JP2019035164A - 圧着用原紙および圧着用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット印刷機など従来の印刷機に対する印刷適性を有し、インクジェット印刷機を用いて印刷を施した時に、インク定着性、裏抜け抑制性、耐くすみ性および接着性を有する圧着用原紙を提供することである。
【解決手段】
少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離が可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙であって、塗工層を有さず、カチオン性樹脂、脂肪酸件サイズ剤および黒色染料を含有し、かつJIS P 8148:2001に準拠して求められる白色度が70%以上80%以下である圧着用原紙によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、商業印刷物を製造するためのインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙に関する。
近年、インクジェット記録方式の技術が急速に進歩し、多数枚の商業印刷物を製造するための産業用または商業用の印刷機に、インクジェット記録方式を使用するインクジェット印刷機が公知である(例えば、特許文献1および2、非特許文献1および2参照)。インクジェット印刷機は、例えば、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepress(登録商標)、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsper(登録商標)およびVERSAMARK(登録商標)、富士フイルム社のJetPress(登録商標)、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどの名称で販売されている。
インクジェット印刷機はオンデマンド印刷が可能であるために、固定情報の印刷はオフセット印刷機など従来からの印刷機を使用し、可変情報の印刷はインクジェット印刷機を使用することができる。圧着用紙の主な用途は、請求書・利用明細書の通知・ダイレクトメール・クーポン券・各種案内状などである。これらの用途では可変情報を多く含むために、印刷には、オフセット印刷機など従来からの印刷機とインクジェット印刷機とを併用する場合が多い。
インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンター、並びに大判インクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では60m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンターおよび大判インクジェットプリンターと区別される。
例えば、基材に剥離可能な弱粘着剤層を形成し、基材を折り返しまたは積層してその領域に表示された秘密情報表示部の機密性を確実に保持できる圧着葉書が公知である(例えば、特許文献3参照)。
感圧接着剤層を有する圧着葉書などの圧着用紙を作製する方法には、先糊方式と後糊方式とに大別される。先糊方式は、圧着用原紙に感圧接着剤層を設けてから感圧接着剤層側に画像を印刷する方式である。後糊方式は、圧着用原紙に画像を印刷してから印刷面に感圧接着剤層を設ける方式である。
先糊方式では、圧着用紙の感圧接着剤層上に印刷するため、感圧接着剤層に印刷適性が求められる。また、感圧接着剤層が良好な接着性を有するためには印刷される面積が制限される。
後糊方式では、圧着用原紙に画像を印刷した後に、印刷を施した上に感圧接着剤層を設けるために、感圧接着剤層に印刷適性が求められない。圧着用原紙に印刷適性が求められる。後糊方式の感圧接着剤層として、UVニスから成る層と水性エマルションから成る層が知られている。中でも、マット調から光沢調まで得られることおよび材料コストが比較的安価であることから、水性エマルションから成る層を採用する場合が多い。
後糊方式によって作製される従来の圧着用紙は、オフセット印刷に主眼がおかれた一般的な塗工紙を圧着用原紙として用いるものがほとんどである。
オフセット印刷適性およびインクジェット記録適性を有し、高い白紙光沢を有し、且つ高湿環境下においても安定した剥離力を保持する後糊方式での親展葉書作製用の感圧接着シート用塗工紙基材として、基紙と、その少なくとも一面上に顔料およびバインダー樹脂とを主成分として含む塗工層を少なくとも一層有し、前記基紙が、密度0.65g/cm以上、表面平滑度10〜100秒、表面サイズ度2〜200秒、内部結合強さ200J/m以上であり、かつ塗工層表面の75°における光沢度が50%以上である感圧接着シート用塗工紙が公知である(例えば、特許文献4参照)。また、後糊方式によって製造される圧着用紙に用いられ、オフセット印刷性およびインクジェット記録性に優れる塗工紙として、支持体となる基紙と、前記基紙の少なくとも一方の面に形成された顔料層と、前記顔料層の上に、クレーおよびシリカが質量比20:80〜80:20の割合で配合された顔料と、バインダーとを含む目止め剤を塗工することによって形成される目止め層とを備え、前記クレーは、比表面積が16〜24m/gであり、平均粒子径が0.1〜25μmである塗工紙が公知である(例えば、特許文献5参照)。
また、原紙上にビジネスフォーム印刷またはビジネスフォーム印刷およびレーザープリンタ印刷を施した上に感圧接着剤を塗布乾燥させ、折りたたんで加圧し、接着を行う後糊圧着方式の圧着葉書用紙として、感圧接着剤が、天然ゴム系エマルション接着剤にポリアクリル樹脂およびフィラーを含有する圧着葉書用紙が公知である(例えば、特許文献6参照)。
また、顔料塗工層を有さないにもかかわらず、インクジェット印刷機によるバーコードなどの微細画像の印刷適性と、インク耐水性とを兼ね備えた後糊タイプの圧着葉書用紙として、顔料塗工層を有さず、分子量が6万〜60万のカチオン性高分子を含有し、ステキヒトサイズ度が15〜150秒である圧着葉書用紙が公知である(例えば、特許文献7参照)。
特開2011−251231号公報 特開2005−088525号公報 特開2008−230099号公報 特開2009−228171号公報 特開2006−207076号公報 特開2005−213467号公報 特開2017−056667号公報
徳増路子著「B2判印刷本紙対応インクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、21頁〜24頁) 宮城安利著「オフセット品質のインクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、25頁〜29頁)
後糊方式によって作製される従来の圧着用紙は、オフセット印刷に主眼がおかれた一般的な塗工紙を圧着用原紙としているものがほとんどである。しかしながら、オフセット印刷機に用いる一般的な塗工紙は、インクジェット印刷機の印刷速度では、速やかにインクを吸収および定着することができないため、インク汚れや滲みが発生する。
特許文献4および5に記載されるが如くの塗工紙は、各々EPSON社製インクジェットプリンターPM−800CおよびPM−970Cを用いて評価している。特許文献6に記載されるが如くの圧着葉書用紙は、インクジェット印刷による評価をしていない。このため、これら塗工紙および圧着葉書用紙は、インクジェット印刷機の印刷速度で速やかにインクを吸収および定着することについて十分検討されていない。
特許文献7に記載されるが如くの圧着葉書用紙は、バーコード印刷を目的としているためにインクジェット印刷の色に関して十分検討されていない。
印刷業者は、用紙に対するコストを抑えるために、塗工層を有しない廉価な非塗工紙を圧着用原紙に要望する場合が多い。ここで、「塗工層を有しない」とは、電子顕微鏡で紙の断面を観察した時に塗工層が視認されないものをいう。
しかしながら、非塗工紙は、インクジェット印刷に対してインクを吸収および定着するために役立つ塗工層を有しないため、インクの定着不足またはインクの裏抜けというインクジェット印刷に関する問題を一般的に有する。また、色濃度が十分であっても、印刷部分の色がくすんで彩度が低下するというインクジェット印刷に関する問題を有する。一般に、色を構成する物理的要素は「色相」、「彩度」および「濃度」があって、「彩度」と「濃度」とは異なる要素である。
ここで、「インクの定着不足」とは、印刷速度が速くなるにつれて用紙のインクの吸収および定着が追随できずに不足することによってベタ印刷画像などで印刷汚れを発生する現象である。また、「インクの裏抜け」とは、インクが、印刷側の面に止まらず原紙の深部まで到達し、反対面側から印刷された画像が視認される現象である。
微細なノズルからインク滴を吐出するというインクジェットの原理から、インクジェット印刷機に使用されるインクはオフセット印刷機など従来からの印刷機のインクに比べて色材の含有濃度が低い。このために、「インクの定着不足」、「インクの裏抜け」および「彩度の低下」は、インクが吸収および定着される前に移動し易いことに起因すると考えられる。
また、非塗工紙は、インクジェット印刷機のインクを吸収するために、比較的に低サイズ度や低密度に設計される場合が一般的である。しかしながら、インクの吸収性を高めた非塗工紙を圧着用原紙に用いた場合、少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した圧着用原紙上に水性エマルションの感圧接着剤層を設けると、感圧接着剤層どうしの良好な接着が得られないという圧着に関わる問題を有する。インクジェット印刷機に使用されるインクは、微細なノズル中で目詰まりすることを防止する成分を含有する。この成分と感圧接着剤とが、感圧接着剤層を設ける際に相互に容易に拡散して混ざり合うためと考えられる。
本発明の目的は、少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離が可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙であって、塗工層を有さず非塗工紙でありながら、オフセット印刷機などの従来の印刷機に対する印刷適性を有し、インクジェット印刷機を用いて印刷を施した時に下記の品質を有する圧着用原紙を提供することである。また、それを用いた圧着用紙を提供することである。
(1)インクの定着不足の抑制(インク定着性)
(2)インクの裏抜けの抑制(裏抜け抑制性)
(3)印刷部分の彩度低下の抑制(耐くすみ性)
(4)水性エマルションから成る感圧接着剤層どうしの接着の向上(接着性)
本発明者は鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
[1]少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離が可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙であって、塗工層を有さず、カチオン性樹脂、脂肪酸系サイズ剤および黒色染料を含有し、かつJIS P 8148:2001に準拠して求められる白色度が70%以上80%以下である圧着用原紙。
[2]脂肪酸系サイズ剤が、ポリアルキレンポリアミン−脂肪酸−エピクロルヒドリン重縮合物である前記[1]に記載の圧着用原紙。
[3]前記[1]または[2]に記載の圧着用原紙と、少なくともインクジェット印刷機を用いて圧着用原紙に印刷して形成された画像と、前記印刷を施した上に感圧接着剤層とを有する圧着用紙。
本発明により、少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離が可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙であって、塗工層を有さず、オフセット印刷機など従来の印刷機に対する印刷適性を有し、インクジェット印刷機を用いて印刷を施した時にインク定着性、裏抜け抑制性、耐くすみ性および接着性を有する圧着用原紙を提供することができる。また、それを用いた圧着用紙を提供することができる。
以下、本発明の圧着用原紙について詳細に説明する。
本明細書中で使用される場合、「インクジェット印刷」とは、インクジェット印刷機を使用して印刷することをいう。また、「圧着用原紙」とは、感圧接着剤層を設ける前のものをいい、「圧着用紙」とは、圧着用原紙に感圧接着剤層を設けたものをいう。
インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクとがある。本発明において、インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。
本発明において、インクジェット印刷機の印刷速度は、60m/分以上である。これ未満の印刷速度であってもインクジェット印刷が可能であるが、商業印刷という観点から生産性が重視され、生産性として60m/分以上が望まれる。カット紙タイプの場合は、印刷速度は、毎分当たりの印刷される用紙サイズから算出する。
印刷する画像に可変情報と固定情報が存在する場合は、固定情報の一部または全部をグラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機など従来からの印刷機を使用して印刷することが好ましい。特に、印刷画質や製造コストの点でオフセット印刷機が好ましい。従来からの印刷機は、インクジェット印刷する前であっても後であっても構わない。
グラビア印刷機は、画像が彫り込まれたロール状の版胴を介してインクを被印刷体に転写する凹版印刷方式の印刷機である。オフセット印刷機は、インクを一度ブランケットに移してから被印刷体に再び転移する間接印刷方式の印刷機である。活版印刷機は、凸版に付与されたインクを被印刷体に押しつけるように圧をかけて印刷する凸版印刷方式の印刷機である。フレキソ印刷機は、柔軟な弾性のある樹脂版を使用する凸版印刷方式の印刷機である。熱転写印刷機は、各色のインクリボンを使用する印刷機であって、熱によってインクリボンから色材を被印刷体に転写する方式の印刷機である。トナー印刷機は、帯電ドラムに付着したトナーを、静電気を利用して被印刷体に転写させる電子写真方式の印刷機である。
本発明の圧着用原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、DIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選択されるセルロースパルプを少なくとも1種と、填料と、サイズ剤と、さらに必要に応じて定着剤、歩留まり剤、紙力剤などの各種添加剤とを含有する紙料から、酸性、中性、アルカリ性の条件で従来公知の方法によって抄造された抄造紙、前記抄造紙をサイズプレス液でサイズプレス処理した上質紙、前記抄造紙を表面処理液により表面処理した上質紙、または、前記抄造紙もしくは前記上質紙に対してカレンダー処理を施した上質紙である。
カレンダー処理の例としては、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダーおよびマルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
填料は、製紙分野で従来公知の白色顔料である。白色顔料の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料を挙げることができる。さらに、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂およびマイクロカプセルなどの白色有機顔料を挙げることができる。また、これらから複数種を併用することができる。
圧着用原紙の灰分量は、8質量%以上20質量%以下が好ましい。ここで、灰分量とは、燃焼処理前の圧着用原紙の絶乾質量に対する圧着用原紙を500℃で1時間燃焼処理を行った後の不燃物の質量の比率(質量%)である。灰分量は、抄造紙中の填料含有量を調整するなどの従来公知の方法で制御することができる。
本発明の圧着用原紙は、カチオン性樹脂を含有する。
圧着用原紙に、カチオン性樹脂を含有させる方法は、(1)紙料中に添加して抄造する方法、(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法、(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターおよびエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法、などがある。本発明において、カチオン性樹脂を含有させる方法は上記(2)の方法が好ましい。この理由は、(2)の方法が、最も、カチオン性樹脂を圧着用原紙の表面近傍に且つ均一に付与させることができるからである。
カチオン性樹脂を圧着用原紙に含有させる方法として「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」の場合は、サイズプレス液に、カチオン性樹脂以外に従来公知の表面サイズ剤を添加することができる。「(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法」の場合は、表面処理液に、カチオン性樹脂以外に公知の各種助剤を含有することができる。ただし、(2)や(3)の方法によって塗工層を形成するような顔料成分等は、サイズプレス液または表面処理液に含有しない。
サイズプレスは、従来公知の方式である。サイズプレスの例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザーを、ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーターを挙げることができる。その他に、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレスなども挙げることができる。好ましいサイズプレスは、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、シムサイザー、ゲートロールコーターである。
カチオン性樹脂は、従来公知のカチオン性樹脂である。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。
従来公知のカチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリアミンおよび変性ポリアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、変性ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物もしくはジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物、ポリアミンポリアミドとエピクロルヒドリンとの縮合物、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、ポリエポキシアミン、並びにポリアミド−エポキシ樹脂を挙げることができる。圧着用原紙は、これらカチオン性樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。インク定着性および裏抜け抑制性の点から、カチオン性樹脂は、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。商業的入手容易性の点から、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物が更に好ましい。本発明において、カチオン性樹脂の数平均分子量は、500以上60,000未満の範囲が好ましい。本発明にかかるカチオン性樹脂からは、例えば、脂肪酸アミドのエピクロルヒドリン変性樹脂および脂肪酸ポリアミドアミンのエピクロルヒドリン変性樹脂のような後記の脂肪酸系サイズ剤に該当するものを除く。
圧着用原紙中においてカチオン性樹脂の含有量は、0.5g/m以上6.0g/m以下が好ましい。「(1)紙料中に添加して抄造する方法」の場合、カチオン性樹脂の圧着用原紙中の含有量は、0.5g/m以上6.0g/m以下が好ましい。また、「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」または「(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法」の場合、圧着用原紙への付与量は、乾燥固形分換算で片面あたり0.25g/m以上3.0g/m以下が好ましい。
上記の理由は、カチオン性樹脂の圧着用原紙中の含有量が上記範囲であると、オフセット印刷機に対する印刷適性、またはインクジェット印刷を施した時にインク定着性、裏抜け抑制性もしくは接着性が、より良好になるからである。
カチオン性樹脂の含有量は、配合から算出することができる。また圧着用原紙からは、上記(1)の場合、例えば、全窒素分析装置を用いて窒素量を分析することによって求めることができる。上記(2)または上記(3)の場合、カチオン性樹脂の含有量は、付与量に相当し、サイズプレス液中および表面処理液中の濃度と乾燥固形分換算付与量とから求めることができる。
「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」または「(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法」の場合、少なくとも付与は、インクジェット印刷を施した上に感圧接着剤層を設ける側の圧着用原紙面であることが好ましい。
本発明の圧着用原紙は、前記サイズ剤として脂肪酸系サイズ剤を含有する。
圧着用原紙に、脂肪酸系サイズ剤を含有させる方法は、カチオン性樹脂と同様に、(1)紙料中に添加して抄造する方法、(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法、(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法、などがある。脂肪酸系サイズ剤を含有させる方法は、前記(1)が好ましい。この理由は、(1)の方法が、最も、圧着用原紙中に均一に含有させることができるからである。
脂肪酸系サイズ剤とは、基本的に脂肪酸成分が含まれるサイズ剤である。脂肪酸は、変性されたものまたは脂肪酸塩であってもよい。例えば、脂肪酸から誘導される脂肪酸アミド、および脂肪酸とアルコールとによって生成される脂肪酸エステル等も含まれる。脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、蒸留脂肪酸、硬化脂肪酸等のいずれであってもよい。また、植物性脂肪酸および動物性脂肪酸のいずれであってもよい。脂肪酸系サイズ剤には、脂肪酸、脂肪酸塩または機能性を付与するために変性された脂肪酸、これらのポリアミン系薬剤等のカチオン性定着剤を付与したもの若しくはこれらのエピクロルヒドリン系薬剤でエポキシ化されたものがある。
脂肪酸系サイズ剤の例としては、脂肪酸アミド、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸アミドのエピクロルヒドリン変性樹脂、脂肪酸ポリアミドアミンのエピクロルヒドリン変性樹脂、脂肪酸アミドのヒドロキシエチル誘導体、脂肪酸ポリアミドアミンとエピクロルヒドリンとの反応物、ポリアルキレンポリアミン−脂肪酸−エピクロルヒドリン重縮合物などを挙げることができる。圧着用原紙は、これら脂肪酸系サイズ剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。裏抜け抑制性の点から、ポリアルキレンポリアミン−脂肪酸−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましい。
圧着用原紙中において脂肪酸系サイズ剤の含有量は、0.01g/m以上0.2g/m以下が好ましい。「(1)紙料中に添加して抄造する方法」の場合、脂肪酸系サイズ剤の圧着用原紙中の含有量は、0.01g/m以上0.2g/m以下が好ましい。また、「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」または「(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法」の場合、圧着用原紙への付与量は、乾燥固形分換算で片面あたり0.005g/m以上0.1g/m以下が好ましい。
上記の理由は、脂肪酸系サイズ剤の圧着用原紙中の含有量が上記範囲であると、インクジェット印刷を施した時にインク定着性、裏抜け抑制性または接着性がより良好になるからである。
脂肪酸系サイズ剤の含有量は、配合から算出することができる。また圧着用原紙からは、上記(1)の場合、例えば、溶剤抽出して熱分解クロマトグラフィー法によって求めることができる。上記(2)または上記(3)の場合、カチオン性樹脂の含有量は、付与量に相当し、サイズプレス液中および表面処理液中の濃度と乾燥固形分換算付与量とから求めることができる。
本発明の圧着用原紙は黒色染料を含有する。
圧着用原紙に、黒色染料を含有させる方法は、カチオン性樹脂と同様に(1)紙料中に添加して抄造する方法、(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法、(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法、などがある。黒色染料を含有させる方法は、前記(1)が好ましい。この理由は、(1)の方法が、最も、圧着用原紙中に均一に含有させることができるからである。
黒色染料は、例えば、黒色酸性染料、黒色直接染料、黒色塩基性染料、黒色水溶性硫化染料等の水に可溶な各種黒色染料を挙げることができる。黒色染料は、黒色直接染料が好ましい。黒色染料の例としては、カラーインデックスインターナショナルなどのデータベースに「Pigment」を除くブラックとして登録されているC.I.ダイレクトブラック154、159、19および170、C.I.アシッドブラック2、C.I.ソルビライズドサルファーブラック1および5、並びにC.I.フードブラック2等を挙げることができる。圧着用原紙は、これら黒色染料からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。裏抜け抑制性の点から、C.I.ダイレクトブラック159が好ましい。
圧着用原紙中の黒色染料の含有量は、0.05g/m以上0.3g/m以下が好ましい。「(1)紙料中に添加して抄造する方法」の場合、黒色染料の圧着用原紙中の含有量は、0.05g/m以上0.3g/m以下が好ましい。また、「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」または「(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーターなどの塗工手段を用いて付与する方法」の場合、圧着用原紙への付与量は、乾燥固形分換算で片面あたり0.025g/m以上0.15g/m以下が好ましい。
上記の理由は、黒色染料の圧着用原紙中の含有量が上記範囲であると、インクジェット印刷を施した時に裏抜け抑制性または耐くすみ性がより良好になるからである。
黒色染料の含有量は、配合から算出することができる。また圧着用原紙からは、上記(1)の場合、例えば、溶剤抽出してLC−MS法によって求めることができる。上記(2)または上記(3)の場合、カチオン性樹脂の含有量は、付与量に相当し、サイズプレス液中および表面処理液中の濃度と乾燥固形分換算付与量とから求めることができる。
圧着用原紙は、カチオン性樹脂、脂肪酸系サイズ剤および黒色染料以外にその他の添加剤として、脂肪酸系サイズ剤以外のサイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、黒色以外の着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜含有することができる。
圧着用原紙の、JIS P 8148:2001に準拠して求められる白色度が70%以上80%以下である。圧着用原紙の白色度は、製紙分野で公知の物性であって、パルプの種類、填料の種類および含有量よって、並びに特に黒色染料の含有量によって調節することができる。さらに、一般に白色度は、紙の光の反射光量に比例するためサイズプレスおよびカレンダー処理によって紙の空隙が減って光の散乱が下がると、低下する。圧着用原紙の白色度は、サイズプレス及びカレンダー処理によっても幾分調節できる。
圧着用原紙が、上記白色度を満足しつつ、カチオン性樹脂、脂肪酸系サイズ剤および黒色染料を含有することによって本発明の効果を得ることができる。この理由は不明であるが、カチオン性樹脂、脂肪酸系サイズ剤および黒色染料の特異な相乗効果によるものと考えられる。
本発明の別の態様は、本発明の圧着用原紙に少なくともインクジェット印刷を施し、その上に感圧接着剤層を設けた圧着用紙である。これにより、圧着用原紙を用いた圧着用紙は、感圧接着剤層どうしの良好な接着性を得ることができる。
感圧接着剤層の感圧接着剤は、従来公知のものであって、UVニスまたは水性エマルションのいずれであっても構わない。好ましくは水性エマルションである。
水性エマルションは、従来公知のゴムラテックスが好ましい。ゴムラテックスの例としては、天然ゴム若しくはその変性物、合成ゴム、天然ゴム若しくはその変性物と合成ゴムとの混合物などを挙げることができる。天然ゴムの変性物の例としては、天然ゴムにスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アルキル(メタ)アクリレートなどをグラフト重合して得られるグラフト天然ゴムなどを挙げることができる。また、合成ゴムの例としては、(ポリ)イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムなどを挙げることができる。また、これらから複数種を併用することもできる。水性エマルションはこれらに限定されない。
感圧接着剤層は、ロジン系樹脂などの粘着性付与剤、ワックスやシリコーン樹脂などの接着力制御剤、デンプン類やポリビニルアルコールなどのバインダー、および分散剤や増粘剤などその他の添加剤を、必要に応じて適宜含有することができる。
圧着用原紙に、少なくともインクジェット印刷を施した上に感圧接着剤層を設ける方法は、従来公知の塗工方法である。例えば、各種グラビアコーター、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、ショートドウェルコーター、ディップコーター、カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター、種々のサイズプレスなどの各種塗工装置を挙げることができる。
感圧接着剤層の塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり2.0g/m以上10.0g/m以下が好ましい。これにより、接着性が良好であって且つ材料コストが抑えられるからである。
圧着用紙は、圧着する前に、カレンダー処理を施すことができる。これにより、感圧接着剤層の平滑性が増すために接着性がより向上する。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」は、特に明示がない限り、乾燥固形分あるいは実質成分の質量部を示す。また、付与量は乾燥固形分量を示す。
(紙料)
紙料として、下記の配合とした。
濾水度350〜420mlcsfのLBKPおよび/またはNBKP
100部
炭酸カルシウム 15部
両性澱粉 0.8部
硫酸バンド 0.8部
アルキルケテンダイマー型サイズ剤
(比較例8を除く) 0.1部
(比較例8) 0.18部
脂肪酸系サイズ剤 種類および含有量を表1に記載
染料 種類および含有量を表1に記載
カチオン性樹脂(ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物)
含有量を表1に記載
(サイズプレス液)
サイズプレス液として、下記の配合とした。
リン酸エステル化澱粉 片面あたりの付与量1.5g/m
樹脂 種類および片面あたりの付与量を表1に記載
(圧着用原紙の作製)
紙料を長網抄紙機で抄造・乾燥して抄造紙を得た。この抄造紙に対して両面にサイズプレスを施した。サイズプレス後にカレンダー処理をした。カレンダー処理は、金属ロールと金属ロールとからなる装置を使用した。坪量は127.9g/mとした。
Figure 2019035164
(白色度)
JIS P 8148:2001に規定された白色度測定方法に準拠し、圧着用原紙の白色度を測定した。
(圧着用原紙への印刷)
オフセット印刷機としてミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機およびインクジェット印刷機を用いた。インクジェット印刷機としてSCREENグラフィックソリューションズ社製インクジェット印刷機TruePress Jet520を用いた。印刷は、圧着用原紙の両面に実施した。
(オフセット印刷機に対する印刷適性の評価)
オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行った。印刷後のブランケットパイリングの発生状況および印刷画像の状態について目視評価によって判定した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用原紙は、オフセット印刷機に対する印刷適性を有するものとする。
5:極めて良好。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
(インク定着性の評価)
インクジェット印刷機で、印刷速度:75m/分、使用インク:水性染料インクの条件で6000mの印刷を行った。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクからなる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置した画像とした。圧着用原紙のベタ印刷画像を観察し、印刷汚れの発生程度について目視評価によって判定した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用原紙は、インク定着性を有するものとする。
5:印刷汚れが認められない。
4:印刷汚れがほとんど認められない。
3:印刷汚れが部分的に僅かに認められる。
2:印刷汚れが部分的に認められる。
1:印刷汚れが全体的に認められる。
(裏抜け抑制性の評価)
インクジェット印刷機で、印刷速度:75m/分、使用インク:水性染料インクの条件で6000mの印刷を行った。評価画像は、10cm×10cmのブラックのベタ印刷パターンを、間隔を設けて繰り返し配置した画像とした。白紙部分およびベタ印刷部分の反対面側において、JIS P 8148:2001に準拠する白色度測定方法によって白色度の測定を行った。「白紙部分の白色度(光学%)」−「ベタ印刷部分の白色度(光学%)」を算出し、裏抜け抑制性を下記の基準によって判定した。白色度の測定は、日本電色社製PF−10を使用し、標準板上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において評価3〜5であれば、圧着用原紙は、裏抜け抑制性を有するものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
(耐くすみ性の評価)
インクジェット印刷機で、印刷速度:75m/分、使用インク:水性染料インクの条件で6000mの印刷を行った。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクからなる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。耐くすみ性は、標準色見本と対比して各色の彩度の低下程度について目視評価によって判定した。本発明において3〜5の評価であれば、圧着用原紙は、耐くすみ性を有するものとする。
5:良好
4:概ね良好。
3:彩度の低下が僅かに認められる。しかし、実用上問題ない。
2:彩度の低下が少し認められる。
1:彩度の低下が認められる。
(圧着用紙の作製および圧着)
印刷された圧着用原紙に、水性エマルションの感圧接着剤である天然ゴム系の62%水分の接着剤(サイデン化学社製、MUX−101)をエアーナイフコーターで片面あたりの塗工量が5g/mになるように両面塗工し、120℃の温度条件にて乾燥し、圧着用紙を得た。次に、この圧着用紙をZ字状に3つ折りにして折りたたみ、圧着ロール間隔を一定に設定したドライシーラー(トッパンフォームズ社製、ドライシーラー6860)を用いて圧着した。
(接着性の評価)
圧着加工後の接着強度から判定した。
接着強度は、テンシロン万能引っ張り試験機を用いて測定を行った。圧着用紙の接着強度を(N/25mm)で表した。圧着−再剥離の用途から、圧着加工後は自然に開封または輸送中などの衝撃で開封することがなく、開封時は紙が破損することなく開封できることが、圧着用紙に求められる。実用的な取り扱いから、良好な接着強度は0.20N/25mm〜0.40N/25mmの範囲以内である。より良好な接着強度は0.24N/25mm〜0.35N/25mmの範囲以内である。さらに良好な接着強度は0.27N/25mm〜0.32N/25mmの範囲以内である。上記を鑑み、接着強度の測定から接着性を評価した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用原紙は、圧着用紙において接着性を有するものとする。
5:0.27N/25mm〜0.32N/25mmの範囲以内。
4:上記5を除く0.24N/25mm〜0.35N/25mmの範囲以内。
3:上記4〜5を除く0.20N/25mm〜0.40N/25mmの範囲以内。
2:上記3〜5を除く0.10N/25mm〜0.50N/25mmの範囲以内。
1:0.10N/25mm未満または0.50N/25mm超。
測定結果および評価結果を表2に示す。
Figure 2019035164
表2より、本発明の圧着用原紙に該当する実施例1〜19は、オフセット印刷機など従来の印刷機に対する印刷適性を有し、インクジェット印刷を施した時の、インク定着性、裏抜け抑制性および耐くすみ性を有し、圧着用紙において接着性を有することができると分かる。
本発明に該当しない比較例1〜8は、本発明の効果を有しないと分かる。
主に、実施例1と実施例11との対比から、脂肪酸系サイズ剤はポリアルキレンポリアミン−脂肪酸−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましいことが分かる。

Claims (3)

  1. 少なくともインクジェット印刷機を用いて印刷を施した上に感圧接着剤層を設けて、折りたたんで圧着して、感圧接着剤層どうしが接着後に再剥離が可能な後糊圧着方式に使用する圧着用原紙であって、塗工層を有さず、カチオン性樹脂、脂肪酸系サイズ剤および黒色染料を含有し、かつJIS P 8148:2001に準拠して求められる白色度が70%以上80%以下である圧着用原紙。
  2. 前記脂肪酸系サイズ剤が、ポリアルキレンポリアミン−脂肪酸−エピクロルヒドリン重縮合物である請求項1に記載の圧着用原紙。
  3. 請求項1または2に記載の圧着用原紙と、少なくともインクジェット印刷機を用いて圧着用原紙に印刷して形成された画像と、前記印刷を施した上に感圧接着剤層とを有する圧着用紙。
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