JP4499269B2 - 水変色性積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水変色性積層体に関する。更に詳細には、常態では潜像状態にある像を、水を媒体として顕出させて視覚判別させる水変色性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、支持体上に低屈折率顔料を含有する多孔質樹脂層を積層し、水等の液体を前記多孔質樹脂層に吸液させて透明化させ、下地の色調を現出させる加工紙やシートが開示されている(特公昭50−5097号公報、特公平5−15389号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した多孔質樹脂層の特性を利用し、常態では不可視状態にある潜像を水を媒体として顕出させて視覚判別させ、玩具性、意外性、装飾性、検知性等を高め、玩具、人形用衣装、教材、絵本、ぬりえ、造花、衣料、水着、傘、レインコート、雨靴、その他の雨具、等の多様な分野に応用できる水変色性積層体を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明を図面について説明する(図1乃至図10参照)。
本発明は、支持体2上に、屈折率が1.4〜1.7の低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する多孔質樹脂層3が積層されていると共に、前記多孔質樹脂層3の一部に内在し、共存状態に撥水性樹脂層4が配設されてなり、前記撥水性樹脂層4の非配設部分の多孔質樹脂層3が吸水状態で透明化して、前記両層が視覚判別できるよう構成した水変色性積層体1を要件とする。
更には、前記多孔質樹脂層3及び/又は撥水性樹脂層4は、文字、記号、英数字、点、線、図柄から選ばれる、いずれかの像であること、支持体2表面と多孔質樹脂層3との間には、着色層5が設けられてなること、撥水性樹脂層3上に着色層51が設けられてなること、前記着色層51は、文字、記号、英数字、点、線、図柄から選ばれる、いずれかの像であること、低屈折率顔料は微粒子状珪酸であり、バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂から選ばれること、低屈折率顔料は、湿式法で製造される微粒子状珪酸であり、多孔質樹脂層中に1〜30g/m2の割合で配合されていること、支持体2が布帛であること、布帛は撥水加工が施されてなること、等を要件とする。
【0005】
前記における支持体2は、紙、合成紙、ゴム、プラスチック、アルミニウム等の金属、石材、ガラス、布帛等の各種材料によるシート状に限らず、耐水性の各種材料による立体状或いは凹凸状の造形体も有効である。
尚、支持体2の背面には、粘着シートに適用される汎用の粘着剤が塗布されて、粘着シートとして機能するよう構成されたものであってもよい。
【0006】
前記低屈折率顔料としては、微粒子状珪酸、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.7の範囲にあり、水等を吸液すると良好な透明性を示すものである。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
【0007】
好適に用いられる低屈折率顔料としては微粒子状珪酸が挙げられる。
微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)とに大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に対するバインダー樹脂の配合比率を大きくすることが可能となり、多孔質樹脂層3自体の皮膜強度を向上させることができるので、より好適に用いられる。
前記した如く多孔質樹脂層3の常態での隠蔽性を満足させるために用いられる微粒子状珪酸としては、湿式法微粒子状珪酸が好ましい。これは、乾式法微粒子状珪酸と、湿式法微粒子状珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は以下に示されるような珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、
【化1】
湿式法微粒子状珪酸は、以下に示されるように、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
【化2】
又、前記多孔質樹脂層3に含まれる低屈折率顔料は、吸液する媒体が主に水であることから、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、従って、適度の親水性を有するため好適に用いられる。
【0008】
前記湿式法微粒子状珪酸を低屈折率顔料として用いる場合、湿式法微粒子状珪酸の種類、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m2〜30g/m2であることが好ましく、より好ましくは、5g/m2〜20g/m2である。1g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料は、バインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散させて分散インキとなし、対象の支持体2の表面に印刷、塗布、吹き付け、等の手段により多孔質樹脂層3を形成する。
【0009】
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
中でも、ウレタン系樹脂を用いるか、或いはウレタン系樹脂を少なくとも含有させたものが効果的である。
前記バインダー樹脂中にウレタン系樹脂を含有することにより、多孔質樹脂層3の皮膜強度を向上させることができ、耐久性を必要とする種々の用途に適用でき、しかも、乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を損なうことがない。
【0010】
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用して用いることもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、なかでも、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることが好ましいが、支持体2の材質、形態、或いは要求される皮膜強度に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質樹脂層3のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分比率で30重量%以上含有させることが好ましい。
前記の如くして形成される多孔質樹脂層3中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を添加して色変化を多様にすることもできる。更に、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色性材料をブレンドすることができる。
【0011】
撥水性樹脂層4は、シリコン系、パラフィン系、ポリエチレン系、アルキルエチレン尿素系、フッ素系等の撥水性樹脂から選ばれる撥水性樹脂を含む撥水処理液を多孔質樹脂層3上に適宜形状の像を形成するよう付着させ、浸透乾燥して得られる、多孔質樹脂層3に内在し、共存する層である。
前記撥水性樹脂のうち、フッ素系撥水剤が、撥水効果及び加工適性の面で効果的であり、固形分として、1g/m2〜50g/m2、好適には、2g/m2〜30g/m2の範囲の付着量が有効である。
【0012】
着色層5は、支持体2の表面に直接的に形成される層であり、多孔質樹脂層3が吸水状態のとき、透視されて視覚効果を高めるためのものであり、ベタ印刷に限らず、適宜の像であってもよく、汎用の染料や顔料等の着色剤を含む色材により形成されたものに限らず、可逆熱変色性材料を含む色材により形成された可逆熱変色性のものであってもよい。尚、支持体2自体が前記汎用の着色剤や可逆熱変色性材料がブレンドされた着色状態のものであってもよい。
【0013】
撥水性樹脂層4の上に配設される着色層51は、更に多様な像を視覚させるために機能する。
【0014】
前記可逆熱変色性を付与する可逆熱変色性材料には、例えば、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物、液晶、Ag2HgI4、Cu2HgI4等が用いられる。
前記電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物として、具体的には、特公昭51−35414号公報、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44708号公報、特公昭52−7764号公報、特公平1−29398号公報、特開平7−186546号公報等に記載のものが挙げられる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変化前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、所謂、温度変化による温度−色濃度について小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタイプである。
【0015】
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成物、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる特徴を有する可逆熱変色性組成物も有効である。
又、加熱発色型の組成物として、消色状態からの加熱により発色する、本出願人の提案による、電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、或いは特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特願平11−286202号)を挙げることもできる。
【0016】
前記した電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物は、そのままの適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料として使用することが好ましい。即ち、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
前記マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.1〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜20μmの範囲が実用性を満たす。
尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
【0017】
次に、本発明の水変色性積層体1の前記構成要素による作用について説明する。
多孔質樹脂層3は、非吸水状態では不透明であり、吸水状態では透明化して下層の様相を透視できる。従って、下層に着色層5が配設された系では、その色彩や像を視覚でき、着色層5の非配設の系では、支持体自体の色彩を視覚させる。
ここで、撥水性樹脂層4が、前記多孔質樹脂層3の一部に内在し、共存状態に配設されているので、前記撥水性樹脂層4の共存箇所の多孔質樹脂層3は、撥水効果により吸水状態が形成されず、不透明状態が保持されている。(前記撥水性樹脂層4は透明性であるため、多孔質樹脂層3の不透明状態が透視できるのである。)
従って、常態(非吸水状態)では、判別し難い、撥水性樹脂層4と多孔質樹脂層3が、撥水性樹脂層4の非配設部分の多孔質樹脂層3への吸水により、判別可能となる。前記様相変化は、互変的である。
前記多孔質樹脂層3への吸水は、水に浸漬、水の吹き付け、筆、刷毛、ペン、スタンプ等による手段で所望の箇所を濡らすことにより、達成できる。
尚、可逆熱変色性材料を適用した系では、環境温度変化、加熱または冷却による色変化が視覚され、変化の様相を多彩化する。
【0018】
前記した水変色性積層体1の効果的な製造方法に関し、支持体2上に、多孔質樹脂層3を設けた後、前記多孔質樹脂層3上に、撥水性樹脂を含有する撥水加工液による印刷、塗布、吹き付け、筆記、或いはスタンプ手段により、前記撥水加工液を付着させ、前記多孔質樹脂層3内に浸透させた後、乾燥させることにより、多孔質樹脂層3に内在し、共存状態にある撥水性樹脂層4を形成することを特徴とする。
前記において、印刷手段としては、スクリーン印刷、グラビヤ印刷、オフセット印刷等が例示できる。なかでも、スクリーン印刷手段によるものは、スクリーンの開孔率、孔径、線径等の調整により、目的に応じた文字、記号、英数字、点、線、図柄等や網点模様等の任意の像を比較的簡易に形成でき、撥水性樹脂層4の厚み(撥水加工液の塗布量)の調整の面でも効果的である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の支持体は、シート状に限らず、立体状のもの、凹凸状のもの等が総て有効であり、以下の実施例に示す特定のシート材に限定されない。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0021】
実施例1(図1、図6参照)
ポリエステルと綿の混紡(65%:35%)の白色ブロード生地からなる支持体2表面に、蛍光ピンク色顔料15部、アクリル酸エステルエマルジョン50部、水性インキ増粘剤3部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.3部、及びブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる蛍光ピンク色スクリーン印刷用インキを用い、120メッシュのスクリーン版によりベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて、着色層5を得た。
次いで、前記着色層5上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、及びブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層3を形成した。
次いで、前記多孔質樹脂層3上より、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:NKガードNDN−7、日華化学(株)製、固形分22重量%〕50部、アルギン酸ナトリウム1.5部、水48.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて星柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層3中に、星柄の撥水性樹脂層4を形成して水変色性布帛(水変色性積層体1)を得た(図1参照)。
前記水変色性布帛1は、常態(非吸水状態)では多孔質樹脂層3は白色であり、撥水性樹脂層4自体が無色透明であるため、前記両者が共存状態にある星柄の像も、白色を呈し、潜像状態にある〔図6(1)参照〕。
前記水変色性布帛1の表面に、スプレーにて水を吹き付けると、撥水性樹脂層4は水を弾いて吸液せず、撥水性樹脂層4(星柄)の部位を除く多孔質樹脂層3が、水の吸液により、透明化して下層の着色層5による鮮やかな蛍光ピンク色が視覚されることになり、白色の星柄4と蛍光ピンク色のバック5(背景)が現出した〔図6(2)〕。
水が付着した状態では、前記様相を呈していたが、布帛から水が蒸発すると、再び全面が白色になり、星柄4は潜像状態に復した〔図5(1)〕。
【0022】
実施例2(図2、図7参照)
支持体2として、ポリエステルと綿の混紡(65%:35%)の白色ブロード生地を用い、実施例1と同じ蛍光ピンク色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版を用いてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて、着色層5を得た。
次いで、前記着色層5上に、実施例1と同じ、白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層3を形成した。
次いで、前記多孔質樹脂層3上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:NKガードNDN−7、日華化学(株)製、固形分22重量%〕50部、アルギン酸ナトリウム1.5部、水48.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる無色透明なスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて星の抜き柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層4中に撥水性樹脂層4(星の抜き柄)を内在状態に形成して水変色性布帛(水変色性積層体1)を得た(図2参照)。
前記水変色性布帛1は、常態(非吸水状態)では多孔質樹脂層3は白色であり、撥水性樹脂層4自体が無色透明であるため、全面が白色状態であり、星柄は潜像状態にある〔図7(1)〕。
前記水変色性布帛1の表面に、スプレーにて水を吹き付けると、撥水性樹脂層4は水を弾いて吸液せず、撥水性樹脂層4を除く多孔質樹脂層3が、水の吸液により、透明化して下層の着色層5による鮮やかな蛍光ピンク色が視覚されることになり、蛍光ピンク色の星柄(着色層5)と白色のバック(撥水性樹脂層4) が現出した〔図7(2)〕。
水が付着した状態では、前記様相を呈していたが、布帛から水が蒸発すると、再び全面が白色になり、星柄は潜像状態に復した〔図7(1)〕。
【0023】
実施例3(図示せず)
支持体として、撥水処理された白色のポリエステルトロピカル生地に、蛍光ピンク色顔料15部、アクリル酸エステルエマルジョン50部、水系インキ増粘剤3部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.3部、エポキシ系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる蛍光ピンク色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版を用いて全面ベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて、蛍光ピンク色の着色層を得た。
次いで、前記着色層上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−1009、日本シリカ工業(株)製〕15部、青色顔料〔商品名:サンダイスーパーブルーGLL、山陽色素(株)製〕5部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分35重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる青色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて前記着色層にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて常態で淡青色の多孔質樹脂層を形成した。
次いで、前記多孔質樹脂層上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:アサヒガードLS−6015、明成化学工業(株)製、固形分15重量%〕50部、水系インキ用増粘剤3部、水47部、シリコーン系消泡剤0.5部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にて、前記多孔質樹脂層の上に網点ドットによる花柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、前記多孔質樹脂層中に撥水性樹脂層を内在形成して水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛は、常態(非吸水状態)では多孔質樹脂層は淡青色であり、撥水性樹脂層は無色透明であるため、全面が淡青色の様相を呈しているが、水中に浸漬すると、撥水性樹脂層の共存箇所を除く多孔質樹脂層が水を吸収し透明化して下層の着色層の蛍光ピンク色と、多孔質樹脂層の青色との混色である紫色が視覚され、紫色のバック(背景)に淡青色の網点ドットで表された花柄が視覚された。
前記多孔質樹脂層が吸水状態では、前記様相を呈していたが、水が乾燥すると、全面が元の淡青色に復し、前記様相変化は繰り返し再現できた。
【0024】
実施例4(図示せず)
支持体として、赤色のPETフィルム(厚さ100μm)の全面に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−1011、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:Neorez R−966、アビシア(株)製、固形分33重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層を得た。
次いで、前記多孔質樹脂層上に、シリコーン系樹脂撥水剤〔商品名:SM8707、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、固形分40重量%〕50部、ポリエチレンオキサイド3部、水47部、金属系触媒5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて水玉柄を印刷し、150℃で5分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層中に水玉柄の撥水性樹脂層を内在形成して水変色性フイルム(水変色性積層体)を得た。
前記水変色性フィルムは、常態では全面が白色を呈しているが、前記水変色性フィルムを、水中に浸漬させると、撥水性樹脂層の共存箇所を除く多孔質樹脂層が吸水して透明化して支持体自体の赤色が視覚され、赤色のバック(背景)に白色の水玉柄が視覚される。
前記多孔質樹脂層が吸水状態では、前記様相を呈していたが、水が乾燥すると全面が元の白色に復し、前記様相変化は繰り返し再現された。
【0025】
実施例5(図3、図8参照)
白色のポリエステルトリコット生地からなる支持体2上に緑色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン45部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、水10部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる緑色スクリーン印刷用インキを用いて、150メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて緑色の着色層5を得た。
次いで、前記着色層5上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分33重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてハート柄を印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層3を得た。
次いで、前記多孔質樹脂層3上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:ライフガードFR−448、共栄社化学(株)製、固形分30重量%〕60部、水45部、ポリビニールアルコール5部、シリコーン系消泡剤0.5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてアルファベットの「A」の文字を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層3中に撥水性樹脂層4を形成して、水変色性布帛1を得た(図3参照)。
前記水変色性布帛1を用いて、人形用の水着を縫製し、水変色性玩具人形用水着を得た。
前記水変色性玩具人形用水着は、常態では、緑色の着色層をバックとして多孔質樹脂層3の白色のハート柄が視覚されている〔図8(1)〕。
前記水着に水を付着させると、前記白色のハート柄に内在の撥水性樹脂層4(「A」の文字)を除く箇所が透明化して緑色を視覚させ、前記文字「A」が白色にて視覚された〔図8(2)〕。
前記様相は、多孔質樹脂層3が吸水状態で保持されているが、水が乾燥すると白色のハート柄が再び視覚され、前記様相変化は互変的であり繰り返し再現された。
【0026】
実施例6(図4、図9参照)
白色のポリエステルトリコット生地(支持体2)上に蛍光橙色顔料10部、アクリル酸エステルエマルジョン45部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、水10部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる蛍光橙色スクリーン印刷用インキを用いて、150メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて蛍光橙色の着色層5を得た。
次いで、前記着色層5上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)社製、固形分30重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてハート柄を印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層3を得た。 次いで、前記多孔質樹脂層3上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:アサヒガードAG−480、明成化学工業(株)製、固形分20重量%〕45部、水45部、水系インキ用増粘剤5部、シリコーン系消泡剤0.5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて前記多孔質樹脂層3(ハート柄)よりやや大きめのハート柄で中心部は「A」の文字の抜き柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて撥水性樹脂層4を形成して、水変色性布帛1を得た(図4参照)。
前記水変色性布帛1を、人形用の水着に縫製し、水変色性玩具人形用水着を得た。
前記水変色性玩具人形用水着は、常態では、蛍光橙色をバックとして、白色のハート柄が視覚されている〔図9(1)〕。前記水着に水を付着させると、文字「A」のみが透明化し蛍光橙色が視覚され、白色のハート柄が視覚された〔図9(2)〕。
前記様相は、多孔質樹脂層3が吸水状態で保持されているが、水が乾燥すると元の白色のハート柄の様相に復した。前記様相変化は互変的であり繰り返し再現された。
【0027】
実施例7(図示せず)
支持体として、ポリエステルと綿の混紡(65%:35%)のブロード生地(白色)に、30℃以上で無色、28℃以下では青色を呈する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料30部、蛍光ピンク色顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、水系インキ用増粘剤4部、水15部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる可逆熱変色性スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版によりベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて、30℃以上で青紫色、28℃以下で蛍光ピンク色を呈する可逆熱変色性着色層を得た。
次いで、前記可逆熱変色性着色層上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、及びブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層を形成した。
次いで、前記多孔質樹脂層上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:NKガードNDN−7、日華化学(株)製、固形分22重量%〕50部、アルギン酸ナトリウム1.5部、水48.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、ブロックイソシアネート系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて星柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層中に、星柄の撥水性樹脂層を内在形成して水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛は、常態(非吸水状態)では、全面が白色を呈しているが、前記布帛の表面に、スプレーにて24℃の水を付着させると、撥水性樹脂層は水を弾いて吸液せずに白色状態を呈しているのに対し、多孔質樹脂層は水の吸液により、透明化して下層の可逆熱変色性着色層による青紫色が透視され、青紫色をバックとして白色の星柄が視認され、その後、水の乾燥により全面が白色の様相に復した。
又、前記水変色性布帛を40℃の温水に浸漬させると、前記様相変化に加えて、可逆熱変色性着色層が青色から蛍光ピンク色に変化し、蛍光ピンク色のバックに白色の星柄が視覚され、温水から取り出し、約20℃の室温で放置すると、蛍光ピンク色のバックは青色に変化し、水が乾燥するにつれ、再び全面が白色になり、前記様相変化は繰り返し、互変的に再現された。
【0028】
実施例8(図示せず)
支持体として、白色のポリエステルトリコット生地上に30℃以上で無色、28℃以下でピンク色を呈する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料30部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、水系インキ用増粘剤5部、水10部、エチレンイミン系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる可逆熱変色性スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて可逆熱変色性着色層を得た。
次いで、前記可逆熱変色性着色層上に、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分33重量%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてハート柄を印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層を得た。
次いで、前記多孔質樹脂層上に、フッ素系樹脂撥水剤〔商品名:ライフガードFR−448、共栄社化学(株)製、固形分30重量%〕60部、水45部、ポリビニールアルコール5部、シリコーン系消泡剤0.5部を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて文字「A」を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層中に撥水性樹脂層を内在形成して、水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛を裁断、縫製して、水変色性玩具人形用水着を得た。前記水着は、常態では、可逆熱変色性着色層のピンク色と多孔質樹脂層の白色のハート柄が視覚されているが、24℃の水を付着させると、多孔質樹脂層のハート柄が透明化して可逆熱変色性着色層のピンク色へと変化し、ピンク色のバックに撥水層の文字「A」のみが白色にて視覚される。前記多孔質樹脂層が吸水した水が蒸発すると、再びピンクのバックに白色のハート柄の様相に復した。
又、前記水変色性玩具人形用水着を40℃の温水に浸漬させると多孔質樹脂層は、吸液により透明化し、可逆熱変色性着色層も同時にピンク色から無色に変化し、全面が白色状態となり、温水から取り出して、約20℃の室温で放置すると全面白色状態からピンク色のバックに「A」の文字のみが白色にて視覚される状態へと変化し、布帛から水が蒸発すると、再びピンク色のバックに白色のハート柄となった。前記様相変化は互変的に繰り返し再現された。
【0029】
実施例9(図5、図10参照)
白色のポリエステルサテン生地からなる支持体2上に、緑色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版によりベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて、着色層5を得た。
次いで、前記着色層5上に、実施例1の白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質樹脂層3を形成した。
次いで、前記多孔質樹脂層3上に、実施例1の無色透明スクリーン印刷用撥水処理インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて星の抜き柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質樹脂層3中に星の抜き柄(撥水性樹脂層4)を形成した後、実施例1の蛍光ピンク色スクリーン印刷用インキを用いて、前記星の抜き柄を内在させるスペースをもつハートの抜き柄(周辺はピンク色の着色層51を形成)を、前記星の抜き柄を内在させるように位置合わせして印刷し、水変色性布帛(水変色性積層体1)を得た(図5参照)。
前記水変色性布帛は、常態(非吸水状態)では、ピンク色をバック(着色層51)として白色のハート柄(多孔質樹脂層3による)が視覚されるが、水スプレーにより水を付着させると、白色のハート柄の中から緑色の星柄(着色層5)が現れ、水が付着した状態ではこの様相を呈しているが、乾燥すると緑色の星柄が消えて白色のハート柄へと変化し、元の状態に復した(図10参照)。
前記様相変化は、繰り返し再現できた。
【0030】
【発明の効果】
本発明の水変色性積層体は、常態では不可視状態にある潜像を水を媒体として顕色像として現出させることができ、殊に、撥水性樹脂層(像)の介在と、重ね刷りの両効果により、互変的に多様な像を視覚させることができ、新たな玩具性、意外性、装飾性、検知性等を付与して、玩具、人形用衣装、教材、絵本、ぬりえ、造花、水着、傘、雨具等の多様な分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水変色性積層体の一実施例の縦断面説明図である。
【図2】 本発明の水変色性積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
【図3】 本発明の水変色性積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
【図4】 本発明の水変色性積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
【図5】 本発明の水変色性積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
【図6】 本発明の水変色性積層体の一実施例における、多孔質樹脂層が、(1)非吸水状態、(2)吸水状態における視覚状態の各説明図である。
【図7】 本発明の水変色性積層体の他の実施例における、多孔質樹脂層が、(1)非吸水状態、(2)吸水状態における視覚状態の各説明図である。
【図8】 本発明の水変色性積層体の他の実施例における、多孔質樹脂層が、(1)非吸水状態、(2)吸水状態における視覚状態の各説明図である。
【図9】 本発明の水変色性積層体の他の実施例における、多孔質樹脂層が、(1)非吸水状態、(2)吸水状態における視覚状態の各説明図である。
【図10】 本発明の水変色性積層体の他の実施例における、多孔質樹脂層が、(1)非吸水状態、(2)吸水状態における視覚状態の各説明図である。
【符号の説明】
1 水変色性積層体
2 支持体
3 多孔質樹脂層
4 撥水性樹脂層
5 着色層
51 着色層
Claims (9)
- 支持体上に、屈折率が1.4〜1.7の低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する多孔質樹脂層が積層されていると共に、前記多孔質樹脂層の一部に内在し、共存状態に撥水性樹脂層が配設されてなり、前記撥水性樹脂層の非配設部分の多孔質樹脂層が吸水状態で透明化して、前記両層が視覚判別できるよう構成した水変色性積層体。
- 前記多孔質樹脂層及び/又は撥水性樹脂層は、文字、記号、英数字、点、線、図柄から選ばれる、いずれかの像である請求項1記載の水変色性積層体。
- 支持体表面と多孔質樹脂層との間には、着色層が設けられてなる請求項1又は2記載の水変色性積層体。
- 撥水性樹脂層上に着色層が設けられてなる請求項1又は2記載の水変色性積層体。
- 前記着色層は、文字、記号、英数字、点、線、図柄から選ばれる、いずれかの像である請求項4記載の水変色性積層体。
- 低屈折率顔料は微粒子状珪酸であり、バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂から選ばれる請求項1記載の水変色性積層体。
- 低屈折率顔料は、湿式法で製造される微粒子状珪酸であり、多孔質樹脂層中に1〜30g/m2の割合で配合されている、請求項1又は6記載の水変色性積層体。
- 支持体が布帛である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水変色性積層体。
- 布帛は撥水加工が施されてなる、請求項8記載の水変色性積層体。
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