JP3155061B2 - 感熱孔版印刷原紙用多孔性薄葉紙およびその製造法 - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用多孔性薄葉紙およびその製造法

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義明 堀
尚陸 ▲廣▼瀬
仁志 伊藤
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アジア原紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維を主成分とする
多孔性薄葉紙およびその製造法ならびに該薄葉紙を用い
た感熱孔版印刷原紙に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷原紙としては、麻などの天然繊維もし
くはポリエステル、ポリビニルアセタール、レーヨンな
どの合成繊維、またはそれらの混抄品などの多孔性薄葉
紙に、塩化ビニリデン- 塩化ビニル共重合体樹脂フィル
ム、ポリプロピレンフィルムなどのビニル系樹脂フィル
ムやポリエステルフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルム
を貼り合わせたものが使用されている。
【0003】感熱孔版印刷方法は安価、簡便であるため
広く使用されているが、近年その印刷品質の高級化が要
求されている。しかしながら、たとえばサーマルヘッド
による製版のばあい、サーマルヘッドの方は高密度化
(たとえば8ドット/ミリが12ドット/ミリを経て16ド
ット/ミリとなってきている)が図られているのに、原
紙の方の性能がそれに伴わないため、印刷品質が向上さ
れないという問題がある。
【0004】要求される印刷品質には、細字なども鮮明
に印刷できること、ベタ画像部の白ヌケがないこと、孔
版印刷インクにより印刷された画像のインクがつぎの印
刷用紙の裏面に転写する、いわゆる印刷インクの裏うつ
りが少ない(多孔性薄葉紙のインク透過性がよすぎると
裏うつりがひどくなる)ことなどがあげられる。
【0005】前記のような要求を解決するために、印刷
の鮮明性向上、白ヌケの解消については、特開昭 61-25
4396号公報には天然繊維からなる多孔性薄葉紙の繊維結
束の面積あたりの個数について規制することが記載され
ているが、この技術による多孔性薄葉紙はインクの透過
性がよすぎてインクの透過量が制御できず、裏うつりの
多い印刷物しかえられない。
【0006】また、特開昭59-115898 号公報にはポリエ
ステル繊維を主体とし、該主体繊維より低い融点をもつ
繊維状のポリエステル繊維をバインダーとして使用し、
主体繊維は溶融しないがバインダー繊維は溶融する温度
で加熱して繊維間接着を形成させる方法が開示されてい
るが、この方法では、インクの透過性は抑制できるが、
印刷の鮮明さに欠けるという問題がある。
【0007】前記の点に鑑みて、本発明は細字画像でも
鮮明な印刷ができ、ベタ画像の白ヌケがなく、かつ印刷
インクの裏うつりが起こらないようにインク透過量の制
御ができる感熱孔版印刷原紙用多孔性薄葉紙、およびそ
の製造法ならびに該多孔性薄葉紙を支持体として使用す
る感熱孔版印刷原紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、繊維
の太さが2.0 デニール以下、長さが2〜10mmの非結晶化
合成繊維を主成分とする多孔性薄葉紙であって、繊維間
接着が片側の表面から厚さの65%以内に存在することを
特徴とする感熱孔版印刷原紙用多孔性薄葉紙に関する。
【0009】本発明はまた、繊維の太さが2.0 デニール
以下、長さが2〜10mmであって、80℃以上の熱水により
膨潤ないし溶解するポリビニルアセタール系合成繊維を
主成分とする抄造紙であって、水分率が50〜80重量%の
状態のものを、片面に温度80℃以上の加熱体を接触させ
て加熱することによって、片側の表面から厚さの65%以
内に繊維間接着を形成することを特徴とする感熱孔版印
刷原紙用多孔性薄葉紙の製造法に関する。
【0010】本発明はまた、繊維の太さが2.0 デニール
以下、長さが2〜10mmの非結晶化合成繊維を主成分とす
る多孔性薄葉紙であって、繊維間接着が片側の表面から
厚さの65%以内に存在する多孔性薄葉紙の繊維間接着の
ない側に、厚さ4μm以下の熱可塑性樹脂フィルムが貼
り合わされてなることを特徴とする感熱孔版印刷原紙に
関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明の多孔性薄葉紙は、繊維間
強度を高める繊維間接着が片側の面に偏在されているこ
とを特徴とするものであって、多孔性薄葉紙の繊維間強
度を向上させるために前記従来例のごとくバインダー繊
維を使用したり、あるいはバインダー樹脂を添加して抄
紙したり、後加工の段階でバインダー樹脂を含浸させた
りすると、多孔性薄葉紙全体に繊維間接着が存在するよ
うになって、この多孔性薄葉紙に熱可塑性樹脂フィルム
を貼り合わせた感熱孔版印刷原紙では、多孔性薄葉紙と
フィルムとの接着界面に存在する繊維間接着がインクの
通過を妨げ、細字の画像部が不鮮明になったり、ベタ印
刷部にインクの乗らない白い部分(いわゆる白ヌケ)が
生じたりして印刷品質低下の原因となる、という知見に
基づいてなされたものである。
【0012】前記繊維間接着を片側の面に偏在させた多
孔性薄葉紙の繊維間接着のない面に熱可塑性樹脂フィル
ムを貼りあわせた本発明の感熱孔版印刷原紙において
は、繊維間接着が存在する側からインクが供給される
と、インクはフィルムが貼り合わされている繊維間接着
のない側に充填され、フィルムの穿孔された孔をとおし
て印刷用紙上に移動する。その際、繊維間接着の存在す
る側でインクの透過量がコントロールされるため裏うつ
りが防止され、かつ製版穿孔されたフィルムの孔の面に
はインクが充分に供給できるので、ベタ印刷部における
白ヌケの現象などがほとんど起らない。
【0013】本発明の多孔性薄葉紙に用いる原料繊維と
しては、たとえばポリビニルアセタール系、ポリエステ
ル系、アクリル系、レーヨンなどの非結晶化合成繊維を
主成分として使用することができる。合成繊維は、その
繊維断面や繊維の長さがほぼ均一で、バラツキのすくな
い多孔性薄葉紙がえられやすく、天然繊維よりも好まし
い。前記繊維は単独で使用してもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0014】前記合成繊維のなかでは、ポリビニルアル
コールを紡糸後、ホルムアルデヒドやベンゾアルデヒド
などでアセタール化して熱水に膨潤ないし溶解する程度
にしたポリビニルアセタール系繊維、たとえばビニロン
繊維などが繊維間接着が容易な点からとくに好ましい。
前記ビニロン繊維のばあいは水分の存在下で瞬間的に加
熱すると部分的に膨潤ないし溶解し、それが繊維間接着
を形成し繊維間強度を強化させることになる。
【0015】前記原料繊維としては太さが2.0 デニール
以下、好ましくは0.2 〜1.5 デニール、長さが2〜10m
m、好ましくは3〜7mmのものを主成分とするのが好ま
しい。繊維の太さが前記範囲を超えると、えられた感熱
孔版印刷原紙のインクの通過が制御されず裏うつりが多
くなる。繊維の長さが前記範囲未満では繊維の絡みが少
なく抄造が困難となり好ましくない。前記範囲を超える
と抄紙時の繊維分散が悪くなりいわゆる繊維結束による
鮮明度の低下をもたらすので好ましくない。
【0016】前記繊維間接着は片側表面から内部へ、厚
さの65%以内の範囲にある必要がある。繊維間接着が前
記範囲を超えて存在するとインクの透過性が悪くなって
印刷の鮮明さに欠ける。なお繊維間接着は片側表面から
厚さの少なくとも25%の範囲までは存在するのが好まし
い。繊維間接着が前記範囲未満にしか存在しないと強度
が小さくなって未接着の繊維が脱落したり、えられた多
孔性薄葉紙に熱可塑性樹脂フィルムを貼りあわせてえら
れる感熱孔版印刷原紙の耐刷力が小さくなり好ましくな
い。
【0017】前記繊維間接着の分布密度は表面から内部
へかけて一様であってもよく、あるいは表面に近いほう
が高く、内部へゆくほど小さくなるような勾配をもって
いてもよい。
【0018】前記繊維間接着は1個1個がほぼ同じ面積
であるのが好ましいが、実際にはバラツキが生じる。実
用上は、接着点1個あたりの接着面積が 0.4mm2 以下、
なかんづく 0.3mm2 以下であるのが好ましい。繊維間接
着の接着点の個数も繊維の太さなどにより変わるため一
概に規定できないが、通常は 100mm2 あたりの接着点の
個数が平均 100個以上、なかんづく150 〜500 個程度が
好ましい。接着点の単位面積あたりの個数は表面からの
深さによって変わりうるが、本明細書では全体として 1
00mm2 あたりの平均値として表している。
【0019】前記接着点1個あたりの接着面積が前記範
囲を超えるとインクの透過性が悪くなって印刷の鮮明性
に欠けるので好ましくない。なお接着点1個あたりの接
着面積の下限値も、繊維の太さなどにより変わるため一
概に規定できないが、所望の繊維間接着強度をうる点か
ら、通常2×10-5mm2 以上が好ましい。前記接着点の個
数が前記範囲未満では強度が小さくなり、前記範囲を超
えるとインクの透過性が悪くなって印刷の鮮明性に欠
け、共に好ましくない。
【0020】本発明の多孔性薄葉紙の厚さ、坪量はとく
に制限されないが、通常厚さ30〜65μm、坪量7〜 15g
/m2 程度が適当である。
【0021】本発明の多孔性薄葉紙を製造するには、非
結晶化合成繊維を主成分とする繊維を抄紙し、ひきつづ
いて繊維間接着を生ぜしめる。前記繊維間接着は熱によ
るのが最も好ましい。
【0022】すなわち、通常の方法で前記合成繊維を抄
紙し、水分率を調節したのち短時間片側から加熱する
と、加熱された表面からある深さにまで繊維間接着が起
こり、加熱されなかった他方の面側には繊維間接着が起
こらない。
【0023】前記熱による繊維間接着の形成方法では、
前記水分率の調節によってその接着の深さを調節できる
ので、感熱孔版印刷原紙用として最適の多孔性薄葉紙を
うることができるうえ、抄紙から巻取まで一貫した連続
工程とすることができるので、コストの面からも好まし
い。
【0024】前記非結晶化合成繊維は、前記熱による繊
維間接着を形成するためには、80℃以上の熱水によって
膨潤ないし溶解するものがとくに好ましい。80℃未満と
いう低い温度で膨潤ないし溶解する合成繊維では、処理
中の僅かの熱によっても繊維間接着が起こりやすく、ま
た製品としたあとでも熱による品質変化の危険性が大き
く好ましくない。前記熱水に膨潤、溶解するような繊維
の例としてはたとえば前記のポリビニルアセタール系繊
維などがあげられる。
【0025】本発明の多孔性薄葉紙を製造する方法を、
以下、図面によって説明する。
【0026】図1は本発明の多孔性薄葉紙の抄紙工程を
示す概略図である。図1において、1は原料の、太さが
2.0 デニール以下、長さが2〜10mmの非結晶化合成繊
維、たとえばポリビニルアセタール系繊維を水中に分散
した紙料のストックインレットである。
【0027】前記紙料は抄紙機2に供給されて常法によ
り抄紙される。紙料の供給量は、通常厚さ30〜65μm、
坪量7〜15 g/m2 の最終製品がえられるように調節され
る。抄紙機としては各種タイプの抄紙機、たとえば短網
抄紙機、丸網抄紙機などがいずれも使用でき、ばあいに
よっては丸網と短網とを有する抄紙機のごとく2種類以
上のタイプの抄紙機を組み合せて使用してもよい。
【0028】抄紙機上でえられた湿紙はプレスロール3
によって水分率が50〜80重量%になるまで脱水される。
この水分の量は、これを調節することによって後述の繊
維間接着の深さがコントロールされるので重要であり、
繊維の熱水による膨潤ないし溶解する温度および設定す
る繊維間接着の最大面積、繊維間接着の 100mm2 あたり
の接着点の個数を考慮して前記範囲内で決定される。
【0029】水分率が前記範囲未満では繊維間接着1個
当りの接着面積および 100mm2 あたりの接着点の個数が
少くなり、強度が弱くなって、好ましくない。前記範囲
を超えると繊維間接着1個当りの接着面積が 0.4mm2
り大きくなり、また厚さ方向への繊維間接着も65%を超
えるため、印刷鮮明度がわるくなり、好ましくない。
【0030】プレスロール3で水分率が調整された抄造
紙は、つぎに円筒状の回転加熱ドラム4上に移され、ド
ラムの表面側から80℃以上に加熱され、ドラムに接して
いる面側から内部へ65%以内に繊維間接着を生じせしめ
られる。前記加熱温度は80℃以上であることが必要で、
その温度は通常100 〜150 ℃程度であるが、加熱時間と
の兼ね合いで適宜設定される。加熱時間は通常2〜20秒
程度でよい。しかしながら、加熱時間は抄紙速度、水分
率、加熱温度により種々変化するので、この範囲に限定
されるものではない。
【0031】加熱によって繊維間接着された多孔性薄葉
紙はそののち通常の製紙における通常の後処理工程を経
て、ワインダー5によって巻取られる。
【0032】前記多孔性薄葉紙は、その繊維間接着の無
い側に厚さ4μm以下の熱可塑性樹脂フィルムを貼り合
わせることによって、本発明の感熱孔版印刷原紙とされ
る。
【0033】本発明の感熱孔版印刷原紙に使用される前
記熱可塑性樹脂フィルムはとくに制限されず、フィルム
穿孔方法、たとえばサーマルヘッドによるのか、あるい
は赤外線の照射によるのかなどに応じて、さらにフィル
ム穿孔エネルギーに応じて適宜選択される。一般に、二
軸延伸された熱可塑性樹脂フィルム、たとえば縦および
横方向の延伸率が 150〜 250%であるポリエチレンテレ
フタレートフィルム、共重合ポリエステルフィルム、ポ
リエチレンフィルム、塩化ビニル- 塩化ビニリデン共重
合フィルムなど公知のフィルムがいずれも使用できる。
【0034】フィルムの厚さは熱による穿孔が確実に行
われるように4μm以下、好ましくは1〜3μmの範囲
で、穿孔方法、穿孔エネルギーを考慮して選択される。
【0035】たとえば、サーマルヘッドによる製版のば
あい、通常は厚さ2〜3μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムが好ましく用いられる。しかしサ
ーマルヘッドに対する印加エネルギーが0.1mJ /ドット
以下のばあいには、 1.5〜1.8 μm程度の厚さにする
か、あるいはより高感度の熱収縮率(150 ℃×30分の加
熱処理後の値)が5%以上のポリエチレンテレフタレー
トフィルムおよび低融点のポリエステルフィルムなどが
使用される。
【0036】前記熱可塑性樹脂フィルムを前記多孔性薄
葉紙に接着するのに使用される接着剤の例としては、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、ウレタン系樹脂などがあげられる。接着剤の塗布量
は乾燥重量で0.2 〜1.0g/m2 程度が好ましい。接着剤の
乾燥塗布量が前記範囲よりすくないと接着強度が低下
し、前記範囲より多いと印刷鮮明度が低下するので好ま
しくない。
【0037】前記熱可塑性樹脂フィルムを前記多孔性薄
葉紙に接着するには、通常接着剤を熱可塑性樹脂フィル
ム側に塗布し、前記多孔性薄葉紙の繊維間接着のない表
面をその上に重ね合わせて接着し、加熱乾燥をする。
【0038】本発明をさらに実験例をあげて具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0039】実験例1〜6および比較実験例1 ビニロン繊維単独(実験例1、6および比較実験例
1)、太さおよび長さの異なる2種類のビニロン繊維混
合物(実験例2、3)、ビニロン繊維とポリエステル繊
維との混合物(実験例4)、ビニロン繊維とアクリル繊
維との混合物(実験例5)を常法に従って、丸網抄紙機
で抄紙した。抄紙速度は毎分50メートルであった。えら
れた湿紙をプレスロールで脱水して水分率を調節し、回
転加熱ドラムでドラム表面側から110 ℃で15秒間加熱し
て多孔性薄葉紙をえた。
【0040】使用した繊維の種類、太さ、長さ、混合物
のばあいはその混合比(重量%)比、加熱前の水分率
(重量%)、えられた多孔性薄葉紙の厚さと坪量、繊維
間接着の深度(厚さに対する)、繊維間接着1個あたり
の最大面積、繊維間接着の 100mm2 当たりの平均個数を
表1に示す。
【0041】なお、繊維間接着の深度(厚さに対する)
および繊維間接着1個あたりの最大面積、繊維間接着の
100mm2 当たりの平均個数の測定は以下のごとく行っ
た。
【0042】繊維間接着の深度 繊維間接着の存在する部分と繊維間接着の存在しない部
分はその界面で紙層剥離を起こすので、この現象を利用
して繊維間接着の深度を測定した。すなわち、繊維間接
着の存在しない側にセロハンテープを貼り付け、それを
剥離するとセロハンテープ側には繊維間接着の存在しな
い紙層がつき、残るのは繊維間接着の存在する紙層であ
る(この層の厚さをBとする)。元の紙厚をAとする
と、繊維接着の深度はB/A×100 となる。
【0043】繊維間接着1個当りの最大面積 光学顕微鏡(倍率50倍)で観察し測定した。寸法測定は
接眼部取付式の測微計で行った。
【0044】繊維間接着の 100mm2 当たりの平均個数 光学顕微鏡(倍率50倍)で観察し、繊維間接着の個数を
測定した。
【0045】比較実験例2 繊維としてマニラ麻パルプを用い厚さ43μm、坪量 11.
2g/m2 のマニラ麻 100重量%の多孔性薄葉紙をえた。
【0046】
【表1】
【0047】実験例7〜12、比較実験例3 実験例1〜6、比較実験例1でえられた多孔性薄葉紙の
繊維間接着のない面に、厚さ1.8 μm、150 ℃×30分後
の熱収縮率が10%の二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを、ポリエステル樹脂系接着剤を 0.5g/m2
使用して接着して感熱孔版印刷原紙を製造した。
【0048】比較実験例4 実験例5でえられた多孔性薄葉紙の繊維間接着のある面
に、前記実験例7で使用した二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを同様にして接着し、感熱孔版印刷
原紙を製造した。
【0049】比較実験例5 比較実験例2でえられたマニラ麻の多孔性薄葉紙に、前
記実験例7で使用した二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを同様にして接着し、感熱孔版印刷原紙を
製造した。
【0050】かくしてえられた感熱孔版印刷原紙を
(株)デュプロ製デュプロデジタル製版機DP−3090を
使用して製版し、印刷して評価をした。
【0051】評価項目とその方法および基準は下記のと
おりである。
【0052】ベタ画像部の白ヌケ 1辺が20mmの白の正方形と黒の正方形を市松模様に配し
た原稿を用いて製版し、これを用いて印刷を行ない、え
られた印刷物の黒画像部に確認される白点を計測した。
【0053】A: 400mm2 のベタ画像部に 0.2mm2 以上
の白点が5個未満存在する。
【0054】B: 400mm2 のベタ画像部に 0.2mm2 以上
の白点が5個以上10個未満存在する。
【0055】C: 400mm2 のベタ画像部に 0.2mm2 以上
の白点が10個以上存在する。
【0056】裏うつり 1辺が20mmの白の正方形と黒の正方形を市松模様に配し
た原稿を用いて製版し、これを用いて市販のPPC用紙
に印刷して印刷物50枚をえ、被印刷面への印刷インクの
転写の程度を目視判定した。
【0057】A:裏うつりがほとんどない。
【0058】B:裏うつりが少しある。
【0059】C:裏うつりが多い。
【0060】画像性 画像電子学会製ファクシミリテストチャート No.2を原
稿に使用して製版し、これを用いて印刷を行ない、えら
れた印刷物について文字の再現性、罫線の連続性、ベタ
画像部の白点を総合評価した。
【0061】A:良好 B:ふつう C:悪い 耐刷枚数 太さ0.5mm 、長さ240mm の実線を10mm間隔に引いた罫線
原稿を使用して製版し、これを用いて印刷を行ない、実
線の太さもしくは罫線間隔に3%以上の差が出た時点で
の印刷枚数を耐刷枚数とした。
【0062】評価結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】表2から、本発明の感熱孔版印刷原紙を使
用した孔版印刷では、耐刷枚数が多く、ベタ印字の際の
白ヌケや印刷インクの裏うつりも少なく、画像性がよい
ことがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙を用いる孔版
印刷では、耐刷枚数が多く、ベタ印字の際の白ヌケや印
刷インクの裏うつりも少なく、画像性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔性薄葉紙の抄紙工程を示す概略図である。
【符号の説明】
2 抄紙機 3 プレスロール 4 加熱ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲廣▼瀬 尚陸 高知県土佐市高岡町丙529番地 ▲廣▼ 瀬製紙株式会社内 (72)発明者 伊藤 仁志 高知県土佐市高岡町丙529番地 ▲廣▼ 瀬製紙株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−189196(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の太さが2.0 デニール以下、長さが
    2〜10mmの非結晶化合成繊維を主成分とする多孔性薄葉
    紙であって、繊維間接着が片側の表面から厚さの65%以
    内に存在することを特徴とする感熱孔版印刷原紙用多孔
    性薄葉紙。
  2. 【請求項2】 前記繊維間接着1個あたりの接着面積が
    最大 0.4mm2 であり、繊維間接着の個数が 100mm2 あた
    り平均 100個以上である請求項1記載の多孔性薄葉紙。
  3. 【請求項3】 前記合成繊維がポリビニルアセタール系
    合成繊維であり、繊維間接着が熱接着によるものである
    請求項1または2記載の多孔性薄葉紙。
  4. 【請求項4】 繊維の太さが2.0デニール以下、長さ
    が2〜10mmであって、80℃以上の熱水により膨潤
    ないし溶解するポリビニルアセタール系合成繊維を主成
    分とする抄造紙であって、水分率が50〜80重量%の
    状態のものを、片面に温度80℃以上の加熱体を接触さ
    せて加熱することによって、片側の表面から厚さの65
    %以内に繊維間接着を形成することを特徴とする感熱孔
    版印刷原紙用多孔性薄葉紙の製造法。
  5. 【請求項5】 前記繊維間接着1個あたりの接着面積が
    最大0.4 mm2 であり、繊維間接着の個数が 100mm2 あた
    り平均 100個以上である請求項4記載の多孔性薄葉紙の
    製造法。
  6. 【請求項6】 繊維の太さが2.0 デニール以下、長さが
    2〜10mmの非結晶化合成繊維を主成分とする多孔性薄葉
    紙であって、繊維間接着が片側の表面から厚さの65%以
    内に存在する多孔性薄葉紙の繊維間接着のない側に、厚
    さ4μm以下の熱可塑性樹脂フィルムが貼り合わされて
    なることを特徴とする感熱孔版印刷原紙。
  7. 【請求項7】 前記繊維間接着1個あたりの接着面積が
    最大 0.4mm2 であり、繊維間接着の個数が 100mm2 あた
    り平均 100個以上である請求項6記載の感熱孔版印刷原
    紙。
  8. 【請求項8】 前記合成繊維がポリビニルアセタール系
    合成繊維であり、繊維間接着が熱接着によるものである
    多孔性薄葉紙を用いた請求項6または7記載の感熱孔版
    印刷原紙。
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