JP2001315460A - 感熱孔版印刷用マスタの製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用マスタの製造方法

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JP2001315460A JP2000136017A JP2000136017A JP2001315460A JP 2001315460 A JP2001315460 A JP 2001315460A JP 2000136017 A JP2000136017 A JP 2000136017A JP 2000136017 A JP2000136017 A JP 2000136017A JP 2001315460 A JP2001315460 A JP 2001315460A
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Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
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Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスタ原反をロール状に巻き取ったときのフ
ィルム表面の平滑度の低下が小さく、印刷画像に白点等
の欠点が発生しない、画質の優れた印刷画像が得られる
感熱孔版印刷用マスタの製造方法を得る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体と
を積層してなる感熱孔版印刷用マスタの製造方法におい
て、前記熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層
してロール状に巻き取る際、該熱可塑性樹脂フィルムの
表面に王研式平滑度計による平滑度が1000秒以上を
有するシートの表面が接するように該シートを巻き込み
ながら巻き取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は延伸された熱可塑性
樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層して形成される感
熱孔版印刷用マスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、延伸された熱可塑性樹脂フィルム
(以下フィルム)にインキ透過性の多孔性支持体(以下
支持体)として多孔性薄葉紙、不織シートなどを接着剤
で貼り合わせ、さらに該フィルム表面にサーマルヘッド
や原稿とのスティック防止のためのスティック防止層を
設けた感熱孔版印刷用マスタ(以下マスタ)が知られて
いる。実際に支持体として麻繊維、合成繊維、木材繊維
などを混抄したものに、延伸した薄いポリエステルフィ
ルムを接着剤で貼り合わせ、さらに該フィルム表面にシ
リコーンオイル、ワックス、脂肪酸等からなるスティッ
ク防止層を設けたマスタが広く用いられている。
【0003】上記マスタの製造は、幅1m弱〜2m弱の
フィルムと支持体を接着剤で貼り合わせ、フィルム表面
にスティック防止層が塗布され、ロール状に巻き取られ
て原反とされた後、所定の幅にスリットされる。
【0004】しかし、印刷の高速化、サーマルヘッド発
熱体の微細化、発熱時間の縮小化などから、マスタの熱
高感度化が要求され、フィルム自体の熱高感度化と共に
マスタに形成されたときのフィルム表面の平滑性が必要
となった。空気は熱伝導を著しく妨げ、サーマルヘッド
発熱体とフィルムの接触が不十分である場合、フィルム
の熱穿孔されるべき箇所が穿孔されなくなる割合が増加
し、印刷画像に白点となって現れ、印刷品質を悪化させ
る。特にカラー画像の印刷においては印刷品質の悪化が
目立った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記フィルム表面の平
滑性が悪くなる大きな原因は、その原反の製造法にあ
る。平滑性が非常に悪い多孔性薄葉紙、不織シートなど
のインキ透過性支持体に厚さ0.5〜5μmの薄くて剛
性の小さいフィルムを接着剤で貼り合わせ、ロール状に
巻き取ると、薄いフィルム表面は平滑性が非常に悪い多
孔性薄葉紙、不織シート等と接し、相当の圧力で圧縮さ
れる。すなわちフィルムは支持体に挟まれて圧力がかか
った状態となる。そしてロール状態が崩れないように圧
力はロールの巻芯部ほど高く、また巻き長さが長くなる
ほど高くなっている。このような状態で数時間置かれる
とフィルム表面は支持体の表面形状に似たパターン形状
に変形し、当然平滑性が悪化する。
【0006】なお、ロールが商品状態にスリットされた
場合も同様の状態になる(ロール状に巻き取られる)わ
けであるが、この場合は長さが高々百数十メートルであ
り、原反の一万メートル以上とは大差があるため圧力も
小さく、平滑性に対する悪影響も小さいので心配はな
い。
【0007】この平滑性の悪化を最低限に抑えるため、
これまで、いくつかの処置や提案がなされた。まず、ロ
ール内部の圧力を可及的小さくする試みがなされたが、
ロール状態が崩れないようにするには限界があった。ま
たロール巻長を小さくする試みもなされたが、生産性を
悪くした。さらに原反をカレンダー処理する試みもなさ
れたが、効果が小さく生産性をも悪くした。特開平5−
212983号公報には、フィルムのテンションを加減
することが提案されているが、カールが大きくなり、ま
た効果もあまり大きくない。また、特公平3−5235
4号公報にはフィルムと支持体を貼合するに際し、フィ
ルム面を鏡面ロールに密着させながら接着剤を乾燥する
ことが提案されているが、これもロールに巻き取る過程
で平滑性が低下し、効果が小さかった。これらに対して
特開平11−321148号公報にはロール状感熱孔版
原紙の原紙間に、表面粗さ8.0μm以下のシートを介
在させ、経時的な表面平滑性の低下による画像性の低下
を防止することが提案されている。しかしながら、この
方法はロール状に巻き取った原紙と原紙の間にシートを
介在させるため巻き取り直後の凹凸の影響を防止できな
い。
【0008】本発明は上記背景に鑑みてなされたもの
で、マスタ原反をロール状に巻き取ったときのフィルム
表面の平滑度の低下が小さく、印刷画像に白点等の欠点
が発生しない、画質の優れた印刷画像が得られるマスタ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題点に
関して検討したところ、ロール状に巻き取ったときのマ
スタ原反のフィルム表面の平滑度を低下させないために
は、巻き取る際の該フィルム表面を直接支持体の凹凸面
に接触させないようにすることが重要であり、それには
巻き取る際に先に巻かれる原反の支持体と次に巻かれる
原反のフィルムとの間にシートを介在させることが考え
られた。そしてさらに検討した結果、シートはマスタ原
反のフィルム表面に巻き込んでマスタ原反と一緒に巻き
取るのがよいこと、また使用するシートはそれに必要な
可撓性とフィルム表面に直接接してもフィルム表面の平
滑性に悪影響を及ぼす恐れのない、できるだけ高い平滑
性を有するものが必要であることを知り本発明に至っ
た。
【0010】すなわち、本発明によれば、第一に、フィ
ルムと支持体とを積層してなるマスタの製造方法におい
て、上記フィルムと支持体とを積層してロール状に巻き
取る際、該フィルムの表面に王研式平滑度計による平滑
度が1000秒以上を有するシートの表面を接するよう
に該シートを巻き込みながら巻き取ることを特徴とする
マスタの製造方法が提供される。上記のごとく平滑度が
1000秒以上の長尺シートをマスタ原反のフィルム表
面と接するようにして巻き込みながらマスタ原反を巻き
取ることによって、シートがフィルム表面に接したすべ
てのマスタ表面が高い平滑度を保持し、巻芯部に近いマ
スタ原反によっても印刷画像に白点がほとんど認められ
ないものが得られる。生産工程における原反の巻きの外
側と内側の平滑度の差(バラツキ)は、特に接着剤の硬
化が終了していない状態で激しく起こるため、フィルム
と支持体を積層した直後に平滑度の高いシートを挟むこ
とが重要であることが分かる。またシートの平滑度は1
000秒以上が必要であり、1000秒未満ではマスタ
フィルム表面の平滑度に悪影響を及ぼす恐れがある。ち
なみに上記特開平11−321148号公報ではシート
の表面平滑性を表面粗さで表しているが、表面粗さはμ
m単位の表面の凹凸を測定しているのに対して王研式平
滑度ではmmオーダーのうねりが測定されるため、両者
の測定レンジは異なる。また本発明で使用されるシート
は一度原反に巻き込まれるが、スリット時に取り出さ
れ、幾度も繰り返し使用されるため、コスト上、環境保
全上の懸念も少ない。
【0011】第二に、上記第一に記載したマスタの製造
方法において、上記シートが、厚さ5〜100μmのポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、もしくはポリ酢酸ビニル、又はこれらのコポ
リマー、ブレンドポリマー、もしくはこれらシートの積
層品であることを特徴とするマスタの製造方法が提供さ
れる。シートは厚さが5〜100μmの上記のようなプ
ラスチックシートであることが好ましく、厚さが5μm
より小さいとフィルム表面への支持体凹凸面の影響を完
全に防止することは困難であり、強度も小さく複数回の
使用に耐え難くなる。一方、100μmより大きい場合
は原反のロール径が大きくなり、取り扱い、保管などに
不都合が生じる。
【0012】第三に、上記第一又は第二に記載したマス
タの製造方法において、上記シートがシート内部又はシ
ート表面に帯電防止加工及び/又はスティック防止加工
が施されていることを特徴とするマスタの製造方法が提
供される。上記のような加工が施されていない場合は、
マスタのフィルム表面に帯電防止加工及び/又はスティ
ック防止加工が施されていると、それらの薬剤がシート
表面に移行し効果を損なうことがある。
【0013】第四に、下記(a)から(d)の工程から
なるマスタの製造方法が提供される。 (a)フィルム及び/又は支持体の表面に接着剤を塗布
する工程、(b)該フィルムと該支持体とを貼り合わせ
る工程、(c)前記工程により形成する貼り合わせ体の
フィルム表面に帯電防止加工及び/又はスティック防止
加工を施す工程、(d)前記加工が施されたフィルムの
表面に、厚さが5〜100μm、かつ、帯電防止加工及
び/又はスティック防止加工が施され、さらに王研式平
滑度計による平滑度が1000秒以上を有する長尺プラ
スチックシートの表面を接するように、該シートを巻き
込みながら前記貼り合わせ体をロール状に巻き取る工
程。マスタの支持体とフィルムは剥離を来さない程度に
接着剤を介してラミネートするのがよい。またマスタの
フィルム表面はスティック防止及び/又は帯電防止処理
がなされることが好ましく、前もってされていてもよい
が、上記ラミネートに続く工程で処理すればマスタ製造
の工程として一貫して行えるため生産効率が良い。さら
にマスタフィルム表面に巻き込むシートは厚さ5〜10
0μm、平滑度が1000秒以上を有し、かつ帯電防止
加工及び/又はスティック防止加工が施されたプラスチ
ックシートを使用することにより、フィルム表面の平滑
性、支持体凹凸の影響防止性、取り扱い性、保管性に優
れ、のみならず上記のようなフィルム表面に処理したス
ティック防止及び/又は帯電防止加工の効果も損なうこ
となく、従来発生した印刷画像の白点がほとんど認めら
れない、画質の優れた印刷画像が得られるマスタを製造
することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、支持体は、フィルムを支持し、印刷に際
し、インクが通過できるような構造を持つものであり、
例えば、麻、木材パルプ、藁パルプ、綿、こうぞのよう
な天然繊維、ビニロン、レーヨン、アクリル、ポリエス
テル、ナイロン等の化学繊維を単独、あるいは混合して
湿式あるいは乾式法でシート状に作製したものである。
坪量、厚さは経済性、強度、取り扱い性、インク通過
性、インク保持性の点より、5〜20g/m2、10〜
40μm程度のものが用いられる。
【0015】次にフィルムは、熱製版時の加熱により穿
孔されるものであり、ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリ塩化ビニリデン等が使用可能であるが、熱感度、取
り扱い性、コスト等の面より、厚さ0.5〜5μmの2
軸延伸したポリエステルフィルムが好適に使用すること
ができる。厚さが0.5μmより小さくなると取り扱い
性、単位面積当たりのコスト等の面より不利になり、5
μmより大きくなると熱感度が低くなる。これらのフィ
ルムは前もってスティック防止や帯電防止の処理がなさ
れていてもよい。
【0016】前記支持体及びフィルムは、接着剤を介し
てラミネートされるが、この接着剤としては公知のもの
が使用可能であり、例えばポリ酢酸ビニル系、ポリウレ
タン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリアク
リル酸エステル系、ポリ塩化ビニル系、これらのコポリ
マー、ブレンドポリマーなどが挙げられる。接着剤の乾
燥付着量は、0.1〜5g/m2程度であり、少なすぎ
ると接着力が小さく、支持体とフィルムが剥離すること
があり、多すぎると熱感度や画質の低下が起こる。
【0017】本発明に使用される王研式平滑度計で測定
した少なくとも片面の平滑度が1000秒以上であるシ
ートは、ロール状に巻かれた原反マスタのフィルム表面
が直接支持体の凹凸面に接触しないようにする機能を有
する。シートは原反マスタに巻き込むための適当な可撓
性と少なくとも片面が1000秒以上の平滑度を有する
ことが必要である。平滑度が1000秒未満ではマスタ
フィルム表面の平滑度に悪影響を及ぼすことがある。ち
なみに表面粗さはμm単位の表面の凹凸を測定するのに
対して王研式平滑度ではmmオーダーのうねりが測定さ
れるため、両者の測定レンジは異なる。
【0018】シートは一般のプラスチックスの厚さ5〜
100μmのものが用いられるが、特に取り扱い性、強
度、価格等の面で、厚さ5〜100μmの、主としてポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、これら
のコポリマー、ブレンドポリマー、積層品のいずれかで
あることが好ましい。シートは内部、又は表面に帯電防
止加工及び/又はスティック防止加工の施されているこ
とが望ましい。これらの加工が施されていない場合、マ
スタに加工された帯電防止及び/又はスティック防止の
機能を有する薬剤が該シートに移行して効果を損なうこ
とがある。上述のように厚さが5μmより小さいとフィ
ルム表面への支持体の凹凸面の影響を完全には防ぐこと
が困難であり、強度も小さくなって複数回数の使用に堪
え難くなる。厚さが100μmより大きいと原反のロー
ル径が大きくなり、取り扱い性、保管などに不都合が生
じる。
【0019】本発明を実施するには、所定の支持体及び
/又はフィルムに接着剤を塗布し、支持体とフィルムを
貼り合わせ、必要に応じてスティック防止、帯電防止加
工を施し、ロール状に巻き取る工程でフィルムと平滑度
が1000秒以上の平滑度を有するシート面とが接する
ようにシートを巻き込みながら巻き取ることによって行
われる。図1にその概念図を示す。
【0020】原反はその形状を正しく保つために、巻軸
に近いほど圧力が大きくなっている。よってマスタのフ
ィルム表面も巻軸に近いほど大きな圧力を受ける。よっ
てシートの巻き込みは巻軸に近い部分のみ行われてもよ
い。どこまで巻き込むかは、要求される平滑度と原反の
それとを比較検討し決定される。原反はスリットでスリ
ットされるが、スリットの前にシートは別の巻軸に巻き
取られる。そして該シートは複数回使用される。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。
【0022】厚さ10μm、幅980mmのポリエステ
ル長尺シートを用意した。次に溶液タイプのポリエステ
ル樹脂に炭酸カルシウム粉末を固形分比で、1、5、2
0、70%加えて各液をボールミルで分散し、ポリエス
テル長尺シート上に乾燥後付着量約1〜7g/m2にな
るように塗布して平滑度約52、190、650、38
00秒のシートを各3000mずつ得た。1430秒の
シートは10000m塗布した。なお、塗布しない長尺
シートの平滑度は19700秒であった。
【0023】次に厚さ1.5μm、幅980mm、長さ
10000mの2軸延伸ポリエステルフィルムの片面に
接着剤として塩素系ポリプロピレンを乾燥後付着量約1
g/m2になるようにロールヘッドで塗布し、支持体と
してマニラ麻75重量%、太さ4〜10μmのポリエス
テル繊維25%を坪量10g/m2になるよう混抄した
ものに貼り合わせた。さらにフィルム上に公知のシリコ
ーンオイルを約0.05g/m2塗布して、スティック
防止層とし、マスタを作製した。このときの原反巻き取
りスピードは100m/min.、初期張力は約60k
g、コアの大きさは6インチ、フィルム面内巻である。
【0024】次に同様にしてマスタを加工し、そのとき
準備した各種平滑度の長尺シートを、平滑度を測定した
面がマスタフィルム面に当たるようにして巻芯部より3
000mずつ巻き込んだ。ただし、表面平滑度1430
秒のシートは10000m巻き込んだ。
【0025】7日後、原反を各320mmにスリットし
た。長尺シートはスリットしないでそのままロール状に
巻いた。各幅方向中央のマスタフィルム面の平滑度を王
研式測定器で測定した。次に孔版印刷機(リコー製、プ
リポート3820)で印刷し、画像の白点の程度を目視
で判定した。白点のほとんどないものを○、ややあるも
のを△、ひどくあるものを×とし、結果を表1に示し
た。
【0026】
【表1】
【0027】上表より、長尺シートを巻き込んで巻き取
った場合は巻芯部においてもマスタフィルム表面の平滑
度は比較的高く保持され、画像の白点の発生程度もかな
り減少すること、さらにマスタフィルム表面の平滑度と
画像の白点の発生程度は使用するシートの平滑度に左右
され、シートの表面平滑度が1430秒以上の場合は、
シートがフィルム表面に接した全てのマスタの表面平滑
度が3880秒以上を示し、印刷画像の白点がほとんど
認められないこと、一方、シートの表面平滑度が650
秒の場合は、巻き始めの部分の平滑度が3310秒とや
や低く、白点もややあるものとなることが分かり、この
結果から、巻き込むシートの表面平滑度が1000秒以
上であれば画像の白点がほとんどないものが得られるこ
とが推測される。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、マス
タをロール状に巻き取る際、マスタ原反のフィルム表面
に接するように王研式平滑度計による平滑度が1000
秒以上の長尺シートを巻き込みながら巻き取るものであ
り、この方法によれば支持体の大きな凹凸面に何ら影響
されることなく、マスタのフィルム表面は巻芯部に近い
ものでも高い平滑度が保持され、従来発生した画像の白
点がほとんど発生せず、画質の優れた印刷画像が得られ
るマスタを作製することができる。
【0029】請求項2の発明は、上記構成において、巻
き込むシートが厚さ5〜100μmのポリエステル等の
プラスチックシートとするものであり、これによればマ
スタフィルム表面への支持体凹凸面の影響を完全に防止
できること、複数回の使用にも耐えられること、また原
反のロール径など取り扱い、保管などにも不都合がな
い。
【0030】請求項3の発明は、上記構成において、巻
き込むシートがさらにシート内部又は表面に帯電防止加
工及び/又はスティック防止加工が施されているとする
ものであり、これによればマスタのフィルム表面に帯電
防止加工及び/又はスティック防止加工が施されている
場合、それら薬剤のシート上への移行が起こり難く、そ
の効果を損なわない。
【0031】請求項4の発明は、マスタのフィルムと支
持体を接着剤により積層する工程、該フィルム表面への
帯電防止及び/又はスティック防止加工の施工、マスタ
巻き取り時にマスタフィルム表面に、厚さ、表面平滑度
及びシート表面への帯電防止及び/又はスティック防止
加工の施工を規定したシートを使用して巻き取る工程か
らなるマスタの製造方法であり、この製造方法によれ
ば、マスタの支持体とフィルムが剥離を来さず、またマ
スタフィルム表面のスティック防止及び/又は帯電防止
処理を一貫した工程で処理することにより効率が良く、
さらに厚さ、平滑度、帯電防止及び/又はスティック防
止加工の施工を規定した巻き込みシートを用いることに
より、フィルム表面の平滑性、支持体凹凸面の影響防止
性、取り扱い性、保管性に優れるのみならずフィルム表
面に処理したスティック防止及び/又は帯電防止加工の
効果も損なうことなく、従来発生した印刷画像の白点が
ほとんど認められない、画質の優れた印刷画像が得られ
るマスタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスタの製造方法を実施するための概
念図。
【符号の説明】
1 2軸延伸熱可塑性樹脂フィルム 2 接着剤塗布槽 3 多孔性支持体 4 接着剤乾燥炉 5 帯電防止及び/又はスティック防止剤塗布槽 6 上記防止剤乾燥炉 7 シート 8 感熱孔版印刷用マスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 AB25 AB28 BA06 DA47 DA49 DA50 DA56 EA02 EA04 EA07 EA08 EA10 FA01 FA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体と
    を積層してなる感熱孔版印刷用マスタの製造方法におい
    て、前記熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層
    してロール状に巻き取る際、該熱可塑性樹脂フィルムの
    表面に、王研式平滑度計による平滑度が1000秒以上
    を有するシートの表面を接するように該シートを巻き込
    みながら、巻き取ることを特徴とする感熱孔版印刷用マ
    スタの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感熱孔版印刷用マスタの
    製造方法において、前記シートが、厚さ5〜100μm
    のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
    スチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
    化ビニリデン、もしくはポリ酢酸ビニル、又はこれらの
    コポリマー、ブレンドポリマー、もしくはこれらシート
    の積層品であることを特徴とする感熱孔版印刷用マスタ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用マ
    スタの製造方法において、前記シートがシート内部又は
    シート表面に帯電防止加工及び/又はスティック防止加
    工が施されていることを特徴とする感熱孔版印刷用マス
    タの製造方法。
  4. 【請求項4】 下記(a)から(d)の工程からなる感
    熱孔版印刷用マスタの製造方法。 (a)熱可塑性樹脂フィルム及び/又は多孔性支持体の
    表面に接着剤を塗布する工程、(b)該熱可塑性樹脂フ
    ィルムと多孔性支持体とを貼り合わせる工程、(c)前
    記工程により形成する貼り合わせ体の熱可塑性樹脂フィ
    ルムの表面に帯電防止加工及び/又はスティック防止加
    工を施す工程、(d)前記加工が施された熱可塑性樹脂
    フィルムの表面に、厚さが5〜100μmで、かつ、帯
    電防止加工及び/又はスティック防止加工が施され、さ
    らに王研式平滑度計による平滑度が1000秒以上を有
    する長尺プラスチックシートの表面を接するように、該
    シートを巻き込みながら前記貼り合わせ体をロール状に
    巻き取る工程。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112644194A (zh) * 2020-12-25 2021-04-13 浙江亚欣包装材料有限公司 一种薄膜制版工艺

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CN112644194A (zh) * 2020-12-25 2021-04-13 浙江亚欣包装材料有限公司 一种薄膜制版工艺

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