JP4859297B2 - 水変色性シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水変色性シートの製造方法に関する。更に詳細には、乾燥した状態と、水の付着手段を介して水を含浸した状態では異なる様相を示す水変色性シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、支持体として布帛に微粒子状珪酸を含有する多孔質層を設け、且つ、下面に水不浸透性樹脂層を設けた水変色性布帛シートが開示されている(特開2001−104661号公報)。
前記した従来の水変色性布帛シートは、特定目付け量の布帛を支持体として適用することにより、水吸収性が適正であり、鮮鋭な透視像を現出させることができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記特定目付け量の布帛を支持体として適用することにより、水吸収性が適正であり、鮮鋭な透視像を現出させることができる水変色性布帛シートについて更に検討した結果、前記水不浸透性樹脂層が不透明性であることによって、多孔質層が吸液状態と非吸液状態での色彩変化性をより明瞭に視認させることができることを見出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体として目付け量30g/m2〜1000g/m2の範囲にある布帛表面に、微粒子状珪酸をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設け、且つ、前記支持体裏面に水不浸透性樹脂層を設けた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする色彩変化性を有する水変色性シートにおいて、前記水不浸透性樹脂層は、溶剤と、樹脂と、酸化チタンを含む塗料を塗布量が10g/m 2 〜2000g/m 2 の範囲で塗布し、乾燥して形成され、層中に酸化チタンを10〜80重量%含む不透明層である水変色性シートの製造方法を要件とする。
【0005】
前記微粒子状珪酸は、乾式法によるものであってもよいが、湿式法により製造される微粒子状珪酸(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)が特に効果的であり、実用性を満たす。
この点を以下に説明すると、微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別されるが、本発明の意図する隠蔽性多孔質層として機能させるためには、湿式法微粒子状珪酸が最適である。これは、乾式法微粒子状珪酸と湿式法微粒子状珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は以下に示されるような珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、
【化1】
【0006】
湿式法微粒子状珪酸は、以下に示されるように、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
【化2】
【0007】
又、前記多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法微粒子状珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0008】
多孔質層中の湿式法微粒子状珪酸は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m2〜30g/m2であることが好ましく、より好ましくは、5g/m2〜20g/m2である。1g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記微粒子状珪酸の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
【0009】
前記微粒子状珪酸はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記微粒子状珪酸とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、微粒子状珪酸の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、微粒子状珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2重量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5重量部である。微粒子状珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5重量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2重量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、従来より公知の一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いるか、それらと他の樹脂を併用すると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
【0010】
尚、前記多孔質層中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や蛍光顔料を混在させて色変化を多様化させることができる。
又、温度変化により可逆的に色変化する、従来より公知の可逆熱変色性顔料を混在させて、環境温度や付着させる水温により色変化させることができる。
更には、前記多孔質層の上層や下層、或いは、近傍に着色層を配設して様相変化を更に多様化させることができる。
尚、前記多孔質層及び着色層は、ベタ印刷状のものに限らず、文字、記号、図柄等の像であってもよい。
前記多孔質層及び着色層は、従来より公知の手段、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等により適宜、形成できる。
【0011】
前記支持体として、織布、編物、不織布等の布帛の適用を要件とする。更に具体的には、目付け量30g/m2〜1000g/m2の範囲にある布帛を要件とする。前記目付け量が30g/m2未満の系では、水の吸収性が不均質且つ不十分であり、鮮鋭な透視像を形成し難い。一方、1000g/m2を超える系では、布帛の肉厚が必要以上に肉厚となり、シート自体が大面積の系にあっては、折り畳み保存性や軽量性を損なう上、非経済的である。
前記布帛のうち、多孔質層の均質な形成性の面から、平滑性に優れる織布が好適に用いられる。
前記布帛の適用により、紙を支持体として適用する系に較べ、吸水性に富み、鮮鋭な透視像を速やかに形成し易い上、吸水時における強度の低下もなく、耐折り曲げ強度にも優れ、大面積のシートを構成した系にあっても、繰り返しの折り畳み保存性を満足させる。
【0012】
前記布帛シートの裏面には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、可塑剤をブレンドした塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、或いは、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン等の熱可塑性エラストマー中に顔料を分散した水不浸透性樹脂層を設ける。
前記水不浸透性樹脂層を設けることにより、誤って水をシート表面に零したり、過飽和の水を吸収させても、シート背面よりの水漏れによる汚染を回避でき、しかも、滑り止め機能を果たすことができると共に、層中に含まれる酸化チタンによって、該層が不透明性を示し、シートを載置する机や床等の色調を遮る効果を有するため、特に吸液状態における色調が載置する場所の色調による影響を受けることなく、鮮明に視覚できる。
更に、上層の布帛端面のほつれを、樹脂層によって防止することもできる。
前記水不浸透性樹脂層中には、酸化チタンを10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%含んでなる。10重量%未満では所望の隠蔽性を付与でき難く、よって、載置する場所の色調を遮断することができ難い。また、80重量%を越えると、十分な滑り止め効果が得られなくなる。
なお、前記において、水不浸透性樹脂層の厚みは1μm〜3mmであることが好ましい。層の厚みが1μm未満の系では、耐久性が不十分であり、一方、3mmを超える系では、折り畳み性に難がある。
斯くして、シート自体を幼児等が上に乗って遊べる程度の大面積であっても、幼児等が多様且つ鮮明な像を落書き感覚で自在に形成できる上、水による汚染トラブルを回避でき、安心して使用できる商品性の高い水変色性シートを構成できる。
なお、前記シートの形状は特に限定されるものではなく、正方形、長方形、三角形等の多角形の他、円形、楕円形、ハート形、星型、花形、人、動物、乗物、建造物の形が挙げられる。
【0013】
前記水変色性シートに水を付着させる手段としては、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体、或いは前記プラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記又は塗布具を挙げることができる。
前記における連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、従来より汎用のポリオレフィン系、ポリウレタン系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
更に、前記した各種材料をペン先部材として適用し、水収容容器の先端に取り付けた筆記具又は塗布具形態のものが有効である。
また、適宜形状の独立又は連続気泡を有する発泡体により印面を形成したスタンプを用いることもできる。
前記水付着手段をセットすると、任意の透視像を自在に簡便に形成でき、商品性を高めることができる。
【0014】
前記水変色性シートの製造方法として、布帛と水不浸透性樹脂層の接着方法については、支持体裏面に、溶剤と、樹脂と、酸化チタンを含む塗料を塗布し、乾燥して水不浸透性樹脂層を形成する。前述の方法により、従来の方法と比べて、生産コストを削減できると共に、布帛と樹脂層の熱収縮率の違いによる曲がりを極力防止することができる。
なお前記水不浸透性樹脂層は、塗布量が10〜2000g/m2、好ましくは20〜1000g/m2の範囲にあり、前記範囲にあることにより、熱収縮率の違いによる曲がりを抑制できると共に、耐久性や耐折り畳み強度にも優れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の水変色性シートは、書道用紙程度の大きさのものから、幼児等が上に乗って遊べる程度の大きさのものまで、適宜大きさのものが適用される。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1(図1参照)
支持体2として目付け量90g/m2のピンク色ポリエステルサテン生地上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成した。
次いで、前記支持体2の下層に、ウレタン樹脂溶液〔商品名:クリスボン2026EL、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕60部、微粉末酸化チタン30部、ピンク色無機顔料1部、メチルエチルケトン7部、イソシアネート系硬化剤3部を均一混合してなる樹脂溶液をナイフコーターにて150g/m2になるよう均一塗工し、80℃で2分間乾燥硬化させて、乾燥重量76g/m2のパステル調ピンク色の水不浸透性樹脂層4を設けて水変色性シート1を得た。
【0017】
前記水変色性シート1は、常態では支持体2のピンク色は隠蔽状態にあり、多孔質層3による白色が視覚される。
多孔質層上に、水で湿らせた手のひらを押しつけると、その部分の多孔質層3が透明化して、支持体によるピンク色の手形を視覚させる。
前記手形は、水が未乾燥状態では保持されており、水が乾燥すると元の白色に復して不可視状態となる。
又、水変色性布帛シート上に誤って大量の水をこぼしても、水不浸透性樹脂層によって水の浸透を防止することができ、床等の載置部を汚染することはなかった。
更に、濃色の床に載置しても、水の付着により視認されるピンク色の像はパステル調ピンク色の水不浸透性樹脂層によって、載置部の色調による影響を受けることなく、鮮やかなピンク色の像が視覚できると共に、繰り返しの使用によっても布帛のほつれはみられなかった。
【0018】
実施例2(図2参照)
支持体2として目付け量140g/m2の白色T/Cブロード(テトロン65%、コットン35%)生地の下面に、アクリル樹脂溶液〔商品名:クリスコートP1130、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕60部、微粉末酸化チタン30部、メチルエチルケトン7部、イソシアネート系硬化剤3部を均一混合してなる樹脂溶液をナイフコーターにて100g/m2になるよう全面に均一塗工し、100℃で3分間乾燥硬化させて、乾燥重量51g/m2の白色の水不浸透性樹脂層4を設けた。
次いで、支持体2の上面に、青色顔料〔商品名:サンダイスーパーブルーGLL、山陽色素(株)社製〕5部、アクリル酸エステルエマルジョン〔商品名:モビニール763、ヘキスト合成(株)社製、固形分48%〕50部、水性インキ増粘剤3部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.3部、エポキシ系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる青色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて着色層5を形成した。
更に、前記着色層5上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、黄色顔料〔商品名:サンダイスーパーイエロー10GS、山陽色素(株)社製〕1部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)社製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に攪拌混合して得た黄色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成した後、ハート形に裁断して水変色性シート1を得た。
【0019】
前記水変色性シート1は、常態では着色層4の青色は隠蔽状態にあり、多孔質層3による黄色が視覚される。
多孔質層上に、水を含ませた筆で文字を描くと、その部分の多孔質層3が透明化して、着色層の青色と混色になった緑色の文字が視覚される。
前記文字は、水が未乾燥状態では保持されており、水が乾燥すると元の黄色に復して文字は不可視状態となる。
又、水変色性シート上に誤って大量の水をこぼしても、水不浸透性樹脂層によって水の浸透を防止することができ、机等の載置部を汚染することはなかった。 更に、濃色の机に載置しても、水の付着により視認される緑色の文字は白色の水不浸透性樹脂層によって、載置部の色調による影響を受けることなく、鮮やかな緑色の文字が視覚できると共に、繰り返しの使用によっても布帛のほつれはみられなかった。
た。
なお、筆で筆記する際、シートは水不浸透性樹脂層と机との密着性に優れるため、机上で滑ることなく、良好な運筆を行うことができた。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の効果】
本発明は、特定目付け量の布帛を支持体裏面に、顔料を含む水不浸透性樹脂層を設けたものであり、多孔質層からの水の浸透、保持性が適正であると共に、多孔質層が吸液状態と非吸液状態での色彩変化性をより明瞭に視認させることができる、意外性や変化性に富む水変色性シートの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水変色性布帛シートの一実施例の拡大縦断面説明図である。
【図2】 本発明の水変色性布帛シートの他の実施例の拡大縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 水変色性シート
2 支持体
3 多孔質層
4 水不浸透性樹脂層
5 着色層
Claims (1)
- 支持体として目付け量30g/m2〜1000g/m2の範囲にある布帛表面に、微粒子状珪酸をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設け、且つ、前記支持体裏面に水不浸透性樹脂層を設けた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする色彩変化性を有する水変色性シートにおいて、前記水不浸透性樹脂層は、溶剤と、樹脂と、酸化チタンを含む塗料を塗布量が10g/m 2 〜2000g/m 2 の範囲で塗布し、乾燥して形成され、層中に酸化チタンを10〜80重量%含む不透明層であることを特徴とする水変色性シートの製造方法。
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