JP2019031765A - 圧着用印刷用紙および圧着用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性および電子写真印刷適性並びに接着適性を有する圧着用印刷用紙およびそれを用いた圧着用紙を提供する。【解決手段】原紙および前記原紙の少なくとも片面に塗工層を有し、前記塗工層を有する側に画像を印刷した後に支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートを用いて印刷面を外から遮蔽する用途の圧着用印刷用紙であって、JIS P 8143:2009に準拠して求められるMD方向のクラークこわさが80cm3/100以上150cm3/100以下であり、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層においてJIS P 8140:1998に準拠して求められる10秒コッブサイズ度が10g/m2以上25g/m2以下およびデニソンワックス値No.が9A以上14A以下である圧着用印刷用紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷機などの刷版印刷機、並びにインクジェット印刷機および電子写真印刷機などのデジタル印刷機を用いて画像を印刷し、印刷した後に、支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートを用いて、印刷面を外から遮蔽する用途の圧着用印刷用紙、およびそれを用いた圧着用紙に関する。
圧着葉書などで使用され、印刷面どうしを圧着することによって印刷された画像を外から遮蔽する圧着用印刷用紙が公知である。印刷面どうしを圧着する方法には、先糊方式および後糊方式がある。
後糊方式は、印刷された印刷面に、印刷後、接着剤層を塗工して圧着処理を施す方式である(例えば、特許文献1参照)。印刷した後に接着剤層を印刷面に設けるため「後糊」と呼ばれる。後糊方式に関して、剥離可能である熱可塑性樹脂層を含み、用紙に画像が印刷された印刷面どうしを感熱接着することのできる両面に感熱接着剤層を有する感熱積層シートが公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−121011号公報 特開平7−17166号公報
圧着葉書などは、一般的に、固定情報をオフセット印刷機で印刷し、可変情報をインクジェット印刷機または電子写真印刷機で印刷する。さらに、印刷業者などが印刷機別に用紙を在庫する必要がないように、オフセット印刷機、インクジェット印刷機および電子写真印刷機に対して印刷適性を有する必要がある。
本発明の目的は、支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートを用いて印刷された画像を外から遮蔽する用途の圧着用印刷用紙であって、下記の品質を有する圧着用印刷用紙を提供することである。さらに、これを用いた圧着用紙を提供することである。
(1)オフセット印刷機に対する印刷適性を有する(オフセット印刷適性)
(2)インクジェット印刷機に対する印刷適性を有する(インクジェット印刷適性)
(3)電子写真印刷機に対する印刷適性を有する(電子写真印刷適性)
(4)感熱接着層と最外塗工層とが上手く接着できる(接着適性)
ここで、「印刷適性を有する」とは、オフセット印刷においてブランケットパイリングの発生等が抑制されること、インクジェット印刷において印刷部分の汚れの発生等が抑制されること、電子写真印刷において転写不良等が抑制されることを指す。
本発明者は上記を鑑み鋭意研究した結果、本発明の目的は以下により達成される。
[1]原紙および前記原紙の少なくとも片面に塗工層を有し、前記塗工層を有する側に画像を印刷した後に支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートを用いて印刷面を外から遮蔽する用途の圧着用印刷用紙であって、JIS P 8143:2009に準拠して求められるMD方向のクラークこわさが80cm/100以上150cm/100以下であり、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層においてJIS P 8140:1998に準拠して求められる10秒コッブサイズ度が10g/m以上25g/m以下およびデニソンワックス値No.が9A以上14A以下である圧着用印刷用紙。
[2]上記[1]に記載の圧着用印刷用紙と、前記圧着用印刷用紙の最外塗工層を有する側にオフセット印刷機、並びにインクジェット印刷機および/または電子写真印刷機を用いて印刷された画像と、画像を形成した最外塗工層に感熱接着層を介して接着した前記積層シートと、を備えた圧着用紙。
本発明により、オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性および電子写真印刷適性並びに接着適性を有する圧着用印刷用紙およびそれを用いた圧着用紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書中で使用される場合、「圧着用印刷用紙」とは、印刷機を用いて印刷する前のものを指す。「圧着用紙」とは、圧着用印刷用紙に対して印刷機を用いて画像が印刷され、圧着用印刷用紙の画像が印刷された最外塗工層に、支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートの感熱接着層が接着したものを指す。
オフセット印刷機は、平版である刷版に付着したインクを、一度、ゴム製のブランケットなどの中間転写体に転写した後、さらに中間転写体から印刷用紙などの被印刷体に転写して印刷する平版印刷方式の印刷機である。オフセット印刷機は、広く商業印刷物の印刷に使用される。
インクジェット印刷機は、商業印刷物を製造するためのインクジェット記録方式を使用した印刷機である。このようなインクジェット印刷機は、例えば、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepress(登録商標)、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsper(登録商標)およびVERSAMARK(登録商標)、富士フイルム社のJetPress(登録商標)などの名称で販売されている。
インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンター、並びに大判インクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が数十倍と速く、印刷速度が60m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンターおよび大判インクジェットプリンターと区別される。
インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクとがある。インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。インクジェット印刷機の印刷速度は、商業印刷の生産性が重視され、生産性として60m/分以上が望まれる。カット紙タイプの場合は、印刷速度は、毎分当たりの印刷される用紙サイズから算出する。
電子写真印刷機は、帯電ドラムに付着したトナーを、静電気を利用して印刷用紙などの被印刷体に転写させる電子写真方式を使用した印刷機である。用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するトナー種には、粉体トナーと液体トナーがある。電子写真印刷機の用紙搬送またはトナー種についてはいずれでも構わない。
本発明の圧着用印刷用紙について説明する。
圧着用印刷用紙は、原紙および前記原紙の少なくとも片面に塗工層を有する。ここで、「塗工層を有する」とは、印刷用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な塗工層を有する印刷用紙を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、印刷用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な層を有しない場合、「塗工層を有する」に該当しない。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂や多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって原紙の少なくとも片面に設けることができる。塗工層は1層または2層以上である。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。最外塗工層は、白色顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有することが好ましい。この理由は、オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性および電子写真印刷適性を得ることができるからである。塗工層が2層以上の場合、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、白色顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂の各々有無および種類について特に限定しない。
塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m以上30g/m以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、最外塗工層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。
塗工層は、原紙の片面または両面に有してよい。また片面の場合は、原紙において塗工層を有する側とは反対面に従来公知のバックコート層を有してよい。
原紙に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層はカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
本発明の圧着用印刷用紙には、最外塗工層がキャスト処理された圧着用印刷用紙を含めない。
最外塗工層は、JIS P 8140:1998に準拠して求められる10秒コッブサイズ度が10g/m以上25g/m以下およびJIS P 8129:1998に準拠して求められる最外塗工層のデニソンワックス値No.が9A以上14A以下である。
圧着用印刷用紙は、JIS P 8143:2009に準拠して求められるMD方向のクラークこわさが80cm/100以上150cm/100以下である。ここで、「MD方向」とは、抄紙機の進行方向に平行する方向であって、Machine Directionに該当する方向を指す。
最外塗工層の10秒コッブサイズ度、最外塗工層のデニソンワックス値および圧着用印刷用紙のMD方向のクラークこわさが上記の範囲を各々満足しなければ、圧着用印刷用紙は、オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性、電子写真印刷適性および接着適性を得ることができない。これらの物性値を満足することによって、圧着用印刷用紙は、各印刷適性と接着適性とを両立して得ることができる。
測定原理から、一般的に次のことがいえる。
紙のこわさは、紙の折り曲げに対する抵抗性を表す値である。そしてこわさは、紙の水分量に左右される紙の折り曲げに対する抵抗性を表す値である。コッブサイズ度は、紙の吸水性を表す値である。そしてコッブサイズ度は、紙表面の親水性に左右される紙の吸水性を表す値である。デニソンワックス値は、紙の表面強度を表す値である。そしてデニソンワックス値は紙表面の微細な凹凸有無に左右される紙の表面強度を表す値である。
本発明の効果が得られる理由は不明であるが、本発明者は、これら値を満足することの相乗効果によって、オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性および電子写真印刷適性と接着適性とが特異的に得られたものと推察する。
さらに、最外塗工層は、JIS Z 8741:1997に準拠して求められる75度光沢度が20%以上40%以下であることが好ましい。この理由は、接着適性が良化するからである。75度光沢度は、紙の光沢感を表す値である。そして75度光沢度は、紙表面の平滑性に左右される紙の光沢感を表す値である。本発明者は、このような光沢度で示された最外塗工層の平滑性が、支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートの感熱接着層と圧着用印刷用紙の最外塗工層との接着に特異的に好適であったと推察する。
圧着用印刷用紙を含む印刷用紙において、MD方向のクラークこわさ、10秒コッブサイズ度およびデニソンワックス値は、製紙分野で従来公知の物性値である。従来から知られた方法によって調整することができる。調整は、原紙について例えば、坪量、抄造条件、パルプの組成、サイズ剤の種類および含有量、カレンダー処理の有無および条件、塗工層について例えば、塗工量、塗工条件、乾燥温度および乾燥時間、含有する白色顔料の種類および含有量、含有するバインダーの種類および含有量、滑剤などの疎水性化合物の有無、カチオン性樹脂などのイオン性化合物の有無、並びにカレンダー処理有無および条件を挙げることができる。
さらに具体的には以下である。
圧着用印刷用紙のMD方向のクラークこわさは、ほぼ原紙に依存する。こわさは、坪量増、パルプのN材増、カレンダー処理による圧縮率減により高くなる。
最外塗工層の10秒コッブサイズ度は、最外塗工層だけでなく原紙にも依存する。コッブサイズ度は、原紙のサイズ剤含有量減、最外塗工層の顔料に平板状白色顔料含有量減、最外塗工層のバインダー含有量減、最外塗工層中のカチオン性樹脂含有量減、滑剤などの疎水性化合物含有量減およびカレンダー処理による圧縮率減により高くなる。
最外塗工層のデニソンワックス値は、最外塗工層だけでなく原紙にも幾分依存する。デニソンワックス値は、原紙のサイズ剤含有量増、最外塗工層の顔料に平板状白色顔料含有量減、最外塗工層のバインダーおよび/または分散剤含有量増、およびカレンダー処理による圧縮率減により高くなる。
最外塗工層の75度光沢度は、最外塗工層だけでなく原紙にも幾分依存する。75度光沢度は、原紙のサイズ剤含有量増、最外塗工層のバインダー含有量減、滑剤などの疎水性化合物減、およびカレンダー処理による圧縮率増により高くなる。
最外塗工層は、前記物性値を満足するものであれば特に限定されない。各印刷適性の点から、最外塗工層は、白色顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有することが好ましい。
白色顔料は、製紙分野で従来公知の白色顔料である。白色顔料の例としては、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、活性白土、珪藻土などの無機白色顔料、およびプラスチック顔料などの有機白色顔料を挙げることができる。最外塗工層は、これら白色顔料からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、ことができる。
白色顔料は、カオリンおよび炭酸カルシウムを少なくとも含有することが好ましい。最外塗工層中のカオリンと炭酸カルシウムとの含有質量比は、カオリン:炭酸カルシウム=1:9〜6:4が好ましい。最外塗工層の白色顔料中、カオリンおよび炭酸カルシウムが占める割合は80質量%以上である、ことが好ましい。
また、炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムが好ましい。
前記バインダーは、製紙分野で従来公知のバインダーである。バインダーの例としては、澱粉およびその各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂あるいはこれらの各種樹脂にカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性した樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等のバインダー、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等を挙げることができる。最外塗工層は、これらバインダーからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
最外塗工層のバインダーは、澱粉およびその各種変性澱粉、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、並びにスチレン−ブタジエン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上である、ことが好ましい。
最外塗工層中のバインダーの含有量は、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して3質量部以上40質量部以下が好ましく、5質量部以上25質量部以下がより好ましい。
前記滑剤は、従来公知の滑剤である。滑剤の例としては、高級脂肪酸塩、ワックス類および有機珪素化合物などを挙げることができる。高級脂肪酸塩としては、例えば、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ミリスチン酸塩などの高級脂肪酸金属塩(例えば、これらのナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩)、およびラウリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、ミリスチン酸アンモニウムなどの高級脂肪酸アンモニウム塩である。ワックス類としては、例えば、植物性ワックス、動物性ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス(炭化水素系合成ワックス、ポリエチレンエマルション系ワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油など)、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン重合体等の脂肪族炭化水素並びにその誘導体を挙げることができる。有機珪素化合物としては、例えば、ポリアルキルシロキサンおよびその誘導体、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。最外塗工層は、これら滑剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
最外塗工層の滑剤は、高級脂肪酸塩から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層中の滑剤の含有量は、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下が好ましく、0.2質量部以上0.7質量部以下がより好ましい。
前記分散剤は、白色顔料などの水に不溶性物質を水溶液中で分散するための材料であって、従来公知の分散剤である。分散剤の例としては、ポリカルボン酸ナトリウム等のポリカルボン酸系樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、イソブチレン−マレイン酸系樹脂、スルホン化ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、縮合リン酸塩などを挙げることができる。最外塗工層は、これら分散剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
最外塗工層の分散剤は、ポリカルボン酸系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層中の分散剤の含有量は、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して0.001質量部以上0.5質量部以下が好ましく、0.002質量部以上0.3質量部以下がより好ましい。
分散剤は、バインダーと重なる名称の材料が存在する。しかしながら、分散剤として使用する材料はバインダーに比べて最外塗工層中の含有量が明確に少なく、また、分散剤はバインダーに比べて分子量が小さいため、区別できる。
前記カチオン性樹脂は、従来公知のカチオン性樹脂である。カチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。また、カチオン性樹脂には、カチオン化度が0meq/g超3meq/g以下の低カチオンおよびカチオン化度が3meq/g超の高カチオン性樹脂のいずれをも含む。ここで、カチオン化度は、コロイド滴定法によって測定される値である。
カチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリアミンおよび変性ポリアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、変性ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物もしくはジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリエポキシアミン、並びにポリアミド−エポキシ系樹脂を挙げることができる。カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。カチオン性樹脂の数平均分子量は、500以上100000以下が好ましく、1000以上60000以下がより好ましい。
最外塗工層は、これらカチオン性樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
最外塗工層のカチオン性樹脂は、変性ポリアミンおよび変性ポリアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層中のカチオン性樹脂の含有量は、最外塗工層中の顔料100質量部に対して0.1質量部以上3質量部以下が好ましく、0.2質量部以上2質量部以下がより好ましい。
最外塗工層は、さらに必要に応じて製紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
本発明の圧着用紙について説明する。
本発明の圧着用紙は、圧着用印刷用紙と、圧着用印刷用紙の最外塗工層を有する側にオフセット印刷機、並びにインクジェット印刷機および/または電子写真印刷機を用いて印刷して形成された画像と、画像を形成した最外塗工層上に支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートとを備える。ここで、支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートの感熱接着層と、圧着用印刷用紙の最外塗工層とが感熱接着する。
圧着用印刷用紙は、上記の本発明にかかる圧着用印刷用紙であり、重複する記載を割愛する。また、オフセット印刷機、インクジェット印刷機および電子写真印刷機も、上記と同様であり、重複する記載を割愛する。
支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートは、例えば、特許文献2に記載された感熱積層シートを挙げることができる。本発明の積層シートは、支持体の少なくとも片面に、疑似接着剤を有する疑似接着層、さらにその上に感熱接着剤を有する感熱接着層を有する。
疑似接着剤を有する疑似接着層が剥離可能となる。支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートの感熱接着層と圧着用印刷用紙の最外塗工層とが接着した状態から、疑似接着層が剥離でき、残る感熱接着層が透明であることから最外塗工層に印刷された画像が視認できる。
本発明の積層シートは、支持体の裏面にも、疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けてよい。また、支持体の裏面に、疑似接着剤を有する疑似接着層を設けずに感熱接着剤を有する感熱接着層を設けてよい。
支持体の両面に感熱接着層を有することで、圧着用印刷用紙の二つ折りおよび三つ折りの圧着、並びに2枚の圧着用印刷用紙の圧着に対応することができる。
前記支持体は、合成樹脂フィルムシート、樹脂を紙に含浸させて硬化した含浸紙および樹脂被覆紙などの紙と樹脂との複合シート、並びに染料および/または顔料で着色した光吸収性シートなどの材料からなる群から選ばれる1種であることが好ましい。支持体は、合成樹脂フィルムシートが、より好ましい。合成樹脂フィルムの例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルムおよびポリアミドフィルムなどを挙げることができる。支持体は、透明および不透明のいずれであって構わない。外から遮蔽する目的であるから、圧着用印刷用紙の最外塗工層に積層シートを単に接着する場合、積層シートの支持体は不透明であることがよい。
前記疑似接着層は、疑似接着剤を含有する層である。疑似接着剤は、従来公知のものである。疑似接着剤の例としては、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂およびポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。疑似接着剤は、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記感熱接着層は、感熱接着剤を含有する層である。感熱接着剤は、従来公知のものである。感熱接着剤の例としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合およびエチレン−アクリル酸エチル共重合などのエチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などを挙げることができる。感熱接着剤は、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートは、支持体に対して、疑似接着層塗工液および感熱接着層塗工液を塗工および乾燥することで得ることができる。塗工および乾燥は、原紙に塗工層を設ける方法と同じであり、重複する記載は割愛する。
支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートは、例えば、キョクエツ・コーポレーション社やケイディケイ社から市販されている。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム6質量部、両性澱粉1.0質量部、硫酸バンド0.8質量部、AKD内添サイズ剤を添加して紙料を調成し、該紙料を長網抄紙機で抄造し、得られた抄造紙の両面にサイズプレス装置で澱粉を付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙を作製した。所定の物性値になるように、内添サイズ剤の含有量、並びにカレンダー処理のニップ線圧および金属ロールの温度を調整した。サイズ剤の添加量は表1に記載する。
<最外塗工層塗工液>
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
シリカ 部数は表1に記載
澱粉 部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン系樹脂 部数は表1に記載
滑剤 部数は表1に記載
分散剤 部数は表1に記載
カチオン性樹脂 部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
なお、滑剤にはステアリン酸カルシウムを、分散剤にはアクリル系樹脂を、カチオン性樹脂には変性ポリアミドを用いた。
<圧着用印刷用紙>
圧着用印刷用紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に最外塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に熱風乾燥機で乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。塗工量は、片面あたり14g/mとした。カレンダー処理は、弾性ロールと金属ロールとからなる装置を使用した。
所定の物性値になるように、最外塗工層塗工液の配合、並びにカレンダー処理のニップ線圧および金属ロールの温度を調整した。
圧着用印刷用紙についてMD方向のクラークこわさ、圧着用印刷用紙の最外塗工層について10秒コッブサイズ度、デニソンワックス値および75度光沢度を測定した。
(クラークこわさ)
JIS P 8143:2009に規定されたクラークこわさ試験機法に準拠し、圧着用印刷用紙についてMD方向のクラークこわさを測定した。測定結果を表1に記載する。
(10秒コッブサイズ度)
JIS P 8140:1998に規定されたコッブ吸水度測定方法に準拠し、圧着用印刷用紙の最外塗工層について10秒コッブサイズ度を測定した。測定溶媒と最外塗工層との接触時間は10秒とした。測定の溶媒は純水を用いた。測定結果を表1に記載する。
(デニソンワックス値)
JIS P 8129:1998に規定された紙及び板紙の表面強さ試験方法に準拠し、圧着用印刷用紙の最外塗工層について表面強さをデニソンワックスNo.8A〜16Aを用いてデニソンワックス値を測定した。測定結果を表1に記載する。
(75度光沢度)
JIS Z 8741:1997に規定された光沢度測定法に準拠し、村上色彩技術研究所社のデジタル光沢計GM−26D型を用いて、入反射角度を75度として圧着用印刷用紙の最外塗工層について光沢度を測定した。測定結果を表1に記載する。
(圧着用紙の作製)
オフセット印刷機としてミヤコシ社のオフセットフォーム輪転機、インクジェット印刷機としてSCREENグラフィックソリューションズ社のインクジェット印刷機TruePress Jet520および電子写真印刷機としてキヤノン社の電子写真印刷機ImageRUNNER(登録商標) ADVANCE C5051を用いて、評価画像を圧着用印刷用紙の最外塗工層を有する側に印刷した。
印刷された圧着用印刷用紙を、積層シートを挟みつつZ字状に3つ折りにして折りたたみ、表面温度が100〜110℃の熱ロール間に通して感熱接着および冷却して、圧着用紙を得た。
積層シートには、支持体が透明で、支持体の片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設け且つ支持体の反対面に感熱接着剤を有する感熱接着剤を有する感熱接着層を設けたものであって、市販のキョクエツ・コーポレーション社のジェミッツテープ(登録商標)を使用した。
(オフセット印刷適性の評価)
オフセットフォーム輪転機を使用し、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行った。印刷後のブランケットパイリングの発生状況および印刷画像の状態について目視により評価した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用印刷用紙は、オフセット印刷適性を有するものとする。
5:極めて良好。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
(インクジェット印刷適性の評価)
インクジェット印刷機を使用し、印刷速度:64m/分、使用インク:水性顔料インクの条件で6000mの印刷を行った。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他3色インクからの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置した画像とした。各色ベタ印刷部分の汚れの発生状態について目視により評価した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用印刷用紙は、インクジェット印刷適性を有するものとする。
5:極めて良好。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
(電子写真印刷適性の評価)
電子写真印刷機を使用し、印刷速度:51枚/分(A4ヨコサイズ)、乾式トナーの条件で10000枚の印刷を行った。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他3色インクからの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置した画像とした。各色ベタ印刷部分のトナー転写不良またはブリスター(火ぶくれ)の状態について目視により評価した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用印刷用紙は、電子写真印刷適性を有するものとする。
5:極めて良好。
4:良好。
3:実用上問題ない範囲。
2:不良。
1:極めて不良。
(接着適性の評価)
接着適性は、感熱接着した後、積層シートの感熱接着層と画像が印刷された圧着用印刷用紙の最外塗工層との接着強度から判定した。接着強度は、テンシロン万能引っ張り試験機を用いて測定を行った。圧着用紙における感熱接着層と、画像が印刷された最外塗工層との接着強度を(N/25mm)で表した。
積層シートの感熱接着層と画像が印刷された圧着用印刷用紙の最外塗工層との接着強度は、少なくとも、疑似接着層を剥離する際の力で剥離しない程度の十分な強度が要求される。さらに、輸送中などの衝撃で剥がれない程度の十分な強度が要求される。疑似接着層における剥離強度は0.2N/25mm以上0.4N/25mm以下が好ましいことから、積層シートの感熱接着層と画像が印刷された圧着用印刷用紙の最外塗工層との接着強度は、実用性から、1.0N/25mm以上が要求される。以上から、接着強度の値から下記の数値範囲により接着適性を評価した。本発明において評価3〜5であれば、圧着用紙は、接着適性を有するものとする。
5:1.50N/25mm以上。
4:1.25N/25mm以上1.5N/25mm未満。
3:1.0N/25mm以上1.25N/25mm未満。
2:0.8N/25mm以上1.0N/25mm未満。
1:0.8N/25mm未満。
結果を表1に記載する。
Figure 2019031765
表1より、本発明に該当する実施例1〜20の圧着印刷用紙およびそれを用いる圧着用紙では、オフセット印刷適性、インクジェット印刷適性および電子写真印刷適性を有し、並びに接着適性を有することが分かる。本発明に該当しない比較例1〜10の圧着用印刷用紙およびそれを用いる圧着用紙では、これらの効果を満足できないことが分かる。
また、主に実施例1と実施例8および9との対比から、接着適性の点で、75度光沢度が20%以上40%以下が好ましいことが分かる。

Claims (2)

  1. 原紙および前記原紙の少なくとも片面に塗工層を有し、前記塗工層を有する側に画像を印刷した後に支持体の少なくとも片面に疑似接着剤を有する疑似接着層および感熱接着剤を有する感熱接着層をこの順序で設けた積層シートを用いて印刷面を外から遮蔽する用途の圧着用印刷用紙であって、JIS P 8143:2009に準拠して求められるMD方向のクラークこわさが80cm/100以上150cm/100以下であり、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層においてJIS P 8140:1998に準拠して求められる10秒コッブサイズ度が10g/m以上25g/m以下およびデニソンワックス値No.が9A以上14A以下である圧着用印刷用紙。
  2. 請求項1に記載の圧着用印刷用紙と、前記圧着用印刷用紙の最外塗工層を有する側にオフセット印刷機、並びにインクジェット印刷機および/または電子写真印刷機を用いて印刷された画像と、画像を形成した最外塗工層に感熱接着層を介して接着した前記積層シートと、を備えた圧着用紙。
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