JP2011193981A - 衛生用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れ、かつ、紙粉発生量が少ない衛生用紙を提供する。
【解決手段】JISP8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]の関係を満たすパルプを用いることによって、優れた品質の衛生用紙を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、衛生用紙に関する。具体的には、強度と柔らかさを兼ねそなえながら、手触り感に優れた衛生用紙に関する。
衛生用紙として広く使用されているティシューペーパーやトイレットペーパーは、柔らかく、手触り感が良く、また、加工時や使用時に十分な強度があることが望まれている。さらに、衛生用紙の使用時には、収納箱や紙押さえなどとの摩擦や物理的衝撃により紙粉が発生することがあるため、紙粉が発生しにくいことが衛生用紙に望まれている。しかしながら、柔らかく、手触り感が良く、強度が高く、さらに、紙粉が発生しにくいという品質を全て満たす衛生用紙を製造することは極めて困難である。
衛生用紙は、加工時や使用時に加わる力に耐えることができる程度の強度が必要であり、特に、十分な引張り強度を有することが重要である。一般に広葉樹パルプは細くしなやかであるため、広葉樹パルプを配合した衛生用紙は、柔らかく、手触り感が良いものの、広葉樹パルプは平均繊維長が短いため、広葉樹パルプのみを配合した衛生用紙は、引張り強度が低くなってしまう。そのため、衛生用紙には、平均繊維長が長く、十分な引張り強度を有する針葉樹パルプが配合されている。このように、十分な引張り強度を有しながら、柔らかさと手触り感を両立させるために、針葉樹パルプと広葉樹パルプを混合して配合された衛生用紙が一般的である。
衛生用紙の柔らかさや手触り感の向上を図る技術に関しては、これまでに数多くの研究がされている。例えば、特定のパルプを用いることによる方法(特許文献1・2)、長網、短網、ツインワイヤー、円網ヤンキーマシン等の抄紙機を適宜選択することによる方法、紙用柔軟剤などの添加薬品を添加することによる方法(特許文献3:脂肪酸エステル系柔軟剤、特許文献4:第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤、特許文献5:ウレタンアルコールなど、特許文献6・7:非陽イオン系界面活性剤、特許文献8:ポリリン酸塩、特許文献9・10:ポリシロキサン)など、各種の提案がなされている。しかし、添加薬品による方法は、良好な柔軟効果が得られる場合があるが、薬品の発泡性が大きく、抄紙操業に支障をきたす恐れがあり、場合によっては紙力の低下を招く問題があった。その他、特許文献11には、繊維粗度が低いパルプを多用する方法が提案されているが、強度を維持するために針葉樹パルプの使用量が多くなるため、強度と柔らかさを両立させることが困難で、針葉樹パルプを多用することによって製造コストが高くなる問題もあった。
また、衛生用紙の湿潤強度を向上する技術に関しては、紙用湿潤紙力増強剤として尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアマイド、ポリアミン、エピクロロヒドリン樹脂などを添加することが知られている。このうち、ホルムアルデヒドは人体に悪影響をおよぼす可能性があるため好ましくなく、人の肌に直接触れることが多い衛生用紙においては、ポリアマイド、ポリアミン、エピクロロヒドリン樹脂が主として用いられている。しかし、エポキシ樹脂による結合は非常に堅固で、水に不溶性であり、更に、衛生用紙自体が剛直になり、柔らかさや手触り感がマイナスになるという問題点があった。
さらに、衛生用紙には紙粉の発生が少ないことが求められる。衛生用紙は、製品として収納箱などに収められた状態から取り出す際に、衛生用紙と収納箱との摩擦や、物理的衝撃によって紙粉が発生することがある。特に、柔軟性の高い衛生用紙では、紙粉が発生しやすい。紙粉対策としては、衛生用紙の収納箱上面の取り出し口に貼付されたフィルムシートに帯電防止剤を含ませることが提案されている(特許文献12)。しかし、これは衛生用紙そのものへの対応ではないため、トイレットペーパーなど、収納箱を使用しない衛生用紙に対して適用できる技術ではない。
特開昭54−46914号公報 実開平4−66992号公報 米国特許3296065号公報 特開昭48−22701号公報 特開昭60−139897号公報 特開平2−99690号公報 特開平2−99691号公報 特開平2−36288号公報 特開平2−224626号公報 特開平3−900号公報 特許第2800595号 特開2008−81124号公報
本発明は、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れた衛生用紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、パルプの長繊維の特性、中でも長繊維の保水度とろ水度が、衛生用紙の強度、柔軟性、手触り感に大きな影響を及ぼすことを発見し、特に、JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維(すなわち、長繊維)の保水度とろ水度が特定の範囲であり、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が特定の割合であるパルプを用いることにより、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れた衛生用紙が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、1つの観点からは、特定範囲の保水度とろ水度を有する長繊維を含み、かつ、特定割合の針葉樹パルプを含んでなるパルプから製造された衛生用紙であり、別の観点からは、特定範囲の保水度とろ水度を有する長繊維を含み、かつ、特定割合の針葉樹パルプを含んでなるパルプから衛生用紙を製造する方法であり、また別の観点からは、特定範囲の保水度とろ水度を有する長繊維を含み、かつ、特定割合の針葉樹パルプを含んでなる衛生用紙用パルプである。
本発明においては、JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを用いることによって、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れた衛生用紙が得られる。
また本発明においては、パルプ中の150メッシュパスの微細繊維を特定割合以下とすることにより、衛生用紙の紙粉発生量を抑制することができ、好ましい。すなわち、製品を離解して得られたパルプを篩い分け試験による150メッシュパスの微細繊維の割合がパルプ全体の10質量%以下であるパルプを用いることにより、紙粉発生量が少ない衛生用紙が得られる。
本発明によれば、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れ、かつ、紙粉発生量が少ない衛生用紙を得ることができる。本発明で用いるパルプは、同等のろ水度を有する従来のパルプと比較して長繊維の保水度が高く、高い強度を発揮する。本発明にしたがって保水度の高い長繊維を含むパルプを用いることによって、針葉樹パルプの配合量を低く押さえ、柔らかくしなやかな広葉樹パルプの配合量を増やすことができるため、柔らかく、手触り感に優れる衛生用紙を得ることができる。また本発明によれば、広葉樹と比較して一般に高価格である針葉樹の配合割合を低くすることができるため、比較的低価格で衛生用紙を得ることができる。
図1は、実施例で用いたパルプの長繊維保水度と長繊維ろ水度を示すグラフである。
パルプ
本発明においては、保水度の高い長繊維を含んでなるパルプを用いる。具体的には、24メッシュ(目開き:710μm)のスクリーンで篩分けした際に残る繊維、すなわち、24メッシュ残(24メッシュオン)の繊維が、式1:
−0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを使用する。また、24メッシュ残(24メッシュオン)の繊維は、式2:
−0.65X+580≦Y≦−1.0X+860
[式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
の関係を満たし、かつ、針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを使用すると、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れ、かつ、紙粉発生量が少ない衛生用紙を得ることができるため、好ましい。なお、本明細書において単に「長繊維」という場合、パルプのうち、24メッシュのスクリーンを通過しない画分(24メッシュオンの画分)を意味する。ここで、式1のうち、−0.6X+540≦Yは、本発明のパルプの長繊維は、同等のろ水度を有する従来の衛生用紙用パルプの長繊維に比べて保水度(Y)が高いことを意味する。すなわち、本発明者の検討によれば、従来の衛生用紙用パルプは、本発明のパルプに比べて保水度(Y)が低く、ろ水度(X)と保水度(Y)の関係が−0.6X+540>Yであった。一方、式1のうち、Y≦−1.2X+1020は、パルプの製造のしやすさなどの観点から設けた規定である。一般にパルプを叩解すると、ろ水度(X)が低くなる一方、保水度(Y)は高くなり、両者は一定の関係となることが多いが、Y>−1.2X+1020の関係を満たすほど保水度の高い長繊維を含むパルプを製造することは一般に難しい。
一般に、叩解を進めるほどパルプ繊維の内部及び外部フィブリル化が進行し、カナダ標準ろ水度(CSF)が低下するとともに、保水度が上昇し、ろ水度と保水度は一定の関係にあることが多い。本発明で用いるパルプは、同じろ水度を有する通常の衛生用紙用パルプと比較して、長繊維の保水度が高い。一般に、カナダ標準ろ水度は繊維全体の水持ちを反映し、保水度は繊維内部の水持ちを反映すると考えられており、本発明のパルプは、同一カナダ標準ろ水度で比較した場合、従来のパルプと比較して特に長繊維のフィブリル化が進行しているため、パルプを構成する長繊維の保水度が高くなっていると推測される。そして、紙の強度や柔軟性に大きな影響を及ぼすパルプ中の長繊維として、保水度の高い長繊維を含むパルプを用いることにより、十分な強度を有する衛生用紙を得ることができるものと考えられる。したがって、針葉樹パルプの配合量を低く押さえ、柔らかくしなやかな広葉樹パルプの配合量を増やすことができるため、柔らかく、手触り感に優れる衛生用紙を得ることができる。
本発明のパルプの24メッシュ残の繊維のカナダ標準ろ水度は、600〜800mlであり、700〜800mlであることが好ましく、700〜760mlであることがより好ましく、720〜750mlであることがさらに好ましい。長繊維のカナダ標準ろ水度が600ml以下であると、衛生用紙の柔らかさや手触り感が悪くなる傾向にあり、800ml以上であると、衛生用紙の強度が低下する傾向にある。
本発明のパルプ全体に対する24メッシュオンの長繊維の割合は特に制限されないが、下限は、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、上限は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がより好ましい。長繊維の割合が2質量%以下であると本発明による効果が小さくなるおそれがある。長繊維の割合は、例えば、広葉樹に比べて繊維長の長い針葉樹をパルプの原料に多く用いたり、パルプを繊維長によって分級したりすることによって調整することができる。また、長繊維の含有率の高い樹種を原料として用いることによって、パルプ中の長繊維の割合を調整することもできる。
本発明のパルプの種類は特に限定されず、製紙用パルプであればいずれでもよい。パルプの例としては、針葉樹または広葉樹の木材パルプに加えて、例えば、稲わらパルプや、バガスパルプ、ケナフパルプ等の非木材パルプも使用することができる。好ましいパルプとしては、化学パルプ(針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)など)、針葉樹の機械パルプ(砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、アルカリ過酸化水素機械パルプ(APMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)など)、脱墨パルプ(DIP)などを使用することができる。特に、針葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)は、十分な強度と柔らかさを兼ね備えながら、手触り感に優れ、かつ、紙粉発生量が少ない衛生用紙が得られるため好ましい。また、スラッシュパルプ(パルプ製造後、一度も乾燥工程を経ていない、水に分散されたパルプ)、及び、ドライパルプ(パルプを絶乾パルプ質量あたりの水分含有率が1〜30%の範囲に乾燥されたパルプ)のいずれも好適に用いることができる。また本発明においては、単一のパルプのみを用いることもでき、また、複数種のパルプを混合して使用することもできる。
化学パルプとしては公知の化学パルプを用いることができるが、白色度が高い点から、クラフトパルプが特に好ましい。このクラフトパルプとして、例えば、蒸解液の分割添加と、ダイジェスター内部での並流蒸解と向流蒸解からなる、所謂修正アルカリ性蒸解法によって得られたクラフトパルプを用いてもよい。また、化学パルプとしては、未晒パルプ、晒パルプのいずれであってもよく、未叩解パルプまたは叩解パルプのいずれであってもよい。さらに、化学パルプとして、蒸解助剤として環状ケト化合物(例えば、アントラキノン、1,4−ジヒドロ−9,10−ジケトアントラセン等)を添加して蒸解した化学パルプを用いることもできる。
また、紙粉抑制の観点から、本発明のパルプの微細繊維含有量は少ない方が好ましい。具体的には、本発明の衛生用紙を離解して得られるパルプスラリーの、JIS P 8207に規定する篩分け試験による150メッシュ(目開き:106μm)を通過する繊維(150メッシュパスの繊維、本発明において微細繊維(ファイン)とも呼ぶ)の含有量が、パルプ全体の10質量%以下であることが好ましい。パルプの微細繊維含有量がパルプ全体の10質量%を超えると、衛生用紙の紙粉量が増加する傾向にある。
本発明では、パルプ全体に対する針葉樹パルプの配合比率が、パルプ絶乾質量に対して2〜40質量%であり、3〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。針葉樹の割合が高くなると、コスト高になり、また、得られる衛生用紙は、剛直で手触り感に劣る傾向がある。一方で、針葉樹パルプの割合が低くなると、紙の強度が低下する傾向がある。
保水度の高い長繊維を含んでなる本発明のパルプの製造方法としては、前記式1を満たすパルプを製造することができる方法であれば特に限定されない。一般にパルプは、種々のリファイナープレートを用いて、ダブルディスクリファイナー(DDR)、シングルディスクリファイナー(SDR)などの叩解機により叩解される。叩解後のパルプの特性は、叩解に使用するリファイナープレートの種類によっても異なるが、リファイナープレートの特徴は、プレートのデザインによって大きく異なる。一般に、リファイナープレートの特徴を示す値として、固定刃数/面、回転刃数/面、刃の長さ/本数の積算により算出されるCEL(Cutting Edge Length)値が用いられ、具体的には、CEL値=回転刃数×固定刃数×刃長(mm)と定義される。保水度の高い長繊維を含んでなる本発明のパルプは、例えば、14インチ型叩解機の場合、一般的なプレートと比較してCEL値の大きいプレート、好ましくは1500以上のCEL値を有するプレートを使用して叩解することにより得ることができる。
抄紙
本発明の衛生用紙は、公知の方法および装置により抄紙することができる。衛生用紙の抄紙機としては、例えば、円網、短網、ツインワイヤーなどのヤンキーマシンが使用できる。ヤンキーマシンとは、ヤンキードライヤーを有する抄紙機を意味し、ティシューペーパーなどの衛生用紙の製造に一般に用いられる。一般の印刷用紙は金属製の円筒が多数連なった多筒ドライヤーによって乾燥されるのに対し、衛生用紙の製造に用いられるヤンキードライヤーは、比較的直径の大きい円筒によって紙を乾燥させる。衛生用紙へのクレープの付与も一般的な方法により行うことができ、例えば、ヤンキードライヤー上でウェットクレープ又はドライクレープを付けるか、若しくは、ウェットクレープを付けてさらにドライクレープを付けてもよい。また、本発明の衛生用紙は、用途に応じて適当な大きさに裁断してもよく、紙を複数枚重ねた多プライの衛生用紙とすることもできる。本発明の衛生用紙にミシン目などの加工を加えることも自由である。好ましい態様において、2〜3枚重ねて衛生用紙をボックスに収納してボックス入りの衛生用紙とすることができる。
抄紙方法としては、例えば、全パルプを混合して均一な1つの層として抄紙する方法、及び、いわゆる積層タイプの衛生用紙である2層以上を重ね合わせて1枚とする抄紙方法のいずれも適用することができる。なお、多層抄きによって衛生用紙を製造する場合、地合の観点から、2層の衛生用紙とすることが好ましい。3層以上を積層すると地合が悪くなって品質が低下する可能性がある。
本発明においては、本発明のパルプのみを用いて衛生用紙の1層もしくは複数層を抄紙してもよいし、本発明のパルプに他のパルプを組み合わせて抄紙してもよい。本発明のパルプと組み合わせて使用するパルプとしては、スラッシュパルプ、ドライパルプ、脱墨パルプ(DIP)などを好適に使用することができる。
衛生用紙
本発明の衛生用紙とは、衛生用途や生理用途に用いられる主に使い捨ての吸収性に優れた紙であり、例えば、トイレットペーパー、ティシューペーパー、紙タオル、ワッティング、ちり紙などを挙げることができる。一般にトイレットペーパーは、水への分散性が良好であり、ロール状に加工してあるものが多いが、本発明においては厚紙の芯を有するものであっても、芯が無く最後まで使いきれるもの(ノンコアロール)であってもよい。ティシューペーパーは、柔らかさや強度などの観点から多プライとされることが多く、厚紙などのボックスに入ったボックスティシューや、フィルムなどの容器に入ったポケットティシューなどが代表的である。一般にティシューペーパーはトイレットペーパーよりも耐水性が高い。また紙タオルとしては、キッチンタオル、介護用タオル、ハンドタオル、テーブルナプキンなどが挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって何等制限されるものではない。なお、特に記載しない限り、本明細書において%などは質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
評価方法
以下の実施例、及び比較例において用いた評価法は下記の通りである。
・篩い分け試験:JIS P8207:2009に従った。
・保水度(%):J.TAPPI No.26に従って測定した。
・カナダ標準ろ水度(CSF、ml):JIS P 8121:1995に従った。
・微細繊維量(%):微細繊維量として、150メッシュを通過する繊維の割合を測定した。サンプルである衛生用紙をTAPPI離解機により離解し、離解したパルプスラリーについてJIS P8207篩い分け試験を実施し、150メッシュを通過した繊維の質量から以下の式により微細繊維量を算出した。
微細繊維量(%)=150メッシュパスの繊維の質量/試験に供した試料の質量×100
・引張り強度(kN/m):JIS P8113−76に従って測定した。2枚重ねの衛生用紙を流れ方向(縦方向)に平行に25mm幅に切り、25mm幅の試料の長さ100mmをテンシロン万能型引張り試験機(株式会社エーアンドデイ)にセットし、引張り強度を測定した。
・手触り感:10人で官能評価し、以下の区分で評価した(◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪い)。
・紙粉発生量:収納ボックスより10枚連続で引き抜いた際の紙粉の発生程度を目視により評価した(◎:非常に少ない、○:少ない、△:普通、×:多い)。
衛生用紙の製造
実施例及び比較例で用いたパルプは、広葉樹パルプ、針葉樹パルプともにドライパルプから調成した。広葉樹パルプとしてユーカリグロビュラス、針葉樹パルプとしてスプルースを用いた。
[実施例1]
針葉樹パルプ3%、広葉樹パルプ97%の割合で配合したパルプを、低濃度パルパーで離解し、パルプスラリーを得た。その後、ダブルディスクリファイナー(DDR、相川鉄工社製)により、CEL値が1580である叩解プレートを用いて、長繊維のカナダ標準ろ水度が710ml、保水度が120.0%になるように叩解した。
このパルプに、湿潤紙力剤(ポリストロン117、荒川化学)を絶乾パルプ質量あたり0.15%添加し、ツインワイヤータイプのヤンキー抄紙機で抄紙し乾燥させて、坪量が13.5g/mのティシューペーパーを製造した。クレープとして、ドライヤー及び巻取りリールとの速度差を取ることによりドライクレープを付与した。
抄紙したティシューペーパーを22cm×21.5cmの大きさに裁断し、ヤンキードライヤーに接した面が外側になるように2枚重ね、板紙製の収納ボックス(大きさ:12cm×25cm×11cm)に200組400枚を詰めた。また、抄紙後のティシューペーパーをTAPPI離解機により離解し、パルプの長繊維ろ水度、長繊維保水度、微細繊維量を測定した。また、抄紙後のティシューペーパーを用いて、引張り強度を測定し、手触り感、紙分発生量の評価を行った。結果を表1に、また、長繊維のカナダ標準ろ水度と長繊維の保水度の関係を図1に示した。
[実施例2]
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が720ml、保水度が112.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[実施例3]
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が730ml、保水度が109.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[実施例4]
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が710ml、保水度が145.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[実施例5]
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が740ml、保水度が115.7%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[実施例6]
針葉樹パルプ30%、広葉樹パルプ70%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が748ml、保水度が109.1%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[比較例1]
針葉樹パルプ1%、広葉樹パルプ99%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が720ml、保水度が110.0%になるように叩解した以外は実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[比較例2]
針葉樹パルプ50%、広葉樹パルプ50%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が730ml、保水度が105.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。。
[比較例3]
針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ90%の割合で配合したパルプを用い、CEL値が1000である叩解プレートを用いて、長繊維のカナダ標準ろ水度が680ml、保水度が130.0%になるように叩解した以外は、実施例1と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[比較例4]
針葉樹パルプ15%、広葉樹パルプ85%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が727ml、保水度が97.8%になるように叩解した以外は、比較例3と同様にしてティシューペーパーを製造した。
[比較例5]
針葉樹パルプ35%、広葉樹パルプ65%の割合で配合したパルプを用い、長繊維のカナダ標準ろ水度が735ml、保水度が94.1%になるように叩解した以外は、比較例3と同様にしてティシューペーパーを製造した。
Figure 2011193981
表1から明らかなように、本発明のパルプを用いることによって、十分な強度を有し、柔軟性や手触り感に優れ、紙粉発生量の少ない衛生用紙を製造することができた。

Claims (7)

  1. JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
    −0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
    [式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
    の関係を満たすパルプを含有し、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%である、衛生用紙。
  2. 前記24メッシュ残の繊維のカナダ標準ろ水度(X)が、700〜760mlである、請求項1に記載の衛生用紙。
  3. 前記パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が3〜30質量%以下である、請求項1または2に記載の衛生用紙。
  4. 前記パルプにおけるJIS P 8207に規定する篩分け試験による150メッシュを通過する繊維の含有量が10質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の衛生用紙。
  5. 前記パルプがクラフトパルプである、請求項1〜4のいずれかに記載の衛生用紙。
  6. JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
    −0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
    [式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
    の関係を満たし、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜50質量%である、衛生用紙用パルプ。
  7. JIS P 8207に規定する篩分け試験による24メッシュ残の繊維が、
    −0.6X+540≦Y≦−1.2X+1020
    [式中、X:カナダ標準ろ水度(ml)、Y:保水度(%)、600≦X≦800]
    の関係を満たし、かつ、パルプ全体に対する針葉樹パルプの含有率が2〜40質量%であるパルプを抄紙することを含む、衛生用紙の製造方法。
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