JP5666155B2 - 衛生用紙 - Google Patents
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Description
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを用いることによって、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れた衛生用紙が得られる。
本発明においては、保水度の高い長繊維を含んでなるパルプを用いる。具体的には、24メッシュ(目開き:710μm)のスクリーンで篩分けした際に残る繊維、すなわち、24メッシュ残(24メッシュオン)の繊維が、式1:
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを使用する。また、24メッシュ残(24メッシュオン)の繊維は、式2:
−0.65X+580≦Y≦−1.0X+860
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを使用すると、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れ、かつ、紙粉発生量が少ない衛生用紙を得ることができるため、好ましい。なお、本明細書において単に「長繊維」という場合、パルプのうち、24メッシュのスクリーンを通過しない画分(24メッシュオンの画分)を意味する。ここで、式1のうち、−0.6X+540≦Yは、本発明のパルプの長繊維は、同等のろ水度を有する従来の衛生用紙用パルプの長繊維に比べて保水度(Y)が高いことを意味する。すなわち、本発明者の検討によれば、従来の衛生用紙用パルプは、本発明のパルプに比べて保水度(Y)が低く、ろ水度(X)と保水度(Y)の関係が−0.6X+540>Yであった。一方、式1のうち、Y≦−1.2X+1020は、パルプの製造のしやすさなどの観点から設けた規定である。一般にパルプを叩解すると、ろ水度(X)が低くなる一方、保水度(Y)は高くなり、両者は一定の関係となることが多いが、Y>−1.2X+1020の関係を満たすほど保水度の高い長繊維を含むパルプを製造することは一般に難しい。
本発明の衛生用紙は、公知の方法および装置により抄紙することができる。衛生用紙の抄紙機としては、例えば、円網、短網、ツインワイヤーなどのヤンキーマシンが使用できる。ヤンキーマシンとは、ヤンキードライヤーを有する抄紙機を意味し、ティシューペーパーなどの衛生用紙の製造に一般に用いられる。一般の印刷用紙は金属製の円筒が多数連なった多筒ドライヤーによって乾燥されるのに対し、衛生用紙の製造に用いられるヤンキードライヤーは、比較的直径の大きい円筒によって紙を乾燥させる。衛生用紙へのクレープの付与も一般的な方法により行うことができ、例えば、ヤンキードライヤー上でウェットクレープ又はドライクレープを付けるか、若しくは、ウェットクレープを付けてさらにドライクレープを付けてもよい。また、本発明の衛生用紙は、用途に応じて適当な大きさに裁断してもよく、紙を複数枚重ねた多プライの衛生用紙とすることもできる。本発明の衛生用紙にミシン目などの加工を加えることも自由である。好ましい態様において、2〜3枚重ねて衛生用紙をボックスに収納してボックス入りの衛生用紙とすることができる。
本発明の衛生用紙とは、衛生用途や生理用途に用いられる主に使い捨ての吸収性に優れた紙であり、例えば、トイレットペーパー、ティシューペーパー、紙タオル、ワッティング、ちり紙などを挙げることができる。一般にトイレットペーパーは、水への分散性が良好であり、ロール状に加工してあるものが多いが、本発明においては厚紙の芯を有するものであっても、芯が無く最後まで使いきれるもの(ノンコアロール)であってもよい。ティシューペーパーは、柔らかさや強度などの観点から多プライとされることが多く、厚紙などのボックスに入ったボックスティシューや、フィルムなどの容器に入ったポケットティシューなどが代表的である。一般にティシューペーパーはトイレットペーパーよりも耐水性が高い。また紙タオルとしては、キッチンタオル、介護用タオル、ハンドタオル、テーブルナプキンなどが挙げられる。
以下の実施例、及び比較例において用いた評価法は下記の通りである。
・篩い分け試験:JIS P8207:2009に従った。
・保水度(%):J.TAPPI No.26に従って測定した。
・カナダ標準ろ水度(CSF、ml):JIS P 8121:1995に従った。
・微細繊維量(%):微細繊維量として、150メッシュを通過する繊維の割合を測定した。サンプルである衛生用紙をTAPPI離解機により離解し、離解したパルプスラリーについてJIS P8207篩い分け試験を実施し、150メッシュを通過した繊維の質量から以下の式により微細繊維量を算出した。
微細繊維量(%)=150メッシュパスの繊維の質量/試験に供した試料の質量×100
・引張り強度(kN/m):JIS P8113−76に従って測定した。2枚重ねの衛生用紙を流れ方向(縦方向)に平行に25mm幅に切り、25mm幅の試料の長さ100mmをテンシロン万能型引張り試験機(株式会社エーアンドデイ)にセットし、引張り強度を測定した。
・手触り感:10人で官能評価し、以下の区分で評価した(◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪い)。
・紙粉発生量:収納ボックスより10枚連続で引き抜いた際の紙粉の発生程度を目視により評価した(◎:非常に少ない、○:少ない、△:普通、×:多い)。
実施例及び比較例で用いたパルプは、広葉樹パルプ、針葉樹パルプともにドライパルプから調成した。広葉樹パルプとしてユーカリグロビュラス、針葉樹パルプとしてスプルースを用いた。
針葉樹パルプ3%、広葉樹パルプ97%の割合で配合したパルプを、低濃度パルパーで離解し、パルプスラリーを得た。その後、ダブルディスクリファイナー(DDR、相川鉄工社製)により、CEL値が1580である叩解プレートを用いて、長繊維のカナダ標準ろ水度が710ml、保水度が120.0%になるように叩解した。
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が720ml、保水度が112.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が730ml、保水度が109.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が710ml、保水度が145.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が740ml、保水度が115.7%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が748ml、保水度が109.1%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ1%、広葉樹パルプ99%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が720ml、保水度が110.0%になるように叩解した以外は実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ50%、広葉樹パルプ50%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が730ml、保水度が105.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。。
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、CEL値が1000である叩解プレートを用いて、長繊維のカナダ標準ろ水度が680ml、保水度が130.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ15%、広葉樹パルプ85%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が727ml、保水度が97.8%になるように叩解した以外は、比較例3と同様にしてティシューペーパーを製造した。
針葉樹パルプ35%、広葉樹パルプ65%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が735ml、保水度が94.1%になるように叩解した以外は、比較例3と同様にしてティシューペーパーを製造した。
Claims (7)
- JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、1500以上のCEL値を有するプレートで叩解されたパルプを含有し、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%である、衛生用紙。 - 前記24メッシュ残の繊維のカナダ標準ろ水度(X)が、700〜760mlである、請求項1に記載の衛生用紙。
- 前記パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が3〜30質量%である、請求項1または2に記載の衛生用紙。
- 前記パルプにおけるJIS P 8207に規定する篩分け試験による150メッシュを通過する繊維の含有量が10質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の衛生用紙。
- 前記パルプがクラフトパルプである、請求項1〜4のいずれかに記載の衛生用紙。
- JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜50質量%である、1500以上のCEL値を有するプレートで叩解された衛生用紙用パルプ。 - JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、1500以上のCEL値を有するプレートで叩解されたパルプであって、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを抄紙することを含む、衛生用紙の製造方法。
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