JP2015131455A - 産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット印刷適性が良好であり、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性およびインクの裏抜け抑制性、並びに水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性およびインクの裏抜け抑制性に優れた産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙を提供することである。【解決手段】カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、坪量が50g/m2以上90g/m2以下、JIS P 8149に準拠する不透明度が89.0%以上、JIS P 8122に準拠するステキヒトサイズ度が5秒以上25秒以下、JIS P 8140に準拠する10秒コッブサイズ度が20g/m2以上100g/m2以下およびステキヒトサイズ度に対する10秒コッブサイズ度の比が1以上15以下である産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、商業印刷のための産業用インクジェット印刷機に使用する産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙に関する。
インクジェット記録方式の技術が急速に進歩し、多数枚の商業印刷物を製造するための産業用または商業用の印刷機に、インクジェット記録方式を使用する産業用インクジェット印刷機が公知である(例えば、特許文献1および2、非特許文献1および2参照)。産業用インクジェット印刷機は、例えば、大日本スクリーン製造社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPressなどの名称で販売されている。
このような産業用インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンター、並びに大判インクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では60m/分を超える。このため、産業用インクジェット印刷機は、一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンターおよび大判インクジェットプリンターと区別される。
産業用インクジェット印刷機は、可変情報を取り扱うことができるためにオンデマンド印刷に適応することができる。印刷業者は、固定情報をグラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機など従来からの印刷機で印刷し、可変情報を産業用インクジェット印刷機で印刷する形態を採用する場合が多い。特に、印刷画質や製造コストの点からオフセット印刷機の使用が多い。
従って、オフセット印刷機など従来からの印刷機による印刷および産業用インクジェット印刷機による印刷の両方に印刷適性を有する必要がある。これらの印刷適性を有さなければ、これら印刷機によって商品として十分な画質を有する印刷物を製造することができない。
オフセット印刷適性を維持したまま、水性染料インクおよび水性顔料インクを用いる産業用インクジェット印刷機に対して、インク吸収性に優れ、染料インクの画像耐水性および顔料インクの画像耐擦過性、並びに印刷ムラが良好な普通紙タイプの印刷用紙として、セルロースパルプと填料として炭酸カルシウムとを主成分とする支持体に、カチオン性樹脂と多価陽イオン塩とを両者の和で1.0g/m以上5.0g/m以下の範囲で付着させてなり、カチオン性樹脂と多価陽イオン塩の比率が0:100〜90:10である普通紙タイプの印刷用紙が公知である(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−251231号公報 特開2005−088525号公報 特開2012−071518号公報
徳増路子著「B2判印刷本紙対応インクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、21頁〜24頁) 宮城安利著「オフセット品質のインクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、25頁〜29頁)
産業用インクジェット印刷機に使用されるインクには、大雑把に、水性染料インクと水性顔料インクとが存在する。
水性染料インクと水性顔料インクとはそれぞれ異なる欠点を有する。水性染料インクでは、印刷速度が速くなるにつれ印刷用紙のインク吸収性が不足すると、印刷部分で色の境界に滲みが発生する場合がある。従って、インク吸収性の良い印刷用紙が望まれている。水性顔料インクでは、印刷速度が速くなるにつれ印刷用紙のインク吸収性に部分的なバラツキが発生すると、印刷部分の色濃度が不均一になる場合がある。この原因は、微細なノズルからインク滴を吐出するというインクジェットの原理から、産業用インクジェット印刷機に使用されるインクはオフセット印刷機など従来からの印刷機のインクに比べて色材含有濃度が低いためである。従って、色濃度の均一性に優れる印刷用紙が望まれている。
非塗工紙タイプの印刷用紙は、塗工層を利用してインクを吸収や定着することができないためにインクの裏抜け現象が発生し易い。特に、産業用インクジェット印刷機に使用されるインクの色材含有濃度が低く且つインク溶媒が多いことから、インクの裏抜け現象が一層発生し易い。また、非塗工紙タイプでは、インク吸収性を高めていくとインクの裏抜け現象が発生し易くなるため、両者のバランスをとって最適化する必要がある。「インクの裏抜け」とは、インクが、印刷側の面に止まらず紙の深部まで到達し、反対面側から印刷画像が視認される現象である。商業印刷では両面印刷する場合が多く、インクの裏抜け現象は、商品としての価値を損なう。
特許文献3に記載されるが如くの印刷用紙は、オフセット印刷適性を維持したまま、産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性や印刷ムラの抑制性に優れるものの、インクの裏抜けについてはさらなる向上が必要である。
本発明の目的は、下記の性能を有する産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙を提供することである。
1.オフセット印刷機に対する印刷適性を有すること(オフセット印刷適性)。
2.水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性が良好であること。
3.水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性に優れること。
4.水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する印刷部分の色濃度の均一性に優れること。
5.水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性に優れること。
本発明者は上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明の目的は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、坪量が50g/m以上90g/m以下、JIS P 8149に準拠する不透明度が89.0%以上、JIS P 8122に準拠するステキヒトサイズ度が5秒以上25秒以下、JIS P 8140に準拠する10秒コッブサイズ度が20g/m以上100g/m以下および10秒コッブサイズ度に対するステキヒトサイズ度の比が1以上15以下である産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙によって達成される。
好ましくは、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙中に含有させる方法がサイズプレスであり、産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙中のカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物の乾燥固形分換算総含有量が0.2g/m以上8.0g/m以下である。
好ましくは、カチオン性樹脂がジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物である。また、好ましくは、水溶性多価陽イオン塩が20℃の水に1質量%以上溶解することができるカルシウム塩である。
本発明により、オフセット印刷機に対する印刷適性を有し、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性およびインクの裏抜け抑制性、並びに水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性およびインクの裏抜け抑制性に優れる産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙を提供することができる。
以下、本発明の産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙(以下、単に「印刷用紙」と記載する。)について詳細に説明する。本明細書中で使用される場合、「インクジェット印刷」とは、産業用インクジェット印刷機を使用して印刷することをいう。また、「非塗工紙タイプ」とは、印刷用紙の断面を電子顕微鏡によって拡大観察した際に、明確な塗工層を有しない印刷用紙を指す。
産業用インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクとがある。本発明において、産業用インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機の印刷速度は、60m/分以上である。これ未満の印刷速度であってもインクジェット印刷が可能であるが、本発明の効果が顕著に認められる印刷速度は60m/分以上である。また、産業用という観点から生産性が重視され、生産性として60m/分以上が望まれる。カット紙タイプの場合は、印刷速度は、毎分当たりの印刷される用紙サイズから算出する。
印刷する画像に可変情報と固定情報が存在する場合は、固定情報の一部または全部をグラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機など従来からの印刷機を使用して印刷することが好ましい。特に、印刷画質や製造コストの点でオフセット印刷機が好ましい。従来からの印刷機は、産業用インクジェット印刷機を使用して印刷する前であっても後であっても構わない。
本発明において、従来からの印刷機は、例えば、グラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機である。グラビア印刷機は、画像が彫り込まれたロール状の版胴を介してインクを被印刷体に転写する方式の印刷機である。オフセット印刷機は、インクを一度ブランケットに移してから被印刷体に再び転移する間接印刷方式の印刷機である。活版印刷機は、凸版に付与されたインクを被印刷体に押しつけるように圧をかけて印刷する凸版印刷方式の印刷機である。フレキソ印刷機は、柔軟な弾性のある樹脂版を使用する凸版印刷方式の印刷機である。熱転写印刷機は、各色のインクリボンを使用する印刷機であって、熱によってインクリボンから色材を被印刷体に転写する方式の印刷機である。トナー印刷機は、帯電ドラムに付着したトナーを、静電気を利用して被印刷体にトナーを転写させる電子写真方式の印刷機である。
本発明の印刷用紙は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙に含有させることによって得ることができる。原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、DIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選択されるセルロースパルプを少なくとも1種と、填料と、さらに必要に応じてサイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤などの各種添加剤とを含有する紙料から、酸性、中性、アルカリ性の従来公知の方法で抄造された紙である。
本発明において、填料として従来公知の白色顔料を使用することができる。白色顔料の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料を挙げることができる。さらに、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の白色有機顔料を挙げることができる。また、これらから複数種を併用することができる。
本発明において、印刷用紙の灰分量は15質量%以上30質量%以下が好ましい。この理由は、灰分量が上記範囲であると、産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性と印刷用紙の物理的強度との関係が良好に両立できるからである。印刷用紙の灰分量が15質量%未満の場合は、インクの裏抜け抑制性が低下する場合がある。印刷用紙の灰分量が30質量%を超える場合は、例えばオフセット印刷機による印刷の際に紙ムケや粉落ち等のトラブルを招く場合がある。
本発明の灰分量とは、原紙を500℃で1時間燃焼処理を行った後の不燃物の質量と、燃焼処理前の印刷用紙の絶乾質量に対する比率(質量%)である。灰分量は、原紙中の填料含有量を調整する等の従来公知の方法で制御することができる。
本発明において、原紙は、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜含有することができる。
本発明において、印刷用紙のステキヒトサイズ度は、JIS P 8122に準拠して測定される値である。本発明の印刷用紙のステキヒトサイズ度は5秒以上25秒以下である。印刷用紙のステキヒトサイズ度が5秒未満の場合は、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性およびオフセット印刷適性が劣る。印刷用紙のステキヒトサイズ度が25秒を超える場合は、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性が劣る。
本発明において、印刷用紙のコッブサイズ度は、JIS P 8140に準拠して測定される値である。印刷用紙と測定溶媒との接触時間が10秒である、本発明の10秒コッブサイズ度は20g/m以上100g/m以下である。印刷用紙の10秒コッブサイズ度が20g/m未満の場合は、水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性が劣る。印刷用紙の10秒コッブサイズ度が100g/mを超える場合は、産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性およびオフセット印刷適性が劣る。
本発明において、印刷用紙のサイズ性を一般的に示す代表指標として、測定原理が異なるステキヒトサイズ度やコッブサイズ度がある。従来からの印刷機に使用する用紙のステキヒトサイズ度値やコッブサイズ度値は種々存在する。しかしながら、これら指標を各々個別に検討するだけでは、インクジェット印刷に対する印刷適性を十分に最適化することができない。印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度の比を求め、該比を特定の範囲内にすることによって顕著に最適化が図られる。結果、印刷用紙は、オフセット印刷適性を有しつつ、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性、水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性および産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性を得ることができる。本発明において、印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度の比率は1以上15以下である。本発明の印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度の比率が1未満の場合は、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性および水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性が劣る。印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度の比率が15を超える場合は、産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性またはオフセット印刷機による印刷適性が劣る。
本発明において、印刷用紙のサイズ度は、原紙に内添されるサイズ剤の種類と含有量、填料の種類と含有量、紙力増強剤など添加剤の種類と含有量、原紙に塗工する表面サイズ剤の種類と塗工量、および原紙が有するカチオン性樹脂または水溶性多価陽イオン塩の種類と含有量によって調整することができる。原紙に内添されるサイズ剤は、例えば、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤またはカチオン性スチレン−アクリル系サイズ剤などである。また表面サイズ剤は、例えば、スチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン系サイズ剤などである。
本発明において、印刷用紙は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙に含有させることによって、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。
印刷用紙に、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙に含有させる方法は、(1)紙料中に添加して抄造する方法、(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法、(3)表面処理液に添加してサイズプレス以外のカーテンコーターやエアーナイフコーター等の塗工手段を用いて付与する方法、などがある。本発明において、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙に含有させる方法は上記(2)の方法が好ましい。この理由は、(2)の方法が、最も、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙の表面近傍に且つ均一に含有させることができるからである。
本発明において、カチオン性樹脂は、カチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーであり、従来公知のものを使用することができる。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。カチオン性樹脂の具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの塩酸塩、さらにポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物やジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を挙げることができるが、これらに限定されない。商業的入手容易性の点から、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましい。本発明において、カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されないが、500以上20,000以下の範囲が好ましい。
本発明において、水溶性多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含む水溶性塩である。好ましい多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含み、20℃の水に1質量%以上溶解することができる塩である。金属の多価陽イオンの例としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、コバルト、スズ、マンガンなどの二価陽イオン;アルミニウム、鉄、クロムなどの三価陽イオン;またはチタン、ジルコニウムなどの四価陽イオン;並びにそれらの錯イオンである。金属の多価陽イオンと塩を形成する陰イオンとしては、無機酸および有機酸のいずれでもよく、特に限定されない。無機酸の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸などを挙げることができる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、有機スルホン酸などを挙げることができる。但し、従来からサイズ剤の定着剤として用いられる硫酸バンドは除く。
本発明において、水溶性多価陽イオン塩は、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム塩が好ましい。この理由は、オフセット印刷適性を有しつつ、水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性がより良好になるからである。薬品コストの点から、塩化カルシウムまたは硝酸カルシウムが好ましい。
本発明において、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を原紙に含有させる方法として「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」の場合は、サイズプレス液に、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物以外に従来公知の表面サイズ剤を添加することができる。
本発明において、サイズプレスは、従来公知の方式である。サイズプレスの例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスではシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー、フィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスではゲートロールコーターを挙げることができる。その他にも、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレス等を挙げることができる。好ましくは、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー、フィルムプレスである。
本発明において、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物の印刷用紙中の乾燥固形分換算総含有量は0.2g/m以上8.0g/m以下が好ましい。「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」の場合は、片面あたり乾燥固形分換算総含有量は0.1g/m以上4.0g/m以下が好ましい。総含有量とは、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる全ての化合物を合計した印刷用紙中の乾燥固形分換算含有量を意味する。「(2)サイズプレス液に添加してサイズプレスを用いて付与する方法」の場合は、サイズプレスによる乾燥固形分換算塗工量から求めることができる。カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物の印刷用紙中の乾燥固形分換算総含有量が、上記範囲であると、産業用インクジェット印刷機に対する本発明にかかる効果の少なくとも1つがより良好になる。
本発明において、印刷用紙は、カレンダー処理してから使用することができる。
但し、過度のカレンダー処理を行うと、印刷用紙の空隙を潰すこととなり、結果として、印刷用紙のインクジェット印刷に対する印刷適性が低下するため、適度なカレンダー処理が好ましい。
本発明において、印刷用紙の坪量は50g/m以上90g/m以下、且つJIS P 8149に準拠する不透明度が89.0%以上である。この理由は、坪量が50g/m以上90g/m以下であると、本発明にかかるインクの裏抜け抑制性が顕著に現れるからである。また、請求書や取引明細書の他、折り込み広告やダイレクトメール、あるいはそれらが融合した所謂トランスプロモなど商業印刷分野の用途から、印刷用紙の坪量は50g/m以上90g/m以下が好ましいからである。また、不透明度が89.0%未満であると本発明にかかるインクの裏抜け抑制性が劣るからである。
本発明の印刷用紙は、産業用インクジェット印刷機に使用される。好ましい産業用インクジェット印刷機は、印刷速度が120m/分を超える輪転方式の産業用インクジェット印刷機である。産業用インクジェット印刷機の他、市販のSOHO向けインクジェットプリンターなどに使用することも可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示がない限り、乾燥固形分換算あるいは実質成分の質量部および質量%を示す。また、塗工量は乾燥固形分換算量を示す。
(印刷用紙の作製)
(実施例1)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例1の印刷用紙を作製した。
(実施例2)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.07部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例2の印刷用紙を作製した。
(実施例3)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.15部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例3の印刷用紙を作製した。
(実施例4)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.13部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例4の印刷用紙を作製した。
(実施例5)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.08部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例5の印刷用紙を作製した。
(実施例6)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量52g/mの実施例6の印刷用紙を作製した。
(実施例7)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量90g/mの実施例7の印刷用紙を作製した。
(実施例8)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてカオリン(ニュークレイ、エンゲルハード社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例8の印刷用紙を作製した。
(実施例9)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタイペークW−10(酸化チタン、石原産業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例9の印刷用紙を作製した。
(実施例10)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、塩化カルシウムを2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例10の印刷用紙を作製した。
(実施例11)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、硝酸カルシウムを2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例11の印刷用紙を作製した。
(実施例12)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を1.0g/m、硝酸カルシウムを1.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例12の印刷用紙を作製した。
(実施例13)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ポリエチレンイミン(エポミン、日本触媒社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例13の印刷用紙を作製した。
(実施例14)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、硫酸マグネシウムを2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例14の印刷用紙を作製した。
(実施例15)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)13部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例15の印刷用紙を作製した。
(実施例16)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)32部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例16の印刷用紙を作製した。
(実施例17)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.08g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例17の印刷用紙を作製した。
(実施例18)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.12g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例18の印刷用紙を作製した。
(実施例19)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を3.8g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例19の印刷用紙を作製した。
(実施例20)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を4.2g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例20の印刷用紙を作製した。
(実施例21)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を6.5部添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例21の印刷用紙を作製した。
(実施例22)
<原紙1の作製>
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙1を作製した。
<印刷用紙22の作製>
上記の原紙1上にジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を片面あたり塗工量2.0g/mとなるようにエアーナイフコーターを使用して両面塗工し、熱風型乾燥機を使用して乾燥した。乾燥後、ソフトカレンダーを使用してカレンダー処理をして坪量81g/mの実施例22の印刷用紙を作製した。
(比較例1)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.17部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例1の印刷用紙を作製した。
(比較例2)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.06部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例2の印刷用紙を作製した。
(比較例3)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.04部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.03g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例3の印刷用紙を作製した。
(比較例4)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.03部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例4の印刷用紙を作製した。
(比較例5)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.14部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.8g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例5の印刷用紙を作製した。
(比較例6)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.18部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例6の印刷用紙を作製した。
(比較例7)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.04部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.01g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例7の印刷用紙を作製した。
(比較例8)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.02部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例8の印刷用紙を作製した。
(比較例9)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.2部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例9の印刷用紙を作製した。
(比較例10)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)8部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例10の印刷用紙を作製した。
(比較例11)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例11の印刷用紙を作製した。
(比較例12)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、塩化ナトリウムを2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例12の印刷用紙を作製した。
(比較例13)
濾水度380mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)20部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.1部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたりリン酸エステル化澱粉を1.5g/m、アニオン性アクリル樹脂(ボンコートAN−680、DIC社製)を2.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量81g/mの比較例13の印刷用紙を作製した。
(比較例14)
濾水度400mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)15部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.05部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたり酸化澱粉を1.25g/m、塩化カルシウムを1.0g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量84g/mの比較例14の印刷用紙を作製した。
(比較例15)
濾水度400mlcsfのLBKP100部からなるパルプスラリーに、填料としてタマパールTP−121(紡錘状軽質炭酸カルシウム、奥多摩工業社製)15部、両性澱粉0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(AS−263、星光PMC社製)0.05部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で片面あたり酸化澱粉を1.25g/m、塩化カルシウムを0.5g/m、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物(ジェットフィックス5052、里田化工社製)を0.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量84g/mの比較例15の印刷用紙を作製した。
<不透明度の測定>
JIS P 8149に規定された不透明度測定方法に準拠し、印刷用紙の不透明度を測定した。
<ステキヒトサイズ度の測定>
JIS P 8122に規定されたステキヒトサイズ度測定方法に準拠し、印刷用紙のステキヒトサイズ度を測定した。
<10秒コッブサイズ度の測定>
JIS P 8140に規定されたコッブ吸水度測定方法に準拠し、印刷用紙の10秒コッブサイズ度を測定した。測定溶媒と印刷用紙との接触時間は10秒とし、測定の溶媒としては、純水で測定を行った。
<オフセット印刷適性の評価>
ミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行い、印刷後ブランケットパイリングの発生状況および印刷サンプルの状態について目視評価によって判定した。本発明において、3〜5の評価であれば印刷用紙はオフセット印刷適性を有するものとする。
5:極めて良好。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
<産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性(水性染料インク)の評価>
ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを使用し、水性染料インクにて評価画像を150m/分で、6000m印刷した。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、2cm×2cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。各色ベタ印刷画像部分および境界印刷画像部分の滲みの観点から目視評価によって判定した。本発明において、3〜5の評価であれば印刷用紙は水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性に優れるものとする。
5:色の境界部に滲みがない。
4:色の境界部にほとんど滲みがない。
3:色の境界部に滲みはあるものの、境界部がはっきり識別できる。
2:色の境界部がはっきりせず、隣接する色が境界部を越えて若干移動している。
1:各色の境界がわからず、隣接する色への滲み出しが大きい。
<産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性(水性顔料インク)の評価>
コダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを使用し、水性顔料インクにて評価画像を75m/分で、6000m印刷した。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。印刷部分の各色ベタ部の色濃度の均一性について目視評価によって判定した。本発明において、3〜5の評価であれば印刷用紙は水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性に優れるものとする。
5:色濃度が均一である。
4:色によっては濃度が極僅かに不均一である。
3:色濃度が僅かに不均一である。
2:色濃度が部分的に不均一である。
1:印刷部分の全体に、色濃度が不均一である。
<産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性の評価>
水性染料インクについては、ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを使用し、評価画像を150m/分で6000m印刷し、水性顔料インクについては、コダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを使用し、評価画像を75m/分で6000m印刷した。ブラックのベタ印刷パターンを10cm×10cm四方で記録するという方法で印刷を行った。ブラックベタ印刷部の反対面側からJIS P8148に規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ印刷部の白色度(光学%)」で、印刷用紙のインクの裏抜けを評価した。白色度の測定は、日本電色社製PF−10を使用して、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば印刷用紙は産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性に優れるものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
表1に、実施例1〜22および比較例1〜15の評価結果を示す。
Figure 2015131455
表1より、本発明に相当する各実施例の印刷用紙は、オフセット印刷適性を有しつつ、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性およびインクの裏抜け抑制性、並びに水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性およびインクの裏抜け抑制性に優れることがわかる。
一方、表1より、本発明の条件を満足しない各比較例では本発明の効果は得られない。
本発明者は上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明の目的は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、坪量が50g/m以上90g/m以下、JIS P 8149に準拠する不透明度が89.0%以上、JIS P 8122に準拠するステキヒトサイズ度が5秒以上25秒以下、JIS P 8140に準拠する10秒コッブサイズ度が20g/m以上100g/m以下およびステキヒトサイズ度に対する10秒コッブサイズ度の比が1以上15以下である産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙によって達成される。
本発明において、印刷用紙のサイズ性を一般的に示す代表指標として、測定原理が異なるステキヒトサイズ度やコッブサイズ度がある。従来からの印刷機に使用する用紙のステキヒトサイズ度値やコッブサイズ度値は種々存在する。しかしながら、これら指標を各々個別に検討するだけでは、インクジェット印刷に対する印刷適性を十分に最適化することができない。印刷用紙のステキヒトサイズ度に対する10秒コッブサイズ度の比、すなわち10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度の比を求め、該比を特定の範囲内にすることによって顕著に最適化が図られる。結果、印刷用紙は、オフセット印刷適性を有しつつ、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性、水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性および産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性を得ることができる。本発明において、印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度のは1以上15以下である。本発明の印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度のが1未満の場合は、水性染料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収性および水性顔料インクを使用する産業用インクジェット印刷機に対する色濃度の均一性が劣る。印刷用紙の10秒コッブサイズ度/ステキヒトサイズ度のが15を超える場合は、産業用インクジェット印刷機に対するインクの裏抜け抑制性またはオフセット印刷機による印刷適性が劣る。

Claims (3)

  1. カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、坪量が50g/m以上90g/m以下、JIS P 8149に準拠する不透明度が89.0%以上、JIS P 8122に準拠するステキヒトサイズ度が5秒以上25秒以下、JIS P 8140に準拠する10秒コッブサイズ度が20g/m以上100g/m以下および10秒コッブサイズ度に対するステキヒトサイズ度の比が1以上15以下である産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙。
  2. カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有させる方法がサイズプレスであり、産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙中のカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物の乾燥固形分換算総含有量が0.2g/m以上8.0g/m以下である請求項1に記載の産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙。
  3. カチオン性樹脂がジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物であり、水溶性多価陽イオン塩が20℃の水に1質量%以上溶解することができるカルシウム塩である請求項1または2に記載の産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙。
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