JP2001315457A - 高画質感熱孔版原紙用薄葉紙 - Google Patents

高画質感熱孔版原紙用薄葉紙

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JP2001315457A
JP2001315457A JP2000133812A JP2000133812A JP2001315457A JP 2001315457 A JP2001315457 A JP 2001315457A JP 2000133812 A JP2000133812 A JP 2000133812A JP 2000133812 A JP2000133812 A JP 2000133812A JP 2001315457 A JP2001315457 A JP 2001315457A
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fiber
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Takanori Hirano
孝憲 平野
Keiichi Maehara
慶一 前原
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JAPAN PAPERBOARD IND CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キセノンランプ等の閃光照射、レーザー発振
素子からの赤外線照射、またはサーマルヘッドによって
加熱穿孔製版される感熱孔版原紙の多孔性支持体として
用いられる高画質感熱孔版原紙用薄葉紙を提案する。 【解決手段】 本発明は、坪量7〜14g/m2の薄葉紙
を構成する繊維が、0.06〜0.2dtex、繊維長
10mm以下の極細アクリル短繊維10〜80重量%
と、0.2〜1.7dtex、繊維長10mm以下の化
学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70重量
%とからなる薄葉紙であって、多孔性支持体として薄葉
紙を用いた感熱孔版原紙による墨ベタ印刷において、繊
維結束に起因する白点抜けが少なくなり、しかも裏写り
性もなく、この薄葉紙を感熱孔版原紙の多孔性支持体に
用いると鮮明かつ高画質の感熱孔版印刷が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キセノンランプ等
の閃光照射、レーザー発振素子からの赤外線照射、また
はサーマルヘッドによって加熱穿孔製版される感熱孔版
原紙用薄葉紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然繊維及び化学繊維を主な
構成繊維とする坪量7〜14g/m2の薄葉紙、不織
布、スクリーン紗などをインキ受理層となる多孔性支持
体とし、接着剤等を介してポリエステルなどの熱可塑性
樹脂フィルムと貼り合わせた感熱孔版原紙が知られてい
る(例えば特公昭55−47997号公報、特開平1−
263087号公報、特開平10−291378号公報
等)。感熱孔版原紙の多孔性支持体として特定の不織
布、スクリーン紗を用いると優れた画質を得ることがで
きるが、薄葉紙に比べ高価であり、しかも繊維素材が比
較的柔軟な熱可塑性合成樹脂繊維のみから構成されるの
で、支持体としての剛性(コシ)が不足して高速かつ汎
用の感熱孔版印刷用の巻取原紙には適さない。また、繊
維径0.3dtex以下の極細合成繊維を3〜10mm
に切断し、合成繊維バインダーと混抄した湿式不織布
(合成繊維100%紙)も知られている(例えば特許第
1769596号公報、特許第1992625号公報
等)。さらに特許2726105号公報には、0.1d
tex以下のポリエステル繊維またはアクリル繊維から
なる合成繊維100%紙の発明がある。しかし、これら
の湿式不織布では、合成繊維の結束や絡み合いに起因す
る大きな白点抜けが発生したり、やはり剛性が不足して
多孔性支持体としての機能が十分に発揮できないので、
感熱孔版原紙の多孔性支持体としては天然繊維と化学繊
維を一定の比率で配合した薄葉紙を使用している例が非
常に多い。
【0003】感熱孔版原紙の多孔性支持体として天然繊
維と化学繊維を一定の比率で配合した薄葉紙として、極
細ポリエステル短繊維(0.1〜0.3dtex)を含
む2種類以上の化学繊維と天然繊維を混抄してなる高画
像性感熱孔版原紙用薄葉紙の提案もあった(例えば特許
2631914号公報、特開平4−221697号公
報、特開平9−39429号公報、特開平9−3943
0号公報、特開平10−264546号公報等)。ま
た、特開平3−185194号公報には、0.1dte
xの極細アクリル短繊維とカーボン繊維等の無機繊維を
マニラ麻等の天然繊維と混抄する提案もあった。しか
し、これらの提案では合成繊維等の組み合わせが悪く、
抄造前の原料調成段階の分散処理や抄紙工程において合
成繊維や無機繊維の未分散の結束や絡み合いが生じ易
く、0.1dtex以下のポリエステル繊維を配合した
ときに未分散と他の化学繊維との絡み合いが特に発生し
易くなり、7〜14g/m2の薄葉紙を抄紙して感熱孔
版原紙の多孔性支持体に用いた場合、合成繊維に起因す
る未分散や絡み合いの部分で孔版インキの通過が阻害さ
れて墨ベタ印刷における白抜けや文字及び画線印刷にお
ける線切れの原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感熱孔版原
紙の多孔性支持体として最も使用されている天然繊維と
化学繊維を一定の比率で配合した薄葉紙において、墨ベ
タ印刷における白点、或いは文字及び画線印刷における
線切れの発生を極力少なく、薄葉紙を構成する繊維に起
因する繊維目の発生や孔版インキの裏移りを防止し、し
かもインキの着肉が均一な高画質感熱孔版印刷原紙に用
いる薄葉紙を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する為に、感熱孔版原紙用の薄葉紙で天然繊維と
共に一定の比率で配合する化学繊維の種類と形態及びそ
の組み合わせに着目し、特に0.06〜0.2dte
x、繊維長10mm以下の極細アクリル短繊維と天然繊
維との混抄において、該極細アクリル短繊維の分散性を
阻害する事無く、しかも自身の繊維分散性も良好となる
他の化学繊維の種類と形態に着目して検討を行った。
【0006】即ち、本発明は、坪量7〜14g/m2
薄葉紙を構成する繊維が、0.06〜0.2dtex、
繊維長10mm以下の極細アクリル短繊維10〜80重
量%と、0.2〜1.7dtex、繊維長10mm以下
の化学短繊維10〜70重量%と、天然繊維10〜70
重量%とからなることを特徴とする高画質感熱孔版原紙
用薄葉紙を提案するものである。特に、前記化学短繊維
は、アクリル、ポリエステル、ビニロン、ナイロン等の
合成繊維であることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、坪量7〜14
g/m2の薄葉紙を構成する繊維として、0.06〜
0.2dtex、繊維長10mm以下の極細アクリル短
繊維を10〜80重量%の範囲で含有させるが、この極
細アクリル短繊維の含有量が10重量%に満たない場
合、即ち化学短繊維及び天然繊維の合計含有量が90重
量%を越える場合には画像鮮明性が劣り、また極細アク
リル短繊維の含有量が80重量%を越える場合、即ち化
学短繊維及び天然繊維の合計含有量が20重量%に満た
ない場合には極細アクリル短繊維自体の結束による白点
が増加する。また、本発明においては、坪量7〜14g
/m2の薄葉紙を構成する繊維として、0.2〜1.7
dtex、繊維長10mm以下の化学短繊維を10〜7
0重量%の範囲で含有させるが、この化学短繊維の含有
量が10重量%に満たない場合、即ち極細アクリル短繊
維及び天然繊維の合計含有量が90重量%を越える場合
にはインクの通過が阻害され、画質鮮明性に悪影響を及
ぼし、また化学短繊維の含有量が70重量%を越える場
合、即ち極細アクリル短繊維及び天然繊維の合計含有量
が30重量%に満たない場合にはインク通過量の増大を
招き、裏写りが増える(裏写り性が悪くなる)。さら
に、本発明においては、坪量7〜14g/m2の薄葉紙
を構成する繊維として、天然繊維を10〜70重量%の
範囲で含有させるが、この天然繊維の含有量が10重量
%に満たない場合、即ち極細アクリル短繊維及び化学短
繊維の合計含有量が90重量%を越える場合には剛性が
確保できず、また天然繊維の含有量が70重量%を越え
る場合、即ち極細アクリル短繊維及び化学短繊維の合計
含有量が30重量%に満たない場合には非繊維成分によ
る白点抜けや繊維目が増加するため良好な印刷物が得ら
れない。
【0008】本発明では、極細アクリル短繊維、化学短
繊維、天然繊維を前述の所定の比率で用いる以外の処理
工程については常法に準じて行えば良く、従来より公知
の材料並びに手法をそのまま適用することができる。即
ち極細アクリル短繊維と他の化学短繊維の水分散紙料
は、天然繊維とは別系列で抄紙工程へ流送する。一方、
天然繊維は叩解を施して湿潤紙力増強剤等の内添薬品を
添加した後、抄紙工程へ流送する。極細アクリル短繊維
と他の化学短繊維の水分散紙料と天然繊維紙料は、混合
チェストで混合した後、短時間のうちに濃度調製器を経
て白水循環工程に送り、スクリーン・除塵工程を通して
傾斜短網抄紙機で原紙坪量約10g/m2の薄葉紙を抄
造する。その後、該薄葉紙に含浸塗工機で水溶性合成樹
脂を塗工して本発明の高画質感熱孔版原紙用薄葉紙とす
る。この薄葉紙は多孔性支持体とし、厚さ1〜2μmの
ポリエステルフィルムと接着剤を介してドライラミネー
ト加工を施して感熱孔版原紙とする。
【0009】本発明の薄葉紙を感熱孔版原紙用の多孔性
支持体に用いると、従来の薄葉紙よりも墨ベタ印刷にお
ける白点の発生が少なく、文字や画線印刷における線切
れの発生が少なく、しかも薄葉紙を構成する繊維による
繊維目の発現が殆ど無くなり高画質で鮮明な感熱孔版印
刷が可能となる。以下の実施例により本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0010】
【実施例】〔実施例1〜3〕実施例1〜3の高画質感熱
孔版用薄葉紙は、表1に示すように極細アクリル短繊
維、化学短繊維、天然繊維の各配合率が本発明に規定し
た範囲条件を満たす事を必須要件として紙料を調製し、
傾斜短網抄紙機で坪量約10g/m2の薄葉紙をそれぞ
れ抄造し、含浸塗工機で水溶性合成樹脂を塗工して作製
した。尚、実施例1〜3で使用した極細アクリル短繊維
は、繊維径が0.1dtex、繊維長が3mmの主体繊
維である。また、化学短繊維の1つとして、比較例2で
使用した極細ポリエステル短繊維は、繊維径が0.1d
tex、繊維長が3mmの主体繊維であり、実施例1,
2及び比較例1,2で使用したポリエステル短繊維は、
繊維径が0.4dtex、繊維長が3mmの主体繊維で
あり、実施例3で使用したアクリル短繊維は、繊維径が
1.0dtex、繊維長が5mmの主体繊維である。さ
らに、実施例1〜3及び比較例1,2で使用した天然繊
維は、マニラ繊維である。
【表1】
【0011】〔薄葉紙の紙質試験方法〕各実施例及び各
比較例の感熱孔版用薄葉紙の紙質試験は、以下の紙の試
験方法に従って行い、その試験結果は表1に併せて示し
た。紙試験用の標準状態は、JIS P8111によ
る。但し、2000年3月末までの暫定規格:20℃、
65%RHによる。 ・ 坪量の測定は、JIS P8124による。 ・ 厚さ及び密度の測定は、JIS P8118によ
る。但し、厚さ測定における加圧面間の圧力は、旧規格
の53.9kPaとする。 ・ 引張強さの測定は、JIS P8113による。但
し、測定単位は、旧規格のkgf/15mmとした。 ・ 湿潤引張強さは、JIS P8135による。但
し、測定単位は、旧規格のkgf/15mmとした。 ・ 透気度の測定は、ガーレー試験機法:JIS P8
117に準じる。但し、1枚では測定不能なので32枚
を折り重ねて空気通過量100mlに要する時間を測定
した。 ・ 平均気孔径の測定は、コスモ計器(株)製デジタル
マノメーターを使用してバブル・ポイント法で測定し
た。
【0012】〔印刷試験方法〕感熱孔版印刷機による印
刷試験は、各実施例及び各比較例の薄葉紙を多孔性支持
体とし、厚さ1〜2μmのポリエステルフィルムと接着
剤を介してドライラミネート加工を施して感熱孔版原紙
を作製し、理想科学工業株式会社製デジタル式全自動孔
版印刷機「機種名:RISOGRAFH GR375」
で行い、以下の試験項目と基準に従い判定し、その結果
を表1に併せて示した。繊維結束に起因する白点抜けの
多少をテストする方法は、感熱孔版原紙の中央部を15
0×200mmの寸法に切り抜いて、その開口部に各実
施例の薄葉紙を貼り付けて墨ベタ印刷を行なった。開口
部はフィルムが無いので墨ベタ印刷となり、薄葉紙中に
孔版インキの通過を阻害する繊維結束等があれば、その
部分だけが白く点状(長方形状)に抜けた印刷物が得ら
れる。得られた墨ベタ印刷物について目視にて繊維結束
に起因する白点抜けの個数を計数し、単位面積623.
7cm2(A4判:寸法210×297mm)当たりの
個数に換算した。その他、各実施例で作成した感熱孔版
原紙を用いて画質鮮明性、裏写り性、耐刷性を以下の基
準で評価した。 1) 画像鮮明性については、後述する現行基準である
比較例1を△とし、最も良いものを◎、良いものを○、
若干良いものを○△、同等を△、劣るものを×と判定し
た。 2) 裏写り性については、一枚の感熱孔版原紙で30
枚印刷し、30枚目の印刷物の裏側に転写された29枚
目の印刷物のインク転移量を目視判定し、評価を行っ
た。後述する現行基準である比較例1を△とし、それよ
りインク転移量が少ないものを○、多いものを×、最も
少ないものを◎と判定した。 3) 耐刷性については、後述する現行基準である比較
例1を○とし、それより耐刷性が優れたものを◎、同等
を○、若干劣るものを△、劣るものを×と判定した。
【0013】〔比較例1,2〕比較例1,2の感熱孔版
用薄葉紙は、表1に示すように極細アクリル短繊維以外
の繊維を配合することを必要条件として紙料を調製し、
同率の内添薬品を添加して傾斜短網抄紙機で坪量約10
g/m2の薄葉紙をそれぞれ抄造し、含浸塗工機で水溶
性合成樹脂を塗工して作製した。また、薄葉紙の紙質試
験、並びに感熱孔版原紙の作製及びその試験方法につい
ては全て前述と同じであり、それぞれの試験結果を表1
に併せて示した。尚、比較例1の薄葉紙は繊維配合率が
マニラ麻60重量%、合成繊維が40重量%であり、感
熱孔版印刷試験における現行基準とした。
【0014】〔試験結果〕試験結果は表1に示したとお
りであるが、この表1より明らかなように、本発明の実
施例である極細アクリル短繊維、化学短繊維、天然繊維
のそれぞれの配合比率を特定した実施例1〜3の薄葉紙
は、極細アクリル短繊維を配合しない比較例1,2の薄
葉紙よりも、感熱孔版原紙による墨ベタ印刷における繊
維結束に起因する白点抜けが極めて少なく、しかも極め
て鮮明な画質が得られることが確認された。また、実用
印刷試験でも現行基準(比較例1)と比べて画質の鮮明
性は大きく改善され、耐刷性もほぼ同等であった。
【0015】
【発明の効果】本発明による薄葉紙は、極細アクリル短
繊維と他の化学短繊維及び天然繊維の配合比率を特定の
範囲に限定し、繊維結束の数を大幅に減少させる事が可
能となった。従って、この薄葉紙を感熱孔版原紙の多孔
性支持体として用いた場合、得られる印刷物は墨ベタ印
刷部分でも繊維結束に起因する白点抜けが極めて少な
く、しかも裏写りもなく、極めて高画質である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 BA01 BA05 DA43 DA51 DA53 DA56 DA61 DA64 DA73 DA76 EA02 EA05 FA06 4L055 AA07 AF21 AF29 AF33 AF35 EA08 EA16 EA32 FA15 GA15 GA28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坪量7〜14g/m2の薄葉紙を構成す
    る繊維が、0.06〜0.2dtex、繊維長10mm
    以下の極細アクリル短繊維10〜80重量%と、 0.2〜1.7dtex、繊維長10mm以下の化学短
    繊維10〜70重量%と、 天然繊維10〜70重量%とからなることを特徴とする
    高画質感熱孔版原紙用薄葉紙。
  2. 【請求項2】 化学短繊維がアクリル、ポリエステル、
    ビニロン、ナイロン等の合成繊維であることを特徴とす
    る請求項1に記載の高画質感熱孔版原紙用薄葉紙。
JP2000133812A 2000-05-02 2000-05-02 高画質感熱孔版原紙用薄葉紙 Pending JP2001315457A (ja)

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