JP2000144494A - 冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法 - Google Patents

冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法

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JP2000144494A JP11206973A JP20697399A JP2000144494A JP 2000144494 A JP2000144494 A JP 2000144494A JP 11206973 A JP11206973 A JP 11206973A JP 20697399 A JP20697399 A JP 20697399A JP 2000144494 A JP2000144494 A JP 2000144494A
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lubricating film
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Naoyuki Kobayashi
直行 小林
Atsushi Moriyama
敦志 森山
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/36Phosphatising

Abstract

(57)【要約】 【課題】スラッジを発生させる事なく、また高い生産性
で、冷間圧造に適した潤滑皮膜を形成する方法を提供す
る。 【解決手段】亜鉛イオン:20〜50g/L、りん酸イ
オン:20〜70g/L、硝酸イオン:30〜80g/
Lを含有する電解液を用いて、金属材料を陰極として、
20〜100A/dm2の電流密度で電解する事により
6〜20g/m2のりん酸塩の化成皮膜を形成し、その
後水系もしくは油系の潤滑剤に接触させる。電解液が亜
硝酸イオン、過酸化水素、塩素イオンの1以上を含有す
る事が好ましく、Mg,Al,Ca,Cr,Fe,N
i,Cuの1以上を含有する事が好ましい。りん酸イオ
ンに対する金属イオンのモル比は0.3〜2が好まし
く、りん酸イオンに対する硝酸イオンのモル比は0.1
〜3が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属の冷間圧造にお
いて、工具と被加工材間に生ずる摩擦を低減し、焼付き
を防止する目的で用いられる金属材料の冷間圧造用の潤
滑皮膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属材料の塑性加工分野では金属
材料表面に化成皮膜を潤滑下地として形成させ、その上
に水系あるいは油系の潤滑剤を用いた潤滑処理により潤
滑皮膜を形成する方法が広く行われている。例えば炭素
鋼や低合金鋼ではりん酸亜鉛、りん酸亜鉛鉄、りん酸亜
鉛カルシウム、りん酸マンガン、りん酸鉄等のりん酸塩
処理が、ステンレス鋼にはしゅう酸塩処理が行われてお
り、アルミニウムにはアルミフッ化物、銅には酸化銅、
チタンには弗化チタンを皮膜の主成分とする化成皮膜処
理がなされている(日本塑性加工学会編;プロセストラ
イボロジー,p56〜62(コロナ社,1993))。
【0003】化成皮膜を形成後、次いで水系、あるいは
油系の潤滑剤を用いて潤滑皮膜を形成させることが一般
に行われている。中でもりん酸塩処理された材料を弱ア
ルカリ性の脂肪酸アルカリ金属塩温水溶液に接触させる
方法を用いると、材料表面にりん酸塩皮膜、金属石け
ん、石けんからなる三層構造の潤滑皮膜(以下、反応型
石けん皮膜と称する)が形成し、反応型石けん処理と称
されている。この反応は下記反応式で示されるもので
ある。 Zn3(PO4)2・4H2O+6C17H35COONa→3(C17H35COO)2Zn+2Na3PO4+4H2O……反応式。
【0004】反応型石けん皮膜は過酷な冷間鍛造におい
ても良好な潤滑性能が得られるため、最も汎用的に用い
られている潤滑皮膜である。反応型石けん処理の一般的
な工程は次のようである。 脱スケール(硫酸、塩酸等による酸洗、あるいはショ
ットブラスト等のメカニカルデスケーリングと硫酸、塩
酸等による酸洗) 水洗 化成皮膜処理 水洗 反応型石けん処理 乾燥。
【0005】しかしながら、従来行われている潤滑皮膜
形成方法は、環境負荷および性能面でいくつかの問題点
がある。以下、これらについて説明する。第一の問題と
してスラッジの発生が挙げられる。例えば鉄系材料のり
ん酸塩処理ではエッチングにより処理液に溶解した第一
鉄イオンを、酸化促進剤の作用によって第二鉄イオンと
し、りん酸鉄スラッジとして系外に取り除くことが一般
に行われ、これがスラッジの発生原因となっている。同
様にしゅう酸塩処理、フッ化物処理、酸化物処理でも大
量のスラッジ発生が伴うため、問題となっており、現
状、スラッジの処分は産業廃棄物業者が引き取って行っ
ている。
【0006】スラッジ対策として、例えば特開平2−1
97581号公報に開示されているように、ニトロ基及
びスルフォン基を有する水溶性芳香族化合物を添加した
処理液を用い、処理温度を低くすることでスラッジを少
なくする方法が開示されている。この方法は有効な方法
であるものの、スラッジの発生量は従来に比べて半減す
る程度であり、さらなる低減が望まれている。
【0007】第二の問題として廃液処理が挙げられる。
ステンレス鋼のしゅう酸塩処理、アルミニウム、銅、チ
タンの化成処理液は処理負荷に伴い、初期と同一性能の
皮膜が生成しなくなるため、処理液の廃棄更新が適時行
われている。このような廃液は排水設備により廃水処理
されるか、設備を持たない生産ラインでは産業廃棄物処
理業者が引き取っている。廃液中には処理された金属材
料に含まれる成分や、脱脂や酸洗等の前処理液成分など
様々な物質を含んでいるため、廃水処理のためには多く
の費用がかかる。また、液の再生方法も考案されていな
いのが現状である。
【0008】第三の問題として、処理温度が挙げられ
る。例えばりん酸塩処理は80℃以上、しゅう酸塩処理
は90℃以上の温度で処理がなされており、その結果、
水蒸気発生による作業環境悪化や設備の腐食、水分蒸発
による生産コストの増加につながっている。処理温度に
ついては、たとえばりん酸塩処理において、前述の特開
平2−197581号公報の方法には低温処理すること
が開示されているが、処理温度を従来の80℃以上か
ら、50〜60℃に下げることは可能となったものの、
さらなる低温化が望まれている。
【0009】第四の問題として、化成処理では対象材料
によって形成可能な潤滑下地皮膜が限定されてしまう点
が挙げられる。例えば酸化銅皮膜や弗化チタン皮膜上に
は前述の反応型石けん皮膜が形成しないことから、極圧
添加剤を添加して潤滑性を向上させた油系潤滑剤や金属
石けんを対象材料表面に塗布して潤滑皮膜を形成させて
いる。しかしながら、これらの潤滑剤の性能は反応型石
けん皮膜に比べて元々劣るものであり、塑性加工におけ
る加工度を大きくすることが出来ないため、潤滑皮膜処
理工程を含む加工回数を増やすことを余儀なくされてい
る。その結果、生産コストが上昇している。
【0010】これとは逆に、しゅう酸塩皮膜やアルミフ
ッ化物皮膜は反応石けんが過剰に反応しやすく、処理時
間や液温の変化により金属石けん生成量が大きく変化し
てしまう。金属石けんの生成量が少なければ摩擦が増加
してしまい、逆に適切な量を超え過剰に生成している場
合は工具の型詰まりを引き起こしやすい。さらに、過剰
な反応性は反応型石けん処理液の更新頻度を多くする原
因にもつながっている。またステンレス鋼の温間鍛造で
はしゅう酸塩皮膜を潤滑下地とし、二硫化モリブデンを
主成分とする潤滑剤により形成した潤滑皮膜で加工が行
われるが、しゅう酸塩皮膜の主成分であるしゅう酸鉄
が、材料を予備加熱する際に分解してしまうという問題
がある。これらの問題は化成皮膜処理が素材選択性を有
しているために生じるものであり、金属材料の種類に関
係なくこれらの問題を有しない潤滑皮膜形成方法の提供
が望まれているのである。
【0011】第五の問題として、化成処理では必要十分
な潤滑皮膜量とすることが容易でない点が挙げられる。
すなわち化成処理皮膜を潤滑下地として用いる場合、金
属の腐食により化成皮膜の形成が進行するため、不働態
皮膜が生成することで金属表面が覆われ、皮膜の生成が
停止してしまうのである。そこで、皮膜量をコントロー
ルする目的で、化成処理液の濃度、処理温度、酸比等の
条件を一般に設定している。しかしながらこれらの方法
では処理条件の設定を行うため、細かな皮膜量のコント
ロールは不可能であり、処理条件を対象となる金属材料
毎に設定しようすれば、生産効率が著しく低下してしま
うのである。そこで、実生産では安全率を考慮して厳し
い加工が行われる材料に合わせて加工が行われているの
が実情である。
【0012】その他のりん酸塩皮膜の形成方法の一つと
して、外部電源を用いて電解処理する方法がある。例え
ば、特開平6−322592号報には鋼材を陽極とした
パルス電流によってりん酸塩皮膜を形成した後、ステア
リン酸ナトリウム処理して反応型石けん皮膜を生成させ
る方法が開示されている。しかしながらこの方法は鋼材
の溶解を伴いながらりん酸塩皮膜生成が進行するため、
スラッジの発生を伴う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属材料に
冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法であって、前述の
従来の問題点を解決した、新たな潤滑皮膜の形成方法の
提供を課題としている。冷間圧造に際しては、化成皮膜
は十分な厚さを有する事が望まれている。本発明者等の
知見では、化成皮膜は6〜20g/m2の十分な厚さを
有する事が望ましい。
【0014】従来の方法では、厚い化成皮膜を形成する
と、スラッジの発生量が増加する。本発明は、スラッジ
を発生させないで厚いりん酸塩の化成皮膜を形成する事
を課題としている。また従来の方法では、厚い化成皮膜
を形成するためには化成処理液との接触時間が長くな
り、生産性が低下する。本発明は高い生産性で厚いりん
酸塩の化成皮膜を形成する事を課題としている。また従
来方法では例えばステンレス鋼等に厚いりん酸塩の化成
皮膜を形成する事は容易ではない。本発明はステンレス
鋼等にも厚いりん酸塩の化成皮膜を形成する事が可能な
方法の提供を課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)酸洗あ
るいはメカニカルデスケーリングと酸洗とを行った冷間
圧造用金属材料を、亜鉛イオン:20〜50g/L,り
ん酸イオン:20〜70g/L,硝酸イオン:30〜8
0g/Lを含有する電解液を用いて20〜100A/d
2で陰極電解して6〜20g/m2の化成皮膜を形成
し、その後、水系もしくは油系の潤滑剤に接触させる事
を特徴とする、冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法で
ある。
【0016】また(2)前記(1)の潤滑皮膜を形成し
た後で、断面積減少率で15%以下の冷間引抜加工を更
に行う事を特徴とする、冷間圧造用の潤滑皮膜を形成す
る方法である。
【0017】また(3)電解液が、酸化剤として亜硝酸
イオン、過酸化水素、塩素イオンから選ばれる1以上を
更に含有し、かつMg,Al,Ca,Mn,Cr,F
e,Ni,Cuから選ばれる2価あるいは3価の金属イ
オンを1以上を更に含有することを特徴とする、前記
(1)または(2)に記載の、冷間圧造用の潤滑皮膜を
形成する方法である。
【0018】また(4)前記(3)の電解液がCaイオ
ンを含有し、亜鉛イオンに対するカルシウムイオンのモ
ル比が0.1〜2である事を特徴とする前記(3)に記
載の、冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法である。
【0019】また(5)前記酸洗を行った後、前記金属
材料をチタンコロイドを含む前処理液、もしくは粒径5
μm以下の粒子を含む金属りん酸塩を分散させた前処理
液に接触させる、請求項1から4の何れかに記載の冷間
圧造用の潤滑皮膜を形成する方法である。
【0020】また(6)水系潤滑剤が、脂肪酸のアルカ
リ金属塩、金属石けん、固体潤滑剤から選ばれる1以上
の水系潤滑剤であることを特徴とする、前記(1)から
(5)の何れかに記載の冷間圧造用の潤滑皮膜を形成す
る方法である。また(7)油系潤滑剤が、鉱物油、動物
油、合成エステル油から選ばれる1以上の油系潤滑剤で
あることを特徴とする、前記(1)から(5)の何れか
に記載の冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明では、酸洗あるいはメカニ
カルデスケーリングと酸洗とを行った金属材料を用い
る。酸洗には、浸漬酸洗と電解酸洗があり、電解酸洗に
は陽極電解酸洗と陰極電解酸洗があるが、本発明の酸洗
はこれ等の何れであってもよい。またメカニカルデスケ
ーリングにはベンディングによるものやショットブラス
トを用いるものがあるが、本発明では何れであってもよ
い。酸洗後には当然に水洗を行う。本発明では格別の脱
スケール処理は不必要で、既存の設備を用いて、りん酸
塩皮膜を形成する前処理として酸洗を行う。
【0022】りん酸は公知の如く、H+イオン濃度が高
い強酸性域では解離しないが、H+イオン濃度を下げる
と、下記の如くに逐次解離する。I:H3OP4→H2
4 -+H+,II:H2PO4 -→HPO4 2-+H+,III:H
PO4 2-→PO4 3-+H+。解離で生じたH2PO4 -は、予
め液に含有せしめたZn2+と結合しZn(H2PO4)2
なり、またHPO4 2-はZn(HPO4)となり、PO4 3-
はZn3(PO4)2となる。化成皮膜としては、この内で
PO4 3-のりん酸塩即ちZn3(PO4)2が性能として最も
好ましい。
【0023】金属材料にりん酸塩(Zn3(PO4)2)の
皮膜を形成するためには処理液中にPO4 3-イオンを発
生させることが必要である。従って金属材料の表面近傍
の液のH+イオン濃度を下げる事が必要である。従来の
方法では、金属材料をりん酸を含有する酸洗溶液に浸漬
する。この際金属材料例えば鉄の表面は酸性溶液と反応
し、Fe+2H+→Fe2++H2の如くに溶解する。この
ため金属材料の表面近傍ではH+イオンが消耗し、低減
する。この結果りん酸の解離は上記IIIまで進行しPO4
3-イオンが発生しZn3(PO4)2が金属材料の表面に沈
着する。尚液に溶解したFe2+は不溶性のスラッジにな
る。上記の如く、従来の浸漬法では、りん酸塩皮膜を形
成するためにはFeの溶解が必須であり、従って必ずF
eを含むスラッジの発生を伴う。
【0024】本発明では、りん酸塩(Zn3(PO4)2
の皮膜を陰極電解によって形成する。陰極電解において
は、金属材料の表面近傍の液のH+は陰極に移動し放電
してH2となる。この結果、金属材料の表面近傍の液の
+の濃度は低減し、PO4 3-イオンが発生し、Zn3(P
4)2が金属材料の表面に沈着する。本発明ではFeは
溶解させないで、H+濃度を低減せしめる。このため、
Feを含むスラッジは発生しない。
【0025】本発明では、亜鉛イオン:20〜50g/
L、りん酸イオン:20〜70g/L,硝酸イオン30
〜80g/Lの電解液を用いる。本発明では冷間圧造用
の、6〜20g/m2の厚い化成皮膜を形成する。亜鉛
イオンが20g/L未満、りん酸イオンが20g/L未
満、硝酸イオンが30g/L未満では、6〜20g/m
2の化成皮膜を形成するためには長時間が必要であり、
生産性が低い。しかし亜鉛イオンは50g/L以下で、
りん酸イオンは70g/L以下で、硝酸イオンは80g
/L以下で十分であり、これ以上に高濃度にしても格別
の利益はない。
【0026】本発明ではまた、20〜100A/dm2
の電流密度で陰極電解を行う。20A/dm2未満でも
りん酸塩の皮膜は形成されるが、6〜20g/m2の化
成皮膜を形成するためには長時間が必要で生産性が低
い。しかし100A/dm2以下で十分であり、これ以
上に電流密度を高くしても、格別の利益はない。
【0027】既に述べたが、従来の浸漬法では、金属材
料の表面がりん酸を含有する酸性溶液に溶解する事によ
り、りん酸塩皮膜が形成される。例えばステンレス鋼は
酸に溶け難く、その表面は、りん酸を含有する酸性溶液
には溶解しない。従ってステンレス鋼はりん酸を含む酸
性溶液に浸漬してもH+イオンが低減する事はなく、従
ってりん酸塩(Zn3(PO4)2)の皮膜は形成しない。一
方本発明では、ステンレス鋼の表面近傍の溶液中のH+
イオンは電解により消耗しその濃度は低減する。この結
果、りん酸の解離は前記IIIまで進行し、ステンレス鋼
の表面にもりん酸塩の皮膜を形成する事ができる。
【0028】以下、本発明の構成について更に詳述す
る。本発明において重要な点は、亜鉛イオン、りん酸イ
オンおよび硝酸イオンを必須成分とし、更に好ましくは
マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン、
クロム、鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金
属イオンを含むりん酸塩処理液中で金属材料を陰極電解
処理してりん酸塩皮膜を形成した後、水系もしくは油系
潤滑剤に接触させることである。
【0029】まずりん酸イオンはりん酸塩皮膜を生成さ
せるための必須成分である。金属材料に対し外部電源を
用いて陰極電解処理する場合、次の〜の反応式で示
される反応が進行してりん酸塩皮膜が生成する。ここ
で、硝酸イオンは及びの反応式のごとく水素イオン
の消費、すなわちpHの上昇に関与している。硝酸イオ
ンを含まない場合、pHの上昇が速やかに行われず、金
属イオンが還元されて金属めっき皮膜が生成してしま
う。たとえば金属イオン成分として亜鉛を含む場合は
式の反応により亜鉛が還元されて金属亜鉛が生成する。
【0030】 2H++2e-→H2↑ …水素イオンの還元と水素ガスの発生 NO3 -+6H2O+8e-→NH3+9OH-…硝酸イオンの分解とアンモニアイオ ンの発生 Zn2++2e-→Zn …金属亜鉛 上記反応の結果、たとえば金属イオン成分として亜鉛を
含む場合は以下の反応でりん酸亜鉛が析出する(
式)。 3Zn2++2H2PO4→Zn3(PO4)2+4H+…りん酸亜鉛の生成。
【0031】同様にしてマグネシウム、アルミニウム、
カルシウム、マンガン、クロム、鉄、及び亜鉛ではMg
3(PO4)2、AlPO4、Ca3(PO4)2、CaHPO4、Mn3(PO4)2、Mn2
Fe(PO4)2、(Mn1-X,FeX)5H2(PO4)4、Cr2(PO4)2、Fe(PO4)
2、FePO4、Zn3(PO4)2、ZnFe2(PO4)2、Zn2Ca(PO4)2、Zn2
Mn(PO4)2等が生成して金属材料表面にりん酸塩皮膜を形
成する。これらのりん酸塩、さらに上記物質の水和物や
不定形状物(非晶質)も潤滑下地皮膜として好適に用い
ることが出来る。上記の反応は金属材料の種類を問わず
進むため、あらゆる金属材料表面にりん酸塩皮膜を形成
させることが出来るのである。
【0032】本発明は材料を陰極側に保ちながらりん酸
塩皮膜を形成させるので、金属材料成分は処理液に溶出
しない。従って、化成処理法の問題点であるスラッジ発
生が全くなくなり、処理液の性能低下も起きず、処理液
の廃棄更新も全くなくなるのである。また、処理液の温
度を従来に比べて格段に低くすることが出来、常温で処
理することも可能なため、処理に伴う熱エネルギーが大
幅に節約される。また、本発明によれば金属材料の種類
に関係なくりん酸塩皮膜を形成させることが可能なた
め、従来法では困難であった高い加工を行うことが出来
るのである。例えば銅やステンレス鋼にもりん酸処理後
に反応型石けん処理をすることが出来るのである。
【0033】さらに加えてりん酸塩皮膜量を任意量に設
定出来るため、後で行われる冷間圧造に適した必要十分
な量の潤滑皮膜を得ることが可能となるのである。皮膜
量のコントロール方法としては、処理液濃度、処理液温
度、電流密度、及び処理時間で行うことが出来る。処理
液濃度が高いほどりん酸塩皮膜量は多くなるが、濃度が
高過ぎると処理材に付着したりん酸塩処理液の持ち出し
量が増加するため、経済的には不利となる。
【0034】また、処理液温度が高いほどりん酸塩皮膜
量は多くなる傾向があり、室温から80℃とするのが好
ましい。80℃を超える温度でもりん酸塩皮膜は生成す
るが、加温に要するエネルギーコストの上昇や水の蒸発
コストが増加するため好ましくない。電流密度が高いほ
ど同一処理時間で得られる皮膜付着量は多くなり、20
A〜100A/dm2に設定することが好ましい。
【0035】処理時間が長いほどりん酸塩皮膜量は多く
なる。りん酸塩皮膜量のコントロール方法のうち、最も
重要な点は、電流密度を設定することで任意のりん酸塩
皮膜量が得られることである。これ以外の濃度、温度あ
るいは処理時間を設定することは従来の化成処理法でも
可能であるが、実生産ラインでは処理材に応じてこれら
の設定を行うことは困難である。しなしながら、本発明
の潤滑皮膜形成方法は陰極電解処理における電流密度の
設定を変更するだけで、所定のりん酸塩皮膜量とするこ
とができるのである。
【0036】りん酸塩処理液はりん酸イオン20〜70
g/L、硝酸イオン30〜80g/L、及び亜鉛イオン
20〜50g/Lを含有する。りん酸イオンに対する金
属イオンのモル比が0.3〜2であり、りん酸イオンに
対する硝酸イオンのモル比が0.1〜3であることが望
ましい。りん酸イオン、亜鉛イオン量が上記範囲に満た
ない場合、りん酸塩皮膜が生成し難く、逆に超える場合
は処理材に付着したりん酸塩処理液の持ち出し量が増加
するため、経済的に不利となる。
【0037】硝酸イオンが30g/L未満の場合はりん
酸塩皮膜が生成せず、金属亜鉛が優先的に共析し潤滑性
が得られない。りん酸イオンに対する金属イオンのモル
比が0.3未満ではりん酸塩皮膜が生成し難く、2を超
える場合は皮膜生成するものの経済的に不利である。り
ん酸イオンに対する硝酸イオンのモル比が0.3以下の
場合は亜鉛めっきが優先的に生成し、3を超える場合は
皮膜結晶が粗大化する。
【0038】さらにりん酸塩処理の金属イオンは亜鉛と
カルシウムからなることが好ましい。亜鉛及びカルシウ
ムからなる場合は、亜鉛イオンに対するカルシウムイオ
ンのモル比が0.1〜2であることが望ましい。この処
理液中で陰極電解処理することにより、りん酸亜鉛皮膜
(Zn3(PO4)2・4H2O)が得られる。また、亜鉛イオンに
対するカルシウムイオンのモル比を特定した処理液中で
陰極電解処理することにより、りん酸亜鉛とりん酸亜鉛
カルシウム皮膜(Zn2Ca(PO4)2・2H2O)の混合皮膜が得
られる。モル比が高い程りん酸亜鉛カルシウムの含有率
を高くすることが出来る。モル比0.1未満ではりん酸
亜鉛皮膜のみが生成し、2を超えると亜鉛量が不足する
ためにりん酸亜鉛カルシウムが生成せず、リン酸一水素
カルシウム皮膜(CaHPO4・2H2O)が生成する。
【0039】また、後で用いられる水系潤滑剤は脂肪酸
のアルカリ金属塩、金属石けん、固体潤滑剤の何れかを
含有することが好ましい。本発明によりりん酸塩皮膜を
形成し、ついでこれらの潤滑剤を用いて潤滑皮膜を形成
させることで、電解を行わない、従来の化成処理法では
不可能であった金属材料に対しても良好な潤滑皮膜を形
成させることが可能となるのである。すなわち、りん酸
塩皮膜の生成が不可能であったチタンやステンレス鋼の
表面に、りん酸塩処理後に反応型石けん皮膜を形成させ
ることが可能となり、一度の加工で大きな変形量を得る
ことができる。
【0040】脂肪酸のアルカリ金属塩としては、飽和も
しくは不飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム、リチウム
塩等を用いることができる。また、二重結合を1個以上
有する不飽和脂肪酸のダイマー酸またはトリマー酸等も
用いることができる。脂肪酸のアルカリ金属塩は1〜2
0重量%、処理温度60〜90℃の水系処理液とし、り
ん酸塩処理された金属材料に接触させるが、接触方法に
特に限定はなく、金属材料を処理液に浸漬する方法や金
属材料に処理液を流し掛ける方法が適用出来る。
【0041】次に金属石けん、固体潤滑剤は界面活性剤
を用いて水に分散したものを用いることが出来、接触さ
せる具体的な処理方法は脂肪酸のアルカリ金属塩と同様
である。水系の金属石けんはとしては高級脂肪酸の金属
塩を用いることができ、高級脂肪酸としてはラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸があり、金属としてはカルシウム、アルミニウム、
マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉛等がある。これらの
内、ステアリン酸カルシウムが最も好適に用いることが
できる。また、固体潤滑剤としては二硫化モリブデン、
グラファイト、二硫化タングステン、ふっ化黒鉛、窒化
ほう素、タルク、雲母、PTFE(四弗化エチレン)を
用いることが出来る。なお、脂肪酸アルカリ金属塩、金
属石けん、固体潤滑剤はいずれも水系であるので、これ
らを混合したものを用いることも出来る。
【0042】同様に油系潤滑剤は鉱物油、動植物油、合
成エステル油から選ばれる少なくとも1種を用いるのが
望ましい。鉱物油としてはマシン油、タービン油、スピ
ンドル油を、動植物油としてはパーム油、菜種油、やし
油、ひまし油、豚油、牛脂、魚油等を用いることができ
る。また、合成エステル油としては例えばネオペンチル
ポリオールエステル構造の多価アルコールの脂肪酸エス
テルを用いることが出来る。さらにこれらの油系潤滑剤
には塩素系、いおう系、りん系の極圧添加剤を添加して
も良い。
【0043】次に本発明の潤滑皮膜形成方法の一例を工
程順に説明する。本発明の潤滑皮膜形成方法は処理材を
工程順に順次処理するバッチ方式、線材を引き延ばして
連続的に処理するインライン方式のいずれの処理方法に
も適用することが出来る。バッチ方式の中には鍛造部品
の処理として一般に行われている、バレル処理方式も含
まれる。
【0044】本発明が対象とする金属材料は炭素鋼、ク
ロム鋼、クロム−モリブデン鋼、ニッケル−クロム鋼、
ニッケル−クロム−モリブデン鋼、ステンレス鋼、ボロ
ン鋼、マンガン鋼等の鉄鋼材料、アルミニウム、マグネ
シウム、チタン、銅等の非鉄材料等の導電性材料であ
る。
【0045】本発明の方法を実施するにあたっては、ま
ず、金属材料表面を清浄にするための洗浄処理が施され
る。前工程の加工油除去のための脱脂処理には市販のア
ルカリ系脱脂剤を用いることが出来る。また、熱処理に
より生成したスケールを除去する目的で酸洗、メカニカ
ルデスケーリング処理が行われる。酸洗液には硫酸、塩
酸、硝酸、弗化水素酸、ジルコニウム弗化水素酸などを
用いることができる。酸洗は電解設備を併用した陽極あ
るいは陰極電解を用いることも出来る。酸洗後は十分に
水洗を行い、酸洗液がりん酸塩処理液に混入しないよう
にする。メカニカルデスケールはベンディングローラ、
ショットブラスト、エアブラスト、液体ホーニング法が
ある。メカニカルデスケーリング後は高圧水洗やブラッ
シングにより残存スケールを除去する必要がある。な
お、メカニカルデスケーリング後には酸洗をおこなうこ
とが好ましい。
【0046】洗浄処理後はりん酸塩皮膜の生成速度向
上、結晶の微細化を図るために必要に応じてチタンコロ
イドを含む前処理液、もしくは粒径が5μm以下の粒子
を含む金属りん酸塩を分散させた前処理液に接触させて
も良い。また、りん酸塩処理する直前で処理材を加温す
ることも効果的であり、この場合はりん酸塩皮膜の生成
速度が向上する。
【0047】ついで行われるりん酸塩処理は金属材料を
陰極側として行われる。電解方式は直流、正弦波、矩形
波のいずれの方式でも良く、直流波形をバイアスとし、
これに正弦波や矩形波を重ねる方法を用いることもでき
る。電解制御は電流あるいは電圧のいずれで行っても良
い。電解処理に用いらる電極はカーボン、ステンレス
鋼、白金、チタン合金、チタン−白金被覆合金(通称D
SE)等の電極を用いることができる。また、処理液に
含まれる金属イオンと同種の金属を陽極とすることで、
金属イオンの供給を連続的に行うこともできるが、この
場合は処理液中の金属イオン量が一定量に保たれるよう
に液管理する必要がある。りん酸塩処理後は水洗して処
理材に付着したりん酸塩処理液を取り除き、次いで潤滑
処理される。
【0048】潤滑処理は水系、油系潤滑剤とも液状であ
り、これらを処理槽に調製し、処理材を浸漬処理する
か、あるいは処理材に潤滑剤を吹き付けて潤滑皮膜を形
成させる。水系潤滑剤の場合は潤滑皮膜形成後に適当な
乾燥設備により水分を蒸発させてから加工に供する。尚
本発明の方法で潤滑皮膜を形成した金属材料は、そのま
ま冷間圧造に供してもよいが、断面減少率で15%以下
の冷間引抜を更に行った後で冷間圧造に供してもよい。
【0049】
【実施例】本発明の効果について、実施例と比較例を共
に挙げて具体的に説明する。直径30mmφ、の炭素鋼
(S45C)、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS
304)、アルミニウム(A6061)の各材料を直径
30mmφ、高さを18〜40mmまで2mmピッチに
て切り出し、以下に示す処理工程にて電解処理と潤滑処
理を行った後、性能確認試験を行った。
【0050】[処理工程]−1 (1)脱 脂:日本パーカライジング(株)製アルカリ系
脱脂剤、ファインクリーナー4360を2%、60℃に
調製し、10分間浸漬処理 (2)水 洗:常温の水道水に浸漬後、スプレ−により
洗浄 (3)酸 洗:10%塩酸に10分間浸漬(炭素鋼) 7%硝酸、3%弗酸液に10分間浸漬(ステンレス鋼) 10%硝酸液に30秒間浸漬(アルミニウム) (4)水 洗:常温の水道水に浸漬後、スプレ−により
洗浄 (5)表面調整:日本パーカライジング(株)製コロイダ
ルチタン系表面調整剤、プレパレンZを3%、常温にて
調製し、1分間浸漬処理、又は日本パーカライジング
(株)製金属りん酸塩系表面調整剤PL−X 0.3%、
常温にて調整し、1分間浸漬処理 (6)電解処理:表1及び表2に記載の処理液組成、電
解条件で処理を行った。 (7)水 洗:常温の水道水に浸漬後、スプレ−により
洗浄 (8)潤滑処理:表1及び表2に記載の潤滑剤処理し
た。日本パーカライジング(株)製の反応型石けん潤滑剤
パルーブ235、非反応型石けんパルーブ4612、二
硫化モリブデン系潤滑剤パルーブ4649Cを用いた。
パーム油は一般品を用いた。
【0051】[処理工程]―2 (1)脱スケール:ショットブラスト、30秒 (2)水 洗:常温の水道水に浸漬後、スプレーに
より洗浄 (3)皮膜処理:表3及び表4に記載の処理液組成、条
件で処理した。比較例では日本パーカライジング(株)
製のリン酸亜鉛系化成処理剤パルボンド181X、しゅ
う酸塩系化成処理剤フェルボンドA剤を用いた。
【0052】 (4)水 洗:常温の水道水に浸漬後、スプレーに
より洗浄 (5)潤滑処理:表3及び表4に記載の潤滑剤処理し
た。日本パーカラジング(株)製の反応型石けん潤滑剤
パルーブ234、非反応型石けんパルーブ4612、二
硫化モリブデン系潤滑剤パルーブ4649Cを用いた。
【0053】[性能確認方法] (1)潤滑皮膜形成量の測定 W1:潤滑処理した材料の単位面積あたりの皮膜重量
(g/m2) W2:潤滑処理された材料を90〜95℃の蒸留水に3
0分間浸漬し、ついでオーブンにて乾燥した後、75℃
に加温した混合溶剤(イソプロピルアルコール、ノルマ
ルヘプタン、エチルセルソルブそれぞれ6:3:1に容
量比で混合)に30分間浸漬し、常温になるまで冷却し
た後の単位面積あたりの皮膜重量(g/m2) W3:W2処理後の材料を80℃、5%のクロム酸水溶
液に15分間浸漬し、 ついで水洗、乾燥、冷却後の
単位面積あたりの皮膜重量(g/m2) これらの測定値から、下式により皮膜量と潤滑量を算出
した。 皮膜量:(W2−W3)/m2 潤滑量:(W1−W2)/m2 パーム油で潤滑処理する場合は油付着前後の重量増分か
ら付着量を算出した。
【0054】(2)潤滑性能 図1の後方せん孔試験により、潤滑性能を確認した。試
験方法は図1(A)に示した直径が30mmで、高さが
18〜40mmで2mmピッチで異なる各供試材を、短
いものから順に図1(B)のダイスにセットし、上方か
ら断面減少率50%相当のパンチを打ち込んでカップ状
に成形を行う方法によった。図1(C)はカップ状に成
形した後の供試材である。このとき、パンチは試験片底
部10mmを残して打ち込み、試験片高さが高いほどよ
り強加工が行われる条件とした。加工後にカップの内面
を観察し、キズの発生が認められた時点で試験を終了
し、キズの発生なく加工可能であった孔の深さを良好せ
ん孔深さとした。
【0055】(3)スラッジ発生有無の確認 処理後にスラッジが発生しているかを目視にて確認し
た。 ○:スラッジ発生なし ×:スラッジ発生。
【0056】
【表1】続葉有
【0057】
【表2】表1に続く
【0058】
【表3】続葉有
【0059】
【表4】表3に続く
【0060】
【発明の効果】本発明によると、スラッジを発生させな
いで厚いりん酸塩の化成皮膜を形成することができる。
また高い生産性で厚いりん酸塩の化成皮膜を形成するこ
とができる。更に炭素鋼以外のステンレス鋼や非鉄金属
にも厚いりん酸塩の化成皮膜を形成することができる。
本発明の方法で形成した厚いりん酸塩の化成皮膜に従来
の水系もしくは油系の潤滑剤を塗布すると、冷間圧造用
の優れた潤滑皮膜となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は後方せん孔試験の説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 80:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸洗あるいはメカニカルデスケーリングと
    酸洗とを行った冷間圧造用金属材料を、亜鉛イオン:2
    0〜50g/L,りん酸イオン:20〜70g/L,硝
    酸イオン:30〜80g/Lを含有する電解液を用いて
    20〜100A/dm2で陰極電解して6〜20g/m2
    の化成皮膜を形成し、その後、水系もしくは油系の潤滑
    剤に接触させる事を特徴とする、冷間圧造用の潤滑皮膜
    を形成する方法。
  2. 【請求項2】請求項1の潤滑皮膜を形成した後で、断面
    積減少率で15%以下の冷間引抜加工を更に行う事を特
    徴とする、冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法。
  3. 【請求項3】電解液が、酸化剤として亜硝酸イオン、過
    酸化水素、塩素イオンから選ばれる1以上を更に含有
    し、かつMg,Al,Ca,Mn,Cr,Fe,Ni,
    Cuから選ばれる2価あるいは3価の金属イオンを1以
    上を更に含有することを特徴とする、請求項1または2
    に記載の、冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法。
  4. 【請求項4】請求項3の電解液がCaイオンを含有し、
    亜鉛イオンに対するカルシウムイオンのモル比が0.1
    〜2である事を特徴とする請求項3に記載の、冷間圧造
    用の潤滑皮膜を形成する方法。
  5. 【請求項5】前記酸洗を行った後、前記金属材料をチタ
    ンコロイドを含む前処理液、もしくは粒径5μm以下の
    粒子を含む金属りん酸塩を分散させた前処理液に接触さ
    せる、請求項1から4の何れかに記載の冷間圧造用の潤
    滑皮膜を形成する方法。
  6. 【請求項6】水系潤滑剤が、脂肪酸のアルカリ金属塩、
    金属石けん、固体潤滑剤から選ばれる1以上の水系潤滑
    剤であることを特徴とする、請求項1から5の何れかに
    記載の冷間圧造用の潤滑皮膜を形成する方法。
  7. 【請求項7】油系潤滑剤が、鉱物油、動物油、合成エス
    テル油から選ばれる1以上の油系潤滑剤であることを特
    徴とする、請求項1から5の何れかに記載の冷間圧造用
    の潤滑皮膜を形成する方法。
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