JP2001270262A - ロール状感熱孔版印刷用マスタ - Google Patents

ロール状感熱孔版印刷用マスタ

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JP2001270262A
JP2001270262A JP2000086389A JP2000086389A JP2001270262A JP 2001270262 A JP2001270262 A JP 2001270262A JP 2000086389 A JP2000086389 A JP 2000086389A JP 2000086389 A JP2000086389 A JP 2000086389A JP 2001270262 A JP2001270262 A JP 2001270262A
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Masayasu Nonogaki
正康 野々垣
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール状感熱孔版印刷用マスタの繰り出し時
のロール(巻き取り)のずれ、緩みなど、いわゆる竹の
子状となる不具合を改良する。 【解決手段】 少なくとも熱可塑性樹脂フィルムからな
る感熱孔版印刷用マスタをロール状に巻き取った感熱孔
版印刷用マスタにおいて、前記マスタを巻きほぐすと
き、0.05〜5.0gf/cmの力を必要とするブロ
ッキングが生じているマスタとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロール状に巻かれた
感熱孔版印刷用マスタ(以下マスタ)のロールのずれ、
緩みによる竹の子状の不具合を改良する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムにインク透過性の支持体
として多孔性薄葉紙などを接着剤で貼り合わせ、かつ、
フィルム表面にサーマルヘッドとのスティックを防止す
るためのスティック防止層を設けたマスタが知られてい
る。実際に、多孔性薄葉紙として麻繊維、合成繊維、木
材繊維などを混抄したものにフィルムを接着剤で貼り合
わせ、かつ、フィルム表面にスティック防止層を設けた
マスタが広く用いられている。
【0003】しかし、上記従来のマスタには次のような
問題点があった。 (1)繊維の重なった部分とフィルムが接する部分に接
着剤が大量に、あたかも鳥の水掻き状に集積(付着)
し、その部分がサーマルヘッドによる穿孔が行われ難く
なる。また、その部分がインクの通過を妨げ、印刷ムラ
が発生する。 (2)繊維自体がインクの通過を妨げ、印刷ムラが発生
する。 (3)多孔性薄葉紙などが高価であり、またラミネート
加工によるロスも大きく、マスタが高価となる。 (4)印刷された紙が重なると、インクがその上に重な
った紙の裏面に付着する、裏移りが発生する。 (5)マスタを印刷機にセットするときや製版の搬送時
にマスタの巻がずれて、竹の子(タケノコ)状(マスタ
の巻がずれて竹の子の皮が何枚もずれて巻き付いている
形に似ていることから)になることがある。
【0004】上述した欠点を解消するため、これまで、
いくつかのマスタが提案されている。例えば、特開平3
−193445号公報には、繊度1デニール以下の極細
繊維を用いたインキ透過性支持体が記載されている。ま
た、特開昭54−33117号公報には支持体を用いな
い、実質的にフィルムのみからなるマスタが開示されて
いる。さらに特開平10−24667号公報には、樹
脂、その良溶媒、貧溶媒を含む流動体をフィルム上に塗
布、乾燥し多孔膜を形成したマスタが開示されている。
これらによれば上記(1)から(4)の問題点は、かな
り軽減または解決することができるが、その一方で、
(5)のロールの芯部がずれてタケノコ状となる問題は
ますます大きくなっている。
【0005】すなわち、特開平3−193445号公報
に開示されているような天然繊維に代わって極細の合成
繊維や合成樹脂が用いられ、ロール状で直接熱可塑性樹
脂フィルムに接するとその表裏間の摩擦力は小さくな
り、タケノコになりやすくなった。また、極細の合成繊
維や合成樹脂が多孔層として用いられると、天然繊維の
和紙を用いた多孔層を有するマスタに比較してマスタの
コシ(stiffness)の値が50%ないしそれ以上小さく
なり、一旦タケノコ状になると元のロール状に戻すのは
ほとんど不可能であった。もちろん極細の合成繊維や合
成樹脂の多孔層の付着量を増やせば少なくともコシの値
は大きくなるが、それでは画質が劣化し、またコストア
ップにもつながった。さらに実質的にフィルムのみから
なるマスタでは摩擦力はさらに小さく、コシの値は1/
10以下になり、トラブルの発生はますます大きくなっ
た。さらには公知のマスタはコア(巻芯)に巻かれてい
たが、省資源のためにコアのない、いわゆるコアレスマ
スタでは上記問題が顕在化した。
【0006】ロールを固く巻けばタケノコに対してある
程度の効果はあるが、固く巻くと多孔層を有するマスタ
は多孔層と接するフィルム表面の平滑性が悪くなり、サ
ーマルヘッドとの密着性が損なわれ、フィルムの熱感度
が悪くなったような現象が生じる。コアレスマスタでは
固く巻くことが困難であり、実質的にフィルムのみから
なるマスタではフィルムが伸びてカールが大きくなった
り、しわが発生したりして不都合が生じた。
【0007】このタケノコの問題解決のために、これま
でにもいろいろの工夫がなされてきた。その代表的なも
のはロールマスタの両端に当てものをして、ずれを防ぐ
ものである。他はロールマスタをカセットに組み込むも
のである。当てものを当てる方法は効果が完全ではな
く、効果を高めようとすると、当てものは大掛かりにな
り、重量もかなりのものになった。さらには印刷途中で
マスタの交換や取り出しをする場合、しばしば、その効
果は期待できなかった。カセット方式ではカセットに組
み込むまでの取り扱いに細心の注意が必要であり、作業
効率にも影響した。またいずれの方法もコストアップが
避けられず、特にカセット方式はそうであり、余分のも
のを使用することによる環境への負荷も無視できないも
のがあった。
【0008】特許公報第2863319号はこの問題解
決のためにマスタロールの端面に糊を塗布したマスタを
提案している。しかしながら、該マスタを実際にセット
して製版した場合、糊が端面より脱落してサーマルヘッ
ドの発熱体の熱がマスタに伝達されず、穿孔が損なわ
れ、画像に白スジとなって現れた。特にマスタの幅がサ
ーマルヘッドの幅より狭い場合、例えばA3サイズのヘ
ッドでA4サイズのマスタを製版するような場合は、マ
スタ端面が発熱体に直に接しているためにトラブルは顕
著になった。糊がゴムのような熱軟化性の場合は、サー
マルヘッドの熱で軟化して一部がマスタから離脱し発熱
体に移行蓄積した。デンプンのような軟化しないものは
マスタがロールからアンワインドされるとき、またサー
マルヘッドとプラテン間で擦られるときに糊がマスタか
ら離脱し白スジなどの原因となった。これらのトラブル
が発生しないほどの微量の糊量では、端面という限られ
た部分のみの接着力ではタケノコの発生は防げなかっ
た。またスリットした後で端面に糊をつける工程が増
え、コストアップにつながった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記背景に鑑
みてなされたもので、タケノコやロールの緩み防止の効
果が大きく、当てものやカセットなどの余分なものが不
必要で工程も増加させる必要がなく、画像に影響せず、
余分なコストはほとんどかからず、環境への負荷も増加
しない、さらにはコアを省いて省資源化したマスタを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に関して検討したところ、ロールに巻かれたマスタの表
裏間が「軽度にブロッキング」していれば、タケノコの
問題を解決できるのではないかと考え、さらに検討を続
けた結果、本発明に至った。すなわち、本発明によれ
ば、第一に、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムからなる
感熱孔版印刷用マスタをロール状に巻き取った感熱孔版
印刷用マスタにおいて、前記マスタを巻きほぐすとき、
該マスタに0.05〜5.0gf/cmの力を必要とす
るブロッキングが生じていることを特徴とするロール状
感熱孔版印刷用マスタが提供される。上記のごとく、ロ
ール状マスタを巻きほぐすとき、該マスタの表裏間に
(例えばフィルムの表面を内巻にすればフィルムの裏面
と次に巻かれるフィルムの表面との間に)0.05〜
5.0gf/cmの力を必要とするブロッキングが生じ
ていれば、すなわち、上述した「軽度にブロッキング」
する力は、0.05〜5.0gf/cmと推定され、こ
のブロッキングが生じていればロール状マスタを印刷機
で繰り出すときなどに発生するタケノコは発生し難く、
また、それによって印刷機の繰り出しも何ら阻害され
ず、印刷画像の画質にも悪影響を受けない。
【0011】本発明者らは、上記軽度のブロッキングに
ついて、次のように思考した。すなわち、その上限はマ
スタが繰り出されたときにマスタの如何なる部分でも加
工された層やフィルムが損傷を受けたり、その品質を損
なうような影響を与えない程度のもので、その下限はブ
ロッキングを人間が感知できる程度のものと推定した。
ブロッキングの上限、すなわち、加工された層やフィル
ムが損傷を受けたりその品質を損なう場合の力は、 フィルムとスティック防止及び/または帯電防止層
間の接着力 フィルムと多孔膜間の接着力 ブロッキングを生じさせるブロッキング層とフィル
ム間の接着力 ブロッキングを生じさせるブロッキング層と多孔層
間の接着力 フィルム、多孔層自体の強度等が関係し、一概には
決められないが、実際の上限は、30gf/cm位であ
り、それ以上の力は本発明の目的からして必要ない。ま
た、下限の、人間が感知できる程度とは例えばロール状
マスタの最外先端から繰り出すときに音がしたり、マス
タを空中に水平に保持して最外先端を30cmほど下に
垂らし、さらに巻きほぐすようにマスタを回転したとき
に垂らしたマスタがロールについて巻き上がり、途中か
ら落ちて来ないで巻き取られるようなものをいう。そし
てさらに実使用におけるタケノコの発生防止効果、印刷
機における繰り出し易さから「軽度にブロッキング」す
る力は、0.05〜5.0gf/cmであると推定し
た。
【0012】第二に、上記第一に記載したロール状感熱
孔版印刷用マスタにおいて、上記マスタが熱可塑性樹脂
フィルムのサーマルヘッドと接触する面にスティック防
止及び/または帯電防止加工を行うことにより上記ブロ
ッキング力を生じさせた実質的にフィルムのみからなる
マスタであることを特徴とするロール状感熱孔版印刷用
マスタが提供される。上記のごとく軽度にブロッキング
を生じるマスタとして、熱可塑性樹脂フィルムのサーマ
ルヘッドと接触する面にスティック防止及び/または帯
電防止加工を施すことにより軽度にブロッキングを生じ
た、支持体のないフィルムのみからなるマスタを提案す
るものである。これによればタケノコになり難く、ま
た、印刷機の繰り出しも阻害されず、画質にも悪影響を
与えない。この場合、サーマルヘッドにカスが付着した
り、スティックを生じてマスタの走行に支障を来さない
ことが重要であり、そのような条件においてスティック
防止及び/または帯電防止加工により軽度にブロッキン
グを生じるようにする。
【0013】第三に、上記第一に記載したロール状感熱
孔版印刷用マスタにおいて、上記マスタが熱可塑性樹脂
フィルムのサーマルヘッドと接触する面にスティック防
止及び/または帯電防止加工が施され、かつ、該フィル
ムのサーマルヘッドと接触しない面に上記ブロッキング
力を生じる粘着加工が施された実質的にフィルムのみか
らなるマスタであることを特徴とするロール状感熱孔版
印刷用マスタが提供される。さらに軽度にブロッキング
を生じるマスタとして、熱可塑性樹脂フィルムのサーマ
ルヘッドと接触する面にスティック防止加工や帯電防止
加工を行うと共に該フィルムのサーマルヘッドと接触し
ない面に上記ブロッキング力を生じる粘着加工を行うも
のであり、このマスタによればタケノコの発生防止効果
はさらに増加し、また、印刷機の繰り出しも画質も悪影
響を蒙らない。
【0014】第四に、上記第一、第二または第三に記載
したロール状感熱孔版印刷用マスタであって、コア(巻
芯)なしでロール状が維持され、かつ、繰り出して使用
されることを特徴とするロール状感熱孔版印刷用マスタ
が提供される。上記第一、第二または第三に記載したロ
ール状感熱孔版印刷用マスタによれば、巻芯なしでも巻
き取り状態が維持され、かつ、印刷機で使用されてもタ
ケノコになり難いマスタを得ることができ、巻芯のない
省資源化したロール状マスタを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明は公知の全ての感熱孔版印刷用マスタ、す
なわちフィルムに天然及び合成繊維の不織布を貼り合わ
せたもの、フィルムに特定の通気度を有する多孔層を塗
布などの手段により形成したもの、フィルムにスティッ
ク防止及び/または帯電防止加工を施した、実質的にフ
ィルムのみからなるもの、さらには、これらマスタのコ
アのないものなどに適用できる。
【0016】まず、本発明に使用されるサーマルヘッド
で穿孔される熱可塑性樹脂フィルムとしては、塩化ビニ
ル、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、ポリプロ
ピレン、ポリエステル等の従来より感熱孔版印刷用マス
タに使用されているフィルム、特に二軸延伸したポリエ
ステルフィルムが好適に使用される。フィルムの厚さ
は、0.5〜10μm、さらに好ましくは1.0〜5.
0μmである。0.5μm未満では薄すぎて樹脂液の塗
布が困難であり、10μmを超えるとサーマルヘッドで
の穿孔が困難となる。
【0017】次に上述した軽度にブロッキングを発生さ
せる二三の方法について述べる。第一の方法は、常温ま
たは50℃位の温度で粘着性を示す物質を多孔層形成時
に多孔層に添加する。あるいは多孔層の上から加工する
ものである。多孔層を有しない、実質的にフィルムのみ
からなるマスタではサーマルヘッドが接する面の反対の
フィルム面に塗布などの手段で加工される。多孔層に添
加しないで大部分の粘着性を示す物質自体が表面に存在
する場合、その付着量は0.01g/m2〜0.5g/
2であるが、粘着性を示す物質の特性が大きく関わ
り、最終的には実験で決定される。
【0018】上記粘着性を示す物質としては、粘着性の
ある高分子材料、低分子材料などが好適に用いられる。
例えば酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニル
−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデン
コポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン
−ブタジエンコポリマー、(メタ)アクリル酸エステ
ル、ポリアクリル酸のようなビニル系樹脂、ポリブチレ
ン、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリフェ
ニレンオキサイド、シリコーン重合体、ワックス、ロジ
ン、各種ゴム、ポリエチレングリコール、アセチルセル
ロース、アセチルブチルセルロース等のセルロース誘導
体等が挙げられる。以上のポリマーのグラフト共重合体
や2種以上の混合物も用いられる。重合度も粘着性をコ
ントロールするのに重要な要素である。さらに添加物と
して可塑剤、各種フィラーも粘着性をコントロールする
のに重要な要素である。
【0019】上記フィラーには顔料、粉体や繊維状物質
も含まれる。その中で特に針状、板状、もしくは繊維状
のフィラーが多孔膜を強くし、剛度を大きくする点で好
ましい。その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、セ
ピオライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾ
ノライト、石膏繊維等の鉱物系針状フィラー、非酸化物
系針状ウィスカ、酸化物系ウィスカ、複酸化物系ウィス
カ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラスフレー
ク、タルク等の板状フィラー、カーボンファイバー、ポ
リエステル繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、ナイロン
繊維、アクリル繊維等の天然または合成の繊維状フィラ
ーが挙げられる。顔料としては酢酸ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸メチル等の有機ポリマー粒子、カ
ーボンブラック、そして酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸
カルシウム、シリカ等の無機顔料である。さらに、本発
明の効果を阻害しない範囲で帯電防止剤、スティック防
止剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用すること
ができる。
【0020】第二の方法は、フィルムのサーマルヘッド
が接する面に加工する方法である。この場合、サーマル
ヘッドにカスが付着したり、スティックを生じてマスタ
の走行に支障を来さないことが重要であり、適用可能の
物質は制約される。主としてシリコン化合物、フッ素化
合物、脂肪酸、ワックス、リン酸エステル系界面活性剤
等の、サーマルヘッドにカス付着したり、スティックが
生じ難いもの、すなわちスティック防止剤と兼用できる
ようなものが用いられる。スティックを生じてマスタの
走行に支障を来たさない範囲で帯電防止剤を混合でき
る。
【0021】本発明のマスタにおいても、上記ブロッキ
ングの目的とは別に、サーマルヘッドとのスティック防
止のみ目的とした層をサーマルヘッドと接する面に設け
ることができる。例えばフィルムのサーマルヘッドと接
する面にスティック防止層を設け、その反対面にブロッ
キングのための層を設けるなどである。この場合も、使
用されるスティック防止剤としては、従来から一般に使
用されているシリコン系離型剤、フッ素系離型剤、脂肪
酸、リン酸エステル系界面活性剤等が使用できる。静電
気を防止するための帯電防止剤が添加されることもあ
る。
【0022】第三は、静電気により軽度のブロッキング
を生じさせるものである。静電気はマスタへのコロナ帯
電などで付与できるが、印刷機内部でのマスタ搬送に支
障を来たさないように注意が必要である。ブロッキング
を発生させる方法により本発明が制約されるものではな
い。
【0023】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。 《原反Aの作製》厚さ2μmの二軸延伸ポリエステルフ
ィルムの片面に、 エポキシエーテル変性シリコーンオイル (信越化学工業社製、POLON−MF13) 10部(不揮発分) エーテル変性シリコーンオイル (信越化学工業社製、KF−6004) 10部(不揮発分) 帯電防止剤 (日本油脂社製界面活性剤、エレガン264A)15部(不揮発分) からなる成分を水に溶解分散し、不揮発分で0.2%に
した塗布液を塗布して、乾燥後付着量0.009g/m
2のスティック防止層を形成し、原反Aを作製した。
【0024】比較例1 外径58mm、内径50mm、長さ278mmの紙製コ
アに、上記原反Aのスティック防止層塗布面を内側にし
て、張力10gf/cmで、幅278mmにスリット
し、長さ100m巻いた。これを比較例1のロール状マ
スタとした。
【0025】実施例1 原反Aのフィルムのスティック防止層を塗布した反対面
に、 ロジン 4部 ポリエチレングリコール#2000 1部 エタノール 95部 からなる溶液を塗布し、乾燥後付着量0.1g/m2
ブロッキングを生じさせるためのB層を設けた。この作
業は原反Aを作製する時に、塗布機の第二ステーション
で同時に行われ、新たな工程を設ける必要はなかった。
次いで比較例1と同様にスリットし、50℃で24時間
保存して実施例1のロール状マスタとした。
【0026】実施例2 原反Aのフィルムのスティック防止層を塗布した反対面
に、再剥離性アクリル粘着剤(東亜合成社製、アロンタ
ック)の1%酢酸エチル溶液を塗布し、乾燥後付着量
0.07g/m2のB層を設けた。次いで比較例1と同
様にスリットし、実施例2のロール状マスタとした。
【0027】実施例3 原反Aの作製において、スティック防止層の付着量を
0.04g/m2とした以外は原反Aの作製と同様にして
原反を得た後、比較例1と同様にスリットし、実施例3
のロール状マスタとした。
【0028】比較例2 比較例1のロール状マスタの両端面に、実施例2で用い
た再剥離性アクリル粘着剤の1%酢酸エチル溶液を乾燥
後付着量片面当たり約0.1g/m2(液消費量より計
算)塗布し、比較例2のロール状マスタとした。
【0029】比較例3 比較例1のロール状マスタのコアを抜き取り、比較例3
のロール状マスタとした。
【0030】実施例4 実施例2のロール状マスタのコアを抜き取り、実施例4
のロール状マスタとした。
【0031】比較例4 厚さ1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムと 繊度0.3デニールのポリエステル繊維 50% 繊度0.2デニールのバインダー性ポリエステル繊維 20% 繊度1.0デニールのバインダー性ポリエステル繊維 30% からなる合成繊維100%の多孔性支持体とを酢酸ビニ
ル系樹脂を乾燥後付着量0.3g/m2で貼り合わせた
後にポリエステルフィルムの片面に、原反Aと同じステ
ィック防止層を形成し比較例1と同じ紙製コアに巻き取
り、ロール状マスタを得た。
【0032】比較例5 比較例4と同様の処方のマスタを比較例4と同じ紙製コ
アに巻き取る時の張力を強くして巻の硬いロール状マス
タを得た。
【0033】実施例5 比較例4と同じポリエステルフィルムと多孔性支持体と
を酢酸ビニル系樹脂を乾燥後付着量0.3g/m2で貼
り合わせた後にポリエステルフィルムの片面に、実施例
3と同じスティック防止層を形成し比較例1と同じ紙製
コアに巻き取りロール状マスタを得た。
【0034】以上のようにして得た実施例及び比較例の
ロール状マスタについて、次の評価方法による評価を行
った。結果を表1に示す。 [ロール外観]ロール状マスタを横にして段ボール箱に
入れ、1mの高さから落下させ、段ボール箱から取り出
して観察した。○:異常なし、×:端面ズレなどが発生 [ブロッキング力]ロール状マスタを空中で水平に保持
して最外先端を30cmほど下に垂らし、その先端に重
りをつけた。さらに巻きほぐすようにマスタを回転した
ときに垂らしたマスタがロールに付いて巻き上がること
のない最小の重りの重さをブロッキング力(gf/c
m)とした。 [ロールずれにくさ(タケノコ)]平らなアルミ板に径
64mmの円孔を設けた。このアルミ板を水平に置き、
その上にロール状マスタの中心軸が孔の中心と一致する
ように立てて置いた。径61mmのアルミ円版中心をロ
ール状マスタの中心軸と一致させて、立てたマスタ上に
置き、アルミ円版上に重りを置いてマスタがずれ始める
重さ(gf)をロールずれにくさとした。 [画質]リコー製PRIPORT VT 3820シス
テムを用いて試験した。比較例1のロール状マスタの画
質を○とし、相対的に比較し○△と○を目標を達成して
いる画像とした。
【0035】
【表1】
【0036】上表のごとく、実施例のマスタではタケノ
コになり難く、画質の劣化も生じなかったが、比較例
1、2、3、4のマスタではブロッキング力が小さくて
タケノコになり易く、特に比較例4のマスタではロール
内側緩みも発生した。さらに比較例5のマスタではタケ
ノコの問題は発生しなかったが、印刷画像に穿孔不良に
よる白抜けが発生した。
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、少な
くとも熱可塑性樹脂フィルムからなるロール状の感熱孔
版印刷用マスタにおいて、前記マスタを巻きほぐすと
き、該マスタの表裏間に0.05〜5.0gf/cmの
力を必要とするブロッキングを生じさせたマスタであ
り、このマスタによればロール状マスタを印刷機で繰り
出すときなどに発生するタケノコにはなり難く、また、
それによって印刷機の繰り出しも何ら阻害されず、印刷
画像の画質にも悪影響を与えない。
【0038】請求項2の発明は、上記ブロッキング力の
生じるマスタとして、熱可塑性樹脂フィルムのサーマル
ヘッドと接する面に、スティック防止及び/または帯電
防止加工を行うことにより上記ブロッキング力を生じさ
せるマスタであり、これによれば上記タケノコの発生は
抑制され、また、印刷機の繰り出しも画質も悪影響を受
けない。
【0039】請求項3の発明は、上記ブロッキング力の
生じるマスタとして、熱可塑性樹脂フィルムのサーマル
ヘッドと接する面にスティック防止及び/または帯電防
止加工を行うと共にサーマルヘッドと接しない面に上記
ブロッキング力を生じる粘着加工を行うものであり、こ
のマスタによれば上記タケノコの発生防止効果はさらに
増加し、印刷機の繰り出しも画質も悪影響を受けない。
【0040】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かのマスタであって、コア(巻芯)なしでロール状が維
持され、かつ、繰り出して使用することができるマスタ
である。すなわち上記請求項1〜3のいずれかのマスタ
によれば、巻芯なしでも巻き取り状態を維持することが
でき、かつ、印刷機で繰り出されもタケノコになり難い
マスタが得られる。従って、上記マスタによれば巻芯の
ない省資源化したロール状マスタを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB21 AB23 AB25 AB28 BA06 BA10 DA23 DA38 DA46 DA50 DA56 DA76 EA02 FA06 FA14 GA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂フィルムからな
    る感熱孔版印刷用マスタをロール状に巻き取った感熱孔
    版印刷用マスタにおいて、前記マスタを巻きほぐすと
    き、該マスタに0.05〜5.0gf/cmの力を必要
    とするブロッキングが生じていることを特徴とするロー
    ル状感熱孔版印刷用マスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロール状感熱孔版印刷用
    マスタにおいて、前記マスタが熱可塑性樹脂フィルムの
    サーマルヘッドと接触する面にスティック防止及び/ま
    たは帯電防止加工を行うことにより前記ブロッキング力
    を生じさせた実質的にフィルムのみからなるマスタであ
    ることを特徴とするロール状感熱孔版印刷用マスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のロール状感熱孔版印刷用
    マスタにおいて、前記マスタが熱可塑性樹脂フィルムの
    サーマルヘッドと接触する面にスティック防止及び/ま
    たは帯電防止加工が施され、かつ、該フィルムのサーマ
    ルヘッドと接触しない面に前記ブロッキング力を生じる
    粘着加工が施された実質的にフィルムのみからなるマス
    タであることを特徴とするロール状感熱孔版印刷用マス
    タが提供される。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のロール状感
    熱孔版印刷用マスタであって、コア(巻芯)なしでロー
    ル状が維持され、かつ、繰り出して使用されることを特
    徴とするロール状感熱孔版印刷用マスタ。
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