JP4112262B2 - 変色性合成皮革 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変色性合成皮革に関する。更に詳細には、水等の液体を吸液して常態とは異なる様相に変化し、乾燥により再び常態に復する変色性合成皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成皮革上に低屈折率顔料を含有する多孔質層を設け、前記多孔質層に液体を吸液させることにより透明化して、下層の色調を現出させる変色性合成皮革が開示されている(特開平11−198271号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低屈折率顔料を含む多孔質層を設けた変色性合成皮革の衣料分野、玩具分野、装飾分野等、各種用途への適用に際し、より加工性に優れると共に、柔軟な風合いを損なうことなく多様な商品への応用展開が可能である変色性合成皮革を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、目付量が1000g/m 以下の編物又は織物から選ばれる布帛上にポリウレタン樹脂からなる樹脂層を設けた合成皮革の前記樹脂層上に、低屈折率顔料を少なくともウレタン系樹脂を含むバインダー樹脂中に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記樹脂層は0.005〜3mmの厚みを有し、且つ、伸度が100〜1200%である変色性合成皮革を要件とする。更には、前記樹脂層の厚みが0.01〜1mmであり、且つ、伸度が200〜900%であること、前記バインダー樹脂中に含まれるウレタン系樹脂の固形分比率が30重量%以上であること、前記樹脂層が着色剤により着色されてなる、或いは、多孔質層と樹脂層間に着色層を設けてなること等を要件とする。
【0005】
合成皮革は、編物又は物から選ばれる布帛上に樹脂層を設けたものである。
前記布帛の構成繊維としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系の合成繊維、アセテート系の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維が挙げられる。
前記布帛は目付量が1000g/m以下のものが用いられる。目付量が1000g/mを越えると、布帛の肉厚が必要以上に厚くなり、加工性に乏しくなる虞がある。
前記布帛上に設けられる樹脂層の材質としては、耐水性、耐熱性、耐屈曲性、染色性、染色堅牢性に優れたものが好ましく、ポリウレタン樹脂が用いられる前記ポリウレタン樹脂は機械的強度、柔軟性、耐摩耗性に優れている。
なお、前記ポリウレタン樹脂を用いる場合、樹脂層は発泡、未発泡のいずれであってもよい。
前記樹脂は、溶液、エマルジョン等の形態でナイフコーターやロールコーター等のコーティング法により布帛上に付着させ、乾式法或いは湿式法によって溶剤を除去して樹脂層を形成させる。
また、別途カレンダーによりシート状に形成した樹脂層、或いは、ナイフコーターやロールコーター等のコーティングにより離型紙上に形成した樹脂層を接着剤を介して布帛に張り合わせる方法を用いることもできる。
更に、前記樹脂層表面には、カレンダーロールやエンボスロールにより艶消しやシボ付け加工を行って様々な外観の表面を有するものであってもよい。
前記樹脂層は厚みが0.005〜3mm、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.01〜0.5mmである。厚みが0.005mm未満では樹脂層の強度に乏しくなり、十分な耐摩耗性や機械的強度が得られ難くなる。また、厚みが3mmを越えると樹脂層による硬質感を生じて、皮革の柔軟な風合いを発現し難くなる。
また、樹脂層の伸度は100〜1200%、好ましくは200〜900%、より好ましくは伸度400〜900%である。伸度が100%未満では裁断、縫製時の伸縮性に乏しく、所望の商品形態が得られ難くなると共に、皮革としての風合いも乏しくなる。また、伸度が1200%を越えると、伸長時の強度が不足して加工時に破損し易くなる。
なお、前記樹脂層の伸度の測定方法に関しては、日本工業規格におけるJIS K 7311−1995に準拠して測定することができる。
【0006】
樹脂層上に設けられる低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層は、常態、即ち、乾燥状態では隠蔽性を有して白色を呈し、水等の液体を吸液した状態では透明又は半透明化して下層の色調を顕出させる。
本発明においては、前記バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を用いるか、或いはウレタン系樹脂を少なくとも含有する。
前記バインダー樹脂中にウレタン系樹脂を含有することにより、多孔質層の皮膜強度を向上させることができ、耐久性を必要とする種々の用途に適用でき、しかも、乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を損なうことがない。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用して用いることもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解及至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。 前記ウレタン系樹脂は単独で用いることが好ましいが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。
【0007】
前記ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂としては、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0008】
前記バインダー樹脂と低屈折率顔料の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1重量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2重量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5重量部である。低屈折率顔料1重量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5重量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2重量部を越える場合には、前記多孔質層内部への液体の浸透性が悪くなる。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
【0009】
前記低屈折率顔料としては、微粒子状珪酸、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.7の範囲にあり、水等を吸液すると良好な透明性を示すものである。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては微粒子状珪酸が挙げられる。微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)とに大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に対するバインダー樹脂の混合比率を大きくすることが可能となり、多孔質層の皮膜強度を向上させることができるので、より好適に用いられる。
前記多孔質層の常態での隠蔽性を満足させるために用いられる微粒子状珪酸としては、湿式法微粒子状珪酸が好ましい。これは、乾式法微粒子状珪酸と、湿式法微粒子状珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は以下に示されるような珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、
【化1】
Figure 0004112262
湿式法微粒子状珪酸は、以下に示されるように、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
【化2】
Figure 0004112262
又、前記多孔質層に含まれる低屈折率顔料は、吸液する媒体が主に水であることから、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、従って、適度の親水性を有するため好適に用いられる。
【0010】
前記湿式法微粒子状珪酸を低屈折率顔料として用いる場合、湿式法微粒子状珪酸の種類、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5g/m〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、樹脂層に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
【0011】
前記の如くして形成される多孔質層中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や蛍光顔料等の着色剤を添加して色変化を多様にすることもできる。
更に、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色性材料を多孔質層中に含有させて、より複雑な様相変化を発現させることもできる。
【0012】
前記多孔質層を形成する方法としては、従来より公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等の手段が挙げられる。
【0013】
更に本発明の変色性合成皮革には、必要によって多孔質層と樹脂層間に一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を含む非変色性インキを塗布して非変色層を設けたり、樹脂層を着色剤により着色してなる。
前記構成によって、多孔質層が水等を吸液した状態における多彩な色彩変化を発現し易くなり、商品性を高めることができる。
更に、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を含むインキを塗布して金属光沢層を設けたり、可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層を設けることもできる。
又、保護層や光安定剤層を適宜設けることもできる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層である。
尚、帯電防止剤、極性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に応じ、各層に添加して機能を向上させることもできる。
【0014】
次に、本発明の変色性合成皮革の構成と乾燥状態(非吸液状態)及び水等を吸液した状態の変化について説明する。
前述のように、本発明の変色性合成皮革は、合成皮革に積層されてなる多孔質層が、乾燥時には隠蔽性を有して下層を隠蔽し、水等を吸液した状態で透明又は半透明化して下層を顕出させる。従って、合成皮革が単一色であっても、筆、刷毛、ペン、スタンプ等を用いて多孔質層を部分的に濡らすことにより、濡れた部分が透明又は半透明化して下層の色調が視認され、所望の像を現出させることができる。
前記多孔質層中の水が蒸発、乾燥すると再び多孔質層が下層を隠蔽して元の状態に戻る。よって、合成皮革上に一般色インキで図柄を設けて多孔質層により隠蔽することは勿論、多孔質層が吸液により透明化した状態で視認される図柄と関連或いは一体化する図柄を多孔質層上に設けて、吸液状態で前記図柄どうしが組み合わさった像を視認させることも可能である。
前記積層構造において、多孔質層は必要により文字、記号、図形等の図柄層であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
変色性合成皮革の具体的な実施形態としては、合成皮革上に多孔質層を設けた後、裁断、縫製して各種用途に用いられる。
前記用途としては、ぬいぐるみ、人形、レインコート等の人形用衣装、傘や靴等の人形用付属品、水鉄砲の標的等の玩具類、水筆シート等の教習具類、ドレス、水着、レインコート等の衣類、雨靴等の靴類、帽子類、鞄類、防水加工を施した書籍、パズル等各種ゲームの娯楽用具類、遊泳又は潜水用具類、コースター等の台所用品、傘、造花を例示できる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1(図1参照)
合成皮革の作製
布帛21として白色のポリエステルインターロック生地(目付量200g/m)上に、ピンク色顔料10部、ポリウレタン樹脂30部、ヘキサメチレンジイソシアネート2部、メチルエチルケトン30部、DMF40部からなるポリウレタン樹脂溶液をナイフコーターにて塗工し、直ちに70℃にて3分間乾燥させて、ピンク色のポリウレタン樹脂層22(厚み:001mm,伸度:400%)を設けて合成皮革2を作製した。
【0017】
変色性合成皮革の作製
低屈折率顔料として湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキにて、180メッシュのスクリーン版を用いて、前記合成皮革2の樹脂層22上の全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥させ、乾燥状態で白色の多孔質層3を設けて変色性合成皮革1を得た。
【0018】
前記変色性合成皮革1は、乾燥状態で白色を呈して下層を十分に隠蔽しており、また、水に濡らした時の多孔質層の透明性にも優れ、樹脂層の蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
水で濡らした変色性合成皮革を室温下で放置したところ、水が蒸発するに従い、徐々に蛍光ピンク色から白色に戻り、乾燥状態に戻ると元の白色となった。
なお、前記変色性合成皮革は、天然皮革と同様の柔軟な風合いを有していると共に、幾度の屈曲にも耐えうる充分な伸長性と機械的強度を有していた。
【0019】
実施例2
実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン印刷用インキのバインダー樹脂を水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製〕25部及び水性アクリル酸エステルエマルジョン樹脂(固形分50%)15部に替えて、水を40部にした以外は同様にして変色性合成皮革を得た。
前記変色性合成皮革は実施例1と同様に乾燥状態で白色を呈して下層を十分に隠蔽しており、また、水に濡らした時の多孔質層の透明性にも優れ、樹脂層の蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
なお、前記変色性合成皮革は、天然皮革と同様の柔軟な風合いを有していると共に、幾度の屈曲にも耐えうる充分な伸長性と機械的強度を有していた。
【0020】
実施例3
実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン印刷用インキの低屈折率顔料を湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕に替えた以外は同様にして変色性合成皮革を得た。
前記変色性合成皮革は実施例1と同様に乾燥状態で白色を呈して下層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の多孔質層の透明性にも優れ、樹脂層の蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
なお、前記変色性合成皮革は、天然皮革と同様の柔軟な風合いを有していると共に、幾度の屈曲にも耐えうる充分な伸長性と機械的強度を有していた。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の効果】
本発明は、特定の厚みと伸度を有する特定材質の樹脂層上に、低屈折率顔料をウレタン系樹脂を含むバインダー樹脂中に分散状態に固着させた多孔質層を設けたことにより、柔軟な風合い、充分な伸長性、及び、機械的強度を有し、且つ、多孔質層は皮膜の耐久性に優れ、繰り返しの使用によっても乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を損なうことなく有効に機能し、衣料分野、玩具分野、装飾分野等への適用に際し、加工性に優れ、多様な商品への応用展開が可能な変色性合成皮革を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の変色性合成皮革の一実施例の縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 変色性合成皮革
2 合成皮革
21 布帛
22 樹脂層
3 多孔質層

Claims (4)

  1. 目付量が1000g/m 以下の編物又は織物から選ばれる布帛上にポリウレタン樹脂からなる樹脂層を設けた合成皮革の前記樹脂層上に、低屈折率顔料を少なくともウレタン系樹脂を含むバインダー樹脂中に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記樹脂層は0.005〜3mmの厚みを有し、伸度が100〜1200%であることを特徴とする変色性合成皮革。
  2. 前記樹脂層の厚みが0.01〜1mmであり、且つ、伸度が200〜900%である請求項1記載の変色性合成皮革。
  3. 前記バインダー樹脂中に含まれるウレタン系樹脂の固形分比率が30重量%以上である請求項1記載の変色性合成皮革。
  4. 前記樹脂層が着色剤により着色されてなる、或いは、多孔質層と樹脂層間に着色層を設けてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の変色性合成皮革。
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