JP6147724B2 - 水変色性積層体の製造方法 - Google Patents

水変色性積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6147724B2
JP6147724B2 JP2014500948A JP2014500948A JP6147724B2 JP 6147724 B2 JP6147724 B2 JP 6147724B2 JP 2014500948 A JP2014500948 A JP 2014500948A JP 2014500948 A JP2014500948 A JP 2014500948A JP 6147724 B2 JP6147724 B2 JP 6147724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin
layer
colored layer
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014500948A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013125680A1 (ja
Inventor
島 明 雄 中
島 明 雄 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Publication of JPWO2013125680A1 publication Critical patent/JPWO2013125680A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6147724B2 publication Critical patent/JP6147724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/14Printing or colouring
    • B32B38/145Printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/16Drying; Softening; Cleaning
    • B32B38/164Drying
    • B32B2038/166Removing moisture
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/718Weight, e.g. weight per square meter
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2309/00Parameters for the laminating or treatment process; Apparatus details
    • B32B2309/02Temperature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2309/00Parameters for the laminating or treatment process; Apparatus details
    • B32B2309/04Time
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2317/00Animal or vegetable based
    • B32B2317/12Paper, e.g. cardboard
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2451/00Decorative or ornamental articles

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Toys (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は水変色性積層体、およびその製造方法に関するものである。また、本発明はその水変色性積層体を製造するのに有用な、着色層を具備した布帛にも関するものである。更に詳細には、本発明は、繰り返し水を適用しても鮮明且つ明瞭な像を視認することができる水変色性積層体、およびその製造方法に関するものである。
従来、支持体上に着色層と、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けた変色性積層体に関して幾つかの提案が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
前記変色性積層体は、一般に、着色された支持体の表面に、多孔質材料からなる層が形成されており、多孔質層が乾燥状態(非吸液状態)においては下層の着色層が隠蔽され、多孔質層が水を吸収すると透明化して、下側に存在する着色層の色調を多孔質を通して視認できるものであり、意外性と変化性を有するものである。
特開平11−198271号公報 特開平11−198272号公報 特開2003−127314号公報
本発明は、前記変色性積層体の水を適用した際に視認される着色層による像がより鮮明であり、且つ、繰り返しの使用によって着色層が不明瞭になることなく、耐水性に優れた水変色性積層体、およびその製造方法を提供しようとするものである。さらに本発明は、そのような水変色性積層体を製造するのに有用な、着色層を具備した布帛も提供しようとするものである。
本発明による水変色性積層体の製造方法は、
布帛の表面に、転写シート表面に形成された、水不溶性の昇華性染料を含む転写層を接触させ、圧力をかけながら前記昇華性染料の昇華開始温度以上の温度まで加熱して前記転写層を布帛表面に転写させることで布帛の表面に着色層を形成させ、
形成された着色層上に、低屈折率顔料を含むインキ又は塗料を塗布し、
前記昇華性染料の昇華開始温度未満の温度で乾燥させて多孔質層を形成させる
工程を含んでなることを特徴とするものである。
更には、前記昇華性染料の昇華開始温度よりも20℃以上低い温度で乾燥させて多孔質層を形成させること、前記着色層が多色の絵柄又は図柄により形成されたものであること、前記多色の絵柄又は図柄が四色以上の昇華性染料により形成されたものであること、乾燥を、用いられる複数の昇華性染料のうち、最も低い昇華開始温度未満の温度で行うこと、前記多孔質層を着色層上に部分的に形成すること等を要件とする。
また、本発明による水変色性積層体は、布帛の表面に、昇華性染料を含む着色層、および、低屈折率顔料がバインダー樹脂に分散した状態で固着した、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を具備することを特徴とするものである。
さらに、本発明による布帛は、布帛の表面に、昇華性染料を含む着色層を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、水を適用した時に多孔質層の下層に配置した着色層が鮮明に視認することができ、しかも、繰り返し水を適用しても着色層による鮮明且つ明瞭な像を視認することができる機能を損なうことなく、水の適用による良好な変色性を永続して発現可能な実用性に富む水変色性積層体、およびその製造方法が提供される。また、本発明によれば、そのような水変色性積層体またはその製造方法に利用可能な、着色層を具備した布帛も提供される。
本発明の水変色性積層体の製造方法により得られる水変色性積層体の縦断面説明図である。
本発明による水変色性積層体の製造方法は、支持体として布帛を用いるものである。前記布帛としては、織物、編物、組物、不織布等が用いられる。前記布帛としては織物が好適に用いられ、より好ましくはポリエステル等の化学繊維からなる織物が用いられる。
前記布帛の目付け量としては、特に限定されないが、30〜300g/mであることが好ましく、60〜200g/mであることがより好ましい。
目付け量が30g/m未満では、布帛上に形成される多孔質層が粗になるため、明瞭な像を形成し難くなる傾向がある。一方、目付け量が300g/mを超えると、布帛の肉厚が必要以上に肉厚となり、加工性に乏しくなる傾向がある。また、布帛が大面積の場合、折り畳み保存性や軽量性を損なわれることがあるので注意が必要である。
本発明による方法においては、前記布帛表面に着色層を形成させる。この着色層は着色剤として水不溶性の昇華性染料を含むものである。
本発明においては、前記着色剤として昇華性染料を用いることにより、積層体に水を適用した場合に着色層が鮮明に視認することができると共に、前記染料が耐水性に優れるため繰り返しの使用によって着色層が不明瞭になることなく、良好な変色性を永続して発現させることができる。
前記昇華性染料を含む着色層は、平滑な紙やフィルム等の基材に印刷などにより形成させた昇華性染料を含む転写層を布帛表面に接触させ、加熱ロール等により圧力をかけながら前記昇華性染料の昇華開始温度以上の温度まで加熱して転写することにより形成させることができる。
前記昇華性染料としては、転写時に加えられる熱により昇華あるいは気化する分散染料、または油溶性染料等、熱転写捺染で使用されているものを用いることができる。
具体的にはC.I.ディスパースイエロー1、3、8、9、16、33、41、42、54、60、77、116、201、231、C.I.ディスパースレッド1、4、6、11、15、17、50、55、59、60、73、83、111、C.I.ディスパースブルー3、14、19、24、26、56、60、64、72、99、108、241、354、C.I.ディスパースバイオレット26、31、C.I.ソルベントイエロー14、16、30、33、56、77、93、116、179、C.I.ソルベントレッド19、23、25、27、C.I.ソルベントブルー24、36、63、83、105等を挙げることができる。ただし、本発明における昇華性染料はこれらに限定されるものではない。
また、前記分散染料、油溶性染料は単独で用いてもよいが、複数種を併用してもよい。
前記転写層は、前記昇華性染料を含むものである。この転写層は、一般的には結合剤としてバインダー樹脂を含み、その結合剤からなるビヒクル中に前記昇華性染料が分散又は溶解したインキ又は塗料を転写シートの基材に塗布した後、揮発分を蒸発させることにより転写層を形成させる。
前記バインダー樹脂の例としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記転写層を多色から構成される絵柄又は図柄として水変色性積層体を製造した場合、その水変色積層体に水を適用した場合には、多色からなる着色層によるカラフルな絵柄又は図柄を視認でき、また繰り返して水を適用した場合にも永続的な変色性を維持できるため、商品性を高めることができる。
前記多色の絵柄又は図柄は、四色以上の昇華性染料を用いて形成させることが好ましい。具体的には、四色以上の昇華性染料を含む転写層を具備した転写シートを用いることにより、いっそうカラフルな柄を形成することができる。例えば、イエロー、シアン、マゼンタの基本三色とイエロー、シアン、マゼンタを特定比率で混合したブラック色からなる各昇華性染料を含む転写層を具備した転写シートを用いることが好ましい。
更にイエロー、シアン、マゼンタを特定比率で混合したグリーン、バイオレットや蛍光色等を組み合わせて用いることもでき、より鮮明な色調を得ることができる。
前記多色の絵柄又は図柄は、写真調の絵柄やグラデーション模様の図柄も包含する。
布帛の表面に転写された着色層は、昇華した染料によって形成される。このため、着色層を形成する染料は、主として布帛の表面に存在することが多いが、昇華性染料や布帛を構成する繊維等の種類などによっては、染料が布帛中に浸透する場合もある。このような場合には、布帛の表面には昇華性染料のみが堆積した着色層が存在しないこともあり得る。本発明においては、このような場合に布帛表面の染料が浸透している領域まで含めて着色層というものとする。
なお、このようにして製造された着色層を具備した布帛に、引き続き多孔質層を積層して水変色性積層体とすることができる。このような布帛には、多孔質層の形成に用いられるバインダー樹脂との親和性が高い着色層を設けることが好ましい。
次いで、着色層の上に低屈折率顔料を含むインキまたは塗料を塗布して多孔質層を形成させる。この多孔質層は乾燥状態と吸液状態で透明性が異なり、水を適用した場合には透明性が上がり、その下にある着色層の色が視認できるようになるという性質を有する。
前記低屈折率顔料としては、例えば、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられる。これらの顔料はそれ自体の屈折率が1.4〜1.8の範囲となるものであり、多孔質層が水(屈折率1.33)を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、平均粒径が0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。ここで平均粒径は、コールターカウンター法により測定されたものである。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、本発明において多孔質層は水を吸液して透明性が変化するものであるため、親水性が高いことが好ましい。湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性が相対的に高いので、好適に用いられる。
なお、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。例えば、前記多孔質層の乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の塗布量は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に応じて調整されることが好ましい。具体的には、乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることができないことがあり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることがある。
多孔質層は、一般的には、前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散させたインキ又は塗料を調製し、そのインキ又は塗料を着色層上に塗布した後、乾燥させることにより形成させる。
前記多孔質層を乾燥させる際、昇華性染料の昇華開始温度未満の温度で乾燥させることにより多孔質層内への昇華性染料の混入を防止することができる。ここで、乾燥温度を昇華性染料の昇華開始温度よりも20℃以上低い温度とすることが好ましく、30℃以上低い温度で乾燥させることがより好ましい。このような乾燥温度で乾燥させることにより、多孔質層内への昇華性染料の混入をいっそう防止することができ、乾燥状態における着色層の隠蔽性に優れた水変色性積層体を得ることができる。
また、着色層が多色の絵柄又は図柄により形成されていたり、着色層中に複数の昇華性染料を含有する場合には、最も昇華開始温度の低い染料の昇華開始温度未満の温度で乾燥することが好ましい。
前記バインダー樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることができないことがあり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が損なわれることがある。
前記多孔質層を形成させるためのインキ又は塗料は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、多孔質層に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂は、その種類によって水との親和性が変化する。このため複数のバインダー樹脂を組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層は、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の任意に方法により着色層上に形成させることができる。
なお、前記多孔質層は着色層上の全面を被覆するように設ける他、着色層上に部分的に設けることもできる。
前記多孔質層を着色層上に部分的に設ける場合、着色層の中央部分に多孔質層を設け、周囲の着色層による柄を常に視認できることが好ましい。積層体をこのような構造とすることで、多孔質層が乾燥状態における装飾性を満足させことができ、描画用シート(描画玩具)としてより好適である。
前記水変色性積層体に水を付着させる手段としては、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記具又は塗布具、ローラー形態の塗布具、スタンプ具等の水付着具を用いることができる。
なお、好ましい水付着具としては、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具が挙げられる。このような水付着具は、筆跡を簡便に形成でき、実用性が高い。
前記における連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、例えば、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリエステル類、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
このような水付着具を前記した水変色性積層体と組み合わせた水変色性積層体セットは、水変色積層体に対して、その表面の耐摩耗性や、適切な水付着量を考慮した水付着具を組み合わせることができるため、優れた耐久性や発色などを実現できるので好ましいものである。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1(図1参照)
水変色性積層体の作製
基材として剥離紙(目付量60g/m)上に、昇華性を有する水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースレッド17)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ及び水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキを用いて、グラビア印刷機でプロセス印刷して鮮明且つ緻密な虹柄の熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛2として白色のポリエステルトロピカル生地(目付量100g/m)上に、前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、180℃に加熱されたロールを用いて圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層3を形成させた。
前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層4を形成させて水変色性積層体1(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体は多孔質層が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層が透明化すると着色層による黄色、赤色、青色の鮮明且つ緻密な虹柄が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に薄くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し水を付着させても滲むことなく、明瞭な像を維持することができた。
水変色性積層体セットの作製
前記水変色性積層体と、水付着手段として先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製、直径7mm)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペンとを組み合わせて水変色性積層体セットを得た。
前記水変色性積層体セットは、水付着具を用いて水変色性積層体の多孔質層に筆記すると5〜6mm幅の筆跡が形成される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層による虹柄は、繰り返し筆記しても滲むことはなく、明瞭な虹柄の像を維持することができた。
実施例2
水変色性積層体の作製
基材としてPETフィルム(厚さ4μm)上に、昇華性を有する油溶性染料(C.I.ソルベントイエロー33)をバインダー樹脂を含む油性ビヒクルに含有させたグラビアインキ、昇華性を有する油溶性染料(C.I.ソルベントレッド23)をバインダー樹脂を含む油性ビヒクルに含有させたグラビアインキ及び昇華性を有する油溶性染料(C.I.ソルベントブルー24)をバインダー樹脂を含む油性ビヒクルに含有させたグラビアインキを用いて、グラビア印刷機でプロセス印刷して鮮明且つ緻密な花柄の熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛として白色のポリエステルサテン生地(目付量130g/m)上に前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、200℃に加熱されたロールにより圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層を形成させた。
前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成させて水変色性積層体(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体は多孔質層が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層が透明化すると着色層による黄色、赤色、および青色の鮮明且つ緻密な花柄が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に薄くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し水を付着させても滲むことなく、明瞭な像を維持することができた。
水変色性積層体セットの作製
前記水変色性積層体と、水付着手段として先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製、直径7mm)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペンとを組み合わせて水変色性積層体セットを得た。
前記水変色性積層体セットは、水付着具を用いて水変色性積層体の多孔質層に筆記すると5〜6mm幅の筆跡が形成される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層による花柄は、繰り返し筆記しても滲むことはなく、明瞭な花柄の像を維持することができた。
実施例3
水変色性積層体の作製
基材として剥離紙(目付量80g/m)上に、昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースイエロー23)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキ、昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースレッド60)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキ及び昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースブルー72)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキを用いて、インクジェット印刷機でプロセス印刷して鮮明且つ微細な天然色からなる花柄の熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛として白色のポリエステルタフタ生地(目付量90g/m)上に前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、180℃に加熱されたロールを用いて圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層を形成させた。
前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、140℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成して水変色性積層体(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体は多孔質層が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層が透明化すると着色層による天然色からなる鮮明且つ微細な花柄が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に薄くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層による花柄は、繰り返し水を付着させても滲むことなく、明瞭な花柄の像を維持することができた。
水変色性積層体セットの作製
前記水変色性積層体と、水付着手段として先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製、直径7mm)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペンとを組み合わせて水変色性積層体セットを得た。
前記水変色性積層体セットは、水付着具を用いて水変色性積層体の多孔質層に筆記すると5〜6mm幅の筆跡が形成される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し筆記しても滲むことはなく、明瞭な像を維持することができた。
実施例4
基材として剥離紙(目付量60g/m)上に、昇華性を有する水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースレッド17)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ及び水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)と水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースレッド17)と水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)を黒色になるように混合したバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキを用いて、グラビア印刷機でプロセス印刷して中心部に青色ベタ柄、周囲に鮮明且つ緻密な写真調の機関車の絵柄を有する熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛として白色のポリエステルタフタ生地(目付量80g/m)上に、前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、180℃に加熱されたロールを用いて圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層を形成させた。
次いで、前記着色層の青色ベタ柄の部分のみ、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成させて水変色性積層体(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体を断裁し、裏面に厚さ0.2mmの白色EVA樹脂からなるシートをパイピングにより縫製して水変色性シートを得た。
前記水変色性積層体(水変色性シート)は中心部に白色の多孔質層が配設され、その周囲に機関車の絵柄が印刷されていた。前記多孔質層は、乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層が透明化すると着色層による鮮やかな青色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に薄くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し水を付着させても滲むことなく、明瞭な像を維持することができた。
水変色性積層体セットの作製
前記水変色性積層体と、水付着手段として先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製、直径7mm)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペンとを組み合わせて水変色性積層体セットを得た。
前記水変色性積層体セットは、水付着具を用いて水変色性積層体の多孔質層に筆記すると5〜6mm幅の筆跡が形成される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し筆記しても滲むことはなく、明瞭な像を維持することができた。
実施例5
基材として剥離紙(目付量60g/m)上に、昇華性を有する水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースレッド17)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)をバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ、水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)と水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースレッド17)と水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)を黒色になるように混合したバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキ及び水不溶性分散染料(C.I.ディスパースイエロー42)と水不溶性昇華性染料(C.I.ディスパースブルー3)をライトグリーン色になるように混合したバインダー樹脂を含むビヒクルに含有させたグラビアインキを用いて、グラビア印刷機でプロセス印刷して中心部にグラデーションのレインボー柄、周囲に鮮明且つ緻密な人形の絵柄を有する熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛として白色のポリエステルトロピカル生地(目付量120g/m)上に、前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、180℃に加熱されたロールを用いて圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層を形成させた。
次いで、前記着色層のレインボー柄部分のみ、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成させて水変色性積層体(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体を断裁し、裏面に厚さ0.3mmの白色ポリオレフィンからなるシートをパイピングにより縫製して変色性シートを得た。
前記水変色性積層体(水変色性シート)は中心部に白色の多孔質層が配設され、その周囲に鮮明且つ緻密な人形絵柄が印刷されていた。前記多孔質層は、乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層が透明化すると着色層による鮮やかなレインボー柄が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に薄くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し水を付着させても滲むことなく、明瞭な像を維持することができた。
水変色性積層体セットの作製
前記水変色性積層体と、水付着手段として先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製、直径7mm)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペンとを組み合わせて水変色性積層体セットを得た。
前記水変色性積層体セットは、水付着具を用いて水変色性積層体の多孔質層に筆記すると5〜6mm幅の筆跡が形成される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。
前記着色層は繰り返し筆記しても滲むことはなく、明瞭な像を維持することができた。
比較例1
水変色性積層体の作製
基材として剥離紙(目付量80g/m)上に、昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースイエロー23)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキ、昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースレッド60)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキ及び昇華性を有する分散染料(C.I.ディスパースブルー72)をアニオン系分散剤、ジグリセリン、プロピレングリコール、シリコーン系消泡剤からなるビヒクルに混合したインクジェット用インキを用いて、インクジェット印刷機でプロセス印刷して鮮明且つ微細な天然色からなる花柄の熱転写層を設けて熱転写シートを得た。
次いで、布帛として白色のポリエステルタフタ生地(目付量90g/m)上に前記熱転写シートの熱転写層を接触させ、180℃に加熱されたロールを用いて圧着させて熱転写層を転写させ、水不溶性の着色層を形成させた。
前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水性インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート架橋剤3部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、160℃で1分間乾燥硬化させて多孔質層を形成させて水変色性積層体(水変色性布帛)を得た。
前記水変色性積層体は、昇華性染料の昇華開始温度以上の加熱によって多孔質層中に昇華性染料が混在しているため、乾燥状態ですでに花柄が多孔質層上から視認された。また、水を適用すると多孔質層は透明化して明瞭な花柄が視認されるものの、乾燥状態と吸液状態で同じ花柄が視認されるため、変化性に乏しいものであった。
1 水変色性積層体
2 布帛
3 着色層
4 多孔質層

Claims (6)

  1. 布帛の表面に、転写シートの表面に形成された、水不溶性の昇華性染料含む転写層を接触させ、圧力をかけながら前記昇華性染料の昇華開始温度以上の温度まで加熱して前記転写層を布帛表面に転写させることで布帛の表面に着色層を形成させ、形成された着色層上に、低屈折率顔料を含むインキ又は塗料を塗布し、前記昇華性染料の昇華開始温度未満の温度で乾燥させて多孔質層を形成させる工程を含んでなることを特徴とする、水変色性積層体の製造方法。
  2. 前記昇華性染料の昇華開始温度よりも20℃以上低い温度で乾燥させて多孔質層を形成する請求項1記載の水変色性積層体の製造方法。
  3. 前記着色層が多色の絵柄又は図柄により形成されてなる請求項1又は2記載の水変色性積層体の製造方法。
  4. 前記多色の絵柄又は図柄が四色以上の昇華性染料により形成されてなる請求項3記載の水変色性積層体の製造方法。
  5. 最も低い昇華開始温度未満の温度で乾燥される請求項3又は4記載の水変色性積層体の製造方法。
  6. 前記多孔質層を着色層上に部分的に形成する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水変色性積層体の製造方法。
JP2014500948A 2012-02-22 2013-02-22 水変色性積層体の製造方法 Active JP6147724B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012035912 2012-02-22
JP2012035912 2012-02-22
JP2012140338 2012-06-22
JP2012140338 2012-06-22
PCT/JP2013/054506 WO2013125680A1 (ja) 2012-02-22 2013-02-22 水変色性積層体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013125680A1 JPWO2013125680A1 (ja) 2015-07-30
JP6147724B2 true JP6147724B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=49005857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014500948A Active JP6147724B2 (ja) 2012-02-22 2013-02-22 水変色性積層体の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6147724B2 (ja)
CN (1) CN104136214B (ja)
WO (1) WO2013125680A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020129841A1 (ja) * 2018-12-20 2020-06-25 東レ株式会社 布帛印刷物
CN111942052B (zh) * 2020-08-26 2022-02-18 东莞光群雷射科技有限公司 一种热转印定位花纸及其生产工艺和应用方法
CN113199829B (zh) * 2021-05-25 2023-04-18 天津富棽科技有限公司 一种变色显示暖贴及变色涂层的制备方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5163846A (en) * 1990-11-26 1992-11-17 C. J. Associated, Ltd. Toy using water reactive paper
JP2994874B2 (ja) * 1992-08-11 1999-12-27 鐘紡株式会社 布帛の捺染方法
JP2888115B2 (ja) * 1993-10-29 1999-05-10 東レ株式会社 布帛染色用溶融型熱転写リボン
JPH08238828A (ja) * 1995-12-19 1996-09-17 Toray Ind Inc 布帛用熱転写インクリボン
JP4094643B2 (ja) * 1997-10-31 2008-06-04 パイロットインキ株式会社 変色体
JPH11198271A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Pilot Ink Co Ltd 変色性積層体
JP3801819B2 (ja) * 1999-10-05 2006-07-26 パイロットインキ株式会社 水変色性玩具セット
US20010031343A1 (en) * 2000-02-21 2001-10-18 Hiroshi Takabe Component having transfer image formed thereon and method for forming the same
JP4499269B2 (ja) * 2000-06-09 2010-07-07 パイロットインキ株式会社 水変色性積層体
AU7451301A (en) * 2000-07-04 2002-01-14 Kenichi Furukawa Image forming method
JP2003127314A (ja) * 2001-10-18 2003-05-08 Pilot Ink Co Ltd 変色性積層体
JP2003328283A (ja) * 2002-05-02 2003-11-19 Upepo & Maji Inc 画像印捺繊維製品
JP4094419B2 (ja) * 2002-12-25 2008-06-04 パイロットインキ株式会社 水変色性積層体
JP4679077B2 (ja) * 2003-06-02 2011-04-27 パイロットインキ株式会社 変色体用液状組成物及びそれを用いた変色体セット
JP2009028285A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Pilot Ink Co Ltd 水付着具及びそれを用いた水付着具セット
WO2009087789A1 (ja) * 2008-01-04 2009-07-16 Sakura Color Products Corporation 水変色性布帛シート
JP2010059591A (ja) * 2008-09-08 2010-03-18 Konica Minolta Ij Technologies Inc ダイレクト昇華インクジェット用インクによる布帛への画像形成方法
JP5436948B2 (ja) * 2009-06-23 2014-03-05 パイロットインキ株式会社 水変色性布帛シート及びそれを用いた水変色性描画玩具セット
JP2011126273A (ja) * 2009-11-18 2011-06-30 Pilot Ink Co Ltd 変色性積層体
JP2010201934A (ja) * 2010-04-26 2010-09-16 Pilot Ink Co Ltd 水変色性布帛シート及びそれを用いた玩具セット

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2013125680A1 (ja) 2015-07-30
CN104136214A (zh) 2014-11-05
CN104136214B (zh) 2016-11-16
WO2013125680A1 (ja) 2013-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180015764A1 (en) Pre-treatment composition
US10875345B2 (en) Printable recording media
CN101448648A (zh) 用于将干涉颜料施涂在基材上的方法
EP1820664B1 (en) Water-discoloring drawing toy set
JP6147724B2 (ja) 水変色性積層体の製造方法
US10239337B2 (en) Printable recording media
US20190202224A1 (en) Printable recording media
JP4786564B2 (ja) 水変色性描画玩具及びそれを用いた水変色性描画玩具セット
EP2988948B1 (en) Printable recording media
US9962981B2 (en) Printable recording media
JP2007118198A (ja) 変色性積層体
JP5751926B2 (ja) 水変色性積層体
JP2016055628A (ja) 変色性段ボール及びそれを用いた変色性段ボール箱
JP4012416B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP6412792B2 (ja) 光輝性変色体及びそれを用いた光輝性変色体セット
JPH0416379A (ja) インクジェット記録用紙
JP3217798U (ja) 変色性段ボール及びそれを用いた変色性段ボール箱
JP2006346442A (ja) 水変色性パズル及びそれを用いた水変色性パズルセット
JP2005066925A (ja) インクジェット記録媒体
JP2010284250A (ja) 変色性テーブルクロス及びそれを用いた変色性テーブルクロスセット
JP2000190628A (ja) 記録シ―ト
JPS62271784A (ja) カラ−画像の形成方法
JP2017185741A (ja) 水変色性被筆記体及びそれを用いた水変色性被筆記体セット
JP2015006295A (ja) 変色体セット
JP2006078932A (ja) 変色性透視筆記シート及びそれを用いた変色性透視筆記シートセット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6147724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350