JP2000151728A - 復調方法及び装置、並びにクロック再生方法 - Google Patents

復調方法及び装置、並びにクロック再生方法

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JP2000151728A
JP2000151728A JP32667298A JP32667298A JP2000151728A JP 2000151728 A JP2000151728 A JP 2000151728A JP 32667298 A JP32667298 A JP 32667298A JP 32667298 A JP32667298 A JP 32667298A JP 2000151728 A JP2000151728 A JP 2000151728A
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clock
detection signal
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level period
circuit
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JP32667298A
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Akihiro Muraishi
明裕 村石
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Devices For Checking Fares Or Tickets At Control Points (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検波信号同期用のクロックの低速化をはか
る。 【解決手段】 伝送信号として、同一極性の連続が短い
所定方式の符号を用い、クロックで当該伝送信号の検波
信号をサンプリングすることによりサンプリングデータ
を得て、前記クロックと当該サンプリングデータを論理
演算した結果に基づいて、前記検波信号のハイレベルが
連続するハイレベル期間と、ローレベルが連続するロー
レベル期間とを求め、前記符号の所定方式とこれらハイ
レベル期間とローレベル期間との対比から、前記検波信
号を前記クロックに同期するように再生し、再生検波信
号として出力することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は復調方法及び装置に
関し、たとえばマンチェスタ符号のように同一極性の連
続が短い方式の符号を伝送信号として用いる通信機器な
どで、受信した信号を復調する場合に用いて好適なもの
である。
【0002】また、本発明は、かかる復調装置において
使用され得るクロック再生方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来のこの種のクロック再生装置として
は、実公平7−1869号公報に記載されたもの(実用
新案登録 第2084164号)がある。
【0004】ETC(Electric Toll Collection:自
動料金収受)システムなどの無線データ通信では、伝送
路を有効利用するために、送信側の装置は送信データだ
けを送信し、当該送信データに対応するクロックの送信
は行わない。したがって、受信側装置においてこのクロ
ックを再生する必要がある。そのために用いられるの
が、当該クロック再生装置である。
【0005】この公報に記載されたクロック再生の原理
に基づいて、クロック再生用のDPLL(Digital Pha
se Locked Loop)であるクロック再生装置10を、図
2に示す。
【0006】図2において、位相比較部11は検波部
(図示せず)から供給される検波信号(ア)の位相と、
当該クロック再生装置10が出力する再生クロック
(イ)の位相とを比較し、再生クロック(イ)にくらべ
て検波信号(ア)の位相が進んでいる場合には、進み信
号(ウ)を信号進みカウンタ12に送出し、反対に検波
信号(ア)の位相が遅れている場合には、遅れ信号
(エ)を信号遅れカウンタ13に送出する。
【0007】ここで、検波信号(ア)はNRZ符号であ
る。
【0008】信号進みカウンタ12は、進み信号(ウ)
の供給が連続して所定回数繰り返されると、当該位相の
進みに関する位相情報を出力する。同様に信号遅れカウ
ンタ13は、遅れ信号(エ)の供給が連続して所定回数
繰り返されると、当該位相の遅れに関する位相情報を出
力する。信号進みカウンタ12および信号遅れカウンタ
13について、前記所定回数は、たとえば2〜3回とす
る。
【0009】これらの位相情報を受け取ると、ホールド
回路14は、次のあらたな位相情報が供給されるまでそ
の位相情報を保持し、当該位相情報に応じた出力を送出
することで、可変分周回路15を制御する。このホール
ド回路14は、前記位相情報に応じて変化する出力のほ
かに、所定の基準となる出力をもっている。
【0010】ホールド回路14の出力としては、たとえ
ば可変分周回路15の分周比4を与える前記基準出力
と、再生クロック(イ)の周波数を高くしたいときに前
記分周比として3を与える出力と、再生クロック(イ)
の周波数を低くしたいときに前記分周比として5を与え
る出力の、合計3種類の出力が可能であるものとする。
【0011】可変分周回路15は、マスタクロック発生
部16が生成する一定周期のマスタクロックを、ホール
ド回路14の制御に応じて異なる分周比で分周して出力
する。マスタクロックの周波数は、データ伝送速度の6
4倍程度が普通なので、たとえばデータ伝送速度として
1024Kbpsを用いるETCシステムでは、65.53
6MHzとなる。
【0012】可変分周回路15のこのような出力クロッ
クは、ホールド制御回路17と固定分周回路18に供給
される。
【0013】当該出力クロックを受け取った固定分周回
路18は、これを一定不変の分周比で分周し、再生クロ
ック(イ)として出力する。そしてこの再生クロック
(イ)が、当該受信側装置内の復調部などで利用され
る。固定分周回路18の分周比としては16程度が一般
的である。
【0014】一方、ホールド制御回路17は、変化した
分周比で分周したクロックを一定回数計測すると、前記
ホールド回路14の出力を基準となる前記分周比4を与
える出力に切替える。このホールド制御回路17の動作
は、クロック再生装置10の動作の安定化に寄与する。
【0015】また、同じ進み信号や、遅れ信号の入力が
連続して所定回数繰り返されてはじめて、前記信号進み
カウンタ12と信号遅れカウンタ13で、当該位相の進
みや遅れに関する位相情報を出力するようにしたのも、
位相修正制御が頻繁に行われ過ぎて結果的にクロック再
生が不安定になることを防止し、クロック再生装置10
の動作を安定化するためである。
【0016】このようなクロック再生装置10を用いる
ことにより、可変分周回路15の分周比は4を中心に、
再生クロック(イ)が検波信号(ア)にくらべて遅れ位
相であれば3に、進み位相であれば5に切替えられて、
検波信号(ア)と再生クロック(イ)が同期し、送信デ
ータに対応したクロックを再生することができる。
【0017】理想的な定常状態においては、位相比較回
路11による遅れ判定と進み判定が交互に繰り返され
て、前記所定回数を超えず、分周比4による分周が継続
される。このとき、受信した情報(前記送信データ)の
識別ができる状態、すなわち同期状態になっている。
【0018】クロック再生装置10の出力する再生クロ
ック(イ)を利用する復調装置20を図3に示す。復調
装置20は、前記復調部の一部をなす。
【0019】図4において、検波信号(ア)と再生クロ
ック(イ)は同期していないが、クロック再生装置10
とエッジ動作するDフリップフロップ21(図3)のは
たらきによって、同期データ出力(オ)と再生クロック
(イ)は同期化する。
【0020】すなわち、図3に示すように、Dタイプフ
リップフロップ21のD入力に当該検波信号(ア)を、
CK入力に再生クロック(イ)を供給することにより、
当該再生クロック(イ)の立上がりタイミングで、D−
FF21のQ出力から同期データ出力(オ)が得られ
る。
【0021】復調装置20によれば、たとえばフェージ
ングなどの影響により、検波信号(ア)の位相が変化し
ても、その変化に追従した再生クロック(イ)を出力す
ることができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記のような
クロック再生装置10は、データの伝送速度の64倍と
いう高速なマスタクロックを必要とするために、消費
電力の増大の問題、クロック信号の高調波成分が無線
機の受信回路などに混入して悪影響を与える問題、こ
のの問題に対処できたとしても、このように高速なク
ロックを使用することはそれ自体が回路設計上の大きな
制約になるなど、多くの問題をもたらしていた。
【0023】一方、もともと1024kbpsという高い
伝送速度を要求するETCシステムにおいて、マンチェ
スタ符号などを用いる場合、実質的なデータ伝送速度
は、倍加されて2048kbpsになる。そしてこのとき
クロック再生装置10内のマスタクロックは131.0
72MHz(本来のデータ伝送速度1024kbpsの1
28倍に相当)を必要とする。
【0024】クロックパルス間隔にして約7.6nsに
相当するこの周波数は、標準的な論理回路1段あたりで
数ns〜十数ns程度の遅延、数ns程度のセットアッ
プ時間、ホールド時間を要する論理回路にとって、回路
設計上、実装上きわめて重大な障害となる。
【0025】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、第1の本発明では、伝送信号を受信し検波して得
られる検波信号と、受信側装置内で生成するクロックと
を同期化する復調方法において、(1)前記の伝送信号
として、同一極性の連続が短い所定方式の符号を用い、
(2)前記クロックで前記検波信号をサンプリングする
ことによりサンプリングデータを得て、(3)前記クロ
ックと当該サンプリングデータを論理演算した結果に基
づいて、前記検波信号のハイレベルが連続するハイレベ
ル期間と、ローレベルが連続するローレベル期間とを求
め、(4)前記符号の所定方式とこれらハイレベル期間
とローレベル期間との対比から、前記検波信号を前記ク
ロックに同期するように再生し、再生検波信号として出
力することを特徴とする。
【0026】また、第2の発明では、伝送信号を受信し
検波して得られる検波信号と、受信側装置内で生成する
クロックとを同期化する復調装置において、(1)前記
の伝送信号として、同一極性の連続が短い所定方式の符
号を用いる場合、(2)前記クロックで前記検波信号を
サンプリングすることによりサンプリングデータを得る
サンプリング手段と、(3)前記クロックと当該サンプ
リングデータを論理演算した結果に基づいて、前記検波
信号のハイレベルが連続するハイレベル期間と、ローレ
ベルが連続するローレベル期間とを求める連続長検出手
段と、(4)前記符号の所定方式とこれらハイレベル期
間とローレベル期間との対比から、前記検波信号を前記
クロックに同期するように再生し、再生検波信号として
出力する再生手段とを備えることを特徴とする。
【0027】さらに、第3の発明では、伝送信号を受信
し検波して得られる検波信号に同期したクロックを、受
信側装置内で再生して出力するクロック再生方法におい
て、(1)前記の伝送信号として、同一極性の連続が短
い所定方式の符号を用い、(2)前記クロックで前記検
波信号をサンプリングすることによりサンプリングデー
タを得て、(3)前記クロックと当該サンプリングデー
タを論理演算した結果に基づいて、前記検波信号のハイ
レベルが連続するハイレベル期間と、ローレベルが連続
するローレベル期間とを求め、(4)前記検波信号のハ
イレベル期間とローレベル期間の変動幅及び前記所定方
式の符号に対応して、複数の細密分周比を予め用意して
おき、(5)前記ハイレベル期間及びローレベル期間に
応じて、異なる細密分周比で分周された前記クロックを
選択出力することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 以下、本発明にかかる復調方法及び装置、並びにクロッ
ク再生方法を、ETCシステムに適用した場合を例に、
本発明の第1〜第3の実施形態について説明する。
【0029】第1〜第3の実施形態は、通常はクロック
周波数の増加をもたらすマンチェスタ符号化を巧みに活
用することによって、使用するクロック周波数を低減し
ながら検波信号の同期化を実現するものである。
【0030】なお、ETCシステムとは、高速道路な
ど、有料道路の料金所における車両の一時停止を不要に
することを目的とするシステムで、料金所側に設置され
ている路上装置と、車両に搭載されている課金装置との
あいだの無線交信により、通行料の課金を行うものであ
る。
【0031】(A−1)第1の実施形態の構成および動
作 本実施形態の復調装置30を図1に示す。図1は、上述
した図3に相当する図である。
【0032】ETCシステムにおいて、この復調装置3
0は、料金所の路上装置側と自動車側の双方の無線通信
機器の受信部に搭載されている。なお、ETCシステム
では、変調方式としてASK(Amplitude−Sift Keyin
g)方式が、符号方式としてマンチェスタ符号が用いら
れる。
【0033】マンチェスタ符号とは、直流成分を含まな
い直流平衡符号の一種で、図5(B)に示すような形状
を持つ。図5(A)に示す通常のNRZ(Non Return
toZero)符号の1ビットの中間点で符号の極性を反転
させることにより、NRZ符号をマンチェスタ符号に変
換することができる。したがってマンチェスタ符号の極
性反転密度はNRZ符号よりも大きくなる。
【0034】図5(A)および(B)において、たとえ
ば、NRZ符号左端のハイレベルの1ビットであるパル
スP1に対応するのは、マンチェスタ符号左端のハイレ
ベルの1パルスMP1およびローレベルMG1の左半分
であり、NRZ符号のローレベルの1ビットであるグラ
ウンドG1に対応するのは、前記MG1の右半分および
パルスMP2の左半分である。以降の期間についても同
様である。
【0035】ハイレベルを“1”、ローレベルを“0”
と書くと、NRZ符号“1”はマンチェスタ符号“1
0”に対応し、NRZ符号“0”はマンチェスタ符号
“01”に対応する。NRZ符号の1ビット期間の中間
点に対応する時間位置では必ずマンチェスタ符号の極性
が反転されている。
【0036】したがってたとえば、図5(A)のG2〜
G4のようにNRZ符号の同一極性が連続する期間で
も、マンチェスタ符号では図5(B)のMG2、MP
3、MG3、MP4、MG4のように極性反転が繰り返
される。
【0037】このことは、マンチェスタ符号では、NR
Z符号の2倍のクロック速度が必要になることを意味す
るとともに、NRZ符号をマンチェスタ符号に変換する
ことで、NRZ符号の同一極性が連続する期間に含まれ
得る直流成分を除去できることを意味する。
【0038】NRZ符号からマンチェスタ符号への変換
は、小規模な論理回路だけで実現することができる。
【0039】また、マンチェスタ符号の隣接する極性反
転点のあいだのパターン(反転点間パターン)に着目す
ると、前記パルスMP3のような短い“1”とMP2の
ような長い“1”、およびグラウンドMG3のような短
い“0”とMG1のような長い“0”の合計4種類しか
存在しないことがわかる。
【0040】以後、短い“1”を[1]、長い“1”を
[11]と書き、短い“0”を[0]、長い“0”を[0
0]と書くものとする。
【0041】一方で、ETCシステムに限らず、通信機
器の受信部では、受信信号の極性反転だけを手掛かりと
してデータを認識し、解析するので、図2のクロック再
生装置10のようにNRZ符号を用いる場合には、直流
成分を除去するためにスクランブルコード化やビットイ
ンターリーブなどの方法を講じる必要がある。
【0042】スクランブルコード化の場合、送信側で
は、PN符号(Pseudo Noise Code)発生器から出力
されるPN符号と送信データとを、XOR(排他的論理
和)ゲートの入力端子に供給する。PN符号はもともと
連続信号成分(直流成分)を含みにくいので、NRZ符
号の送信データ系列に同一極性が長く連続する直流期間
があっても、当該期間に対応するPN符号系列の極性反
転によって送信する信号(XOR出力)の極性は反転す
る。
【0043】この信号を受信する受信部では、前記と同
一のPN符号とこの信号とをXORゲートに入力するこ
とによって、送信されたNRZ符号のデータ系列をXO
Rゲートの出力として復元することができる。
【0044】一方、ビットインターリーブの場合、送信
側では、ひとまず送信データ系列をマトリクス形式のバ
ッファメモリに順次書き込み、次に読み出してから無線
送信する。このとき書き込みはマトリクスの行方向に行
い、読み出しは列方向に行うことで、NRZ符号である
送信データ系列にバースト的に長く連続する直流部分が
あっても、当該直流部分はビット単位に細かく分割され
て無線送信される信号中に分散される。すなわち、ビッ
ト単位でインターリーブが行われる。
【0045】同一のマトリクス形式のバッファメモリを
備えている受信側機器の受信部ではこれとまったく逆の
操作を行うことにより、送信されたNRZ符号のデータ
系列を復元することができる。
【0046】送信信号の符号としてNRZ符号を用いる
場合、スクランブルコード化やビットインターリーブな
どの方法を講じれば、回路規模が増大し、高いクロック
周波数が必要となる。反対にこれらの方法を講じなけれ
ば、手掛かりの極性反転を検出できない受信部は、デー
タ解析を正常に行うことができず、最悪の場合、データ
を受信しているのかどうかさえ正確に検出できない可能
性がある。
【0047】図1において、マンチェスタ符号の検波信
号(カ)は前段の包絡線検波器でASK受信波形から取
り出された包絡線である。具体的には、まずASK受信
波形を整流し、負の波形部分を切り取り、最後にローパ
スフィルタで波形をなめらかにすることによって、検波
信号(カ)が得られる。
【0048】検波信号(カ)は、当該受信部における波
形復元のための全ての処理を受けた結果として得られる
信号であるが、まだ受信部内のクロックと同期していな
い。この同期のための処理を行うのが、当該復調装置3
0である。
【0049】受信部内、復調装置30の最前段に配置さ
れているサンプリング回路31は、Dタイプフリップフ
ロップ(D−FF)で構成されている。D−FF31の
D入力には、当該復調装置30の入力端子31Aを介し
て検波信号(カ)が供給され、CK入力には周波数2
0.48MHzの原発振クロックを生成、出力する原振
クロック発生部32の出力端子が接続されている。
【0050】前記D−FF31は、D入力、CK入力、
Q出力、Q出力のすべてが正論理動作なので、D入力端
子に検波信号(カ)のハイレベル“1”が供給されてい
るときにCK入力端子にクロックパルスが供給される
と、クロックパルスのタイミングに同期してQ出力が
“1”になるとともに、Q出力が“0”になる。
【0051】反対に、D入力端子に検波信号(カ)のロ
ーレベル“0”が供給されているときにCK入力端子に
クロックパルスが供給されると、クロックパルスのタイ
ミングに同期してQ出力は“0”になるとともに、Q出
力は“1”になる。
【0052】次段で、D−FF31のQ出力に一方の入
力端子を接続している1連続長カウント回路33は、他
方の入力端子に、前記原振クロック発生部32の出力端
子を接続している。1連続長カウント回路33の内部に
はAND(論理積)回路とカウンタが設けられている。
【0053】このAND回路は、D−FF31のQ出力
と原振クロックとを2つの入力として論理積動作を行
う。そしてAND回路の出力端子に接続されているカウ
ンタがAND回路のハイレベル“1”出力が継続される
期間を、原振クロックのクロックパルス数でカウントす
る。検波信号(カ)1パルスあたりのこのカウント値
は、原振クロックと検波信号(カ)の速度比に依存す
る。
【0054】ETCシステムのデータ伝送速度1024
kbpsは、マンチェスタ符号化によって2倍となるた
め、検波信号(カ)の伝送速度は2048kbpsであ
る。したがって原振クロックの20.48MHzは、検
波信号(カ)のちょうど10倍の速度に相当する。
【0055】このため、雑音などの影響が少ない理想的
な状態ならば、検波信号(カ)のたとえば短い“1”す
なわち[1]に対応するカウント値は10で、長い
“1”すなわち[11]に対応するカウント値は20で
ある。しかしながら実際の検波信号(カ)では、ノイズ
やフェージングなどの影響で、たとえば[1]のカウン
ト値が9になったり11になったりする。
【0056】D−FF31のQ出力と原振クロックを2
つの入力端子に接続している0連続長カウント回路34
は、前記1連続長カウント回路33と同一の構成および
機能を持つ回路である。ただしQ出力を入力としている
ので、0連続長カウント回路34は、検波信号(カ)の
ローレベル“0”の連続長をカウントする。
【0057】検波信号(カ)の1パルス、すなわち
“1”の符号長を判定する1連続長判定回路35は、1
連続長カウント回路33の前記カウント値と、前記原振
クロックとを入力としてこの判定を行う回路である。
【0058】同様に、0連続長判定回路36は、0連続
長カウント回路34のカウント値と、原振クロックとに
基づいて、検波信号(カ)の1グラウンド、すなわち
“0”の符号長を判定する回路である。
【0059】これら1連続長判定回路35および0連続
長判定回路36から符号長判定部37が構成されてい
る。
【0060】上述した[1]のカウント値が9になった
り11になったりする場合を含め、連続長カウント回路
33,34と、連続長判定回路35,36の動作を、次
の表1にしたがって説明する。
【0061】
【表1】 表1において、たとえば1連続長カウント回路33にお
けるカウント値Nが5≦N<15の範囲にある場合、1
連続長判定回路35は、当該カウント値NがN=10で
あるものとみなして、[1]に対応する出力を発生す
る。
【0062】同様に、15≦N<25である場合、1連
続長判定回路35は、当該カウント値NがN=20であ
るものとみなして、[11]に対応する出力を発生す
る。
【0063】0連続長カウント回路34のカウント値N
と0連続長判定回路36の判定動作の関係もこれと同様
である。
【0064】なお、すべてのケースにおいて、N≦5は
ノイズと判定して入力がなかったものとして扱い、また
N≧25は一律にN=20として扱う。
【0065】前記1連続長カウント回路33と0連続長
カウント回路34のカウント値Nのリセット動作は、1
と0の連続長判定回路35,36の出力に基づいて、リ
セット回路38が行う。
【0066】リセット動作を実行するタイミングは極性
反転点の認識方法に依存する。どのような場合に、1、
0連続長判定回路35,36が検波信号(カ)の
“1”、“0”の極性反転点を認識して、当該リセット
動作を行わせるかについては、種々の方法が考えられ
る。
【0067】たとえば1連続長カウント回路33のカウ
ントアップが停止して所定クロック数が経過したとき、
あるいは1連続長カウント回路33のカウントアップが
停止して0連続長カウント回路34のカウントアップが
開始されたときに、1連続長カウント回路33のカウン
ト値をリセットする方法が考えられる。
【0068】本実施形態では、この両者を複合した方
法、すなわち1連続長カウント回路33のカウントアッ
プが停止して所定クロック数(たとえば3クロック程
度)が経過し、なおかつ0連続長カウント回路34のカ
ウントアップが開始されたときに、1連続長カウント回
路33のカウント値を初期値0にリセットするものとす
る。これにより対ノイズ性を向上することができる。
【0069】なお、1連続長カウント回路33のリセッ
トのタイミングは、検波信号(カ)中で、少なくとも次
の1パルス[1]または[11]に対するカウントアッ
プ開始のまえであればいつでもよく、0連続長カウント
回路34のカウントアップ開始よりもあとで行われても
かまわない。
【0070】0連続長カウント回路34のカウント値N
のリセットについても、1連続長カウント回路33のリ
セットと同様である。
【0071】1連続長判定回路35のもう1つの出力
は、“1”連続長の判定結果を示すもので、4入力デー
タ選択切替判断回路41に供給される。この出力には、
前記[1]パターンに対応するものと、前記[11]パ
ターンに対応するものの2種類の状態がある。
【0072】同様に、0連続長判定回路36のもう1つ
の出力にも、[0]に対応するものと、[00]に対応す
るものの2種類の状態があり、いずれか1つが4入力デ
ータ選択切替判断回路41に供給される。
【0073】この4入力データ選択切替判断回路41に
よる選択切替の対象となる4種類の入力パターンは、デ
ータ生成部39で生成される。
【0074】データ生成部39は、その内部に、[1
1]出力回路39A、[00]出力回路39B、[1]
出力回路39C、[0]出力回路39Dの4つのハード
ウエアを備えている。
【0075】[11]出力回路39Aは原振クロックの
供給を受けて、マンチェスタ符号の前記反転点間パター
ン[11]に相当する信号を生成出力する回路である。
ここで生成出力される[11]パターンは、原振クロッ
クの20クロックパルス分に相当する時間幅を持ってい
る。
【0076】同様に、[00]出力回路39Bは前記反
転点間パターン[00]に相当する信号を生成出力し、
[1]出力回路39Cは前記反転点間パターン[1]に
相当する信号を生成出力し、[0]出力回路39Dは前
記反転点間パターン[0]に相当する信号を生成出力す
る回路である。
【0077】符号長判定部37から、[1]、[1
1]、[0]、[00]のいずれかを指定する出力を受
け取った4入力データ選択切替判断回路41は、たとえ
ば[1]の指定に対しては[1]出力回路39Cの出力
信号を選択するなど、出力回路39A〜39Dのいずれ
かを択一的に選択し、当該復調装置30の出力端子41
Aを介して同期データ出力(キ)として後段へ送出す
る。
【0078】前記検波信号(カ)と同じ波形を持ってい
る同期データ出力(復調データ)(キ)は、原振クロッ
クに同期するように、検波信号(カ)の位相を修正した
信号である。
【0079】一方、原振クロック発生部32から出力さ
れる原振クロックは20分周回路40にも供給され、こ
の回路で1/20に分周されて、当該復調装置30の出
力端子40Aを介し、再生クロック出力(ク)として後
段へ送出される。
【0080】周波数1.024MHzであるこの再生ク
ロック出力(ク)は、符号長判定部37やデータ生成部
39と同じ原振クロック発生部32から出力された原振
クロックに基づいて生成されているので、当然に、同期
データ出力(キ)に同期している。
【0081】なお、本実施形態では、再生クロック出力
(ク)そのものは、原振クロックを単に1/20に分周
することで得られているが、検波信号(カ)および同期
データ出力(キ)に含まれる情報系列とクロックとの相
対的なタイミング関係に着目すると、検波信号(カ)の
段階では同期していなかったものが、同期データ出力
(キ)の段階では同期している。したがって、当該復調
装置30は、検波信号(カ)に同期していた送信側のク
ロックを再生しているものとしてとらえることができ、
その意味で、当該復調装置30をクロック再生装置とみ
ることもできる。
【0082】(A−2)第1の実施形態の効果 以上のように本実施形態によれば、データ伝送速度の6
4倍や128倍というような従来必要とされた高速なク
ロックを必要とせず、データ伝送速度の20倍程度のク
ロック周波数で検波信号と受信部のクロックを同期化す
ることができる。
【0083】クロック周波数が低速化したことにより、
従来にくらべて、消費電力の低減を達成でき、クロック
信号の高調波成分が受信回路などに与える悪影響を低減
することができる。また、これにより回路設計上および
実装上の制約が大幅に緩和されて、自由度が増大する。
【0084】(B)第2の実施形態 送信側と受信側のクロック周波数相互間に、あるべき状
態からの時間的なずれが生じた場合、第1の実施形態で
は、送信側クロックに依存する検波信号(カ)に対し、
復調装置30内の原振クロックに依存する再生クロック
出力(ク)および同期データ出力(キ)が、徐々に進ん
だり遅れたりする可能性がある。
【0085】たとえば絶対的な時間幅Tの検波信号
(カ)で伝送される情報量が、同期データ出力(キ)の
なかでは時間幅T+ΔTを要するというような状況が生
じ得る。
【0086】本実施形態は、このような現象が発生し得
る状況を未然に察知し、ずれの方向に応じて、生成する
反転点間パターンとともに再生クロックの分周比を変更
することにより、時間ずれが復調装置の後段まで波及し
ないように補正することを特徴とするものである。すな
わち、検波信号(カ)において時間幅Tで伝送される情
報量は同期データ出力(キ)においても時間幅Tないし
それに近い時間幅で伝送することを特徴とする。
【0087】なお、送信側の発振回路と受信側の発振回
路の発振周波数の相違に基づくこのような現象が発生し
たとしても、受信側では送信側から送られてきたデータ
のビット列を忠実に再現できるため、実害が生じること
は考えにくい。
【0088】しかしながらデータ伝送上は、このような
現象が生じないことが理想であり、ETCシステムも含
め、システムの形態によっては、実害が発生する可能性
も必ずしも低いとは限らないところに、本実施形態を用
いる意義がある。
【0089】(B−1)第2の実施形態の構成および動
作 本実施形態にかかる復調装置50を図6に示す。復調装
置50の構成部分のうち、図1の復調装置30の構成部
分と対応する部分には、同一の符号を付してその詳しい
説明を省略する。
【0090】すなわち、符号31,31A,32,3
3,34,40A,41Aを付した図6中の各構成部分
は、同一符号を付した図1中の各構成部分と同一であ
る。
【0091】また、図6中の検波信号(カ)も図1中の
検波信号(カ)と同じ信号である。
【0092】1連続長カウント回路33の出力端子に接
続されている1連続長判定回路51は、図1に示した1
連続長判定回路35の全機能に加えて、[1]のなかで
も、連続長の短いもの、標準、長いものの3通りの区別
を行う。同様に[11]のなかでも、短、標準、長の3
通りの区別を行う。これらの動作は、次の表2にまとめ
てある。
【0093】
【表2】 表2に示すように、短い“1”すなわち[1]につい
て、1連続長カウント回路33のカウント値Nが、5≦
N<8、8≦N<12、12≦N<15のすべての場
合、符号長判定処理部56内の1連続長判定回路51は
第1の実施形態の1連続長判定回路35と同様に、カウ
ント値NがN=10であるとみなしてその旨を出力す
る。
【0094】これに加えて1連続長判定回路51は、た
とえば当該カウント値Nが9であるとすると、当該N
は、8≦N<12の数値範囲に属するので、前記短、標
準、長のうち、標準に相当するものと判定する。
【0095】すなわち、1連続長判定回路51の出力に
は、[1]または[11]の判定と、短、標準、長の判
定に関する情報が含まれている。
【0096】そしてこのような1連続長判定回路51の
出力を受け取った論理処理部53は、A〜Eの出力信号
線を用いて、再生クロック出力(コ)のパルス間隔(瞬
時速度)を決める3入力切替回路54と、同期データ出
力(復調データ)(ケ)のパルス間隔を決める12入力
選択切替判断回路55の動作を制御する。
【0097】なお、0連続長判定回路52は、当該1連
続長判定回路51と同様な動作を検波信号(カ)の
[0]または[00]のために実行する回路である。1
連続長判定回路51と、0連続長判定回路52と、論理
処理部53とから、前記符号長判定処理部56が構成さ
れている。
【0098】表2において、論理処理部53の出力信号
線A〜Eのうち、信号線D(表2中の右から2番目の
欄)は検波信号(カ)の処理中の部分が、“1”である
か“0”であるかを指定するために用いられる。
【0099】すなわち信号線Dが“1”(ハイレベル)
のとき、検波信号(カ)は“1”であり、信号線Dが
“0”(ローレベル)のとき、検波信号(カ)は“0”
である。
【0100】また、信号線E(表2中の右端の欄)は、
[1]と[11]の区別、または[0]と[00]の区
別を示す。
【0101】たとえば、信号線Dが“1”を指定してい
るとき、信号線Eが“1”ならば検波信号(カ)は[1
1]であり、信号線Eが“0”ならば検波信号(カ)は
[1]である。
【0102】そして信号線A〜Cは、[1]、[1
1]、[0]、[00]それぞれのなかでの、短、標
準、長を示す。
【0103】たとえば前記信号線D、EがDE=“1
0”のとき、ABC=“010”ならば検波信号(カ)
は標準的な連続長の[1]であり、ABC=“100”
ならば検波信号(カ)は短い連続長の[1]であり、A
BC=“001”ならば検波信号(カ)は長い連続長の
[1]である。
【0104】短、標準、長のうち、標準は、当該復調装
置50内の原振クロック発生部32が発生する原振クロ
ックと、送信側のクロックの上述した時間ずれが小さい
ことを意味する。
【0105】そして短は、当該原振クロックを基準とし
てみると、検波信号(カ)の連続長を表わすカウント値
Nが小さいのだから、当該原振クロックが送信側のクロ
ックに比較して遅れる(遅い)方向の時間ずれが生じて
いることを意味する。
【0106】第1の実施形態の復調装置30ならば、時
間幅Tの検波信号(カ)で伝送される情報量を伝送する
ために同期データ出力(キ)の時間幅は、Tより大きな
T+ΔTを要する状態である。
【0107】最後に、長は、当該原振クロックを基準と
してみると、検波信号(カ)の連続長を表わすカウント
値Nが大きいのだから、当該原振クロックが送信側のク
ロックに比較して進む(速い)方向の時間ずれが生じて
いることを意味する。
【0108】第1の実施形態の復調装置30ならば、時
間幅Tの検波信号(カ)で伝送される情報量を伝送する
ために同期データ出力(キ)の時間幅は、Tより小さな
T−ΔTで済むところだが、情報が入力されるまえに出
力することはできないので、やはり時間幅Tを要し、こ
のTのうちのΔTは、伝送される情報を含まない無効な
ビット、あるいは冗長(無効)な時間幅となる。
【0109】したがって、標準の場合はそのまま後段へ
送出してよく、短の場合は、同期データ出力(ケ)の連
続長は短くするとともに再生クロック出力(コ)は速く
なるように分周比を選び、長の場合は、同期データ出力
(ケ)の連続長は長くするとともに再生クロック出力
(コ)は遅くなるように分周比を選ぶ方向に補正を行う
必要がある。
【0110】このような論理処理のほか、論理処理部5
3は、1連続長判定回路51、0連続長判定回路52と
協働して、1連続長カウント回路33および0連続長カ
ウント回路34に対し、第1の実施形態と同じリセット
動作を実行する。
【0111】論理処理部53によって制御される3入力
切替回路54は、19分周回路57、20分周回路5
8、21分周回路59を択一的に選択することで、原振
クロックの分周比を選択し、出力端子40Aから後段へ
送出される再生クロック出力(コ)のパルス間隔を決め
る。
【0112】なお、19分周回路57、20分周回路5
8、21分周回路59はそれぞれ、原振クロックを1/
19、1/20、1/21に分周する。
【0113】送信側と受信側のクロック周波数相互間
に、上述したような時間ずれが生じた場合に、再生クロ
ック(コ)の側面から対応するために、これらの分周回
路57〜59が設けられている。
【0114】たとえば[1]で、カウント値NがN=7
(5≦N<8)の場合、短、標準、長の別は短、すなわ
ちABC=“100”となるが、このABCの情報を受
け取った3入力切替回路54は、19分周回路57の出
力を選択する。
【0115】同様に、短、標準、長の別が標準でABC
=“010”の場合は、3入力切替回路54は、20分
周回路58の出力を選択し、ABC=“001”の場合
は21分周回路59の出力を選択する。
【0116】この選択動作は、[11]、[0]、[0
0]のいずれの場合も同様である。
【0117】一方、ABCに加えて、前記DEの情報も
受け取る12入力選択切替判断回路55は、データ生成
部60から出力される12種類の反転点間パターンを択
一的に選択することで、同期データ(ケ)の側面から上
記時間ずれに対応する。
【0118】データ生成部60は、[1]に対応する出
力回路として、短、標準、長のうち短の反転点間パター
ンを生成出力する1−9カウント出力回路60Aと、標
準の反転点間パターンを生成出力する1−10カウント
出力回路60Bと、長の反転点間パターンを生成出力す
る1−11カウント出力回路60Cとを備えている。
【0119】ここで、1−Xカウント出力回路の「1」
はその出力回路が生成するのがハイレベル信号であるこ
とを示し、「X」はそのハイレベル信号の連続長を原振
クロックのクロックパルス数で示した値である。
【0120】同様に、データ生成部60は、[11]に
対応する出力回路として、短、標準、長のうち短の反転
点間パターンを生成出力する1−19カウント出力回路
60Dと、標準の反転点間パターンを生成出力する1−
20カウント出力回路60Eと、長の反転点間パターン
を生成出力する1−21カウント出力回路60Fとを備
えている。
【0121】さらにデータ生成部60は、[0]に対応
する出力回路としては、短、標準、長のうち短の反転点
間パターンを生成出力する0−9カウント出力回路60
Gと、標準の反転点間パターンを生成出力する0−10
カウント出力回路60Hと、長の反転点間パターンを生
成出力する0−11カウント出力回路60Iとを備えて
いる。
【0122】ここで、0−Xカウント出力回路の「0」
はその出力回路が生成するのがローレベル信号であるこ
とを示し、「X」はそのローレベル信号の連続長を原振
クロックのクロックパルス数で示した値である。
【0123】さらにまた、データ生成部60は、[0
0]に対応する出力回路として、短、標準、長のうち短
の反転点間パターンを生成出力する0−19カウント出
力回路60Jと、標準の反転点間パターンを生成出力す
る0−20カウント出力回路60Kと、長の反転点間パ
ターンを生成出力する0−21カウント出力回路60L
とを備えている。
【0124】各出力回路60A〜60Lは出力信号の連
続長をカウントするために、原振クロック発生部32か
ら原振クロックを受け取っている。
【0125】12入力選択切替判断回路55の選択動作
は、たとえばABCDE=“01010”の場合、標準
の[1]なので、1−10カウント出力回路60Bの出
力を選択する。
【0126】このとき3入力切替回路54では、当該A
BC=“010”を受けて、20分周回路58の出力が
選択されるので、再生クロック(コ)も同期データ出力
(ケ)も標準に対応したパルス間隔(連続長)を持つこ
とになる。
【0127】さらに、たとえばABCDE=“1001
0”の場合、短の[1]なので、12入力選択切替判断
回路55は、1−9カウント出力回路60Aの出力を選
択し、3入力切替回路54はABC=“100”にした
がい19分周回路57の出力を選択する。
【0128】これにより再生クロック(ケ)も同期デー
タ出力(ケ)も短いパルス間隔(短い連続長)を持つこ
とになる。すなわち、当該1反転点間パターンに関する
期間では、同期データ出力(ケ)も再生クロック(コ)
も速くなる。
【0129】同様に、他のケースでも、3入力切替回路
54の選択と、12入力選択切替判断回路55の選択が
連動して行われ、検波信号(カ)のひとつの連続長が、
原振クロック発生部32から出力される原振クロックを
基準としてみた場合、短、標準、長のいずれに属するか
に応じて、送信側と受信側のクロック間の時間ずれが軽
減、補正されるように、送出する同期データ出力(ケ)
および再生クロック出力(コ)のパルス間隔が変更され
る。
【0130】ただし本実施形態では、問題となる時間ず
れの大きさが、20.48MHzの原振クロックについ
て1/19〜1/21の分周範囲でカバーでき、および
1−Xカウント出力回路のカウント値(連続長)9〜1
1または19〜21の範囲でカバーできる限度内である
ことを想定している。時間ずれがもっと大きな場合、十
分な補正を行うためには、分周比の変更範囲や同期デー
タ連続長の変更範囲を拡大する必要がある。
【0131】(B−2)第2の実施形態の効果 以上のように本実施形態では、第1の実施形態とまった
く同様の効果を奏することができる。
【0132】これに加えて、本実施形態では、送信側の
クロックと当該復調装置50の原振クロックのあいだに
時間ずれが存在しても、ある時間幅の検波信号(カ)で
伝送されてきた情報は、ほぼ同じ時間幅の同期データ出
力(キ)で後段に送出することができる。このとき後段
に送出される再生クロック出力(ク)の速度も補正され
るので、後段には、当該時間ずれの影響はまったくおよ
ばない。
【0133】すなわち後段では、当該時間ずれをまった
く意識することなく、当該再生クロック(コ)を用いて
同期データ出力(キ)を処理することが可能である。
【0134】なお、想定している限度を超えた時間ずれ
が生じた場合でも、本実施形態によれば少なくとも、当
該時間ずれの後段への波及効果は軽減される。
【0135】(C)第3の実施形態 本実施形態は、第1の実施形態において専用のハードウ
エア、すなわちデータ生成部39および4入力データ選
択切替判断回路41で担う機能を、ソフトウエアで規定
して、当該ETCシステムのCPU(中央処理装置)に
分担させることにより、ハードウエア量の低減をはかる
ことを特徴とする。
【0136】(C−1)第3の実施形態の構成および動
作 本実施形態にかかる復調装置70を図7に示す。復調装
置70の構成部分のうち、図1の復調装置30の構成部
分と対応する部分には、同一の符号を付してその詳しい
説明を省略する。
【0137】すなわち、符号31,31A,32,3
3,34,35,36,37,38,40,40A,4
1Aを付した図7中の各構成部分は、同一符号を付した
図1中の各構成部分と同一である。
【0138】復調装置70は全体として、図1の復調装
置30とまったく同一の機能を持っているので、図7中
の検波信号(カ)、同期データ出力(キ)、再生クロッ
ク出力(ク)も、図1中の同一符号の各信号とまったく
同じ信号となる。
【0139】図7において、1連続長判定回路35およ
び0連続長判定回路36の出力信号線は、当該ETCシ
ステムのCPU71に内蔵されている汎用の信号入力処
理部71Aに接続されている。
【0140】このCPU71の内部構成はごく一般的な
もので、当該信号入力処理部71Aのほか、割込み処理
部71B、メモリ部71C、汎用の信号出力処理部71
D、演算処理部71E、およびこれらを接続するデータ
バス71Fを含んでいる。
【0141】割込み処理部71Bは原振クロック発生部
32が出力する原振クロックを受け取って、たとえば原
振クロックのクロックパルスの供給タイミングごとに、
演算処理部71Eに割込みをかける。
【0142】これに応じて演算処理部71Eがメモリ部
71Cから読み出したプログラムにしたがい、割込みル
ーチンが実行される。
【0143】当該割込みルーチンでは、1または0連続
長判定回路35,36から信号入力処理部71Aに供給
される情報に応じて、少なくとも[1]などの反転点間
パターンを発生するタイミングであるかどうかが判断さ
れる。
【0144】たとえば1連続長判定回路35から、
[1]または[11]を指定する出力が信号入力処理部
71Aに供給されているときに限り、反転点間パターン
の発生処理が実行される。
【0145】この場合、1連続長判定回路35の出力信
号線35Aは、[1]の指定、[11]の指定、指定無
しの3つの状態を表現しなければならないので、少なく
とも2本の信号線を備える必要がある。
【0146】0連続長判定回路36の出力信号線36A
についても同様である。
【0147】CPU71が反転点間パターンを発生する
ときは、汎用の信号出力処理部71Dから、前記[1
1]、[1]、[00]、[0]の各反転点間パターン
の出力が実行される。
【0148】そして割込み処理部71Bに供給された原
振クロックは、信号出力処理部71Dから出力される
[11]などの反転点間パターンの連続長を決めるため
の基準時間情報としても活用される。
【0149】[11]、[1]、[00]、[0]の各
反転点間パターンは、あらかじめ生成してメモリ部71
Cに格納しておき、各反転点間パターンを信号出力処理
部71Eから出力するタイミングで読み出すようにする
とよい。
【0150】なお、CPU71は当初からETCシステ
ムに搭載されているものであって、本実施形態のために
付加したものではなく、本実施形態のための処理以外の
処理も実行している。
【0151】一般に、現在のCPUの動作クロックは原
振クロック20.48MHzより十分に速いこともあっ
て、原振クロックによる割込みがCPU71に過大な負
荷となることはないと考えられる。
【0152】しかしまた、その一方で、割込みの発生間
隔を長くしてCPU71の負荷を軽減することはシステ
ムにとって有利である。
【0153】たとえば、連続長判定回路35、36の出
力信号線35A、36Aを割込み処理部71Bに接続
し、連続長判定回路35,36の出力で割込みをかける
ことで、CPU71の負荷を軽減することが可能にな
る。
【0154】この場合、割込みの発生頻度は、たとえば
1連続長判定回路35の出力が[1]または[11]を
指定した場合に限られるので、原振クロックで割込む場
合の1/10〜1/20程度になる。
【0155】そしてこの場合には、CPU71が複数レ
ベルの割込み優先度の設定を許容するなら、割込みの優
先度として、原振クロックで割込む場合より高い優先度
を設定するようにするとよい。
【0156】(C−2)第3の実施形態の効果 本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を第
1の実施形態よりも少ないハードウエア量で実現するこ
とができる。
【0157】(D)他の実施形態 以上の第1〜第3の実施形態では、原振クロックの速度
を20.48MHzとしたが、この数値に限定する必要
はない。検波信号(カ)の速度にくらべて十分に速いク
ロック速度であればどのような値でもかまわない。
【0158】また、第2の実施形態では、送信側と受信
側のクロックの時間ずれを短、標準、長の3通りに区別
して検出し、3通りの速度の同期データ出力(ケ)およ
び再生クロック出力(コ)を送出するようにしたが、短
と長の2通りだけにしてもよく、反対にもっと細かく4
通り以上の区別を行うようにしてもよい。
【0159】いずれの場合も、想定している当該時間ず
れの全範囲がカバーできるように、複数の分周比を設定
するとともに、複数の1−Xカウント出力回路のカウン
ト値(すなわち連続長)を設定することを前提とする。
【0160】さらに、第3の実施形態では、CPUとソ
フトウエアを活用することによって第1の実施形態と同
じ機能を少ないハードウエア量で実現したが、同様にし
て、第2の実施形態でもハードウエア量を削減すること
ができる。
【0161】なお、CPUとソフトウエアでカバーする
範囲は、上述したものより狭くてもよく、広くてもよ
い。狭くする場合はたとえば、4入力データ選択切替判
断回路41はハードウエアのままで残し、データ生成部
39の機能だけをCPUとソフトウエアで担うようにし
てもよい。反対に広くする場合には、データ生成部3
9、4入力データ選択切替判断回路41に加えて、たと
えば符号長判定部37なども、CPUとソフトウエアで
置換してもよい。
【0162】また、上記では、ETCシステムを例に説
明したが、他の無線通信システムにおいても本発明を適
用することができる。すなわち変調方式としてはASK
に限らずPSKなども使用でき、符号方式としてはマン
チェスタ符号に限らずCMI(Code Mark Inversionc
ode)符号など他の2値ブロック符号を用いることもで
きる。
【0163】本発明の符号方式としてはまた、直流成分
を含まないいわゆる直流平衡符号であることが特に好ま
しいが、同一極性の連続が短い符号方式であれば採用可
能である。
【0164】また、本発明の適用範囲は無線通信に限ら
ず、ネットワークの有線系など、有線通信にも適用する
ことが期待できる。有線通信でも伝送路の有効利用の必
要性は高く、同期がとりやすい2値ブロック符号の使用
は有利だからである。
【0165】すなわち、本発明は、伝送信号を受信し検
波して得られる検波信号と、受信側装置内で生成するク
ロックとを同期化する場合に、広く適用することができ
る。
【0166】また、本発明は、伝送信号を受信し検波し
て得られる検波信号に同期したクロックを、受信側装置
内で再生して出力するクロック再生方法の発明としてと
らえることもでき、この場合にも広く適用することが可
能である。
【0167】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、受信側装置内で使用するクロックの速度(周波数)
は、伝送信号、検波信号のデータ伝送速度との比でみる
と、従来よりはるかに低速にすることができるため、消
費電力を低減し、クロック信号の高調波成の悪影響を低
減することができる。
【0168】また、回路設計上および実装上の制約が大
幅に緩和されて、自由度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る復調装置を示すブロック
図である。
【図2】従来のクロック再生装置を示すブロック図であ
る。
【図3】従来の復調装置を示すブロック図である。
【図4】従来のクロック再生装置および復調装置の動作
を示すタイミングチャートである。
【図5】NRZ符号とマンチェスタ符号の関係を示す概
略図である。
【図6】第2の実施形態に係る復調装置を示すブロック
図である。
【図7】第3の実施形態に係る復調装置を示すブロック
図である。
【符号の説明】
10…クロック再生装置、20、30、50,70…復
調装置、32…原振クロック発生部、33…1連続長カ
ウント回路、34…0連続長カウント回路、35…1連
続長判定回路、36…0連続長判定回路、39、60…
データ生成部、40,57〜59…分周回路、41…4
入力データ選択切替判断回路、54…3入力切替回路、
55…12入力選択切替判断回路。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送信号を受信し検波して得られる検波
    信号と、受信側装置内で生成するクロックとを同期化す
    る復調方法において、 前記の伝送信号として、同一極性の連続が短い所定方式
    の符号を用い、 前記クロックで前記検波信号をサンプリングすることに
    よりサンプリングデータを得て、 前記クロックと当該サンプリングデータを論理演算した
    結果に基づいて、前記検波信号のハイレベルが連続する
    ハイレベル期間と、ローレベルが連続するローレベル期
    間とを求め、 前記符号の所定方式とこれらハイレベル期間とローレベ
    ル期間との対比から、前記検波信号を前記クロックに同
    期するように再生し、再生検波信号として出力すること
    を特徴とする復調方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の復調方法において、 前記再生検波信号の出力は、前記所定方式の符号に対応
    して予め用意されている所定数のビットパターンを選択
    出力することによって行われることを特徴とする復調方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2の復調方法において、 後段での使用に供するため、前記のクロックを、前記検
    波信号のデータ伝送速度に応じた分周比で分周し、前記
    再生検波信号と共に出力することを特徴とする復調方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3の復調方法において、 前記所定方式の符号に対応して予め用意されている所定
    数のビットパターンの各ビットパターンは、前記検波信
    号のハイレベル期間とローレベル期間の変動幅をも加味
    して細かく設定された複数の細密ビットパターンに対応
    付けされ、 さらに、前記検波信号のデータ伝送速度に応じた分周比
    は、前記検波信号のハイレベル期間とローレベル期間の
    変動幅をも加味して細かく設定された複数の細密分周比
    に対応付けされ、 前記の各ビットパターンに対応する複数の細密ビットパ
    ターンのうちいずれの細密ビットパターンを選択出力し
    たかに応じて、異なる細密分周比で分周された前記クロ
    ックを選択出力することで、当該受信側装置のクロック
    と送信側装置のクロックとの時間ずれを補正することを
    特徴とする復調方法。
  5. 【請求項5】 伝送信号を受信し検波して得られる検波
    信号と、受信側装置内で生成するクロックとを同期化す
    る復調装置において、 前記の伝送信号として、同一極性の連続が短い所定方式
    の符号を用いる場合、 前記クロックで前記検波信号をサンプリングすることに
    よりサンプリングデータを得るサンプリング手段と、 前記クロックと当該サンプリングデータを論理演算した
    結果に基づいて、前記検波信号のハイレベルが連続する
    ハイレベル期間と、ローレベルが連続するローレベル期
    間とを求める連続長検出手段と、 前記符号の所定方式とこれらハイレベル期間とローレベ
    ル期間との対比から、前記検波信号を前記クロックに同
    期するように再生し、再生検波信号として出力する再生
    手段とを備えることを特徴とする復調装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の復調装置において、 前記再生検波信号の出力は、前記所定方式の符号に対応
    して予め用意されている所定数のビットパターンを選択
    出力することによって行われることを特徴とする復調装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6の復調装置において、 後段での使用に供するため、前記のクロックを、前記検
    波信号のデータ伝送速度に応じた分周比で分周し、前記
    再生検波信号と共に出力することを特徴とする復調装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7の復調装置において、 前記所定方式の符号に対応して予め用意されている所定
    数のビットパターンの各ビットパターンは、前記検波信
    号のハイレベル期間とローレベル期間の変動幅をも加味
    して細かく設定された複数の細密ビットパターンに対応
    付けされ、 さらに、前記検波信号のデータ伝送速度に応じた分周比
    は、前記検波信号のハイレベル期間とローレベル期間の
    変動幅をも加味して細かく設定された複数の細密分周比
    に対応付けされ、 前記の各ビットパターンに対応する複数の細密ビットパ
    ターンのうちいずれの細密ビットパターンを選択出力し
    たかに応じて、異なる細密分周比で分周された前記クロ
    ックを選択出力することで、当該受信側装置のクロック
    と送信側装置のクロックとの時間ずれを補正することを
    特徴とする復調装置。
  9. 【請求項9】 伝送信号を受信し検波して得られる検波
    信号に同期したクロックを、受信側装置内で再生して出
    力するクロック再生方法において、 前記の伝送信号として、同一極性の連続が短い所定方式
    の符号を用い、 前記クロックで前記検波信号をサンプリングすることに
    よりサンプリングデータを得て、 前記クロックと当該サンプリングデータを論理演算した
    結果に基づいて、前記検波信号のハイレベルが連続する
    ハイレベル期間と、ローレベルが連続するローレベル期
    間とを求め、 前記検波信号のハイレベル期間とローレベル期間の変動
    幅及び前記所定方式の符号に対応して、複数の細密分周
    比を予め用意しておき、 前記ハイレベル期間及びローレベル期間に応じて、異な
    る細密分周比で分周された前記クロックを選択出力する
    ことを特徴とするクロック再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101192327B1 (ko) 2010-12-16 2012-10-17 국민대학교산학협력단 맨체스터코드용 디코더 및 이의 제어방법과, 이를 포함하는 데이터수신장치
US12009954B2 (en) 2021-11-30 2024-06-11 Stmicroelectronics, Inc. Device and method for decoding data from wireless signals

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JPH04227335A (ja) * 1990-04-19 1992-08-17 British Broadcasting Corp <Bbc> 2進化伝送の方法及び復号器

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