JP2001064893A - 記録シート及びその製造方法 - Google Patents

記録シート及びその製造方法

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JP2001064893A
JP2001064893A JP23898799A JP23898799A JP2001064893A JP 2001064893 A JP2001064893 A JP 2001064893A JP 23898799 A JP23898799 A JP 23898799A JP 23898799 A JP23898799 A JP 23898799A JP 2001064893 A JP2001064893 A JP 2001064893A
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quaternary ammonium
ammonium salt
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ink
recording sheet
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JP23898799A
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English (en)
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Masaki Kageyama
正樹 影山
Tomoki Hirasawa
智樹 平澤
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Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録方式の画像耐水性、ブロン
ズ現象が抑制され、さらにオフセット印刷適性にも優れ
た記録シートを得る。 【解決手段】填料を内添した基紙にアンモニアとアミン
とエピクロルヒドリンとから生成した4級アンモニウム
塩を表面処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷方
式にもインクジェット印刷方式にも優れた記録シートお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷方式は、フルカラー
化や高速化が容易なことから、コンピュータ、ビデオ等
のハードコピー、カラー複写機等の分野で急速に普及し
つつある。また、オフセット印刷方式は、多色印刷、大
量印刷、印刷スピードの優位性等の点で現在最も汎用さ
れている印刷システムである。
【0003】近年、OA化、デジタル化にともなって、
固定情報をオフセット印刷方式で予め印刷し、その後に
可変情報のみを後でインクジェット印刷方式で印刷でき
るシートが要望されてきている。
【0004】そこで、本発明者等は、先ず、従来のイン
クジェット印刷方式用の被記録材における、オフセット
印刷適性の検証を行ったところ、(1)画像耐水化剤が
PS版を汚す、(2)オフセット印刷に適するような表
面強度を有さない、という欠点があることが分かった。
【0005】本発明者等は、次に、従来のオフセット印
刷方式用の被記録材における、インクジェット印刷適性
の検証を行ったところ、(1)画像の耐水性に劣る、
(2)画像の発色濃度、鮮明性に劣る、という欠点があ
ることが分かった。
【0006】以下、これらについて詳しく説明する。
【0007】従来、インクジェット印刷方式の被記録材
として、紙の表面にシリカまたはアルミナ、アルミナ水
和物などの多孔質粒子を、ポリビニルアルコール等のバ
インダーとともに塗工した構成のものが知られている。
また、インクジェット印刷方式で使用されるインクがア
ニオン性水性インクのため、インクジェット印刷の画像
の耐水性が発現しないので、前記塗工層へ画像耐水化剤
を含有させてきた。
【0008】前記インクジェット印刷の画像耐水化剤と
しては、カチオン系染料定着剤や第1〜第4級アミノ基
を有するカチオン系樹脂などが使用されてきた。例えば
特公平6−92190号にアクリルアミド・ジアリルジ
メチルアンモニウム塩が提案されている。また、特開昭
62−174184号にポリアリルアミン塩酸塩が提案
されている。これらを被記録材に含有することでインク
ジェット画像の耐水性は確かに向上したが、一方、多色
オフセット連続印刷を行うと、PS版に堆積物が生じ印
刷画像汚れが発生し、画像品質の低下、生産性の低下、
生産安定性の低下、作業性の低下などの問題が発生する
事が判明した。これは、オフセット印刷の際、インクジ
ェット耐水化剤である高分子カチオン性物質がブランケ
ットを通してPS版上の湿し水中に混入し、更には給水
装置中の湿し水に混入し、湿し水中に含有されるアラビ
アゴムまたはCMCなどの高分子アニオン物質と反応
し、PS版上に不溶堆積物が生成され画像汚れが発生す
るためと考えられる。
【0009】そこで、前記インクジェット印刷の画像耐
水化剤を、架橋化、高分子量化、高粘度化し、水や湿し
水に不溶性にすることを試みたところ、今度はインクジ
ェット印刷のインク吸収性に劣り、さらに黒色インクに
おいて、ブロンズ現象といわれる茶変現象が現れ、イン
クジェット画像の品質低下を引き起こすという問題が発
生した。ブロンズ現象とは、被記録材に処理された耐水
化剤と、インクジェット印刷のアニオン性水性インクが
結合して、被記録材の表面上で元の染料分子とは光吸収
の波長、吸光係数の違う物質となるために起こると考え
られる。特に、特開平11−78219号には、水溶性
高分子をカチオン性架橋剤で架橋することによって、イ
ンクジェット印刷の画像耐水性付与と、オフセット印刷
時の湿し水に関するトラブル回避を目的とした技術が開
示されているが、本発明者等が追試した結果、インクジ
ェット印刷におけるインク吸収性に劣りブロンズ現象が
発生した。
【0010】一方、従来から知られているインクジェッ
ト印刷方式の被記録材にオフセット印刷を施すと被記録
材料の表面強度不足により紙剥け等により紙粉等が発生
し印刷画像品質や印刷作業性の低下を引き起こすという
別の問題がある。
【0011】これを解決するために、前記インクジェッ
ト印刷方式の被記録材の塗工層中のバインダー量を増や
すと、被記録材の表面強度は確かに向上するものの、今
度はインクジェット印刷におけるインクの吸収性を阻害
するという問題が発生した。
【0012】一方、従来、オフセット印刷方式の被記録
材としては、アート紙、コート紙、微塗工紙のような、
カオリンクレーや炭酸カルシウムなどの填料を塗工した
塗工紙、あるいは上質紙に(表面)紙力増強剤を施した
被塗工紙が知られていた。これらにインクジェット印刷
を施すと、インクジェット印刷の画像耐水性に劣る、イ
ンクジェット印刷の画像発色濃度、鮮明性に劣るという
欠点があった。
【0013】そこで、現在では、インクジェット印刷、
オフセット印刷、それぞれの印刷方式で満足する性能を
発現させるには、それぞれの印刷方式の専用被記録材を
使用しているのが現状で、オフセット印刷方式にもイン
クジェット印刷方式にも優れた記録シートが要望されて
いた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な事実、事情に鑑みてなされたものであり、オフセット
印刷、インクジェット印刷における前記欠点を同時に解
消するような、オフセット印刷方式、インクジェット印
刷方式兼用記録シートを提供することを課題とするもの
である。すなわち本発明は、オフセット印刷方式での、
湿し水とインクジェットインク画像耐水化剤が反応せ
ず、紙剥けに等よる紙粉発生等がなく連続高速印刷適性
があり、なおかつ、インクジェット印刷方式での画像発
色濃度が高く、画像が鮮明で、かつ画像耐水性があり、
黒色インクのブロンズ現象が抑制された、オフセット印
刷方式、インクジェット印刷方式兼用記録シート及びそ
の製造法を提供することを目的とする。
【0015】このようにして得られた記録シートは、オ
フセット印刷方式、インクジェット印刷方式それぞれに
使用できるのはもちろんのこと、オフセット印刷方式で
予め固定情報を印刷後、インクジェット印刷方式で可変
情報を印刷できるので、OA化時代、デジタル化時代に
対応できる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等が検討した結
果、ある特定の4級アンモニウム塩を基材に表面処理す
ると、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成
させたものである。
【0017】すなわち本発明は、アンモニアとアミンと
エピクロルヒドリンとから生成する4級アンモニウム塩
を基材に表面処理することを特徴とするオフセット印刷
方式、インクジェット印刷方式兼用記録シートを提供す
る。
【0018】前記4級アンモニウム塩の重量平均分子量
は2000〜12000であることが好ましい。
【0019】また、前記4級アンモニウム塩を、でんぷ
んまたはその変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、スチレンーアクリル系エマルジョンからな
る群より選択される1種類以上の紙表面処理剤と併用
し、なおかつ、前記基材が製紙用繊維と填料からなり、
填料分が基材全体の重量に対して5〜15重量%である
ことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のアンモニアとアミンとエ
ピクロルヒドリンとから生成する4級アンモニウム塩
は、公知の技術で重縮合されたカチオン性高分子であ
る。
【0021】前記アンモニアとは、気体状アンモニア、
アンモニア水、液体アンモニアを含む。
【0022】前記アミンとは、1級アミン、2級アミン
から選択された1種類以上のアミンであり、炭素数1〜
10の脂肪族アミン、炭素数6〜16の芳香族アミンが
挙げられる。具体的には、1級アミンとしてメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オク
チルアミン、ノニルアミン、アニリン、トルイジン、ナ
フチルアミン等が挙げられる。環式の場合には、適宜置
換基を有していても良い。また、2級アミンとしてジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチ
ルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチル
アミン、Nーアルキルアニリン、Nーアルキルトルイジ
ン、Nーアルキルナフチルアミン、ピペラジン、ピペリ
ジン、モルホリン等が挙げられる。この場合も、環式の
場合には、適宜置換基を有していても良い。前記アミン
の中では、特に好ましくジメチルアミンが使用される。
【0023】前記4級アンモニウム塩は、アンモニア、
アミンを水などの水溶性溶媒中に溶解した後、エピクロ
ルヒドリンを滴下後、更に30〜100℃に加熱して得
られる。それらの仕込割合は適宜選択できるが、アンモ
ニア:アミン:エピクロルヒドリンのモル比が1:0.
5〜100:0.5〜300が好ましい。本発明者らが
検討した結果、前記4級アンモニウム塩が前記3構成成
分からなり、得られる4級アンモニウム塩の重量平均分
子量が2000〜12000であることが特に重要であ
ることが判明した。
【0024】前記4級アンモニウム塩が前記3構成成分
からなり、かつ重量平均分子量が前記範囲にあると、イ
ンクジェット印刷を行ったときに高い画像耐水性と高い
画像発色濃度、鮮明性が得られブロンズ現象も発生しな
い、と同時に、オフセット印刷を行ったときに、湿し水
に由来するPS版の汚れを発生することがなく、高い画
像品質と印刷作業性が得られる。
【0025】重量平均分子量が2000を下回る場合、
インクジェット印刷の画像耐水性が不十分である。ま
た、インクジェット印刷の発色濃度に劣る。一方、重量
平均分子量が12000を上回る場合、オフセット印刷
を行うと、画像汚れを発生する。また、インクジェット
印刷の黒色インクのブロンズ現象が発生する。
【0026】前記4級アンモニウム塩の重量平均分子量
が2000〜12000の範囲から外れると、多色オフ
セット印刷方式で連続印刷を行った場合、ブランケット
を通してPS版上の湿し水中に混入し、更には給水装置
中の湿し水に混入し、湿し水中に含有されるアラビアゴ
ムまたはCMCなどの高分子アニオン物質と前記4級ア
ンモニウム塩が反応し、PS版上に不溶堆積物が生成さ
れ画像汚れが発生する。特に、前記4級アンモニウム塩
の重量平均分子量が12000より大きくなると、ファ
ン・デール・ワールス力と共に水素結合やイオン結合の
関与が大きくなり、アラビアゴムまたはCMCなどのア
ニオン性高分子と反応し、安定した粒子の大きい不溶生
成物を形成しやすくなり、それがPS版上に堆積される
ためであると考えられる。
【0027】また、前記4級アンモニウム塩の重量平均
分子量が12000を上回ると、基紙へ表面処理した場
合、基紙内層部への浸透が抑制され表面部に遍在する割
合が多くなるため、インクジェット印刷を行うと、アニ
オン性水性インクと前記4級アンモニウム塩との結合
(不溶化)が基紙表面部で起こり、結合しきれないアニ
オン性水性インクが該不溶化結合の上層に存在し、画像
が水に濡れた場合、これが溶け出すため画像の耐水性に
劣ると考えられる。また、基紙表面部に前記不溶化結合
が多く発生するため、ブロンズ現象も顕著となると考え
られる。
【0028】本発明における4級アンモニウム塩の重量
平均分子量は、常法に従ってGPC(ゲル浸透クロマト
グラフィー)によって測定したものである。
【0029】本発明の記録シートにおいては、アンモニ
アとアミンとエピクロルヒドリンとから生成する4級ア
ンモニウム塩を、固形分換算で0.1g/m2〜3.0
g/m2、基材に表面処理することが好ましい。0.1
g/m2を下回る場合は、インクに対する耐水化剤の絶
対量が不足し、インクジェット印刷の画像耐水性の効果
が不十分である。またそれが3.0g/m2を上回る場
合、インクジェット印刷の黒色インクのブロンズ現象が
発生しインクジェット画像品質を低下させる。
【0030】本発明のアンモニア及びアミンとエピクロ
ルヒドリンから生成した4級アンモニウム塩を基材に表
面処理する方法としては、バーチカル型サイズプレス、
ホリゾンタル型サイズプレス、インクラインド型サイズ
プレス、ゲートロール、ビルブレード等のサイズプレス
装置を用いるのが好ましい。また、ロッドコーター、バ
ーコーター、ダイコーター、ロールコーター、エアナイ
フコーター、ブレードコーター等の公知の各種塗工装置
を適宜使用することにより表面処理を行うこともでき
る。
【0031】前記4級アンモニウム塩を基材に表面処理
するに際しては、その固形分濃度を0.1〜20重量
%、好ましくは1〜10重量%に調整する。
【0032】本発明において、アンモニアとアミンとエ
ピクロルヒドリンとから生成した4級アンモニウム塩
は、紙表面処理剤との併用により基材の表面強度を向上
させることができる。こうすることで、基材の表面破壊
等が起こらないので、オフセット印刷の高速安定性が得
られる。紙表面処理剤とは、紙の表面に塗布することに
より紙の特性を改質するための物質で、具体的には紙力
増強剤または表面サイズ剤をいう。紙力増強剤として
は、でんぷんまたはその変性物、ポリアクリルアミド、
ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などが用いら
れる。表面サイズ剤としてはスチレンーアクリル系エマ
ルジョンなどが用いられる。紙表面処理剤は単独または
2種類以上混合して用いることができる。
【0033】この際、紙表面処理剤と前記4級アンモニ
ウム塩との固形分換算重量比が10:90〜90:10
であることが好ましい。紙表面処理剤の重量比が10重
量%未満になると、基材の繊維間結合が不十分で表面強
度が低下し、オフセット印刷の高速安定性トラブルの原
因となる。一方、紙表面処理剤の重量比が90重量%を
超えると、紙表面処理剤の量に対して前記4級アンモニ
ウム塩の量が相対的に不足するため、インクジェット印
刷の画像耐水性が劣る。
【0034】本発明の基材としては、紙、不織布などが
適する。
【0035】紙とは、製紙用繊維をフリーネス250〜
700mlC.S.F.(カナダ標準型濾水度)に調整
し、円網抄紙機、長網抄紙機などの公知の抄紙機を使用
して常法により坪量40〜200g/m2で抄造したも
のである。
【0036】また、目的を阻害しない範囲でガラス繊
維、ロックウール、シリカ・アルミナシリケート繊維、
アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カルシウム繊
維等の無機繊維を適宜1種類以上併用することもでき
る。
【0037】本発明に使用される製紙用繊維としては、
針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラ
フトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ
(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、
針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニ
カルパルプ(TMP)、砕木パルプ(GP)等の木材パ
ルプ、または麻、竹、ワラ、ケナフ、楮、三椏、雁皮、
コットンなどの非木材パルプ、またはポリオレフィン等
の合成パルプ、またはレーヨン、ビニロン、ナイロン、
ポリエステル等の合成繊維、脱墨パルプ(DIP)等の
単独もしくは混合したものが挙げられる。
【0038】本発明の基材を抄紙する際、目的とする性
能を阻害しない範囲で、必要に応じて製紙用各種填料、
定着剤、歩留向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強
剤、結合剤、分散剤、凝集剤、可塑剤、接着剤を適宜使
用しても良い。また、抄紙後、カレンダー処理などの平
滑化処理を施すことも可能である。
【0039】本発明の基材に適する紙には、アート紙、
コート紙、微塗工紙、キャストコート紙のような塗工紙
も含む。この際、これら塗工紙は、オフセット印刷に適
するものが好ましい。従来知られていた、紙の表面にシ
リカまたはアルミナ、アルミナ水和物などの多孔質粒子
を、ポリビニルアルコール等のバインダーとともに塗工
した構成のインクジェット印刷用の専用被記録材を本発
明の基材として用いると、これ自体塗工層の表面強度が
弱いので、前記4級アンモニウム塩および紙表面処理剤
を表面処理しても、オフセット印刷に適するような表面
強度が得られず、高速安定作業性が得られない。
【0040】本発明の不織布とは、木材繊維、コット
ン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、アクリ
ル、アセテート、ナイロン、ポリプロピレンなどの繊維
を原料とし、スパンボンド法、抄紙法、カード機やガー
ネット機を用いた乾式法などの公知の方式によってシー
ト状にしたものである。
【0041】本発明において、特に好ましい基材は、製
紙用繊維と填料からなり、基材の填料分が基材全体の重
量に対して5〜15重量%の構成である。填料分を基材
全体の重量に対して5〜15重量%含むことにより、前
記4級アンモニウム塩が基材の紙層内部にまで浸透する
ので、インクジェット印刷を行った場合、インクジェッ
ト印刷用アニオン性水性インクと前記4級アンモニウム
塩との結合(不溶化)が基材の表面層から内部まで起こ
るため、インク耐水性が向上し、かつブロンズ現象が抑
制される。5重量%を下回るとインクジェット印刷にお
いて黒色インクのブロンズ現象が発生し、またインクジ
ェット印刷の画像耐水性が低下する。15重量%を上回
ると基材の繊維間結合が阻害され、オフセット印刷にお
いて表面強度の低下、紙粉問題が発生し、オフセット画
像品質、印刷作業性の低下へつながる。
【0042】前記填料としては、炭酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、アルミナなど一般的な填料がいずれも使用
できるが、インクジェット印刷の吸液特性を考慮すると
特にシリカが好ましい。
【0043】このようにして、本発明により得られる記
録シートは、オフセット印刷後、インクジェット印刷を
おこなう場合、オフセット印刷方式での、湿し水とイン
クジェットインク画像耐水化剤が反応せず、連続高速印
刷適性があり、インクジェット印刷方式での画像耐水性
があり、黒色インクのブロンズ現象が抑制された、両印
刷方式特性を満足するものとなる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例により限定されな
い。以下の実施例および比較例における諸物性は次のよ
うに測定した。
【0045】(1)オフセット印刷高速印刷安定性評
価:小森印刷機械社製リスロン枚葉4色オフセット印刷
機を用いて、東洋インキ製造社製ハイエコー墨、藍、
紅、黄インキの4色オフセット印刷をおこない、600
0枚連続運転したところでPS版汚れを確認した。PS
版汚れのないものは○、PS版汚れの発生したものは×
の評価をした。
【0046】(2)表面強度:小森印刷機械社製リスロ
ン枚葉4色オフセット印刷機を用いて、東洋インキ製造
社製ハイエコー墨、藍、紅、黄インキの4色オフセット
印刷をおこない、6000枚連続運転したところでPS
版上の紙粉を確認した。紙粉が無く印刷画像に問題がな
いものは○、紙粉が発生しているが印刷画像に問題がな
いものは△、紙粉が顕著で画像に問題があるものは×の
評価をした。
【0047】(3)インクジェット記録画像耐水性:セ
イコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−7
50Cを使用し、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロ
ーのベタ印刷をおこない、ベタ印刷部に水滴0.1ml
を滴下し30秒後に吸い取り紙に水滴を吸わせ、インク
の泣き出しを評価した。吸い取り紙へインクが泣き出さ
ないものは○、吸い取り紙へインクが完全に泣き出した
ものは×、その中間は△の評価をした。
【0048】(4)インクジェット記録画像ブロンズ評
価:セイコーエプソン社製インクジェットプリンターP
M−750Cを使用しブラックベタ印刷をおこない、目
視にて判断した。ブロンズ現象が発生したものは×、発
生しないものは○の評価をした。
【0049】<実施例1>NBKP20重量部、LBK
P80重量部を500mlC.S.F.に叩解し、内添
サイズ剤(商品名「サイズパイン」、荒川化学工業社
製)0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて調
整した紙料を用いて、長網抄紙機を使用して、常法によ
り坪量150g/m2の基材を得た。この基材に、アン
モニアとアミンとエピクロルヒドリンとから生成した重
量平均分子量7000の4級アンモニウム塩とPVAを
1:9に混合した処理液を、該アンモニウム塩が固形分
換算で0.3g/m2になるようにサイズプレスをおこ
なって記録シートを得た。
【0050】<実施例2>NBKP20重量部、LBK
P80重量部を500mlC.S.F.に叩解し、これ
にシリカゲル(商品名「トクシールGU−N」、トクヤ
マ社製)10重量部、内添サイズ剤(商品名「サイズパ
イン」、荒川化学工業社製)0.3重量部、硫酸バンド
2.0重量部を加えて調整した紙料を用いて、長網抄紙
機を使用して、常法により坪量150g/m2の基材を
得た。この基材に、アンモニアとアミンとエピクロルヒ
ドリンとから生成した重量平均分子量7000の4級ア
ンモニウム塩とPVAを1:1に混合した処理液を、該
4級アンモニウム塩が固形分換算で1.0g/m2にな
るようにサイズプレスをおこなって記録シートを得た。
【0051】<実施例3>実施例2において、シリカゲ
ルの内填料を20重量部とした以外は実施例2と同様に
して記録シートを得た。
【0052】<比較例1>実施例2において、本発明の
4級アンモニウム塩の重量平均分子量を1000に代え
た以外は実施例2と同様にして記録シートを得た。
【0053】<比較例2>実施例2において、本発明の
4級アンモニウム塩の重量平均分子量を30000に代
えた以外は実施例2と同様にして記録シートを得た。
【0054】<比較例3>実施例2において、本発明の
4級アンモニウム塩をサイズプレスせず、PVAのみを
サイズプレスした以外は実施例2と同様にして記録シー
トを得た。
【0055】<比較例4>実施例2において、本発明の
4級アンモニウム塩の変わりに、ジシアンジアミド系耐
水化剤(商品名「サンフィックス−70」三洋化成工業
社製)を用いた以外は実施例2と同様にして記録シート
を得た。
【0056】<比較例5>実施例2において、本発明の
4級アンモニウム塩の変わりに、アクリルアミド・ジア
リルジメチルアンモニウム塩(商品名「PAS−J−8
1」日東紡社製)を用いた以外は実施例2と同様にして
記録シートを得た。
【0057】<比較例6>実施例2において、本発明の
4級アンモニウの処理量が固形分換算で0.05g/m
2になるようにサイズプレスをおこなった以外は実施例
2と同様にして記録シートを得た。
【0058】<比較例7>実施例2において、本発明の
4級アンモニウの処理量が固形分換算で4.0g/m2
になるようにサイズプレスをおこなった以外は実施例2
と同様にして記録シートを得た。
【0059】測定結果を表1に示す。
【0060】
【表1】 表1より次の結果が判明した。 (1)実施例1、2、3の結果より、本発明によれば、
多色オフセット連続印刷に何の支障もなく、インクジェ
ット印刷の画像耐水性にも優れ、ブロンズ現象も発生せ
ず、オフセット印刷方式、インクジェット記録方式の両
印刷特性を満足していることが分かった。特に、4級ア
ンモニウム塩と紙表面処理剤を併用し、基材が填料分を
10重量%含む実施例2は、オフセット印刷方式、イン
クジェット印刷方式兼用記録シートとして好適に使用で
きることがわかった。 (2)実施例1と実施例2との
比較より、基材中の填料分が基材全体の重量に対して5
重量%を下回るとインクジェット印刷の画像耐水性にや
や劣ることがわかった。 (2)実施例2と実施例3との比較より、基材中の填料
分が基材全体の重量に対して15重量%を上回ると表面
強度にやや劣ることがわかった。 (3)比較例1の結果より、4級アンモニウム塩の重量
平均分子量が2000を下回ると、インクジェット印刷
の画像耐水性が不十分であることがわかった。 (4)比較例2の結果より、4級アンモニウム塩の重量
平均分子量が12000を上回ると、インクジェット印
刷の画像耐水性が不十分であり、さらにインクジェット
印刷の黒色インクのブロンズ現象が発生することがわか
った。また、オフセット印刷を行うと、PS版汚れを発
生することがわかった。 (5)比較例3、4、5の結果より、4級アンモニウム
塩をサイズプレスしないと、インクジェット印刷の画像
耐水性に劣ることがわかった。 (6)比較例4、5より、4級アンモニウム塩の代わり
に通常のインクジェット印刷用耐水化剤をサイズプレス
しても、画像耐水性に劣るのみならずPS版汚れを発生
することがわかった。 (7)比較例6の結果より、4級アンモニウム塩の処理
量が固形分換算で0.1g/m2を下回ると、インクジ
ェット印刷の画像耐水性に劣ることがわかった。 (8)比較例7の結果より、4級アンモニウム塩の処理
量が固形分換算で3.0g/m2を上回ると、インクジ
ェット印刷において黒色インクのブロンズ現象が発生す
ることがわかった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、オフセット印刷方式に
おいて、PS版の汚れ、表面強度不足もなく高速多色印
刷安定性があり、さらにインクジェット記録方式の画像
耐水性、ブロンズ現象の抑制による画像品位の向上し
た、オフセット印刷方式、インクジェット印刷方式兼用
記録シートが提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA21 BA31 BA32 4L055 AG18 AG35 AG47 AG48 AG63 AG64 AG70 AG72 AG87 AG97 AH01 AH13 BE08 EA14 EA30 EA32 FA13 FA15 FA19 GA09 GA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアとアミンとエピクロルヒドリ
    ンとから生成する4級アンモニウム塩を基材に表面処理
    して得られることを特徴とするオフセット印刷方式、イ
    ンクジェット印刷方式兼用記録シート。
  2. 【請求項2】 前記4級アンモニウム塩の重量平均分子
    量が2000〜12000であることを特徴とする請求
    項1に記載のオフセット印刷方式、インクジェット印刷
    方式兼用記録シート。
  3. 【請求項3】 前記4級アンモニウム塩が、基材に、固
    形分換算で0.1g/m2〜3.0g/m2表面処理され
    て得られることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1
    項に記載のオフセット印刷方式、インクジェット印刷方
    式兼用記録シート。
  4. 【請求項4】 でんぷんまたはその変性物、ポリアクリ
    ルアミド、ポリビニルアルコール、スチレンーアクリル
    系エマルジョンからなる群より選択される1種類以上の
    紙表面処理剤を、前記4級アンモニウム塩と併用して基
    材に表面処理して得られることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のオフセット印刷方式、インク
    ジェット印刷方式兼用記録シート。
  5. 【請求項5】 前記基材が製紙用繊維と填料とからな
    り、填料分が基材全体の重量に対して5〜15重量%で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載のオフセット印刷方式、インクジェット印刷方式兼用
    記録シート。
  6. 【請求項6】 前記4級アンモニウム塩、紙表面処理剤
    を、サイズプレスによって基材に表面処理することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオフセッ
    ト印刷方式、インクジェット印刷方式兼用記録シートの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1621359A2 (en) 2004-07-26 2006-02-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Recording medium, ink composition and recording method using the same
JP2006070383A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Nippon Paper Industries Co Ltd 記録用紙、それを用いた擬似接着記録用紙
US7923083B2 (en) 2004-03-11 2011-04-12 Fujifilm Corporation Recording medium, ink composition and recording method using the same

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EP1621359A2 (en) 2004-07-26 2006-02-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Recording medium, ink composition and recording method using the same
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