JP2007313191A - パズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セット - Google Patents

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Abstract

【目的】 親が基板表面に水等によりパズル片の形状を描いたり、パズル片の図柄に関連する像を描くことで、親子でコュミニケーションをとりながら幼児等が学習やパズル遊びを行うことができるパズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットを提供する。
【構成】 基板2上に複数のパズル片5を組み立てるパズル玩具1であって、前記基板2が、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層3を表面に形成される。前記パズル片5の表面に着色像6が形成される。前記パズル玩具と水付着手段とからなるパズル玩具セット。
【選択図】 図2

Description

本発明は、パズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットに関する。更には、基板への繰返し筆記が可能なジグソーパズルやシルエットパズル形態のパズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットに関する。
従来より、基板上でパズル片を組み立てるジグソーパズルにおいて、パズル片に形成された像に関連する内容の像(例えば、五十音のひらがなとカタカナ、九九の式と答え)や、パズル片の形状等を基板表面の特定位置に印刷したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記ジグソーパズルは、幼児や児童等が学習するために使用できるものであるが、予め基板表面に特定の像を印刷することで、幼児等が一人で学習することを目的としている。そのため、1つの基板に対して組み合わされるパズル片群(即ち、完成時の図柄)が一種類しか対応できないものであると共に、親子での学習には不向きなものであった。
特開平7−328226号公報
本発明は、親が基板表面に水等によりパズル片の形状を描いたり、パズル片の図柄に関連する像を描くことで、親子でコュミニケーションをとりながら幼児等が学習やパズル遊びを行うことができるパズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットを提供するものである。
本発明は、基板上に複数のパズル片を組み立てるパズル玩具であって、前記基板が、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を表面に形成されることを要件とする。
更に、前記パズル片の表面に着色像が形成されること、前記パズル片の表面の少なくとも一部に多孔質層を設けてなること、前記パズル片の少なくとも裏面が耐水性を有することを要件とする。
更には、前記いずれかのパズル玩具と水付着手段とからなるパズル玩具セットを要件とし、前記水付着手段が、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具、或いは、スタンプ具の何れかより選ばれる少なくとも一種であることを要件とする。
本発明により、基板表面にパズル片の形状や、パズル片の図柄に関連する像を水等で自由に描くことができるので、複数図柄のパズル片群に対応可能であり、且つ、親子でコミュニケーションをとりながら幼児等が学習やパズル遊びを行うことが可能なパズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットとなる。また、基板自体を筆記板として使用することもでき、玩具、学習具等、多様な用途に応用可能なパズル玩具及びそれを用いたパズル玩具セットとなる。
前記パズル玩具を構成するパズル用基板は、紙、合成紙、プラスチックシート、プラスチック製発泡シート、樹脂成型物、ゴム、合成皮革、レザー、木材等から形成されるものであり、パズル片を安定配置するために多孔質層が形成される部分が平面状に形成される。特に、質感や耐水性が高いことから木材が好適に用いられる。
また、前記基板には、パズル片を囲う枠体を設けることもできる。前記枠体により、配置時のパズル片の位置を容易に決定したり、装飾性を高めることができる。
前記基板表面と多孔質層との間には、フィルムや塗布液形態で配設される耐水性樹脂層を介在させることもできる。これにより多孔質層の下層に液体が侵入することを抑制できるので、水に弱い材質や浸水性を有する材質の基板であっても、基板内への浸水を抑制できる。前記防水層は透明のものに限らず、着色したものを用いることもできる。
前記耐水性樹脂層に使用される樹脂としては油溶性樹脂及びその硬化物が好適に用いられるが、水溶性樹脂と架橋剤とを組み合わせ乾燥硬化させて得られた水不溶性樹脂、水分散された樹脂エマルジョンを乾燥硬化して得られた水不溶性樹脂も用いることができる。
前記基板の表面(即ち、パズル片が載置される面)に形成される多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、水等の液体の付着により透明化する層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液状組成物を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、実用性を満たす。
この点を以下に説明する。
珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別されるが、本発明の意図する多孔質層として機能させるためには、湿式法珪酸が最適である。
これは、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記本発明の多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記多孔質層中の湿式法珪酸は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5g/m〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記珪酸の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
前記珪酸はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、基材に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記珪酸とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、珪酸の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2重量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5重量部である。珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5重量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2重量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、従来より公知の一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバイン
ダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
なお、前記多孔質層中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や蛍光顔料を混在させて色変化を多様化させることができる。
又、温度変化により可逆的に色変化する、従来より公知の可逆熱変色顔料を混在させて、環境温度や付着させる水温により色変化させることができる。
更には、前記多孔質層の上層、下層、及び/又は近傍には着色層を配設して様相変化を更に多様化させることができる。
前記多孔質層及び着色層は、ベタ印刷状のものに限らず、文字、記号、図柄等の像(着色像)であってもよい。
前記多孔質層及び着色層は、従来より公知の手段、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により形成できる。
前記基板上で組み立てられるパズル片として、構成する基材の材質を特に限定するものではないが、紙、合成紙、プラスチックシート、プラスチック製発泡シート、樹脂成型物、ゴム、合成皮革、レザー、木材等を用いることができ、更に、同一の材質を貼り合わせた貼合材や、異なる材質のものを貼り合わせた貼合材を用いることもできる。前記パズル片は、一般的には平板状に形成されるが、基板と接触する箇所が平面に構成されていれば立体物であってもよい。
また、各パズル片はジグソーパズル形態、シルエットパズル形態、嵌め込み式形態等、他のパズル片や基板と組み合わせることが可能な形状に形成される。
前記パズル片の表面には着色像(モノクロや多色で構成される像)が形成されており、個々の内容の像をそれぞれに設けた構成や、2種以上のパズル片を組み合わせることにより特定の像が得られる構成等の着色像が適用できる。その際、パズル片表面に前記多孔質層を形成することができる。
また、前記パズル片には、水が内部に浸透することを防止する耐水性樹脂層を設けることもできる。これにより、パズル基板表面の多孔質層に水を付着させた後、該水付着部にパズル片を配置した場合であっても、パズル片に液体が浸透することなく使用できる。
前記耐水性樹脂層に使用される樹脂としては油溶性樹脂及びその硬化物が好適に用いられるが、水溶性樹脂と架橋剤とを組み合わせ乾燥硬化させて得られた水不溶性樹脂、水分散された樹脂エマルジョンを乾燥硬化して得られた水不溶性樹脂も用いることができる。
前記基板やパズル片群の形状は特に限定されるものではなく、正方形、長方形、三角形、六角形等の多角形、円、楕円、瓢箪形、その他動物、植物、乗物等の形象物を模した形状の板状物や立体物を用いることができる。特に、多角形を用いる場合、安全性をより高めるために、頂点の鋭角部を面取することや、曲面状とすることが好ましい。
また、前記基板の裏面やパズル片にも多孔質層を形成することができる。その際、多孔質層の下層には前述の耐水性樹脂層や着色層を形成することもできる。
前記基板表面の多孔質層に水を付着させる方法としては、手や指を水で濡らして多孔質層に接触させる方法、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、或いは、スポンジに水を含浸させて多孔質層に接触させる方法、水を収容した容器を多孔質層に近接又は接触させ、容器内から水を導出して付着させる方法、印面に連続気泡又は独立気泡を有する発泡体を固着したスタンプ具に水を含浸させて多孔質層に付着させる方法、プラスチックやゴムの印面を粗面に形成したスタンプ具に水を付着させ、多孔質層に接触させる方法が挙げられる。
尚、水を収容した容器を多孔質層に近接又は接触させ、容器内から水を導出して付着させる方法としては、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けて水を塗布する方法、容器内に水を収容し、且つ、噴霧装置を設けて、水をスプレーする方法、注射器のように容器内の水を押圧して、水を噴出させる方法等が挙げられる。
前記水を付着させる手段としては、筆記又は塗布具、スポンジ、スタンプ具、スプレー装置、注射器を例示でき、可逆変色性表示体と組み合わせて可逆変色性表示体セットが得られる。
なお、好ましい水付着手段としては、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具、或いは、スタンプ具であり、任意の筆記像又は印像を簡便に形成でき、実用性を高めることができる。
前記における連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、従来より汎用のポリオレフィン系、ポリウレタン系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
また、前記筆記具、塗布具、スタンプ具等の水付着手段を収容、保持するために、箱体や凹部等の収容部を基板や基板周辺に設けることにより、収容性を向上させ、紛失を防ぐことができる。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1(図1、2参照)
パズル玩具の作製
縦25cm、横30cm、厚さ3mmの長方形形状(頂部はいずれも曲面状に形成される)の木板からなる支持体21表面に、厚さ0.1mmの赤色プラスチックフィルム(防水層4)を接着剤により貼着した後、該フィルム上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成した。その後、厚さ3mmの木板により形成された枠体22を支持体21の表面に接着することでパズル基板2を得た。
前記基板2は、乾燥状態では略全面が白色の多孔質層3が視認されるが、水を付着させると多孔質層3は吸液により白色不透明状態から無色透明状態に変化し、下層の赤色プラスチックフィルムによる色調が視認され、吸液状態ではその状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより、元の白色状態へと変化する。前記様相変化は繰り返し行うことができるものであった。
次に、前記枠体22に収容可能な厚さ3mmの木板表面に、猫の像(着色像6)を印刷した後、該木板をパズル形態に断裁することでパズル片5を得た。尚、前記木板が耐水性を有するので、パズル片5の裏面は耐水性を有している。
前記基板2とパズル片5を組み合わせることでパズル玩具1を得た。
前記パズル玩具1は、基板2上の枠体内にパズル片5を嵌め合わせてパズル遊びを行うことはもちろん、基板2表面を筆記板として使用することも可能な玩具であった。
実施例2(図3参照)
パズル玩具セットの作製
実施例1で得たパズル玩具1と、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具7とを組み合わせてパズル玩具セットを得た。
前記パズル玩具セットは、親等が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて対応するパズル片5の形状を筆記した後、幼児が該パズル片5を探し出して組み合わせるというパズル遊びが可能であるため、親子間のコミュニケーション玩具として有用なものであった。
また、幼児が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて筆跡8を形成することも可能であるため、多様な遊び方ができる玩具となった。
実施例3(図2参照)
パズル玩具の作製
縦25cm、横30cm、厚さ2mmの長方形形状(頂部はいずれも曲面状に形成される)の白色コート紙からなる支持体21表面に、厚さ0.1mmの青色プラスチックフィルム(防水層4)を接着剤により貼着した後、該フィルム上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成した。その後、厚さ2mmのコート紙により形成された枠体22を支持体21の表面に接着することでパズル基板2を得た。
前記基板2は、乾燥状態では略全面が白色の多孔質層3が視認されるが、水を付着させると多孔質層3は吸液により白色不透明状態から無色透明状態に変化し、下層の赤色プラスチックフィルムによる色調が視認され、吸液状態ではその状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより、元の白色状態へと変化する。前記様相変化は繰り返し行うことができるものであった。
次に、前記枠体22に収容可能な厚さ2mmの白色コート紙(裏面に油性アクリル樹脂を主成分とした青色印刷インキにてスクリーン印刷し、乾燥硬化させて耐水性樹脂層を設けた)表面に、自動車の像(着色像6)を印刷した後、該コート紙をパズル形態に断裁することでパズル片5を得た。
前記基板2とパズル片5を組み合わせることでパズル玩具1を得た。
前記パズル玩具1は、基板2上の枠体内にパズル片5を嵌め合わせてパズル遊びを行うことはもちろん、基板2表面を筆記板として使用することも可能な玩具であった。
実施例4
パズル玩具セットの作製
実施例2で得たパズル玩具1と、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具、及び、多孔質印面を備えたスタンプ具とを組み合わせてパズル玩具セットを得た。
前記パズル玩具セットは、親等が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて対応するパズル片5の形状を筆記した後、幼児が該パズル片5を探し出して組み合わせるというパズル遊びが可能であるため、親子間のコミュニケーション玩具として有用なものであった。
また、幼児が基板2の多孔質層3に塗布具やスタンプ具を用いて像を形成することも可能であるため、多様な遊び方ができる玩具となった。
実施例5(図2参照)
パズル玩具の作製
厚さ0.3mmの白色耐水紙上に緑色の油性UVオフセットインキを印刷、硬化してなる防水層4の表面(即ち、緑色インキ層上)に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成することで変色性積層体を得た。
次に、縦25cm、横30cm、厚さ3mmの長方形形状(頂部はいずれも曲面状に形成される)の木板からなる支持体21上に、前記変色性積層体裏面(白色耐水紙側)を接着剤により貼着した後、厚さ3mmの木板により形成された枠体22を支持体21上(即ち、多孔質層3表面)に接着することでパズル基板2を得た。
前記基板2は、乾燥状態では略全面が白色の多孔質層3が視認されるが、水を付着させると多孔質層3は吸液により白色不透明状態から無色透明状態に変化し、下層の緑色耐水層による色調が視認され、吸液状態ではその状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより、元の白色状態へと変化する。前記様相変化は繰り返し行うことができるものであった。
次に、前記枠体22に収容可能な厚さ3mmの木板表面に、複数の着色像(例えば、林檎やバナナ等の果物類)6を印刷した後、各像が1種ずつ形成されるように断裁することでパズル片5を得た。尚、前記木板が耐水性を有するので、パズル片5の裏面は耐水性を有している。
前記基板2とパズル片5を組み合わせることでパズル玩具1を得た。
前記パズル玩具1は、基板2上の枠体内にパズル片5を嵌め合わせてパズル遊びを行うことはもちろん、基板2表面を筆記板として使用することも可能な玩具であった。
実施例6
パズル玩具セットの作製
実施例5で得たパズル玩具1と、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具7とを組み合わせてパズル玩具セットを得た。
前記パズル玩具セットは、親等が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて対応するパズル片5の形状や、パズル片5表面に形成される着色像6に関連する絵や文字を筆記した後、幼児が対応するパズル片5を探し出して組み合わせるというパズル遊びが可能であるため、親子間のコミュニケーション玩具として有用なものであった。
また、幼児が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて筆記することも可能であるため、多様な遊び方ができる玩具となった。
更に、前記枠体22に、塗布具7が収容可能な収容凹部を設けることで、非使用時の収容性を向上させ、紛失を防ぐことができるものとなった。
実施例7
パズル玩具の作製
白色耐水紙を白色コート紙とし、緑色の油性UVオフセットインキを青色の油性スクリーンインキとした以外は実施例5と同様にしてパズル基板2を得た。更に、得られた基板2と共に用いられるパズル片5として、枠体22に収容可能な厚さ3mmの木板表面に、複数の着色像(例えば、林檎やバナナ等の果物類)6及び該像の名称(「りんご」、「ばなな」等の文字)を油性インキにより印刷した後、実施例5と同様の白色スクリーン印刷用インキを用いて前記名称(文字)をそれぞれ被覆するように、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷して130℃で5分間乾燥硬化させることで、文字を隠蔽する多孔質層3を形成した。
次に、各像及び名称が1種ずつ形成されるように断裁することでパズル片5を得た。尚、前記木板が耐水性を有するので、パズル片5の裏面は耐水性を有している。
得られたパズル片5を、実施例5で得たパズル基板2に組み合わせることでパズル玩具1を得た。
前記基板2は、乾燥状態では略全面が白色の多孔質層3が視認されるが、水を付着させると多孔質層3は吸液により白色不透明状態から無色透明状態に変化し、下層の青色耐水層による色調が視認され、吸液状態ではその状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより、元の白色状態へと変化する。前記様相変化は繰り返し行うことができるものであった。
また、前記パズル片5の多孔質層隠蔽部分は、乾燥状態では白色ベタ柄が視認されるが、水を付着させると多孔質層が吸液により白色不透明状態から無色透明状態に変化し、下層の名称(文字)が視認され、吸液状態ではその状態を維持しているが、水が蒸発乾燥すると元の白色状態へ変化する。前記様相変化は繰り返し行うことができるものであった。
前記パズル玩具1は、基板2上の枠体22内にパズル片5を嵌め合わせてパズル遊びを行うことはもちろん、隠蔽された名称部分に水を付着させてパズル片5上の各像の名称を覚えることができる学習具として使用することや、基板2表面を筆記板として使用することが可能な玩具であった。
実施例8
パズル玩具セットの作製
実施例7で得たパズル玩具1と、水付着手段として軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して繊維ペン体から水を塗布する塗布具7とを組み合わせてパズル玩具セットを得た。
前記パズル玩具セットは、親等が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて対応するパズル片5の形状や、パズル片5表面に形成される着色像6に関連する絵や文字を筆記した後、幼児が対応するパズル片5を探し出して組み合わせるというパズル遊びが可能であるため、親子間のコミュニケーション玩具として有用なものであった。また、親等が隠蔽された名称部分に水を付着させてパズル片5上の各像の名称を現出させることにより、親子でコミュニケーションをとりながら学習できる学習具として使用できるものであった。
また、幼児が基板2の多孔質層3に塗布具7を用いて筆記することも可能であるため、多様な遊び方ができる玩具となった。
更に、前記枠体22に、塗布具7が収容可能な収容凹部を設けることで、非使用時の収容性を向上させ、紛失を防ぐことができるものとなった。
本発明のパズル玩具の正面図である。 図1のパズル玩具の縦断面説明図である。 本発明のパズル玩具セットの使用状態説明図である。
符号の説明
1 パズル玩具
2 基板
21 支持体
22 枠体
3 多孔質層
4 耐水性樹脂層
5 パズル片
6 着色像
7 塗布具(水付着手段)
8 筆跡

Claims (6)

  1. 基板上に複数のパズル片を組み立てるパズル玩具であって、前記基板が、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を表面に形成されることを特徴とするパズル玩具。
  2. 前記パズル片の表面に着色像が形成されることを特徴とする請求項1記載のパズル玩具。
  3. 前記パズル片の表面の少なくとも一部に多孔質層を設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のパズル玩具。
  4. 前記パズル片の少なくとも裏面が耐水性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパズル玩具。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のパズル玩具と水付着手段とからなるパズル玩具セット。
  6. 前記水付着手段が、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具、或いは、スタンプ具の何れかより選ばれる少なくとも一種である請求項5記載のことを特徴とするパズル玩具セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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