JP6879833B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット印刷機向けの印刷用塗工紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を微細なノズルから記録用紙に吐出し、用紙に付着させることによってインクドットを形成して記録を行う方式である。
インクジェット記録方式は、家庭向けおよびSOHO向けの小型プリンター、POPやポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物生産性および印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
高速インクジェットプリンターを用いて印刷した場合においても、高いインク乾燥性を有すると共に高精細バーコードが読み取り可能となる高い耐フェザーリング性を有し、かつ耐水性を有し、高白である普通紙タイプのインクジェット記録用紙に関して、基紙の少なくとも一方の面に、カチオン性樹脂、アニオン性蛍光染料、及び結着剤を含有し、かつ顔料を含まない塗工液を塗工してなるインクジェット記録用紙において、該基紙が、疎水性基を有するとともに、カチオン性基の少なくとも一部が4級化されてなる両イオン性共重合体を有効成分とする製紙用内添サイズ剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、白色度が優れ、染料インク、および顔料インクによるインクジェット記録特性が良好であるインクジェット記録媒体に関して、支持体の少なくとも片面に、顔料と結着剤とを含有するインク受理層を1層以上設けたインクジェット記録用紙において、前記インク受理層が、結着剤として重合度2000を超え、かつケン化度98%未満のポリビニルアルコール、更に蛍光増白染料として4,4′−ジ(トリアジノアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸誘導体を顔料100質量部に対して1質量部以上含有することを特徴とするインクジェット記録媒体が公知である(例えば、特許文献2参照)。
また、着色顔料を使用せず、高い白色度を有し、色調ムラの少ない印刷用塗工紙に関して、パルプを主成分とする基紙の両面に、無機顔料と接着剤を含む顔料塗工層が設けられ、前記顔料塗工層に含まれる無機顔料は、全無機顔料のうち80質量%以上が炭酸カルシウムであり、前記顔料塗工層は、更に紫色染料及び/又は青色染料を含有し、前記基紙には、パルプ100質量部に対して0.01〜2質量部の範囲で蛍光染料が含まれており、前記顔料塗工層の塗工量が基紙の片面あたり15g/m以下、白色度が85%以上である、ことを特徴とする印刷用塗工紙が公知である(例えば、特許文献3参照)。
オフセット印刷機や凸版印刷機などの刷版印刷機は、印刷画像を形成した「版」を必要とする。一方、オンデマンド印刷機は「版」を必要としない。すなわち、オンデマンド印刷機は、画像に関するデジタル情報に沿って画像形成装置が用紙に直接印刷する。
インクジェット記録方式を使用するオンデマンド印刷機、すなわちインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどがある。
このようなインクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンター、並びにワイドフォーマットインクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンターおよびワイドフォーマットインクジェットプリンターと区別される。
特開2010−30083号公報 特開2010−83044号公報 特開2014−189924号公報
オンデマンド印刷機の普及に伴い、印刷用塗工紙は、刷版印刷機だけでなくオンデマンド印刷機に対応する必要がある。特に、商業印刷物の生産に多く用いられるオフセット印刷機と、インクジェット印刷機とに適用できる必要がある。
オフセット印刷機は、刷版に付着したインクがブランケットを介して印刷用塗工紙に接触して転写され、印刷物を生産する。インクジェット印刷機は、用紙と非接触である微細なノズルからインク滴を印刷用紙に吐出して、印刷物を生産する。このような印刷機構の違いから、オフセット印刷機のインクは、粘着性を有し且つ色材含有濃度が高い。インクジェット印刷機のインクは、流動性を有し且つ色材含有濃度が低い。
印刷用塗工紙は、インクジェット印刷機に使用すると、発色が低下する場合がある。印刷速度が速くなるにつれて、印刷用塗工紙は印刷速度に対応したインクの吸収能力を有さなければならない。インクの吸収能力を有すると一般的にインクの色材が印刷用塗工紙に取り込まれてしまい、結果的に発色が低下する。この原因は、インクジェット印刷機のインクが流動性を有し且つ色材含有濃度が低いためである。
また、印刷用塗工紙は、インクジェット印刷機に使用すると、印刷部分にインクの裏抜けという欠点を有する。「裏抜け」とは、インクが、印刷側の面に止まらず原紙の深部まで到達し、印刷面の裏面側から印刷部分が視認される現象である。商業印刷物は両面印刷する場合が多く、裏抜けの発生は商業印刷物の価値を下げる。
また、白色度の高い印刷用塗工紙は、黄変を発生し易いという欠点を有する。「黄変」とは、日光、紫外線に暴露されると白紙部が黄色く変化する現象である。その原因としては、紙に含まれるリグニンの化学変化、サイズ剤として添加されるロジンが不純物として含まれる鉄と反応することによるロジン酸鉄の生成等が知られている。また、印刷用塗工紙においては、塗工層中のラテックス、蛍光増白染料または各種添加剤の分解等により黄変が発生する、ことが知られている。
特許文献1のインクジェット記録用紙、特許文献2のインクジェット記録媒体および特許文献3の印刷用塗工紙は、これらの課題に対して更なる品質向上が求められる。
本発明の目的は、インクジェット印刷機に対して下記の品質を有する印刷用塗工紙を提供することである。
(1)印刷部分の発色が優れること(発色性)
(2)印刷部分の裏抜けが抑制されること(裏抜け抑制性)
(3)白紙部分の黄変が抑制されること(耐黄変性)
本発明者らは鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
[1]原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用塗工紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料、バインダーおよび着色剤を含有し、前記白色顔料の少なくとも1種に平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムを含み、最外塗工層中、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムの含有量が最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して60質量部以上および着色剤の含有量が最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して0.001質量部以上0.05質量部以下であり、且つ前記原紙が蛍光増白染料およびカチオン性化合物を含有し、原紙中、蛍光増白染料の含有量が0.01g/m以上1.0g/m以下であり、前記カチオン性化合物がカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である印刷用塗工紙。
[2]平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である前記炭酸カルシウムが、重質炭酸カルシウムである前記[1]に記載の印刷用塗工紙。
[3]前記着色剤が、紫色顔料および青色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]または[2]に記載の印刷用塗工紙。
本発明により、インクジェット印刷機に対する発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性を有する印刷用塗工紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷用塗工紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する。前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層は、白色顔料、バインダーおよび着色剤を少なくとも含有する。
本発明において、「塗工層を有する」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な塗工層を有する用紙を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、印刷用塗工紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な層を有しない場合、「塗工層を有する」に該当しない。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
原紙は、蛍光増白染料およびカチオン性化合物を含有する。
原紙に、蛍光増白染料またはカチオン性化合物を含有させる方法は、(1)紙料中に添加して抄造する方法、(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法、(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーター等の塗工手段を用いて付与する方法、などがある。本発明において、蛍光増白染料またはカチオン性化合物を原紙に含有させる方法は上記(2)の方法が好ましい。この理由は、(2)の方法が、蛍光増白染料またはカチオン性化合物を、原紙の表面近傍に且つ均一に含有させることができるからである。
蛍光増白染料は、製紙分野において従来公知のものを使用することができる。蛍光増白染料の例としては、フルオレセイン系化合物、チオフラビン系化合物、エオシン系化合物、ローダミン系化合物、クマリン系化合物、イミダゾール系化合物、オキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、カルバゾール系化合物、ピリジン系化合物、イミダゾロン系化合物およびナフタル酸系化合物、並びにスチルベンジスルホン酸誘導体、スチルベンテトラスルホン酸誘導体およびスチルベンヘキサスルホン酸誘導体のスチルベン系化合物等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。なお、蛍光増白染料はこれらに限定されない。蛍光増白染料は、例えば、クラリアント社、日本化薬社、ケミラジャパン社、CIBA−GEIGY社などから市販される。黄変性に関係する化合物の耐久性の点から、スチルベン系化合物が好ましい。
蛍光増白染料の原紙中の含有量は、乾燥固形分として0.01g/m以上1.0g/m以下である。蛍光増白染料の含有量が上記範囲から外れると、印刷用塗工紙は発色性または耐黄変性を得ることができない。原紙に含有させる方法が前記(2)または(3)の場合、蛍光増白染料の付与量は、乾燥固形分として片面あたりで0.005g/m以上0.5g/m以下とすることが好ましい。前記(2)または(3)の場合、含有量は付与量から求めることができる。
カチオン性化合物は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種である。
カチオン性樹脂は、カチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーであり、従来公知のものを使用することができる。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。カチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等のモノマーとの共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物およびジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等のような脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物などを挙げることができる。カチオン性樹脂はこれらに限定されない。発色性または耐黄変性の点から、カチオン性樹脂は、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびジアリルアミン−アクリルアミド共重合体が好ましい。商業的な入手の点から、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物がより好ましい。本発明において、カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。カチオン性樹脂の数平均分子量は500以上20,000以下が好ましい。
水溶性多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含む水溶性塩である。好ましい多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含み、最終的に20℃の水に1質量%以上溶解することができる塩である。金属の多価陽イオンの例としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、コバルト、スズ、マンガンなどの二価陽イオン;アルミニウム、鉄、クロムなどの三価陽イオン;またはチタン、ジルコニウムなどの四価陽イオン;並びにそれらの錯イオンを挙げることができる。金属の多価陽イオンはこれらに限定されない。金属の多価陽イオンは、二価陽イオンが好ましく、カルシウム、マグネシウム、ニッケルおよび亜鉛がより好ましい。金属の多価陽イオンと塩を形成する陰イオンは、無機酸および有機酸のいずれに由来するものでもよく、特に限定されない。無機酸の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸などを挙げることができる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、有機スルホン酸などを挙げることができる。但し、サイズ剤の定着剤として用いられる硫酸アルミニウムは、本発明の水溶性多価陽イオン塩から除く。
水溶性多価陽イオン塩は、発色性または耐黄変性の点から、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウムおよび酢酸カルシウムなどのカルシウム塩、並びに硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ギ酸マグネシウムおよび酢酸マグネシウムなどのマグネシウム塩がさらに好ましく、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウムおよび酢酸カルシウムなどのカルシウム塩が最も好ましい。カルシウム塩が好ましい理由は、インクジェット印刷機に対する発色性がより良好になるからである。薬品コストの点から、塩化カルシウムまたは硝酸カルシウムが好ましい。
カチオン性化合物の原紙中の含有量は、乾燥固形分として0.2g/m以上8.0g/m以下が好ましい。この理由は、印刷用塗工紙の裏抜け抑制性または耐黄変性がより良好になるからである。
原紙に含有させる方法が前記(2)または(3)の場合カチオン性化合物の付与量は、乾燥固形分として片面あたり0.1g/m以上4.0g/m以下とすることが好ましい。ここで、カチオン性化合物の含有量は、カチオン性化合物がカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる2種以上である場合、それらの総量である。前記(2)または(3)の場合、含有量は付与量から求めることができる。
蛍光増白染料、またはカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種を原紙に含有させる方法として「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」の場合は、サイズプレス液に、蛍光増白染料、並びにカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種以外に従来公知の表面サイズ剤を添加することができる。
サイズプレスは、従来公知の方式である。サイズプレスの例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスではシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー、フィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスではゲートロールコーターを挙げることができる。その他にも、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレス等を挙げることができる。好ましくは、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、シムサイザー、フィルムプレス、ゲートロールコーターである。
原紙は、カレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
塗工層は、塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって原紙の少なくとも片面に設けることができる。塗工層は1層または2層以上である。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。最外塗工層は白色顔料、バインダーおよび着色剤を少なくとも含有する。なお、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、白色顔料、バインダーおよび着色剤の各々有無および種類について特に限定しない。製造コストの点から、塗工層は1層が好ましい。
塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m以上30g/m以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、最外塗工層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。
塗工層は、原紙の片面または両面に有してよい。また片面の場合は、原紙において塗工層を有する側とは反対面に従来公知のバックコート層を有してよい。
最外塗工層は白色顔料を含有する。最外塗工層中の白色顔料の少なくとも1種は、平均粒子径が0.1μm以上0.3μm以下の炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムの平均粒子径が上記範囲から外れると、印刷用塗工紙は、発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性の少なくとも1つを得ることができない。前記炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムであることが好ましい。重質炭酸カルシウムが好ましい理由は、発色性が良化するからである。
平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の炭酸カルシウムは粒子径1.5μm超の粒子を含有しないことが好ましい。この理由は、発色性が良化するからである。
本発明において、平均粒子径は、単粒子の場合は単粒子の平均粒子径であり、二次粒子など凝集粒子を形成する場合は凝集粒子の平均粒子径である。
炭酸カルシウムなどの平均粒子径は、エネルギー分散形X線分光器などの元素分析機能付走査型電子顕微鏡を用いて印刷用塗工紙表面の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影画像の一定面積内に存在する100個の粒子から、粒子を、観察される面積が近似する球形と見なして粒子径を算出し、求める。
また、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法または動的光散乱法を利用する測定により求めることもできる。その場合、平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法あるいは動的光散乱法を用いた体積を基準とした粒度分布測定に基づく平均粒子径である。平均粒子径は、得られた粒度分布から算出することができる。例えば、平均粒子径は、日機装社製レーザー回折・散乱式粒度分布測定器Microtrac(登録商標) MT3300EXIIを用いて粒度分布を測定し、求めることができる。
平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の炭酸カルシウムは、市販の炭酸カルシウムを分散剤の共存下で乾式粉砕または湿式粉砕を繰り返すことで得ることができる。
最外塗工層中、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の炭酸カルシウムの含有量は、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して60質量部以上である。炭酸カルシウムの含有量が上記範囲から外れると、印刷用塗工紙は、発色性を得ることができない。
最外塗工層は、炭酸カルシウム以外に従来公知の白色顔料を含有しても構わない。従来公知の白色顔料は、例えば、各種カオリン、クレー、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、プラスチック顔料などを挙げることができる。
最外塗工層はバインダーを含有する。バインダーは従来公知のバインダーであって、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体およびエチレン−酢酸ビニル等の各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、尿素樹脂およびメラミン樹脂等のホルマリン系樹脂等を挙げることができる。また、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉およびそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然多糖類またはそのオリゴマー、さらにはそれらの変性体を挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲン等の天然タンパク質またはその変性体、ポリ乳酸、ペプチド等の合成高分子やオリゴマーを挙げることができる。バインダーは、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上である。またバインダーは、カチオン変性を施して使用することができる。白色顔料に対して過剰にバインダーを配合するとインクジェット印刷において画像の汚れを発生する場合があるため、最外塗工層中、バインダーの含有量は、白色顔料100質量部に対して3質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
最外塗工層は着色剤を含有する。着色剤とは、白色以外の有色顔料または有色染料をいう。有色顔料には、無機有色顔料と有機有色顔料とがある。着色剤は、無機有色顔料、有機有色顔料および有色染料のいずれでも良い。
着色顔料の着色剤は、カラーインデックスインターナショナルなどのデータベースに「C.I.Pigment」として登録されるものである。着色染料の着色剤は、着色顔料と同様に、データベースに「C.I.Disperse」または「C.I.Solvent」として登録されるものである。着色顔料の一般的な例としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、フェロシアン化物および金属塩化物などを挙げることができる。さらに有機着色顔料の一般的な例としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン顔料およびキノフタロン顔料などを挙げることができる。着色剤は、耐久性の点から有色顔料が好ましい。色相は、黄色系、オレンジ色系、赤色系、紫色系、青色系、緑色系および黒色系など特に限定しない。
着色剤は、発色性、裏抜け抑制性または耐黄変性の点から、紫色顔料および青色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。ここで、紫色顔料および青色顔料とは、紫色および青色を呈する有色顔料を指し、色相(L)において横軸にaおよび縦軸にbとして表したとき、bのマイナス域であって、マイナス側の縦軸を基準(0°)としてaのマイナス域に70°およびaのプラス域に75°によって得られる領域の色を呈する有色顔料である。
紫色顔料および青色顔料としては、無機顔料および有機顔料のいずれも使用できる。紫色顔料の例としては、コバルトバイオレット(砒酸コバルト、燐酸コバルト、コバルト・リチウム・燐酸化物、含水燐酸アンモニウムコバルト、ホウ酸コバルトなど)、紫群青、酸化鉄紫、マンガンバイオレット、ミネラルバイオレットなどの無機顔料、インジゴイド顔料、キナクリドン顔料、オキサジン顔料、アントラキノン顔料、カルボニウム顔料、キサンテン顔料などの有機顔料を挙げることができる。青色顔料の例としては、ウルトラマリン、アズライト、プルシアブルー(紺青)、群青、スマルト、コバルトブルー(アルミン酸コバルト)、セルリアンブルー(錫酸コバルト)、コバルトクロムブルー、コバルト・アルミ・珪素酸化物、コバルト・亜鉛・珪素酸化物、マンガンブルーなどの無機顔料、フタロシアニン顔料などの有機顔料を挙げることができる。
最外塗工層中の着色剤の含有量は、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して0.001質量部以上0.05質量部以下である。着色剤の含有量が上記範囲から外れると、印刷用塗工紙は、発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性の少なくとも1つを得ることができない。
印刷用塗工紙の最外塗工層は、白色顔料、バインダーおよび着色剤以外に必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、印刷適性向上剤、染料定着剤、滑剤または耐水化剤等の塗工紙分野で通常使用されている従来公知の各種助剤を含有することができる。
本発明の主たる構成は、最外塗工層が平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムおよび着色剤の含有、並びに原紙が蛍光増白染料およびカチオン性化合物を含有、である。この最外塗工層と原紙との組み合わせの相乗効果によって、印刷用塗工紙は、発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性を得ることができる。この理由は不明であるが、本発明者等は以下を考える。
最外塗工層が、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムを含有することで刷版印刷機だけでなくオンデマンド印刷機に対応することができる。しかしながら、およそ0.38μm〜0.75μmである可視光の波長より小さい平均粒子径であるため、最外塗工層は光を透過し易い。そのため、蛍光増白染料による発色性の向上効果を得やすいものの、光の影響により蛍光増白染料が分解されて黄変が発生する。最外塗工層に平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムを用いながら、最外塗工層に着色剤を含有させることで、見かけ裏抜けを抑制し、且つ原紙の蛍光増白染料に対する光の影響を軽減できる。さらに、原紙にカチオン性化合物を含有させることで裏抜け抑制性が得られつつ、原紙中のカチオン性化合物が原紙中の蛍光増白染料の安定性を増す。特に、原紙中のカチオン性化合物が原紙中の蛍光増白染料の安定性を増すことは、予想されない効果である。
原紙に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
最外塗工層はカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
(原紙の作製)
<原紙1>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパイン(登録商標)K903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor(登録商標) U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙1を作製した。
<原紙2>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、硝酸カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙2を作製した。
<原紙3>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮合物(ジェットフィックス36N、里田化工社製)を片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙3を作製した。
<原紙4>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、硫酸マグネシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙4を作製した。
<原紙5>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体(SumirezResin(登録商標) 1001、田岡化学工業社製)を片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙5を作製した。
<原紙6>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、ポリエチレンイミン(エポミン(登録商標)、日本触媒社製)を片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙6を作製した。
<原紙7>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(イミダゾール系化合物、Uvitex(登録商標) BAC、CIBA−GEIGY社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙7を作製した。
<原紙8>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.005g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙8を作製した。
<原紙9>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.5g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙9を作製した。
<原紙10>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり0.05g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙10を作製した。
<原紙11>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり0.1g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙11を作製した。
<原紙12>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり4g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙12を作製した。
<原紙13>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化カルシウムを片面あたり5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙13を作製した。
<原紙14>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を最終的な含有量が0.5g/mとなるよう質量部、塩化カルシウムを最終的な含有量が5g/mになるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙14を作製した。
<原紙15>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を最終的な含有量が0.5g/mとなるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙15を作製した。
<原紙16>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、塩化カルシウムを最終的な含有量が5g/mとなるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙16を作製した。
<原紙17>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙17を作製した。
<原紙18>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙18を作製した。
<原紙19>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙19を作製した。
<原紙20>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、塩化ナトリウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙20を作製した。
<原紙21>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m、アニオン性のアクリル樹脂(ボンコート(登録商標)AN−680、DIC社製)を片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙21を作製した。
<原紙22>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.003g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙20を作製した。
<原紙23>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.6g/m、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/mを両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙23を作製した。
(重質炭酸カルシウムの調製)
<重質炭酸カルシウム1>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を16回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.20μmであった。また、スラリー濃度は、55質量%であった。
<重質炭酸カルシウム2>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を24回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.12μmであった。また、スラリー濃度は、52質量%であった。
<重質炭酸カルシウム3>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を12回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.28μmであった。また、スラリー濃度は、55質量%であった。
<重質炭酸カルシウム4>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を34回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.07μmであった。また、スラリー濃度は、50質量%であった。
<重質炭酸カルシウム5>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を8回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.40μmであった。また、スラリー濃度は、60質量%であった。
<重質炭酸カルシウムの平均粒子径の測定>
上記の重質炭酸カルシウムの平均粒子径は以下の方法で求めた。塗工層に配合した重質炭酸カルシウムの粒度分布を、日機装社製レーザー回折・散乱式粒度分布測定器Microtrac MT3300EXIIを用い、以下の測定条件で求めた。
溶媒 :水
粒子屈折率 :1.65
粒子形状 :非球形
粒度分布結果から、白色顔料の粒子径に関する体積を基準とした粒度分布曲線を作成し、測定器に付属する解析手段によって平均粒子径を求めた。
<最外塗工層塗工液の調製>
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
炭酸カルシウム 種類および配合部数は表1に記載
その他の白色顔料 種類および配合部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 10質量部
ポリビニルアルコール 5質量部
着色剤 種類および配合部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度48質量%に調整した。
Figure 0006879833
表1に示した重質炭酸カルシウム以外の白色顔料は、以下の通りである。
軽質炭酸カルシウム1(Brilliant(登録商標)−15、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)
軽質炭酸カルシウム2(Socal(登録商標) P2、イメリス社製、平均粒子径0.29μm)
軽質炭酸カルシウム3(白艶華(登録商標)CCR、白石カルシウム社製、平均粒子径0.08μm)
カオリンA(HG90、ヒューバー社製、平均粒子径0.19μm)
カオリンB(カオファイン90、白石カルシウム社製、平均粒子径1.10μm)
また、表1に示した着色剤は、以下の通りである。
紫色顔料(TB−2505 Violet 3R、大日精化工業社製)
青色顔料(TB−1525 Blue G、大日精化工業社製)
紫色染料(Kayafect(登録商標) Violet P Liquid、日本化薬社製)
青色染料(Kayafect Blue F Liquid400、日本化薬社製)
黒色顔料(TB−510 Black TR、大日精化工業社製)
黄色顔料(TB−500 Yellow R、大日精化工業社製)
<印刷用塗工紙>
印刷用塗工紙を以下の手順にて作製した。
原紙に最外塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。最外塗工量は、片面あたり15g/mとした。
<発色性の評価>
SCREENグラフィックソリューションズ社製のインクジェット印刷機Truepress Jet520を用い、水性染料インクにて印刷速度:64m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。発色性は、各色ベタ部画像の印刷部分を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は発色性を有するものとする。
5:色濃度および色鮮やかさが共に良好である。
4:色濃度または色鮮やかさが「5」より劣るけれど概ね良好である。
3:色濃度および色鮮やかさが実用的に問題ない。
2:色濃度または色鮮やかさが「3」より劣り、実用上問題である。
1:色濃度および色鮮やかさが共に劣り、実用上問題である。
<裏抜け抑制性の評価>
SCREENグラフィックソリューションズ社製のインクジェット印刷機Truepress Jet520を用い、水性染料インクにて印刷速度:64m/分の条件で6000m、ブラックの10cm×10cm四方のベタ部画像を任意に配置した評価画像を印刷した。ベタ部画像の印刷部の反対面側からJIS P 8148で規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ部画像の印刷部の白色度(光学%)」で、印刷用塗工紙のインクの裏抜けを下記の基準にて評価した。白色度の測定は、日本電色工業社製の分光白色度・色差計PF−10を用いて、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は裏抜け抑制性を有するものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
<耐黄変性の評価>
印刷用塗工紙を、キセノン光照射試験機(アトラス社製Ci−4000)にて、温度40℃湿度50%RH条件下、放射強度0.5W/mで24時間照射した。照射前後について印刷用塗工紙のb値の測定を行った。耐黄変性は、照射前後のb値の差(Δb)を求め、下記の基準にて評価した。b値の測定は、日本電色工業社製の分光白色度・色差計PF−10を用いて、UVインの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は耐黄変性を有するものとする。
5:Δb 0.5未満。
4:Δb 0.5以上、1.0未満。
3:Δb 1.0以上、1.5未満。
2:Δb 1.5以上、3.0未満。
1:Δb 3.0以上。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1〜34は、発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性を有する、ことが分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜19は、これら効果の少なくとも1つを有することができない、ことが分かる。
主に、実施例1〜3と実施例4および5との対比、並びに実施例16と実施例18との対比から、最外塗工層の平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムが好ましいと分かる。
主に、実施例1と実施例25、33および34との対比から、最外塗工層の着色剤は、紫色顔料および青色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいと分かる。

Claims (2)

  1. 原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用塗工紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料、バインダーおよび着色剤を含有し、前記白色顔料の少なくとも1種に平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムを含み、最外塗工層中、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムの含有量が最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して60質量部以上および着色剤の含有量が最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して0.001質量部以上0.05質量部以下であり、且つ前記原紙が蛍光増白染料およびカチオン性化合物を含有し、原紙中、蛍光増白染料の含有量が0.01g/m以上1.0g/m以下であり、前記カチオン性化合物がカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記着色剤が、紫色顔料および青色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種である印刷用塗工紙。
  2. 平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である前記炭酸カルシウムが、重質炭酸カルシウムである請求項1に記載の印刷用塗工紙。
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