドレイン電流IDを測定したもの
である。ドレイン電圧VDSが低下するにつれて、ドレ
イン電流IDが増加するが、ゲート電圧VGSが一定
(2.7V)であるので、Pチャネルトランジスタ4、
204は定電流特性を示し、ドレイン−ソース間の電位
差VDSが変化しても、ドレイン電流IDはさほど変化
しないことが分かる。なお、曲線“4”と“204”と
でドレイン電流IDに差があるのは、トランジスタのサ
イズが異なり、電流駆動能力が異なるためである。
【0094】曲線“4+6”は、Pチャネルトランジス
タ4のソース、及びNチャネルトランジスタ6のドレイ
ンとゲートに2.7Vの電圧を印加し、Pチャネルトラ
ンジスタ4のゲートを接地し、Pチャネルトランジスタ
4のドレイン、及びNチャネルトランジスタ6のソース
の電圧VDSを0〜2.7Vの範囲で変化させたとき
に、2つのトランジスタに流れるドレイン電流IDを測
定したものであり、Pチャネルトランジスタ4とNチャ
ネルトランジスタ6にそれぞれ流れるドレイン電流(曲
線“4”と“6”)を加算したものに相当する。これら
トランジスタ4,6は、トランジスタ6,206と同
様、ソース電位が2.7Vから低下するにつれて、即ち
ドレイン−ソース間の電位差VDSが増加するにつれ
て、ドレイン電流IDが増加する。しかし、曲線
“6”、“206”は、ドレイン−ソース間電圧VDS
が2.2V以下にならないとドレイン電流IDが流れ始
めないのに対して、曲線“4+6”は、2.7V以下に
なるとすぐにドレイン電流IDが流れ始めている。これ
は、以下の理由による。即ち、Pチャネルトランジスタ
4は、VDSが2.7Vのときでドレイン−ソース間の
電位差が0Vのときでも、ゲート−ソース間電圧VGS
が2.7Vあるので、ソース電位が2.7Vより小さく
なるとすぐに電流が流れ始める。これに対して、Nチャ
ネルトランジスタ6,206は閾値電圧値VTNを有し
ているため、ゲート電位がソース電位よりVTNだけ高
くならないと、言い換えれば、ドレインとソース間の電
位差がVTN以上にならないとドレイン電流IDが流れ
始めない。このような理由により、曲線“4+6”と
“6”、“206”との間に差が生じている。
【0095】次に、図6を参照して図4に示す帰還回路
2の動作について説明する。Nチャネルトランジスタ5
は、ソース接地型の増幅器として動作しており、ゲート
に入力される入力電圧VDGIを増幅して、負荷トラン
ジスタ4,6に生ずる電圧を出力する駆動電位VFBと
して出力する。このとき、曲線“5”はNチャネルトラ
ンジスタ5の入出力特性を示し、曲線“4+6”はトラ
ンジスタ5の負荷曲線を表している。いま、Nチャネル
トランジスタ5のゲート電圧が曲線“5a”(約2V)
であるとすると、Nチャネルトランジスタ5と4+6に
は同じドレイン電流ID(約230μA)が流れるの
で、Nチャネルトランジスタ5のドレイン電圧は、曲線
“5a”と“4+6”の交点C1の電圧(約1.3V)
になる。同様にして、ゲート電圧が曲線“5b”、“5
c”、“5d”であるとすると、Nチャネルトランジス
タ5のドレイン電圧は、交点C3,C4,C5の電圧に
なる。また、ゲート電圧が曲線“5g”(約1.5V)
であるとすると、ドレイン電流ID(約200μA)が
流れ、Nチャネルトランジスタ5のドレイン電圧は、曲
線“5g”と“4+6”の交点C2の電圧(約1.5
V)になる。
【0096】ここで、Nチャネルトランジスタ3の閾値
電圧値VTNが0Vであるとすると、Nチャネルトラン
ジスタ5のドレイン電圧である駆動電位VFBが、Nチ
ャネルトランジスタ3を介してNチャネルトランジスタ
5のゲートに入力電圧VDGIとして帰還する。例え
ば、ゲート電圧が曲線“5a”であるとき、交点C1の
ドレイン電圧となり、この電圧がNチャネルトランジス
タ3を介してトランジスタ5のゲートに帰還する。この
電圧は先のゲート電圧より低く、曲線“5c”に相当す
るとすると、トランジスタ5のドレイン電圧は交点C4
に移動し、トランジスタ5のドレイン電圧を高くする。
同様に、この電圧がNチャネルトランジスタ3を介して
Nチャネルトランジスタ5のゲートに帰還し、この電圧
が先のゲート電圧より高く、曲線“5g”に相当すると
すると、Nチャネルトランジスタ5のドレイン電圧は交
点C2に移動し、Nチャネルトランジスタ5のドレイン
電圧を低くする。このとき、Nチャネルトランジスタ5
のドレイン電圧とゲート電圧は同じ電圧(約1.5V)
であるので、バイアス回路1はこの動作点C2に落ち着
く。
【0097】いま、バイアス回路1が定常状態にあり、
交点C2で動作しているとき、何らかの理由により、信
号線DLに流れる電流が変動したとする。図12に示す
従来例では、Nチャネルトランジスタ205のドレイン
電圧は、曲線“204”に沿って出力電圧VDIGが変
動し、さらに、曲線“204”のドレイン電流に対する
ドレイン電圧依存性が少ないので、ドレイン電流IDが
わずかに変動しても、出力電圧VDSは大きく変動す
る。これに対して、図13に示す従来例では、Nチャネ
ルトランジスタ205のドレイン電圧は、曲線“20
6”に沿って出力電圧VDIGが変動し、さらに、曲線
“206”が図6上で急速に立ち上がっているので、ド
レイン電流IDがわずかに変動しても、出力電圧VDS
の変動は少ない。本実施の形態例では、負荷変動や外来
ノイズに対する出力変動は、2つの従来例の中間の特性
を示していることが分かる。
【0098】また、バイアス回路1が動作を開始した直
後で、電源電圧Vccが十分立ち上がっていないとする
と、ドレイン−ソース間の電位差は少ない(図6の2.
7V付近)。この状態で、図12に示す従来例では、図
6の曲線“204”に示すように、電位差がわずかに生
ずるだけで、ドレイン電流IDが流れ始める。これに対
して、図13に示す従来例では、図6の曲線“206”
に示すように、ドレイン−ソース間電位差が閾値電圧値
VTN以上にならないと、ドレイン電流IDが流れ始め
ない。このため、図13の従来例では、信号線DLの立
ち上がりが遅くなる。本実施の形態例では、信号線の立
ち上がり特性は、2つの従来例の中間の特性を示してい
ることが分かる。
【0099】次に、バイアス回路21が設置された、本
実施の形態に係る半導体記憶装置のセンスアンプ回路1
00を図5に示す。この半導体記憶装置は、図5に示す
ように、例えば浮遊ゲート型MOSFETをメモリセル
として用いる不揮発性メモリを示すもので、データ格納
用のメモリセルアレイ101と、デジット線DLiをグ
ランド電位GNDから所定電位VDIGに引き上げるこ
とによりこのメモリセルアレイ101からのデータを読
み出すセンスアンプ回路100とを有してなる。前記セ
ンスアンプ回路100は、センス回路10、基準回路1
10、データ検出回路201等から構成される。前記セ
ンス回路10内に、図4に示されるバイアス回路1の構
成要素を含むバイアス回路21を設置する。このセンス
アンプ回路100は、センス回路10とデータ検出回路
201、基準回路110とデータ検出回路201とをそ
れぞれ信号線LDi、LREFを介して接続されてな
る。データ検出回路201は、センス回路10から出力
される検出電位VDiと、基準回路110から出力され
る基準電位VREFとを比較することによりメモリセル
アレイ101内のメモリセル113ji(j=1〜m,
i=1〜n)のデータ内容を読み出し、図示しない出力
バッファを介して記憶データを出力する。なお、図5に
おいては、デジット線DLiに接続されるメモリセル1
13jiの記憶データを読み出すためにワード線WLj
とデジット線DLiが選択され、デジット線DLiの電
位をVDIGまで引き上げる場合を例にとり説明する。
また、センスアンプ回路100以外の図5に示される半
導体記憶装置の構成及び動作(メモリセルアレイ10
1、基準セルアレイ102、カラムセレクタ103等)
は、図12及び図13に示される半導体記憶装置の構成
及び動作とほぼ同様なので詳細な説明は省略する。
【0100】バイアス回路21は、図4に示されるバイ
アス回路1の構成を有してなる。すなわち、バイアス回
路21は、Pチャネルネルトランジスタ4及びNチャン
ネルネルトランジスタ6の1対のトランジスタ、及びN
チャネルネルトランジスタ5を含む帰還回路22と、N
チャネルネルトランジスタ3とから構成される。なお、
本実施の形態に係るバイアス回路1においては、信号線
FBi、DIGi、及びLDiにおける出力電位をそれ
ぞれ駆動電位VFBi、VDIGi、及びVDiとし、
デジット線DLiの電位をVDIGまで引き上げる場合
を例にとり説明する。
【0101】センス回路10は、デジット線DLiに対
して所定電位を供給するバイアス回路21、及び検出電
位VDiを生成する負荷部70から構成され、センスア
ンプ動作許可信号(SAE)30により活性化さる。バ
イアス回路21はデジット線DLiに対して所定電位を
供給し、負荷部70は選択されたメモリセル113ji
からの電流に基づき検出電位VDiを生成する。バイア
ス回路21は、帰還回路22及びNチャネルトランジス
タ3からなる。帰還回路22は、Pチャンネルトランジ
スタ4及びNチャネルトランジスタ6が並列に接続され
てなる1対のトランジスタと、Nチャネルトランジスタ
6と、Pチャネルトランジスタ301及びNチャネルト
ランジスタ302から構成される。Pチャンネルトラン
ジスタ4のソース端は電源電圧側に接続され、そのソー
スはNチャネルトランジスタ5のドレイン端、Nチャネ
ルトランジスタ6のソース、及びNチャネルトランジス
タ302のドレイン端と接続されている。Nチャネルト
ランジスタ5のソース及びNチャネルトランジスタ30
2のソースは接地されている。また、Nチャネルトラン
ジスタ6のドレイン端は、Pチャネルトランジスタ30
1のドレインと接続されており、Pチャネルトランジス
タ301のソース端は電源電圧側に接続され、そのゲー
トはセンスアンプ動作許可信号(SAE)30が入力さ
れる。
【0102】SAE30からの信号は、Pチャネルトラ
ンジスタ4、Nチャネルトランジスタ301のゲートに
入力され、SAEがローレベルのとき、デジット線DL
iにバイアス電位を供給するようバイアス回路21の動
作を許可し、ハイレベルのとき、バイアス回路21の動
作を禁止して、デジット線DLiにバイアス電位を供給
することを停止する。
【0103】また、負荷部70は、Nチャネルトランジ
スタ202からなり、Nチャネルトランジスタ202の
ドレイン端及びゲートは電源電圧側に接続されているた
め、Nチャネルトランジスタ202は常に所定の電流を
流しうる状態にある。帰還回路22からの出力である駆
動電位VFBiは、Nチャンネルトランジスタ3のゲー
トに入力されたのち、ドレインより出力され、デジット
線DLiの電位VDIGを決定する。
【0104】一方、基準回路110は、基準デジット線
DLRに対して所定電位を供給し、基準電位VREFを
生成する回路であり、基準デジット線DLRに対して所
定電位を供給する基準バイアス回路21、及び基準電位
VREFを生成する負荷部170から構成される。前記
基準バイアス回路210及び前記負荷部170は、セン
ス回路10内に設置されるバイアス回路21及び前記負
荷部70と同様の構成を有する。基準バイアス回路21
0は、帰還回路220及びNチャネルトランジスタ13
からなる。帰還回路220は、Pチャネルトランジスタ
14及びNチャネルトランジスタ16からなる1対のト
ランジスタ、Nチャネルトランジスタ15等から構成さ
れ、負荷部170はNチャネルトランジスタ212から
構成される。Nチャネルトランジスタ212は、センス
回路10内のNチャネルトランジスタ202と比較して
サイズが大きいものを用いる。これにより、負荷部17
0は負荷部70よりも抵抗が小さくなるため、基準電位
VREFを中間電位に設定することができる。中間電位
に設定する方法としては、Nチャネルトランジスタ21
2のサイズを変える方法に限定されない。例えば、Nチ
ャネルトランジスタ212のサイズをトNチャネルラン
ジスタ202と同一サイズとして、基準セル111の電
子注入量を調整したり、基準セル111のサイズを調整
して中間電位になるようにしてもよい。
【0105】データ検出回路201は、センス回路10
及び基準回路110に接続され、それぞれ信号線LD
i,LREFにおける電位である検出電位VDiと基準
電位VREFとを比較し、選択されたメモリセル113
jiの記憶データを判定する回路である。このデータ検
出回路201の出力側には、出力バッファ(図示しな
い)等が接続され、記憶データを外部に出力する。
【0106】前述したように、不揮発性メモリのメモリ
セル11311〜113mnは、浮遊ゲートに電子が注
入されているか否かでデータを記憶する。つまり、浮遊
ゲートに電子が注入されたものはゲート(ワード線)が
ハイレベルになっても、そのドレイン電流(オフ電流)
は所定値以下であり、電子を引き抜いたものは、所定値
以上のドレイン電流(オン電流)が流れる。これに対
し、基準セルアレイ102内の基準セル111は電子が
所定量注入されているため、負荷部170に所定の電流
が流れ、中間電位である基準電位VREFを生ずるよう
に設定されている。すなわち、メモリセル113jiの
浮遊ゲートに電子が注入されトランジスタ113jiに
オフ電流が流れる場合は記憶データ“1”に対応し、浮
遊ゲートに電子が引き抜かれていてオン電流が流れる場
合は、記憶データ“0”に対応している。
【0107】さらに、前述したように、基準回路110
における負荷部170のNチャネルトランジスタ212
に生ずる基準電位VREFは、オン電流とオフ電流によ
ってセンス回路10における負荷部70のNチャネルト
ランジスタ202に生ずる電圧の中間電圧になるように
設定されている。すなわち、基準デジット線DLRに流
れる電流によって生ずる電圧を基準電位VREFとし、
デジット線DLiに流れるオン電流と、オフ電流によっ
て生ずる検出電位VDiをそれぞれVDion,VDi
offとした時、データ検出回路201は、VDion
とVDioffがVREFより高いか低いかによって、
記憶データが“1”か“0”かを判定し、図示しない出
力バッファ等に読出したデータを出力している。
【0108】次に、図5に示されるセンスアンプ回路1
00内に設置されるセンス回路10の動作について詳述
する。センス回路10内のバイアス回路21において、
センスアンプ動作許可信号SAE30がローレベルにな
ると、Pチャネルトランジスタ4及びNチャネルトラン
ジスタ301がいずれもオンし、Nチャネルトランジス
タ302はオフする。これにより、信号線FBiの電位
が上昇していく。この場合、前述の理由によりPチャネ
ルトランジスタ4がまず急速に起動することによりPチ
ャネルトランジスタ4からの電流が主にNチャネルトラ
ンジスタ3のゲートに入力され、Nチャネルトランジス
タ3が導通するため、信号線FBiの電位及びデジット
線DLiの電位が上昇する(プリチャージ過程)。この
ため、Nチャネルトランジスタ5のゲート電位であるバ
イアス電位VDIGも上昇し、Nチャネルトランジスタ
5のドレイン電流が増加するため、信号線FBiの駆動
電位VFBiが下降しはじめる。駆動電位VFBiが下
がると、バイアス電位VDIGも下がり、Nチャネルト
ランジスタ5のドレイン電流が減少するので、電位FB
iが上昇する。これらの一連の動作がセンス回路10内
で繰り返されることにより、信号線FBiの電位が所定
のバイアス電位VDIGに収束する。Nチャネルトラン
ジスタ6のゲートは、電源電圧に接続されているので所
定の電流を流しうる状態である。Nチャネルトランジス
タ6のソース電位である駆動電位VFBiが上昇してい
くと、Nチャネルトランジスタ3のゲートを制御する電
圧が、Pチャネルトランジスタ4のドレイン電圧より、
Nチャネルトランジスタ6のソース電圧が主であるよう
に変化していく。すなわち、Nチャネルトランジスタ5
の負荷抵抗が、高抵抗負荷のPチャネルトランジスタ4
から、低抵抗負荷のNチャネルトランジスタ3に切り替
わるので、帰還回路21の制御利得が減少し、デジット
線DLiの負荷変動に対するバイアス電位変化が少なく
なり、安定化する。この帰還回路21によりセンス回路
10のの電位が一定に保たれることで、デジット線DL
iの電位が一定に保持されるとともに、検出電位VDi
がデータ検出回路201に出力される。このとき、基準
バイアス回路210においても、基準デジット線DLR
の電位の引き上げが行われ、基準電位VREFがデータ
検出回路201に出力されるので、データ検出回路20
1において検出電位VDiと基準電位VREFとの電位
差がセンスされる(センス過程)。このセンス工程にお
いて、バイアス回路21においてNチャネルトランジス
タ6が設置されていることにより安定化された検出電位
VDiが得られるため、正確なセンシングを行うことが
可能となる。
【0109】また、上記の動作を実行できるように、図
5のバイアス回路21において、Pチャネルトランジス
タ4及びNチャネルトランジスタ6の特性を、バイアス
回路21から出力されるバイアス電位VDIGがグラン
ド電位GNDに近いときはPチャネルトランジスタ4か
らの電圧が支配的になるように設定し、バイアス回路2
1の出力されるバイアス電位VDIGが安定し、所定電
位付近であるときはNチャネルトランジスタ6からの電
圧が支配的になるように設定する。
【0110】センス回路10内のバイアス回路21にお
いて、センスアンプ動作許可信号SAE30がハイレベ
ルになると、Pチャネルトランジスタ4及びNチャネル
トランジスタ301がいずれもオフし、Nチャネルトラ
ンジスタ302はオンする。これにより、信号線FBi
の電位VFBiの値が約0Vに低下していくとともに、
デジット線の出力されるバイアス電位VDIGも約0V
になる。
【0111】次に、図5に示される半導体記憶装置のセ
ンスアンプ回路100に設置される本実施の形態に係る
バイアス回路21の特性と、図12及び図13に示され
る従来の半導体記憶装置のセンスアンプ回路100内に
設置されるバイアス回路20の特性とを、図8〜図10
に示される図を用いて比較して説明する。図8は、図5
に示されるバイアス回路21、図12に示されるバイア
ス回路20、及び図13に示されるバイアス回路20内
の検出電位VDion・VDioff、駆動電位VFB
iそれぞれの値の、プリチャージ過程開始からの時間変
化を示したものであり、図5に示されるバイアス回路2
1による信号線LDi、FBi、DIGiそれぞれの電
圧値である検出電位VDion・VDioff、駆動電
位VFBiをそれぞれ“A”で示し、図12に示される
バイアス回路10による検出電位VDion・VDio
ff、駆動電位VFBiをそれぞれ“P”で示し、図1
3に示されるバイアス回路20による検出電位VDio
n・VDioff、駆動電位VFBiをそれぞれ“N”
で示す。また、図7には、370ns付近において意図
的に前記回路にノイズVNを印可した結果、電源電圧V
ccの変化、データ検出回路201の変化が示されてい
る。図8〜図10はそれぞれ、図7における200ns
〜250ns、230ns〜330ns、350ns〜
400ns付近の拡大図である。
【0112】図7に示すように、図5、図12、図13
に示すセンスアンプ回路100にて、センスアンプ動作
許可信号SAE30がローレベルになると、帰還回路4
0、22においてバイアス回路20、21をグランド電
位から所定電位まで立ち上げるプリチャージ過程が開始
され、時間の変化に伴い検出電位VDion・VDio
ff、駆動電位VFBiは一定電位に安定化していき、
一定に保持される。電位が安定化すると検出電位VDi
がデータ検出回路201に出力されセンシングが行われ
る。また、図7においては、365ns付近で、意図的
にノイズを印可して耐ノイズ性を確認した。また、記憶
データが“0”と“1”の場合の検出電位VDion、
VDioffの変化を図7に示す。
【0113】図7における200ns〜250ns付近
を拡大した図8を参照して、これらのバイアス回路の特
性について説明する。“A”で示される本実施の形態に
係る図5のバイアス回路21の駆動電位VFBiは、
“P”で示される図12のバイアス回路20の駆動電位
VFBiに次いで早く立ち上がる。一方、“N”で示さ
れる図13のバイアス回路20の駆動電位VFBiの立
ち上がりは最も遅い。これに対して、本実施の形態に係
る図5のバイアス回路21は、帰還回路22の電源電圧
側にPチャネルトランジスタ4を用いているため、Pチ
ャネルの特性によりグランド電位から所定の電位までの
立ち上がりが早い。“A”で示される本実施の形態に係
る図5のバイアス回路21の駆動電位VFBiは、
“N”で示される図13のバイアス回路20の駆動電位
VFBiに次いで早く所定の電位に収束する。一方、
“P”で示される図12のバイアス回路20の駆動電位
VFBiの収束は最も遅い。これに対して、本実施の形
態に係る図5のバイアス回路21は、帰還回路22の電
源電圧側にNチャネルトランジスタ6を用いているた
め、Nチャネルの特性により所定電位への収束が早い。
【0114】次に、検出電位VDion・VDioff
について説明する。SAE30がローレベルになった瞬
間は、トランジスタ202がオン、トランジスタ203
がオフしているので、検出電位VDiは1.5V程度あ
るが、トランジスタ203が導通すると、急に低下して
0.7V程度になる。デジット線DLiが所定の電位に
落ち着くと、215ns付近より、メモリセル113j
iに電流が流れ始める。記憶データが“1”のメモリセ
ル113にはオン電流が流れるため、検出電位VDio
nは0.9V付近に収束する。記憶データが“0”のメ
モリセル113にはオフ電流が流れるため、検出電位V
Dioffは1.8V付近まで上昇する。
【0115】図8の検出電位VDioffに示すよう
に、“A”で示される本実施の形態に係る図5のバイア
ス回路21の検出電位VDioffは、“P”で示され
る図12のバイアス回路20の電位VDioffに次い
で早く立ち上がる。一方、“N”で示される図13のバ
イアス回路20の電位VDioffの立ち上がりは最も
遅い。また、“P”で示される図12のバイアス回路2
0の電位VDioffは早く立ち上がるが、オーバーシ
ュートしているので、所定の電位に収束する時間は
“N”の場合と同様最も遅い。これに対して、本実施の
形態に係る図5のバイアス回路21は、帰還回路22の
電源電圧側にNチャネルトランジスタ6とPチャネルト
ランジスタ4を用いているため、所定電位への立ち上が
りと収束が早い。
【0116】次に、図7における230ns〜330n
s付近を拡大した図9を参照して、これらのバイアス回
路の特性について説明する。図9において“S”で示さ
れる直線は、定常状態で安定化したときの駆動電位VF
Biの値を示す。図9によると、“A”で示される本実
施の形態に係るバイアス回路21の駆動電位VFBi
は、時間変化に伴い“S”で示される直線に最も近い状
態で安定化していくことが確認できる。これに対して、
“N”で示す従来例は収束するのに時間がかかり、また
“P”で示す従来例はアンダーシュートしたのちに所定
の電位“S”に収束するので“N”同様時間がかかって
いる。
【0117】以上に示したように、本実施の形態に係る
バイアス回路21は、出力電位を所定電位まで立ち上げ
たのち前記電位を速やかに安定化させることができる。
【0118】次に、図8における350ns〜400n
s付近を拡大した図10を参照して、これらのバイアス
回路の特性について説明する。図10には、検出電位V
Dion・VDioff、駆動電位VFBiがそれぞれ
一定電位に安定化した365ns付近での図7の拡大図
を示す。図10は各バイアス回路に意図的にノイズを印
可したのちの検出電位VDiの経時変化を示している。
図10に示すように、“A”で示される本実施の形態に
係る図5のバイアス回路21の検出電位VDiは、
“N”で示される図13のバイアス回路20の検出電位
VDiに次いで早く安定化する。一方、“P”で示され
る図12のバイアス回路20の検出電位VDiは、ノイ
ズ印加からの復帰が大きく遅れていることがわかる。以
上の結果により、本実施の形態に係る図5のバイアス回
路21は、帰還回路2の電源電圧側にNチャネルトラン
ジスタを用いているため、Nチャネルの特性により所定
の電位が速やかに安定化する。以上示したように、本実
施の形態に係るバイアス回路21は、ノイズ等の外乱が
あっても、検出電位VDiの変動が少なく、速やかに安
定化し所定の電位に収束することができる。
【0119】以上のように、図4に示されるバイアス回
路1、及び図5に示されるバイアス回路21が設置され
てなる半導体記憶装置のセンスアンプ回路100を示し
たが、本実施の形態に係るバイアス回路が設置されるの
はセンスアンプ回路に限定されるものではなく、出力す
る電位を急速に立ち上げ、定常状態に到達したら電圧を
安定化させて一定電位を維持し出力するための回路であ
って、出力に流れる電流を検出する回路であればよく、
センスアンプ回路に限定されない。
【0120】(第5の実施形態)次に、本発明の別の実
施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図11
は、本実施の形態に係るバイアス回路31が設置され
た、半導体記憶装置内のセンスアンプ回路100を示す
図である。
【0121】図11に示されるセンスアンプ回路100
に設置されるバイアス回路31は、図4に示されるバイ
アス回路1の構成を含むものであるが、図5に示される
バイアス回路21と比較して、Pチャネルトランジスタ
301、311の代わりに、インバータ304、314
が設けられている点が異なる。その他の部分は、図5に
示されるセンスアンプ回路100の構成とほぼ同様であ
る。
【0122】センス回路10内のバイアス回路31にお
いて、センスアンプ動作許可信号SAE30がローレベ
ルになと、Pチャネルトランジスタ4及びNチャネルト
ランジスタ6がいずれもオンになり、信号線FBiの電
位が上昇していく。この場合、Pチャンネルトランジス
タ4がまず急速に起動することによりPチャネルトラン
ジスタ4が主にNチャネルトランジスタ3のゲートを制
御し、Nチャネルトランジスタ3がオンになるため、信
号線FBiの電位及びデジット線DLiの電位VDIG
が上昇する(プリチャージ過程)。さらに、Nチャネル
トランジスタ5のゲートの電位が上昇し、Nチャネルト
ランジスタ5に電流が流れるため、信号線FBiの駆動
電位VFBiが下降しはじめる。駆動電位VFBiが下
降すると、電位VDIGも下降し、トランジスタ5のド
レイン電流を減少させるので駆動電位VFBiが上昇
し、デジット線の電位VDIGを上昇させる。これらの
一連の動作がバイアス回路31内で繰り返されることに
より、信号線FBiの電位が所定電位VDIGに到達す
る。Nチャネルトランジスタ6のゲートはSAE30を
反転した信号に接続されているので、SAE30がロー
レベルのとき、ハイレベルが供給されており、Nチャネ
ルトランジスタ6のソース電位が下がると、Nチャネル
トランジスタ3のゲートに供給される電圧が、Pチャネ
ルトランジスタ4に比べ、Nチャネルトランジスタ6の
方が主であるように変化していく。この帰還回路21に
より、Nチャネルトランジスタ3の電位が一定に保たれ
ることで、デジット線DLiの電位が一定に保持される
とともに、検出電位VDiがデータ検出回路201に出
力される。このとき、基準バイアス回路においても、基
準デジット線DLRの電位の引き上げが行われ、基準電
位VREFがデータ検出回路201に出力されるので、
データ検出回路201において検出電位VDiと基準電
位VREFとの電位差がセンスされる(センス過程)。
このセンス過程において、Nチャネルトランジスタ6に
より安定化された検出電位VDiが得られるため、正確
なセンシングを行うことが可能となる。以上の説明で
は、浮遊ゲート型MOSFETを例に説明したが、マス
クROMやEPROM等、所定のバイアスを印加してメ
モリセルに流れる電流を検出することで記憶データを読
み出すタイプの半導体記憶装置に適用することができ
る。
【0123】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るバイア
ス回路によると、特性の異なる1対のスイッチ部を有
し、前記1対のスイッチ部を電圧の変動に応じて切り替
えて作動させる帰還回路を有してなることにより、1対
のスイッチ部のうちの1つをはじめに作動させたのち
に、設定された所定電位を基準としてもう一方のスイッ
チ部に自動的に切り替えて作動させることで、電位を効
率よく立ち上げることができ、且つ前記所定電位の安定
化を図ることができる。
【0124】また、本発明に係るバイアス回路による
と、特性の異なる1対のトランジスタを有し、前記1対
のトランジスタを電圧の変動に応じて切り替えて作動さ
せる帰還回路を有してなることにより、1対のトランジ
スタのうちの1つをはじめに作動させたのちに、電圧の
変動に応じてもう一方のトランジスタに自動的に切り替
えて作動させることで、電位を効率よく立ち上げること
ができ、且つ立ち上げられた後の前記電位の安定化を図
ることができる。
【0125】また、本発明に係るバイアス回路による
と、前記被バイアス回路を所定電位付近に急速に立ち上
げるバイアス立上げ手段と、前記被バイアス回路が所定
電位付近に到達するとともに作動し、前記被バイアス回
路の電位変動を低減するバイアス安定化手段とを備えて
なることにより、バイアス立上げ手段により所定電位へ
と急速に立ち上げられた被バイアス回路への出力電位
が、バイアス安定化手段により変動を抑えられ所定電位
で保持されるため、前記電位を所定電位まで効率よく立
ち上げることができ、且つ前記信号線の電位の安定化を
図ることができる。
【0126】また、本発明に係るバイアス回路による
と、前記被バイアス回路に供給する電位が前記所定電位
に満たないとき、バイアス供給能力を高めて前記被バイ
アス回路に電力を供給するバイアス立上げ手段と、前記
被バイアス回路に供給する電位が前記所定電位に達した
とき、所定電位変動の影響を抑制して前記被バイアス回
路に所定電位を供給するバイアス安定化手段とを備えて
なることにより、バイアス立上げ手段により被バイアス
回路への出力電位を所定電位へと急速に立ち上げたのち
にバイアス安定化手段により変動を抑えられ所定電位で
保持されるため、前記電位を所定電位まで効率よく立ち
上げることができ、且つ前記電位の安定化を図ることが
できる。
【0127】また、本発明に係る半導体記憶装置による
と、デジット線を所定電位付近に急速に立ち上げる第1
の手段と、デジット線が所定電位付近に到達するととも
に作動し、デジット線の電位変動を低減する第2の手段
とを前記バイアス回路の電源電圧側に備えてなることに
より、第1の手段により所定電位へと急速に立ち上げら
れたデジット線の電位が、第2の手段により変動を抑え
られ所定電位に保持されるため、デジット線の電位を所
定電位まで効率よく立ち上げることができ、且つ前記デ
ジット線の電位の安定化を図ることができる。
【0128】また、本発明に係る半導体記憶装置による
と、ワード線及びデジット線に接続されたメモリセル
と、デジット線の電位をフィードバックする帰還回路を
含み、前記帰還回路により前記デジット線の電位を所定
電位にするバイアス回路を有してなるセンス回路とを設
けてなる半導体記憶装置において、デジット線の電位が
所定電位と差が大きいときは、前記帰還回路の利得を大
きく設定し、デジット線の電位が所定電位と差が小さい
ときは、前記帰還回路の利得を小さく設定したことによ
り、デジット線の電位が所定電位と差が大きいときはデ
ジット線の電位が所定電位まで急速に立ち上がり、デジ
ット線の電位が所定電位と差が小さいときはデジット線
の電位の変動を抑えることができることから、デジット
線の電位を所定電位まで効率よく立ち上げることがで
き、且つ前記デジット線の電位の安定化を図ることがで
きる。さらに、外部からの切り替え信号なしにバイアス
回路の状態に応じて前記トランジスタの切り替えが実行
されるので、出力電位に影響を与えることなく前記切り
替えが行われるため、初期と定常状態でそれぞれに最適
な動作状態を得ることができる。また、ゲート接地型P
チャネルトランジスタのソースを電源電圧に接続する
と、前記トランジスタのドレイン電圧は電源電圧まで出
力することができる。このため、信号線を駆動するトラ
ンジスタのゲート電圧を高電位にすることができるの
で、信号線を高速に所定の電位まで立ち上げることがで
きる。一方、ドレイン接地型Nチャネルトランジスタ
は、ゲートが電源電圧に接続されているので、帰還電圧
の微小変化に対する出力電位の振幅が小さく、出力電位
が所定電位に到達したのち出力電位を一定に保持するこ
とができる。このため、出力される電位の安定化を図る
ことができ、ノイズ耐性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るバイアス回
路を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係るバイアス回
路を示す図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係るバイアス回
路を示す図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態に係るバイアス回
路を示す図である。
【図5】 本実施の第4の形態に係るバイアス回路を含
む半導体記憶装置のセンスアンプ回路を示す図である。
【図6】 図5に示される半導体記憶装置のセンスアン
プ回路に設置される本実施の形態に係るバイアス回路の
特性と、図12及び図13に示される従来の半導体記憶
装置のセンスアンプ回路に設置されるそれぞれのバイア
ス回路の特性とを比較した図である。
【図7】 図5に示されるバイアス回路、図12に示さ
れるバイアス回路、及び図13に示されるバイアス回路
内の検出電位VDion・VDioff、及び駆動電位
VFBiの時間変化を示す図である。
【図8】 図7における200ns〜250ns付近の
拡大図である。
【図9】 図7における230ns〜330ns付近の
拡大図である。
【図10】図7における350ns〜400ns付近の
拡大図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るバイアス回
路が設置された、半導体記憶装置のセンスアンプ回路を
示す図である。
【図12】従来の半導体記憶装置内に設置されるセンス
アンプ回路の一構成例を示す図である。
【図13】従来の半導体記憶装置内に設置されるセンス
アンプ回路の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
1、20、21、31、120、210、310、40
0、401 バイアス回路 2、22、32、40、140、220、320 帰
還回路 3、5、6、13、15、16、202、203、20
5、212、213、215、216、217、30
2、312、313 Nチャネルトランジスタ 208、218、304、314 インバータ 4、14、214、301、311、314 Pチャネルトランジスタ 7 負荷抵抗 8 比較回路 9 増幅回路 10 センス回路 11 基準電位 110 基準回路 70、170 負荷部 100 センスアンプ回路 201 データ検出回路 101 メモリセルアレイ 102 基準セルアレイ 103 カラムセレクタ 104 行デコーダ 105 列デコーダ 106、107 MOSFET 111、113 メモリセル 30、130 センスアンプ動作許可信号(SAE) 41 バイアス出力回路 42 被バイアス回路 43 バイアス電圧検出回路 44、47 バイアス安定化回路 46 電流検出回路 45・48 バイアス立上げ回路 49 タイマ BE バイアス許可信号 DL、DIG、DIGi、DIGR、LD、LDi、L
REF、FB、FBi、FBR 信号線 DL1〜DLn、DLR デジット線 ID ドレイン電流 Vcc 電源電圧 VD、VDi 検出電位 Vo、VD0 電位 VDIG、VDIGi、VDIGR バイアス電位 VDS ドレイン−ソース間電圧 VFB、VFBi、VFBR 駆動電位 VFB0、VFB1 バイアス駆動電位 VN ノイズ VREF 基準電位 VR 基準電圧値 VTN 閾値電圧値 WL1〜WLm、WLR ワード線

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定電位を被バイアス回路に出力して被バ
    イアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路におい
    て、 特性の異なる1対のトランジスタを有し、 前記1対のトランジスタを被バイアス回路の電圧変化に
    応じて切り替えて作動させる帰還回路を有してなること
    を特徴とするバイアス回路。
  2. 【請求項2】所定電位を被バイアス回路に出力して被バ
    イアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路におい
    て、 特性の異なる1対のトランジスタを有し、 前記所定電位を基準として前記1対のトランジスタを切
    り替えて作動させる帰還回路を有してなることを特徴と
    するバイアス回路。
  3. 【請求項3】特性の異なる1対のトランジスタが、Pチ
    ャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタであっ
    て、前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトラン
    ジスタが並列に接続されてなることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載のバイアス回路。
  4. 【請求項4】所定電位を被バイアス回路に出力して被バ
    イアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路におい
    て、 前記被バイアス回路を所定電位付近に急速に立ち上げる
    バイアス立上げ手段と、 前記被バイアス回路が所定電位付近に到達するとともに
    作動し、前記被バイアス回路の電位変動を低減するバイ
    アス安定化手段とを備えてなることを特徴とするバイア
    ス回路。
  5. 【請求項5】前記バイアス立上げ手段としてPチャネル
    トランジスタを用い、 前記バイアス安定化手段としてNチャネルトランジスタ
    を用い、 前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジス
    タが並列に接続されてなることを特徴とする請求項4に
    記載のバイアス回路。
  6. 【請求項6】ワード線及びデジット線に接続されたメモ
    リセルと、 前記デジット線に対して所定電位を供給し、選択された
    前記メモリセルからの読出しデータに基づき検出電位を
    形成するバイアス回路を有してなるセンス回路とが設け
    られてなる半導体記憶装置において、 デジット線を所定電位付近に急速に立ち上げる第1の手
    段と、 デジット線が所定電位付近に到達するとともに作動し、
    デジット線の電位変動を低減する第2の手段とを前記バ
    イアス回路に備えてなることを特徴とする半導体記憶装
    置。
  7. 【請求項7】ワード線及びデジット線に接続されたメモ
    リセルと、 前記デジット線に対して所定電位を供給し、選択された
    前記メモリセルからの読出しデータに基づき検出電位を
    形成するバイアス回路を有してなるセンス回路とが設け
    られてなる半導体記憶装置において、 デジット線を所定電位付近に急速に立ち上げる第1の手
    段と、 デジット線を所定電位付近に到達させたのち、デジット
    線の電位変動を最小限に止める第2の手段とを前記バイ
    アス回路の電源電圧側に備えてなることを特徴とする半
    導体記憶装置。
  8. 【請求項8】第1の手段としてPチャネルトランジスタ
    を用い、 第2の手段としてNチャネルトランジスタを用い、 前記Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジス
    タが並列に接続されてなることを特徴とする請求項6又
    は請求項7に記載の半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】ワード線及びデジット線に接続されたメモ
    リセルと、 デジット線の電位をフィードバックする帰還回路を含
    み、前記帰還回路により前記デジット線の電位を所定電
    位にするバイアス回路を有してなるセンス回路とを設け
    てなる半導体記憶装置において、 デジット線の電位が前記所定電位と差が大きいときは、
    前記帰還回路の利得を大きく設定し、 デジット線の電位が前記所定電位と差が小さいときは、
    前記帰還回路の利得を小さく設定したことを特徴とする
    半導体記憶装置。
  10. 【請求項10】前記バイアス回路が、電源電圧側にPチ
    ャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタを並列
    に備えてなることを特徴とする請求項9に記載の半導体
    記憶装置。
  11. 【請求項11】ワード線及び基準デジット線に接続され
    た基準セルと、 バイアス回路よりも大きな電流供給能力を有し、 前記基準デジット線に対して所定電流を供給し前記基準
    セルからの読出しデータに基づき基準電位を形成する基
    準バイアス回路と、 前記検出電位と前記基準電位とを比較して前記メモリセ
    ルの記憶データを検出するデータ検出回路とを設置して
    なることを特徴とする請求項6乃至請求項10に記載の
    半導体記憶装置。
  12. 【請求項12】前記デジット線の電位がグランド電位付
    近のときは前記Pチャネルトランジスタからの電流が前
    記Nチャネルトランジスタからの電流より大きく、 前記デジット線の電位が所定電位にあるときは前記Nチ
    ャネルトランジスタの電流が前記Pチャネルトランジス
    タからの電流より大きくなるよう前記Pチャネルトラン
    ジスタ及び前記Nチャネルトランジスタが設定されてな
    ることを特徴とする請求項6乃至請求項11何れか1項
    に記載の半導体記憶装置。
  13. 【請求項13】前記バイアス回路、若しくは前記バイア
    ス回路及び前記基準バイアス回路の動作をセンスアンプ
    動作許可信号により制御することを特徴とする請求項6
    乃至請求項12に記載の半導体記憶装置。
  14. 【請求項14】所定電位を被バイアス回路に出力して被
    バイアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路にお
    いて、 特性の異なる1対のスイッチ部を有し、前記1対のスイ
    ッチ部を電圧の変動に応じて切り替えて作動させる帰還
    回路を有してなることを特徴とするバイアス回路。
  15. 【請求項15】前記スイッチ部がトランジスタであるこ
    とを特徴とする請求項14に記載のバイアス回路。
  16. 【請求項16】所定電位を被バイアス回路に出力して被
    バイアス回路に流れる電流を検出するバイアス回路にお
    いて、 前記被バイアス回路に供給する電位が前記所定電位に満
    たないとき、バイアス供給能力を高めて前記被バイアス
    回路に電力を供給するバイアス立上げ手段と、 前記被バイアス回路に供給する電位が前記所定電位に達
    したとき、所定電位変動の影響を抑制して前記被バイア
    ス回路に所定電位を供給するバイアス安定化手段とを備
    えてなることを特徴とするバイアス回路。
  17. 【請求項17】バイアス供給許可信号に応じて所定電位
    を被バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電
    流を検出するバイアス回路において、 前記バイアス供給許可信号がアクティブになってから所
    定時間経過するまで、バイアス供給能力を高めて前記被
    バイアス回路に電力を供給するバイアス立上げ手段と、 前記バイアス供給許可信号がアクティブになった期間、
    所定電位変動の影響を抑制して前記被バイアス回路に所
    定電位を供給するバイアス安定化手段とを備えてなるこ
    とを特徴とするバイアス回路。
  18. 【請求項18】バイアス供給許可信号に応じて所定電位
    を被バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電
    流を検出するバイアス回路において、 前記被バイアス回路に供給する電位と所定の電位との差
    信号を検出するバイアス電位検出手段と、 前記バイアス電位検出手段が検出した差信号に応じて出
    力電圧を決定するバイアス安定化手段と、 前記バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バ
    イアス回路に出力するバイアス出力手段と、 前記バイアス電位検出手段が検出した差信号が所定値以
    上あることを検出して前記バイアス出力手段の電力供給
    能力を高めるバイアス立上げ手段とを備えてなることを
    特徴とするバイアス回路。
  19. 【請求項19】バイアス供給許可信号に応じて所定電位
    を被バイアス回路に出力して被バイアス回路に流れる電
    流を検出するバイアス回路において、 前記被バイアス回路に供給する電位と所定の電位との差
    信号を検出するバイアス電位検出手段と、 前記バイアス電位検出手段が検出した差信号に応じて出
    力電圧を決定するバイアス安定化手段と、 前記バイアス安定化手段の出力を電力増幅して前記被バ
    イアス回路に出力するバイアス出力手段と、 前記バイアス供給許可信号がアクティブになってから所
    定時間経過するまでの期間に起動信号を出力するタイマ
    と、 前記タイマが起動信号を出力している期間に前記バイア
    ス出力手段の電力供給能力を高めるバイアス立上げ手段
    とを備えてなることを特徴とするバイアス回路。
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