JP2000140090A - 透明性の優れた抗血液凝固性材料および抗血液凝固性材料を塗布した医療用具 - Google Patents

透明性の優れた抗血液凝固性材料および抗血液凝固性材料を塗布した医療用具

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JP2000140090A
JP2000140090A JP10322567A JP32256798A JP2000140090A JP 2000140090 A JP2000140090 A JP 2000140090A JP 10322567 A JP10322567 A JP 10322567A JP 32256798 A JP32256798 A JP 32256798A JP 2000140090 A JP2000140090 A JP 2000140090A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタンと重合性官能性基を有する
塩基性化合物とヘパリン塩から合成されるイオン結合複
合体とから構成される抗血液凝固性材料で、優れた抗血
液凝固性(抗血栓性)を有し、透明性、光沢性の優れた
抗血液凝固性材料を提供すること。さらに、抗血液凝固
性材料を塗布した透明性、光沢性の優れた医療器具、医
療機器を提供すること。 【解決手段】 (A)(a)重合性官能性基を有する
塩基性化合物とヘパリン塩から合成されるイオン結合複
合体10〜40重量部および、(b)前記イオン結合複
合体と共重合可能な親水性及び/又は疎水性単量体1〜
20重量部とから得られる重合体と、(B)ポリウレタ
ン40〜80重量部とから構成されていることを特徴と
する抗血液凝固性材料に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗血液凝固
性(抗血栓性)を長期間持続することができ、人工臓器
や人工血管などの各種医療器具、医療機器の構成材料と
して適応可能な透明性の優れた抗血液凝固性材料に関す
る。さらに、この抗血液凝固性材料を塗布した医療器
具、医療機器に関する。
【0002】
【従来の技術】抗血液凝固性材料として、ポリウレタン
などのマトリックスとなる高分子化合物と重合性官能性
基を有する塩基性化合物とヘパリン塩から合成されるイ
オン結合複合体とから構成される抗血液凝固性材料が特
開昭63−105767号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリウレタンな
どのマトリックスとなる高分子化合物と重合性官能性基
を有する塩基性化合物とヘパリン塩から合成されるイオ
ン結合複合体とから構成される抗血液凝固性材料で、優
れた抗血液凝固性(抗血栓性)を有し、人工心臓、人工
心臓弁、人工血管、血管カテーテル、カニューレ、人工
心肺、血管バイパスチューブ、輸血用具、体外循環回路
などの血液と接触する部位に使用される各種医療器具、
医療機器の構成材料として用いる場合透明性の優れた抗
血液凝固性材料を提供することを目的とする。さらに、
抗血液凝固性材料を塗布した透明性、光沢性の優れた医
療器具、医療機器を提供することを目的とする。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は、(A)(a)
重合性官能性基を有する塩基性化合物とヘパリン塩から
合成されるイオン結合複合体10〜40重量部、およ
び、(b)前記イオン結合複合体と共重合可能な親水性
及び/又は疎水性単量体1〜20重量部とから得られる
重合体と、(B)ポリウレタン40〜80重量部とから
構成されていることを特徴とする抗血液凝固性材料に関
する。
【0005】さらに好ましくは、本発明の抗血液性凝固
性材料は、抗血液凝固性材料の曇値(Haze)が、9
5%以下であることに関する。
【0006】さらに好ましくは、本発明の抗血液凝固性
材料は、重合性官能性基を有する塩基性化合物が、下記
一般式(I)
【化3】 (一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表
し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
は1〜6の整数を表す)および/または、下記一般式
(II)
【化4】 (一般式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表
し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
は1〜6の整数を表す)で示される化合式であることに
関する。
【0007】さらに好ましくは、本発明の抗血液凝固性
材料のイオン結合複合体と共重合可能な親水性及び/又
は疎水性単量体が、ヒドロキシエチルメタクリレートで
あることに関する。
【0008】さらに好ましくは、本発明は、抗血液性凝
固性材料を塗布した医療器具、医療機器に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、(A)(a)重合性官
能性基を有する塩基性化合物とヘパリン塩から合成され
るイオン結合複合体10〜40重量部、好ましくは15
〜35重量部、特に好ましくは20〜30重量部、また
は、(a)重合性官能性基を有する塩基性化合物とヘパ
リン塩から合成されるイオン結合複合体10重量部を下
限値とし、40重量部を上限値とした範囲、および、
(b)前記イオン結合複合体と共重合可能な親水性及び
/又は疎水性単量体1〜20重量部、好ましくは1〜1
3重量部、特に好ましくは3〜13重量部、または、
(b)前記イオン結合複合体と共重合可能な親水性及び
/又は疎水性単量体1重量部を下限値とし、20重量部
を上限値とした範囲とから得られる重合体と、(B)ポ
リウレタン40〜80重量部、好ましく50〜80重量
部、特に好ましくは61〜75重量部、または、(B)
ポリウレタン40重量部を下限値とし、80重量部を上
限値とした範囲とから構成されていることを特徴とする
抗血液凝固性材料である。
【0010】好ましくは、本発明は、(A)(a)重合
性官能性基を有する塩基性化合物とヘパリン塩から合成
されるイオン結合複合体10〜40重量部、好ましくは
15〜35重量部、特に好ましくは20〜30重量部、
または、(a)重合性官能性基を有する塩基性化合物と
ヘパリン塩から合成されるイオン結合複合体10重量部
を下限値とし、40重量部を上限値とした範囲、(b)
前記イオン結合複合体と共重合可能な親水性及び/又は
疎水性単量体1〜20重量部、好ましくは1〜13重量
部、特に好ましくは3〜13重量部、または、(b)前
記イオン結合複合体と共重合可能な親水性及び/又は疎
水性単量体1重量部を下限値とし、20重量部を上限値
とした範囲および、(c)必要に応じて架橋剤とから得
られる重合体と、(B)ポリウレタン40〜80重量
部、好ましく50〜80重量部、特に好ましくは61〜
75重量部、または、(B)ポリウレタン40重量部を
下限値とし、80重量部を上限値とした範囲とから構成
されていることを特徴とする抗血液凝固性材料である。
【0011】本発明の抗血液性凝固性材料は、抗血液凝
固性材料の曇値(Haze)が、95%以下、さらに8
7%以下、特に70%以下、より特に60%以下また
は、上限値として95%が好ましく、抗血液凝固性材料
の光沢度(Gloss)が、2以上、さらに6以上、特
に20以上、より特に30以上または、下限値として2
が好ましい。
【0012】重合性官能性基を有する塩基性化合物とし
ては、重合性官能性基として、例えばビニル基、アクリ
ロイル基またはメタクリロイル基などを有するととも
に、塩基性残基として、例えば、第3級アミノ基、第4
級アンモニウム基または第4級ピリジニウム基などの塩
基性残基を有する化合物であり、ヘパリン塩とイオン結
合することにより水難溶性で、かつ、有機溶剤に可溶性
の複合体を形成できるものである。
【0013】重合性官能性基を有する塩基性化合物とし
て、例えば、一般式(I)および/または、一般式(I
I)で示される化合物を挙げることが出来る。
【0014】
【化5】 (一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表
し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
は1〜6の整数を表す)
【0015】
【化6】 (一般式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表
し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
は1〜6の整数を表す) なお、一般式(I)および/または、一般式(II)で示
される化合物において、R4基は、イオン結合複合体を
水に難溶性で、かつ、有機溶剤に可溶性にするため、さ
らには取り扱いの容易さなどから、炭素数8〜18のア
ルキル基であることが好ましく、Xの陰性原子群として
は、弗素、塩素、臭素、沃素などのハロゲン原子が好ま
しい。
【0016】上記の一般式(I)で示される化合物の具
体例としては、N,N−ジメチル−N−へキシルアンモ
ニオエチル(メタ)アクリレートブロミド、N,N−ジ
メチル−N−オクチルアンモニオエチル(メタ)アクリ
レートブロミド、N,N−ジメチル−N−デシルアンモ
ニオエチル(メタ)アクリレートブロミド、N,N−ジ
メチル−N−ドデシルアンモニオエチル(メタ)アクリ
レートブロミド、N,N−ジメチル−N−テトラデシル
アンモニオエチル(メタ)アクリレートブロミド、N,
N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオエチル(メ
タ)アクリレートブロミド、N,N−ジメチル−N−オ
クタデシルアンモニオエチル(メタ)アクリレートブロ
ミド、N,N−ジメチル−N−エイコシルアンモニオエ
チル(メタ)アクリレートブロミド、N,N−ジメチル
−N−ドコシルアンモニオエチル(メタ)アクリレート
ブロミド等を挙げることが出来る。
【0017】上記の一般式(II)で示される化合物の具
体例としては、N(N’,N’−ジメチル−N’−へキ
シルアンモニオプロピル)(メタ)アクリルアミドブロ
ミド、N(N’,N’−ジメチル−N’−オクチルアン
モニオプロピル)(メタ)アクリルアミドブロミド、N
(N’,N’−ジメチル−N’−デシルアンモニオプロ
ピル)(メタ)アクリルアミドブロミド、N(N’,
N’−ジメチル−N’−ドデシルアンモニオプロピル)
(メタ)アクリルアミドブロミド、N(N’,N’−ジ
メチル−N’−テトラデシルアンモニオプロピル)(メ
タ)アクリルアミドブロミド、N(N’,N’−ジメチ
ル−N’−へキサデシルアンモニオプロピル)(メタ)
アクリルアミドブロミド、N(N’,N’−ジメチル−
N’−オクタデシルアンモニオプロピル)(メタ)アク
リルアミドブロミド、N(N’,N’−ジメチル−N’
−エイコシルアンモニオプロピル)(メタ)アクリルア
ミドブロミド、N(N’,N’−ジメチル−N’−ドコ
シルアンモニオプロピル)(メタ)アクリルアミドブロ
ミド等を挙げることができる。
【0018】一般式(I)または一般式(II)で示され
る化合物は、下記の反応式(1)または反応式(2)に
より合成することができる。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】次に、上記反応式(1)及び反応式(2)
に基づいて塩基性化合物の合成方法を詳しく説明する。
まず、等モル量の一般式(III)又は一般式(IV)と、
一般式(V)で示される化合物とをジメチルホルムアミ
ド等の有機溶媒に添加し、溶解させる。次いで、ジブチ
ルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤をさらに添加した
のち、60〜80℃の温度で数時間〜数十時間加熱し、
反応を行うことにより、一般式(I)又は一般式(II)
で示される化合物を得ることができる。
【0022】反応式(1)で用いる一般式(III)で示
される化合物の具体例としては,N,N−ジメチルアミ
ノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルア
ミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0023】一般式(V)で示される化合物の具体例と
しては、へキシルブロミド、オクチルブロミド、デシル
ブロミド、ドデシルブロミド、テトラデシルブロミド、
ヘキサデシルブロミド、オクタデシルブロミド、エイコ
シルブロミド、ドコシルブロミドまたは、それぞれに対
応する塩化物もしくはヨウ化物等を挙げることができ
る。
【0024】反応式(2)で用いる一般式(IV)で示さ
れる化合物の具体例としては、N(N’,N’−ジメチ
ルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N(N’,
N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミ
ド、N(N’,N’−ジメチルアミノブチル)(メタ)
アクリルアミド、N(N’,N’−ジメチルアミノヘキ
シル)(メタ)アクリルアミド、N(N’,N’−ジエ
チルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N
(N’,N’−ジプロピルアミノプロピル)(メタ)ア
クリルアミド等を挙げることができる。
【0025】イオン結合複合体は、上記の重合性官能性
基を有する塩基性化合物幼単量体の水溶液とヘパリン塩
水溶液とを反応させることにより、製造することができ
る。ここで用いるヘパリン塩は、その塩型は特に制限さ
れないが、通常はヘパリンナトリウムが用いられる。
【0026】反応に用いる塩基性化合物とヘパリン塩の
量は、例えば、一般式(I)又は一般式(II)で示され
る化合物と、ヘパリンナトリウムを用いた場合、ヘパリ
ンナトリウム1gに対して、一般式(I)又は一般式
(II)で示される化合物が1〜12ミリモル、さらに2
〜8ミリモルであることが好ましい。
【0027】反応条件は、10〜40℃、さらに15〜
30℃の反応温度、10〜300分間、さらに30〜1
80分間の反応時間で行うことが好ましい。
【0028】このようにしてイオン結合複合体を得るこ
とができる。かかる方法によると、カチオン性基を有す
る高分子材料とヘパリン塩水溶液との接触による従来の
ヘパリン化法に比べて、カチオン性基を有する化合物
が、比較的低分子量であることから、前記化合物とヘパ
リン塩がより多くの結合点で結合するために、高分子化
した場合にヘパリン塩をより強固に保持することができ
る。また、かかるイオン結合複合体は含有されるヘパリ
ン塩量は特に制限されないが、一定水準の抗血液凝固性
を保持するためにはヘパリン塩に含有されているイオウ
含有量として、0.5〜12重量%になるようにヘパリ
ン塩が含有されていることが好ましく、同様に1〜8重
量%になるようにヘパリン塩が含有されていることがさ
らに好ましい。
【0029】(a)成分のイオン結合複合体と共重合し
得る(b)成分の親水性単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、アクリルグリシンアミド、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー卜、メトキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルラクタム、ジアセトンアクリル
アミドから選ばれる1種以上を用いることができる。ま
た、同様の疎水性の単量体としては、例えば、スチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレ
ー卜、(メタ)アクリロニトリル、アルキル置換スチレ
ン、ビニルイソブチルエーテル、ビニルプロピオネー
ト、ビニルブチレート等から選ばれる1種以上を用いる
ことができる。特にイオン結合複合体と共重合可能な親
水性及び/又は疎水性単量体が、ヒドロキシエチルメタ
クリレートが好ましい。
【0030】親水性単量体及び/又は疎水性単量体は、
得られる抗血液凝固性材料の使用目的に応じて,すなわ
ち前記材料に必要な親水性の程度に応して、適宜、各々
単独で用いるか、併用するかを選択することができる。
【0031】(c)成分の架橋剤は、必須成分ではない
が、これを配合することにより(A)成分の重合体を網
状構造にすることができ、その結果、抗血液凝固性材料
を(A)成分と(B)成分のマトリックスからなる相互
侵入網目構造(IPN:Interpenatrati
ng Polymer Ntwork)にすることがで
きる。抗血液凝固性材料をかかる相互侵入網目構造にす
ることによって、ヘパリン塩の保持力をさらに高めるこ
とができるばかりでなく、前記材料の弾性などの機械的
特性を高めることができるために、医療用具の構成材料
としてはより好ましい。
【0032】(c)成分の架橋剤としては、例えば、ジ
ビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド
やエチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアルキレン
ビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート及びジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート等から出ばれる1種以上を用いることがで
きる。
【0033】(c)成分の架橋剤の配合割合は(a)〜
(c)成分の合計量中において、0〜60重量%であ
り、好ましくは0.05〜40量量%である。
【0034】上記の(a)〜(c)成分は、後述するよ
うに抗血液凝固性材料中においては、これらから得られ
る(A)成分の重合体として存在するものである。本発
明の抗血液凝固性材料は、(A)成分の重合体と共に構
成するポリウレタンは,前記材料中においてマトリック
スとして存在するものである。
【0035】ポリウレタンとしては、有機溶剤に溶解す
るものであればどのようなものでも用いることが出来、
ポリエステルをセグメントとするセグメント化ポリエス
テルウレタン、ポリエーテルをセグメントとするセグメ
ント化ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートををセ
グメントとするセグメント化ポリカーボネートウレタン
などのポリウレタンが好ましい。特に、ハードセグメン
トとしてジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタンや
ジイソシアン酸4,4’−ジシクロヘキシルメタン、ソ
フトセグメントとしてポリテトラメチレングリコール
と、鎖延長剤として1,4−ブタンジオールなどのアル
キルジオールとからなるセグメント化ポリエーテルウレ
タンが好ましい。
【0036】ポリウレタンとしては、ダウコーニング社
製Pellethane、日本ポリウレタン社製NKY
−26、Thermedics社製Tecoflexな
どのセグメント化ポリエーテルウレタン、The Po
lymer Technology Group社製B
ionateなどのセグメント化ポリカーボネートウレ
タンが好ましい。
【0037】ポリウレタンの重量平均分子量(Mw)
は、1×104〜1×106、さらに5×104〜5×1
5、特に1×105〜4×105が好ましい。ポリウレ
タンの重量平均分子量(Mw)は、下限値として1×1
4から上限値として1×106の範囲が好ましい。
【0038】ポリウレタンの分子量分布(Mw/Mn)
は、1.0〜7.0、さらに2.0〜7.0、特に2.
0〜5.0、より特に2.0〜3.0が好ましい。ポリ
ウレタンの分子量分布(Mw/Mn)は、下限値として
1.0、特に2.0から、上限値として7.0の範囲が
好ましい。
【0039】また。(a)〜(c)成分及び(B)成分
を混合する場合は、必要に応じて有機溶剤を用いること
ができる。かかる有機溶剤としては、例えば、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、テトラハイドロフラン、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、ジオキサン及び
N−メチルピロリドン等から選ばれる1種以上を挙げる
ことができる。混合方法は特に制限されず、各成分を均
一になるように混合できる方法であれば如何なる方法で
あってもよい。
【0040】重合方法としては、ラジカル重合又はイオ
ン重合を適用することができるが、これらの中でもラジ
カル重合が好ましい。ラジカル重合を行う場合には、必
要に応じて重合開始剤を用いることができる。この重合
開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチルニトリル
等のアゾ化合物、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメ
ンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキンド化合物、
ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等
のジアルキルペルオキシド化合物、ラウロイルペルオキ
シド、ベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシ
ド化合物等の有機系過酸化物等を挙げることができる。
かかる重合開始剤の添加量は、(a)〜(c)成分及び
(B)成分の合計量に対して、下限値として0.000
5重量%から上限値として10重量%の範囲が好まし
い。
【0041】重合温度は、10〜100℃、さらに40
〜90℃が好ましい。また、重合時間は、1時間〜5日
間、特に2時間〜3日間が好ましい。
【0042】このようにして本発明の抗血液凝固性材料
を得ることができる。なお、本発明の抗血液凝固性材料
においては、(A)成分の重合体と(B)成分の高分子
化合物とが物理的に結合した状態(特に、(c)成分の
架橋剤を必須成分とした場合には、(A)成分と(B)
成分からなる相互侵入網目構造を形成している)で存在
しているが、本発明の抗血液凝固性材料においては、か
かる物理的結合状態のみならず、(A)成分と(B)成
分がその一部で化学的に結合した状態のものも含まれ
る。かかる抗血液凝固性材料は、人工心臓、人工心臓
弁、人工血管、血管カテーテル、カニューレ、人工心
肺、血管バイパスチューブ、大動脈内バルーンポンピン
グ、輸血用具、体外血液循環回路などの血液と接触する
部位で使用される各種医療用具の構成材料として有用で
ある。
【0043】本発明の抗血液性凝固性材料は、イオン結
合複合体中のヘパリン合有量が、前記ヘパリンに合有さ
れているイオウ合有量として0.5〜12重量%である
ことが好ましい。
【0044】本発明の抗血液性凝固性材料を塗布した医
療器具、医療機器としては、人工心臓、人工心臓弁、人
工血管、血管カテーテル、カニューレ、人工心肺、血管
バイパスチューブ、輸血用具、体外循環回路などの血液
と接触する部位に使用される各種医療器具、医療機器を
挙げることが出来る。
【0045】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0046】[透明性評価方法]透明性の評価は、抗血
液凝固性材料を5重量%の濃度で溶解したDMF溶液1
mlを、よく洗浄した75mm×25mmのスライドガ
ラスの片面に均一に塗布し、乾燥空気流通下、25℃で
乾燥を行ない、抗血液凝固性材料を塗布したスライドガ
ラスを用いて行った。透明性評価は、JIS K710
5に従い日本電色製のNDH−1001DPを用いて曇
値(Haze)および光沢値(Gloss)を測定し
た。
【0047】[実施例1] ・反応式(3)による4級化反応 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(式III
a)303.0gおよびドデシルブロミド(式Va)49
9.0gと、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトル
エン29gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
1010mlに溶かし、100℃で8時間加熱撹拌し、
4級化反応を行なった。得られた反応液は、減圧下、6
0℃で、溶媒N,N−ジメチルホルムアミドを除去し、
固形物を得た。この固形物に酢酸エチル2000mlを
加え、溶解させた後、ろ過を行い、ろ液を得た。このろ
液を用いて、再結晶を行った。さらに、同様の再結晶操
作を2回行い、無色の燐片状晶613.2gを得た。元
素分析の結果、得られた無色の燐片状晶は、4級化単量
体であるN,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウム
エチルメタクリレートブロミド(式Ia)であった。元
素分析結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【化9】
【0050】・4級化単量体−ヘパリンイオン結合複合
体(HICa)の合成 N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムエチルメ
タクリレートブロミド(式Ia)300gを蒸留水27
00gに溶解させた10重量%溶液と、ヘパリンNa2
00gを蒸留水1800gに溶解させた10重量%溶液
とを混合させた。混合後、液中に無色の固形状の沈澱物
が生成した。沈殿物を濾過により回収後、蒸留水で洗浄
後、乾燥した。得られた沈殿物は、4級化単量体−ヘパ
リンイオン結合複合体(HICa)であり、この4級化
単量体−ヘパリンイオン結合複合体(HICa)のイオ
ウ含有量は、元素分析の結果4.5%であった。このイ
オウ含有量は、すべてヘパリンに由来するものである。
【0051】・抗血液凝固性材料Aの合成 4級化単量体−ヘパリンイオン結合複合体(HICa)
3.3gを、DMF112.5mlに溶解させた溶液
に、精製ポリウレタン(PU)(日本ポリウレタン社
製:NKY−26)7.5gと、ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)1.8gとを加え、窒素置換
後、60℃に加温した。さらに、ラジカル重合開始剤と
して2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIB
N)を0.08gを加え、160rpmの撹拌速度で撹
拌しながら、反応温度60℃で15時間重合を行ない、
抗血液凝固性材料Aを得た。得られた抗血液凝固性材料
Aは、ポリウレタン(PU)60重量部、4級化単量体
−ヘパリンイオン結合複合体(HICa)26重量部お
よびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14
重量部の組成割合であった。
【0052】・透明性評価 抗血液凝固性材料Aの透明性評価を行い、結果を表3に
示した。
【0053】・抗血液凝固性評価 コーティング溶液を内径7mmの軟質塩化ビニル製チュ
ーブ(医療用グレード)に塗布、乾燥して、抗血液凝固性
材料Aを内面に塗布したチューブを作成した。臨床検査
技法(金原出版 改訂版第29版、1983年)に記載のリーホ
ワイト試験に従い、抗血液凝固性材料Aを内面に塗布し
たチューブの内面に山羊新鮮血を接触させ、抗血液凝固
性能の評価を行った。血液接触90分経過後、凝血は見
られず、十分な抗血液凝固性を有していることが確認で
きた。
【0054】[実施例2] ・反応式(4)による4級化反応 N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(式
IVa)188.2gおよびドデシルブロミド(式Va)2
66.7gと、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシト
ルエン7gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
600mlに溶かし、70℃で6時間加熱撹拌し、4級
化反応を行なった。得られた反応液は、減圧下、60℃
で、溶媒N,N−ジメチルホルムアミドを除去し、固形
物を得た。この固形物に酢酸エチル1000mlを加
え、溶解させた後、ろ過を行い、ろ液を得た。このろ液
を用いて、再結晶を行った。さらに、同様の再結晶操作
を2回行い、無色の真珠様光沢がある結晶247.9g
を得た。元素分析の結果、得られた無色の結晶は、4級
化単量体であるN,N−ジメチル−N−ドデシルアンモ
ニウムプロピルメタクリルアミドブロミド(式IIa)で
あった。元素分析結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
【化10】
【0057】・4級化単量体−ヘパリンイオン結合複合
体(HICb)の合成 N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムプロピル
メタクリルアミドブロミド(式IIa)300gを蒸留水
2700gに溶解させた10重量%溶液と、ヘパリンN
a200gを蒸留水1800gに溶解させた10重量%
溶液とを混合させた。混合後、液中に無色の固形状の沈
澱物が生成した。沈殿物を濾過により回収後、蒸留水で
洗浄後、乾燥した。得られた沈殿物は、4級化単量体−
ヘパリンイオン結合複合体(HICb)であり、この4
級化単量体−ヘパリンイオン結合複合体(HICb)の
イオウ含有量は、元素分析の結果4.5%であった。こ
のイオウ含有量は、すべてヘパリンに由来するものであ
る。
【0058】・抗血液凝固性材料Bの合成 4級化単量体−ヘパリンイオン結合複合体(HICb)
3.3gを、DMF112.5mlに溶解させた溶液
に、精製ポリウレタン(PU)(日本ポリウレタン社
製:NKY−26)7.5gと、ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)1.8gとを加え、窒素置換
後、60℃に加温した。さらに、ラジカル重合開始剤と
して2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIB
N)を0.08gを加え、160rpmの撹拌速度で撹
拌しながら、反応温度60℃で15時間重合を行ない、
抗血液凝固性材料Bを得た。得られた抗血液凝固性材料
Bは、ポリウレタン(PU)60重量部、4級化単量体
−ヘパリンイオン結合複合体(HICb)26重量部お
よびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14
重量部の重量割合である。
【0059】・透明性評価 抗血液凝固性材料Bの透明性評価を行い、結果を表3に
示した。
【0060】・抗血液凝固性評価 コーティング溶液を内径7mmの軟質塩化ビニル製チュ
ーブ(医療用グレード)に塗布、乾燥して、抗血液凝固性
材料Aを内面に塗布したチューブを作成した。臨床検査
技法(金原出版 改訂版第29版、1983年)に記載のリーホ
ワイト試験に従い、抗血液凝固性材料Aを内面に塗布し
たチューブの内面に山羊新鮮血を接触させ、抗血液凝固
性能の評価を行った。血液接触90分経過後、凝血は見
られず、十分な抗血液凝固性を有していることが確認で
きた。
【0061】[実施例3] ・抗血液凝固性材料Cの合成 実施例2で合成した4級化単量体−ヘパリンイオン結合
複合体(HICb)3.5gを、DMF112.5ml
に溶解させた溶液に、精製ポリウレタン(PU)(日本
ポリウレタン社製:NKY−26)8.0gと、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)1.0gとを加
え、窒素置換後、60℃に加温した。さらに、ラジカル
重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)(AIBN)を0.08gを加え、反応温度60
℃で15時間撹拌しながら重合を行ない、抗血液凝固性
材料Cを得た。得られた抗血液凝固性材料Cは、ポリウ
レタン(PU)64重量部、4級化単量体−ヘパリンイ
オン結合複合体(HICb)28重量部およびヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)8重量部の重量割
合である。
【0062】・透明性評価および抗血液凝固性評価 実施例2と同様の方法に従い、透明性評価および抗血液
凝固性評価を行った。透明性評価の結果は、表3に示し
た。抗血液凝固性評価の結果は、血液接触90分経過
後、凝血は見られず、十分な抗血液凝固性を有している
ことが確認できた。
【0063】[実施例4] ・抗血液凝固性材料Dの合成 実施例2で合成した4級化単量体−ヘパリンイオン結合
複合体(HICb)3.5gを、DMF112.5ml
に溶解させた溶液に、精製ポリウレタン(PU)(日本
ポリウレタン社製:NKY−26)8.4gと、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)0.6gとを加
え、窒素置換後、60℃に加温した。さらに、ラジカル
重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)(AIBN)を0.08gを加え、反応温度60
℃で15時間撹拌しながら重合を行ない、抗血液凝固性
材料Dを得た。得られた抗血液凝固性材料Dは、ポリウ
レタン(PU)67重量部、4級化単量体−ヘパリンイ
オン結合複合体(HICb)28重量部およびヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)5重量部の重量割
合である。
【0064】・透明性評価および抗血液凝固性評価 実施例2と同様の方法に従い、透明性評価および抗血液
凝固性評価を行った。透明性評価の結果は、表3に示し
た。抗血液凝固性評価の結果は、血液接触90分経過
後、凝血は見られず、十分な抗血液凝固性を有している
ことが確認できた。
【0065】[実施例5] ・抗血液凝固性材料Eの合成 実施例2で合成した4級化単量体−ヘパリンイオン結合
複合体(HICb)3.0gを、DMF112.5ml
に溶解させた溶液に、精製ポリウレタン(PU)(日本
ポリウレタン社製:NKY−26)7.1gと、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)2.4gとを加
え、窒素置換後、60℃に加温した。さらに、ラジカル
重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)(AIBN)を0.08gを加え、反応温度60
℃で15時間撹拌しながら重合を行ない、抗血液凝固性
材料Eを得た。得られた抗血液凝固性材料Eは、ポリウ
レタン(PU)57重量部、4級化単量体−ヘパリンイ
オン結合複合体(HICb)24重量部およびヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)19重量部の重量
割合である。
【0066】・透明性評価および抗血液凝固性評価 実施例2と同様の方法に従い、透明性評価および抗血液
凝固性評価を行った。透明性評価の結果は、表3に示し
た。抗血液凝固性評価の結果は、血液接触90分経過
後、凝血は見られず、十分な抗血液凝固性を有している
ことが確認できた。
【0067】[実施例6] ・抗血液凝固性材料Fの合成 実施例1で合成した4級化単量体−ヘパリンイオン結合
複合体(HICa)2.5gを、DMF112.5ml
に溶解させた溶液に、精製ポリウレタン(PU)(日本
ポリウレタン社製:NKY−26)8.8gと、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)1.3gとを加
え、窒素置換後、60℃に加温した。さらに、ラジカル
重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)(AIBN)を0.08gを加え、反応温度60
℃で15時間撹拌しながら重合を行ない、抗血液凝固性
材料Fを得た。得られた抗血液凝固性材料Fは、ポリウ
レタン(PU)70重量部、4級化単量体−ヘパリンイ
オン結合複合体(HICa)20重量部およびヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)10重量部の重量
割合である。
【0068】・透明性評価および抗血液凝固性評価 実施例1と同様の方法に従い、透明性評価および抗血液
凝固性評価を行った。透明性評価の結果は、表3に示し
た。抗血液凝固性評価の結果は、血液接触90分経過
後、凝血は見られず、十分な抗血液凝固性を有している
ことが確認できた。
【0069】[比較例1] ・抗血液凝固性材料Gの合成 実施例1で合成した4級化単量体−ヘパリンイオン結合
複合体(HICa)2.5gを、DMF112.5ml
に溶解させた溶液に、精製ポリウレタン(PU)(日本
ポリウレタン社製:NKY−26)6.3gと、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)3.8gとを加
え、窒素置換後、60℃に加温した。さらに、ラジカル
重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)(AIBN)を0.08gを加え、反応温度60
℃で15時間撹拌しながら重合を行ない、抗血液凝固性
材料Gを得た。得られた抗血液凝固性材料Gは、ポリウ
レタン(PU)50重量部、4級化単量体−ヘパリンイ
オン結合複合体(HICa)20重量部およびヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)30重量部の重量
割合である。
【0070】・透明性評価および抗血液凝固性評価 実施例2と同様の方法に従い、透明性評価および抗血液
凝固性評価を行った。透明性評価の結果は、表3に示し
た。抗血液凝固性評価の結果は、血液接触90分経過
後、凝血は見られず、十分な抗血液凝固性を有している
ことが確認できた。
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明は、優れた抗血液凝固性(抗血栓
性)を有し、人工心臓、人工心臓弁、人工血管、血管カ
テーテル、カニューレ、人工心肺、血管バイパスチュー
ブ、輸血用具、体外循環回路などの血液と接触する部位
に使用される各種医療器具、医療機器の構成材料として
用いる場合透明性の優れた抗血液凝固性材料を提供する
ことができる。さらに本発明の抗血液凝固性材料は、抗
血液凝固性材料を塗布した透明性、光沢性の優れた医療
器具、医療機器を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB13 AB17 AB32 AB34 AB35 AC08 BA03 BA05 BA06 BB03 CA041 CA082 CA102 CA211 CC01 CC05 CC08 CD062 DA03 DA15 DC03 DC12 EA03 EA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)重合性官能性基を有する塩基
    性化合物とヘパリン塩から合成されるイオン結合複合体
    10〜40重量部、および、(b)前記イオン結合複合
    体と共重合可能な親水性及び/又は疎水性単量体1〜2
    0重量部とから得られる重合体と、(B)ポリウレタン
    40〜80重量部とから構成されていることを特徴とす
    る抗血液凝固性材料。
  2. 【請求項2】抗血液凝固性材料の曇値(Haze)が、
    95%以下であることを特徴とする許請求の範囲第1項
    記載の抗血液性凝固性材料。
  3. 【請求項3】重合性官能性基を有する塩基性化合物が、
    下記一般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表
    し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
    よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
    〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
    は1〜6の整数を表す)および/または、下記一般式
    (II) 【化2】 (一般式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表
    し、R2及びR3は互いに同一であっても異なっていても
    よい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は炭素数6
    〜22のアルキル基を表し、Xは陰性原子群を表し、n
    は1〜6の整数を表す)で示される化合式である特許請
    求の範囲第1〜2項記載の抗血液凝固性材料。
  4. 【請求項4】イオン結合複合体と共重合可能な親水性及
    び/又は疎水性単量体が、ヒドロキシエチルメタクリレ
    ートであることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項
    記載の抗血液性凝固性材料。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1〜4項記載の抗血液性
    凝固性材料を塗布した医療器具、医療機器。
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JP2007504856A (ja) * 2003-09-09 2007-03-08 ボストン サイエンティフィック リミテッド 潤滑性コーティング
CN112225834A (zh) * 2020-07-29 2021-01-15 北京米道斯医疗器械股份有限公司 烯官能化的肝素化合物及其应用

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