JP2005066925A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Kenji Maruta
健治 丸田
Shuichi Osako
修一 大迫
Yasuhide Yoshida
泰秀 吉田
Satoru Kawasaki
川崎  哲
Hitoshi Fujii
均 藤井
Shigeru Naba
茂 那波
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Abstract

【目的】 インクジェット印字によるインク吸収性と印字画質のバランスを改善し、印字後の速乾性にすぐれ高画質なインク吸収層を有したインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 基材の片面または両面に少なくとも1層のインク吸収層が設けられており、このインク吸収層は、炭酸カルシウム系顔料を固形分にして5〜90重量%含有する材料により構成され、前記炭酸カルシウム系顔料が、炭酸カルシウムの他に亜鉛を含有し、該亜鉛が炭酸カルシウム系顔料中にZnSO4/Ca(OH)2 の重量比率で1.5〜35%複合化されている。この際、炭酸カルシウム系顔料として、顔料粒子の表面に、珪酸ソーダと塩化カルシウムとから形成されたシリカを該炭酸カルシウム系顔料中にSiO2/CaOの重量比率で2.0〜80%の範囲となるようにして化学または物理吸着処理させた後、0.3〜20μmの球状体に絡合させたものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明におけるインクジェット記録媒体は、染料を使用したインク、あるいは、着色顔料を使用したインクをインクジェット吐出口より吐出し、吐出されたインク滴を記録媒体に被弾させることにより画像を形成するいわゆるインクジェット記録方式において使用されるインクジェット記録媒体に関するものである。
インクジェット記録方式は、パーソナルコンピューターの出力装置として、オフィス用の一般文書の印刷・印字、電話料金の明細書などの産業用書類の印字、ダンボールの表面印字、Tシャツなどの布基材に転写して装飾するインクジェット熱転写印字など、極めて、広範囲に利用されている。インクジェット記録方式は、通常、インクカートリッジなどのインクだめから、加熱による蒸気圧力によりインクをノズルより吐出させるサーマル印字方式、ピエゾ素子を使用して電気信号を圧力に変換してインクを吐出させるピエゾ方式などの方式があり、吐出させたインク滴を紙、布などの記録媒体に被弾させ、印字ヘッドと非接触で画像を形成することができることを特徴としている。近年、インク滴の体積も数ピコリットルまで低下させたプリンターも開発され、記録画像の解像度も1440dot/inchを上回るものも開発されている。他方、産業用途では、印字速度を高める技術が進んでおり、毎分100〜150mの印字速度で印字できる高速プリンターも開発され実際に使用されている。インクジェット記録に使用されるインクも、色材として酸性染料などの染料を水、アルコールなどの溶媒に溶解した染料インキ、着色顔料を水、アルコールに分散させた顔料インキがあり、ひとつのプリンターで両方のインキを色別に使用するものもある。インクの溶媒、分散媒として水、アルコール以外に、乾燥性を高めるためにメチルエチルケトンなどの速乾性溶剤を使用する溶剤タイプものもある。
近年、このように多用化したインクジェットプリンターに対応するようなインクジェット記録媒体が数多く開発され使用されている。インクジェット記録媒体としては、普通紙、インク吸収層を紙、フィルムなどの基材に形成した専用紙、光沢紙、半光沢紙、布、不織布など極めて多品種のものが製造販売されている。このように多様化したインクジェット記録媒体において、300dot/inchを超える解像度でクリヤーな印字を確保するためには、記録媒体を構成する材料もさまざまなものが使用され、用途に応じて組み合わされて使用されている。インク吸収層は、従来より、シリカなどの多孔性顔料をポリビニルアルコールなどの水溶性バインダーに分散させ、染料を吸着する性能をもつカチオン性定着剤を添加して塗料とし、得られた塗料をロールコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ブレードコーターなどで基材上に均一に塗布乾燥して形成することが一般に行われており、これに使用されるシリカ、水溶性バインダー、カチオン性定着剤も極めて多岐にわたっている(例えば特許文献1及び2参照)。
特開昭60−204390号公報 特開昭62−183382号公報
しかしながら、このようなシリカをベースとした多孔性インク吸収層は、インクの吸収性を高めるとインクが吸収層内部まで浸透してしまい、色が鮮明でなくなる。他方、インクの吸収性を低めるとインクの浸透が悪くなり印字画像が滲んでくるなど、インク吸収性と印字画質のバランスをとることが難しかった。さらに、染料インキおよび顔料インキの両方に対して使用できる記録媒体はほとんど無く、一般用途で使用できるものを開発することが望まれているのが現状である。
本発明は、前記インクジェット印字によるインク吸収性と印字画質のバランスを改善し、印字後の速乾性にすぐれ高画質なインク吸収層を提供することにある。通常、インク吸収層には、インクを多孔性吸収層により毛細管現象により吸収する多孔性吸収層とインクの溶媒・分散媒を吸収する性質を有する膨潤性吸収層に大別される。本発明は、前者の多孔性吸収層に使用できる多孔性顔料について特殊な処理により形成される炭酸カルシウム系顔料を使用することにより印字のバランスを改善することができる。また、膨潤性吸収層では、画質形成がむずかしい顔料系インキにたいしても良好な印字品質を発現できるインク吸収層を提供することができる。
前記課題を解決可能な本発明のインクジェット記録媒体は、媒体を構成する基材の片面または両面に、少なくとも1層のインク吸収層が設けられており、該インク吸収層が、炭酸カルシウム系顔料を固形分にして5〜90重量%含有する材料により構成され、前記炭酸カルシウム系顔料が、炭酸カルシウムの他に亜鉛を含有し、該亜鉛が炭酸カルシウム系顔料中にZnSO4/Ca(OH)2の重量比率で1.5〜35%複合化されていることを特徴とする。
又、本発明のインクジェット記録媒体は、上述の特徴を有するものにおいて、炭酸カルシウム系顔料粒子の表面に、珪酸ソーダと塩化カルシウムとから形成されたシリカを該炭酸カルシウム系顔料中にSiO2/CaOの重量比率で2.0〜80%の範囲となるようにして化学または物理吸着処理させた後、該顔料粒子を絡合させて0.3〜20μmの粒径の球状体としたものが含有されていることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上述の特徴を有するインクジェット記録媒体において、炭酸カルシウム系顔料として、該炭酸カルシウム系顔料中にカチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーまたは両性ポリマーのポリマー類が固形分重量比率にして炭酸カルシウム系顔料/ポリマー類=100重量部/1〜50重量部の比率となるようにして添加され、かつ、0.1〜20μmの粒径範囲に粉砕加工されたものが含有されていることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上述の特徴を有するインクジェット記録媒体において、炭酸カルシウム系顔料の比表面積が50〜200m2/gの範囲にあり、しかも吸油量が80〜300ml/100gの範囲にあることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上述の特徴を有するインクジェット記録媒体において、炭酸カルシウム系顔料の1次粒子径が5〜60nmの範囲にあることを特徴とするものでもある。
更に、本発明は、上述の特徴を有するインクジェット記録媒体において、基材が紙基材であり、インク吸収層が、サイズプレス法またはゲートロール法により塗布含浸させて形成されていることを特徴とするものでもある。
本発明のインクジェット記録媒体は、特殊な炭酸カルシウム系顔料を含むインク吸収層によって、シリカをベースとしたインク吸収層を有したものに比べて、インクジェット印字におけるインク吸収性と印字画質のバランスが改善されており、印字後の速乾性にも優れ、高画質の印字画像が形成できる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体におけるインク吸収層について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体におけるインク吸収層は、一般に、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料等の多孔性顔料、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などのバインダー、ポリアミン系、ジシアンジアミド系、アリル系、アクリル系などのカチオン性樹脂を主材料として形成される。これらの材料のうち、特に、多孔性吸収層を形成するためにシリカが使用されることが多い。バインダーとしては、インクのぬれ性の高いポリビニルアルコールが使用されることが多い。カチオン性樹脂としては、染料吸着性の高いポリアミン系が一般に使用される。これらの材料は、それぞれ必要量、水に溶解または分散させた塗料にしてエアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、コンマコーターなどのコーターにより、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、不織布にコーティングされる。インク吸収層の塗工量は、5〜15g/m2が一般的である。
本発明では、多孔性顔料として炭酸カルシウム系顔料を使用する。炭酸カルシウム系顔料としては、炭酸カルシウム中に亜鉛を含み、該亜鉛がZnSO4/Ca(OH)2の重量比率で1.5〜35%、好ましくは1.5〜25%の割合で複合化したものである。さらに、これによって複合化した炭酸カルシウム系顔料の表面を珪酸ソーダと塩化カルシウムから形成されたシリカをSiO2/CaOの重量比率で2.0〜80%の割合で化学または物理吸着したのち、0.3〜20μmの球状体に絡合させた炭酸カルシウム系顔料を使用することも行われる。本発明による炭酸カルシウム系顔料をインク吸収層に固形分比率で5〜90%使用することにより、インク吸収性と印字の鮮明性などの印字品質のバランスがよいインクジェット記録媒体を形成することが可能となる。
本発明は、インク吸収層中の多孔性顔料として炭酸カルシウム系顔料を使用することを特徴とするが、該炭酸カルシウム系顔料としては、炭酸カルシウム中に亜鉛を含み、該亜鉛がZnSO4/Ca(OH)2の重量比率で1.5〜35%、好ましくは1.5〜25%の割合で複合化したものである。さらに、これによって複合化した炭酸カルシウム系顔料の表面を珪酸ソーダと塩化カルシウムから形成されたシリカをSiO2/CaOの重量比率で2.0〜80%の割合で化学または物理吸着したのち、0.3〜20μmの球状体に絡合させた炭酸カルシウム系顔料を使用することも行われる。炭酸カルシウムと亜鉛を複合化することにより、後処理でシリカを複合化することが容易になり、さらに、球状体に絡合させることにより、特に、インク吸収性に優れた顔料を形成することができる。炭酸カルシウムと亜鉛の複合体において亜鉛の含有量が低すぎるとできあがった粒子の比表面積が100m2/g以下になり、インク吸収性が悪くなる。また、亜鉛の含有量が多すぎると顔料粒子の凝集体が大きくなり、インクジェット用の塗料として使用できなくなる。他方、シリカの含有量に関しては、含有量が少ない場合は、亜鉛を複合化したままの状態に近くなり、含有量が多すぎるとシリカが分離するため複合体としての機能が発現しない。また、一般にアニオン性である炭酸カルシウムを前記複合化処理により、カチオン性定着剤との混和性を大きく改善することが可能となった。また、炭酸カルシウムと亜鉛の複合化により5〜60nmの一次粒子を形成しているため、シリカを複合化した後でも微細な孔が顔料表面に形成されインク吸収性を高め、2次粒子を0.3〜20μmとすることによりさらに毛細管現象によるインク吸収性を高めることができる。
図1に亜鉛を複合化した後の炭酸カルシウム系顔料の拡大写真(拡大率10万倍)を添付する。また、図2に、亜鉛を複合化した後、さらに、シリカを複合化し、球状体に絡合した微粒子の拡大写真(拡大率1万倍)を添付する。図1より、1次粒子では、炭酸カルシウム系顔料が微細な構造をしていることが明らかであり、図2より、シリカを複合化した後、図1の微細な1次粒子が絡合して球状体を形成していることが明らかである。
ここで、炭酸カルシウム系顔料の製造方法について説明する。まず、本発明では亜鉛化合物として硫酸亜鉛を使用する。これは、炭酸カルシウム合成時に水酸化カルシウム中に添加する。すると、下記の反応が進行する。
Ca(OH)2 + ZnSO4 → CaSO4 + Zn(OH)2
次に、炭酸ガスを導入し、炭酸カルシウム系顔料を合成する。(過剰のCa(OH)2を使用することにより、下記反応が進行する。)
Ca(OH)2 + CaSO4 + Zn(OH)2 + 2 CO2 → CaCO3+ZnCO3 + CaSO4+2H2O
最終過程で亜鉛は、炭酸亜鉛の形態で存在することになる。
本発明において好ましい炭酸カルシウム系顔料の比表面積は50〜200m2/gであり、吸油量は80〜300ml/100g、特に好ましくは120〜300ml/100gである。これより比表面積および吸油量が低いとインク吸収性が悪くなり、これより比表面積および吸油量を高めることは製造技術上困難である。本発明では、このようにして形成された炭酸カルシウム系顔料をインク吸収層中に固形分として5〜90重量%含むことが良好なインク吸収性を発現する上で必要である。炭酸カルシウム系顔料のインク吸収層における含有量が少なすぎるとインク吸収性と印字画質のバランスが悪くなり、良好な印字品質を発現することが困難になる。また、含有量が多すぎると、顔料間のバインダー結合力が弱くなり、極端な場合には、インク吸収層が指でこすったときに剥がれ落ちるなどの接着強度が劣化することになる。
本発明では、前記炭酸カルシウム系顔料をポリアミンなどのカチオン性ポリマー、カルボン酸ソーダ基などを含有するアニオン性ポリマー、カチオン性とアニオン性の両方の性質を有する両性ポリマーなどのポリマー類と併用して水などの分散媒に混合し、サンドミルなどで適切な粒子径になるように微細化することも行われる。この場合炭酸カルシウム系顔料とポリマー類の重量比率は、100対1〜50程度が好ましい。ポリマー類添加量が少ないと顔料スラリーの分散安定性が悪くなり、ポリマー類の添加量が多すぎると顔料体としてインク吸収性が悪くなる。微細化処理による炭酸カルシウム系顔料の平均粒子径は、0.1〜20μmの範囲にあることが望ましい。これより、粒子径を細かくすることは、サンドミルなどの一般の湿式粉砕方法では難しく、これより粒子径が粗くなると塗料化した際に塗工が困難となる。また、この場合の顔料スラリーの固形分濃度は、5〜50%程度である。固形分濃度が低すぎると塗料化したときの塗工量が減少し、印字画質が劣化する。また、固形分濃度が高過ぎるとスラリー粘度が高くなり、取り扱いが難しくなり、塗料化したときの粘度も高くなりすぎ、極端な場合は、コーターで塗工できなくなる。
前記炭酸カルシウム系顔料を塗料として使用する場合については、該炭酸カルシウム系顔料に、バインダーを添加し、染料インキに対応するインク吸収層を形成する場合などでは、カチオン性定着剤を必要に応じ添加し、消泡剤、蛍光増白剤、青色染料や青色顔料などの着色剤などの助剤類を添加し、固形分濃度5〜60%としてディスパー、ホモジナイザー、サンドミルなどの分散機を使用して各材料を均一に分散・混合する。もちろん、炭酸カルシウム系顔料にシリカ、アルミナ、カオリンなどの顔料を併用してもよい。このようにして得られた塗料を前記コーターなどの塗工機により、紙などの基材に塗布する。塗工量は、乾燥後の重量で0.5〜50g/m2が好ましい。塗工量が少なすぎると印字画質が悪くなり、塗工量が多すぎると、一般にインク吸収性がよくなるが、インクがインク吸収層中に深く浸透するため色の鮮明性が悪くなることになる。
本発明における炭酸カルシウム系顔料は、普通紙用途としてもその効果が発現する。この場合は、前記塗料をサイズプレス、ゲートロールなどで塗工含浸し乾燥することによりインク吸収層を形成しインクジェット記録媒体を形成する。本発明で基材にインク吸収層を設けることを記載しているが、これは、サイズプレスなどの塗工・含浸による加工処理も含まれていることはいうまでもない。特に、サイズプレス、ゲートロールでは、紙を形成する抄紙機においてオンマシンで加工処理することができ、オフマシンによる加工処理にくらべ、製造工程が少なく、生産効率を向上させることが可能である。また、塗工量も0.5〜5g/m2に設定することにより、印字品質がよく、安価なインクジェット記録媒体を製造することが可能となる。
以下に本発明による実施例を記載してその効果を説明するが、本発明による実施の形態はこれらの実施例に限定されることがないことはいうまでもない。
炭酸カルシウム系顔料としてZnSO4/Ca(OH)2 の重量比率が15%のものを製造した。平均粒子径は15nmのものにし、比表面積は180m2/gで、吸油量は190ml/gであった。この顔料をアリル系のカチオンポリマー(明成化学工業社製パルセットJK-512LX)と混合し、15%のスラリーを調製した。これに、バインダーとしてアクリル・スチレン共重合体エマルジョン(明成化学工業社製パスコールJK-717)を添加し、さらに、カチオン系ポリマーとしてポリアミン系定着剤(明成化学工業社製パルセットJK-181)を添加し、増粘剤としてポリビニルアルコール(日本合成化学社製ゴーセノールGH-17)を添加し、水を加えて固形分濃度20%の塗料を作った。各材料の固形分配合比率は、次のようにした。
炭酸カルシウム系顔料カチオンポリマー添加スラリー 1400重量部
アクリル・スチレン共重合体エマルジョン 150重量部
カチオン系ポリマー 250重量部
ポリビニルアルコール 150重量部
前記塗料を2ロールサイズプレスにより、ロール圧4Kg/cmの条件で、ノーサイズ原紙(中越パルプ工業社製雷鳥64g/m2ノーサイズ紙)にサイズプレスを行い、ドラムドライヤーを使用して、乾燥温度110℃で1分間乾燥し、乾燥後のインク吸収層の塗工量が3g/m2(両面)となるようにしてインクジェット記録媒体を得た。
印字品質は、EPSON社製PM‐950C(染料インキ使用)、EPSON社製PM-4000PX(顔料インキ使用)により印字して目視で判断した。結果を表1に掲載する。
炭酸カルシウム系顔料としてZnSO4/Ca(OH)2 の重量比率が10%のものを製造した。平均粒子径は10nmのものにした。これにシリカをSi02/CaOの重量比率で25%となるようにシリカを複合化し、平均粒子径が3μmとなるような粉体を形成した。この粉体の比表面積は88m2/gで、吸油量は125ml/gであった。これにバインダーとしてウレタン樹脂エマルジョン(明成化学工業社製パスコールJK-830)を添加し、カチオン性定着剤として、アリル系定着剤(明成化学工業社製パルセットJK-512LX)を添加し、蛍光染料(日本化薬製カヤホールJB)を添加した水分散体に、シリカ(水沢化学工業社製ミズカシルP-50)を添加して、ディスパーで攪拌後、ホモミキサーでミクロ分散し、固形分濃度35%の塗料とした。各材料の塗料中の固形分配合比率は次の様にした。
炭酸カルシウム系顔料 80重量部
ウレタン樹脂 100重量部
カチオン性定着剤 50重量部
蛍光染料 10重量部
シリカ 180重量部
このようにして得た塗料を基材(厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)にコンマコーターで片面25g/m2の固形分塗工量となるように塗工し、ドライヤーで乾燥してインクジェット記録媒体を得た。これを実施例1と同様にして印字評価を行った。その結果を表1に記載する。
炭酸カルシウム系顔料としてZnSO4/Ca(OH)2 の重量比率が15%のものを製造した。平均粒子径は15nmのものにした。これにシリカをSiO2/CaOの重量比率で30%となるようにシリカを複合化し、平均粒子径が4μmとなるような粉体を形成した。この顔料をアリル系のカチオンポリマー(明成化学工業社製パルセットJK-512LX)と混合し、サンドミルによる微細化処理を行い、平均粒子径が0.5μmとなるようにして固形分濃度が35%のスラリー液を調製した。粉砕後の粉体の比表面積は90m2/gで、吸油量は130ml/gであった。このようにして調製したスラリー液に、バインダーとしてアクリル・スチレン共重合体エマルジョン(明成化学工業社製パスコールJK-714)を添加し、さらに、カチオン系ポリマーとしてアリル系定着剤(明成化学工業社製パルセットJK-501)を添加し、水を加えてディスパーで攪拌した後、シリカ(塩野義製薬社製カープレックスBS-304N)を添加し、ディスパーで攪拌後、ホモミキサーでミクロ分散し、塗料濃度38%の塗料をつくった。各材料の固形分配合比率は、次のようにした。
炭酸カルシウム系顔料カチオンポリマー添加スラリー 40重量部
シリカ 250重量部
アクリル・スチレン共重合体エマルジョン 90重量部
カチオン系ポリマー 50重量部
このようにして得た塗料を基紙(中越パルプ工業社製雷鳥64g/m2ノーサイズ紙)にブレードコーターで片面5g/m2の固形分塗工量となるように塗工し、ドライヤーで乾燥してインクジェット記録媒体を得た。これを実施例1と同様にして印字評価を行った。その結果を表1に記載する。
比較例1
実施例1で使用した炭酸カルシウム系顔料のうち亜鉛の比率をZnSO4/Ca(OH)2 比で1.0%となるようにした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。これを実施例1と同様にして印字評価を行った。その結果を表1に記載する。
比較例2
実施例1で使用した炭酸カルシウム系顔料のうち亜鉛の比率をZnSO4/Ca(OH)2 比で30%となるようにしたものを製造し、実施例1と同様にして塗料をつくったところ、炭酸カルシウム系顔料の平均粒径が30μmを超えるものとなり、サイズプレス処理ができなかった。
比較例3
実施例2で使用した炭酸カルシウム系顔料のうちシリカの比率をSiO2/CaOで90%にしたところシリカの吸着性が悪く、炭酸カルシウムとシリカが分離してしまい、満足な塗料ができなかった。
比較例4
実施例2で使用した炭酸カルシウム系顔料・カチオンポリマースラリーを除いた以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録媒体を作成し、同様にして印字評価した。
実施例1では、サイズプレス塗料における炭酸カルシウム系顔料の量は、重量比率にして72%であり、実施例2においては19%であり、実施例3においては9%である。実施例1〜実施例3より、本発明における炭酸カルシウム系顔料をインク吸収層に使用したものは、染料インキ、および、顔料インキを使用を使用したインクジェットプリンターで印字した結果は、インク吸収性、および、印字鮮明性に優れ、バランスのとれた印字品質を有していることがわかる。
比較例1では、炭酸カルシウム系顔料の亜鉛の含有率を低減した場合であり、印字後のインク吸収性、および、色の鮮明性が劣化していることがわかる。比較例2では、逆に、亜鉛の含有量を極端にふやしたものであるが、顔料粒子径が大きく、塗料化が困難である。また、比較例3では、炭酸カルシウム系顔料のシリカ含有率を極端に増やした場合であるが、シリカの分離が認められ、塗料化が困難である。比較例4では、実施例2の塗料配合に対して、炭酸カルシウム系顔料を除去したものであるが、インク吸収性、および、色の鮮明性が劣化していることがわかる。
このように、本発明における炭酸カルシウム系顔料を所定量、インク吸収層に配合することにより、極めて、印字性能のよいインクジェット記録媒体を得ることができる。
図1は、亜鉛を複合化した後の炭酸カルシウム系顔料の拡大写真である。 図2は、亜鉛を複合化した後、さらに、シリカを複合化し、球状体に絡合した微粒子の写真である。

Claims (6)

  1. インクジェット記録方式にて使用される媒体であって、前記媒体を構成する基材の片面または両面に、少なくとも1層のインク吸収層が設けられており、該インク吸収層が、炭酸カルシウム系顔料を固形分にして5〜90重量%含有する材料により構成され、前記炭酸カルシウム系顔料が、炭酸カルシウムの他に亜鉛を含有し、該亜鉛が炭酸カルシウム系顔料中にZnSO4/Ca(OH)2の重量比率で1.5〜35%複合化されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記炭酸カルシウム系顔料粒子の表面に、珪酸ソーダと塩化カルシウムとから形成されたシリカを該炭酸カルシウム系顔料中にSiO2/CaOの重量比率で2.0〜80%の範囲となるようにして化学または物理吸着処理させた後、該顔料粒子を絡合させて0.3〜20μmの粒径の球状体としたものが含有されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記炭酸カルシウム系顔料として、該炭酸カルシウム系顔料中にカチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーまたは両性ポリマーのポリマー類が固形分重量比率にして炭酸カルシウム系顔料/ポリマー類=100重量部/1〜50重量部の比率となるようにして添加され、かつ、0.1〜20μmの粒径範囲に粉砕加工されたものが含有されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記炭酸カルシウム系顔料の比表面積が50〜200m2/gの範囲にあり、しかも吸油量が80〜300ml/100gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記炭酸カルシウム系顔料の1次粒子径が5〜60nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記基材が紙基材であり、前記インク吸収層が、サイズプレス法またはゲートロール法により塗布含浸させて形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
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WO2015115493A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 日本製紙株式会社 インクジェット記録媒体及びその製造方法
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JP2016068405A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 セーレン株式会社 インク受理層形成塗料とそれを用いたインクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法

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