JP2020066825A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合い及び印刷適性、インクジェット方式のデジタル印刷機に対する印刷適性を有する印刷用塗工紙を提供する。【解決手段】課題は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有し、前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料、バインダー及び四級ホスホニウム塩を少なくとも含有し、最外塗工層において、白色顔料として少なくともカオリン及び炭酸カルシウムを含みかつ最外塗工層の白色顔料に対してカオリン及び炭酸カルシウムが80質量%以上を占め、並びにバインダーとして少なくともスチレンブタジエン共重合体を含みかつ最外塗工層中のバインダーに対してスチレンブタジエン共重合体が50質量%以上を占める印刷用塗工紙によって解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合い及び印刷適性を有する、インクジェット印刷機用の印刷用塗工紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を微細なノズルから記録用紙に吐出し、用紙上に着弾させることによってインクドットを形成して記録を行う方式である。
インクジェット記録方式は、家庭向け及びSOHO向けの小型プリンター、POP及びポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用塗工紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用塗工紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物生産性及び印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
高速・連続印刷するインクジェット商業印刷適性を有するグロスタイプの印刷用塗工紙であって、基紙上の少なくとも一方の面に塗工層を設け、塗工層が、25℃における純水を用い、吸収時間5msec1/2の吸液量が7ml/m以上、30ml/m以下であり、且つ、30重量%のエタノール水溶液を用い、エタノール水溶液が塗工層に接触してから0.1sec後の接触角が22°以上30°以下であり、塗工層が、顔料として軽質炭酸カルシウム含有する(但し、塗工層の顔料100質量部中カオリンを50質量部以上含有する場合を除く)ことを特徴とする印刷用塗工紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
オフセット印刷機や凸版印刷機などの刷版印刷機は、印刷画像を形成した「版」を必要とする。一方、オンデマンド印刷機は「版」を必要としない。すなわち、オンデマンド印刷機は、画像に関するデジタル情報に沿って画像形成装置が用紙に直接印刷する。
インクジェット記録方式を使用するオンデマンド印刷機、すなわちインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsper及びVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどがある。
これらのようなインクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、家庭向け及びSOHO向け小型インクジェットプリンター、並びにワイドフォーマットインクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、家庭向け及びSOHO向け小型インクジェットプリンター及びワイドフォーマットインクジェットプリンターと区別される。
特開2017−190553号公報
オンデマンド印刷機の普及に伴い、印刷用塗工紙は、刷版印刷機だけでなくオンデマンド印刷機に対応する必要がある。特に、商業印刷物の生産に多く用いられるオフセット印刷機と、インクジェット印刷機とに適用できる必要がある。
オフセット印刷機は、刷版に付着したインクがブランケットを介して印刷用塗工紙に接触して転写され、印刷物を生産する。インクジェット印刷機は、用紙と非接触である微細なノズルからインク滴を印刷用塗工紙に吐出して、印刷物を生産する。このような印刷機構の違いから、オフセット印刷機のインキは、粘着性を有しかつ色材含有濃度が高い。インクジェット印刷機のインクは、流動性を有しかつ色材含有濃度が低い。
また、特許文献1に記載されるが如く、インクジェット商業印刷機用インクは、水性顔料インクや水性染料インクが用いられ、これらの水性インクの印刷物へのインク定着性及び発色性を向上させる目的で塗工層にインク定着剤を含有することがある。インク定着剤は、下記に挙げた有機系インク定着剤と無機系インク定着剤とがある。有機系インク定着剤は、例えば、水溶性あるいは水性エマルジョンタイプなどが使用される。例えば、ポリアルキレンポリアミン系樹脂又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン樹脂を挙げることができる。さらに具体的には、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、カチオン性ポリビニルピロリドン、ポリトリメチルアンモニウムメタクリレート、ビニルイミダゾリウムメタクロライドビニルピロリドン共重合体、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩、ジシアンジアミドポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド共重合体、ポリアルコキシジアルキル第4級アンモニウム塩、モノアリルアミンジアリルアミン塩酸塩共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、ジシアンジアミドホルマリン重縮合体、エピクロルヒドリンジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO共重合体、ジアリルアミン塩・SO共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物及びアクリルアミドジアリルアミン塩共重合体、並びにポリアミンエピクロヒドリン共重合物等である。無機系インク定着剤は、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン及びビスマスから選択される金属塩又は錯体である。
しかしながら、塗工層が、顔料としてカオリン及び炭酸カルシウムを、バインダーとしてスチレンブタジエン共重合体を含有すると、これらの存在下で上記のインク定着剤を用いると、塗工層塗工液の増粘や凝集が起こり易くなり、結果として良好な塗工適性が得られずに印刷画質に悪影響するばかりか、場合によってはインク吸収性及び/又は塗層強度を損ねるおそれがある。そのために、インク定着剤の使用には、塗工層塗工液の配合、塗工層塗工液の調製及び塗工層塗工液の塗工に注意を要する。
特許文献1の印刷用塗工紙は、実際の商業印刷で実施されるインクジェット印刷機の印刷速度に対して十分な印刷適性とはいえず、さらなる向上が求められる。なおかつ、インクジェット印刷機の印刷適性の向上には、オフセット印刷機の印刷適性を損なわないことが求められる。
本発明の目的は、オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合いを有しながら、オフセット印刷機の印刷適性及びインクジェット印刷機の印刷適性を有する印刷用塗工紙を提供することである。
本発明者は鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有し、前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料、バインダー及び四級ホスホニウム塩を少なくとも含有し、最外塗工層において、白色顔料として少なくともカオリン及び炭酸カルシウムを含みかつ最外塗工層の白色顔料に対してカオリン及び炭酸カルシウムが80質量%以上を占め、並びにバインダーとして少なくともスチレンブタジエン共重合体を含みかつ最外塗工層中のバインダーに対してスチレンブタジエン共重合体が50質量%以上を占める印刷用塗工紙。
本発明により、オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合いを有しながら、オフセット印刷機の印刷適性及びインクジェット印刷機の印刷適性を有する印刷用塗工紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷用塗工紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有する。前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層は、白色顔料、バインダー及び四級ホスホニウム塩を少なくとも含有する。
本発明において、「塗工層を有する」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な塗工層を有する用紙を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な層を有しない場合、「塗工層を有する」に該当しない。
本発明の原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、及びDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂や多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種又は2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、塗工層塗工液を塗工及び乾燥することによって原紙の少なくとも片面に設けることができる。塗工層は1層又は2層以上である。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。塗工層が2層以上の場合、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、白色顔料、バインダー及び各種添加剤の各々有無並びにそれらの種類について特に限定しない。
塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m以上30g/m以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、最外塗工層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。製造コストの点から、塗工層は1層が好ましい。
塗工層は、原紙の片面又は両面に有してよい。また片面の場合は、原紙において塗工層を有する側とは反対面に従来公知のバックコート層を有してよい。
原紙又は下位の塗工層上に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層はカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。本発明の印刷用塗工紙には、最外塗工層がキャスト処理された印刷用塗工紙を含めない。
最外塗工層は、白色顔料としてカオリン及び炭酸カルシウムを含有する。最外塗工層中のカオリンと炭酸カルシウムとの含有質量比は、カオリン:炭酸カルシウム=1:9〜6:4であることが好ましい。この理由は、上記範囲であると、オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合いを有しながら、インクジェット印刷機に対する印刷用塗工紙の印刷適性が良化するからである。さらに、インクジェット印刷機の印刷適性から、炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムが好ましい。
最外塗工層は、カオリン及び炭酸カルシウム以外に従来公知の白色顔料を含有することができる。従来公知の白色顔料の例としては、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、コロイダルシリカ、湿式法シリカ(沈降法シリカ、ゲル法シリカ)、気相法シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、活性白土、珪藻土などの無機白色顔料、及びプラスチック顔料などの有機白色顔料を挙げることができる。最外塗工層は、これら白色顔料から1種又は2種以上を組み合わせて、カオリン及び炭酸カルシウムと併用して含有することができる。
オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合いを有しながら、インクジェット印刷機の印刷適性の点から、最外塗工層の白色顔料中、カオリン及び炭酸カルシウムが占める割合は80質量%以上である。
最外塗工層は、バインダーとしてスチレンブタジエン共重合体を含有する。
スチレンブタジエン共重合体は、スチレンブタジエン共重合体を構成する単量体としてスチレン系単量体及びブタジエンが70質量%以上を占める共重合体である。スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル基に置換基を有するスチレン誘導体、及びビニルトルエン、p−クロルスチレンなどのベンゼン環に置換基を有する誘導体である。スチレンブタジエン共重合体は、スチレン系単量体及びブタジエン以外の単量体を、共重合体を構成する単量体として有することができる。単量体の例としては、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸塩、メタクリル酸エステル及びマレイン酸などを挙げることができる。
最外塗工層は、スチレンブタジエン共重合以外に従来公知のバインダーを含有することができる。バインダーの例としては、スチレンブタジエン共重合体以外のアクリロニトリルブタジエン共重合体などの共役ジエン系樹脂、アクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸エステルの重合体及びメタクリル酸メチルブタジエン共重合体などのアクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性樹脂、天然ゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン及び大豆蛋白等の天然高分子樹脂及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその各種変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、さらに澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、ジアルデヒド澱粉、燐酸エステル化澱粉及び尿素燐酸エステル化澱粉のエステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシブチル化澱粉などの澱粉類を挙げることができる。最外塗工層は、これらバインダーからなる群から選ばれる1種又は2種以上をスチレンブタジエン共重合体に併用して含有することができる。
オフセット印刷機用の印刷用塗工紙と同様の風合いを有しながら、インクジェット印刷機の印刷適性の点から、最外塗工層のバインダー中、スチレンブタジエン共重合体が占める割合は50質量%以上である。
最外塗工層中のバインダーの含有量は、カオリン及び炭酸カルシウムを含む最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して5質量部以上13質量部以下であることが好ましい。この理由は、インクジェット印刷機の印刷適性が良化するからである。
最外塗工層は、四級ホスホニウム塩を含有する。四級ホスホニウム塩は、インクジェット印刷機のインクに対するインク定着剤として機能する。
四級ホスホニウム塩は、同一分子中に、ホスホニウム塩構造を1若しくは2以上有する化合物、又は同構造を分子主鎖若しくは側鎖に有するポリマーである。四級ホスホニウム塩の例としては、特開2001−10216号公報、同2001−88435号公報に記載の化合物などを挙げることができる。好ましくは、下記の化1で表される四級ホスホニウム塩である。式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、複素環基を表す。Xは電荷を中和するのに必要なカウンターイオンを表す。
Figure 2020066825
R1〜R4は、例えば、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などのアルキル基、クロロエチル基及びヒドロキシエチル基などの置換アルキル基、ベンジル基などの芳香族アルキル基、アリル基、3−ブテニル基などのアルケニル基、2−プロピニル基などの脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、3−アミノフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基などの芳香族基、2−フリル基、4−テトラヒドロピラニル基などの複素環基を挙げることができる。好ましくは、炭素数6以下のアルキル基、置換アルキル基又はフェニル基である。これらR1〜R4は、さらに周知の置換基を有してよい。Xは、例えば、クロライド、ブロマイドなどのハロゲン原子イオン、メタンスルホナート、p−トルエンスルホナート(TsOH)などのスルホナートイオンなどを挙げることができる。
より好ましい四級ホスホニウム塩は、R1〜R4が炭素数3以下のアルキル基又は無置換のフェニル基である。好ましいXは、ハロゲン原子イオンである。以下に本発明に用いられる四級ホスホニウム塩の代表的化合物を下記に例示する。本発明の四級ホスホニウム塩はこれらに限定されない。なお、これらの化合物は、既知の合成方法によって容易に合成できる。また、これらの化合物は各社から市販されている。
P1 : (Ph)CH・Br
P2 : (Ph)・Br
P3 : (Ph)n−C・TsO
P4 : (Ph)・Cl
P5 : (Ph)・Br
P6 : (Ph)CHOCH・Cl
P7 : (Ph)CHCHCHCHBr・Br
P8 : (Ph)CHCHCH(Ph)・2Br
P9 : (Ph)CHCHCHSO
P10: (Ph)CHCOC・Cl
P11: (Ph)CHCHCHOH・Br
P12: (Ph)CHCHCOOH・Cl
P13: (n−CCHCHOH・Br
P14: (n−CCHCHOH・TsO
P15: (HOCHCH・I
最外塗工層中の四級ホスホニウム塩の含有量は、カオリン及び炭酸カルシウムを含む最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して1質量部以上7質量部以下であることが好ましい。この理由は、オフセット印刷機の印刷適性を損なわないでインクジェット印刷機の印刷適性が良化するからである。
最外塗工層は、従来公知のインク定着剤を含有してよい。従来公知のインク定着剤は、例えば、特許文献1に記載された前記有機系インク定着剤と前記無機系インク定着剤を挙げることができる。
最外塗工層は、さらに必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤などを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム8質量部、両性澱粉1.0質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤を添加して紙料を調成し、該紙料を長網抄紙機で抄造し、得られた抄造紙の両面にサイズプレス装置で両面に澱粉を付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙を作製した。
<最外塗工層の塗工層塗工液>
最外塗工層の塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 種類及び部数は表1に記載
他の白色顔料 種類及び部数は表1に記載
スチレンブタジエン共重合体 部数は表1に記載
他のバインダー 種類及び部数は表1に記載
四級ホスホニウム塩 種類及び部数は表1に記載
他のインク定着剤 種類及び部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
<塗工層塗工液の状態>
塗工層塗工液を調整後に、液の増粘及び/又は凝集物について観察した。本発明において、印刷用塗工紙を製造するためには、3又は4の評価を有するものとする。
4:増粘しない又は若干の増粘程度であり、凝集物の発生がない。
3:増粘が認められ、又は凝集物の発生が認められるが、
通常の撹拌及び濾過によって塗工が可能である。
2:増粘が認められ、又は凝集物の発生が認められ、塗工が困難で注意を要する。
1:増粘が認められ、又は凝集物の発生が認められ、塗工ができない。
(印刷用塗工紙)
印刷用塗工紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に最外塗工層の塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。塗工量は、片面あたり14g/mとした。
Figure 2020066825
<風合い>
風合いは、市販のオフセット印刷機用の印刷用塗工紙と対比して、外観及び手触り感を基にして官能評価した。オフセット印刷機用の印刷用塗工紙の風合いを有する場合に「○」、風合いを有しない場合に「×」とした。
<オフセット印刷機の印刷適性>
ミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨及び金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行った。評価は、ブランケットパイリングの発生状況及び印刷サンプルのインキ定着、インキ吸収及びインキ滲みの状態について目視によって行った。本発明において、印刷用塗工紙は、3又は4の評価であればオフセット印刷機の印刷適性を有するものとする。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
<インクジェット印刷機の印刷適性>
ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、水性染料インクにて評価画像を150m/分で、6000m印刷する。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色及びブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、2cm×2cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。評価は、印刷サンプルのインク定着、インク吸収、色ムラ及びインク滲みの状態について目視によって行った。本発明において、印刷用塗工紙は、3又は4の評価であればインクジェット印刷機の印刷適性を有するものとする。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1〜7は、塗工層塗工液の増粘や凝集物の発生があまりなく、オフセット印刷機の印刷適性及びインクジェット印刷機の印刷適性を有することが分かる。本発明に該当しない比較例1〜5ではこのような効果を得ることができないことが分かる。

Claims (1)

  1. 原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有し、前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料、バインダー及び四級ホスホニウム塩を少なくとも含有し、最外塗工層において、白色顔料として少なくともカオリン及び炭酸カルシウムを含みかつ最外塗工層の白色顔料に対してカオリン及び炭酸カルシウムが80質量%以上を占め、並びにバインダーとして少なくともスチレンブタジエン共重合体を含みかつ最外塗工層中のバインダーに対してスチレンブタジエン共重合体が50質量%以上を占める印刷用塗工紙。
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