JPH0453512B2 - - Google Patents

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JPH0453512B2
JPH0453512B2 JP21620682A JP21620682A JPH0453512B2 JP H0453512 B2 JPH0453512 B2 JP H0453512B2 JP 21620682 A JP21620682 A JP 21620682A JP 21620682 A JP21620682 A JP 21620682A JP H0453512 B2 JPH0453512 B2 JP H0453512B2
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JP
Japan
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trna synthetase
amino acid
mixture
aminoacyl
reaction
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Application number
JP21620682A
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JPS59106298A (ja
Inventor
Kazutomo Imahori
Keiichi Yamamoto
Hiroshi Nakajima
Isao Tomioka
Tatsuo Iwasaki
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Priority to DK28283A priority patent/DK28283A/da
Priority to EP83300362A priority patent/EP0086053B1/en
Priority to DE8383300362T priority patent/DE3361649D1/de
Priority to US06/461,307 priority patent/US4572894A/en
Priority to CA000420242A priority patent/CA1194440A/en
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Publication of JPH0453512B2 publication Critical patent/JPH0453512B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ペプチド又はペプチド誘導体の新規
な合成法に関するものである。
近年、ペプチドに種々の生理活性が存在するこ
とが相ついで知られ、治療、診断などの医薬品と
しての重要性並びに呈味物質としての重要性がま
すます増大しつつある。それに伴い、ペプチド合
成法の開発も活発である。現在までに知られてい
るペプチド合成法の主なものとしては、例えばフ
アルマシア、リビユー、3号、24−47頁(1980
年)にまとめられているように、化学合成法と酵
素法の二つに大別することができる。その化学合
成法としては、アジト法、混合酸無水物法、活性
エステル法、カルボジイミド法でアミノ酸を逐次
的に縮合する方法とフラグメントで縮合させる方
法などが代表的なものであるが、これらどの化学
合成法においても、ラセミ化及び副反応が起きや
すく、反応時間が長く、末端アミノ基を保護基に
て反応前にあらかじめ保護しておく必要があるな
ど種々の問題がある。フラグメント縮合法の場
合、特にラセミ化が起こりやすいという重大な欠
点を有するものである。
一方、ラセミ化の生起を極力避ける方法として
プロテアーゼを用いる酵素法が提案されているが
この方法においてもやはり、反応時間が長く、末
端アミノ基を保護基にて保護しておく必要がある
など操作の煩雑さを改良するには至らなかつた。
さらに、このプロテアーゼを用いる酵素法では、
用いる酵素が本来ペプチド分解活性を有している
ため、生じたペプチドが合成と併行して分解さ
れ、しばしば目的のペプチドがえられないという
重大な欠点を示すものであつた。特に、オリゴペ
プチドの合成に適用した場合には、一部のアミノ
酸が欠落した目的外のペプチドが得られる重大な
欠点が指摘しれている(ジヤーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリ−誌、256巻、1301頁
(1981年)。また、酵素法によるペプチド合成法と
しては、プロテア−ゼ法の他に、特定なアミノ酸
配列を有する単一ペプチドの合成のみを司る特殊
な酵素を用いる方法が知られている。この種の酵
素としては、例えばグルタミン酸/システイン/
グリシンの配列であるトリペプチドを合成するグ
ルタチオン合成酵素(特開昭54−122793号公報)
やデカペプチドであるグラミジンSを合成するグ
ラミジンS合成酵素(現在化学1974年12月号12
頁)などが報告されている。しかし、これらの酵
素は特殊な酵素であつて、この酵素によつて合成
しうるペプチドは、限定された一種のみのペプチ
ドであり、目的とする任意なペプチドを合成する
ことができない。このため、この方法は一般的な
ペプチド合成法とはなり得ないのが現状である。
本発明者らは、ペプチドの有用性に鑑み、上記
のような欠点、特にラセミ化、副反応の生起、反
応の煩雑さなどの原因となり、同時に経済性を損
なう保護基の必要性を解決し、汎用性のある新規
なペプチド合成法を提供することを目的として鋭
意研究を重ねた結果、アミノ酸を核酸の一種であ
るtRNAに結合させる作用を有する酵素で、従来
全くペプチド結合を形成する作用が知られていな
かつたアミノアシル−tRNAシンテターゼに驚く
べきことに、ペプチド合成能があることを見いだ
し、この酵素を縮合剤として用いると、前記の目
的がすべて達成されることを見いだし、先に特許
出願した(特願昭57−10336号)。しかし、この方
法はあらかじめアミノアシル−tRNAシンテター
ゼとを反応させて反応混合物を得、次いで得られ
た反応混合物とアミノ酸誘導体とを反応させるも
ので、良好な収率で目的物を得るには、高価なア
ミノアシル−tRNAシンテターゼを高濃度で反応
系に加えており、コストが高くなる傾向があつ
た。そのため、反応後反応液からアミノアシル−
tRNAシンテターゼを分離し、回収する試みも検
討したが、しばしば操作が煩雑となる場合もあり
改良が望まれている。
そこで、本発明者らは上記の点を改良するため
にさらに鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに
あらかじめアミノ酸とアミノ酸誘導体との混合物
を調整した混合物とアミノアシル−tRNAシンテ
ターゼとを混合するか、あるいはあらかじめアミ
ノ酸誘導体とアミノアシル−tRNAシンテターゼ
との混合物を調整し、この調整した混合物とアミ
ノ酸とを混合すると、アミノアシル−tRNAシン
テターゼの濃度を大巾に低くしても良好な収率で
ペプチド又はペプチド誘導体の合成が可能になる
ことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明はアミノ酸とアミノ酸から誘
導されるアミノ酸誘導体とをアミノアシル−
tRNAシンテターゼの存在下で反応させてペプチ
ド又はペプチド誘導体を合成するに際し、あらか
じめアミノ酸とアミノ酸誘導体との混合物を得、
得られた混合物とアミノアシル−tRNAシンテタ
ーゼとを混合するか、あるいはあらかじめアミノ
酸誘導体とアミノアシル−tRNAシンテターゼと
の混合物を得、得られた混合物とアミノ酸とを混
合することを特徴とするペプチド又はペプチド誘
導体の合成法である。
本発明に使用されるアミノアシル−tRNAシン
テターゼは、酵素分類6.1.1に属し、次式 アミノ酸+ATP+tRNA→アミノアシル− tRNA+AMP+ピロリン酸 の反応を触媒する酵素であり、例えばウサギ、ウ
マ、ウシ、ラツト、ニワトリ、ヘビなどの動物組
織より得られるもの、イネ、イモ、トマトなどの
植物組織より得られるもの、カビ、酵母、キノ
コ、細菌、放線菌などの微生物及び藻類より得ら
れるものなどがあげられる。なかでも、酵素の取
得が容易であることから、微生物より得られるも
のが好ましく、さらに酵素の安定性からバチル
ス・ステアロサーモフイルス、サーマス・サーモ
フイルス、サーマス・フラバス、クロストリジウ
ム・サーモアセチカム、サーマスアクアテイカス
などの耐熱性細菌より得られるアミノアシル−
tRNAシンテターゼが最適である。
これらの各種アミノアシル−tRNAシンテター
ゼは、上記組織又は細胞をホモジナイザーやダイ
ノミルなどで破砕したのち、例えばバイオケミス
トリー誌、13巻、2307頁(1974年)に記載されて
いるようにDEAE−セルロースカラムクロマトグ
ラフイー、ヒドロキシアパタイトカラムクロマト
グラフイーなどのクロマトグラフイー及び硫酸ア
ンモニウムによる分別沈殿法など通常の酵素精製
法を用いて、精製することによつて得ることがで
きる。アミノアシル−tRNAシンテターゼは、
種々のα−アミノ酸に特異性のあるものが用いら
れ、例えばチロシンに特異性のあるものとして
は、チロシル−tRNAシンテターゼが、またロイ
シンに特異性のあるものとしては、ロイシル−
tRNAシンテターゼが、さらにバリンに特異性の
あるものとしては、バリル−tRNAシンテター
ゼ、その他イソロシル−tRNAシンテターゼ、フ
エニルアラニル−tRNAシンテターゼ、アラニル
−tRNAシンテターゼ、グルタミル−tRNAシイ
テターゼ、アスパラギニル−tRNAシンテター
ゼ、メチオニル−tRNAシンテターゼ、ヒスチジ
ル−tRNAシンテターゼ、リジル−tRNAシンテ
ターゼ、トレオニル−tRNAシンテターゼ、セリ
ル−tRNAシンテターゼなどが具体的としてあげ
られる。
本発明で好ましく用いられるアミノ酸として
は、例えばチロシン、アラニン、ロイシン、イソ
ロイシン、フエニルアラニン、メチオニン、リジ
ン、セリン、バリンなどのα−アミノ酸があげら
れ、L体、D体のいずれでもよい。また、好まし
く用いられるアミノ酸誘導体としては、例えばグ
リシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、フ
エニルアラニン、グルタミン酸、グルタミン、イ
ソロイシル、システイン、チロシン、アルギニ
ン、バリン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン
酸、メチオニン、トリプトフアン、トレオニンな
どのα−アミノ酸、β−アラニン、β−アミノイ
ソ酪酸などのβ−アミノ酸、クレアチンなどの含
窒素γ−アミノ酸、ピペリジン酸などのγ−アミ
ノ酸、ε−アミノカプロン酸などのε−アミノ酸
などの各種アミノ酸のエステル、チオエステル、
アミド、ヒドロキサミドなどがあげられるが、ア
ミノ基が遊離の形であるアミノ酸誘導体であれ
ば、上記例示化合物に限定されるものではない。
そのエステルとしては、例えばメチル、エチル、
プロピル、シクロヘキシル、フエニル、ベンジル
などの単純な炭化水素系のエステルから、tRNA
の3′−OHで上記アミノ酸がエステル化したもの
まで、種々のエステルを用いることができる。ま
た、アミドとしては、遊離のアミドの他、例えば
異種あるいは同種のアミノ酸がアミド結合したオ
リゴペプチドやポリペプチドを用いることもでき
る。このオリゴペプチドやポリペプチドがさらに
エステル、チオエステル、ヒドロキサミド、エー
テル化したものを用いることも可能である。
本発明でペプチド又はペプチド誘導体を合成す
るには、まずアミノ酸とアミノ酸誘導体との混合
物を得るか、あるいはアミノ酸誘導体とアミノア
シル−tRNAシンテターゼとの混合物を得ること
が必要である。そのためには、例えば緩衝液中ア
デノシン三リン酸又はデオキシアデノシン三リン
酸存在下に、アミノ酸とアミノ酸誘導体とを混合
するか、あるいは緩衝液中アデノシン三リン酸又
はデオキシアデノシン三リン酸存在下に、アミノ
酸誘導体とアミノアシル−tRNAシンテターゼと
を混合することによつて行えばよい。このとき
に、次の反応を円滑に進行させ、酵素の失活を防
ぐことを主目的として、反応系にマグネシウム、
マンガンなどの二価カチオン、メルカプトエタノ
ール、ジチオスレイトールなどのスルフヒドリル
化剤、ピロフオフアターゼを単独又は混合して添
加してもよい。各添加剤の好適な濃度としては、
二価カチオン0.01mM〜500mM、スルフヒドリ
ル化剤0.001mM〜100mM、ピロホスフアターゼ
0.001ユニツト/ml〜100ユニツト/mlであり、最
適な濃度としては、それぞれ二価カチオン
0.1mM〜10mM、スルフヒドリル化剤0.01mM〜
1mM、ピロホスフアクターゼ1ユニツト/ml〜
10ユニツト/mlである。また、アミノ酸、アミノ
アシル−tRNAシンシテターゼ及びアデノシン三
リン酸又はデオキシアデノシン三リン酸の使用量
は特に制限されないが、実用的な収量を得るため
には、アミノ酸とアミノアシル−tRNAシンテタ
ーゼのモル比を109:1〜1:1、アミノ酸とア
デノシン三リン酸又はデオキシアデノシン三リン
酸とのモル比1:1〜1:100の範囲内で行うの
が好ましい。さらに、アミノ酸誘導体の濃度とし
ては、10mMから10Mの範囲が適当であり、
100mMから2Mの範囲が好ましい。また、これに
よりさらに低くしても用いることができる。
このときに用いる緩衝液としては、アミノ酸、
アミノ酸誘導体、アミノアシル−tRNAシンテタ
ーゼ及びアデノシン三リン酸又はデオキシアデノ
シン三リン酸が溶解し、しかも酵素活性を維持
し、所望のPHが得られるものであれば、いかなる
ものを使用してもよい。そのような具体例とし
て、例えばトリス塩酸塩緩衝液、ヘペス緩衝液、
トリエタノールアミノ緩衝液、マレート緩衝液、
リン酸緩衝液などがあげられる。これら緩衝液に
親水性有機溶媒を加えた混合媒体も上記条件を満
たしさえすれば、使用可能である。この親水性有
機溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのようなエーテル、さらにジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、アセトンなどが好ましく用いられる。これら
有機溶媒は、それぞれ単独又は2種以上組み合わ
せて使用してもよい。この時の混合液全体に占め
る有機溶媒の容積の濃度としては、0.5〜85%、
好ましくは5〜60%、最適には10〜50%の範囲で
ある。
次に、上記で得られたアミノ酸とアミノ酸誘導
体との混合物とアミノアシル−tRNAシンテター
ゼとを混合し、あるいは上記で得られたアミノ酸
誘導体とアミノアシル−tRNAシンテターゼとの
混合物とアミノ酸とを混合し、アミノ酸とアミノ
酸誘導体とをアミノアシル−tRNAシンテターゼ
の存在下で反応させる。この反応を行う際のPHと
しては、5〜11、好ましくは6〜10、最適には7
〜9の範囲である。反応の温度としては、酵素活
性を維持する観点から一般に0℃〜70℃、好まし
くは10℃〜50℃、最適には20℃〜40℃で行われ
る。
上記条件でペプチド化は、数秒から数日で完結
し、目的のペプチド又はペプチド誘導体を得るこ
とができる。
本発明によつて得られるペプチド誘導体は、例
えば血圧降下作用などのあるブラジキニンや内・
外分泌抑制作用などのあるソフトスタチンなどの
各種ホルモン及び抗生物質ペプチド、呈味ペプチ
ドのような他の生物学的活性物質として有用であ
る。
本発明によれば、上記有用ペプチド又はペプチ
ド誘導体を保護基を用いることなく、低濃度の原
料、特に高価なアミノアシル−tRNAシンテター
ゼの濃度を低くしても製造することができるの
で、製造コストも安価である。
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
参考例 1 バチルス・ステアロサーモフイルスNCA1503
株500Kgをダイノミル(シンマル・エンタープラ
イゼス社製)で細胞破砕後、得られた粗抽出液を
DEAE−セルロース(ワツトマン社製)クロマト
グラフイー、ヒドロキシアパタイト(生化学工業
社製)、硫酸アンモニウム分画、ウルトロゲル
ACA34(LKB社製)クロマトグラフイー及び
DEAEセルロースクロマトグラフイーで精製する
ことにより、チロシンに特異的なチロシル−
tRNAシンテターゼ8.3gを得た。
参考例 2 サツカロミセス・セルビシアエαS288C1000Kg
をダイノミルで細胞破砕後、得られた粗抽出液を
硫酸アンモニウム分画、DEAE−セルロースクロ
マトグラフイー、リン酸セルロース(ワツトマン
社製)クロマトグラフイー、DEAE−セフアセル
(フアルマシア社製)クロマトグラフイー、ウル
トロゲルACA34クロマトグラフイー及びCM−セ
ルロース(ワツトマン社製)クロマトグラフイー
でロイシンに特異的なロイシル−tRNAシンテタ
ーゼを3.2g得た。
参考例 3 ウサギの肝臓1000Kgをワーリングブレンダーで
破砕後、遠心(15000g)し、その上清をさらに
超遠心(105000g)して可溶性タンパク画分を
得、これを硫酸アンモニウム分画セフアデツクス
G−200(フアルマシア社製)ゲルクロマトグラフ
イー、DEDAセフアセルクロマトグラフイー及
びハイドロキシアパタイトクロマトグラフイーで
メチオニル−tRNAシンテターゼを4.5g得た。
参考例 4 エシエリヒア・コリK−12株150Kgから参考例
1と同一のカラム操作で、アスパラギン酸に特異
的なアスパラチル−tRNAシンテターゼを1.5g
得た。
参考例 5 バチルス・ステアロサーモフイルスNCA1503
株100Kgから参考例1と同一のカラム操作でアル
ギニンに特異的名アルギニル−tRNAシンテター
ゼを1.1g得た。
実施例1、比較例1 L−フエニルアラニンエチルエステル8gを含
む200mMピペス緩衝液、PH7.0、45mlに、塩化マ
グネシウム0.15g、アデノシン三リン酸二ナトリ
ウム0.3g、L−チロシン10mg、ピロホスフアタ
ーゼ(ベーリンガー・マンハイム社製)200ユニ
ツト及びジチオスレイトール0.01mgを加え、混合
液の容量を50mlに調整した。この混合液のPHを
7.0に維持した状態で、参考例1で得たチロシル
−tRNAシンテターゼ0.6mgを加え、よく混合し、
反応温度を30℃に保つて1日放置して反応させ
た。
次いで、得られた反応液をホンダパツクC18
ラム(ウオーターズ社製)に供し、アセトニトリ
ル/50mMリン酸カリ水溶液、85/15、PH7を展
開溶媒として用いて分離し、L−チロシル−L−
フエニルアラニンエテルエステルを17mg得た。
その元素分析(C20H24N2O4=356.42)は 計算値(%)C=67.39 H=6.80 N=7.86 測定値(%)C=67.18 H=6.91 N=7.72 であつた。
また、比較(比較例1)のため、実施例1で使
用したチロシル−tRNAシンテターゼの量の
10000倍に相当する0.6gを用い、実施例1と同じ
量の塩化マグネシウム、アデノシン三リン酸ナト
リウム、L−チロシン、ピロホスフアターゼ及び
ジチオスレイトールを含む20mMピペス緩衝液、
PH7.0、50mlに加え、4℃で15時間反応させ、得
られた反応混合物をG−75(フアルマシア社製)
カラムに供し、同上ピペス緩衝液にて溶出し、ボ
イド容の画分を集め反応混合物を単離し、これに
L−フエニルアラニンエチルエステル8gを加
え、実施例1と同様の方法で反応を行つた。
その結果、L−チロシル−L−フエニルアラニ
ンエチルエステルの収量は4mgであり、実施例1
の収量の約1/4であつた。さらに比較例1で用い
たチロシル−tRNAシンテターゼは、6gである
のに対し、実施例1ではその10000分の1の0.6mg
でよかつた。
実施例2、3、4、比較例2 L−アルギニン−t−ブチルエステル9.5gを
含む50mMヘペス緩衝液、PH7.5、45mlに、塩化
マグネシウム100mg、アデノシン三リン酸二ナト
リウム200mg、L−チロシン9mg、ピロホスフア
ターゼ(ベーリンガー・マンハイム社製)200ユ
ニツト及びジチオスレイトール0.01mgを加え、混
合液のPHを7.5に維持しながら容量を50mlに調整
した。この混合液に参考例1で得たチロシル−
tRNAシンテターゼ0.4mgを加え、よく混合し、
PH7.5、反応温度40℃に保つて、2時間反応させ
た。
次いで、得られた反応液を実施例1と同様の方
法で分離し、L−チロシル−L−アルギニン−t
−ブチルエステルを17.5mg得た。
その元素分析(C19H31N5O4=393.49)は 計算値(%)C=58.00 H=7.94 N=17.80 測定値(%)C=57.83 H=7.90 N=17.78 であつた。
また、比較(比較例2)のため、実施例2と同
じ量の塩化マグネシウム、アデノシン三リン酸二
ナトリウム、L−チロシン、ピロホスフアターゼ
及びジチオスレイトールを含む50mMヘペス緩衝
液PH7.5、50mlに、実施例2と同じチロシル−
tRNAシンテターゼの量の10000倍に相当する4
gを加え、よく混合し、4℃で20時間反応させ、
得られた反応混合物を比較例1と同様の方法で単
離し、これにL−アルギニン−t−ブチルエステ
ル9.5gを加え、PH7.5に維持した状態で、実施例
2と同様の方法で反応を行つた。
その結果、L−チロシル−L−アルギニン−t
−ブチルエステルの収量は17.3mgであり、実施例
2の収量と同じであつた。この比較例2で用いた
チロシル−tRNAシンテターゼの量は4gである
のに対し、実施例2はその10000分の1の0.4mgで
よかつた。
次に、L−アルギニン−t−ブチルエステルの
代わりにD−アルギニンエチルエステル8.3gを
加えて実施例2と全く同様に反応を行つた(実施
例3)。
その結果、L−チロシル−D−アルギニンエチ
ルエステルを16mg得た。
さらに、実施例2のL−チロシンの代わりにD
−チロシンを用いて実施例2と全く同様に反応を
行つた(実施例4)。
その結果、D−チロシン−L−アルギニン−t
−ブチルエステル17.0mgを得た。
実施例5、比較例3 L−フエニルアラニンメチルエステル2gを含
む30mM2,5ジメチルイミダゾール緩衝液PH
7.213mlに塩化マグネシウム20mg、アデノシン三
リン酸二ナトリウム50mg、ピロホスフアターゼ
(ベーリンガー・マンハイム社製)10ユニツト、
メルカプトエタノール20μ及び参考例2で得た
ロイシル−tRNAシンテターゼ3mgを加え、混合
液のPHを7.2に維持しながら容量を15mlに調整し
た。これにD−ロイシン1mgを加え、よく混合
し、PH7.2反応温度20℃に保つて5時間反応させ
た。
次いで、得られた反応混合物をボンダパツク
C18カラムにより実施例1と同様に分離し、D−
ロイシル−L−フエニルアラニンメチルエステル
2.0mgを得た。
その元素分析(C16H24N2O3=292.36)は、 計算値(%)C=65.73 H=8.27 N=9.58 測定値(%)C=65.62 H=8.41 N=9.52 であつた。
次に、比較(比較例3)のため、実施例5と同
じ量の塩化マグネシウム、アデノシン三リン酸二
ナトリウム、D−ロイシン、ピロホスフアターゼ
及びメルカプトエタノールを含む実施例5と同一
緩衝液15mlに実施例5と同じロイシル−tRNAシ
ンテターゼの量の1000倍に相当する3gを加え、
よく混合し、4℃で20分間反応させ、得られた反
応混合物を比較例1と同様の方法で単離し、これ
にL−フエニルアラニンメチルエステル2gを加
え、実施例5と同様反応を行つた。
その結果、D−ロイシル−L−フエニルアラニ
ンメチルエステルの収量は1.9mgであり、実施例
5とほぼ同じ収量であるが、ロイシル−tRNAシ
ンテターゼの量は1000倍を要した。
実施例6、比較例4 β−アラニルアミド5gを含む50mMリン酸緩
衝液、PH7.5 35mlに塩化マグネシウム100mg、L
−メチオニン2mg、ピロホスフアターゼ(ベーリ
ンガー・マンハイム社製)100ユニツト、ジチオ
スレイトール0.01mgを加えて混合液を得た。この
混合液に参考例3で得たメチオニル−tRNAシン
テターゼ1mgを加え、混合液のPHを7.5に維持し
ながら容量を40mlに調整し、これにデオキシアデ
ノシン三リン酸二ナトリウム100mgを加え、PH7.5
に保ち、実施例5と同様に反応を行い、分離して
L−メチオニル−β−アラニルアミド2.4mgを得
た。
その元素分析(C8H17N3O2S=219.30)は、 計算値(%)C=43.81 H=7.82 N=19.16 測定値(%)C=43.69 H=7.73 N=19.20 であつた。
次に、比較(比較例4)のため、実施例6と同
じ量の塩化マグネシウム、デオキシアデノシン三
リン酸二ナトリウム、L−メチオニン、ピロホス
フアターゼ及びジチオスレイトールを含む実施例
6と同一緩衝液40mlに実施例6と同じメチオニル
−tRNAシンテターゼの量の10000倍に相当する
10gを加え、よく混合し、比較例1と同様にして
β−アラニルアミド5gを加え、実施例6と同様
に反応を行つた。
その結果、L−メチオニル−β−アラニルアミ
ドの収量は2.3mgであり、実施例6とほぼ同じ収
量であるが、酵素の量は10000倍を要した。
実施例7、比較例5 L−フエニルアラニンエチルエステル8gを含
む20mMピペス緩衝液、PH7.1、45mlに塩化マグ
ネシウム150mg、アデノシン三リン酸二ナトリウ
ム300mg、L−アスパラギン酸2mg、ピロホスフ
アターゼ(ベーリンガー・マンハイム社製)200
ユニツト及びジチオスレイトール0.01mgを加え、
混合液をPH7.1、容量50mlに調整した。これに参
考例4で得たアスパラチル−tRNAシンテターゼ
0.1mgを加え、よく混合し、PH7.1、反応温度30℃
に保つて1日静置反応させた。この反応液を実施
例1と同様に処理して、L−アスパラチル−L−
フエニルアラニンエチルエステル3.4mgを得た。
次に比較(比較例5)のため、実施例7と同じ
量の塩化マグネシウム、アデノシン三リン酸二ナ
トリウム、L−アスパラギン酸、ピロホスフアタ
ーゼ及びジチオスレイトールを含む実施例7と同
一緩衝液50mlに、実施例7と同じアスパラチル−
tRNAシンテターゼの量の20000倍に相当する2
gを加え、よく混合し、4℃で20分間反応させ、
得られた反応混合物を比較例1と同様の方法で単
離し、これにL−フエニルアラニンエチルエステ
ル8gを加え実施例7と同様に反応を行つた。
その結果、L−アスパラチル−L−フエニルア
ラニンエチルエステル3.0mgを得た。
実施例8、9、10、比較例6 L−チロシンt−ブチルエステル4gを含む
20mMヘペス緩衝液PH8.0 45mlに塩化マグネシウ
ム300mg、アデノシン三リン酸二ナトリウム350
mg、L−アルギニン1mg、ピロホスフアターゼ
(ベーリンガー・マンハイム社製)200ユニツト及
びジチオスレイトール0.01mgを加え、混合液のPH
を8.0容量を50mlに調整した。これに参考例5で
得たアルギニル−tRNAシンテターゼ0.4mgを加
え、よく混合して、PH8.0に保ち、以下実施例7
と同じ操作を行つて、L−アルギニル−L−チロ
シンt−ブチルエステル0.5mgを得た。
次に、比較(比較例6)のため、アルギニル−
tRNAシンテターゼ0.4gを使用する以外は、実
施例8と同じ量を用いて比較例5と同じ操作でL
−アルギニル−L−チロシンt−ブチルエステル
0.5mgを得た。
次に、L−チロシンt−ブチルエステルの代わ
りに、D−チロシンt−ブチルエステルを用いて
実施例8と全く同様に反応を行つた(実施例9)。
その結果、L−アルギニル−D−チロシンt−
ブチルエステル0.4mgを得た。
さらに、実施例8のL−アルギニンの代わりに
D−アルギニン1mgを用いて、実施例8と全く同
様に反応を行つた(実施例10)。
その結果、D−アルギニル−L−チロシンt−
ブチルエステル0.4mgを得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アミノ酸とアミノ酸から誘導されるアミノ酸
    誘導体とをアミノアシル−tRNAシンテターゼの
    存在下で反応させてペプチド又はペプチド誘導体
    を合成するに際し、あらかじめアミノ酸とアミノ
    酸誘導体との混合物を得、得られた混合物とアミ
    ノアシル−tRNAシンテターゼとを混合するか、
    あるいはあらかじめアミノ酸誘導体とアミノアシ
    ル−tRNAシンテターゼとの混合物を得、得られ
    た混合物とアミノ酸とを混合することを特徴とす
    るペプチド又はペプチド誘導体の合成法。
JP21620682A 1982-01-26 1982-12-09 ペプチド又はペプチド誘導体の合成法 Granted JPS59106298A (ja)

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