JP2018135611A - 印刷用紙 - Google Patents

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淳 浦崎
Atsushi Urasaki
淳 浦崎
応昇 名越
Osho Nagoshi
応昇 名越
高田 秀樹
Hideki Takada
高田  秀樹
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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐濃度ムラ性、耐裏抜け性および耐水性を有する印刷用紙を提供することである。
【解決手段】課題は、支持体と、前記支持体の少なくとも片面に塗工層とを有する印刷用紙であって、塗工層が、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を含有し、前記滑剤の少なくとも1種が高級脂肪酸塩である印刷用紙によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷機向け印刷用紙でありながらインクジェット印刷機で印刷ができる印刷用紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を微細なノズルから記録用紙に吐出し、用紙上に付着させることによってインクドットを形成して記録を行う方式である。
インクジェット記録方式は、家庭向けおよびSOHO向けの小型プリンター、POPやポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物生産性および印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
染料インクおよび顔料インクに対するインク吸収性および発色性を有し、さらに白紙面感と写像性にも優れたオンデマンド印刷向けのインクジェット記録用光沢紙として、支持体の少なくとも一方の面にインク受理層を設け、前記インク受理層がアニオン性潤滑剤と界面活性剤と水溶性金属塩とを含有し、前記アニオン性潤滑剤が高級脂肪酸塩とアニオン性ポリエチレンエマルションを含有するインクジェット記録用光沢紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
オフセット印刷機や凸版印刷機などの刷版印刷機は、印刷画像を形成した「版」を必要とする。一方、オンデマンド印刷機は「版」を必要としない。すなわち、オンデマンド印刷機は、画像に関するデジタル情報に沿って画像形成装置が用紙に直接印刷する。
インクジェット記録方式を使用するオンデマンド印刷機、すなわちインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどがある。
このようなインクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンター、並びにワイドフォーマットインクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンターおよびワイドフォーマットインクジェットプリンターと区別される。
特開2016−193576号公報
オンデマンド印刷機の普及に伴い、印刷用紙は、刷版印刷機だけでなくオンデマンド印刷機に対応する必要がある。特に、商業印刷物の生産に多く用いられるオフセット印刷機と、インクジェット印刷機とに適用できる必要がある。
オフセット印刷機は、刷版に付着したインクがブランケットを介して印刷用紙に接触して転写され、印刷物を生産する。インクジェット印刷機は、用紙と非接触である微細なノズルからインク滴を印刷用紙に吐出して、印刷物を生産する。このような印刷機構の違いから、オフセット印刷機のインクは、粘着性を有し且つ色材含有濃度が高い。インクジェット印刷機のインクは、流動性を有し且つ色材含有濃度が低い。
従来のオフセット印刷機向けの印刷用紙は、インクジェット印刷機に使用すると、印刷部分の濃度ムラおよび印刷部分の裏抜けを発生し易く、および水性染料インクの場合に印刷部分の耐水性に劣るという欠点を有する。「裏抜け」とは、インクが、印刷側の面に止まらず原紙の深部まで到達し、印刷面の裏面側から印刷部分が視認される現象である。商業印刷物は両面印刷する場合が多く、裏抜けの発生は商業印刷物の価値を下げる。
本発明の目的は、オフセット印刷機に対する適性を有する印刷用紙でありながらインクジェット印刷機で印刷できることを目指し、インクジェット印刷機に対して下記の品質を有する印刷用紙を提供することである。
(1)印刷部分の濃度ムラが抑制されていること(耐濃度ムラ性)
(2)印刷部分の裏抜けが抑制されていること(耐裏抜け性)
(3)水性染料インクの場合において印刷部分が耐水性を有すること(耐水性)
本発明者らは鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
[1]支持体と、前記支持体の少なくとも片面に塗工層とを有する印刷用紙であって、塗工層が、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を含有し、前記滑剤の少なくとも1種が高級脂肪酸塩である印刷用紙。
[2]前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である前記[1]に記載の印刷用紙。
本発明により、耐濃度ムラ性、耐裏抜け性および耐水性を有する印刷用紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷用紙は、支持体と、前記支持体の少なくとも片面に塗工層とを有する。前記塗工層は、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を含有する。
本発明において、「塗工層を有する」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、支持体と区別できる明確な塗工層を有する用紙を指す。
支持体は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂や多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに支持体には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに支持体には、表面サイズ処理や表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって支持体に設けることができる。塗工層は1層または2層以上である。製造コストの観点から、塗工層は1層または2層が好ましい。塗工層が2層以上の場合は、支持体を基準にして最上層が滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有することが好ましい。この場合、支持体と最上層との間に存在する塗工層は、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂の有無および種類について特に限定されない。また、支持体と最上層との間に存在する塗工層は、後記白色顔料および後記バインダの有無および種類について特に限定されない。
支持体上の塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m以上30g/m以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、支持体を基準にして最上層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。
塗工層は、支持体の片面または両面に有してよい。また片面の場合は、支持体において塗工層を有する側とは反対面に従来公知のバックコート層を有してよい。
支持体に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層はカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
本発明の印刷用紙には、最上層がキャスト処理された印刷用紙を含めない。
塗工層は滑剤を含有する。
滑剤としては従来公知の、高級脂肪酸塩、ワックス類および有機珪素化合物などを挙げることができる。高級脂肪酸塩としては、例えば、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ミリスチン酸塩などの高級脂肪酸金属塩(例えば、これらのナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩)、また、ラウリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、ミリスチン酸アンモニウムなどの高級脂肪酸アンモニウム塩である。ワックス類としては、例えば、植物性ワックス、動物性ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス(炭化水素系合成ワックス、ポリエチレンエマルション系ワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油など)、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン重合体等の脂肪族炭化水素並びにその誘導体を挙げることができる。有機珪素化合物としては、例えば、ポリアルキルシロキサンおよびその誘導体、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。
滑剤の少なくとも1種が高級脂肪酸塩である。
塗工層中の滑剤の含有量は、片面あたり0.01g/m以上1g/m以下が好ましく、高級脂肪酸塩は、塗工層中の滑剤の30質量%以上を占めることが好ましい。この理由は、滑剤の含有量がこの範囲であると耐濃度ムラ性および耐裏抜け性が良化するからである。
塗工層は界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては従来公知の、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤を挙げることができる。ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレン系界面活性剤など、親水基が水中でイオン解離しない水酸基(−OH)やエーテル結合(−O−)などで構成される界面活性剤である。アニオン性界面活性剤はポリアクリル酸系界面活性剤など、水中で親水基がマイナスイオンに電離する界面活性剤である。マイナスイオンになる基としては、カルボン酸、リン酸またはスルホン酸などがある。カチオン性界面活性剤は第4級アンモニウム塩系界面活性剤など、水中で親水基がプラスイオンに電離する界面活性剤である。プラスイオンになる基としては、アミン塩または第4級アンモニウム塩などがある。両性界面活性剤はアルキルベタイン系界面活性剤など、水に溶解したときにpHによってアニオン性またはカチオン性を示すカルボン酸構造および第4級アンモニウム構造を有するもの、並びにベタイン系およびアルキルベタイン系を挙げることができる。これらの界面活性剤は公知であって、その中から用いることができる。
界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
塗工層中の界面活性剤の含有量は、片面あたり0.01g/m以上0.1g/m以下が好ましく、ノニオン性界面活性剤は、界面活性剤中の80質量%以上を占めることが好ましい。この理由は、界面活性剤の含有量がこの範囲であると耐濃度ムラ性および耐水性が良化するからである。
塗工層はカチオン性樹脂を含有する。
カチオン性樹脂としては従来公知の、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する第1級〜第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの塩酸塩、さらにジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を挙げることができる。カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。平均分子量は、500以上100000以下が好ましく、1000以上60000以下がより好ましい。
脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物において、脂肪族モノアミンの例としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノ、ジあるいはトリ各々エタノールアミンなどを挙げることができる。脂肪族ポリアミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、メタキシレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、1,3−ジアミノブタンなどを挙げることができる。エピハロヒドリン化合物の例としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリン、メチルエピブロモヒドリンなどを挙げることができる。
カチオン性樹脂は、脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物が好ましく、商業的に入手し易いことからジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましい。
塗工層中のカチオン性樹脂の含有量は、片面あたり0.1g/m以上1.5g/m以下が好ましい。この理由は、カチオン性樹脂の含有量がこの範囲であると耐裏抜け性および耐水性が良化するからである。
塗工層が滑剤、界面活性剤またはカチオン性樹脂を含有する方法は、(1)塗工層塗工液に滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を配合する方法、(2)滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を有しない塗工層を先に設け、従来公知の塗工装置によって滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を含有する液をこの塗工層に付与する方法、を挙げることができる。製造が安定する観点から、(1)の方法が好ましい。
塗工層は、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂に加えて、白色顔料およびバインダを含有することが好ましい。
白色顔料は、製紙分野で従来公知の白色顔料から選ばれる少なくとも1種である。白色顔料の例としては、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機白色顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機白色顔料を挙げることができる。
オフセット印刷機に対する適性を有し且つ最終的に印刷物のコストを増加させないように、各塗工層中の白色顔料は、カオリンおよび/または炭酸カルシウムが、各々塗工層中の白色顔料に対して70質量%以上を占めることが好ましい。
バインダは、製紙分野で従来公知の水分散性バインダおよび水溶性バインダから選ばれる少なくとも1種である。水分散性バインダの例としては、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂を挙げることができる。水溶性バインダの例としては、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールまたはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼインやゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、無水マレイン酸またはその共重合体などを挙げることができる。
オフセット印刷機に対する適性を有し且つ最終的に印刷物のコストを増加させないように、各塗工層中のバインダは、澱粉、澱粉誘導体、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアルコール誘導体、並びにスチレン−ブタジエン共重合体から選ばれる1種または2種以上が、各々塗工層中のバインダに対して70質量%以上を占めることが好ましい。
白色顔料に対するバインダの含有比は、各塗工層において、白色顔料100質量部に対して2質量部以上100質量部以下が好ましい。
塗工層は、さらに必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<印刷用紙の作製>
(支持体)
濾水度450mlcsfのLBKP81質量部、濾水度480mlcsfのNBKP9質量部からなるパルプスラリーに、カチオン澱粉0.6質量部、重質炭酸カルシウム5質量部、軽質炭酸カルシウム5質量部およびアルキルケテンダイマー0.05質量部を添加し、該パルプスラリーのpHを8.2に調整してから、長網抄紙機で抄造した。その後、カレンダー処理して坪量68g/mの支持体を得た。
(塗工層)
表1に記載した質量部で、カオリン、軽質炭酸カルシウム、澱粉、スチレン−ブタジエン共重合体、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を配合した水を溶媒とする塗工層塗工液を調製した。
(塗工)
前記支持体の両面に表1に示した塗工層塗工液を、フィルムトランスファーコーターを用いて、片面あたり塗工量が15g/mになるように塗工および乾燥した。乾燥には熱風乾燥機を用いた。次に、得られた紙にカレンダー処理を施して、各実施例および各比較例の印刷用紙を得た。カレンダーは、弾性ロールと金属ロールからなる装置を用いて、ニップ線圧は幅方向の厚みプロファイルが適切に得られる範囲において、線圧75〜85kN/mの範囲で行った。また金属ロールの温度は40℃とした。
Figure 2018135611
得られた印刷用紙に対して、以下の手順によって耐濃度ムラ性、耐裏抜け性および耐水性を評価した。なお、各実施例および各比較例の用紙をミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で印刷を行ったところ、ブランケットパイリングなどの不具合が無く、印刷ができた。
<耐濃度ムラ性の評価>
コダック社のインクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、水性顔料インクにて印刷速度:75m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。耐濃度ムラ性は、各色ベタ部画像の印刷部分を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐濃度ムラ性を有するものとする。
5:濃度が均一である。
4:色によっては極僅かに濃度が不均一である。
3:濃度が僅かに不均一であるものの、実用上問題ない。
2:濃度が部分的に不均一である。
1:印刷部分の全体で濃度が不均一である。
<耐裏抜け性の評価>
コダック社のインクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、水性顔料インクにて印刷速度:75m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラックのベタ画像部パターンを10cm×10cm四方を縦横に並べて配置する画像とした。ブラックベタ画像部の反対面側からJIS P 8148:2001に規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ画像部の白色度(光学%)」を計算し、印刷用紙のインクの耐裏抜け性を評価した。白色度の測定は、日本電色社製PF−10を使用して、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば印刷用紙は耐裏抜け性を有するものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
<耐水性の評価>
ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを使用し、水性染料インクにて評価画像を150m/分で、6000m印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ部画像パターンを、2cm×2cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。各色ベタ画像部間の境界において滲み度合を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐水性を有すものとする。
5:色の境界部に滲みがない。
4:色の境界部にほとんど滲みがない。
3:色の境界部に滲みはあるものの、境界部がはっきり識別できる。
2:色の境界部がはっきりせず、隣接する色が境界部を越えて若干移動している。
1:各色の境界が分からず、隣接する色への滲み出しが大きい。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1〜17は、耐濃度ムラ性、耐裏抜け性および耐水性を有することが分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜4は、これらの効果を有することができないと分かる。
実施例1、3、5および7と実施例2、4、6および8との対比から、界面活性剤はノニオン系界面活性剤が好ましいと分かる。

Claims (2)

  1. 支持体と、前記支持体の少なくとも片面に塗工層とを有する印刷用紙であって、塗工層が、滑剤、界面活性剤およびカチオン性樹脂を含有し、前記滑剤の少なくとも1種が高級脂肪酸塩である印刷用紙。
  2. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である請求項1に記載の印刷用紙。
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