JP2000119680A - ディーゼルエンジン油組成物 - Google Patents

ディーゼルエンジン油組成物

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JP2000119680A
JP2000119680A JP29856898A JP29856898A JP2000119680A JP 2000119680 A JP2000119680 A JP 2000119680A JP 29856898 A JP29856898 A JP 29856898A JP 29856898 A JP29856898 A JP 29856898A JP 2000119680 A JP2000119680 A JP 2000119680A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた清浄性能、摩耗防止性能、酸化安定性
能を兼ね備え、かつ低灰分であるディーゼルエンジン油
組成物を提供すること。 【解決手段】 ディーゼルエンジン油組成物を、鉱油ま
たは合成油からなる基油に、(A)親油基部分のアルキ
ルベンゼンが特定の構成の合成系アルカリ土類金属スル
ホネートの特定量、(B)特定のアルケニルこはく酸イ
ミドの硼素化合物誘導体の特定量、(C)特定の炭素数
のアルキル基を持つジアルキルジチオリン酸亜鉛の特定
量、および(D)有機モリブデン化合物の特定量を含有
させて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン油組成物に関する。さらに詳しくは、ディーゼルエン
ジンに装着される排出ガス後処理装置の性能低下を防ぐ
と共に、高温、高負荷条件において長期に渡り、優れた
清浄性能、摩耗防止性能などを発揮する低灰分型ディー
ゼルエンジン油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは燃料経済性、耐久
性がガソリンエンジンと比較して優れていることから商
業車用として広く使用されている。しかし、ディーゼル
エンジンは窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(パ
ティキュレート)の排出量が多いというデメリットを抱
えている。このような背景から環境庁はディーゼル排気
ガスの規制強化に乗り出し、短期目標(1993年)と
長期目標(1997年〜)に分け公表した。さらに20
00年以降にはポスト長期目標規制を予定している。ポ
スト長期目標規制ではディーゼルエンジンは排気ガス後
処理装置が導入される可能性があり、DPF(ディーゼ
ルパティキュレートフィルター)、酸化触媒、脱NOx
触媒の研究が進められている。このような後処理装置は
燃焼室に混入するエンジン油中の灰分により目詰まりす
る恐れがある。このため、エンジン油中の灰分の低減が
強く要望されているが、現在の技術では、エンジン油の
灰分を低減させるとエンジン油の清浄性能、摩耗防止性
能、酸化安定性能を維持できない恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
状況に鑑み、優れた清浄性能、摩耗防止性能、酸化安定
性能を兼ね備え、かつ低灰分であるディーゼルエンジン
油組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、鉱油系潤滑油および/
または合成系潤滑油に特定の合成系アルカリ土類金属ス
ルホネートの特定量、特定のアルケニルこはく酸イミド
の硼素化合物誘導体の特定量、特定のジアルキルジチオ
リン酸亜鉛の特定量および有機モリブデン化合物の特定
量を含有させることにより、ディーゼルエンジン油組成
物の性能として重要な耐摩耗性、清浄性、酸化安定性を
兼ね備えながら低灰分のディーゼルエンジン油組成物が
得られることを見出だして本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油または
合成系潤滑油からなる基油に、(A)金属型清浄剤とし
て、親油基部分がアルキルベンゼン類であって、該アル
キルベンゼン類中の炭素数18以上のアルキル基を持つ
アルキルベンゼン類の割合が5質量%以下である合成系
アルカリ土類金属スルホネートを硫酸灰分量として0.
8〜1.3質量%となるように添加し、(B)アルケニ
ルこはく酸イミドの硼素化合物誘導体を硼素量として
0.01質量%以上、窒素量として0.06〜0.15
質量%となるように添加し、(C)炭素数3〜6のアル
キル基を持つジアルキルジチオリン酸亜鉛を0.5〜
1.5質量%、および(D)有機モリブデン化合物をモ
リブデン量として0.01〜0.08質量%含有させて
なることを特徴とするディーゼルエンジン油組成物を提
供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のディーゼルエンジン油組
成物における必須成分の一つである合成系アルカリ土類
金属スルホネートは、一般にアルキルベンゼン類を発煙
濃硫酸またSO3 ガスによりスルホン化したのち、金属
塩に変換して製造される。原料となるアルキルベンゼン
類は鉱油の潤滑油留分、洗剤プラントから副生するアル
キルベンゼン、ポリオレフィンでベンゼンをアルキル化
したものなどが使用される。この原料となるアルキルベ
ンゼン類は、炭素数18以上のアルキル基を持つアルキ
ルベンゼン類が少ないほど好ましい。本発明で用いられ
る合成系アルカリ土類金属スルホネートは、親油基部分
のアルキルベンゼン類中の炭素数18以上のアルキル基
を持つアルキルベンゼン類の割合が5質量%以下である
合成系アルカリ土類金属スルホネートである。炭素数1
8以上のアルキル基を持つアルキルベンゼン類の割合が
5質量%を越えるものの場合は、ピストンの清浄性が低
下する場合があるからである。この合成系アルカリ土類
金属スルホネートのアルカリ土類金属としては、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムなどが好適に用いられ
る。また、この合成系アルカリ土類金属スルホネート
は、一般に分子量350〜600程度の鉱油で希釈され
て使用される。また、この合成系アルカリ土類金属スル
ホネートの含有量は、組成物中の硫酸灰分量が0.8〜
1.3質量%になるように添加される。組成物中の硫酸
灰分量が0.8質量%未満の場合は、エンジンの清浄
性、耐摩耗性が低下する場合があり、一方組成物中の硫
酸灰分量が1.3質量%を越える場合は、排ガスの後処
理装置の性能が低下する場合がある。
【0007】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
いては、上記合成系アルカリ土類金属スルホネート以外
の金属型清浄剤(以下「その他の金属型清浄剤」と称す
る)を併用することができる。その他の金属型清浄剤と
しては、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金
属サリシレート、アルカリ土類金属ホスホネートなどが
挙げられる。これらのその他の金属型清浄剤としては、
従来からディーゼルエンジン油組成物に用いられていた
ものを適宜選択して用いることができる。金属型清浄剤
として、上記合成系アルカリ土類金属スルホネートと共
にその他の金属型清浄剤を併用する場合は、上記合成系
アルカリ土類金属スルホネートの使用割合がアルカリ土
類金属量として50質量%以上であることが好ましい。
上記合成系アルカリ土類金属スルホネートの使用割合が
50質量%未満の場合は、エンジンの清浄性、耐摩耗性
が充分に得られない場合がある。また、その他の金属型
清浄剤を併用する場合であっても、上記のとおり組成物
中の硫酸灰分量が0.8〜1.3質量%になるように添
加する。併用するその他の金属型清浄剤は、一種であっ
ても、複数種であっても差し支えない。
【0008】なお、本発明のディーゼルエンジン油組成
物の硫酸灰分量は上記金属型清浄剤に由来するものがほ
とんどであるが、ジアルカリジチオリン酸亜鉛およびそ
の他の添加剤に由来するものも含まれる。この場合であ
っても、上記のとおり組成物中の硫酸灰分量が0.8〜
1.3質量%になるよう添加にする。
【0009】本発明の組成物における必須成分の他の一
つであるアルケニルこはく酸イミドの硼素化合物誘導体
は、硼素量0.01質量%以上で、窒素量0.06〜
0.15質量%であるアルケニルこはく酸イミドの硼素
化合物誘導体である。硼素量が0.01質量%未満のも
の場合は、エンジンの清浄性、耐摩耗性が充分に得られ
ない場合がある。また、窒素量が0.06質量%未満の
ものの場合も、同様に、エンジンの清浄性、耐摩耗性が
充分に得られない場合があり、窒素量が0.15質量%
を越えるものの場合は、添加量に見合った効果が得られ
ず、不経済である。このアルケニルこはく酸イミドの硼
素化合物誘導体の例としては、例えばポリブテン等の分
子量約300〜3500のポリオレフィンを無水マレイ
ン酸と反応させてモノアルケニル無水こはく酸とした
後、さらにエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テ
トラエチレンペンタミンのようなポリアミンと酸化硼
素、ハロゲン化硼素、硼素酸、硼素酸エステルおよび硼
素酸のアンモニウム塩からなる群から選択される硼素化
合物を反応させて得られる中間体と反応させてイミド化
したものでモノイミド、ジイミド、トリイミドなどの種
々のアルケニルこはく酸イミド硼素化合物誘導体類が挙
げられる。その製造法は特公昭42−8013号公報、
特公昭42−8014号公報に記載されている。また、
このアルケニルこはく酸イミドの硼素化合物誘導体は、
好ましくは0.05〜15質量%、さらに好ましくは
0.1〜8.0質量%の割合で含有させる。含有量が
0.05質量%未満の場合は、所期の摩耗防止効果を得
ることができなく、一方含有量が15質量%を越える場
合は、多い含有量に見合った摩耗防止効果が得られない
ばかりか、エンジン各部において清浄性が低下する恐れ
がある。
【0010】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける必須成分のさらに他の一つであるジアルキルジチオ
リン酸亜鉛は、次の一般式(I) Zn〔(RO)2 PS2 2 aZnO (I) (式中、aは0もしくは1/3であり、Rは炭素数3〜
6のアルキル基であり、その例としてプロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、Rは同一で
も異なってもよい。)で表されるものが好ましい。この
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は中性、塩基性のどちらで
もよい。上記一般式(I)においてRで表されるアルキ
ル基は、エンジンの耐摩耗性の点から炭素数3〜6のア
ルキル基が好ましい。また、このジアルキルジチオリン
酸亜鉛は、0.5〜1.5質量%、好ましくは0.7〜
1.2質量%の割合で含有させる。含有量が0.5質量
%未満の場合は、充分な耐摩耗性が得られない場合があ
り、一方含有量が1.5質量%を越える場合は、排出ガ
ス後処理装置の性能が低下してしまう場合がある。
【0011】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける必須成分のなおさらに他の一つである有機モリブデ
ン化合物は、モリブデン量として0.01〜0.08質
量%、好ましくは0.02〜0.06質量%の割合で含
有させる。含有量が0.01質量%未満の場合は、所期
の摩耗防止効果を得ることができなく、一方含有量が
0.08質量%を越える場合は、多い含有量に見合った
摩耗防止効果が得られないばかりか、エンジン各部にお
いて清浄性が低下する恐れがある。この有機モリブデン
化合物の例としては、モリブデンジチオカーバメート、
モリブデン酸アミン、ジアルキルジチオリン酸モリブデ
ンなどが挙げられるが、アルキルジチオリン酸モリブデ
ンは分子中にリンが含まれており、ディーゼルエンジン
の後処理装置に影響を与える恐れがあるため、モリブデ
ンジチオカーバメート、モリブデン酸アミンが好ましく
用いられる。上記モリブデンジチオカーバメートは次の
一般式(II)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R1 〜R4 は炭素数6〜18の炭
化水素基であり、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でも
よい。具体例としては、ヘキシル基、デシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、ノニル基、2−
エチルヘキシル基、イソトリデシル基、ラウリル基等の
アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基
が挙げられ、上記4つのRは各々同一でも異なっていて
もよい。X1 、X2 は酸素原子または硫黄原子であり、
各々同一でも異なっていてもよく、Y1 、Y2 は酸素原
子または硫黄原子であり、各々同一でも異なっていても
よい。)で表されるものが適当である。また、上記モリ
ブデン酸アミンは次の一般式(III)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R5 、R6 は炭素数6〜18の炭
化水素基であり、その例としてヘキシル基、デシル基、
ドデシル基、ヘキサデシル基などのアルキル基、アルキ
ルアリール基、アリールアルキルが挙げられ、上記2つ
のRは各々同一でも異なっていてもよい。)で表される
ものが適当である。
【0016】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
いて必須成分として用いられる上記アルカリ土類金属ス
ルホネート、アルケニルこはく酸イミド硼素化合物誘導
体、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、および有機モリブデ
ン化合物は、それぞれ1種用いても、2種以上混合して
用いてもよい。
【0017】本発明のディーゼルエンジン油組成物の基
油としては、鉱油系潤滑油、合成系潤滑油またはこれら
の混合物が用いられる。これらの基油の粘度は、通常
0.1〜250mm2 /sであればよく、好ましくは1
0〜150mm2 /sであり、特に好ましくは20〜1
20mm2 /sである。また、粘度指数は、通常50〜
200であればよく、好ましくは80〜150である。
鉱油系潤滑油としては、例えば鉱油系潤滑油留分を溶剤
精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製したものな
どが挙げられる。また、合成系潤滑油としては、例えば
炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オ
レフィンオリゴマー、ジオクチルセバケートを始めとす
るセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4
〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一
塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオールエ
ステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキ
ルベンゼン類などが挙げられる。上記鉱油系潤滑油ある
いは合成系潤滑油は、それぞれ1種を単独で用いること
もできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0018】また、本発明のディーゼルエンジン油組成
物においては、上記した各必須成分およびその他の金属
型清浄剤に加えて、必要に応じて各種公知の添加剤を適
量配合することができる。この添加剤として、例えば、
アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸エステ
ル、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの各種無
灰型分散剤;リン系、硫黄系、アミン系、エステル系な
どの各種摩耗防止剤;ポリメタクリレート系、エチレン
プロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリ
イソブチレンなどの各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−
tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェ
ノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t
−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、オクタ
デシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t
ert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェ
ノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェ
ニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化
防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、ポリサルファイ
ド、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレ
ン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサ
ン、ナフテン酸鉛、リン酸エステル類などの各種極圧
剤;ステアリン酸を始めとするカルボン酸、ジカルボン
酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の
金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステルなど
の各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾ
ールなどの各種腐食防止剤;シリコーン油などの各種消
泡剤などが挙げられる。これらの各添加剤は、それぞれ
1種を単独で用いることもできるし、2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0019】本発明のディーゼルエンジン油組成物の調
製は、上記基油に、上記各必須成分および必要に応じて
任意成分の各種添加剤を公知の混合手段により適宜混合
すればよく、その混合順序は特に限定されるものではな
い。例えば、基油に必須成分を順次混合してもよく、必
須成分を予め混合した後基油に混合してもよい。また、
任意成分の各種添加剤についても、予め基油に添加して
もよく、必須成分に添加してもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によりさらに
具体的に説明すが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0021】実施例1〜7、比較例1〜5 下記の基油、必須の添加剤成分ないし任意の添加剤成分
を表1(実施例)または表2(比較例)に示す割合(質
量%)で配合してディーゼルエンジン油組成物を調製し
た。得られたディーゼルエンジン油組成物の耐摩耗性、
清浄性、酸化安定性を下記試験により評価し、その結果
を表1(実施例)または表2(比較例)に示した。な
お、表1および表2中、基油の割合の「バランス」と
は、当該組成物に配合されている全成分の合計量が10
0質量%になるように基油の量を設定した意味である。
【0022】〔基油、添加剤成分〕 (1)基油:40℃の粘度が35mm2 /sで、粘度指
数125の鉱油系潤滑油。 (2)カルシウムスルホネート1:塩基価300mgK
OH/gの合成系カルシウムスルホネートであって、親
油基部分のアルキルベンゼン類中の炭素数18以上のア
ルキル基を持つアルキルベンゼン類の割合が1質量%で
あるカルシウムスルホネート。塩基価は、JIS−K−
2501−6により測定した値である(以下の塩基価も
同じ)。 (3)カルシウムスルホネート2:塩基価290mgK
OH/gの合成系カルシウムスルホネートであって、親
油基部分のアルキルベンゼン類中の炭素数18以上のア
ルキル基を持つアルキルベンゼン類の割合が8質量%で
あるカルシウムスルホネート。 (4)カルシウムスルホネート3:塩基価300mgK
OH/gの天然の石油系カルシウムスルホネート。 (5)アルケニルこはく酸イミドの硼素化合物誘導体:
ビスタイプのポリアルケニルこはく酸イミド硼素誘導体
であって、分子量約2000程度のポリブテニル基を有
するものであり、その硼素量は0.5質量%、窒素量は
1.6質量%である。 (6)アルケニルこはく酸イミド:ビスタイプのポリア
ルケニルこはく酸イミドであって、分子量約2000程
度のポリブテニル基を有するものであり、その窒素量は
1.7質量%である。 (7)ジアルキルジチオリン酸亜鉛1:プライマリータ
イプで、アルキル基の炭素数が4〜5のジアルキルジチ
オリン酸亜鉛。 (8)ジアルキルジチオリン酸亜鉛2:プライマリ−タ
イプで、アルキル基の炭素数が8のジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛。 (9)モリブデンジチオカーバメート:炭素数8と13
のアルキル基を持つモリブデンジチオカーバメート。 (10)カルシウムフェネート:塩基価250mgKO
H/gのカルシウムフェネート。 (11)カルシウムサリシレート:塩基価170mgK
OH/gのカルシウムサリシレート。 (12)その他の添加剤:ヒンダードフェノール系酸化
防止剤、粘度指数向上剤および流動点降下剤。表1およ
び表2に示す割合は、これら3種の添加剤の合計量の割
合である。
【0023】〔評価試験〕 (1)耐摩耗性の評価試験(シェル四球試験):シェル
四球極圧試験機により耐荷重能を評価した。試験は試料
容器に固定した3個の試験鋼球に規定の荷重をかけ、一
定時間後に焼き付きの有無を評価し、焼き付きが発生す
るまで測定を繰り返した。油温はなりゆきとし、回転数
は1800rpmとした。試験荷重は50、56、6
3、71、80、89、100、112、126、14
1、158kgfとした。油の耐荷重能は最大非焼き付
き荷重により評価した。最大非焼き付き荷重が大きいほ
ど耐摩耗性に優れることを示す。 (2)清浄性評価試験(キャタピラー1K試験):AP
I CF−4規格試験の一つであるキャタピラー1Kエ
ンジンにより油の高温清浄性を評価した。試験条件はA
STM RR DO21273Kに準拠した。試験はい
ずれの供試油についても1回だけ実施した。高温清浄性
はTGFとWDKにより評価した。CF−4合格基準は
TGFで24%以下、WDKで332以下である。 (3)酸化安定性評価試験(インディアナ酸化安定度試
験):JIS−K−2514に規定される潤滑油酸化安
定度試験に準じて行うことにより得た。但し、試験温度
は165.5℃、試験時間は96Hrとした。試験終了
時の残存塩基価(塩酸法)、全酸価増加によりオイルの
酸化安定性を評価した。
【0024】比較例6〜7 2種類の市販ディーゼルエンジン油について、上記実施
例1〜7、比較例1〜5と同様に、耐摩耗性、清浄性、
酸化安定性の評価を行い、その結果を表2に示した。市
販油1はAPI- CE級の油であり、市販油2はAPI
- CF−4級の油である。
【0025】
【表1】
【0026】*1:組成物中のカルシウム量の60質量
%がカルシウムスルホネート1由来のカルシウムとな
る。 *2:組成物中のカルシウム量の60質量%がカルシウ
ムスルホネート1由来のカルシウムとなる。
【0027】
【表2】
【0028】上記表1および表2から明らかなように、
実施例1〜7の本発明に係るディーゼルエンジン油組成
物はいずれも耐摩耗性、清浄性、酸化安定性が共に優れ
ている。これに対して、比較例1〜5はいずれも耐摩耗
性、清浄性、酸化安定性のどれかが劣る結果となってい
る。また、比較例6〜7の市販油は硫酸灰分量が1.7
%を越えているにもかかわらず実施例よりも諸性能が劣
る結果であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、優れた清浄性、摩耗防
止性、酸化安定性を兼ね備え、かつ低灰分であるディー
ゼルエンジン油組成物が提供される。本発明のディーゼ
ルエンジン油組成物は、例えばディーゼルエンジンの排
気ガス後処理装置におけるディーゼルエンジン油中の灰
分による目詰まりを抑制し、実用上極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 139:00 137:10) C10N 10:04 10:12 30:04 30:06 30:10 40:25 (72)発明者 熊倉 昭夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 ルブリカンツ株式会社商品研究所内 (72)発明者 吉田 晴久 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 ルブリカンツ株式会社商品研究所内 (72)発明者 土橋 敬市 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車工業株式会社内 (72)発明者 橋本 隆 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車工業株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BF03R BH07C BH14C BH14R BJ07C DA02A DB05C DB06C DB07C EA30C EB02 EB07 FA02 FA06 JA18 LA02 LA03 LA05 PA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油系潤滑油または合成系潤滑油からな
    る基油に、(A)金属型清浄剤として、親油基部分がア
    ルキルベンゼン類であって、該アルキルベンゼン類中の
    炭素数18以上のアルキル基を持つアルキルベンゼン類
    の割合が5質量%以下である合成系アルカリ土類金属ス
    ルホネートを硫酸灰分量として0.8〜1.3質量%と
    なるように添加し、(B)アルケニルこはく酸イミドの
    硼素化合物誘導体を硼素量として0.01質量%以上、
    窒素量として0.06〜0.15質量%となるように添
    加し、(C)炭素数3〜6のアルキル基を持つジアルキ
    ルジチオリン酸亜鉛を0.5〜1.5質量%、および
    (D)有機モリブデン化合物をモリブデン量として0.
    01〜0.08質量%含有させてなることを特徴とする
    ディーゼルエンジン油組成物。
  2. 【請求項2】 金属型清浄剤として、親油基部分がアル
    キルベンゼン類であって、該アルキルベンゼン類中の炭
    素数18以上のアルキル基を持つアルキルベンゼン類の
    割合が5質量%以下である合成系アルカリ土類金属スル
    ホネートおよびその他の金属型清浄剤が使用され、前記
    アルカリ土類金属スルホネートの使用割合がアルカリ土
    類金属量として50質量%以上である請求項1記載のデ
    ィーゼルエンジン油組成物。
  3. 【請求項3】 合成系アルカリ土類金属スルホネート以
    外のその他の金属型清浄剤がアルカリ土類金属フェネー
    ト、アルカリ土類金属サリシレートおよびアルカリ土類
    金属ホスホネートから選ばれた少なくとも一種である請
    求項2記載のディーゼルエンジン油組成物。
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