JP2006346442A - 水変色性パズル及びそれを用いた水変色性パズルセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材上に、耐水性樹脂層を設け、前記耐水性樹脂層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態とで透明性を異にする多孔質層を設けて構成されたパズル片を少なくとも1つ以上有する水変色性パズル、及び、前記水変色性パズルと水付着手段とからなる水変色性パズルセット。
【選択図】 なし
Description
前記パズルは、温度変化により図柄が変化する趣向性に富むパズルである反面、温度に依存して変色するため、環境温度によっては変色しないことがある。また、加熱、冷却装置を用いて変色させることができるとしても、操作が煩雑であると共に、簡便な手段であるとはいえず、しかも、環境温度によっては変色してもすぐに元の状態に戻ることがある。
更には、前記耐水性樹脂層が文字、図柄、記号、数字から選ばれる着色耐水性樹脂像を形成してなること、前記基材上面の全体が耐水性樹脂層で被覆されてなること、前記基材が紙、合成紙、耐水紙、木材、プラスチックシート、プラスチック製発泡シート、耐水紙と木材との貼合材、合成紙とプラスチック製発泡シートとの貼合材、プラスチックシートとプラスチック製発泡シートとの貼合材のいずれかであること、前記多孔質層上に耐水性着色像を設けてなること、少なくとも9個以上のパズル片からなり、且つ、多孔質層を設けたパズル片の個数が全パズル片の30%以上であること、枠体を備えてなること等を要件とする。
更には、前記水変色性パズルと水付着手段とからなる水変色性パズルセット、前記水付着手段が先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記又は塗布具から選ばれることを要件とする。
又、前記基材として、同一の材質を貼り合わせた貼合材や、異なる材質のものを貼り合わせた貼合材を用いることもでき、紙と耐水紙との貼合材、耐水紙と木材との貼合材、合成紙とプラスチック製発泡シートとの貼合材、プラスチックシートとプラスチック製発泡シートが好適である。
なお、前記耐水紙はパルプに変成ロジン系エマルジョン等の耐水剤を適量内部添加して製造した耐水原紙、或いは、前記耐水原紙に合成ゴムやアクリル系樹脂等の耐水性樹脂を表面塗工した印刷用耐水紙が適用される。
中の成分が溶出して多孔質層に移行し、水を付着させた際に滲みを生じたり、乾燥状態でシミを生じることもあるため、耐水性樹脂層を形成することによって、前記不具合を解消することもできる。
耐水性樹脂層に使用される樹脂としては油溶性樹脂及びその硬化物が好適に用いられるが、水溶性樹脂と架橋剤とを組み合わせ乾燥硬化させて得られた水不溶性樹脂、水分散された樹脂エマルジョンを乾燥硬化して得られた水不溶性樹脂を用いることもできる。
前記樹脂としては、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン−ブタジエン共重合樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチルセルロース樹脂等が挙げられる。
前記基材が耐水性を有する材質であっても、水が浸透する材料の場合は耐水性樹脂層を設けることによって水が基材に含浸することによる不具合、即ち、水切れの悪さにより使用後もパズル片が湿った状態を維持して保管性を損なったり、黴が発生したりすることを防止できると共に、多孔質層を形成する際、該基材中に多孔質層の成分が浸透して所望の変色効果を損なうことを防止できる。
また、水を浸透しない耐水性を有する基材であっても、表面が凹凸を有する場合は多孔質層の均質な形成を阻害して変色性を損なうため、前記耐水性樹脂層によって平滑面を形成することは有用である。
更に、前記耐水性樹脂層が文字、図柄、記号、数字から選ばれる着色耐水性樹脂像を形成することによって、多孔質層が吸液状態で像を視認できるため、様相変化に優れると共に、知育性も付与できる。
なお、前記耐水性樹脂層は前述の基材強度、保管性、黴の発生、多孔質層の均質な形成の観点から基材上面の全体を被覆していることが好ましく、着色耐水性樹脂像も同様に基材上面の全体を被覆していることが好ましい。
前記着色耐水性樹脂像が基材上面の全体を被覆している状態とは、基材上の像を形成していない部分にも別の耐水性樹脂層が形成されていることを意味する。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては微粒子状珪酸が挙げられる。
微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)とに大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に対するバインダー樹脂の混合比率を大きくすることが可能となり、多孔質層の皮膜強度を向上させることができるので、より好適に用いられる。
前記したように多孔質層の常態での隠蔽性を満足させるために用いられる微粒子状珪酸としては、湿式法微粒子状珪酸が好ましい。これは、乾式法微粒子状珪酸と、湿式法微粒子状珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法微粒子状珪酸は珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層に含まれる低屈折率顔料は、浸透する媒体が安全性とコスト面から水であることから、適度の親水性を有することが望ましい。従って、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く存在するため親水性が高く、好適に用いられる。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加することにより、前記した浸透性能をコントロールすることもできる。
尚、前記耐水性着色像は、多孔質層の上層に配設することによって、多孔質層が吸液状態での様相変化に富むと共に、とりわけ乾燥状態における装飾性に優れたパズルが得られる。
パズルに変化性を付与するための具体的な構成としては、少なくとも9個以上のパズル片からなり、且つ、多孔質層を設けたパズル片の個数が全パズル片の30%以上であることが好ましく、多孔質層を設けたパズル片の個数が30%未満では様相変化に乏しくなる。
又、パズル表面は平面の他、嵌め合わせて立体性を付与するために凹凸を有するものでもよい。
前記水付着手段と、水変色性パズルを組み合わせて水変色性パズルセットが得られる。
なお、好ましい水付着手段としては、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具であり、筆記像を簡便に形成でき、実用性を高めることができる。
実施例1
水変色性パズルの作製
パズルの基材として厚さ3mmの白色コート紙上に、油性アクリル樹脂を含む青色印刷インキにてスクリーン印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記耐水性樹脂層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて、スクリーン印刷により多孔質層を形成してシートを得た。
前記シートを断裁して水変色性パズル片を得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、白色の多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の耐水性樹脂層による青色が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の白色に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例1で得た水変色性パズルと、水付着手段として毛筆とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、毛筆に含浸させた水を白色の多孔質層に付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の耐水性樹脂層による青色が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の白色に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として厚さ2mmの白色コート紙上に、油性アクリル樹脂を含む青色印刷インキにて「A」の文字をスクリーン印刷し、乾燥硬化させて着色耐水性樹脂層(像)を設けた。
次いで、前記着色耐水性樹脂層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて、スクリーン印刷により多孔質層を形成してシートを得た。
前記シートを断裁して水変色性パズル片を得た。
さらに、前記水変色性パズル片と、「A」の頭文字からなる物品の像(非変色像)が印刷された非変色性パズル片8枚と、枠体からなる水変色性パズルを得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を枠体内に嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、白色の多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の着色耐水性樹脂層による青色の「A」の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の白色に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、非変色性パズル片8枚は全て「A」の文字から始まる物品の像が印刷されており、水変色性パズル片に水を適用することによって「A」の文字が現れることから、パズルを組み立てる遊戯性と共に組み立てた後も知育具として使用できる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例3で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を枠体内に嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の着色耐水性樹脂像による青色の「A」の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の白色に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、非変色性パズル片8枚は全て「A」の文字から始まる物品の像が印刷されており、水変色性パズル片に水を適用することによって「A」の文字が現れることから、パズルを組み立てる遊戯性と共に組み立てた後も知育具として使用できる応用性に優れたパズルセットであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として白色コート紙上に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、黒色の各ドライオフセットインキにて熊の絵柄をプロセス印刷した後、油性系の無色透明ポリエステル樹脂にて全面をコートし、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記耐水性樹脂層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて全面にベタ印刷を施して多孔質層を形成した。
更に、前記多孔質層上に黒色の油性印刷インキにて前記熊の絵柄の輪郭を印刷して耐水性着色像を設けた。
次いで、厚さ2mmのコートボール紙を接着剤を用いてコート紙側に貼り合わせ加工を行なった後、断裁して250枚の水変色性パズル片を得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて熊の輪郭の水変色性パズルを完成させた後、多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層のカラフルな熊の絵柄が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の熊の輪郭のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、水を適用する前は白色と黒色の熊の輪郭のみで構成されていることから、組み立てる際の難易度が増すと共に、嵌め合わせた後、水を適用することによりカラフルな絵柄を現出させることができ、水変色性の塗り絵としても遊ぶことができる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例5で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて熊の輪郭の水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層のカラフルな熊の絵柄が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の熊の輪郭のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、水を適用する前は白色と黒色の熊の輪郭のみで構成されていることから、組み立てる際の難易度が増すと共に、嵌め合わせた後、水を適用することによりカラフルな絵柄を現出させることができ、水変色性の塗り絵としても遊ぶことができる応用性に優れたパズルセットであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として白色合成紙上に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、黒色の各紫外線硬化型油性ドライオフセットインキにて「A」から「Z」の文字と「A」から「Z」の各文字から始まる物品や生物の絵柄をそれぞれプロセス印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記物品や生物の絵柄からなる耐水性樹脂層上のみに、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成した。
次いで、厚さ2mmのコートボール紙を接着剤を用いて合成紙側に貼り合わせ加工を行なった後、断裁して26枚の水変色性パズル片と26枚の「A」から「Z」の文字が描かれた非変色性パズル片を得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の絵柄が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた文字と水変色性パズル片の絵柄が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例7で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の絵柄が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた文字と水変色性パズル片の図柄が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルセットであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として厚さ25μmの透明ポリオレフィンシート上に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、黒色の各紫外線硬化型油性ドライオフセットインキにて「1」から「10」の数字と各数字に対応した数の物品が描かれた絵柄をそれぞれプロセス印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記「1」から「10」の数字からなる耐水性樹脂層上のみに、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕12部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成した。
次いで、厚さ2mmの発砲ポリオレフィンシートを接着剤を用いて透明ポリオレフィンシート側に貼り合わせ、断裁して10枚の水変色性パズル片と、「1」から「10」の数字が描かれた10枚の非変色性パズル片を得た。
なお、前記水変色性パズル片は、乾燥状態において僅かに耐水性樹脂層による数字が視認される。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた絵柄と水変色性パズル片の文字が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例9で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた絵柄と水変色性パズル片の文字が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルセットであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として厚さ0.5mmの白色耐水紙上に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、黒色の各紫外線硬化型油性ドライオフセットインキにて「あ」から「ん」の各文字(五十音)と「あ」から「ん」の各文字から始まる物品や生物の絵柄をそれぞれプロセス印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記各文字からなる耐水性樹脂層上のみに、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成した。
次いで、厚さ2mmのコートボール紙を接着剤を用いて耐水紙側に貼り合わせ加工を行なった後、断裁して50枚の水変色性パズル片と50枚の物品や生物の絵柄からなる非変色性パズル片を得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた絵柄と水変色性パズル片の文字が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例11で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片と非変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、非変色性パズル片に描かれた絵柄と水変色性パズル片の文字が連動しているため、嵌め合わせた後に水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルセットであった。
水変色性パズルの作製
パズルの基材として厚さ0.3mmの白色耐水紙上に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、黒色の各紫外線硬化型油性ドライオフセットインキにて動物の絵柄と動物の名前(文字)をそれぞれプロセス印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた。
次いで、前記動物の名前を印刷した耐水性樹脂層上のみに、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成した。
次いで、厚さ10mmの木材を接着剤を用いて耐水紙側に貼り合わせ加工を行なった後、断裁して非変色性の動物の絵柄と多孔質層が同一パズル片上に存在する9枚の水変色性パズル片を得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、多孔質層に水を付着させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、また、パズル片を24℃の水に24時間浸漬しても何らの剥がれも発生しない耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、パズル片上に描かれた動物の絵柄と文字が連動しているため、水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルであった。
水変色性パズルセットの作製
実施例13で得た水変色性パズルと、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具とを組み合わせて水変色性パズルセットを得た。
前記水変色性パズル片を嵌め合わせて水変色性パズルを完成させた後、塗布具のペン体を白色の多孔質層に接触させて水を塗布すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の文字が視覚される。
前記様相は、24℃の室温下で約3分間視認されていたが、多孔質層が乾燥するにつれて徐々に白色になり、約10分後には元のパズルに戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができ、水を適用しても基材の膨潤や印刷面の滲み等の不具合は発生せず、耐久性に優れたものであった。
更に、前記パズル片は、パズル片に描かれた動物の絵柄と文字が連動しているため、水を適用することにより教習具として使用できる応用性に優れたパズルセットであった。
Claims (9)
- 基材上に、耐水性樹脂層を設け、前記耐水性樹脂層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態とで透明性を異にする多孔質層を設けて構成されたパズル片を少なくとも1つ以上有する水変色性パズル。
- 前記耐水性樹脂層が文字、図柄、記号、数字から選ばれる着色耐水性樹脂像を形成してなる請求項1記載の水変色性パズル。
- 前記基材上面の全体が耐水性樹脂層で被覆されてなる請求項1又は2記載の水変色性パズル。
- 前記基材が紙、合成紙、耐水紙、木材、プラスチックシート、プラスチック製発泡シート、耐水紙と木材との貼合材、合成紙とプラスチック製発泡シートとの貼合材、プラスチックシートとプラスチック製発泡シートとの貼合材のいずれかである請求項1乃至3のいずれかに記載の水変色性パズル。
- 前記多孔質層上に耐水性着色像を設けてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の水変色性パズル。
- 少なくとも9個以上のパズル片からなり、且つ、多孔質層を設けたパズル片の個数が全パズル片の30%以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の水変色性パズル。
- 枠体を備えてなる請求項1乃至6のいずれかに記載の水変色性パズル。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の水変色性パズルと水付着手段とからなる水変色性パズルセット。
- 前記水付着手段が先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記又は塗布具から選ばれる請求項8記載の水変色性パズルセット。
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