JP2001315456A - 高画質感熱孔版原紙用薄葉紙 - Google Patents

高画質感熱孔版原紙用薄葉紙

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JP2001315456A JP2000133811A JP2000133811A JP2001315456A JP 2001315456 A JP2001315456 A JP 2001315456A JP 2000133811 A JP2000133811 A JP 2000133811A JP 2000133811 A JP2000133811 A JP 2000133811A JP 2001315456 A JP2001315456 A JP 2001315456A
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Takanori Hirano
孝憲 平野
Keiichi Maehara
慶一 前原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キセノンランプ等の閃光照射、レーザー発振
素子からの赤外線照射、またはサーマルヘッドによって
加熱穿孔製版される感熱孔版原紙の多孔性支持体として
用いられる高画質感熱孔版原紙用薄葉紙を提案する。 【解決手段】 本発明は、坪量7〜14g/m2の薄葉紙
を構成する繊維として、ジュート麻(黄麻)又はケナフ
の靭皮繊維を5〜100重量%の範囲で含有する薄葉紙
であって、多孔性支持体として薄葉紙を用いた感熱孔版
原紙による墨ベタ印刷において、非繊維成分に起因する
白点抜けが少なくなり、しかも薄葉紙を構成する繊維に
起因する繊維目の発生が極めて少なくなるので、この薄
葉紙を感熱孔版原紙の多孔性支持体に用いると鮮明かつ
高画質の感熱孔版印刷が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キセノンランプ等
の閃光照射、レーザー発振素子からの赤外線照射、また
はサーマルヘッドによって加熱穿孔製版される感熱孔版
原紙の多孔性支持体として用いられる高画質感熱孔版原
紙用薄葉紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然繊維及び化学繊維を主な
構成繊維とする坪量7〜14g/m2の薄葉紙、不織
布、スクリーン紗などをインキ受理層となる多孔性支持
体とし、接着剤等を介してポリエステルなどの熱可塑性
樹脂フィルムと貼り合わせた感熱孔版原紙が知られてい
る(例えば特公昭55−47997号公報、特開平1−
263087号公報、特開平10−291378号公報
等)。感熱孔版原紙の多孔性支持体として特定の不織
布、スクリーン紗を用いると優れた画質を得ることがで
きるが、薄葉紙に比べ高価であり、しかも繊維素材が比
較的柔軟な熱可塑性合成樹脂繊維のみから構成されるの
で、支持体としての剛性(コシ)が不足して高速かつ汎
用の感熱孔版印刷用の巻取原紙には適さない。また、繊
維径0.3dtex以下の極細合成繊維を3〜10mm
に切断し、合成繊維バインダーと混抄した湿式不織布
(合成繊維100%紙)も知られている(例えば特許第
1769596号公報、特許第2726105号公報、
特許第1992625号公報等)。しかし、これらの湿
式不織布では、合成繊維の結束や絡み合いに起因する大
きな白点抜けが発生したり、やはり剛度が不足して多孔
性支持体としての機能が十分に発揮できないので、感熱
孔版原紙の多孔性支持体としては天然繊維と化学繊維を
一定の比率で配合した薄葉紙を使用している例が非常に
多い。
【0003】感熱孔版原紙の多孔性支持体として天然繊
維と化学繊維を一定の比率で配合した薄葉紙を用いる場
合、最も解決すべき課題となるのが墨ベタ印刷における
白点の発生、或いは文字・画線印刷における線切れの発
生と薄葉紙を構成する繊維に起因する白い繊維目の発生
である。天然繊維中に存在する表皮細胞、管状細胞、柔
細胞、導管などの非繊維成分が薄葉紙中にあった場合に
は、その部分で孔版インキの通過が阻害されて墨ベタ印
刷において白点発生の原因となる。
【0004】マニラ麻やサイザル麻等の葉脈繊維の繊維
幅は15〜30μmで、針葉樹クラフトパルプ等の木材
繊維、コットン等の植毛繊維に比べて半分以下の繊維幅
であり、しかも機械抄和紙を製造するに適した繊維長を
有するので、古くから典具帖紙など薄葉紙の構成繊維と
して使用されており、感熱孔版原紙用の薄葉紙としても
マニラ麻やサイザル麻等の葉脈繊維が必須的に使用され
ている(例えば特開平4−221697号公報、特許第
2631914号公報等)。しかし、これらマニラ麻や
サイザル麻等の葉脈繊維中には、表皮細胞や管状細胞が
多く存在しているので、墨ベタ印刷における非繊維成分
に起因する白点発生の原因となり、或いは、これらの非
繊維成分を物理的に粉砕するまで繊維調成工程で叩解を
進めると繊維も相応の物理的な損傷を受けて、繊維のよ
じれや絡みが発生し易くなり、墨ベタ印刷において結束
繊維状の更に大きな白抜けが発生したり、葉脈繊維の叩
解を進め過ぎると抄紙された薄葉紙の密度が高くなり、
密着した繊維が孔版インキの通過を阻害して繊維目が一
面に発生する。従って、これらマニラ麻等の葉脈繊維
を、多孔性支持体として用いる天然繊維の主成分として
配合した薄葉紙は、高画質の感熱孔版原紙用の多孔性支
持体には適さなかった。
【0005】一方、天然繊維中から墨ベタ印刷における
白点発生の原因となる非繊維成分(植物要素)を物理的
に除去する試みもあった。例えば、特許第281563
9号公報では、これらの植物要素を繊維原料の精選工程
でサイクロン方式やスクリーン方式により特定サイズの
植物要素を物理的に除去したり、20メッシュ篩にて篩
い分けされた残留繊維を用いて薄葉紙を抄造する試みが
あるが、処理濃度が0.05%と非常に希薄であった
り、非常に大きい目開きの篩で選別するので、植物要素
と共に流出する有用な繊維成分が多大であり、ラボスケ
ールでは実現可能であってもコマーシャルベースでは実
施不能であった。
【0006】マニラ麻等の葉脈繊維以外の天然繊維に着
目した例もあった。マニラ麻等の葉脈繊維と共に亜麻、
黄麻、芋麻、ケナフ、三椏、楮、雁皮、桑等の靭皮繊維
も古くから和紙の原料として使用されおり、また単なる
文章中の例示に過ぎないが、特開平9−39429号公
報には感熱孔版原紙用の薄葉紙の構成繊維として記載さ
れている。三椏は紙幣にも一部使用されている非常に高
価な繊維原料であるが、柔細胞などの非繊維成分が非常
に多いので適さない。楮、雁皮、桑等は所謂手抄き和紙
の繊維原料であり、繊維長が非常に長いか、繊維形態が
異質な為に雲竜紙や模様紙等の用途以外では機械抄には
適さない。亜麻も繊維長が非常に長いので、タバコ用ラ
イスペーパー等では叩解して使用しているが、感熱孔版
原紙用薄葉紙に求められる多孔質で均一な地合い形成は
困難である。
【0007】また、特開平8−11454号公報では、
エスパルトパルプ、竹パルプ、コットンパルプ、エクア
ドル産マニラ麻パルプを使用することを提案している
が、エスパルト及び竹パルプ中には、印刷用紙の原料と
して使用した場合にベッセルピックの原因となる導管及
び柔細胞などが非常に多く、感熱孔版原紙用の薄葉紙に
これらの天然繊維を配合した場合、当然、墨ベタ印刷に
おける白点の発生が非常に多くなる。また、同様に広葉
樹木材パルプ中にも導管が多数存在するので感熱孔版原
紙用の薄葉紙には適さない。
【0008】また、特開平6−155955号公報で
は、繊維形態を特定した針葉樹木材パルプを25重量%
以上配合した例があり、この針葉樹木材パルプや前記コ
ットン繊維中には、導管や柔細胞などの非繊維成分は殆
ど存在しないものの、繊維幅が他の靭皮繊維や葉脈繊維
に比べて2倍以上広いため、これらの天然繊維を配合す
ると広幅の繊維自身がインキ通過阻害要因となり、墨ベ
タ印刷したときに白い繊維目が一面に発生するので、高
画質感熱孔版原紙用薄葉紙には適さない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感熱孔版原
紙の多孔性支持体として最も使用されている薄葉紙にお
いて、墨ベタ印刷における白点、或いは文字・画線印刷
における線切れを極力少なくし、しかも薄葉紙を構成す
る繊維に起因する繊維目の発生を防止して高画質感熱孔
版原紙に用いる薄葉紙を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する為に感熱孔版原紙用の薄葉紙を構成する天然
繊維に着目し、特に天然繊維中に存在する表皮細胞、管
状細胞、柔細胞、導管などの非繊維成分の多少に着目し
て検討を行った。
【0011】まず本発明者らは、機械抄可能な天然繊維
について改めて品質確認試験と感熱孔版原紙用薄葉紙に
対する適性試験を実施した。自社及び調達可能な他社パ
ルプ蒸解−漂白設備でパルプ化された全ての天然繊維
(葉脈・靭皮・木材・草類・植毛繊維)を水で一定濃度
に離解(JIS P8220)した後、パルプ試験用手
すき紙調製方法(JIS P8222)に基づく手すき
紙を作製し、パルプ−試験用手すき紙−物理的特性試験
(JIS P8223)、及び光学的試験として不透明
度とKubelka−Munk式を用いて比散乱係数を
測定した(TAPPI標準法T425に準拠)。また、
各天然繊維のパルプろ水度測定試験(JIS P812
1)を行い、カヤニ型繊維長測定機を用いて重量平均繊
維長を測定した。以上のパルプ試験結果について代表例
を表1に記載する。
【表1】
【0012】表1に示すようにジュート麻やケナフ等の
選択された靭皮繊維は、従来より感熱孔版原紙用薄葉紙
に最も使用されているマニラ麻に比べて比散乱係数が大
きく、しかもバルク密度が小さいので、多孔性薄葉紙の
繊維素材として非常に適している事が分かった。但し、
マニラ麻等は比引張強さ、比引裂強さに優れているの
で、一定範囲を超えない範囲で混合することが望まし
い。尚、ここでいう比散乱係数は、光学的な屈折率が高
いほど数値が大きくなり、紙層中の繊維表面積とよい相
関関係が有り、平均繊維長と共に繊維分散性や紙の地合
い形成を評価する上で良い判断基準となる。仮に、平均
繊維長が同じで比散乱係数が大きい場合は、構成する繊
維幅が小さく構成する繊維数が多いと判断され、多孔質
で良好な地合い形成ができると考えられる。また、針葉
樹木材パルプ(N−BKP)は比較的強度特性は優れて
いるもののバルク密度が高く、比散乱係数も小さいの
で、前記葉脈繊維の一部代替えとしては使用できるが品
質的な向上はあまり望めないことが分かった。尚、表1
中には記載していないが、エスパルト、ワラ、バガス、
竹等の草類繊維及び広葉樹木材パルプ(L−BKP)
は、繊維径が細くて繊維長が短く構成する繊維数が多
く、比散乱係数は前記葉脈繊維に比べて大きいが、柔細
胞が非常に多く強度特性が大きく劣るので、薄葉紙用の
繊維素材には適さなかった。また、通常、印刷用紙等で
使用する晒木材パルプでは、視覚的に認識できる有色の
ちりや結束繊維等がきょう雑物の対象となるが、感熱孔
版原紙用薄葉紙では、漂白された導管、柔細胞及び表皮
細胞等の非繊維成分も墨ベタ印刷においてインキ通過の
阻害要因となるので、これらも一種のきょう雑物として
評価する必要がある。
【0013】次に、感熱孔版原紙を用いた墨ベタ印刷に
おける白点の発生原因となる一定以上の表示面積に相当
する非繊維成分の多少を評価する方法として次の試験を
実施した。1つ目の試験方法は、水に離解した各天然繊
維を篩の目開き710μm(24mesh)と篩の目開
き180μm(83mesh)の2水準の標準篩(JI
SZ8801)を用いて水洗しながら篩分けして、目開
き710μmの篩を通過し、目開き180μmの篩上に
残った繊維成分を採取して顕微鏡で比較観察したとこ
ろ、この層に属する繊維成分の中には選択的に0.05
mm2以上の非繊維成分が残留しており、非繊維成分の
多少を正確に評価することが可能であった。その時の観
察結果として、感熱孔版原紙用薄葉紙に使用されるマニ
ラ麻繊維をSelleger液で染色した拡大図(顕微
鏡写真の複写)を図1に示す。また、今回の比較試験で
最も非繊維成分が少なかったジュート麻繊維をSell
eger液で染色した拡大図(倍率48の顕微鏡写真の
複写)を図2に示す。さらに、その他の各天然繊維の形
態をも顕微鏡で比較観察した結果、ジュート麻(黄
麻)、ケナフ等の選択された靭皮繊維は、マニラ麻やサ
イザル麻よりも繊維幅が若干小さかった。特に、ジュー
ト麻(黄麻)は、内腔が明瞭で細胞膜壁の厚さが不規則
であり、極薄く染色して200倍程度の倍率で観察する
と比較的容易に識別できた。平均繊維長測定結果と共に
判断すれば、他の天然繊維との識別は更に確実となっ
た。その時の観察結果として、マニラ麻繊維とジュート
麻繊維をSelleger液で染色した拡大図(倍率1
92の顕微鏡写真の複写)を図3(マニラ麻繊維)及び
図4(ジュート麻繊維)に示す。
【0014】2つ目の試験方法は、各天然繊維を用いて
坪量10g/m2、寸法250×250mmの手すき紙
を作製し、感熱孔版原紙の中央部を150×200mm
の寸法に切り抜き、その開口部に該薄葉紙(手すき紙)
を貼り付けて墨ベタ印刷を行なった。開口部はフィルム
が無いので墨ベタ印刷となり、薄葉紙中に一定面積以上
の非繊維成分があれば、その部分だけが白く点状に抜け
た印刷物が得られる。得られた墨ベタ印刷物について目
視にて天然繊維中に存在する非繊維成分に起因する白点
と繊維目の発生を以下の基準で評価した。 1)白点抜け 白点の個数を計数してその個数が20個以下のものを
○,21〜50個を△,51〜99個を×,100個以
上を××,と判定した。 2)繊維目 基準としてマニラ麻の繊維目の状態を△とし、マニラ麻
より繊維目が少ない(目立たない)ものを○,中間を○
△,マニラ麻より繊維目が多い(目立つ)ものを×,更
に顕著な物を××,と判定した。代表例についてのそれ
ぞれの判定結果を表1に併せて表示した。
【0015】以上の天然繊維の適性試験結果から、ジュ
ート麻(黄麻)又はケナフの靭皮繊維は、マニラ麻やサ
イザル麻等の葉脈繊維よりも感熱孔版原紙による墨ベタ
印刷における白点発生の原因となる非繊維成分の存在が
非常に少なく、しかも感熱孔版原紙用薄葉紙を構成する
繊維として必要な物理及び光学的適性を有することを見
出し、感熱孔版原紙用薄葉紙に関する本発明に至った。
即ち、本発明は、坪量7〜14g/m2の薄葉紙を構成
する繊維として、ジュート麻(黄麻)又はケナフの靭皮
繊維を5〜100重量%の範囲で含有する事を特徴とす
る高画質感熱孔版原紙用薄葉紙を提案するものである。
特に、ソーダ蒸解、二酸化塩素漂白工程を含む多段漂白
を行ったジュート麻パルプは、墨ベタ印刷における白点
発生に起因する非繊維成分が少なく、比較的簡単な叩解
処理で非繊維成分が小さく粉砕され殆ど目立たなくな
り、しかも感熱孔版原紙用薄葉紙の必須要件である嵩高
な紙質と均一な地合い形成が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、坪量7〜14
g/m2の薄葉紙を構成する繊維として、ジュート麻
(黄麻)又はケナフの靭皮繊維を5〜100重量%の範
囲で含有させるが、ジュート麻(黄麻)又はケナフの靭
皮繊維の含有量が5重量%に満たない場合、即ちマニラ
麻などの葉脈繊維や合成繊維の合計含有量が95重量%
を越える場合にはジュート麻(黄麻)又はケナフの靭皮
繊維を配合した効果が十分に表れず、白点及び繊維目の
発現が生じて高画質で鮮明な印刷が得られない。
【0017】また、マニラ麻などの葉脈繊維や合成繊維
を全く含有させることなく、ジュート麻(黄麻)又はケ
ナフの靭皮繊維のみ(100重量%)で薄葉紙を構成し
ても良いが、繊維目や画質鮮明性等を考慮すると、ジュ
ート麻(黄麻)又はケナフの靭皮繊維を20〜80重量
%の範囲で含有させる、即ちマニラ麻などの葉脈繊維や
合成繊維を80〜20重量%の範囲で含有させることが
望ましい。
【0018】本発明では、ジュート麻(黄麻)又はケナ
フの靭皮繊維を前述の所定の比率で用いる以外の処理工
程については常法に準じて行えば良く、従来より公知の
材料並びに手法をそのまま適用することができる。即ち
ジュート麻(黄麻)又はケナフの靭皮繊維を前述の所定
の比率で混合し、軽く叩解を施して湿潤紙力増強剤等の
内添薬品を添加する。他のマニラ麻など葉脈繊維や合成
繊維を混合する場合も同様に処理して混合する。そし
て、傾斜短網抄紙機で原紙坪量約10g/m2の薄葉紙
を抄造する。その後、該薄葉紙に含浸塗工機で水溶性合
成樹脂を塗工して本発明の高画質感熱孔版原紙用薄葉紙
とする。この薄葉紙を多孔性支持体とし、厚さ1〜2μ
mのポリエステルフィルムと接着剤を介してドライラミ
ネート加工を施して感熱孔版原紙とする。
【0019】本発明の薄葉紙を感熱孔版原紙用の多孔性
支持体に用いると、従来の薄葉紙よりも墨ベタ印刷にお
ける白点の発生が少なく、文字や画線印刷における線切
れの発生が少なく、しかも薄葉紙を構成する繊維による
繊維目の発現が殆ど無くなり高画質で鮮明な感熱孔版印
刷が可能となる。以下の実施例により本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0020】
【実施例】〔実施例1〜5〕実施例1〜5の高画質感熱
孔版用薄葉紙は、表2に示すようにジュート麻(黄麻)
又はケナフの靭皮繊維を5〜100重量%の範囲で配合
することを必須要件として、マニラ麻など他の天然繊維
及び合成繊維の配合比率をコントロールした紙料を調製
し、傾斜短網抄紙機で坪量約10g/m2の薄葉紙をそ
れぞれ抄造し、含浸塗工機で水溶性合成樹脂を塗工して
作製した。但し、実施例4では、合成繊維の配合率が6
5重量%と他と比べ多いので、うち15重量%はポリエ
ステル・バインダー繊維とした。
【表2】
【0021】〔薄葉紙の紙質試験方法〕各実施例の感熱
孔版用薄葉紙の紙質試験は、以下の紙の試験方法に従っ
て行い、その試験結果は表2に併せて示した。紙試験用
の標準状態は、JIS P8111による。但し、20
00年3月末までの暫定規格:20℃、65%RHによ
る。 ・ 坪量の測定は、JIS P8124による。 ・ 厚さ及び密度の測定は、JIS P8118によ
る。但し、厚さ測定における加圧面間の圧力は、旧規格
の53.9kPaとする。 ・ 引張強さの測定は、JIS P8113による。但
し、測定単位は、旧規格のkgf/15mmとした。 ・ 湿潤引張強さは、JIS P8135による。但
し、測定単位は、旧規格のkgf/15mmとした。 ・ 透気度の測定は、ガーレー試験機法:JIS P8
117に準じる。但し、1枚では測定不能なので32枚
を折り重ねて空気通過量100mlに要する時間を測定
した。 ・ 平均気孔径の測定は、コスモ計器(株)製デジタル
マノメーターを使用してバブル・ポイント法で測定し
た。
【0022】〔印刷試験方法〕感熱孔版印刷機による印
刷試験は、各実施例の薄葉紙を多孔性支持体とし、厚さ
1〜2μmのポリエステルフィルムと接着剤を介してド
ライラミネート加工を施して感熱孔版原紙を作製し、理
想科学工業株式会社製デジタル式全自動孔版印刷機「機
種名:RISOGRAFH GR375」で行い、以下
の試験項目と基準に従い判定し、その結果を表2に併せ
て示した。非繊維成分に起因する白点抜けの多少をテス
トする方法は、感熱孔版原紙の中央部を150×200
mmの寸法に切り抜いて、その開口部に各実施例の薄葉
紙を貼り付けて墨ベタ印刷を行なった。開口部はフィル
ムが無いので墨ベタ印刷となり、薄葉紙中に一定面積以
上の非繊維成分等があれば、その部分だけが白く点状に
抜けた印刷物が得られる。得られた墨ベタ印刷物につい
て目視にて天然繊維中に存在する非繊維成分に起因する
白点と繊維目の発生を以下の基準で評価した。 1)非繊維成分による白点抜けについては、白点抜けの
個数を計数し、単位面積623.7cm2(A4判:寸
法210×297mm)当たりの個数に換算し、白点が
20個以下のものを○、21〜50個のものを△、50
個以上のものを×、と判定した。 2) 繊維目については、後述する現行基準(比較例
1)の繊維目を△とし、それより繊維目が少ない(目立
たない)ものを○、更に少ないものを◎、若干良いもの
を○△、現行より繊維目が多い(目立つ)ものを×、と
判定した。その他、各実施例で作製した感熱孔版原紙を
用いて画質鮮明性と耐刷性を以下の基準で評価した。 1) 画像鮮明性については、後述する現行基準である
比較例1を△とし、最も良いものを◎、良いものを○、
若干良いものを○△、同等を△、劣るものを×と判定し
た。 2) 耐刷性については、後述する現行基準である比較
例1を○とし、それより耐刷性が優れたものを◎、同等
を○、若干劣るものを△、劣るものを×と判定した。
【0023】〔比較例1〜5〕比較例1〜5の感熱孔版
用薄葉紙は、表3に示すようにジュート麻(黄麻)又は
ケナフの靭皮繊維以外の天然繊維を配合することを必須
要件として、合成繊維とマニラ麻など他の天然繊維の配
合比率をコントロールした紙料を調製し、同率の内添薬
品を添加して傾斜短網抄紙機で坪量約10g/m2の薄
葉紙をそれぞれ抄造し、含浸塗工機で水溶性合成樹脂を
塗工して作製した。また、薄葉紙の紙質試験、並びに感
熱孔版原紙の作製及びその試験方法については全て前述
と同じであり、それぞれの試験結果を表3に併せて示し
た。尚、比較例1の薄葉紙は繊維配合率がマニラ麻60
重量%、合成繊維が40重量%であり、感熱孔版印刷試
験における現行基準とした。
【表3】
【0024】〔試験結果〕表2及び表3の試験結果から
明らかなように、本発明の実施例であるジュート麻(黄
麻)又はケナフの靭皮繊維を含有する実施例1〜5の薄
葉紙は、ジュート麻(黄麻)又はケナフの靭皮繊維以外
の天然繊維や合成繊維を配合した比較例1〜5の薄葉紙
よりも、感熱孔版原紙による墨ベタ印刷における白点抜
け及び繊維目が少なく、しかも鮮明な画質が得られるこ
とが確認された。また、実用印刷試験でも現行基準(比
較例1)と比べて画質の鮮明性は大きく改善され、耐刷
性もほぼ同等であった。
【0025】
【発明の効果】本発明による薄葉紙は、坪量7〜14g
/m2の薄葉紙を構成する繊維として、ジュート麻(黄
麻)又はケナフの靭皮繊維を5〜100重量%の範囲で
使用することにより、非繊維成分の存在が非常に少な
く、しかも感熱孔版原紙用薄葉紙を構成する薄葉紙とし
て必要な物理的特性を有する。従って、この薄葉紙を感
熱孔版原紙の多孔性支持体として用いた場合、得られる
印刷物は墨ベタ印刷部分でも白点抜け及び繊維目が極め
て少なく、非常に高画質である。
【図面の簡単な説明】
【図1】目開き710μmの篩を通過し、目開き180
μmの篩上に残ったマニラ麻繊維をSelleger液
で染色した拡大図(倍率48の顕微鏡写真)である。
【図2】目開き710μmの篩を通過し、目開き180
μmの篩上に残ったジュート麻繊維をSelleger
液で染色した拡大図(倍率48の顕微鏡写真)である。
【図3】マニラ麻繊維をSelleger液で染色した
拡大図(倍率192の顕微鏡写真)である。
【図4】ジュート麻繊維をSelleger液で染色し
た拡大図(倍率192の顕微鏡写真)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 BA01 BA05 DA43 DA64 DA73 DA76 EA02 EA05 FA06 4L055 AA07 AA09 EA08 EA32 FA15 GA15 GA28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坪量7〜14g/m2の薄葉紙を構成す
    る繊維として、ジュート麻(黄麻)又はケナフの靭皮繊
    維を5〜100重量%の範囲で含有する事を特徴とする
    高画質感熱孔版原紙用薄葉紙。
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