JP2013141776A - 感熱孔版原紙用薄葉紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】感熱孔版原紙の多孔性支持体として用いられる、天然繊維と化学短繊維とを一定の比率で構成される薄葉紙において、墨ベタ印刷における繊維結束に由来する白点抜けが極力少なく、画質鮮明性が良好な印刷を可能とし、さらには感熱孔版印刷原紙の耐刷性を向上させる強度の高い薄葉紙を提供することを課題とする。
【解決手段】坪量6〜14g/m2の薄葉紙を構成する繊維が、単糸繊度0.02〜0.10dtex、繊維長2.6mm以上5.5mm以下の極細合成短繊維10〜50重量%と、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量%とからなり、水溶性樹脂を塗工することを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙。
【選択図】 なし

Description

本発明はキセノンランプ等の閃光照射、レーザー発振素子からの赤外線照射、またはサーマルヘッドによって加熱穿孔製版される感熱孔版原紙用薄葉紙に関する。
従来より、天然繊維及び化学繊維を主な構成繊維とする坪量6〜14g/m2の薄葉紙、不織布、スクリーン紗などをインキ受理層となる多孔性支持体とし、接着剤等を介してポリエステルなどの熱可塑性樹脂フィルムと貼り合わせた感熱孔版原紙が知られている(例えば、特開平10−291378号公報)。
感熱孔版原紙の多孔性支持体として特定の不織布、スクリーン紗を用いると優れた画質を得ることができるが、薄葉紙に比べて高価であり、しかも繊維素材が比較的柔軟な熱可塑性合成樹脂繊維のみから構成されるので、支持体としての剛性(コシ)が不足して高速且つ汎用の感熱孔版印刷用の巻取り原紙には適さない。
また、単糸繊度0.3dtex以下の極細合成繊維を3〜10mmに切断し、合成繊維バインダーと混抄した湿式不織布(合成繊維100%紙)も知られている(例えば、特許第1992625号公報)。さらに特許2726105号公報には、単糸繊度0.1dtex以下のポリエステル繊維またはアクリル繊維からなる合成繊維100%紙の発明がある。
しかし、これらの湿式不織布では、合成繊維の結束や絡み合いに起因する繊維束が、墨ベタ印刷において孔版印刷インキの通過を阻害することによる大きな白点抜けが発生したり、やはり剛性が不足して多孔性支持体としての機能が十分に発揮できないことから、感熱孔版原紙の多孔性支持体としては、天然繊維と化学繊維を一定の比率で配合した薄葉紙を使用している例が一般的である。
感熱孔版原紙の多孔性支持体として天然繊維と化学繊維を一定の比率で配合した薄葉紙として、極細ポリエステル短繊維(単糸繊度0.1〜0.3dtex)を含む2種類以上の化学繊維と天然繊維を混抄してなる高画像性感熱孔版原紙用薄葉紙の提案もあった(例えば、特許2631914号公報)。また、特開平3−185194公報には、単糸繊度0.1dtexの極細アクリル短繊維とカーボン繊維等の無機繊維をマニラ麻等の天然繊維と混抄する提案もあった。
しかし、これらの提案では、合成繊維等の組み合わせが悪く、抄造前の原料調成段階の分散処理や抄紙工程において合成繊維や無機繊維の未分散の結束や絡み合いが生じ易く、単糸繊度0.1dtex以下のポリエステル繊維を配合した時に未分散と他の化学繊維との絡み合いが特に発生しやすくなり、6〜14g/m2薄葉紙を抄紙して感熱孔版原紙の多孔性支持体に用いた場合、合成繊維に起因する未分散や絡み合いの部分で孔版印刷インキの通過が阻害され、墨ベタ印刷における白点抜けや、文字及び画線印刷における線切れの発生原因となっていた。
本発明者らが先に出願した特開2001−315457(特願2000−133812)では、繊維結束に起因する墨ベタ印刷における白点抜けの減少、あるいは、文字及び画像印刷における線切れの発生を極力抑える目的で、単糸繊度0.06〜0.2dtex、繊維長10mm以下の極細アクリル短繊維10〜80重量%と、単糸繊度0.2〜1.7dtex、繊維長10mm以下の化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量%を配合することにより一定の効果が認められた。
さらに特許4280651では、結束繊維を激減させ、墨ベタ印刷での白抜けと感熱孔版原紙の画質鮮明性を向上する目的で、単糸繊度0.06〜0.2dtexで繊維長1.0mm以上2.5mm以下の極細合成短繊維10〜80重量%と、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量%とからなる薄葉紙において、さらに顕著な効果が認められた。しかしながら、特許4280651号公報において、単糸繊度0.1dtexで繊維長2mmの極細ポリエステル短繊維とポリエステル短繊維及び天然繊維の3種類の繊維を配合して感熱孔版用薄葉紙を作製したが(比較例2)、気孔径の小径化に限界があり、感熱孔版原紙による画質鮮明性試験での画質鮮明性において十分な結果が得られなかった。また、支持体としての強度が低く、感熱孔版印刷原紙として使用するには、水溶性合成樹脂の塗工量を増やす必要があった。
この特開2001-315457および特許4280651の発明により、一定のレベルの高画質性と繊維結束による白点抜けの少なさを兼ね備えたものができたが、市場においては更なる墨ベタ印刷における白点抜けの減少、及び、得られた印刷物の画質鮮明性が優れているものが望まれており、さらには感熱孔版印刷の印刷枚数を増加させるべく高強度化が望まれている。
特開平10−291378号公報 特許第1992625号公報 特許2726105号公報 特許2631914号公報 特開平3−185194号公報 特開2001−315457号公報 特許4280651号公報
本発明は、上記要望に応えるためになされたものであって、感熱孔版原紙の多孔性支持体として、天然繊維と化学短繊維とを一定の比率で構成される薄葉紙において、墨ベタ印刷における繊維結束に由来する白点抜けが極力少なく、画質鮮明性が良好な印刷を可能とし、さらには感熱孔版印刷原紙の耐刷性を向上させる強度の高い薄葉紙を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、感熱孔版原紙用の薄葉紙で、天然繊維とともに一定の比率で配合する化学短繊維の種類と形態に着目して検討を重ねた結果、特に単糸繊度0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtexの極細合成短繊維と化学短繊維及び天然繊維との混抄において、該極細合成短繊維の繊維長及び含有率を限定することにより、墨ベタ印刷における繊維結束に由来する白点抜けが極力少なく、画質鮮明性が良好な印刷を可能とし、さらには感熱孔版印刷原紙の耐刷性を向上させる強度の高い薄葉紙が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、抄造後水溶性樹脂を塗工する薄葉紙であって、坪量6〜14g/m2の前記薄葉紙を構成する繊維が、単糸繊度0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtexであって、繊維長2.6mm以上5.5mm以下の極細合成短繊維10〜80重量%と、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量%とからなることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙を提供するものである。
本発明によれば、薄葉紙は、極細合成短繊維と化学短繊維及び天然繊維の配合比率を特定の範囲に限定し、且つ、極細合成短繊維の単糸繊度を0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtexと限定することにより平均気孔径を70〜150μm、且つ透気抵抗度0.30〜1.00秒の範囲にコントロールでき、繊維長を2.6mm以上5.5mm以下と限定されることにより強度の高い薄葉紙が得られ、さらには繊維結束による白点抜けが少なく、且つ、極めて高画質な印刷が得られる効果がある。
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
本発明の感熱孔版原紙用薄葉紙は、坪量6〜14g/m2の薄葉紙であって、薄葉紙を構成する繊維として、単糸繊度0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtex、繊維長2.5mmより大きく5.5mm以下の極細合成短繊維10〜50重量%と、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維10〜70重量%、及び、天然繊維10〜70重量%で構成された配合紙料をスクリーン・除塵工程を通して通常の湿式抄紙法、即ち、円網式、短網式、長網式抄紙機等を用いて製造を行うことができる。さらには、本発明は湿式抄紙法によって得られた薄葉紙に耐刷性、寸法安定性、及び剛度を付与させるために、水溶性合成樹脂を塗工する。
本発明の感熱孔版原紙用薄葉紙に用いる極細合成短繊維は、単糸繊度0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtexである。前記極細合成繊維の単糸繊度が0.02dtex未満になると、繊度が細すぎるため、空隙が小さくなりすぎると共にインキの通過性が阻害される。また、分散工程における極細繊維同士の絡みによる結束繊維が増加するとともに、抄造工程における極細合成短繊維と他の化学短繊維もしくは天然繊維との絡みによる繊維結束が増加するため、良好な印刷物が得られない。さらに、本発明に用いる水溶性合成樹脂を塗工すると、繊維間の空隙が合成樹脂で埋まりインクの通過を阻害するため、良好な画像が得られない。一方、前記極細合成繊維の単糸繊度が0.10dtexを超えると、単位面積当たりの繊維本数が極端に減少するため、高強度かつ良好な印刷物が得られない。
本発明に用いる単糸繊度0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.02〜0.06dtexの極細合成短繊維は、繊維長が2.6mm以上5.5mm以下であることが必須となる。前記極細合成短繊維の繊維長が2.6mm未満になると、繊維長が短すぎるため、抄造上の繊維歩留りを著しく低下させるとともに、薄葉紙の強度が極端に低下する。一方5.5mmを超えると、極細合成短繊維の分散工程における極細合成短繊維同士の絡みによる繊維結束が増加するとともに、抄造工程における極細合成短繊維と他の化学短繊維もしくは天然繊維との絡みによる繊維結束が増加するため、良好な印刷物が得られない。
また、本発明で使用する極細合成短繊維は、被穿孔膜となる熱可塑性樹脂フィルムの融点よりも高い融点を持ったアクリル繊維、及び/または、ポリエステル繊維である。
以上のように、極細合成短繊維の単糸繊度を0.02〜0.10dtex、より好ましくは0.06dtex以下、繊維長を2.6mm以上5.5mm以下にすることにより、極細合成短繊維の分散工程における極細合成短繊維同士の絡みによる繊維結束を大幅に抑制すると共に、抄造工程における極細合成短繊維と他の化学短繊維もしくは天然繊維との絡みによる繊維結束が大幅に抑制される。また、得られた薄葉紙は、極細合成繊維の繊維1本あたりの極細合成繊維、他の化学繊維もしくは天然繊維との結合点数が、繊維長2.5mm以下の短い極細合成繊維を使用する場合に比べて増加するため、薄葉紙の強度が大幅に向上し、均一且つインキの通過性を阻害しない程度の微細な空隙が得られ、この薄葉紙を感熱孔版原紙の多孔性支持体として用いた場合に、得られた印刷物の画質鮮明性が向上するだけでなく孔版印刷原紙を用いた場合の印刷枚数が増加する。
本発明に用いる前記極細合成短繊維の含有量は10重量%以上、50重量%以下が好ましい。前記極細合成短繊維の含有量が10重量%に満たない場合、即ち、化学短繊維及び天然繊維の合計含有量が90重量%を超える場合には、薄葉紙の開孔径の調整が出来ず、薄葉紙の夫々の開孔径の大きさが不均一となるため、インキの通過性を均一にすることが困難となり、画質鮮明性が劣る。また、前記極細合成短繊維の含有量が50重量%を超える場合、即ち、化学短繊維及び天然繊維の合計含有量が50重量%に満たない場合には、極細合成短繊維の分散工程における極細合成短繊維同士の絡みによる繊維結束が大幅に増加すると共に、抄造工程における極細合成短繊維と他の化学短繊維もしくは天然繊維との絡みによる繊維結束が大幅に増加する。さらに、極細合成短繊維の含有量が50重量%を超える場合には、薄葉紙の空隙が小さくなりすぎると共にインキの通過性が阻害され、画質鮮明性に悪影響を及ぼす。画質鮮明性に影響を及ぼさない空隙の大きさは平均気孔径として70〜150μmの範囲であり、且つインキの通過性を良くするための透気抵抗度は0.30〜1.00秒の範囲である。
本発明においては、坪量6〜14g/m2の薄葉紙を構成する繊維として、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維を10〜70重量%の範囲で含有させる。この化学短繊維の含有量が10重量%に満たない場合、即ち、極細合成短繊維及び天然繊維の合計含有量が90重量%を超える場合には、インキの通過が阻害され、画質鮮明性に悪影響を及ぼし、また、化学短繊維の含有量が70%を超える場合、即ち、極細合成短繊維及び天然繊維の合計含有量が30重量%に満たない場合には、インキ通過性の増大を招き、連続印刷時の印刷物へのインキの裏写りが増える(裏写り性が悪くなる)。
本発明で使用される化学短繊維の繊維長は、2.0mm以上10mm以下のものが好ましく、より好ましくは繊維長2.0mm以上5.0mm以下のものである。また、本発明で使用される化学短繊維には、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維等の公知の合成繊維が含まれる。
本発明においては、坪量6〜14g/m2の薄葉紙を構成する繊維として、天然繊維を10〜70重量%の範囲で含有させるが、この天然繊維の含有量が10重量%に満たない場合、即ち、極細合成短繊維及び化学短繊維の合計含有量が90重量%を超える場合には、感熱孔版原紙の多孔性支持体としての剛性が確保できず、また、天然繊維の含有量が70重量%を超える場合、即ち、極細合成短繊維及び化学短繊維の合計含有量が30重量%に満たない場合は、非繊維成分による白点抜けや天然繊維自体からなる繊維目が増加するため、良好な印刷物が得られない。
本発明においては天然繊維として、こうぞ、三椏、アバカ、ケナフ、サイザル麻、ジュート麻等の非木材繊維を用いることができる。好ましくは、アバカ、ケナフ、サイザル麻、ジュート麻を用いることができ、これらの天然繊維は叩解処理を施したものが用いられ、これらの天然繊維は単独もしくは任意の比率で混合して使用することができる。
本発明における湿式抄紙法は、配合紙料をスクリーン・除塵工程を通して、円網式、短網式、長網式抄紙機等を用いて製造を行うことができる。湿式抄紙に際しては、通常使用される分散剤と粘剤(好ましくはポリエチレンオキサイドまたはポリアクリルアミド)、消泡剤、離型剤、帯電防止剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤等を配合しても良い。
また、本発明は湿式抄紙法によって得られた薄葉紙に耐刷性、寸法安定性、及び剛度を付与させるために、水溶性合成樹脂を塗工する。塗工方法については、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター等を用いることができるが、特に限定はされない。水溶性合成樹脂に関しては、ビスコース、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、SBR,NBR等の天然ゴム、PVA等が挙げられるが、好ましくはビスコース、またはウレタン樹脂、またはウレタン樹脂とその他水溶性合成樹脂との混合物が挙げられる。水溶性合成樹脂の塗工量は0.2〜2.0g/m2が好ましく、0.5〜1.5g/m2がより好ましい。水溶性合成樹脂の塗工量が0.2g/m2より少ないと薄葉紙の耐刷性、寸法安定性、及び剛度が充分ではない。また水溶性合成樹脂の塗工量が2.0g/m2より多いと、薄葉紙の耐刷性、寸法安定性、及び剛度は著しく向上するが、薄葉紙の繊維間を樹脂が埋めるため、平均気孔径は小さくなるものの通気性が悪くなり、インキ通過性が損なわれ、充分な画像鮮明性が得られないだけでなく、繊維目が発生し良好な印刷物が得られない。
本発明の薄葉紙を感熱孔版原紙用の多孔性支持体に用いると、従来の薄葉紙よりも墨ベタ印刷における白点抜けの発生が少なく、繊維間の空隙が均一になり、高画質で鮮明な感熱孔版印刷が可能となるだけでなく、感熱孔版原紙を用いたときの印刷枚数を向上させることができる。以下の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[薄葉紙の試験方法]各実施例及び各比較例の感熱孔版原紙用薄葉紙の紙質試験は、以下の紙の試験方法に沿って行い、その試験結果は表1に併せて示した。
紙試験用の標準状態はJISP8111による。
坪量の測定はJISP8124による。
厚さ及び密度の測定はJISP8118による。但し、厚さ測定における加圧面間の圧力は旧規格の53.9kPaとする。
引張強さの測定はJISP8113による。
湿潤引張強さの測定はJISP8135による。
透気度の測定はガーレー試験機法:JISP8117に準じる。但し、1枚では測定不能なので32枚を折り重ねて空気通過量100mlに要する時間を測定した。
平均気孔径の測定は、コスモ計器株式会社製デジタルマノメーターを使用してバブルポイント法で測定した。
[印刷試験方法]感熱孔版印刷機による印刷試験は、各実施例及び各比較例の薄葉紙を多孔性支持体とし、厚さ1.5μmのポリエステルフィルムと接着剤を介し、ドライラミネート加工を施して感熱孔版原紙を作成し、理想科学工業株式会社製デジタル式全自動孔版印刷機「機種名:RISOGRAFH FR393」で行い、以下の基準に従い判定し、その結果を併せて表1に示した。
印刷物の画質鮮明性は、比較例1を△とし、最も良いものを◎、良いものを○、同等を△、劣るものを×と判定することにより評価した。
実施例1
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維20重量%と、単糸繊度0.4dtex、繊維長3.0mmのポリエステル単繊維35重量%と、天然繊維として叩解処理を施したアバカパルプ45重量%とを混合した紙料を、傾斜短網抄紙機で坪量10g/m2となるよう抄紙し、得られた薄葉紙に含浸加工機で水溶性合成樹脂の樹脂付着量が1.0g/m2となるよう塗工して感熱孔版用薄葉紙を作製した。
実施例2
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維30重量%と、単糸繊度0.4dtex、繊維長3.0mmのポリエステル単繊維25重量%とした以外は実施例1と同様にして感熱孔版用薄葉紙を作製した。
実施例3
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維15重量%と、単糸繊度0.4dtex、繊維長3.0mmのポリエステル単繊維40重量%とした以外は実施例1と同様にして感熱孔版用薄葉紙を作製した。
比較例1
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維の代わりに単糸繊度0.10dtex、繊維長2.0mmの極細アクリル単繊維を使用した以外は実施例2と同様にして感熱孔版用薄葉紙を作製した。
比較例2
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維の代わりに単糸繊度0.10dtex、繊維長2.0mmの極細ポリエステル単繊維を使用した以外は実施例1と同様にして感熱孔版用薄葉紙を作製した。
比較例3
単糸繊度0.06dtex、繊維長3.0mmの極細ポリエステル単繊維の代わりに単糸繊度0.10dtex、繊維長0.5mmの極細アクリル単繊維を使用した以外は実施例1と同様にして感熱孔版用薄葉紙を作製した。
Figure 2013141776
[試験結果]試験結果は表1に示した通りである。
この表1より明らかなように、本発明の実施例1〜3の薄葉紙は、比較例1〜3の薄葉紙よりも強度が高いことが確認できた。また、画質鮮明性試験においても、実施例1〜3の薄葉紙を用いた感熱孔版原紙は、比較例1及び2と比べて、平均気孔径が小さく、画質鮮明性も改善されていることが確認できた。実施例1の単糸繊度0.06dtex、繊維長3mmの極細ポリエステル繊維を、単糸繊度0.1dtex、繊維長0.5mmの極細アクリル繊維に置き換えた比較例3の薄葉紙では、平均気孔径は実施例3に近く、画質鮮明性も良好であるが、強度は大幅に低下した。本発明の薄葉紙は、極細合成短繊維と化学短繊維及び天然繊維の配合比率を特定の範囲に限定し、且つ、極細合成短繊維の単糸繊度を0.02〜0.06dtex、且つ、繊維長が2.6mm以上5.5mm以下と限定することにより、はじめて耐刷性能に関わる強度の向上、且つ、極めて高画質な印刷が得られる事が確認された。

Claims (3)

  1. 坪量6〜14g/m2の薄葉紙を構成する繊維が、単糸繊度0.02〜0.10dtex、繊維長2.6mm以上5.5mm以下の極細合成短繊維10〜50重量%と、単糸繊度0.3〜1.7dtexの化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量%とからなり、水溶性樹脂を塗工することを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙。
  2. 前記極細合成繊維が、単糸繊度0.02〜0.06dtex、繊維長2.6mm以上5.5mm以下の極細合成短繊維であることを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。
  3. 前記薄葉紙が平均気孔径70〜150μm、透気抵抗度0.30〜1.00秒であることを特徴とする請求項1および2に記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。
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