JPH06181788A - L−セリンの製造方法 - Google Patents
L−セリンの製造方法Info
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- JPH06181788A JPH06181788A JP34254992A JP34254992A JPH06181788A JP H06181788 A JPH06181788 A JP H06181788A JP 34254992 A JP34254992 A JP 34254992A JP 34254992 A JP34254992 A JP 34254992A JP H06181788 A JPH06181788 A JP H06181788A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 酵素セリンヒドロキシメチルトランスフェラ
ーゼ活性を有する微生物の細胞もしくは細胞処理物の存
在下、グリシンとホルムアルデヒドよりL−セリンを製
造する方法において、酵素反応の第一段階を30〜60
℃で実施し、第二段階を30℃未満の低温で実施するL
−セリンの製造方法 【効果】 高収率でL−セリンを製造する事が出来る。
ーゼ活性を有する微生物の細胞もしくは細胞処理物の存
在下、グリシンとホルムアルデヒドよりL−セリンを製
造する方法において、酵素反応の第一段階を30〜60
℃で実施し、第二段階を30℃未満の低温で実施するL
−セリンの製造方法 【効果】 高収率でL−セリンを製造する事が出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−セリンの製造方法
に関する。さらに詳しくは、酵素セリンヒドロキシメチ
ルトランスフェラーゼの反応を利用してグリシンとホル
ムアルデヒドからL−セリンを製造するに際し、反応収
率を増加させる方法に関する。
に関する。さらに詳しくは、酵素セリンヒドロキシメチ
ルトランスフェラーゼの反応を利用してグリシンとホル
ムアルデヒドからL−セリンを製造するに際し、反応収
率を増加させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】L−
セリンの製造法として、グリシンとホルムアルデヒドを
原料とし、酵素セリンヒドロキシメチルトランスフェラ
ーゼ(E.C.2.1.2.1 以下「SHMT」と称
する)の反応を利用する方法が開示されている(例え
ば、特開平03−206892号公報)。
セリンの製造法として、グリシンとホルムアルデヒドを
原料とし、酵素セリンヒドロキシメチルトランスフェラ
ーゼ(E.C.2.1.2.1 以下「SHMT」と称
する)の反応を利用する方法が開示されている(例え
ば、特開平03−206892号公報)。
【0003】ところで、SHMTの触媒する反応は平衡
反応であることが知られており(Advances i
n Enzymol. and related Ar
eas of Molecular Biol.,5
3,p83−112,(1982))、上記の文献によ
る製法においては、原料であるグリシンを全て反応させ
ることはできない。
反応であることが知られており(Advances i
n Enzymol. and related Ar
eas of Molecular Biol.,5
3,p83−112,(1982))、上記の文献によ
る製法においては、原料であるグリシンを全て反応させ
ることはできない。
【0004】一般に、平衡反応における平衡状態は、温
度によって異なり、平衡状態は各温度における平衡定数
によって示される。平衡反応においては、生成物の生成
に有利な温度で反応を行うことが望ましい。しかしなが
ら、低温において平衡状態が生成物側に有利である場
合、平衡状態に達するまでの時間が長くなるという問題
がある。したがって、平衡反応においては、反応速度と
平衡状態の観点から、反応温度を設定する必要がある。
度によって異なり、平衡状態は各温度における平衡定数
によって示される。平衡反応においては、生成物の生成
に有利な温度で反応を行うことが望ましい。しかしなが
ら、低温において平衡状態が生成物側に有利である場
合、平衡状態に達するまでの時間が長くなるという問題
がある。したがって、平衡反応においては、反応速度と
平衡状態の観点から、反応温度を設定する必要がある。
【0005】例えば、特開昭61−12297号公報に
おいて、フェニルアラニンアンモニアリア−ゼの存在
下、トランス−ケイ皮酸とアンモニウムイオンを反応さ
せ、L−フェニルアラニンを合成する際、約30℃以下
の温度で反応を進めると L−フェニルアラニンの収率
が増すことが開示されている。この酵素反応は平衡反応
であり、低温において、平衡はL−フェニルアラニンの
生成に有利であると述べられている。しかしながら、低
温での反応速度は遅いため、反応の初期段階を比較的高
い温度で実施し、反応の最終段階で温度を低下させるこ
とにより収率を増加させる方法が開示されている。
おいて、フェニルアラニンアンモニアリア−ゼの存在
下、トランス−ケイ皮酸とアンモニウムイオンを反応さ
せ、L−フェニルアラニンを合成する際、約30℃以下
の温度で反応を進めると L−フェニルアラニンの収率
が増すことが開示されている。この酵素反応は平衡反応
であり、低温において、平衡はL−フェニルアラニンの
生成に有利であると述べられている。しかしながら、低
温での反応速度は遅いため、反応の初期段階を比較的高
い温度で実施し、反応の最終段階で温度を低下させるこ
とにより収率を増加させる方法が開示されている。
【0006】ところが、このように低温で生成物の生成
に有利であるような酵素反応は一般的ではない。SHM
Tによる、グリシンとホルムアルデヒドからの L−セ
リン生成反応は転移反応であり、フェニルアラニンアン
モニアリア−ゼの脱離反応とは全く異なる反応である。
したがって、温度による平衡状態の違いは、SHMTと
フェニルアラニンアンモニアリア−ゼの反応では全く傾
向が異なるはずであり、同一レベルでは論じられないの
である。SHMTによる、グリシンとホルムアルデヒド
からL−セリンを合成する反応においては、その平衡定
数はいくつかの文献において報告されているが(例え
ば、J.Biol.Chem.,220,p775
(1956)、Biochem.J.65,p342
(1957))、温度の違いによる平衡定数の差につい
ては、これまで報告がない。
に有利であるような酵素反応は一般的ではない。SHM
Tによる、グリシンとホルムアルデヒドからの L−セ
リン生成反応は転移反応であり、フェニルアラニンアン
モニアリア−ゼの脱離反応とは全く異なる反応である。
したがって、温度による平衡状態の違いは、SHMTと
フェニルアラニンアンモニアリア−ゼの反応では全く傾
向が異なるはずであり、同一レベルでは論じられないの
である。SHMTによる、グリシンとホルムアルデヒド
からL−セリンを合成する反応においては、その平衡定
数はいくつかの文献において報告されているが(例え
ば、J.Biol.Chem.,220,p775
(1956)、Biochem.J.65,p342
(1957))、温度の違いによる平衡定数の差につい
ては、これまで報告がない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、SHMT活性
を有する微生物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グ
リシンとホルムアルデヒドからL−セリンを製造する方
法において、L−セリン生成反応の平衡は、30℃未満
の低温では、L−セリン生成に有利であり、酵素反応の
第一段階を 30〜60℃で実施し、第二段階を第一段
階より低温で実施することにより、L−セリンの収率が
増加することを見い出し、本発明を完成するに至った。
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、SHMT活性
を有する微生物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グ
リシンとホルムアルデヒドからL−セリンを製造する方
法において、L−セリン生成反応の平衡は、30℃未満
の低温では、L−セリン生成に有利であり、酵素反応の
第一段階を 30〜60℃で実施し、第二段階を第一段
階より低温で実施することにより、L−セリンの収率が
増加することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、SHMT活性を有する微生
物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グリシンとホル
ムアルデヒドより、L−セリンを製造する方法におい
て、酵素反応の第一段階を30〜60℃で実施し、第二
段階を30℃未満の低温で実施することにより、効率よ
くL−セリンを製造する方法を提供する。
物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グリシンとホル
ムアルデヒドより、L−セリンを製造する方法におい
て、酵素反応の第一段階を30〜60℃で実施し、第二
段階を30℃未満の低温で実施することにより、効率よ
くL−セリンを製造する方法を提供する。
【0009】本発明者らは、SHMTによる、グリシン
とホルムアルデヒドからのL−セリン生成反応の平衡
は、30℃未満の低温では、よりL−セリン生成に有利
であることを発見した。例えば、本反応の平衡定数は、
30℃および50℃では、190M-1であるのに対し、
10℃では約300M-1である。ただし、平衡定数は、
[Ser]/[Gly]×[HCHO]として計算し
た。
とホルムアルデヒドからのL−セリン生成反応の平衡
は、30℃未満の低温では、よりL−セリン生成に有利
であることを発見した。例えば、本反応の平衡定数は、
30℃および50℃では、190M-1であるのに対し、
10℃では約300M-1である。ただし、平衡定数は、
[Ser]/[Gly]×[HCHO]として計算し
た。
【0010】しかしながら、低温での反応速度は遅いた
め、高収率を得るためには、長時間の反応が必要であ
る。
め、高収率を得るためには、長時間の反応が必要であ
る。
【0011】そこで、反応速度を高めるために、反応の
初期段階は比較的高い温度で行い、反応の最終段階にお
いて、温度を30℃未満に低下させたところ、効率よく
L−セリンを合成することができた。
初期段階は比較的高い温度で行い、反応の最終段階にお
いて、温度を30℃未満に低下させたところ、効率よく
L−セリンを合成することができた。
【0012】本発明において用いられる微生物は、SH
MT活性を有するものであればよく、このような微生物
の例としては、エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli) MT−10350 (FERM
P−7437、FERM BP−793)、エシェリヒ
ア・コリ MT−10351 (FERM P−743
8、FERM BP−794)をあげることができる。
MT活性を有するものであればよく、このような微生物
の例としては、エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli) MT−10350 (FERM
P−7437、FERM BP−793)、エシェリヒ
ア・コリ MT−10351 (FERM P−743
8、FERM BP−794)をあげることができる。
【0013】本発明においては、SHMT活性を有する
微生物の培養液から、遠心分離、濾過等により集菌した
細胞あるいは細胞処理物を、酵素源として用いる。細胞
処理物としては、細胞を機械的処理、超音波処理、凍結
融解処理、乾燥処理、溶媒処理、化学的処理、浸透圧処
理、自己消化、界面活性剤処理、酵素処理等により細胞
壁の一部もしくは全部を破砕したもの、およびこれらよ
り得られる酵素画分、細胞および細胞抽出物の固定化物
などがある。
微生物の培養液から、遠心分離、濾過等により集菌した
細胞あるいは細胞処理物を、酵素源として用いる。細胞
処理物としては、細胞を機械的処理、超音波処理、凍結
融解処理、乾燥処理、溶媒処理、化学的処理、浸透圧処
理、自己消化、界面活性剤処理、酵素処理等により細胞
壁の一部もしくは全部を破砕したもの、およびこれらよ
り得られる酵素画分、細胞および細胞抽出物の固定化物
などがある。
【0014】本発明のL−セリン合成反応では、反応速
度を高めるために、反応の第一段階は比較的高い温度、
即ち30〜60℃で実施される。30℃より低温では充
分な反応速度が得られず、60℃より高温では酵素の安
定性が悪くなるためである。通常pH6〜9において、
5〜40時間反応を行う。好ましくは、pH6.5〜
7.0、50℃で20〜30時間である。転化の大部分
はこの第一段階において完了する。次に反応の第二段階
は、30℃未満の低温、好ましくは15〜20℃で実施
される。第二段階に要する時間は5〜20時間である。
度を高めるために、反応の第一段階は比較的高い温度、
即ち30〜60℃で実施される。30℃より低温では充
分な反応速度が得られず、60℃より高温では酵素の安
定性が悪くなるためである。通常pH6〜9において、
5〜40時間反応を行う。好ましくは、pH6.5〜
7.0、50℃で20〜30時間である。転化の大部分
はこの第一段階において完了する。次に反応の第二段階
は、30℃未満の低温、好ましくは15〜20℃で実施
される。第二段階に要する時間は5〜20時間である。
【0015】なお、反応基質であるホルムアルデヒド
は、SHMT活性を阻害しない程度の濃度で用いなけれ
ばならず、反応の進行に伴い、反応液に分割または連続
的に添加する。
は、SHMT活性を阻害しない程度の濃度で用いなけれ
ばならず、反応の進行に伴い、反応液に分割または連続
的に添加する。
【0016】pHの調整は反応液にアルカリを添加して
行われる。反応液に添加するアルカリとしては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、ア
ルカリ金属水酸化物の他、ピロリン酸カリウム、アンモ
ニアなど水に溶解して液性を塩基性とするものであれば
よい。
行われる。反応液に添加するアルカリとしては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、ア
ルカリ金属水酸化物の他、ピロリン酸カリウム、アンモ
ニアなど水に溶解して液性を塩基性とするものであれば
よい。
【0017】反応終了後、反応液に鉱酸、例えば硫酸、
塩酸等を加えて液性を酸性側、好ましくはpH5以下と
し、この溶液に濾過助剤、例えば活性炭等を加え、熱濾
過して菌体破砕物等の不純物を除去する。
塩酸等を加えて液性を酸性側、好ましくはpH5以下と
し、この溶液に濾過助剤、例えば活性炭等を加え、熱濾
過して菌体破砕物等の不純物を除去する。
【0018】濾液は常法により濃縮し、L−セリンの結
晶を析出させ、分離、乾燥しL−セリンを得る。
晶を析出させ、分離、乾燥しL−セリンを得る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として50℃、pH6.7
において、ホルマリンを35時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpHは、1N−NaOHの添加にてp
H6.7に保った。次に温度を20℃に低下させ、8時
間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グリ
シン収率は90.2%であった[対グリシン収率=生成
L−セリン(mol)/仕込グリシン(mol)]。
る。 実施例1 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として50℃、pH6.7
において、ホルマリンを35時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpHは、1N−NaOHの添加にてp
H6.7に保った。次に温度を20℃に低下させ、8時
間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グリ
シン収率は90.2%であった[対グリシン収率=生成
L−セリン(mol)/仕込グリシン(mol)]。
【0020】実施例2 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として30℃、pH6.7
において、ホルマリンを40時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpH は、1N−NaOHの添加にて
pH6.7に保った。次に温度を15℃に低下させ、8
時間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グ
リシン収率は88.3%であった。
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として30℃、pH6.7
において、ホルマリンを40時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpH は、1N−NaOHの添加にて
pH6.7に保った。次に温度を15℃に低下させ、8
時間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グ
リシン収率は88.3%であった。
【0021】実施例3 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として60℃、pH6.7
において、ホルマリンを30時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpHは、1N−NaOHの添加にてp
H6.7に保った。次に温度を25℃に低下させ、6時
間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グリ
シン収率は90.5%であった。
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、第一段階として60℃、pH6.7
において、ホルマリンを30時間断続的に添加した。ホ
ルマリンの添加は、反応液中のホルマリン濃度を分析し
ながら、反応液中のホルマリン濃度を次式を満たす許容
範囲;[ホルマリン濃度(mM)=20mM + 10
mM ×(反応経過時間)]以下になるように制御して
行った。反応液のpHは、1N−NaOHの添加にてp
H6.7に保った。次に温度を25℃に低下させ、6時
間反応を継続し、L−セリンを合成した。反応の対グリ
シン収率は90.5%であった。
【0022】比較例1 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、50℃、pH6.7において、ホル
マリンを43時間断続的に添加することにより、L−セ
リンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホル
マリン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度
を次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下
になるように制御して行った。反応液のpHは、1N−
NaOHの添加にてpH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は79.1%であった。
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、50℃、pH6.7において、ホル
マリンを43時間断続的に添加することにより、L−セ
リンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホル
マリン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度
を次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下
になるように制御して行った。反応液のpHは、1N−
NaOHの添加にてpH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は79.1%であった。
【0023】比較例2 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気処
理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、700
gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラヒ
ドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合し
た反応液に加え、30℃、pH6.7において、ホルマ
リンを48時間断続的に添加することにより、L−セリ
ンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホルマ
リン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度を
次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下に
なるように制御して行った。反応液のpHは、1N−N
aOHの添加にて pH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は80.4%であった。
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気処
理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、700
gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラヒ
ドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合し
た反応液に加え、30℃、pH6.7において、ホルマ
リンを48時間断続的に添加することにより、L−セリ
ンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホルマ
リン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度を
次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下に
なるように制御して行った。反応液のpHは、1N−N
aOHの添加にて pH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は80.4%であった。
【0024】比較例3 特開平03−206892号公報に準じてSHMT酵素
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、25℃、pH6.7において、ホル
マリンを40時間断続的に添加することにより、L−セ
リンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホル
マリン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度
を次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下
になるように制御して行った。反応液のpHは、1N−
NaOHの添加にてpH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は50.4%であった。
液を調製した。即ち、36gのグリシンを蒸留水125
gに溶解してpH7.5に調整した溶液に、Esche
richia coli MT−10350(微工研菌
寄第 7437号)の培養湿菌体40gを接触後、通気
処理を施し、酵素液とした。該処理液200gを、70
0gの蒸留水に340gのグリシン、1.0gのテトラ
ヒドロ葉酸および20mgのピリドキサルリン酸を混合
した反応液に加え、25℃、pH6.7において、ホル
マリンを40時間断続的に添加することにより、L−セ
リンを合成した。ホルマリンの添加は、反応液中のホル
マリン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度
を次式を満たす許容範囲;[ホルマリン濃度(mM)=
20mM + 10mM ×(反応経過時間)]以下
になるように制御して行った。反応液のpHは、1N−
NaOHの添加にてpH6.7に保った。反応の対グリ
シン収率は50.4%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によって、SHMT活性を有する
微生物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グリシンと
ホルムアルデヒドからL−セリンを製造する方法におい
て、高収率でL−セリンを製造する方法が確立された。
微生物の細胞もしくは細胞処理物の存在下、グリシンと
ホルムアルデヒドからL−セリンを製造する方法におい
て、高収率でL−セリンを製造する方法が確立された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福原 信裕 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 酵素セリンヒドロキシメチルトランスフ
ェラーゼ活性を有する微生物の細胞もしくは細胞処理物
の存在下、グリシンとホルムアルデヒドよりL−セリン
を製造する方法において、酵素反応の第一段階を30〜
60℃で実施し、第二段階を30℃未満の低温で実施す
ることを特徴とするL−セリンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34254992A JPH06181788A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | L−セリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34254992A JPH06181788A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | L−セリンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06181788A true JPH06181788A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18354613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34254992A Pending JPH06181788A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | L−セリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06181788A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100647890B1 (ko) * | 2004-09-15 | 2006-11-23 | 동양제철화학 주식회사 | 세린 알킬에스터 유도체의 제조방법 |
WO2006123745A1 (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-23 | Ajinomoto Co., Inc. | L-セリン誘導体の製造方法およびこれに用いる酵素 |
-
1992
- 1992-12-22 JP JP34254992A patent/JPH06181788A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100647890B1 (ko) * | 2004-09-15 | 2006-11-23 | 동양제철화학 주식회사 | 세린 알킬에스터 유도체의 제조방법 |
WO2006123745A1 (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-23 | Ajinomoto Co., Inc. | L-セリン誘導体の製造方法およびこれに用いる酵素 |
US7851187B2 (en) | 2005-05-20 | 2010-12-14 | Ajinomoto Co., Inc. | Method of producing L-serine derivative and enzyme used therefore |
JP4877227B2 (ja) * | 2005-05-20 | 2012-02-15 | 味の素株式会社 | L−セリン誘導体の製造方法およびこれに用いる酵素 |
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