JPH11170461A - 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類 - Google Patents

防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類

Info

Publication number
JPH11170461A
JPH11170461A JP9344704A JP34470497A JPH11170461A JP H11170461 A JPH11170461 A JP H11170461A JP 9344704 A JP9344704 A JP 9344704A JP 34470497 A JP34470497 A JP 34470497A JP H11170461 A JPH11170461 A JP H11170461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waterproof
waterproof fabric
fabric according
resin
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9344704A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoshi Gotou
裕利 後藤
Hidenobu Honda
秀信 本田
Koichi Saito
公一 齋藤
Yasushi Kubo
安志 久保
Minoru Nose
稔 野瀬
Michiji Miyauchi
理治 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Toray Co Ltd, Toray Industries Inc filed Critical Du Pont Toray Co Ltd
Priority to JP9344704A priority Critical patent/JPH11170461A/ja
Publication of JPH11170461A publication Critical patent/JPH11170461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】透湿性、防水性、装用性、耐結露性、洗濯耐久
性に優れた防水布帛の提供、更に、快適性に優れた衣
料、靴類及びテント類の提供。 【解決手段】織編物に防水性樹脂が積層されてなる防水
布帛において、該防水性樹脂が主として結晶性芳香族ポ
リエステル単位からなるハードセグメント(a)と、主
として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポ
リエステル単位からなるソフトセグメント(b)とを主
たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であ
り、該防水布帛が、10000g/m2 ・24hrs以
上の透湿度と、1.5kg/cm2 以上の耐水圧と、1
0g/m2 ・hr以下の結露量を同時に満足するもの。
衣料、靴類およびテント類に適用出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿性、防水性お
よび耐結露性に優れた防水布帛およびそれからなる衣
料、靴類およびテント類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透湿性と防水性とを有する加工布
の製造方法としては、例えば、特開昭58−14417
8号公報により開示されているように、基布にポリウレ
タン樹脂を塗布し、湿式凝固することにより樹脂皮膜に
セルを形成させる方法が知られている。しかしながら、
透湿性と防水性とは相反する機能であるがゆえに、上記
のポリウレタン樹脂を素材とする従来技術では、両性能
ともに高くすることは困難であり、例えば、透湿度を4
000g/m2 ・24hrsとした場合には、耐水圧
0.2kg/cm2 を越える加工布を得ることはできな
かった。以後、性能の向上が進み、例えば、特開平2−
99671号公報により開示された、フッ素ゴムを幹ポ
リマーとしてなるフッ素樹脂共重合体とポリウレタン樹
脂とを混合して湿式凝固する方法では、透湿度が900
0〜13000g/m2 ・24hrsで、耐水圧が0.
15kg/cm2 以上の性能を有する加工布が得られて
いる。また、特開平6−313275号公報により開示
された、フッ素含有ポリウレタン樹脂と低重合度ポリウ
レタン樹脂との混合物を用いて湿式凝固する方法では、
透湿度が8000g/m2 ・24hrs以上で、耐水圧
が0.6kg/cm2 以上の性能を有する加工布が得ら
れている。しかしながら、上記フッ素ゴムを幹ポリマー
としてなるフッ素樹脂共重合体とポリウレタン樹脂とを
混合してなる樹脂皮膜を用いた技術においては、透湿度
は9000〜13000g/m2 ・24hrsである
が、耐水圧が0.2〜0.3kg/cm2 程度の性能で
あった。また、フッ素含有ポリウレタン樹脂と低重合度
ポリウレタン樹脂との混合物を用いた技術においては、
透湿度が10000〜13000g/m2 ・24hrs
であるが、耐水圧が0.7〜1.1kg/cm2 程度の
性能であった。これらの技術は、基布にダイレクトコー
ティング(平坦化コート)した後、湿式凝固により皮膜
形成させる。その際、基布の厚み斑により樹脂膜厚を均
一にすることが難しく、膜厚にムラが生じる。皮膜の薄
い部分の耐水圧は低く洗濯耐久性も低いため、この部分
の性能が布帛としての性能を大きく左右する。そのた
め、透湿性を維持しながら耐水圧を向上させるには、湿
式凝固による樹脂皮膜化では困難であった。
【0003】また、透湿性の重合体物質の多孔質フィル
ムが基布にラミネートされてなる布帛が製造されてお
り、湿式凝固による皮膜化に比べ、耐水圧の高いものが
得られている。これらの中でも、たとえばポリテトラフ
ルオロエチレンの微多孔フィルムが基布にラミネートさ
れた布帛などは、透湿性も防水性も優れたものである。
しかし、かかる多孔質素材は、その孔に塵などが詰まっ
て塞がれ、透湿性が低下する欠点がある上に、風合いも
硬く、その装用性、特に衣料用としては実用性に乏し
く、用途が限定されるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点に鑑み、透湿性、防水性、装用性および耐
結露性に優れ、さらに洗濯耐久性にも優れた防水布帛、
つまり、5拍子揃った、極めてバランスのとれた防水布
帛を提供せんとするものであり、更に、かかる素材から
なる快適性に優れた衣料、靴類およびテント類を提供せ
んとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の防水布帛は、織編物に防水性樹脂が
積層されてなる防水布帛において、該防水性樹脂が主と
して結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグ
メント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位およ
び/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグ
メント(b)とを主たる構成成分とするポリエステルブ
ロック共重合体であることを特徴とするものであり、ま
た、本発明の防水布帛は、主として結晶性芳香族ポリエ
ステル単位からなるハードセグメント(a)と、主とし
て脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエ
ステル単位からなるソフトセグメント(b)とを主たる
構成成分とするポリエステルブロック共重合体からなる
防水性樹脂を織編物に積層して構成された防水布帛であ
って、該防水布帛が、10000g/m2 ・24hrs
以上の透湿度と、1.5kg/cm2 以上の耐水圧と、
10g/m2 ・hr以下の結露量を同時に満足するもの
であることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の衣料、靴類およびテント類
は、かかる防水布帛で構成されていることを特徴とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、上記課題、すなわち、
透湿性、防水性、装用性および耐結露性に優れ、さらに
洗濯耐久性という5拍子揃った、極めてバランスのとれ
た防水布帛について、鋭意検討し、ポリエステルブロッ
ク共重合体という特定な樹脂を防水性樹脂層として使用
したところ、意外にも、上記課題を一挙に解決すること
を究明したものである。
【0008】本発明に用いられる基布の織編物を構成す
る素材としては、何ら制限されるものではないが、ナイ
ロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成繊
維、ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエス
テル系合成繊維、ポリアクリルニトリル系合成繊維、ポ
リビニルアルコール系合成繊維、トリアセテートなどの
半合成繊維、あるいはナイロン6/木綿、ポリエチレン
テレフタレート/木綿などの混紡繊維などを使用するこ
とができる。
【0009】本発明では、これらの基布に好ましくは撥
水剤処理を施したものを用いてもよい。この場合、基布
の撥水性はJIS L 1096スプレー法にて撥水度
90以上あることが望ましい。用いる撥水剤は、パラフ
ィン系撥水剤やポリシロキサン系撥水剤、フッ素系撥水
剤などの公知のものでよく、その処理は一般に行われて
いる公知の方法で行ったものでよい。特に良好な撥水性
を必要とする場合にはフッ素系撥水剤を使用し、例えば
旭硝子株式会社製のアサヒガードAG710の5%水溶
液を含浸後、マングルで絞り、170℃にて1分間の熱
処理を行う方法などによって行えばよい。さらに、洗濯
耐久性のある、撥水性と制電性の両方を必要とする場合
には、特開平9−132872号に開示された方法を用
いることができる。撥水処理はラミネート前の基布に行
うこともできるし、ラミネート後に行ってもよい。
【0010】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体のハードセグメント(a)は、芳香族ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオール
から形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフ
タル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4
−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタ
レートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソ
フタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体など
のジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、
例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール
などの脂肪酸ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジ
オール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキ
シ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フ
ェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シ−p−クォーターフェニルなどの芳香族ジオールなど
から誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカル
ボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重
合ポリエステルであってもよい。また、3官能以上の多
官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能
ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合する
ことも可能である。
【0011】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体のソフトセグメント(b)は、脂肪族ポリエー
テルおよび/または脂肪族ポリエステルである。脂肪族
ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリ
コール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサ
メチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドの共重合体、エチレンオキシドとポリ
(プロピレンオキシド)グリコールの付加重合体、エチ
レンオキシドとテトラメチレンオキシドの共重合体など
が挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとしては、ポ
リ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポ
リカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエ
チレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポ
リエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで
得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性から
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プ
ロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加
物、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペ
ート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。また、
これらのソフトセグメントの数平均分子量としては、共
重合された状態において300〜6000程度であるこ
とが好ましい。
【0012】かかるソフトセグメント(b)の共重合量
は、透湿性能から、好ましくは10〜80重量%、さら
に好ましくは15〜75重量%である。ソフトセグメン
ト(b)の割合が高いほど透湿性は高まるが、水膨潤が
大きくなるため着用時のラミネートフィルム剥離の問題
が生じる。このため透湿性能と膜剥離強度の点から、特
に好ましくは20〜70重量%共重合させたものがよ
い。
【0013】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体は、公知の方法で製造することができる。例え
ば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量
の低分子量グリコール、およびソフトセグメント成分を
触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生
成物を重縮合する方法、あるいはジカルボン酸と過剰量
のグリコールおよびソフトセグメント成分を触媒の存在
下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮
合する方法、また、あらかじめハードセグメントを作っ
ておき、これにソフトセグメント成分を添加してエステ
ル交換反応によりランダム化せしめる方法、ハードセグ
メントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さ
らにポリ(ε−カプロラクトン)をソフトセグメントに
用いる場合は、ハードセグメントにε−カプロラクトン
モノマーを付加反応させるなど、いずれの方法をとって
もよい。
【0014】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知
のヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエー
テル系、アミン系などの酸化防止剤、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの
耐候剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物などの
増粘剤、顔料や染料などの着色剤、酸化チタン、カーボ
ンブラックなどの紫外線遮断剤、ガラス繊維やカーボン
ファイバー、チタン酸カリウムファイバーなどの補強
剤、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ガラス
ビーズなどの充填剤、タルクなどの核剤、難燃剤などを
任意に含有せしめることができる。また、吸湿性能アッ
プ、結露量ダウン、フィルムにした時のブロッキング防
止を目的に、二酸化ケイ素を添加してもよく、好ましく
は1〜30重量%、さらに好ましくは5〜25重量%含
有させることができる。
【0015】かかるポリエステルブロック共重合体は、
透湿性が高く、たとえばフィルムにした時の透湿性は、
その形状が微多孔、無孔を問わず、非常に優れたもので
あり、さらに柔軟性、反発性、弾性回復性などのゴム的
性質にも優れており、屈曲疲労性などの耐久性にも優れ
ているので、たとえば衣料用途などには、極めて好適で
ある。
【0016】かかるポリエステルブロック共重合体は、
織編物の少なくとも片面に積層するが、かかる積層の仕
方としては、コーティングしてもよいし、また、フィル
ム化したものを接合してもよいが、膜性能からすると、
フィルムを接合する方法、つまりラミネートする方法が
特に好ましい。
【0017】かかるポリエステルブロック共重合体フィ
ルムの膜厚は、透湿度、耐水圧、風合いの観点から、好
ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μ
mであるものがよい。
【0018】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体フィルムは、従来から知られているT−ダイ
法、インフレーション法などの製膜方法で製造すること
ができる。例えば、T−ダイ法において、まずポリエス
テルブロック共重合体樹脂を乾燥し押出し機に供給す
る。このとき、必要により二酸化ケイ素などの添加剤を
加えておく。次に、押出し機中の重合体をその融点以上
に加熱し、口金からフィルムとして押出し、これを支持
体物質、例えば軽量ポリエステルや離型紙などに溶融被
覆し、巻き取り、使用のために貯蔵する。
【0019】本発明の防水布帛を製造する方法は、かか
るポリエステルブロック共重合体フィルムを、編織物か
らなる基布上にラミネートして製造する。かかるラミネ
ート加工法には、下記3種の方法を採用することができ
る。
【0020】すなわち、1つの方法は、該フィルムを加
熱装置上、たとえば熱ロール・カレンダリング装置上、
において基布に熱融着させて行う方法である。この方法
でのロール温度はフィルムの軟化点以上の温度であり、
十分に加圧してラミネートする。2つ目の方法は、熱接
着性繊維を接着剤として用いてラミネートする方法であ
る。この方法も上述の方法と同様の加熱装置を用い、熱
圧着させることにより行うことができる。3つ目の方法
は、接着剤を用いてラミネートする方法である。この方
法では、通常の接着剤を用いると、しばしば布帛の透湿
性を低下させることがあるので、接着剤自体、透湿性の
樹脂からなる接着剤を用いるのが好ましい。 本発明の
防水布帛は、透湿度が10000g/m2 ・24hrs
以上、好ましくは20000g/m2 ・24hrs以上
という高い透湿性を有し、また、結露量が10g/m2
・hr以下、好ましくは5g/m2 ・hr以下という性
能を有するものである。
【0021】また、本発明の防水布帛は、高い防水性を
有するので雨水の浸入を防ぐ性質、すなわち耐水圧が
1.5kg/cm2 以上、好ましくは2kg/cm2
上という優れた性能を有するものである。
【0022】本発明の防水布帛は、かかる高い透湿性に
よりムレを防ぐ効果が高く、同時に結露量を著しく減少
する効果を発揮するものである。特に氷点下における使
用時の衣服内部凍結を防止するという快適性に優れた機
能を有するので、激しい運動である登山やスキー用のス
ポーツウエアーやウインドブレーカー、激しい作業向け
の雨着などに好適に採用することができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の%および部とは、断らない
限り重量基準である。また、実施例中での品質評価は次
の方法に従った。
【0024】(1)透湿度: JIS L1099 B
−1 法による。ただし、単位はg/m2 ・24hrs
に換算する。
【0025】(2)耐水圧: JIS L1092 B
法による。
【0026】(3)結露性 40℃の温水が500ml入っている500mlビーカ
ーを、透湿性フィルム面がビーカー内側になるように試
料で覆い、輪ゴムで固定する。このビーカーを10℃×
60%RH条件下の恒温恒湿機中に1時間放置する。1
時間後における透湿性フィルム面に付着した水滴量を測
定し、これを結露量とする。ただし、単位はg/m2
hrに換算する。
【0027】(4)剥離強度: JIS K6328
法による。
【0028】なお、洗濯はJIS L 0217 10
3法に準じ、家庭用電気洗濯機に40±2℃の0.2%
合成洗剤(JIS K 3371 弱アルカリ性・第1
種)液25Lを入れ、さらに試験試料と追加布を合わせ
た重さが約500gとなるようにして、25分間洗濯
後、10分間すすぎの工程を2回繰り返し、自然乾燥を
行い、これを洗濯回数5回とした。
【0029】(5)融点 差動走査熱量計(Du Pont 社製DSC-910 型)を使用し
て、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱し
た時の融解ピークの頂上温度を測定した。
【0030】(6)硬度(ショアDスケ−ル): AS
TM K−7215に従って測定した。(7)使用透湿
性フイルム (A−1):ポリエステルブロック共重合体フィルム
(東レ・デュポン株式会社製、商品名“ハイトレル H
TR8171”) (A−2):ポリエステルブロック共重合体フィルム
(東レ・デュポン株式会社製、商品名“ハイトレル H
TR8206”) (A−3):ポリエステルブロック共重合体フィルム
(東レ・デュポン株式会社製、商品名“ハイトレル G
3548L”) かかるフィルムの物性および透湿性を表1に示す。
【0031】
【表1】 実施例1〜7 ナイロンフィラメント織物(タテ糸:70d−68f、
ヨコ糸:140d−136f、タテ:118本/イン
チ、ヨコ:52本/インチ)を常法により染色した。次
に、前処理としてフッ素系撥水剤アサヒガードAG71
0(旭硝子株式会社製)の5%水溶液を含浸させ、マン
グルで絞り、乾燥した後、テンターで170℃、1分間
の熱処理を行った。さらに150℃、4kg/cm2
圧力でカレンダー加工を行い、表面を平滑にした。一
方、透湿性フィルムについては、水分散型ポリエーテル
系ウレタン樹脂を、グラビアロールのドット方式でコー
ティング、乾燥を行った。
【0032】この時の樹脂付着量は、乾燥状態で15g
/m2 であった。最後に、基布と、下記透湿性フィルム
とをそれぞれラミネート加工した。このとき熱ロール・
カレンダリング装置を用いて、140℃、10kg/c
2 で、熱圧着させることにより行った。
【0033】この加工法による3種類の透湿性フィルム
についての実施例を実施例1から3に、結果を表2に示
す。
【0034】 実施例1:透湿性フィルムA−1 実施例2:透湿性フィルムA−2 実施例3:透湿性フィルムA−3 次に他のラミネート加工法による実施例を、実施例4か
ら6に示す。
【0035】このときの基布は、実施例1から3で用い
たものと同一である。また、結果を表2に示す。
【0036】実施例4:透湿性フィルムA−2を用い、
ラミネート加工は、透湿性接着剤による方法を採用し、
該接着剤は、次に示す処方に従った。
【0037】 ハイムレンY−119(E) 100部 (ポリエーテルエステル系ポリウレタン樹脂、大日精化工業株式会社製) レザミンNE 8部 (イソシアネート系架橋剤、大日精化工業株式会社製) レザミンHI215 1部 (金属系促進剤、大日精化工業株式会社製) メチルエチルケトン 80部 まず、2液用離型紙に上記接着剤配合液を70μm(固
形分20μm)塗布し、80℃、5分で絶乾させ、熱ロ
ール・カレンダリング装置を用いて、120℃で基布に
ラミネートした。次に離型紙をはがし、接着剤の付いた
基布に、透湿性フィルムを熱ロール・カレンダリング装
置を用いて、140℃、10kg/cm2 の圧力で熱圧
着させることによりラミネートした。
【0038】実施例5:透湿性フィルムA−2を用い、
ラミネート加工は、融点120℃の熱接着性ポリエステ
ル繊維テトロンサフメット(東レ株式会社製)2デニー
ル使いの15g/m2 不織布を、基布と上記透湿性フィ
ルムA−2との間に積層し、熱ロール・カレンダリング
装置を使用し、140℃、10kg/cm2 の圧力で熱
圧着させた。
【0039】実施例6:透湿性フィルムA−1を用い、
この透湿性フィルムの融点は150℃であるので、ラミ
ネート加工は、熱ロール・カレンダリング装置を用い
て、170℃、10kg/cm2 の圧力で熱融着させる
方法を採用した。
【0040】最後に、透湿性フィルムに二酸化ケイ素を
添加した例を実施例7示す。
【0041】実施例7:前記透湿性フィルムA−2のポ
リエステルブロック共重合体(東レ・デュポン株式会社
製、商品名“ハイトレル HTR8206”)ポリマー
100部に対し、粒子径3.5μm、細孔径25μmの
二酸化ケイ素サイリシア740(富士シリシア化学株式
会社製)20部を混合した後、フィルム化して形成した
透湿性フィルムを得た。このフィルムを用いて、実施例
1と同じ基布、同じラミネート方法で防水布帛を形成し
た。その結果を表2に示す。
【0042】なお、比較例として、実施例1で使用した
織編物の撥水処理品を用いて、評価した。この基布の撥
水性はJIS L 1096スプレー法にて測定したと
き撥水度は100であった。この基布は、透湿度は5
0,000g/m2 ・24hrs以上で、優れていた
が、耐水圧が0.1kg/cm2 以下と著しく低く、実用
的な防水布帛とはいえないものであった。
【0043】
【表2】 表2から明らかなように、実施例の防水布帛は、いずれ
も透湿度、耐水圧ならびに結露量のいずれにおいても優
れた性能を示した。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、透湿性および防水性と
もに高い性能を有し、洗濯耐久性に優れた高透湿性高防
水布帛を提供することができ、かかる防水布帛は、従来
の透湿性防水布帛に比べ、装用性に優れており、登山や
スキーなどいわゆるヘビーデューティー用スポーツウエ
アーやウインドブレーカーなど一般スポーツウエア、さ
らに作業服、雨着など衣料全般の用途や、靴類、テント
類など透湿性と防水性が要求される全ての用途に好適に
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 公一 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 久保 安志 名古屋市港区本星崎町字北3804−19 東 レ・デュポン株式会社ハイトレル・テクニ カルセンター内 (72)発明者 野瀬 稔 大阪市北区中之島3丁目4番18号 東レ・ デュポン株式会社大阪本社内 (72)発明者 宮内 理治 名古屋市港区本星崎町字北3804−19 東 レ・デュポン株式会社ハイトレル・テクニ カルセンター内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織編物に防水性樹脂が積層されてなる防水
    布帛において、該防水性樹脂が主として結晶性芳香族ポ
    リエステル単位からなるハードセグメント(a)と、主
    として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポ
    リエステル単位からなるソフトセグメント(b)とを主
    たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であ
    ることを特徴とする防水布帛。
  2. 【請求項2】主として結晶性芳香族ポリエステル単位か
    らなるハードセグメント(a)と、主として脂肪族ポリ
    エーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位か
    らなるソフトセグメント(b)とを主たる構成成分とす
    るポリエステルブロック共重合体からなる防水性樹脂を
    織編物に積層して構成された防水布帛であって、該防水
    布帛が、10000g/m2 ・24hrs以上の透湿度
    と、1.5kg/cm2 以上の耐水圧と、10g/m2
    ・hr以下の結露量を同時に満足するものであることを
    特徴とする防水布帛。
  3. 【請求項3】該防水性樹脂が、フィルムであり、かつ、
    積層がラミネートである請求項1または2記載の防水布
    帛。
  4. 【請求項4】該ハードセグメント(a)が、ポリブチレ
    ンテレフタレート単位で構成されているものである請求
    項1または2記載の防水布帛。
  5. 【請求項5】該ソフトセグメント(b)が、該ポリエス
    テルブロック共重合体の全体の10〜80重量%を占め
    るものである請求項1または2記載の防水布帛。
  6. 【請求項6】該フィルムが、5〜50μmの膜厚を有す
    るものである請求項3記載の防水布帛。
  7. 【請求項7】該積層が、該防水性樹脂自体を熱融着させ
    たものである請求項1または2記載の防水布帛。
  8. 【請求項8】該積層が、接着剤により接着されたもので
    ある請求項1または2記載の防水布帛。
  9. 【請求項9】該積層が、熱接着性繊維により接着された
    ものである請求項1または2記載の防水布帛。
  10. 【請求項10】該防水性樹脂が、二酸化ケイ素を1〜3
    0重量%含有するものである請求項11または2記載の
    防水布帛。
  11. 【請求項11】該防水布帛が、少なくとも基布の織編物
    に撥水剤が付与されたものである請求項1または2載の
    防水布帛。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の防水
    布帛で構成されていることを特徴とする衣料。
  13. 【請求項13】請求項1〜11のいずれかに記載の防水
    布帛で構成されていることを特徴とする靴類。
  14. 【請求項14】請求項1〜11のいずれかに記載の防水
    布帛で構成されていることを特徴とするテント類。
JP9344704A 1997-12-15 1997-12-15 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類 Pending JPH11170461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9344704A JPH11170461A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9344704A JPH11170461A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11170461A true JPH11170461A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18371342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9344704A Pending JPH11170461A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11170461A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096449A (ja) * 1998-09-17 2000-04-04 Teijin Ltd 透湿防水性布帛及びその製造方法
JP2003033985A (ja) * 2001-07-26 2003-02-04 Pilot Ink Co Ltd 水変色性シート及びその製造方法
JP2005538271A (ja) * 2002-09-13 2005-12-15 デグサ アクチエンゲゼルシャフト テキスタイル被覆上の自浄性表面の製造
JP2007296797A (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Teijin Fibers Ltd 衣類用防水透湿性布帛
JP2008201014A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Teijin Fibers Ltd 衣類用防水透湿性布帛
JP2014514194A (ja) * 2011-05-04 2014-06-19 ナイキ インターナショナル リミテッド 複合構造、履物および複合要素を製造する方法
JP2017214470A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 東レ株式会社 透湿防水フィルム
US11192345B2 (en) 2017-06-16 2021-12-07 Nitto Denko Corporation Laminate and airbag
US11667259B2 (en) 2017-06-16 2023-06-06 Zf Automotive Germany Gmbh Method of manufacturing laminate, laminate, and airbag

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096449A (ja) * 1998-09-17 2000-04-04 Teijin Ltd 透湿防水性布帛及びその製造方法
JP2003033985A (ja) * 2001-07-26 2003-02-04 Pilot Ink Co Ltd 水変色性シート及びその製造方法
JP2005538271A (ja) * 2002-09-13 2005-12-15 デグサ アクチエンゲゼルシャフト テキスタイル被覆上の自浄性表面の製造
JP4708028B2 (ja) * 2002-09-13 2011-06-22 エボニック デグサ ゲーエムベーハー テキスタイル被覆上の自浄性表面の製造
JP2007296797A (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Teijin Fibers Ltd 衣類用防水透湿性布帛
JP2008201014A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Teijin Fibers Ltd 衣類用防水透湿性布帛
US8108949B2 (en) 2007-02-21 2012-02-07 Teijin Fibers Limited Waterproof moisture-permeable fabric for clothing and clothing
US9150986B2 (en) 2011-05-04 2015-10-06 Nike, Inc. Knit component bonding
JP2014514194A (ja) * 2011-05-04 2014-06-19 ナイキ インターナショナル リミテッド 複合構造、履物および複合要素を製造する方法
US10094053B2 (en) 2011-05-04 2018-10-09 Nike, Inc. Knit component bonding
US11155943B2 (en) 2011-05-04 2021-10-26 Nike, Inc. Knit component bonding
US11155942B2 (en) 2011-05-04 2021-10-26 Nike, Inc. Knit component bonding
US11203823B2 (en) 2011-05-04 2021-12-21 Nike, Inc. Knit component bonding
US11692289B2 (en) 2011-05-04 2023-07-04 Nike, Inc. Knit component bonding
JP2017214470A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 東レ株式会社 透湿防水フィルム
US11192345B2 (en) 2017-06-16 2021-12-07 Nitto Denko Corporation Laminate and airbag
US11667259B2 (en) 2017-06-16 2023-06-06 Zf Automotive Germany Gmbh Method of manufacturing laminate, laminate, and airbag

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040116022A1 (en) Durable waterproof composite sheet material
NO339413B1 (no) Sjiktprodukt og tekstilprodukt som anvender dette
KR20080058338A (ko) 시일링 테이프 및 이것을 이용한 섬유 제품
JP2010030289A (ja) 積層布帛およびその製造方法
EP0225060B1 (en) Waterproof fabric having high moisture permeability and method of making same
JP6084415B2 (ja) 医療用透湿防水性布帛
JPH11170461A (ja) 防水布帛およびそれからなる衣料、靴類およびテント類
JPH11131373A (ja) 透湿防水加工布帛およびその製造方法
JP3921854B2 (ja) 透湿防水素材およびその製造方法
JP2004256939A (ja) 撥水性布帛およびそれを用いた衣料
JP5829410B2 (ja) クッション性合成皮革
JP2007296798A (ja) 防水透湿性衣料
JP3909264B2 (ja) 透湿性防水シート及びその製造方法
JP5523039B2 (ja) ポリアミド系透湿防水性布帛及びその製造方法
JP3945304B2 (ja) 透湿防水加工布帛およびそれを用いてなる衣料
KR101912828B1 (ko) 무팽윤성 기공타입의 통기방수성 필름, 그의 제조방법 및 그를 이용한 용도
JP5788661B2 (ja) 透湿防水性布帛および繊維製品
JP5231337B2 (ja) 透湿防水性布帛および繊維製品
KR101929841B1 (ko) 투습성 및 방수성 의류용 섬유 원단
JP4767012B2 (ja) 透湿性防水布帛
JPH11124774A (ja) 透湿性防水布帛およびその製造方法
JP2001011779A (ja) 迷彩加工ラミネート布帛
JPH0784711B2 (ja) 難燃性合成皮革
JP2003020574A (ja) 透湿防水性ラミネート布帛の製造方法
JPH0397970A (ja) 吸放湿性防水コーティング布帛

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927