JP2000139491A - アデノシン(チミジン)−5’,5’’’−p1,p4−テトラリン酸の製造方法 - Google Patents

アデノシン(チミジン)−5’,5’’’−p1,p4−テトラリン酸の製造方法

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JP2000139491A
JP2000139491A JP10316058A JP31605898A JP2000139491A JP 2000139491 A JP2000139491 A JP 2000139491A JP 10316058 A JP10316058 A JP 10316058A JP 31605898 A JP31605898 A JP 31605898A JP 2000139491 A JP2000139491 A JP 2000139491A
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isoleucyl
adenosine
thymidine
ap4t
triphosphate
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Hideki Yamamoto
英樹 山元
Mayumi Hayashi
まゆみ 林
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アデノシン(チミジン)−5',5'''−P1,
P4−テトラリン酸(以下、Ap4Tという。)を高濃
度・高収率で合成する方法を提供する。 【解決手段】アデノシン5'−トリリン酸と、チミジン
5'−トリリン酸と、イソロイシンを反応基質として用
い、イソロイシル−tRNA合成酵素の触媒作用により
特定のAp4Tを生成させることを特徴とするAp4T
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品又はその原
料として有用な下記構造式で示されるアデノシン(チミ
ジン)−5',5'''−P1,P4−テトラリン酸(以下
Ap4Tという。)の製造方法に関するものであり、特
に工業的に有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【化1】
【0003】
【従来の技術】従来、ジヌクレオシドポリリン酸が、ア
ミノアシル−tRNA合成酵素の触媒作用により、アデ
ノシン5'−トリリン酸(以下ATPという。)とヌク
レオシドポリリン酸から合成されることが知られていた
(特開平1−104191号公報参照)。また、ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサエティー(J.Chem.
Soc.)パーキン・トランス1、2009、(199
6)では、リジル−tRNA合成酵素を用いてアデノシ
ン(2'−デオキシチミジン)−5',5'''−P1,P
4−テトラリン酸を合成することが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リジル−tR
NA合成酵素を用いてAp4Tを合成した場合、基質で
あるATP及びチミジン5'−トリリン酸(以下TTP
という。)の濃度を低くしても、特に高価であるTTP
に対する収率が悪く、副生成物であるアデノシン(アデ
ニン)−5',5'''−P1,P4−テトラリン酸(以下
Ap4Aという。)が多く生成するという問題点があっ
た。このため、Ap4Tを高濃度・高収率で合成するこ
とが困難であった。本発明は、高濃度・高収率でAp4
Tを製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
課題を解決するために鋭意検討の結果、イソロイシル−
tRNA合成酵素の触媒作用を利用することにより、高
濃度かつ高収率にAp4Tを合成できることを見出し本
発明に到達した。すなわち、本発明は、ATPと、TT
Pと、イソロイシンとを反応基質として用い、イソロイ
シル−tRNA合成酵素の触媒作用によりAp4Tを生
成させることを特徴とするAp4Tの製造方法を要旨と
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるイソロイシル−tRNA合成酵素と
しては、その由来は特に限定されるものではなく、例え
ばエシェリチア・コリ、バチルス・ステアロサーモフィ
ルス等の微生物由来のものが挙げられる。また、イソロ
イシル−tRNA合成酵素としては、市販の酵素を使用
してもよいし、これらの微生物を培養し
【0007】これらの微生物を培養してイソロイシル−
tRNA合成酵素を得るには、通常の方法に従って菌体
を培養した後、例えば圧破砕機や超音波破砕機、ダイノ
ミル(商標名)等を用いる方法又はリゾチーム、トリト
ン等を添加する方法等によって細胞を破砕し、ろ過や遠
心分離を行えばよい。本発明においては、このようにし
て得られるイソロイシル−tRNA合成酵素の抽出物を
そのまま用いてもよく、さらに塩析、カラムクロマトグ
ラフィー等の通常行われている方法によって精製された
イソロイシル−tRNA合成酵素を用いてもよい。
【0008】本発明においては、膜型又はカラム型等の
反応器を用いて連続的にAp4Tを合成してもよいし、
バッチ式の反応器を用いて合成してもよい。反応器とし
て膜型反応器を用いると、酵素は高分子物質であるのに
対して反応生成物は低分子であるので、酵素がそのまま
反応器の中にとどまった状態で使用することができるの
で特に有効である。また、カラム型反応器を用いる場合
には、使用する酵素を適当な担体、例えば、セルロー
ス、デキストラン、アガロース等のような多糖類の誘導
体、ポリスチレン、エチレン−マレイン酸共重合体、架
橋ポリアクリルアミド等のようなビニルポリマーの誘導
体、L−アラニン、L−グルタミン酸共重合体、ポリア
スパラギン酸等のようなポリアミノ酸またはアミドの誘
導体、ガラス、アルミナ、ヒドロキシアパタイト等のよ
うな無機物の誘導体等に結合、包括あるいは吸着させ
て、いわゆる固定化酵素としてカラムに充填して使用す
ればよい。
【0009】以下に、バッチ式の反応器でAp4Tを製
造する場合を例にとり、反応条件について説明する。反
応液中のATP及びTTPの濃度としては、10μM以
上、特に100μM〜100mM、さらに1〜30mM
が適当である。また、イソロイシンの濃度としては、
0.1μM以上、特に1μM〜10mMが好ましい。
【0010】さらに、本発明においては、反応をスムー
ズに進めるために、ピロフォスファターゼや、マグネシ
ウムイオン、マンガンイオン、カルシウムイオン、亜鉛
イオン、コバルトイオン、カドミウムイオン等の金属イ
オンを添加してもよい。反応のpHとしては、おおむね
中性付近、すなわちpH5〜11、好ましくはpH6〜
9の範囲で使用され、pHは緩衝液で調節することがで
きる。このときに使用する緩衝液としては、イソロイシ
ル−tRNA合成酵素、イソロイシン、ATP、TTP
などが溶解し、また酵素活性を維持し、所定のpHが得
られるものであれば、いかなるものを使用してもよい。
具体例として、トリス緩衝液、ヘペス緩衝液などのグッ
ド緩衝液、イミダゾール緩衝液、トリエタノールアミン
【0011】また、反応の温度としては、酵素の失活が
起こらず、反応がスムーズに進行する範囲であれば特に
限定されるものではないが、20〜80℃、特に30〜
55℃の範囲が好ましい。反応の時間としては、1〜1
00時間が好ましく、特に4〜50時間が好ましい。
【0012】また、反応時に、有機溶媒を共存させるこ
とが好ましく、有機溶媒としては、特に限定されるもの
ではないが、アルコール類を用いることが好ましく、特
に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等
が好ましい。反応液中の有機溶媒の濃度としては、1〜
90v/v%が好ましく、10〜60v/v%がさらに
好ましい。反応液中に有機溶媒を共存させることによ
り、Ap4Tの生成量が増加し、さらに反応副生成物で
あるAp4Aの生成量に対するAp4Tの生成量が増加
するために好ましい。
【0013】このようにして合成したAp4Tは、イオ
ン交換クロマトグラフィー等一般に広く用いられている
方法で精製し、単離することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。本発明においてAp4T及びAp4Aの定量は高
速液体クロマトグラフィー(以下HPLCという。)を
用いて以下のようにして行った。すなわち、カラムはウ
ォーターズ社製ノバパックC18を用い、過塩素酸テト
ラブチルアンモニウム 3mM、リン酸1カリウム 3
0mM、メタノール 15v/v%、水 85v/v%
の溶液を移動相として、流速1.0ml/分で流し、検
出はUVの吸収(λ=254nm)を測定することによ
り行った。
【0015】参考例1 エシェリチア・コリN4830−1/pSI10(微工
研菌寄第P−13907号)の菌体5gを、5倍量の2
mMの2−メルカプトエタノール及び2mMのエチレン
ジアミン四酢酸ナトリウムを含む25mMのリン酸カリ
ウム緩衝液(pH8.0)に懸濁し、ソニケータを用い
て細胞を破砕した後、遠心分離により不溶物を除去し、
イソロイシル−tRNA合成酵素を含む粗抽出液を得
た。DEAE−セファロース(ファルマシア社製)を充
填したカラムにこの粗抽出液を通し、0から0.6M塩
化カリウムを含む上記緩衝液で溶出し、イソロイシル−
tRNA合成酵素の活性画分を集め、濃縮、脱塩を行っ
た結果、30キロユニット/mlのイソロイシル−tR
NA合成酵素を含む粗酵素液2.0mlを得た。上記操
作はすべて4℃にて行った。
【0016】参考例2 バチルス・ステアロサーモフィラスNCA1503(微
工研菌寄第P−4778号)の菌体100gを、5倍量
の2mMの2−メルカプトエタノール及び2mMのエチ
レンジアミン四酢酸ナトリウムを含む25mMのリン酸
カリウム緩衝液(pH8.0)に懸濁し、ソニケータを
用いて細胞を破砕した後、遠心分離により不溶物を除去
し、イソロイシル−tRNA合成酵素を含む粗抽出液を
得た。これを参考例1と同様に精製、濃縮及び脱塩する
ことにより、46キロユニット/mlのイソロイシル−
tRNA合成酵素を含む粗酵素液1.0mlを得た。上
記操作はすべて4℃にて行った。
【0017】参考例3 バチルス・ステアロサーモフィラスNCA1503(微
工研菌寄第P−4778号)の菌体100gを、参考例
2と同様に菌体破砕、精製、濃縮及び脱塩することによ
り、23キロユニット/mlのヒスチジル−tRNA合
成酵素を含む粗
【0018】実施例1 ATP5mM、TTP5mM、イソロイシン0.02m
M、塩化マグネシウム15mM、参考例1で得たイソロ
イシル−tRNA合成酵素1000ユニット/ml、イ
ミダゾール緩衝液(pH7.0)25mMからなる反応
溶液を、40℃で30時間反応させてAp4Tを合成し
たところ、1.9mMのAp4Tが生成した。反応生成
物がAp4Tであることは核磁気共鳴スペクトルにより
確認した。
【0019】実施例2 実施例1におけるイソロイシル−tRNA合成酵素を、
参考例2で得たイソロイシル−tRNA合成酵素に代え
た以外は実施例1と同様にバッチ法でAp4Tを合成し
たところ、0.77mMのAp4Tが生成した。反応生
成物がAp4Tであることは核磁気共鳴スペクトルによ
り確認した。
【0020】比較例1 イソロイシル−tRNA合成酵素に代えて参考例3で得
たヒスチジル−tRNA合成酵素を用い、イソロイシン
をヒスチジンに代えた以外は実施例1と同様にバッチ法
でAp4Tを合成したところ、0.34mMのAp4T
が生成した。反応生成物がAp4Tであることは核磁気
共鳴スペクトルにより確認した。
【0021】以上の結果から、アミノアシル−tRNA
合成酵素としてイソロイシル−tRNA合成酵素を用い
ることにより、ATPとTTPから収率よくAp4Tを
合成できることがわかる。
【0022】実施例3 ATP5mM、TTP5mM、イソロイシン5mM、塩
化マグネシウム15mM、塩化亜鉛0.5mM、参考例
1で得たイソロイシル−tRNA合成酵素350ユニッ
ト/ml、イミダゾール緩衝液(pH7.0)25mM
からなる反応溶液に、メタノールを20v/v%又は水
を添加し、40℃で反応させた。反応液の量は100m
lであった反応3時間及び24時間後、それぞれの反応
液で合成されたAp4T及びAp4AをHPLCで分析
し、Ap4T合成量及びAp4A合成量に対するAp4
Tの合成量を求めた。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から、イソロイシル−tRNA合成酵
素を用いてAp4Tを合成する際に、有機溶媒を共存さ
せることにより、Ap4T合成量及びAp4A合成量に
対するAp4Tの合成量を高めることができることがわ
かる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、Ap4Tを高濃度かつ
高収率に合成できる。さらに、高価であるTTPに対す
る収率が高いことから、工業的なAp4Tの製造法とし
てきわめて有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アデノシン5'−トリリン酸と、チミジ
    ン5'−トリリン酸と、イソロイシンとを反応基質とし
    て用い、イソロイシル−tRNA合成酵素の触媒作用に
    よりアデノシン(チミジン)−5',5'''−P1,P4
    −テトラリン酸を生成させることを特徴とするアデノシ
    ン(チミジン)−5',5'''−P1,P4−テトラリン
    酸の製造方法。
JP10316058A 1998-11-06 1998-11-06 アデノシン(チミジン)−5’,5’’’−p1,p4−テトラリン酸の製造方法 Pending JP2000139491A (ja)

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