JP2000127618A - インクジェット記録材料 - Google Patents
インクジェット記録材料Info
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Abstract
て優れ、光沢があり高品質の画像を得ることができるた
孔吸収型のインクジェット記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に無機顔料を主成分とする多孔
質層を設けてなる孔吸収型のインクジェット記録材料に
おいて、多孔質層の無機顔料としてシリカ粒子の表面層
がアルミナでドープされたシリカ粒子を用いる。このア
ルミナでドープされたシリカ粒子は、熱分解法と火炎加
水分解法とを組合せた方法によって製造され、シリカの
表面がアルミナでドープされている。多孔質層は、この
シリカ粒子を好適には50%以上含有する。
Description
録材料に係わり、速乾性、光沢性、耐水性に優れたイン
クジェット記録材料に関する。
(PPC)と並んで最も普及した印刷方法であり、良好な
画像を得るために専用の受像処理が施された記録材料が
各種提案されている。インクジェット記録のための受像
処理としては、基材となる紙或いはフィルム上に水性イ
ンクの吸収性がよく且つ耐水性を備えた樹脂の塗布層を
形成したものが一般的であり、グラフトポリマーやブロ
ックポリマーを用いたもの(特開昭61-21780号)、ポリ
ビニルピロリドンとアクリル酸系のポリマーを用いたも
の(特開昭62-218181号)、さらにPPCと共用できる材料
(特開平5-177921号)などが提案されている。
インクジェット記録材料に対し、シリカ粒子やアルミナ
粒子等の多孔質無機顔料の吸水性を利用したインクジェ
ット記録材料も提案されている(特開昭62-174183号、
特開平4-267180号など)。このようなインクジェット記
録材料は、孔吸収型とも呼ばれ、インク受容層の約90
%を無機顔料粒子が占めており、無機顔料の間隙にイン
クが入り込み、印字されるため、インクの染み込みが早
く且つ広がらないという利点がある。
インク受容層は、一般に無機顔料を必要に応じて少量の
樹脂、その他の添加剤とともに水系の溶剤に混合、分散
したものを紙やプラスチック等の支持体上に塗布、乾燥
することによって製造する。この塗布液の性状や塗布後
の塗膜の性質は主成分である無機顔料に大きく依存す
る。無機顔料としてアルミナを用いた場合には、塗布液
が経時的に増粘する傾向があり、これを防止するために
酢酸、蟻酸等の酸を添加することが必要である。このよ
うな酸は、臭気の原因となり、また印字後の染料の変色
や塗膜の酸化を進める場合がある。
や液流動性に優れているため酸を必要としないが、それ
自体には被膜形成能がないため、かなりの量の樹脂を必
要とし、孔吸収型のインク受容層の特徴を生かすために
は限界がある。
ことなく強度のある塗膜を形成することが可能であり、
且つ速乾性、吸水性、耐水性等の全ての性能において優
れたインクジェット記録材料を提供することを目的とす
る。また本発明は光沢があり、高品質の画質が得られる
インクジェット記録材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、孔吸収型のインク受容層に用いる無機顔
料について鋭意研究した結果、シリカ粒子の表面層をア
ルミナでドープしたもの(以下、アルミナドープシリカ
という)を用いた場合に、アルミナおよびシリカの利点
を兼ね備え、しかもそれら単独で或いは混合して用いた
場合より優れた特性が得られることを見出し本発明に致
ったものである。即ち本発明のインクジェット記録材料
は、無機顔料を主成分とする多孔質層を有するインクジ
ェット記録材料において、インク受容層の無機顔料とし
て、シリカ粒子の表面層がアルミナでドープされたもの
を用いる。またアルミナドープシリカは、シリカに対し
1×10-5〜20重量%のアルミナでドープされている
ことが好ましい。
布液としたときに良好な液流動性および分散性を示すと
共に、アルミナと同等の被膜形成能を有し、酸等の補助
剤を用いることなく光沢のある被膜を形成することがで
きる。さらにこのようなシリカ粒子を含有する孔吸収型
インク受容層は耐水性、インク吸収性ともに優れ、高品
位の画質を得ることができる。
て、多孔質層はアルミナドープシリカを50%以上、好
適には70%以上、さらに好適には85%以上含む。
好適な態様において、インク受容層が支持体上に形成さ
れている。支持体としては、プラスチックフィルム或い
は紙を例示することができる。
て、多孔質層はそれ自体がインク受容層を構成してもよ
く、また他のインク受容層或いはインク透過層と組合せ
て形成されていてもよい。その態様によって多孔質層は
インクジェット記録材料の最表面に形成されていても、
また内側の層として形成されていてもよい。
つの態様として、多孔質層はインクジェット記録材料の
最表面に形成されており、インク受容層として機能す
る。その場合、このインク受容層と支持体との間に他の
機能を有する層を有していてもよい。
な態様として、多孔質層の上に別の層が形成されていて
もよく、その好適な態様において、別な層は厚さが5μ
m以下の親水性樹脂を含む樹脂層である。
録材料について具体的に説明する。
の実施例の概略を示す断面図で、支持体1上に、孔吸収
型インク受容層2である多孔質層を形成した構造を有し
ている。
ィルム、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、
ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリイミド、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体
等の合成樹脂フィルム、紙、クロス、合成紙、ターポリ
ンあるいはこれら紙等と前記樹脂フィルムとの複合フィ
ルム等が使用できる。
成しやすいように易接着処理等の表面処理がなされてい
てもよい。またアンカーコート層が形成されていてもよ
い。支持体1は、他の部材への転着、筆記その他の目的
のためにインク受容層2が設けられた面とは反対の面
に、粘着層、筆記層などの層が積層された多層体であっ
てもよい。
ンクジェット記録プリンターへの供給、搬送等を考慮
し、例えば20〜200μmのものが使用される。
なる孔吸収型のインク受容層で、無機顔料としてアルミ
ナドープシリカ粒子を用いる。
アルミナでドープされたもので、シリカ粒子としての特
性とアルミナとしての特性を合わせ持ち、単にアルミナ
とシリカを混合したものでは得られない特性、例えば優
れた液流動性や分散性を有する。シリカ粒子にドープさ
れるアルミナの量は1×10-5〜20重量%、好適には
1×10-4〜1重量%、より好適には1×10-2〜0.
5重量%である。このような範囲で、上述の特性が得ら
れる。またこのシリカ粒子の粒径(平均粒径)は、好適
には1〜300nm、より好適には10〜100nm、
さらに好適には60〜80nmである。
を製造する方法としては、アルミニウム化合物、例えば
AlCl3を含む溶液中にシリカ粒子を入れて、その表面に
溶液をコーティングし、その後、乾燥、焼成する方法
(溶液法)やアルミニウムおよびケイ素の化合物をガス
化し、その混合ガスを火炎(フレーム)中で反応させて
混合酸化物を得る方法(火炎加水分解法)が知られてい
るが、本発明で用いるアルミナドープシリカ粒子は、以
下に述べる熱分解法と火炎加水分解法とを組合せた方法
により製造することが好ましい。この方法でアルミナド
ープシリカを製造することにより、シリカ粒子の表面層
のみがアルミナでドープされたシリカ粒子を得ることが
でき、しかも微量のアルミナを均一にドープすることが
できる。
(典型的には、SiCl4などのハロゲン化物)をフレーム
(火炎)中に送り、エアロゾルと反応させる。この際、
エアロゾルとしてアルミニウム化合物、例えばAlCl3を
含むエアロゾルを用意する。このようなエアロゾルは、
アルミニウム化合物を含む溶液或いは分散液をエアロゾ
ル発生器を用いて、好適には超音波法により噴霧状にす
ることにより調製する。このエアロゾルをケイ素化合物
を含むガス混合物と均一に混合した状態で、フレーム中
で反応させる。これにより表面がアルミナでドープされ
たシリカが生成するので、これを常法によりガスから分
離する。
ドープシリカ粒子は、アルミナとシリカが別個の粒子と
して生成されることがなく、また一つの粒子中にアルミ
ナとシリカが混合した混合酸化物とは異なり、シリカ粒
子の表面層にアルミナがドープされた粒子となる。その
BET表面積は、5〜600m2/gである。これを本発明のイン
クジェット記録材料に用いた場合、インク受容層製造時
にはシリカと同様の液流動性、分散性を示し、インク受
容層としてはアルミナと同様の耐水性やインク吸収性を
示す。
ンク受容層を構成する材料の50重量%以上、好適には
70重量%以上、より好適には85〜95重量%であ
る。シリカ粒子の含有量を50重量%とすることによ
り、孔吸収型の特性、即ち速乾性、高インク吸収性、高
光沢度などを得ることができる。
にもよるが、50重量%以上では被膜化することが困難
であるが、上述したアルミナドープシリカ粒子の場合、
100%近く用いても被膜形成が可能である。また得ら
れた被膜(インク受容層)は、支持体との密着性がよ
く、粘着テープ等によって容易に剥離されることがな
い。従って柔軟性のある支持体上に設けて、柔軟性を要
求される用途に適用することが可能である。
を損わない範囲でシリカ、アルミナ等の無機顔料を含有
してもよい。
結着する補助的な成分として樹脂を含むことができる。
樹脂の種類は特に限定されず、一般にインクジェット記
録材料に用いられる水溶性或いは親水性の樹脂の他、任
意の樹脂を用いることができる。但し、樹脂の含有量が
多くなるにつれ、樹脂の性質がインク受容層のインク吸
収性や耐水性に与える影響が大きくなるので、樹脂の含
有量を考慮し、水系インクの吸収性がよく且つ耐水性が
ある樹脂を用いる。このような樹脂としてポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース樹
脂、水溶性ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール、
アクリル酸、アクリルアミド共重合体、メラミン樹脂、
ポリエーテルポリオールまたはその架橋物等の合成樹
脂、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、キチン、キトサン
等の天然樹脂、必要に応じて適度に耐水化された水溶性
高分子が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン等の水溶性樹脂を公知の方法で硬化
させた化合物、水溶性でシンナモイル基、スチルバゾリ
ウム基、スチリルキノリウム基或いはジアゾ基を持つ樹
脂等も使用することができる。これら樹脂は1種または
2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤、UV吸収剤、カチオン性添加剤などを添加し
てもよい。
シリカ粒子、少量の樹脂および必要に応じて使用される
添加剤を溶剤に溶解或いは分散した塗工液をバーコーテ
ィング法、グラビアコーティング法、キスコーティング
法などの塗布やスプレーによる噴霧により塗工乾燥する
ことにより製造することができる。支持体が紙の場合に
は、紙を塗布液中に浸漬し、含浸することによって形成
してもよい。
インク吸収量と比例し、厚いほどインク吸収量が多くな
る。一方厚さが厚いほどインクが沈みインク濃度が低く
なる。従ってインク吸収量とインク濃度の兼合いから、
孔吸収型のインク受容層の厚さは5〜100μmが好適
であり、10〜50μmがより好適である。
現象によりインク吸収を助けるため、フィルムよりも少
ない塗布量でインクジェット記録特性を満すことができ
る。但し、フィルムを用いた場合には高い光沢が得られ
るので、写真と同様の質感を得るためにはフィルムが好
適である。
成した構造のインクジェット記録材料について説明した
が、本発明のインクジェット記録材料はこれらに限定さ
れず、種々の形態とすることができる。
に本発明を適用した実施例を示すもので、図2(a)
は、支持体1上にインク受容層3、多孔質層(インク透
過層)2がこの順に形成されている2層構造のインクジ
ェット記録材料である。多孔質層2は、図1に示す1層
構造のインクジェット記録材料のインク受容層2と同様
の構成である。
ンク受容層と同様で、主として親水性且つ耐水性の樹脂
からなる。このような樹脂としてポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース樹脂、水
溶性ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール、アクリ
ル酸、アクリルアミド共重合体、メラミン樹脂、ポリエ
ーテルポリオールまたはその架橋物等の合成樹脂、ゼラ
チン、カゼイン、でんぷん、キチン、キトサン等の天然
樹脂、必要に応じて適度に耐水化された水溶性高分子が
挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性樹脂を公知の方法で硬化させた化
合物、水溶性でシンナモイル基、スチルバゾリウム基、
スチリルキノリウム基或いはジアゾ基を持つ樹脂等も使
用することができる。これら樹脂は1種または2種以上
を混合して用いることができる。
他、樹脂の吸収性を高めるためにクレー、タルク、ケイ
ソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、合成ゼ
オライト、アルミナ、スメクタイト等の他の無機顔料を
含有することができる。これら無機顔料の添加量は、樹
脂100に対し5〜200部程度とする。
泡剤、レベリング剤、UV吸収剤、光安定剤等の添加物を
添加してもよい。
が、通常1μm〜50μm、好適には3μm〜40μm
とする。
ず支持体上に樹脂および必要に応じて使用される添加剤
を溶剤に溶解或いは分散した塗工液をバーコーティング
法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法等
の塗布方法により支持体上に塗布、乾燥することにより
インク受容層3を形成した後、多孔質層2を前述した方
法により塗布、乾燥することにより形成し製造すること
ができる。
れたインクの染料或いは顔料は多孔質層2のアルミナド
ープシリカ粒子に吸着され、多孔質層2を透過したイン
クは更に樹脂を主成分とするインク受容層3で吸収され
る。これにより表面の乾きが早く、優れたインク吸収性
が得られる。また印字面は高い光沢を示し、鮮明な画像
を得ることができる。さらに多孔質層2形成に際し、酸
等の分散助剤を用いる必要がないので、臭気の問題もな
い。
意成分であるが、この無機顔料としてアルミナドープシ
リカ粒子を用いてもよい。
は、孔吸収型インク受容層2の上に親水性樹脂からなる
薄い層4を設けた構造を有している。孔吸収型インク受
容層2は、無機顔料としてアルミナドープシリカ粒子を
用いたインク受容層であり、図1に示すインク受容層2
と同様の構成を有する。
下、好適には2μm以下である。この層4を形成する親
水性樹脂としては、図2(a)に示したインク受容層3
と同様に、一般に樹脂吸収型のインク受容層に用いられ
る親水性且つ耐水性の樹脂を用いることができる。層4
は、このような樹脂の他、顔料、UV吸収剤等の添加剤を
含むことができる。
ず図1に示す構造のインクジェット記録材料の孔吸収型
インク受容層2を製造し、このインク受容層2の上に、
親水性樹脂および必要な添加剤を適当な溶剤に溶解或い
は分散した塗工液をバーコーティング法、スプレーコー
ティング法、ロールコーティング法等の塗布方法により
塗布、乾燥することにより層4を形成し製造することが
できる(図2(b))。
クを用いたインクジェット記録に適用した場合、特に好
適である。顔料インクは、有機顔料、無機顔料を単独で
或いは混合して水、低級アルコール等の分散媒に、界面
活性剤等の分散剤とともに分散させたものであり、樹脂
を主成分とするインク受容層に印字されると、溶媒のみ
がインク受容層に吸収され、顔料はインク受容層表面に
残る。インク受容層の樹脂がインクの溶媒によって膨潤
すると、表面に残った顔料にひび割れが生じる場合があ
る。一方、孔吸収型のインク受容層に印字した場合に
は、樹脂の膨潤によるひび割れの問題は生じないが、顔
料と孔吸収型インク受容層との接着力が弱く、指でこす
るとはがれてしまう場合がある。
に極めて薄い親水性樹脂の層を設けることにより、顔料
は樹脂を介してインク受容層と結合するので、印字後に
剥がれることがなく、しかも樹脂が極めて薄いために膨
潤の影響も極めて小さく、ひび割れを生じることがな
い。
説明する。 実施例1 [アルミナドープシリカの調製]図3に示すような製造
装置を用いてシリカ粒子の表面にアルミナがドープされ
たアルミナドープシリカを次のように製造した。
バーナー31の中央管32に導入した。また3.4 Nm3/hの1
次水素ガスおよび3.76 Nm3/hの空気を中央管32に導入し
た。バーナーの中央ノズル33から出たガス混合物は、燃
焼室38およびそれに直列に接続された水冷燃焼炎管40で
燃焼した。ノズル33の固化を防ぐために、0.5 Nm3/hの
2次水素ガスを、中央管32を囲むように配置されたマン
トルノズル34から供給した。さらに20 Nm3/hの2次空気
を燃焼室38に供給した。
のAlCl3水溶液39を超音波法により噴霧状にして、460 g
/hのアルミニウム塩エアロゾルを発生させた。0.5 Nm3/
hの空気をキャリアガスとして、エアロゾルを加熱器37
に通し、ここで180℃でガスと塩の結晶のエアロゾルに
変えた。このエアロゾルを、軸管35から中央管32に送っ
た。バーナー口におけるガス混合物(SiCl4/空気/水
素/エアロゾル)の温度は156℃であった。
を、減圧で吸引することにより冷却系40、41を介して収
集し、約100〜160℃に冷却した。固体をフィルター或い
はサイクロンでガス流から分離した。さらに付着してい
る塩酸残渣を、温度を上昇させながら水蒸気を含む空気
で処理することにより除去し、アルミナドープシリカを
得た。このアルミナドープシリカの平均粒径は80 nm、
アルミナドープ量は約0.25%であった。
100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(メ
リネックスD534:デュポン社製)上に下記組成のイン
ク受容層用塗布液をバーコーティングにより塗布し、乾
燥後厚さ約30μmのインク受容層を形成した。 インク受容層用塗布液の組成 ・ポリビニルアルコール 1重量部 ・アルミナドープシリカ粒子 9重量部 (平均粒径80 nm、アルミナドープ量約0.25%) ・水 40重量部
形成能を評価するとともに作製したインクジェット記録
材料についてインク受容層の被膜強度、耐水性、インク
吸収速度および印字後の画質を評価した。その結果を表
1に示す。
際に、容易に塗工できたものを○、塗工しにくかったも
のを×とした。分散性は顔料が溶媒(水)中に均一に分
散したものを○、分散安定性が悪かったものを×とし
た。被膜形成能は、被膜化できたものを○、全く被膜化
できなかったものを×とした。被膜強度は粘着テープを
用いた剥離試験を行い、凝集破壊を起こさなかったもの
を○、起こしたものを×とした。耐水性は、作製したイ
ンクジェット記録材料を25℃の蒸留水中に5分間浸漬
した後、塗膜が残っていたものを○、溶けてしまったも
のを×とした。
ト記録材料にインクジェットプリンター(PM700C:セイ
コーエプソン社製)で印字し、5分後に印字部が乾いて
いたものを○、乾かなかったものを×とした。画質は良
好なものを○、にじみやすかったものを×とした。
してポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後厚
さ約30μmのインク受容層を形成した。無機顔料とし
て、比較例1ではシリカ(Aerosil 200:日本アエロジ
ル社製)、比較例2ではアルミナ(Aluminium Oxide
C:デグッサ社製)、比較例3では市販のアルミナシリ
カ混合酸化物(Aerosil MOX170:デグッサ社製)を用い
た。尚、比較例3で用いたアルミナシリカ混合酸化物
は、シリカ粒子内にアルミナが混在する混合酸化物(ア
ルミナ含有量約1%)である。
の特性およびインク受容層の特性を評価した。結果を併
せて表1に示す。尚、比較例1及び3は完全な被膜を形
成することができなかったため、インク受容層の評価は
できなかった。
やシリカとアルミナの混合酸化物を用いた場合には被膜
形成ができなかったのに対し、実施例1のインク受容層
用塗布液は、優れた分散性を示し、酸を添加しなくても
流動性が良好で、光沢のある被膜を形成することができ
た。またアルミナを用いた場合よりも被膜強度に優れて
おり、アルミナやシリカを用いた場合には得られない独
自の優れた特性を備えていることが示された。耐水性や
インク吸収性についてはアルミナを用いた孔吸収型イン
クジェット記録材料と同等の優れた性質を示した。
吸収型のインク受容層に含有される無機顔料として表面
がアルミナでドープしたシリカ粒子を用いたことによ
り、速乾性、吸水性、耐水性等の全ての性能において優
れ、高品質の画質を得ることができる。また本発明のイ
ンクジェット記録材料は、酸等の分散助剤を用いること
なく光沢がある強靭な被膜を形成することができ、しか
もアルミナの利点(高いインク吸収性、耐水性)が生か
したインクジェット記録材料が得られる。
は、孔吸収型インク受容層を種々の層と組合せることに
より水系インクのみならず顔料インクにも適したインク
ジェット記録材料とすることができる。
を示す断面図。
クジェット記録材料の他の実施例を示す断面図。
する装置の概要を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】 無機顔料を主成分とする多孔質層を有す
るインクジェット記録材料において、前記多孔質層の無
機顔料としてシリカ粒子の表面層がアルミナでドープさ
れたシリカ粒子を用いたことを特徴とするインクジェッ
ト記録材料。 - 【請求項2】 前記アルミナでドープされたシリカ粒子
は、シリカに対し1×10-5〜20重量%のアルミナで
ドープされていることを特徴とする請求項1記載のイン
クジェット記録材料。 - 【請求項3】 前記多孔質層は、アルミナでドープされ
たシリカ粒子を50%以上含むことを特徴とする請求項
1または2記載のインクジェット記録材料。 - 【請求項4】 前記多孔質層は、支持体上に形成されて
いることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
録材料。 - 【請求項5】 前記支持体が、プラスチックフィルムで
あることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記
録材料。 - 【請求項6】 前記支持体が、紙であることを特徴とす
る請求項4記載のインクジェット記録材料。 - 【請求項7】 前記多孔質層は、インクジェット記録材
料の最表面に形成されていることを特徴とする請求項1
ないし6いずれか1項記載のインクジェット記録材料。 - 【請求項8】 前記多孔質層の上に、厚さが5μm以下
の親水性樹脂を含む樹脂層が形成されていることを特徴
とする請求項1ないし6いずれか1項記載のインクジェ
ット記録材料。
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