JP3366494B2 - ロール状孔版原紙 - Google Patents

ロール状孔版原紙

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JP3366494B2
JP3366494B2 JP14322095A JP14322095A JP3366494B2 JP 3366494 B2 JP3366494 B2 JP 3366494B2 JP 14322095 A JP14322095 A JP 14322095A JP 14322095 A JP14322095 A JP 14322095A JP 3366494 B2 JP3366494 B2 JP 3366494B2
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秀樹 寺澤
啓予 菊池
孝行 黒崎
満 氏家
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Riso Kagaku Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はロール状孔版原紙に関
し、さらに詳しくはロール状に巻き取った孔版原紙の表
面平滑性の低下を防止することができるロール状孔版原
紙に関する。 【0002】 【従来の技術】孔版原紙は、例えば、熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体を接着剤で貼り合わせ、熱可塑性樹
脂フィルム表面にフィルム融着防止のために離型剤を塗
布することにより製造される。今日では、孔版原紙の製
版には一般的に、サーマルプリンティングヘッド(TP
H)が用いられているが、孔版原紙の表面に凹凸が存在
すると、製版時にTPHとフィルムとの密着性が悪くな
り、密着状態にばらつきが生じるため、穿孔されやすい
ところと穿孔され難いところが発生し、原稿通りの穿孔
ができず、良好な印刷画像が得られない。このため、従
来では、表面平滑性に優れた多孔性支持体を用いること
により孔版原紙の表面平滑性を確保する方法が採られて
いた。 【0003】しかし、近年の孔版印刷では、操作性向上
のためにロール状に巻き取ったロール状孔版原紙を用い
る場合が多いため、シート状態での孔版原紙の表面平滑
性が優れていても、ロール状に巻き取る際の巻き圧力
(通常は0.1〜1.2kg/cm2 )によって経時的
に表面平滑性が低下してシート状態時と同様の表面平滑
性が維持できないという問題が生じている。ロール状に
巻かれた孔版原紙の表面平滑性の低下は、熱可塑性樹脂
フィルムの多孔性支持体繊維で支持されていない部分
が、ロール状に積層された孔版原紙の巻き圧力を受けて
経時的にくぼんでしまうために発生するものである。 【0004】この問題を解決する方法として、ロールの
巻き密度を調節して孔版原紙の表面平滑性の低下を防止
する方法が提案されている(特開平6−239048号
公報)。しかしながら、ロールの巻き密度を調節するだ
けでは、部分的に高い圧力で巻かれたところ、特にロー
ルの芯近傍では、孔版原紙の平滑性の低下を防止するこ
とはできない。またこれを避けるためにロールの巻き圧
を緩めると製品としての取扱性が低下するという問題が
生じる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、表面平滑性の低下による画
像性の低下を防止して良好な印刷画像を得ることができ
るロール状孔版原紙を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、孔版原紙の圧縮弾性率が高
い場合には原紙をロール状に巻き取った場合でも原紙表
面の平滑性の経時的な低下が防止されることを見いだ
し、本発明に到達した。本願で特許請求される発明は以
下の通りである。 (1)熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体を貼り合わ
せた孔版原紙をロール状に巻き取ったロール状孔版原紙
であって、該孔版原紙の圧縮弾性率が32kg/cm2
以上であることを特徴とするロール状孔版原紙。 【0007】本発明のロール状孔版原紙は、熱可塑性樹
脂フィルムと多孔性支持体とを公知の方法により貼り合
わせた孔版原紙を、例えば0.1〜1.2kg/cm2
の巻き圧力でロール状に巻き取ることにより得られる
が、ロール状に巻き付ける孔版原紙の圧縮弾性率は32
kg/cm2 以上でなければならない。ロール状に巻き
付ける孔版原紙の圧縮弾性率が小さすぎると、ロール状
に巻き取った場合の原紙表面の平滑性の低下を防止する
ことができない。好ましい圧縮弾性率の範囲は、巻き圧
力を高くしてロール状孔版原紙の取扱性を向上させる等
の点から、37〜75.6kg/cm2 である。 【0008】なお、本発明における圧縮弾性率は、基本
的にはJIS K7220に準じて測定したものである
が、試験片が孔版原紙であることから上記測定条件の一
部を下記のように変更して測定した。 (1) 試験片幅および長さ:30±1mm (2) 高さ:孔版原紙を〔1枚の厚み×40〕で計算した
値を高さとした。 (3) 試験速度:1mm/分 (4) 圧縮歪み:試験片の元の高さに用いる値を〔1枚の
厚み×40〕として計算した。 (5) 圧縮弾性率:積層した孔版原紙間の間隙の影響を排
除するため、直線上の2点間の応力差として、圧縮応力
−歪み曲線の最初の直線部分ではなく、60kg応力を
越えた時点での直線部分の応力差を使用して計算した。
試験片(孔版原紙)の厚みの測定法はJIS P811
8によった。 【0009】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
としては、例えば、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体のフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルムな
どの公知のものが用いられる。これらのうち、特にサー
マルヘッドへの適性や作業性の点から、ポリエステル系
フィルムが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは通
常0.5〜10μmである。 【0010】本発明に用いられる多孔性支持体として
は、例えば、コウゾ、ミツマタ、ガンピ、マニラ麻、亜
麻等の天然繊維、ポリエステル、ビニロン、アクリル、
レーヨン等の合成繊維などを単独でまたは混合して製造
した抄紙、シルク、ナイロン、ポリエステルなどを単独
でまたは混合して製造した紗などが用いられる。多孔性
支持体の厚さは通常20〜60μmである。また、支持
体には必要に応じて薬剤加工が施されていてもよい。 【0011】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体を貼
り合わせる方法には特に制限はなく、通常は接着剤が用
いられるが、熱可塑性樹脂フィルムや多孔性支持体に接
着性が保持されている場合には接着剤を使用する必要は
ない。接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系、飽和ポ
リエステル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン共重合
系、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系、アクリル系、アクリレート系、メタアクリレート
系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリオール系などの
樹脂が使用され、溶剤に溶解して用いられるものでも、
樹脂単体で用いられるものでも、また水分、光、電子線
などで硬化させるものであってもよい。接着剤の使用量
は通常0.3〜5g/m2 である。 【0012】孔版原紙の熱可塑性樹脂フィルムには性能
を低下させない範囲で、離型処理、滑り処理、静電気処
理などの一般的な処理を施してもよい。離型剤として
は、シリコーン、フッ素樹脂、界面活性剤等が用いられ
る。離型処理は、通常孔版原紙を製造した後に離型剤を
塗布することにより行われるが、フィルム、支持体また
は接着剤に離型剤を含有させる等して離型性を持たせて
もよい。本発明において、孔版原紙の圧縮弾性率を一定
以上の値にするため、孔版原紙にカレンダー処理を施し
てもよい。このカレンダー処理は、原紙のインキ通過性
の点から、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムを貼り
合わせた後に施すのが好ましい。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜6および比較例1 表1に示す繊維および坪量からなる各多孔性支持体に2
μmのポリエステルフィルムをエポキシアクリレート系
接着剤でそれぞれ接着し、さらに上記ポリエステルフィ
ルム表面にシリコーン系剥離剤を塗布して孔版原紙を製
造した。このときの接着剤の塗布量は0.6g/m2
剥離剤の塗布量は0.05g/m2 であった。 【0014】 【表1】 【0015】得られた各孔版原紙の厚み、圧縮弾性率を
測定し、結果を表2に示した。次に各孔版原紙を用いて
製版印刷機(リソグラフGR275またはリソグラフR
A225、理想科学工業社製商品名)により製版印刷を
行い、得られた印刷物の画像性を調べた。また各孔版原
紙を巻き圧力1kg/cm2 でロール状に巻き取った後
の孔版原紙についても上記と同様にして印刷物の画像性
を調べた。孔版原紙の巻取り前および巻取り後の印刷物
の画像性を目視で観察して3段階で評価し、その結果を
表2に示した。画像性の最も良いものを3とし、最も悪
いものを1とした。 【0016】 【表2】 【0017】表2から、圧縮弾性率の高い孔版原紙(実
施例1〜6)では、巻取り後の画像性の低下が圧縮弾性
率の低い孔版原紙(比較例1)に比して少なく、ロール
状孔版原紙の表面平滑性の低下が防止できることが分か
った。 【0018】 【発明の効果】本発明のロール状孔版原紙は、孔版原紙
の圧縮弾性率が一定以上であるため、これをロール状に
巻き取った場合の表面平滑性の低下を防止することがで
き、これにより良好な印刷画像を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 黒崎 孝行 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科 学工業株式会社内 (72)発明者 氏家 満 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−227175(JP,A) 特開 平6−305015(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体を
    貼り合わせた孔版原紙をロール状に巻き取ったロール状
    孔版原紙であって、該孔版原紙の圧縮弾性率が32kg
    /cm2 以上であることを特徴とするロール状孔版原
    紙。
JP14322095A 1995-06-09 1995-06-09 ロール状孔版原紙 Ceased JP3366494B2 (ja)

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JP14322095A JP3366494B2 (ja) 1995-06-09 1995-06-09 ロール状孔版原紙
US08/658,201 US6025066A (en) 1995-06-09 1996-06-04 Stencil sheet roll and a method for preparing the same
DE69604531T DE69604531T2 (de) 1995-06-09 1996-06-05 Stencil-Filmrolle und Herstellungsverfahren
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