JPH0532027B2 - - Google Patents

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JPH0532027B2
JPH0532027B2 JP59101502A JP10150284A JPH0532027B2 JP H0532027 B2 JPH0532027 B2 JP H0532027B2 JP 59101502 A JP59101502 A JP 59101502A JP 10150284 A JP10150284 A JP 10150284A JP H0532027 B2 JPH0532027 B2 JP H0532027B2
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amino acid
trna synthetase
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aminoacyl
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Kazutsugu Kitahata
Hiroshi Nakajima
Ryoichi Tsuruya
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、α−アミノ酸アミドの製造方法に関
するものである。 生理活性ペプチドの中には、例えば、カルシト
ニンやガストリンのようにカルボキシル末端のα
−アミノ酸がアミドとなつているペプチドが多く
認められる。α−アミノ酸アミドはこのような生
理活性ぺプチドの製造の際に重要な原料である。 α−アミノ酸からα−アミノ酸のアミドを合成
する反応は、多数知られている。例えば、(1)α−
アミノ酸のα−アミノ基及び必要なら側鎖の官能
基を保護基で保護した上で、保護基を含有するα
−アミノ酸誘導体を酸無水物、酸ハロゲン化物あ
るいは酸アジド等の形で活性化し、続いてこの活
性化合物をアミノと反応させ、保護基含有α−ア
ミノ酸アミドに変換し、さらに最終的に保護基を
除く方法、(2)(1)と同様に保護基を含有するα−ア
ミノ酸とアミンとを脱水剤存在下で縮合させてα
−アミノ酸アミドに変換し、最後に脱保護する方
法、あるいは(3)α−アミノ酸を、まずα−アミノ
酸エステルに変換した後、アミンと反応させてα
−アミノ酸アミドに変換する方法などが代表的な
ものである。 これらの反応は、いずれもα−アミノ酸から多
段階の工程を経てα−アミノ酸アミドを合成する
ものである。また、(1)、(2)においては高価な保護
基が必要となるうえ、有機溶媒が通常、必要とな
り、α−アミノ酸アミドを製造する上で複雑な多
工程の設備が必要となる。 一方、安価なα−アミノ酸の混合物を原料に用
いて特定のα−アミノ酸からのみのα−アミノ酸
アミドを合成することは、非常に難しい。従つ
て、α−アミノ酸混合物中から、特定のα−アミ
ノ酸のみのα−アミノ酸アミドを製造するために
は、α−アミノ酸混合物から特定のαアミノ酸を
精製した後、アミド化反応を行うか、あるいは、
α−アミノ酸アミドの混合物中から、特定のα−
アミノ酸アミドを分離精製することが必要であ
る。α−アミノ酸混合物中からの特定のαアミノ
酸を分離するには、各種のα−アミノ酸の物性
が、非常に似かよつていることから、クロマトグ
ラフイー等で分離する場合でも容易ではない。同
様に各種のα−アミノ酸アミドの混合物中から特
定のα−アミノ酸アミドのみを分離精製すること
も、一般に容易ではない。 本発明者らは、これらのα−アミノ酸アミド製
造上の問題点すなわち、保護基が必要であるこ
と、反応が多段階で複雑であること等を解決し、
α−アミノ酸から単一の反応のみで進行し、保護
基の必要がない経済的なα−アミノ酸アミドと製
造方法につき鋭意検討を重ねた結果、α−アミノ
酸を核酸の一種である転移リボ核酸(以後tRNA
と略記。)に結合させてアミノアシル−tRNAを
合成する作用を有する酵素であるアミノアシル−
tRNAシンテターゼを触媒として使用すると、α
−アミノ酸が単一の反応のみで容易にα−アミノ
酸アミドに変換されることを見い出し、しかも安
価な原料であるα−アミノ酸の混合物から目的と
するα−アミノ酸アミドを製造できることを見い
出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、α−アミノ酸とアンモニ
ア、脂肪族アミン又は芳香族アミンから選択され
るアミンとからα−アミノ酸アミドを製造するに
際し、触媒としてアミノアシル−tRNAシンテタ
ーゼを用いることを特徴とするα−アミノ酸アミ
ドの製造方法である。 本発明の特徴とするところは、触媒としてアミ
ノアシル−tRNAシンテターゼを用いることによ
り、α−アミノ酸を何ら保護することなく、単一
の反応のみでアミド化反応を起せしめてα−アミ
ノ酸アミドを製造することにあり、また、α−ア
ミノ酸は必ずしも純粋なものである必要がなく、
安価な二種以上のα−アミノ酸の混合物であつて
も適当なアミノアシル−tRNAシンテターゼを選
択することにより、目的とする特定のα−アミノ
酸をα−アミノ酸アミドに変換させることにあ
る。 本発明に使用されるアミノアシル−tRNAシン
テターゼは、酵素分類6.1.1に属し、次式 アミノ酸+ATP+tRNA→アミノアシル−tRNA +AMP+ピロリン酸 の反応を触媒する酵素であり、例えば、ウサギ、
ウマ、ウシ、ラツト、ニワトリ、ヘビなどの動物
組織より得られるもの、イネ、イモ、トマトなど
の植物組織より得られるもの、カび酵母、キノ
コ、殺菌、放射菌などの微生物及び藻類より得ら
れるものなどがあげられる。なかでも、酵素の取
得が容易であることから、微生物より得られるも
のが好ましく、さらに酵素の安定性からバチル
ス・ステアロサーモフイルス、サーマス・サーモ
フイルス、サーマス・フラバス、クロストリジウ
ム・サーモアセチカム、サーマス・アクアテイカ
スなどの耐熱性殺菌より得られるアミノアシル−
tRNAシンテターゼが最適である。 これらのアミノアシル−tRNAシンテターゼの
特徴は、基質であるα−アミノ酸に対しての特異
性が非常に高いことである。たとえば、チロシル
−tRNAシンテターゼは、各種のα−アミノ酸の
なかでも、特にチロシンに対して特異的であり、
実質上チロシンのみを基質として受け入れること
ができる。したがつて、アミノアシル−tRNAシ
ンテターゼとしては、上記チロシル−tRNAシン
テターゼ以外に、またロイシンに特異性のあるも
のとして、ロイシル−tRNAシンテターゼが、さ
らにバリンに特異性のあるものとして、バリルー
tRNAシンテターゼ、その他イソロシル−tRNA
シンテターゼ、フエニルアラニル−tRNAシンテ
ターゼ、アラニル−tRNAシンテターゼ、グルタ
ミル−tRNAシンテターゼ、アスパラギニル−
tRNAシンテターゼ、メチオニル−tRNAシンテ
ターゼ、ヒスチジル−tRNAシンテターゼ、リジ
ル−tRNAシンテターゼ、トレオニル−tRNAシ
ンテターゼ、セリル−tRNAシンテターゼ、アス
パラチル−tRNAシテターゼ、グルタミル−
tRNAシンテターゼ、システイニル−tRNAシン
テターゼ、プロリル−tRNAシンテターゼ、グリ
シル−tRNAシンテターゼ、アルギニル−tRNA
シンテターゼ、トリプトフエニル−tRNAシンテ
ターゼなどが具体例としてあげられる。 これらの各種アミノアシル−tRNAシンテター
ゼは、上記組織又は細胞をホモジナイザーやダイ
ノミル等で破砕したのち、例えばバイオケミスト
リー誌、13巻、207頁(1974年)に記載されてい
るようにDEAE−セルロ−スカラムクロマトグラ
フイー、ヒドロキシアパタイトカラムクロマトグ
ラフイーなどのクロマトグラフイー及び硫酸アン
モニウムによる分別沈澱法など通常の酵素精製法
を用いて精製することによつて得ることができ
る。 本発明で好まいく用いられるα−アミノ酸とし
ては、例えばチロシン、アラニン、ロイシン、イ
ソロイシン、フエニルアラニン、メチオニン、リ
ジン、セリン、バリン、アスパラギン、アスパラ
ギン酸、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、
システイン、アルギニン、シスチン、ヒスチジ
ン、プロリン、トレオニン、トリプトフアンなど
があげられる。 これらα−アミノ酸は必ずしも純粋なものであ
る必要はなく、2種以上の混合物であつてもよ
い。その場合、これらのα−アミノ酸の合計が、
原料の乾燥重量のうち、少なくとも5重量%、好
まくは30重量%占めるものが好ましい。このα−
アミノ酸の混合物中に、脂質、炭水化物、核酸等
の生体由来物質、無機イオン等が混入あるいは混
合されていてもよい。 このα−アミノ酸の混合物の例としては、大豆
かす、綿実かす、ごまかす、落花生かす等と植物
性たんぱく質を加水分解したα−アミノ酸の混合
物、魚かす(アンチヨビー)、人毛、羽毛、生糸
くず等の動物性たんぱく質を加水分解したα−ア
ミノ酸の混合物、酵母エキスやSCP(シングルセ
ルプロテイン)等の微生物由来のたんぱ質を加水
分解したもの等を自然に存在するたんぱく質を加
水分解して得たα−アミノ酸の混合物があげられ
る。また、これらのアミノ酸混合物を荒く精製し
た混合物でもよい。さらに、通常、例えば食品加
工業等から排出される。たんぱく質あるいはアミ
ノ酸を含有する排液なども中和、濃縮、濾過等の
簡単な前処理を行えば、原料として使用すること
が可能である。 このように、天然に存在するたんぱく質から由
来するα−アミノ酸の混合物以外にも、任意の組
成の化学合成されたα−アミノ酸の混合物も原料
として使用することが可能である。 本発明に使用されるアミンは、アンモニア、脂
肪族アミン又は芳香族アミンから選択されるもの
である。 本発明では、α−アミノ酸とアミンとから、、
触媒としてアミノアシル−tRNAシンテターゼを
用いてα−アミノ酸アミドを製造するが、そのと
きにアデノシン三リン酸の存在下で行うことが望
まれる。このアデノシン三リン酸は、反応を進め
るうえでのエネルギー源となる化合物であり、そ
のような化合物であれば、他の類緑体の化合物に
置き換えてもよい。このような化合物としては、
例えば3′−デオキシアデノシン三リン酸、アデノ
シン三リン酸のβ又はγ−チオ類緑体、あるいは
アデニン環に置換基の入つたアデノシン三リン酸
などがあげられる。 本発明において、α−アミノ酸、アミン、アミ
ノアシル−tRNAシンテターゼ及びアデノシン三
リン酸の添加順序はいずれを先に添加してもよい
が、酵素の失活を考えて、アミノアシル−tRNA
シンテターゼを最後に加えるのが望ましい。 このときに、反応に用いる媒体としては、本法
が酵素を触媒とする反応であるため、主成分とし
て水を含有する溶媒が選ばれる。また、酵素の活
性が維持できる限度で、水溶性の有機溶媒を添加
してもよい。水溶性の有機溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、
ジオキサン、テトラハイドロフラン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシドなどがあげられる。このよう
な有機溶媒の添加は、原料のアミンが水に難溶性
である場合、特に有効である。このときに、反応
を円滑に進行させること、あるいは酵素の失活を
防ぐことを主目的として、反応系にマグネシウ
ム、マンガンなどの二価カチオン、メルカプトエ
タノール、ジチオスレイトールなどのスルフヒド
リル剤、ピロフアフアターゼを単独又は混合して
添加してもよい。各添加剤の好適な濃度として
は、二価カチオン、0.01mM〜500mM、スルフ
ヒドリル化剤0.001mM〜100mM、ピロホスフア
ターゼ0.001ユニツト/ml〜100ユニツト/mlであ
り、最適な濃度としては、それぞれ二価カチオン
0.1mM〜10mM、スルフヒドリル化剤0.01mM
〜1mM、ピロホスフアターゼ1ユニツト/ml〜
10ユニツト/mlである。また、酵素の活性を維持
するため、溶媒に緩衝液を添加することが好まし
い。その緩衝液のの濃度としては、100mM以下
が好ましい。その緩衝液としては、α−アミノ
酸、アミン、アミノアシル−tRNAシンテターゼ
及びアデノシン三リン酸が溶解し、しかも酵素活
性を維持し、所望のPHが得られ、かつ、副反応を
起こさないものであれば、いかなるものを使用し
てもよい。そのような具体例として、例えば、ヘ
ペス緩衝液、トリエタノールアミン緩衝液、マレ
ート緩衝液、リン酸緩衝液、ビシン緩衝液、エツ
ペス緩衝液などがあげられる。 次に反応条件について述べると、アミノアシル
−tRNAシンテターゼは、通常、反応の至適PHを
7〜9付近にもつため、反応液のPHを、上記緩衝
液で5ないし11に、好ましくは6〜10に制御する
ことが好ましい。また、反応の温度としては、ア
ミノアシル−tRNAシンテターゼの触媒活性が維
持できる限り、特に限定されないが、通常0〜70
℃が好ましく、最適には、10〜40℃で行うことが
好ましい。さらに原料の濃度としては、特に限定
されるものではないが、実用的な収量を得るため
には、目的のα−アミノ酸の濃度が0.1mM以上、
好ましくは1mM以上とし、アデノシン三リン酸
を、目的とするα−アミノ酸に対し、1〜10倍、
好ましくは1〜5倍相当量を使用し、アミノアシ
ル−tRNAシンテターゼを、目的とするアミノ酸
に対し、1/1〜1/100000相当量、好ましくは1/100
〜1/100000相当量の濃度で、実施することが好ま
しい。また、アミンの濃度は、通常、10mMから
10Mの範囲が好ましい。本発明によれば、α−ア
ミノ酸のアミノ基を保護することなく、常温、常
圧の極めて穏和な条件下でα−アミノ酸のアミド
を合成することが可能である。また、安価な原料
であるα−アミノ酸の混合物から特定のα−アミ
ノ酸のみを、選択的にアミド化することが可能で
ある。 以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中で、酵素の濃度は、ユニツト
単位で表示しており、このユニツトは、以下のよ
うに定義する。 (1) アミノアシル−tRNAシンテターゼ;1ユニ
ツトは、10分間に30℃で1μmoleのα−アミノ
酸を、アミノアシル−tRNAに変換する能力。 (2) ピロホスフアターゼ;1ユニツトは、ピロリ
ン酸から、1.0μmoleの無機りん酸を、1分間
に25℃で、PH7.2で生成させることができる能
力。 参考例 1 バチルス・ステアロサーモフイルスUK788(微
光研菌寄第5141号)の菌体6Kgを2倍量の100m
Mトリス・塩酸緩衝液(PH7.5)に懸濁し、ダイ
ノミルを用いて細胞を破砕後、遠心分離により不
溶物を除去し、ヒスチジンに特異的なヒスチジル
−tRNAシンテターゼを含む粗抽出液を得た。あ
らかじめ5mMメルカプトエタノール、2mMエ
チレンジアミン四酢酸ナトリウム及び0.1mMホ
スホフエニルスルホニルフルオリドを含む50mM
トリス緩衝液(PH7.5)で平衝化したマートレツ
クスゲルレツドA(アミコン社製)を充填したカ
ラムに、上記の粗抽出液をとおし、塩化カリウム
を上記緩衝液に加えた溶液で、線速度60cm・h-1
で溶出せしめると、ヒスチジル−tRNAシンテタ
ーゼが溶出した。この区分を集め、濃縮、脱塩を
行つた結果、約52%の収率でヒスチジンに特異的
なヒスチジル−tRNAシンテターゼを含む粗酵素
液を得た。上記操作をすべて4℃で行つた。 参考例 2 バチルス・ステアロサーモフイルスUK788 5
Kgよりバイオケミストリー誌13巻、2307頁(1974
年)記載の方法に従い、チロシンに特異的な作用
するチロシル−tRNAシンテターゼを精製した。 精製酵素の収率は67%で、総ユニツトは700000
ユニツトであつた。 実施例 1 アデノシン三リン酸・二ナトリウム塩3mg、L
−ヒスチジン1.6mg、塩化マグネシウム六水和物
10mg、及びジエチルアミン塩酸塩33mgを含む50m
M−ビシン緩衝液溶液800μlを調整し、PHを水酸
化ナトリウムで8.0とした。これに参考例1で得
られた濃度が10万unit/mlまで濃縮されたヒスチ
ジル−tRNAシンテターゼ200μlを加え、十分撹
拌後、30℃で2日放置して反応を完結させて反応
混合物を得た。 この反応混合物に、0.1N−水酸化ナトリウム
10mlを加え、酢酸エチル20mlで3回抽出した。酢
酸エチル層は、混合して蒸溜水で2回洗浄後無水
硫酸ナトリウムで乾燥させ、しかる後溶媒を減圧
下で蒸発させて除去した。蒸発残渣を、0.5mlの
水と0.5mlのアセトニトリルの混合物に溶解後、
ボンダパツクC18カラム(ウオーターズ社製)を
担体とし、アセトニトリル/50mM−リン酸カリ
ウム水溶液を展開溶媒として、高速液体クロマト
グラフイーで生成物を分離した。 この生成物は、L−ヒスチジンジエチルアミド
であり、収量は1.8mgであつた。 この化合物の元素分析(C10H18N4O=210.28)
の結果は、次のとおりであつた。 計算値(%) C=57.12、H=8.63、N=26.64 実測値(%) C=57.10、H=8.59、N=26.70 実施例 2 α−アミノ酸として、L−ヒスチジン1.6mg、
L−セリン1.0mgの混合物を使用すること以外は、
実施例1と全く同様にしてL−ヒスチジンジエチ
ルアミド1.6mgを得た。 このときに、L−セリンジエチルアミドの生成
は検出されなかつた。 比較例 1 N−α−tert−ブトキシカルボニル−im−トシ
ル−L−ヒスチジン41mgをジメチルホルムアミド
5mlに溶解し、13mgの1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾールと8mgのジエチルアミンを加え、−10℃
に冷却した後、20mgの1−エチル−3−(3′−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミドを滴下し
た。滴下終了後、室温にもどしながら、さらに12
時間撹拌した。反応物に酢酸エチル30mlを加えた
後、IN塩酸水溶液、水、5%NaHCO3水溶液、
水で順序洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。溶媒を減圧留去し、酢酸エチル−n−ヘキ
サンから結晶を得た。−10℃に冷却した後、トリ
フルオロ酢酸0.5mlを加え、10分間撹拌した。室
温にもどしながら、さらに30分間撹拌した後、溶
媒を減圧留去し、残留物を、エーテルで洗浄した
後、真空乾燥した。0.5mlの水と0.5mlのアセトニ
トリルの混合液に溶解し、ボンダパツクC18カラ
ム(ウオーターズ社製)を担体としアセトニトリ
ル/50mMリン酸カリウム水溶液を展開溶媒とし
て高速液体クロマトグラフイーで精製した。この
生成物は、L−ヒスチジル−ジエチルアミドであ
り、収量は7mgであつた。原料のヒスチジンを基
として収率は48%であつた。 実施例1、2及び比較例1により、従来の有機
合成法(比較例1)によるL−ヒスチジル−ジエ
チルアミドの収率は、原料のヒスチジンを基とし
て48%であつたのに対し、本発明の製造方法(実
施例1、2)によるL−ヒスチジル−ジエチルア
ミドの収率は、原料のヒスチジンを基として約90
%以上であつた。 このことは、本発明の製造方法が従来の有機合
成法よりも優れていることを示す。 実施例 3 アデノシン三リン酸・二ナトリウム塩30mg、L
−チロシン3.6mg、グリシン1.5mg、L−バリン2.3
mg、塩化マグネシウム六水和物102mg及びジチオ
スレイトール8mgを、2mMのヘペス緩衝液に溶
解し、水酸化ナトリウムでPHを8.5に調整し、さ
らに20mMのビシン緩衝液を加えて、溶液量を
7.5mlとし、50℃程度に加熱して均一な溶液を得
た。 この溶液を、室温に戻した後、ピロホスフアタ
ーゼ(ベーリンガー・マンハイム社製、20unit/
ml)を、20mMのヘペス緩衝液で透析して得た溶
液0.5ml)0.5ml、塩酸でPHを8.5に調整した5M−
エチルアミン水溶液1ml及び参考例2で得られた
20万unit/mlのチロシル−tRNAシンテターゼで
溶液1mlを混合し、総計10mlとした。この溶液を
30℃の恒温槽中で一日放置して反応を完結させて
反応液を得た。 次いで得られた反応液にアセトン200mlを加え、
沈澱を濾別後、上漬をエバポレーターにて、溶媒
を蒸発乾固した。得られた固体を水に再溶解後、
ポンダパツクC18カラム(ウオーターズ社製)に
供し、アセトニトリル/50mMリン酸カリ水溶液
(5/95)PH6.5を展開溶媒として用いて分離し、
L−チロシンエチルアミド(MW=211、2)1.0
mgを得た。 この収率は、チロシンを基として約50%であつ
た。また、グリシン及びバリンのエチルアミドは
認められなかつた。 この化合物の元素分析(C11H16N2O2=208.26)
の結果は、次のとおりであつた。 計算値(%) C=63.44、H=7.74、N=13.45 実測値(%) C=63.42、H=7.83、N=13.41 実施例 4〜7 実施例3と同様の条件下でアミノンとして、n
−プロピルアミン、ジメチルアミン、アニリン、
ベンジルアミンの四種のアミンを用い、反応を行
つた。 反応混合液を、そのままゾルバツクスODS(デ
ユボン社製)を担体とし、溶出液としてアセトニ
トリル/50mM−リン酸カリウム水溶液を使用
し、アセトニトリル濃度を0〜50%にグラデイエ
ントをかけながら、高速液体クロマトグラフイー
で分析した。 それぞれL−チロシン−n−プロピルアミド、
L−チロシンジメチルアミド、L−チロシンアニ
リド、L−チロシンベンジルアミドの生成が認め
られた。 グリシン及びL−バリンからのアミドは、いず
れの場合も実質上高速液体クロマトグラフイーで
は検出されなかつた。 出発原料中のL−チロシン量を基準に収率を計
算する表1の結果となつた。
【表】 実施例 8 アデノシン三リン酸・二ナトリウム塩5mg、L
−ピスチジン3mg、塩化マグネシウム六水和物17
mg、及び硫酸アンモニウム55mgを含む30mM−ビ
シン緩衝液1mlを調整し、PHを水酸化ナトリウム
で、8.0とした。これに参考例1で得られた濃度
が12万unit/mlまで濃縮されたヒスチジル−
tRNAシンテターゼ250μlを加え、十分撹拌後、
30℃で10時間放置して反応を完結させて反応混合
物を得た。 この反応混合物に、0.1N−水酸化ナトリウム
10mlを加え、酢酸エチル20mlで3回抽出した。酢
酸エチル層は、混合して蒸留水で2回洗浄後無水
硫酸ナトリウムで乾燥させ、しかる後溶媒を減圧
下で蒸発させて除去した。蒸発残渣を、0.5mlの
水と0.5mlのアセトニトリルの混合物に溶解後、
ボンダバツクC18カラム(ウオーターズ社製)を
担体とし、アセトニトリル/50mM−リン酸カリ
ウム水溶液を展開溶媒として、高速液体クロマト
グラフイーで生成物を分解した。 この生成物は、L−ヒスチジルアミドであり、
収量は2.0mgであつた。 この化合物の、元素分析(C6H10N4O=
154.087)の結果は、次のとおりであつた。 計算値(%) C=46.73、H=6.54、N=36.35、
O=10.38 実測値(%) C=46.74、H=6.60、N=36.32、
O=10.34

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 α−アミノ酸とアンモニア、脂肪族アミン又
    は芳香族アミンから選択されるアミンとからα−
    アミノ酸アミドを製造するに際し、触媒としてア
    ミノアシル−tRNAシンテターゼを用いることを
    特徴とするα−アミノ酸アミドの製造方法。
JP10150284A 1984-05-18 1984-05-18 α−アミノ酸アミドの製造方法 Granted JPS60244296A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107267566A (zh) * 2017-06-23 2017-10-20 北京农业职业学院 海鲜菇中游离氨基酸提取方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58209991A (ja) * 1982-05-27 1983-12-07 Kazutomo Imahori ペプチド又はペプチド誘導体の合成法

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