JP2018188763A - 印刷用紙 - Google Patents

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Osho Nagoshi
応昇 名越
滝代 政幸
Masayuki Takishiro
政幸 滝代
高田 秀樹
Hideki Takada
高田  秀樹
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Abstract

【課題】課題は、オフセット印刷機に対する適性を有する印刷用紙でありながら、インクジェット印刷機に対する耐印刷汚れ性、文字視認性および耐擦過性を有する印刷用紙を提供することである。
【解決手段】課題は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有し、最外塗工層中の顔料が、カオリンおよび炭酸カルシウムを含み、カオリンおよび炭酸カルシウムの含有量が、前記最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上であり、並びにカオリンと炭酸カルシウムとの最外塗工層中の含有質量比が1:9〜6:4であり、印刷用紙の最外塗工層の表面において、点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が2000以上30000以下である印刷用紙によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷機向け印刷用紙でありながらインクジェット印刷機で印刷ができる印刷用紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を微細なノズルから記録用紙に吐出し、用紙上に付着させることによってインクドットを形成して記録を行う方式である。
インクジェット記録方式は、家庭向けおよびSOHO向けの小型プリンター、POPやポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物生産性および印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
オフセット印刷機や凸版印刷機などの刷版印刷機は、印刷画像を形成した「版」を必要とする。一方、オンデマンド印刷機は「版」を必要としない。すなわち、オンデマンド印刷機は、画像に関するデジタル情報に沿って画像形成装置が用紙に直接印刷する。
インクジェット記録方式を使用するオンデマンド印刷機、すなわちインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどがある。
このようなインクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンター、並びにワイドフォーマットインクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンターおよびワイドフォーマットインクジェットプリンターと区別される。
紙に入射した光は、紙の表面で反射、並びに紙の内部で散乱、反射または吸収が起こる。このような光の反射・散乱・吸収は、紙で発生する物理的現象である。印刷用紙において、光の反射は、人間が感じる画像の鮮明さおよび質感並びに光沢感に影響を与える。特に、塗工層を有する印刷用紙において、光の反射は、強い影響を与える。
紙の表面で起こる反射に鏡面反射がある。鏡面反射とは、試料表面の法線方向から各々反対側に同じ角度で入射と受光を行う光の反射を指し、正反射とも呼ばれる。また、光沢とは、主として反射光の強さによって定められる視知覚の属性である。
人間の主観的な光沢感を定量的な測定値で評価する試みが従来からある。
例えば、鏡面光沢を測定する方法として、JIS Z8741:1997の「鏡面光沢度−測定方法」、JIS P8142:2005の「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」、および像鮮明度を測定する方法として、JIS K7374:2007の「プラスチック−像鮮明度の求め方」が知られている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
しかしながら、上記の方法では、人間の主観的な光沢感を十分に評価できない場合がある。上記の方法では得られなかった人間の主観的な光沢感を定量的な測定値で評価する方法および測定装置として、点像を光源としてコリメータレンズにより平行光を生成する工程と、該平行光を試料に入射する工程と、該試料に入射した該平行光の鏡面反射光を受光し、コリメータレンズにより結像させ点像に戻す工程と、該結像点像の光量分布を測定する工程と、を含む点像の鏡面反射光分布測定方法であって、測定された該結像点像の光量分布から該試料の変角光度および偏角光度を算出する工程を含むことを特徴とする点像の鏡面反射光分布測定方法、並びに、点像を光源としてコリメータレンズにより平行光を生成する手段と、該平行光を試料に入射する手段と、該試料に入射した該平行光の鏡面反射光を受光し、コリメータレンズにより結像させ点像に戻す手段と、該結像点像の光量分布を測定する手段と、を含む点像の鏡面反射光分布測定装置であって、測定された該結像点像の光量分布から該試料の変角光度および偏角光度を算出する手段を含むことを特徴とする点像の鏡面反射光分布測定装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
点像の鏡面反射光分布測定では、点像を光学系に入力し、出力される点像をオリジナルの点像に対して比較することによって点像が拡がる現象が発生すると、一般に画像がぼやける。
特許第5204723号公報
JIS Z8741:1997、「鏡面光沢度−測定方法」 JIS P8142:2005、「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」 JIS K7374:2007、「プラスチック−像鮮明度の求め方」
オンデマンド印刷機の普及に伴い、印刷用紙は、刷版印刷機だけでなくオンデマンド印刷機に対応する必要がある。特に、商業印刷物の生産に多く用いられるオフセット印刷機と、インクジェット印刷機とに適用できる必要がある。
オフセット印刷機は、刷版に付着したインクがブランケットを介して印刷用紙に接触して転写され、印刷物を生産する。インクジェット印刷機は、用紙と非接触である微細なノズルからインク滴を印刷用紙に吐出して、印刷物を生産する。このような印刷機構の違いから、オフセット印刷機のインクは、粘着性を有し且つ色材含有濃度が高い。インクジェット印刷機のインクは、流動性を有し且つ色材含有濃度が低い。
従来のオフセット印刷機向けの印刷用紙は、インクジェット印刷機に使用すると、印刷速度が増すにつれてインクの吸収が追随できずに印刷汚れを発生する場合がある。また、5ポイント以下である小さな文字からなる印刷部分が文字として認識し難い場合がある。一般的に、文字として認識できるか否かは視認性といい、視認性は、文字の見えやすさの度合を表す。例えば、緑の用紙に青い文字または白い用紙に黄色の文字は、視認性が低下する。
印刷汚れを発生することまたは文字として認識し難いことは、オフセット印刷機とインクジェット印刷機との印刷方法およびインクの違いに起因する、と考えられる。
また、印刷速度が速くなるにつれ印刷用紙におけるインクの定着が不足すると、印刷物を手で擦ったときにインクが剥がれる場合がある。ポスター、小冊子、カタログ、POP、DMおよびフライヤーなどの商業印刷物は手で触ることが多く、インクの剥がれを発生しないことが重要である。
本発明の目的は、オフセット印刷機に対する適性を有する印刷用紙でありながらインクジェット印刷機で印刷できることを目指し、インクジェット印刷機に対して下記の品質を有する印刷用紙を提供することである。
(1)印刷汚れが抑制されること(耐印刷汚れ性)
(2)小さな文字の視認性に優れること(文字視認性)
(3)印刷部分のインクの剥がれが抑制されること(耐擦過性)
本発明者らは鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有し、最外塗工層中の顔料が、カオリンおよび炭酸カルシウムを含み、カオリンおよび炭酸カルシウムの含有量が、前記最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上であり、並びにカオリンと炭酸カルシウムとの最外塗工層中の含有質量比が1:9〜6:4であり、印刷用紙の最外塗工層の表面において、点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が2000以上30000以下である印刷用紙。
本発明により、オフセット印刷機に対する適性を有する印刷用紙でありながら、インクジェット印刷機に対する耐印刷汚れ性、文字視認性および耐擦過性を有する印刷用紙を提供することができる。
点像の鏡面反射光量を測定するための装置の概略図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷用紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有する。前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層は、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有する。
本発明において、「塗工層を有する」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な塗工層を有する用紙を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、印刷用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な層を有しない場合、「塗工層を有する」に該当しない。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂や多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって原紙の少なくとも片面に設けることができる。塗工層は1層または2層以上である。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。最外塗工層は顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有する。なお、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂の各々有無および種類について特に限定しない。
塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m以上30g/m以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、最外塗工層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。
塗工層は、原紙の片面または両面に有してよい。また片面の場合は、原紙において塗工層を有する側とは反対面に従来公知のバックコート層を有してよい。
原紙に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層はカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
本発明の印刷用紙には、最外塗工層がキャスト処理された印刷用紙を含めない。
印刷用紙は、最外塗工層の表面において、点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が2000以上30000以下である。印刷用紙の最外塗工層の表面において、点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が2000未満であると、文字視認性を得ることができない。点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が30000超であると、耐擦過性を得ることができない。
点像の鏡面反射光量および最大ピーク値は、例えば、中央精機社製の光学系機器を利用する特許文献1に記載された入射装置、サンプルベッドおよび受光装置からなる点像の鏡面反射光量測定装置により求めることができる(図1参照)。試料として印刷用紙を用い、入射光を印刷用紙の最外塗工層表面で鏡面反射させ、反射した光を測定光として測定する。光源にLEDランプを用いて、点像(直径100μm)をコリメータレンズで平行光として印刷用紙に入射し、鏡面反射した平行光をコリメータレンズで結像して点像に戻す。これを2次元の光量分布としてCMOSカメラなどにより測定し、点像の鏡面反射光量分布を得る。点像の鏡面反射光量分布は、x軸y軸が分布位置(CMOSカメラなどの画素または画像解析ソフトウェアで決定)、z軸が光量である。得られた点像の鏡面反射光量分布から最大ピークを求める。最大ピークとは、1つまたはそれ以上のピークのうちの最も高いピークを意味する。
なお本発明において、CMOSカメラは1024画素×1024画素とした。また、測定光量は、三菱製紙社製用紙BWアートポスト256g/m表面を基準として約40000になるように光源のLEDランプを調整した。また、印刷用紙の点像の鏡面反射光量を測定する場合、図1中の角度=θは75度とした。
点像の鏡面反射光量の最大ピーク値は、光沢感に関連し、光沢感と同様に製紙分野で従来公知の方法によって調節できる。例えば、塗工量、顔料の種類、顔料の平均粒子径、顔料の粒度分布、顔料の形状、顔料とバインダーの含有比率などの各条件を組み合わせることによって達成することができる。特に、顔料の種類や比率、バインダーの割合減、分散剤の配合、塗工量増などは点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が大きくなる傾向を示す。バインダー割合増、滑剤、カチオン性樹脂および長鎖のアルキル基を有する相対的に疎水性が強い界面活性剤の配合などは点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が小さくなる傾向を示す。また、形成されて層表面の状態が変化するために最外塗工層塗工液の塗工および乾燥後のカレンダー処理有無またはカレンダー処理条件によって点像の鏡面反射光量の最大ピーク値は変化する。形成された層の状態が幾分変化するために最外塗工層を設ける際の乾燥方法によって点像の鏡面反射光量の最大ピーク値は変化する。
印刷用紙の最外塗工層は、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有する。最外塗工層において特定の材料配合と特定の点像の鏡面反射光量の最大ピーク値範囲との相乗効果によって、印刷用紙は、オフセット印刷機に対する適性を有しながら、インクジェット印刷機に対する耐印刷汚れ性、文字視認性および耐擦過性を得ることができる。特定の材料配合および特定の点像の鏡面反射光量の最大ピーク値範囲の組み合わせを満足しない場合、印刷用紙は、インクジェット印刷機に対する耐印刷汚れ性、文字視認性および耐擦過性のいずれかを得ることができない。
最外塗工層の顔料は、カオリンおよび炭酸カルシウムを含む。
最外塗工層中のカオリンと炭酸カルシウムとの含有質量比は、カオリン:炭酸カルシウム=1:9〜6:4である。インクジェット印刷機に対する印刷適性の点から、炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムが好ましい。
最外塗工層は、カオリンおよび炭酸カルシウム以外に従来公知の顔料を含有することができる。従来公知の顔料の例としては、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、活性白土、珪藻土などの無機顔料、およびプラスチック顔料などの有機顔料を挙げることができる。最外塗工層は、これら顔料から1種または2種以上を組み合わせて、カオリンおよび炭酸カルシウムと併用して含有することができる。最外塗工層中のカオリンおよび炭酸カルシウムの含有量は、最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上である。
最外塗工層のバインダーは、従来公知のバインダーである。従来公知のバインダーの例としては、澱粉およびその各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂あるいはこれらの各種樹脂にカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性した樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等のバインダー、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等を挙げることができる。最外塗工層は、これらバインダーからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。
最外塗工層のバインダーは、澱粉およびその各種変性澱粉、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、並びにスチレン−ブタジエン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層中のバインダーの含有量は、最外塗工層中の顔料100質量部に対して3質量部以上40質量部以下が好ましく、5質量部以上25質量部以下がより好ましい。
最外塗工層の滑剤は、従来公知の滑剤である。従来公知の滑剤の例としては、高級脂肪酸塩、ワックス類および有機珪素化合物などを挙げることができる。高級脂肪酸塩としては、例えば、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ミリスチン酸塩などの高級脂肪酸金属塩(例えば、これらのナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩)、およびラウリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、ミリスチン酸アンモニウムなどの高級脂肪酸アンモニウム塩である。ワックス類としては、例えば、植物性ワックス、動物性ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス(炭化水素系合成ワックス、ポリエチレンエマルション系ワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油など)、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン重合体等の脂肪族炭化水素並びにその誘導体を挙げることができる。有機珪素化合物としては、例えば、ポリアルキルシロキサンおよびその誘導体、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。最外塗工層は、これら滑剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。
最外塗工層の滑剤は、高級脂肪酸塩が好ましい。
最外塗工層中の滑剤の含有量は、片面あたり0.01g/m以上0.3g/m以下が好ましい。
最外塗工層の分散剤は、顔料などの水に不溶性物質を水溶液中で分散するための材料であって、従来公知の分散剤である。従来公知の分散剤の例としては、ポリカルボン酸ナトリウム等のポリカルボン酸系樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、イソブチレン−マレイン酸系樹脂、スルホン化ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、縮合リン酸塩などを挙げることができる。最外塗工層は、これら分散剤からなるから選ばれる1種または2種以上を含有する。
最外塗工層の分散剤は、ポリカルボン酸系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層中の分散剤の含有量は、片面あたり0.001g/m以上0.1g/m以下が好ましい。分散剤は、バインダーと重なる材料が存在する。しかしながら、分散剤として使用する材料はバインダーに比べて最外塗工層中の含有量が明確に少なく、また、分散剤はバインダーに比べて分子量が小さいため、区別できる。バインダーの存在によって顔料の分散が可能であるものの、最外塗工層が分散剤を含有することによって耐印刷汚れ性または文字視認性を良化することができる。
最外塗工層のカチオン性樹脂は従来公知のカチオン性樹脂である。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。また、好ましいカチオン性樹脂は、カチオン化度が0meq/g超3meq/g以下の低カチオンまたはカチオン化度が3meq/g超の高カチオン性樹脂である。ここで、カチオン化度は、コロイド滴定法によって測定される値である。
従来公知のカチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリアミンおよび変性ポリアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、変性ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物もしくはジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリエポキシアミン、ポリアミド−エポキシ樹脂、メラミン樹脂、並びに尿素系樹脂を挙げることができる。最外塗工層は、これらカチオン性樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。平均分子量は、500以上100000以下が好ましく、1000以上60000以下がより好ましい。
最外塗工層のカチオン性樹脂は、変性ポリアミンまたは変性ポリアミドが好ましい。
最外塗工層中のカチオン性樹脂の含有量は、片面あたり0.01g/m以上0.5g/m以下が好ましい。
最外塗工層は、さらに必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム8質量部、両性澱粉1.0質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤を添加して紙料を調成し、該紙料を長網抄紙機で抄造し、得られた抄造紙の両面にサイズプレス装置で両面に澱粉を付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙を作製した。
<最外塗工層塗工液>
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
シリカ 部数は表1に記載
澱粉 部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン系樹脂 部数は表1に記載
滑剤 種類および部数は表1に記載
分散剤 種類および部数は表1に記載
カチオン性樹脂 種類および部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
<印刷用紙>
印刷用紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に最外塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。塗工量は、片面あたり14g/mとした。
点像の鏡面反射光量の最大ピーク値は、顔料、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂の配合によって主に、カレンダー処理および乾燥装置のゾーン毎の温度制御によって補助的に調整した。
Figure 2018188763
<耐印刷汚れ性>
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。耐印刷汚れ性は、印刷部分に存在する印刷汚れを目視にて観察し、視認される程度によって下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐印刷汚れ性を有するものとする。
5:印刷汚れが認められない。良好。
4:印刷汚れがほぼ認められない。概ね良好。
3:印刷汚れが僅かに認められる。しかし、実用上問題ない。
2:印刷汚れが少し認められる。
1:印刷汚れが認められる。
<文字視認性の評価>
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色で、5ポイントの文字「お・微・one」を繰り返し並べた文字列および反転文字列の画像とした。文字視認性は、印刷された文字列および反転文字列に対する視認の程度を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は文字視認性を有するものとする。
5:文字が視認できる。
4:文字が概ね視認できる。
3:潰れ傾向にあるものの、理解できる程度に文字が視認できる。
2:潰れ傾向にあって明確に文字が視認できない。
1:文字が視認できない。
<耐擦過性の評価>
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色のベタ画像部パターンを、10cm×10cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。印刷してから24時間後に、1000gまたは500gの荷重で木綿のガーゼを押し付けた状態で1回ガーゼを移動させて擦過試験を行った。耐擦過性は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各ベタ部画像についてインクの剥がれ程度を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐擦過性を有するものとする。
5:1000gの荷重のとき、剥がれが認められない。
4:1000gの荷重のとき、僅かに剥がれが認められる。
3:500gの荷重のとき、僅かに剥がれが認められる。
2:500gの荷重のとき、多少の剥がれが認められる。
1:500gの荷重のとき、著しく剥がれが認められる。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1〜14は、耐印刷汚れ性、文字視認性および耐擦過性を有することが分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜15は、これらの効果を有することができないと分かる。

Claims (1)

  1. 原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有し、最外塗工層中の顔料が、カオリンおよび炭酸カルシウムを含み、カオリンおよび炭酸カルシウムの含有量が、前記最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上であり、並びにカオリンと炭酸カルシウムとの最外塗工層中の含有質量比が1:9〜6:4であり、印刷用紙の最外塗工層の表面において、点像の鏡面反射光量の最大ピーク値が2000以上30000以下である印刷用紙。
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