JP2000141936A - 感熱孔版原紙用薄葉紙及び感熱孔版原紙 - Google Patents

感熱孔版原紙用薄葉紙及び感熱孔版原紙

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JP2000141936A JP32921598A JP32921598A JP2000141936A JP 2000141936 A JP2000141936 A JP 2000141936A JP 32921598 A JP32921598 A JP 32921598A JP 32921598 A JP32921598 A JP 32921598A JP 2000141936 A JP2000141936 A JP 2000141936A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、地合、結束繊維による印刷時の白抜
けが少なく、フィルム貼り合せ時の強度も十分あり、さ
らに画像濃度(インキ通過性)も高く、解像性の良い感
熱孔版原紙用薄葉紙と、この薄葉紙と熱可塑性樹脂フィ
ルムを接着剤で積層させることにより、600dpiの
高精細孔版製版・印刷機に適した感熱孔版原紙を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】単糸繊度0.1デニールを越え・0.3デ
ニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステル繊維40
〜60重量%と、単糸繊度0.3デニール以上・0.5デ
ニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステル繊維30
〜50重量%、単糸繊度1〜2デニール、繊維長3〜5
mmのポリエステルバインダー繊維を5〜15重量%を
混合した原料を坪量7〜10g/m2に湿式抄紙し、得
られたシートのベック平滑度が7〜20秒である感熱孔
版原紙用薄葉紙。さらに、開孔率が5〜11%で、平均
開孔面積が0.1〜0.5×103μm2である感熱孔版
原紙用薄葉紙。上記の薄葉紙と熱可塑性フィルムとの積
層物である感熱孔版原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版原紙用薄葉
紙およびこの薄葉紙を用いた感熱孔版原紙に関する。更
に詳しくは、印刷特性の優れた感熱孔版原紙用薄葉紙お
よびこの薄葉紙を用いた感熱孔版原紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、謄写版を初めとして、各種の印刷
方式が知られている。中でも感熱孔版印刷が経済性と簡
便性を理由に広く用いられている。感熱孔版印刷には、
熱可塑性合成樹脂フィルムと多孔性の薄葉紙とをラミネ
ートした乾熱孔版原紙を用いる。感熱孔版原紙は、例え
ば、キセノンフラッシュランプやサーマルヘッド等の熱
により穿孔製版されるものである。例えばこの原紙は、
原稿と重ね合わせた原紙をキセノンフラッシュランプの
熱等により画像部を穿孔してマスターペーパーとする。
得られたマスターペーパーは、輪転印刷機にかけて印刷
する。
【0003】従来知られている感熱孔版原紙用の薄葉紙
としては、楮、三椏、マニラ麻などの天然長繊維を坪量
5〜15g/m2に抄造して得られる薄葉紙がある(例
えば特公昭41−7623号公報)。しかるに、天然長
繊維のみからなる薄葉紙は、繊維一本一本の太さが10
μm以上と太く、かつ不均一であるため、地合いがとり
にくく、インキの透過性が不均一になり、印刷がかすれ
たり、また、フィルムの穿孔部分に存在する繊維によっ
てベタ印刷で繊維状に白く印刷されない部分が残り、解
像度に問題があった。
【0004】また、紙の抄造の際に繊維の分散が不十分
な場合、3〜4本の繊維の束がそのまま薄葉紙中に残る
ことがあった。繊維の束が残った薄葉紙を用いて作製し
たマスターペーパーで印刷すると、繊維の束の部分はイ
ンキの透過性が悪く、印刷物に「白抜け」と呼ばれるイ
ンキの付きの悪い部分を生じた。
【0005】更に、天然長繊維を用いて得られる薄葉紙
は、湿潤寸法安定性に欠けるという欠点もあった。その
ため、天然長繊維製の薄葉紙とフィルムとをラミネート
して得られる感熱孔版原紙から作製したマスターペーパ
ーを用いて印刷をする場合、水を含有するインキを用い
ると、インキに含まれる水分により寸法に変化が生じ、
印刷される文字等の画像に歪みを生じることがあった。
【0006】これらの欠点を解消する目的で、天然長繊
維に合成繊維または再生繊維を併せて抄造した薄葉紙が
ある。即ち、レーヨン、ビニロン、ポリエステル、ナイ
ロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アミドなどの合成繊維、または再生繊維を上記の天然繊
維と混抄して得られる薄葉紙である(例えば特公昭49
−18728号、特公昭55−47997号、特開昭5
9−2890号、特開昭59−16793号、特開昭5
9−115898号、特開昭60−217197号、特
開昭61−254396号公報)。
【0007】しかし、合成繊維または再生繊維の量が多
くなると薄葉紙の剛度や強度が低下してしまうという欠
点、逆に天然繊維の配合量が多くなると天然繊維100
%の欠点が残った。これらの問題を解決し、印字濃度、
解像度、耐刷力の優れた孔版原紙を得るために、ポリエ
ステルのような疎水性繊維を100%用いた孔版原紙用
薄葉紙も提案されている(例えば特開昭59−2896
号、特開昭60−38193号公報)。
【0008】近年、市場ニーズがより高度化し、より鮮
明な印刷性を要求されるようになり、解像度の良いマス
ターが求められ、サーマルヘッドも300dpi→40
0dpi→600dpiと、より小さい孔をあけた高精
細機が発売されるようになった。dpiとは1インチ平
方あたりの孔(ドット)数を表わし、従来の300dp
i機の穿孔径は約60μm、400dpi機の穿孔径は
約45μmであるのに対し、600dpi機の穿孔径は
約25μmとなる。天然長繊維の中で比較的繊維径の細
いマニラ麻パルプの平均繊維径が約15μmなので、繊
維2本で孔を埋めてしまうことになる。
【0009】即ち、画像鮮明性を向上させるためには、 1.繊維結束に由来する白抜けを防止するために、薄葉
紙に使用する繊維の結束を防ぐこと。 2.繊維径を細くすることにより、フィルムとの接着点
をより小さく、均一に分散させて、製版時のフィルム残
さ部を均等に分散させること。 3.サーマルヘッドとの均等な密着性を確保するため、
薄葉紙の繊維を均等に存在させること。 の3点が重要である。
【0010】前述のように、天然長繊維の直径が15〜
40μm程度であることから、天然繊維の直径では孔を
ふさいでしまうため、600dpi機のような高精細製
版、印刷機に対応するためには、もはや天然繊維は使用
できず、より細い合成繊維100%の孔版原紙用薄葉紙
を使用しなければならない。このような天然繊維より細
い直径の合成繊維を使用したものとして、ポリエステル
および/またはアクリルの0.1デニール以下の極細繊
維が5〜70%含まれ、他に0.5デニールのポリエス
テル繊維が10〜30%とポリエステルバインダー繊維
20〜70%を混抄した9〜11g/m2の感熱孔版印
刷葉多孔性薄葉紙が提案されている(特許登録第272
6105号公報)。
【0011】また、0.1デニール以下の合成繊維で構
成され、目付け8g/m2以下の不織布から成る薄葉紙
と、フィルムを貼り合わせた孔版原紙(特公昭63−5
9394号公報)がある。しかし、0.1デニール以下
のポリエステル繊維、アクリル繊維は繊維径があまりに
細いため、平滑性は良好なものの、繊維本数が多くな
り、サーマルヘッドによる穿孔時に孔をあける邪魔とな
り、一つ一つの孔の面積が狭くなるため、インキ通過性
が悪く、高濃度の印刷物が得られなかった。また、0.
1デニール以下のポリエステル繊維は繊維の分散が極端
に悪く、湿式抄紙したシートの地合が悪化すること、ま
た、一旦水に分散したとしても、抄紙以前で再凝集を起
こし、繊維が束になり、その部分をインキが透過されな
いことから、結束繊維による印刷白抜けが発生し、欠点
となり、高精細印刷には適用し難いものであった。
【0012】一方、0.3〜1デニールのポリエステル
繊維を主成分とし、これを0.3〜1デニールのバイン
ダー材で結着した6〜14g/m2の孔版原紙も提案さ
れている(特公昭62−55999号公報)。しかし、
0.3デニール以上の繊維を主体とした場合は、平滑
性、地合が悪く、画像の均一性が劣り、印刷時に繊維形
状がそのまま画像に白抜けとして現れる「繊維目」と呼
ばれる印刷ムラを生じ、やはり高精細印刷には適用し難
いものであった。即ち、より高精細な印刷画像に対応す
るためには、細い繊維が均一に分散した(小さな孔が均
一にあいている)シートが必要であり、繊維径の細い繊
維を用いて、その繊維を均等に分散させた薄葉紙が望ま
れており、加えて、加工時の強度、剛性、耐刷性が必要
になり、これらのバランスのとれた薄葉紙はなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地合、結束
繊維による印刷時の白抜けが少なく、フィルム貼り合せ
時の強度も十分あり、さらに画像濃度(インキ通過性)
も高く、解像性の良い感熱孔版原紙用薄葉紙とこの薄葉
紙と熱可塑性樹脂フィルムを接着剤で積層させることに
より、600dpiの高精細孔版製版・印刷機に適した
感熱孔版原紙を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、感熱孔版
原紙に用いる薄葉紙の前記欠点を改良すべく鋭意研究を
重ねた結果、0.1デニールを越え・0.3デニール未
満のポリエステル繊維を主体とし、薄葉紙の坪量と平滑
度をある一定範囲に調整することにより、前記の高解像
度機種に対応できる感熱孔版原紙を提供できることを見
出し、本発明を完成したものである。
【0015】即ち、単糸繊度0.1デニールを越え・
0.3デニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステル
繊維40〜60重量%と、単糸繊度0.3デニール以上
・0.5デニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステ
ル繊維30〜50重量%、単糸繊度1〜2デニール、繊
維長3〜5mmのポリエステルバインダー繊維を5〜1
5重量%混合した原料を坪量7〜10g/m2に湿式抄
紙し、平滑度を7〜20秒に調整することによって前述
の地合、結束繊維による印刷時の白抜けが良好で、フィ
ルム貼り合せ時の強度も十分あり、さらに画像濃度(イ
ンキ通過性)も高く、解像性の良い感熱孔版原紙用薄葉
紙が得られることを見出した。
【0016】本発明の薄葉紙は上記の抄紙条件を満たす
ことにより、開孔率を5〜11%、平均開孔面積を0.
1〜0.5×103μm2とすることができ、開孔率、開
孔面積のバラツキを少なくすることがもたらすインキ通
過性のバラツキ減少で良質な解像性が得られる。なお、
開孔率、平均開孔面積とはインキが通過する孔を平面的
に解析したものであり、薄葉紙の一定面積を画像解析し
た際の開孔部の占める面積の割合を開孔率(%)、光の
透過する面積の平均値が平均開孔面積(μm2)であ
る。さらに、前記薄葉紙と熱可塑性樹脂フィルムを接着
剤で積層させることにより、600dpiの高精細孔版
製版・印刷機に適した感熱孔版原紙が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】ポリエステルバインダー繊維の割
合は、5〜15重量%、より好ましくは、7〜12重量
%、更に好ましくは8〜10重量%である。5重量%よ
り少ないとポリエステル繊維の結着が不十分であり、強
度が低下し、加工時に断紙する。また、15重量%より
多いとバインダーの溶融結合部分が多くなり、紙として
の柔軟性が低下し、かつ穿孔製版時における強度が低下
する。薄葉紙の剛性を高めたり、インキ通過性を調整す
るために、0.3デニール以上・0.5デニール未満の
ポリエステル繊維を30〜50重量%混合する。30重
量%より少ないと相対的に0.1デニールを越え・0.
3デニール未満のポリエステル繊維が多くなり、平滑性
は上がるが、インキ通過性が悪化する。また、腰が弱
く、ラミネート加工時にシワが入り易く、また、経済的
にも不利である。50重量%より多いと、相対的に0.
1デニールを越え・0.3デニール未満のポリエステル
繊維の量が少なくなり、解像度が悪化し、高精細印刷画
像の要求に対応できない。
【0018】本発明での薄葉紙の抄造は、通常実施され
ている方法で行われる。この際用いられる分散剤と粘剤
(好ましくはポリエチレンオキサイドまたはポリアクリ
ルアミド)、消泡剤、離型剤、帯電防止剤等の配合をし
ても良いことは言うまでもない。抄紙は、例えば紙料濃
度0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の繊
維を十分に分散した分散体を、例えば傾斜ワイヤー型抄
紙機、円網型抄紙機を用いて行うことができる。薄葉紙
の坪量は7〜10g/m2、好ましくは7〜9g/m2
ある。坪量が10g/m2を超えると、インキの透過性
が低下して画像濃度、鮮明度が低下する。7g/m2
満だと熱可塑性フィルムとラミネートする際に十分な強
度が得られない。
【0019】JIS−P−8119に準処するベック平
滑度は7〜20秒、より好ましくは10〜16秒に調整
する。このような数値に限定した理由は、フィルムと貼
り合わせた後の平坦性からである。この平坦性が劣る
と、フィルムと薄葉紙との間に距離があき、穿孔が不十
分となり、部分的にインキ濃度の薄い箇所ができ、解像
度が悪化する。平滑度が20秒より高いと、平坦性は良
好であるが、0.1デニールを越え・0.3デニール未
満の繊維の配合量が前記範囲を越えるか、抄紙後のプレ
ス、カレンダー等で繊維がつぶされており、いずれにし
てもインキ通過性が悪化し、画像濃度が低下する。
【0020】このように抄紙した薄葉紙は、開孔率を5
〜11%、好ましくは7〜10%、平均開孔面積を0.
1〜0.5×103μm2、好ましくは0.2〜0.4×
103μm2の範囲に調整しやすく、前記の高解像度機種
に適した感熱孔版原紙用薄葉紙ができる。ちなみに、開
孔率が5%未満だとインキ通過性が悪化し、文字のドッ
トのつながりが悪く、解像性が劣るとともにベタ部の均
一性も悪くなる。11%を越えるとインキ通過性は良い
が、逆にインキが出過ぎ、画像のにじみによる解像度の
悪化、インキ消費量の増大、更には薄葉紙としての強度
が低下する。平均開孔面積が0.1×103μm2より小
さくなると、インキ通過性が悪化し、画像濃度の低下、
解像性が悪化する。0.5×103μm2より大きいとイ
ンキが出過ぎることによる解像度が悪化する。
【0021】本発明に用いられる熱可塑性フィルムとし
てはポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニリデンフィルム等が例示されるが、低
温収縮性の優れたものが穿孔性の点からより好適に用い
られ、フィルムの厚さは概ね1〜5μmのものが好まし
い。1μm未満だと取り扱いが困難であり、5μmを超
えると穿孔に過量の熱量が必要になり実用的な穿孔性が
得られない。
【0022】薄葉紙と熱可塑性フィルムとの積層には、
得られる感熱孔版原紙のインキ通過性を妨げない範囲で
接着剤を用いて行うことができる。接着剤としては、例
えば公知のホットメルト型接着剤、エマルジョンラテッ
クス型接着剤、溶剤型接着剤(アクリル系、塩化ビニル
系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、ゴム系など)、反
応硬化型接着剤、紫外線または電子線硬化型接着剤等を
挙げることができる。これらの接着剤を乾燥塗布量で
0.5〜2.5g/m2薄葉紙または熱可塑性フィルム
に塗布し、次いでラミネートすることにより、積層物で
ある感熱孔版原紙を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。実施例および比較例における%は重量%を表わす。
尚、特性の測定並びに評価は、下記の方法によった。
【0024】実施例1〜10 繊度0.2デニール、長さ3mmのポリエステル繊維と
繊度0.4デニール、長さ3mmのポリエステル繊維、
および/または、繊度0.3デニール、長さ5mmのポ
リエステル繊維と繊度1.5デニール、長さ5mmのポ
リエステルバインダー繊維(熱溶融温度110℃)を表
1の割合で混合し、傾斜短網式抄紙機で抄紙し、表面温
度140℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥して、表1
の坪量の孔版原紙用薄葉紙(以下、薄葉紙という)を得
た。
【0025】得られた薄葉紙の引張り強度(JIS−P
−8113)、平滑度(JIS−P−8119)を測定
した。また、開孔率、平均開孔面積をつぎのように測定
した。開孔率(%)は印刷時に薄葉紙が圧縮された状態
を想定し、試料に荷重500gf/cm2をかけた状態
における光の透過する面積の割合(%)を、また、平均
開孔面積(μm2)は試料に荷重500gf/cm2をか
けた状態における、光の透過する面積の平均値(μ
2)を、ルーゼック2(正しくはローマ数字である)
D画像解析装置(株)ニコレ製を用いて、任意の10点
について測定を行い、その平均値で表した。
【0026】次に厚さ2μmの二軸延伸ポリエステルフ
ィルムに溶剤可溶共重合ポリエステル系接着剤1.2g
(dry)/m2によって貼り合わせ、感熱孔版原紙を
作成し、これに原稿を重ね合わせ、市販の600dpi
感熱製版・印刷機(リコー製Prinport VT6
000機)を用いて穿孔製版、印刷を行い、印刷10枚
目のサンプルの文字の解像性とベタ部の濃度(インキ通
過性)、白抜けを含むベタ部の均一性を目視で判定し
た。
【0027】比較例1〜4 本発明の必要条件となる原料配合からはずれた割合で合
成繊維を配合した以外は実施例1〜10と同様にして薄
葉紙および感熱孔版原紙を作成して各物性を評価した。
【0028】比較例5〜6 0.2デニールのポリエステル繊維の代わりに、0.1
デニールのポリエステル繊維を配合した以外は実施例1
〜10と同様にして薄葉紙および感熱孔版原紙を作成し
て各物性を評価した。
【0029】比較例7 0.2デニールのポリエステル繊維の代わりに、0.5
デニールのポリエステル繊維を配合した以外は実施例1
〜10と同様にして薄葉紙および感熱孔版原紙を作成し
て各物性を評価した。
【0030】比較例8 繊維としてマニラ麻(平均繊維径16μm、カナディア
ンフリーネス700mlJIS−P−8121による)
を65%用いた以外は実施例1〜10と同様にして薄葉
紙および感熱孔版原紙を作成して各物性を評価した。結
果をまとめて表1、表2に示す。
【0031】比較例9〜11 繊度0.1デニール、長さ3mmのポリエステル繊維ま
たはアクリル繊維と、繊度0.5デニール、長さ5mm
のポリエステル繊維と繊度2デニール、長さ5mmのポ
リエステルバインダー繊維(熱溶融温度110℃)を表
3の割合で混合し、以下、実施例1〜10と同様にして
薄葉紙および感熱孔版原紙を作成して各物性を評価し
た。
【0032】比較例12 繊度0.1デニール、長さ3mmのポリエステル繊維と
繊度0.3デニール、長さ5mmおよび、繊度0.5デ
ニール、長さ5mmのポリエステル繊維、繊度2デニー
ル、長さ5mmのポリエステルバインダー繊維を表3の
割合で混合し、以下、実施例1〜10と同様にして薄葉
紙および感熱孔版原紙を作成して各物性を評価した。こ
れらの評価結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】評価基準 1) 解像度 下記の基準により文字のドットのつながりおよび太りを
目視評価した。 ◎非常に良好 ○良好 △ドットが若干つながらない。または若干太りぎみ ×ドットのつながりが悪い。または文字が太って判読し
にくい 2)ベタ部の濃度 下記のようなランク付けにより目視判定するとともにマ
クベス濃度計で濃度を測定した。 ○良好 △若干劣る ×悪い 3)ベタ部の均一性(白抜けも含む) 下記のようなランク付けにより目視判定した。 ○良好 △若干劣る ×悪い
【0037】本発明の実施例に属する条件で作成した薄
葉紙および感熱孔版原紙に比較して、いずれかの条件が
外れている比較例1〜8は、薄葉紙の物性または印刷適
性において評価が劣っている。
【0038】すなわち、表1の結果から、実施例1〜1
0の感熱孔版原紙は、印字濃度も高く、解像度、ベタ部
の均一性も優れ、かつ薄葉紙の強度も高かった。一方、
表2のように、比較例1の薄葉紙は強度は高いが、感熱
孔版原紙としてのインキ通過性(ベタ部の濃度)および
ベタ部の均一性が劣り、実用には不適当であった。
【0039】また、比較例2の感熱孔版原紙はベタ部の
濃度は良好であるが、解像度及びベタ部の均一性が劣っ
た。比較例3の感熱孔版原紙用薄葉紙は、薄葉紙として
の強度が弱く、ポリエステルフィルムとの貼り合わせ加
工に耐えられない強度のものであった。比較例4の薄葉
紙は強度は十分であるが、解像度、ベタ部の濃度、均一
性ともに劣った。
【0040】比較例5、6の薄葉紙はベタ部の濃度が低
く、また、繊維の再凝集による結束繊維が多く、その部
分がベタ部に当たると白抜けとなり、文字部にかかると
細線抜けとなった。さらに薄葉紙の地合が悪く、フィル
ムと貼り合せた後の感熱孔版原紙の平坦性が劣り、解像
度も劣った。
【0041】比較例7の薄葉紙は地合が悪く解像度が劣
り、また、ベタ部での繊維目(繊維の形で白く抜ける現
象)が目立ち実用には不適当であった。比較例8の薄葉
紙は比較例7と同様、解像度が劣り、ベタ部の均一性が
悪く、繊維目が目立ち実用には不適当であった。
【0042】特に、比較例9の感熱孔版原紙用薄葉紙
は、強度は強いものの、繊維径の太いバインダー繊維が
多すぎ、平滑性が悪く、ベタ部の均一性が劣る。また、
バインダー繊維が溶融しているため、インクの通過性も
悪く、ベタ部の濃度が低い。比較例10の感熱孔版原紙
用薄葉紙は、0.1デニールの繊維が多いため、平滑度
は非常に高いが、インキの通過性が極端に悪化し、ベタ
部の濃度が低い。また、0.1デニールの繊維が再凝集
しており、薄葉紙に結束繊維が多く、印刷物に白抜けが
多数発生した。
【0043】また、比較例11の感熱孔版原紙用薄葉紙
は、比較例10とほぼ同様にベタ部の濃度が低く、比較
例10よりは白抜け個数は少ないが、やはり結束繊維に
よる白抜けが発生した。さらに、バインダー繊維が比較
的高配合なのに強度が非常に低かった。また、薄葉紙の
表面強度も低く、ペーパーロールに繊維脱落が見られ
た。これらは、ポリエステルバインダー繊維のバインダ
ー効果がアクリル繊維に対しては、弱くなるためと考え
られる。
【0044】さらに、比較例12の感熱孔版原紙用薄葉
紙はバインダー繊維が高配合のため、比較例9と同様平
滑性が悪く、ベタ部の均一性、ベタ部の濃度が劣った。
【0045】
【発明の効果】本発明により、地合、結束繊維による印
刷時の白抜けが少なく、フィルム貼り合せ時の強度も十
分あり、さらに画像濃度(インキ通過性)も高く、解像
性の良い感熱孔版原紙用薄葉紙と、この薄葉紙と熱可塑
性樹脂フィルムを接着剤で積層させることにより、60
0dpiの高精細孔版製版・印刷機に適した感熱孔版原
紙が得られる。
【0046】本発明の感熱孔版原紙は、マスターペーパ
ーとして使用した場合に、インキ通過性が優れ、かつ均
一であり、白抜けを生じることがなく、画像濃度も高
く、解像度、ベタ部の均一性に優れており、600dp
iの高解像度の製版・印刷機に最も良く適合したもので
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単糸繊度0.1デニールを越え・0.3デ
    ニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステル繊維40
    〜60重量%と、単糸繊度0.3デニール以上・0.5デ
    ニール未満、繊維長3〜5mmのポリエステル繊維30
    〜50重量%、単糸繊度1〜2デニール、繊維長3〜5
    mmのポリエステルバインダー繊維を5〜15重量%を
    混合した原料を坪量7〜10g/m2に湿式抄紙し、得
    られたシートのベック平滑度が7〜20秒であることを
    特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙。
  2. 【請求項2】開孔率が5〜11%で、平均開孔面積が
    0.1〜0.5×103μm2であることを特徴とする請
    求項1記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の薄葉紙と熱可塑
    性フィルムとの積層物である感熱孔版原紙。
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