JPH0559714B2 - - Google Patents

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JPH0559714B2
JPH0559714B2 JP23611285A JP23611285A JPH0559714B2 JP H0559714 B2 JPH0559714 B2 JP H0559714B2 JP 23611285 A JP23611285 A JP 23611285A JP 23611285 A JP23611285 A JP 23611285A JP H0559714 B2 JPH0559714 B2 JP H0559714B2
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amino acids
peptide
amino acid
acid
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Ryoichi Tsuruya
Kazutsugu Kitahata
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ペプチド又はペプチド誘導体の新規
な製造方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、ペプチドに種々の生理活性が存在するこ
とが相ついで知られ、治療、診断などの医薬品と
しての重要性並びに呈味物質としての重要性がま
すます増大しつつある。それに伴いペプチド合成
法の開発も活発である。現在までに知られている
ペプチド合成法の主なものとしては、例えばフア
ルマシア、レビユー、3号、27〜47頁(1980年)
にまとめられているように、化学合成法と酵素法
の二つに大別することができる。その化学合成法
としては、アジド法、混合酸無水物法、活性エス
テル法、カルボジイミド法でアミノ酸を逐次的に
縮合する方法とフラグメントで縮合させる方法な
どが代表的なものであるが、これらどの化学合成
法においても、ラセミ化及び副反応が起きやす
く、反応時間が長く、末端アミノ基を保護基にて
反応前にあらかじめ保護しておく必要があるなど
種々の問題がある。フラグメント縮合法の場合、
特にラセミ化が起こりやすいという重大な欠点を
有するものである。
一方、ラセミ化の生起を極力避ける方法とし
て、プロテアーゼを用いる酵素法が提案されてい
るが、この方法においてもやはり反応時間が長
く、末端アミノ基を保護基にて保護しておく必要
があるなど、操作の煩雑さを改良するには至らな
かつた。さらに、このプロテアーゼを用いる酵素
法では、用いる酵素が本来ペプチド分解活性を有
しているため、生じたペプチドが合成と併行して
分解され、しばしば目的のペプチドが得られない
という重大な欠点を示すものであつた。特に、オ
リゴペプチドの合成を適用した場合には、一般の
アミノ酸が欠落した目的外のペプチドが得られる
重大な欠点が指摘されている〔ジヤーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー誌、256巻、
1301頁(1981年)〕。また、酵素法によるペプチド
合成法としては、プロテアーゼ法の他に、特定な
アミノ酸配列を有する単一ペプチドの合成のみを
司る特殊な酵素を用いる方法が知られている。こ
の種の酵素としては、例えば、グルタミン酸/シ
ステイン/グリシンの配列であるトリペプチドを
合成するグルタチオン合成酵素(特開昭54−
122793公報)や、デカペプチドであるグラミシジ
ンSを合成するグラミシジンS合成酵素(現代化
学1974年12月号12頁)などが報告されている。し
かし、これらの酵素は特殊な酵素であつて、この
酵素によつて合成しうるペプチドは、限定された
一種のみのペプチドであり、目的とする任意なペ
プチドを合成することができない。このため、こ
の方法は一般的なペプチド合成法とはなり得ない
のが現状である。
本発明者らは、ペプチドの有用性に鑑み、上記
のような欠点、特にラセミ化、副反応の生起、反
応の煩雑さなどの原因となり、同時に経済性を損
なう保護基の必要性を解決し、汎用性のある新規
なペプチド合成法を提供することを目的として鋭
意研究を重ねた結果、アミノ酸を核酸の一種であ
るtRNAに結合させる作用を有する酵素で、従来
まつたくペプチド結合を形成する作用が知られて
いなかつたアミノアシル−tRNAシンテターゼ
に、驚くべきことにペプチド合成能があることを
見い出し、この酵素を縮合剤として用いると前記
の目的がすべて達成されることを見い出し、先に
特許出願した(特開昭58−146539号公報参照)。
(発明が解決しようとする問題点) この特開昭58−146539号公報に記載されている
方法は、ペプチド又はペプチド誘導体を製造する
際にヌクレオシド三リン酸を加えており、良好な
収率でペプチド又はペプチド誘導体を得るには、
α−アミノ酸に対しモル比で10〜100倍と大過剰
に加えることが必要であつた。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは上記の点を改良するため
にさらに鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに
反応をキレート剤の存在下で行うと、ヌクレオシ
ド三リン酸をα−アミノ酸に対し少なく用いても
良好な収率でペプチド又はペプチド誘導体の合成
が可能になることを見い出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、α−アミノ酸と、アミノ
酸又はアミノ酸から誘導されるアミノ酸誘導体と
をアミノアシル−tRNAシンテターゼ及びヌクレ
オシド三リン酸の存在下で反応させてペプチド又
はペプチド誘導体を製造するに際し、該反応をキ
レート剤の存在下に行うことを特徴とするペプチ
ド又はペプチド誘導体の製造方法である。
本発明に使用されるアミノアシル−tRNAシン
テターゼは、酵素分類6.1.1に属し、次式 アミノ酸+ATP+tRNA→アミノアシル−
tRNA+AMP+ピロリン酸 の反応を触媒する酵素であり、例えば、ウサギ、
ウマ、ウシ、ラツト、ニワトリ、ヘビなどの動物
組織より得られるもの、イネ、イモ、トマトなど
の植物組織より得られるもの、カビ、酵母、キノ
コ、細菌、放線菌などの微生物及び藻類より得ら
れるものなどがあげられる。なかでも、酵素の取
得が容易であることから、微生物より得られるも
のが好ましく、さらに酵素の安定性からバチル
ス・ステアロサーモフイルス、サーマス・サーモ
フイルス、サーマス・フラバス、クロストリジウ
ム・サーモアセチカム、サーマス・アクアテイカ
スなどの耐熱性細菌より得られるアミノアシル−
tRNAシンテターゼが最適である。
これら各種のアミノアシル−tRNAシンテター
ゼは、種々のα−アミノ酸に特異性のあるものが
用いられ、例えば、チロシンに特異性のあるもの
としてはチロシル−tRNAシンテターゼが、ま
た、ロイシンに特異性のあるものとしてはロイシ
ル−tRNAシンテターゼが、さらにバリンに特異
性のあるものとしてはバリル−tRNAシンテター
ゼ、その他、イソロシル−tRNAシンテターゼ、
フエニルアラニル−tRNAシンテターゼ、アラニ
ル−tRNAシンテターゼ、グルタミニル−tRNA
シンテターゼ、アスパラギニル−tRNAシンテタ
ーゼ、メチオニル−tRNAシンテターゼ、ヒスチ
ジル−tRNAシンテターゼ、リジル−tRNAシン
テターゼ、トレオニル−tRNAシンテターゼ、セ
リル−tRNAシンテターゼ、アスパラチル−
tRNAシンテターゼ、グルタミル−tRNAシンテ
ターゼ、システイニル−tRNAシンテターゼ、プ
ロリル−tRNAシンテターゼ、グリシル−tRNA
シンテターゼ、アルギニル−tRNAシンテター
ゼ、トリプトフアニル−tRNAシンテターゼなど
が具体例としてあげられる。
これらの各種アミノアシル−tRNAシンテター
ゼは、上記組織又は細胞をホモジナイザーやダイ
ノミルなどで破砕したのち、例えば、バイオケミ
ストリー誌、13巻、2307頁(1974年)に記載され
ているように、DEAE−セルロースカラムクロマ
トグラフイー、ヒドロキシアパタイトカラムクロ
マトグラフイーなどのクロマトグラフイー及び硫
酸アンモニウムによる分別沈澱法など、通常の酵
素精製法を用いて精製することによつて得ること
ができる。
本発明に用いられるα−アミノ酸としては、例
えば、チロシン、アラニン、ロイシン、イソロイ
シン、フエニルアラニン、メチオニン、リジン、
セリン、バリン、アスパラギン、アスパラギン
酸、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、シス
テイン、トレオニン、トリプトフアン、ヒスチジ
ン、プロリン、アルギニンなどのアミノ酸があげ
られ、L体、D体のいずれでもよい。また、α−
アミノ酸と反応させるアミノ酸又はアミノ酸誘導
体としては、例えば、グリシン、アラニン、ロイ
シン、イソロイシン、フエニルアラニン、グルタ
ミン、システイン、チロシン、アルギニン、バリ
ン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、メチ
オニン、トリプトフアン、トレオニンなどのα−
アミノ酸、β−アラニン、β−アミノイソ酪酸な
どのβ−アミノ酸、クレアチンなどの含窒素γ−
アミノ酸、ピペリジン酸などのγ−アミノ酸、ε
−アミノカプロン酸などのε−アミノ酸などの各
種アミノ酸又はこれら各種アミノ酸のエステル、
チオエステル、アミド、ヒドロキサミドなどがあ
げられるが、アミノ基が遊離の形であるアミノ酸
誘導体であれば、上記例示化合物に限定されるも
のではない。そのエステルとしては、例えば、メ
チル、エチル、プロピル、シクロヘキシル、フエ
ニル、ベンジルなどの単純な炭化水素系のエステ
ルから、tRNAの3′−OHで上記アミノ酸がエス
テル化したものまで、種々のエステルを用いるこ
とができる。また、アミドとしては、遊離のアミ
ドの他、例えば、異種あるいは同種のアミノ酸が
アミド結合したオリゴペプチドやポリペプチドを
用いることもできる。このオリゴペプチドやポリ
ペプチドがさらにエステル、チオエステル、ヒド
ロキサミド、エーテル化したものを用いることも
可能である。
本発明において用いられるヌクレオシド三リン
酸は、反応を進めるうえでのエネルギー源となる
化合物であり、そのような具体例としては、アデ
ノシン三リン酸、3′−デオキシアデノシン三リン
酸、アデノシン三リン酸のβ又はγ−チオ類緑
体、あるいはアデニン環に置換基の入つたアデノ
シン三リン酸があげられる。
本発明に用いられるキレート剤としては、二価
金属カチオンとキレートを形成し得るものであれ
ばいかなるものでもよいが、Co2+,Zn2+,Cu2+
Ni2+あるいはCa2+とキレートを形成し得るもの
が好ましい。このような化合物としては、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、トランス−1,2
−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、エチレングリ
コール−ビス−(β−アミノエチルエーテル)−四
酢酸、オルト−フエナントロリン、8−ヒドロキ
シキノリン−5−スルホン酸が好適である。
本発明によれば、α−アミノ酸、アミノ酸又は
アミノ酸誘導体、アミノアシル−tRNAシンテタ
ーゼ、ヌクレオシド三リン酸及びキレート剤を混
合して液相媒体中で反応させることによつてペプ
チド又はペプチド誘導体を製造することができ
る。このとき、キレート剤の添加順序はいかなる
順序であつてもよく、α−アミノ酸、アミノ酸又
はアミノ酸誘導体、アミノアシル−tRNAシンテ
ターゼ及びヌクレオシド三リン酸を含む水性媒体
中にキレート剤を添加してもよく、あるいはアミ
ノアシル−tRNAシンタテーゼを含有する溶液に
あらかじめキレート剤を添加して良く混合し、平
衡化させたのち、α−アミノ酸、アミノ酸又はア
ミノ酸誘導体及びヌクレオシド三リン酸を添加し
てもよい。またこのときキレート剤を添加する
と、ヌクレオシド三リン酸の使用量がα−アミノ
酸に対して1ないし10当量となり、大過剰に加え
る必要がない。さらに、α−アミノ酸の濃度して
は0.1mM以上が適当で、1mM以上が好ましい。
そして、アミノアシル−tRNAシンテターゼを、
α−アミノ酸に対し1/1ないし1/109当量、
好ましくは1/102ないし1/109当量の濃度で、
アミノ酸又はアミノ酸誘導体を、通常10mMない
し10Mの範囲に、キレート剤を、0.01mMないし
M、好ましくは1mMないし250mMの範囲で添加
することが好ましい。
このときに反応に用いる媒体としては、本法が
酵素を触媒とする反応であるため、主成分として
水を含有する溶媒が選ばれる。また、酵素の活性
が維持できる限度で水溶性の有機溶媒を添加して
もよい。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキ
サン、テトラハイドロフラン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチル
スルホキシドなどがあげられる。このような有機
溶媒の添加は、原料の一部が水に難溶性である場
合、特に有効である。このときに、反応を円滑に
進行させること、あるいは酵素の失活を防ぐこと
を主目的として、反応系にマグネシウム、マンガ
ンなどの二価カチオン、メルカプトエタノール、
ジチオスレイトールなどのスルフヒドリル剤、ピ
ロホスフアターゼを、単独又は混合し添加しても
よい。各添加剤の好適な濃度しては、二価カチオ
ン0.01mM〜500mM、スルフヒドリル剤
0.001mM〜100mM、ピロホスフアターゼ0.001ユ
ニツト/ml〜100ユニツト/mlであり、最適な濃
度としては、それぞれ二価カチオン0.1mM〜
10mM、スルフヒドリル剤0.01mM〜1mM、ピロ
ホスフアターゼ1ユニツト/ml〜10ユニツト/ml
である。また、酵素の活性を維持するため、溶媒
に緩衝液を添加することが好ましい。その緩衝液
の濃度としては100mM以下が好ましい。この緩
衝液としては、α−アミノ酸、アミノ酸又はアミ
ノ酸誘導体、アミノアシル−tRNAシンテター
ゼ、ヌクレオシド三リン酸及びキレート剤が溶解
し、しかも酵素活性を維持し、所望のPHが得ら
れ、かつ、副反応を起こさないものであれば、い
かなるものを使用してもよい。そのような具体例
としては、ヘペス緩衝液、トリエタノールアミン
緩衝液、マレート緩衝液、リン酸緩衝液、ビシン
緩衝液、エツプス緩衝液などがあげられる。
また、ペプチド又はペプチド誘導体を製造する
際の反応のPHは、触媒として使用されるアミノア
シル−tRNAシンテターゼが、通常その反応の至
適PHを7ないし9付近に持つため、前述の緩衝液
で5ないし11に、好ましくは6ないし10に保つこ
とが好ましい。また、反応の温度としては、アミ
ノアシル−tRNAシンテターゼの触媒活性が維持
できる限り特に限定されないが、通常0〜70℃が
好ましく、最適には10〜40℃で行うことが好まし
い。
上記条件でペプチド化反応は数秒から数日で完
結し、目的のペプチド又はペプチド誘導体を得る
ことができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
参考例 1 バチルス・ステアロサーモフイルスUK788(微
工研菌寄第5141号、微工研条寄第2373号)の菌体
6Kgを、2倍量の100mMトリス・塩酸緩衝液
(PH7.5)に懸濁し、ダイノミルを用いて細胞を破
砕後、遠心分離により不溶物を除去し、チロシン
に特異的なチロシル−tRNAシンテターゼを含む
粗抽出液を得た。あらかじめ5mMメルカプトエ
タノール、2mMエチレンジアミン四酢酸ナトリ
ウム及び0.1mMホスホフエニルスルホニルフル
オリドを含む50mMトリス緩衝液(PH7.5)で平
衡化したマートレツクスゲルブル−A(アミコン
社製)を充填したカラムに、上記の粗抽出液を通
し、塩化カリウムを上記緩衝液に加えた溶液で、
線速度60cm・h-1で溶出せしめると、チロシル−
tRNAシンテターゼが溶出した。この区分を集
め、濃縮、脱塩を行つた結果、約70%の収率でチ
ロシンに特異性なチロシル−tRNAシンテターゼ
を含む粗酵素液を得た。上記操作をすべて4℃で
行つた。
参考例 2 サツカロミセス・セルビシアエαS288C
(IFO1136,FERM P−13516)1000Kgをダイノ
ミルで細胞破砕後、得られた粗抽出液を硫酸アン
モニウム分画、DEAE−セルロースクロマトグラ
フイー、リン酸セルロース(ワツトマン社製)ク
ロマトグラフイー、DEAE−セフアセル(フアル
マシア社製)クロマトグラフイー、ウルトロゲル
ACA34クロマトグラフイー及びCM−セルロース
(ワツトマン社製)クロマトグラフイーで、ロイ
シンに特異的なロイシル−tRNAシンテターゼを
3.2g得た。
実施例1、比較例1,2 参考例1で得たチロシル−tRNAシンテターゼ
0.6mgを、20mMヘペス緩衝液(PH8.0)1ml及び
200mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
(PH8.0)3mlと混合し、30℃の条件下で1時間放
置した。その後、この混合液を塩化マグネシウム
0.3g、L−チロシン10mg、アデノシン三リン酸
二ナトリウム100mg(チロシンに対し3.3当量に相
当する。)、L−フエニルアラニンメチルエステル
5g、ピロホスフアターゼ(ベーリンガーマンハ
イム社製)200ユニツト及びジチオスレイトール
0.01mgを含む20mMヘペス緩衝液(PH8.0)46mlに
加え、PHを8.0に維持した状態でよく混合し、反
応温度を30℃に保つて18時間反応させた。
次いで、得られた反応液をμボンダパツクC18
カラム(ウオーターズ社製)に供し、アセトニト
リル/0.01N塩酸水溶液85/15PH4を展開溶媒と
して用いて分離し、L−チロシル−L−フエニル
アラニンメチルエステル塩酸塩を17.1mg得た。
その元素分析(C19H23ClN2O4=378.89)は、 計算値(%) C=60.23 H=6.13 N=7.40 測定値(%) C=60.27 H=6.20 N=7.35 であつた。
また、比較(比較例1)のため、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウムを加えなかつた以外、実
施例1とまつたく同様に行つた。
その結果、L−チロシル−L−フエニルアラニ
ンメチルエステル塩酸塩の収量は6mgであり、実
施例1の収量の35%であつた。
さらに、比較(比較例2)のため、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウムを加えず、アデノシン
三リン酸二ナトリウムを、100mgから300mg(チロ
シンに対し10当量に相当する。)に代えた以外は、
実施例1とまつたく同様に行つた。
その結果、L−チロシン−L−フエニルアラニ
ンメチルエステル塩酸塩の収量は16.5mgであり、
実施例1の収量とほぼ同じであつた。
実施例 2,3 実施例1で用いたエチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウムの代わりに、50mMのエチレングリコー
ル−ビス−(β−アミノメチルエーテル)−四酢酸
二ナトリウム(PH8.0)3mlを用いて(実施例
2)、また、20mMの1,10−オルト−フエナン
トロリン6mlを用いて(実施例3),それぞれ実
施例1とまつたく同様に行つた。
その結果、L−チロシル−L−フエニルアラニ
ンメチルエステル塩酸塩の収量は以下に示すとお
りであつた。
収量(mg) 実施例2 17.8 実施例3 16.6 実施例4、比較例3,4 参考例2で得たロイシル−tRNAシンテターゼ
6mg、塩化マグネシウム40mg、L−ロイシン20
mg、アデノシン三リン酸二ナトリウム130mg(ロ
イシンに対して1.54当量に相当する。)、L−フエ
ニルアラニンアミド1.5g、ピロホスフアターゼ
(ベーリンガーマンハイム社製)20ユニツト、メ
ルカプトエタノール40μ及びエチレングリコー
ル−ビス−(β−アミノエチルエーテル)−四酢酸
二ナトリウム50mgを含む50mMエプス緩衝液(PH
8.5)30mlにL−ロイシン20mgを加え、反応のPH
を8.5に維持した状態で、30℃で5時間反応させ
た。
次いで、得られた反応物をμボンダパツクカラ
ムを供し、アセトニトリル/50mMリン酸カリウ
ム水溶液を展開溶媒として生成物を分離した。
この生成物は、L−ロイシル−L−フエニルア
ラニンアミドで、収量は36mgであつた。
その元素分析(C15H23N3O2=277.41)は、 計算値(%) C=64.94 H=8.37 N=15.15 測定値(%) C=64.96 H=8.47 N=15.09 であつた。
また、比較(比較例3)のため、エチレングリ
コール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−四
酢酸二ナトリウムを加えなかつた以外は、実施例
4とまつたく同様に行つた。
さらに、比較(比較例4)のため、エチレング
リコール−ビス−(β−アミノエチルエーテル)−
四酢酸二ナトリウムを加えず、アデノシン三リン
酸二ナトリウムを130mgから1g(ロイシンに対
し12当量に相当する。)に代えた以外は、実施例
4とまつたく同様に行つた。
その結果、L−ロイシル−L−フエニルアラニ
ンアミドの収量は、以下に示すとおりであつた。
収量(mg) 比較例3 19.3 比較例4 35.1 実施例 5 実施例4で用いたエチレングリコール−ビス−
(β−アミノエチルエーテル)−四酢酸二ナトリウ
ムの代わりに、5−ニトロ−1,10−フエナント
ロリン31mgを加えた以外は、実施例4とまつたく
同様に行つた。
その結果、L−ロイシル−L−フエニルアラニ
ンアミドの収量は33.2mgであつた。
(発明の効果) 本発明によつて得られるペプチド誘導体は、例
えば、血圧降下作用等のあるブラジキニンや、
内・外分泌抑制作用等のあるソフトスタチンなど
の各種ホルモン及び抗生物質ペプチド、呈味ペプ
チドのような他の生物学的活性物質として有用で
ある。
本発明によれば、上記有用ペプチド又はペプチ
ド誘導体を、保護基を用いることなく、また、ヌ
クレオシド三リン酸使用量を少なくしても良好な
収率で製造することができるので、製造コストも
安価である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 α−アミノ酸と、アミノ酸又はアミノ酸から
    誘導されるアミノ酸誘導体とをアミノアシル−
    tRNAシンテターゼ及びヌクレオシド三リン酸の
    存在下で反応させてペプチド又はペプチド誘導体
    を製造するに際し、該反応をキレート剤の存在下
    に行うことを特徴とするペプチド又はペプチド誘
    導体の製造方法。
JP23611285A 1985-10-21 1985-10-21 ペプチド又はペプチド誘導体の製造方法 Granted JPS6296097A (ja)

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