JP5170969B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5170969B2
JP5170969B2 JP2006073734A JP2006073734A JP5170969B2 JP 5170969 B2 JP5170969 B2 JP 5170969B2 JP 2006073734 A JP2006073734 A JP 2006073734A JP 2006073734 A JP2006073734 A JP 2006073734A JP 5170969 B2 JP5170969 B2 JP 5170969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
oil
acid
lubricating oil
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006073734A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007246771A (ja
Inventor
清志 羽生田
文夫 後藤
英二 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Shell Sekiyu KK filed Critical Showa Shell Sekiyu KK
Priority to JP2006073734A priority Critical patent/JP5170969B2/ja
Publication of JP2007246771A publication Critical patent/JP2007246771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5170969B2 publication Critical patent/JP5170969B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は潤滑油に関し、特に、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関などに使用される、高温清浄性に優れる潤滑油組成物に関する。
ディーゼルエンジンは熱効率が良く燃費が良いため、産業用のエンジンとして幅広く使用されている。しかしながら、排出ガス中に含まれている窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)による人体への影響が懸念され、近年、人体への影響軽減および環境保全のため、ディーゼルエンジンからの排出ガス規制が著しく厳しくなってきている。
そのため、最近の車両には排出ガスの浄化を目的として、特に上記PMの低減を目的として酸化触媒やフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)等の後処理装置が装着されるようになった。
PMは、燃料やエンジン油中の硫黄分に起因する硫酸塩、スス及び燃料と潤滑油の未燃焼分である可溶性有機成分(SOF)を含んでいる。酸化触媒は、全PMの約30%占めると言われているSOF成分を酸化させて低減させる働きを担い、DPFはPMをフィルタートラップして低減させることにより排出ガスを浄化する。
潤滑油のエンジン油は一部分が燃焼室内で燃焼してしまう為に、金属清浄剤や耐摩耗剤などの金属成分を含有する添加剤を多く用いると、これらに含まれる金属分に起因する灰分を多量に含んだ排出ガスを排出することとなる。これらの灰分がDPFのフィルターをつまらせ、排出ガス後処理装置に悪影響を与えることが報告されている。
一方、エンジン油の燃焼によって生じる灰分が、JIS K2272に規定される硫酸灰分(「硫酸灰分の試験方法」による)とほぼ同じであることから、エンジン油中の金属分量は硫酸灰分量で論じられている。そして、DPFの目詰まり対策として、エンジン油の硫酸灰分量を低減させることが望ましいとされている。
また、燃料やエンジン油中の硫黄分が酸化触媒を被毒し、触媒活性を低下させてしまうため、エンジン油中の硫黄分を極力低減させることが望ましい。
エンジン油中等の硫酸灰分や硫黄分を低減させるためには、金属清浄剤やアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)に代表される金属分を含有する添加剤を減らすことが必要となる。
しかしながら、これらの添加剤は、エンジン内を清浄に保つ清浄性や、エンジン油寿命を維持する酸化安定性といったエンジン油にとって必須の性能を付与するものである。
また、エンジン油が酸化して劣化すると、スラッジなどの劣化生成物が油中に存在することになり、エンジン内部を著しく汚損してしまう為、エンジン内を清浄に保つ為には優れた酸化安定性を有するエンジン油が必要となる。
したがって、エンジン油中の硫酸灰分や硫黄分を単純に減らすことは、エンジン油の清浄性の面で重大な性能低下を引き起こすことになる。
このようなエンジン油の清浄性低下を、硫酸灰分を増加させることなく補う手法として、基油の高品質化、無灰分散剤の増量、無灰酸化防止剤の増量といったものが提案されているが、いずれも製品のコスト上昇を招くことになる。
硫酸灰分を低減したエンジン油を用いた際にエンジン内を清浄に保つ為に、ブテン等の炭素数3〜8のオレフィンの非水素化オレフィンポリマーを添加することが提案されているが、この非水素化オレフィンポリマーは、その数平均分子量が100〜5,000の比較的低分子量のものに限られている。(特許文献1)
特開2005−54193
本発明は、排出ガスを浄化するための後処理装置の寿命を長く保つことができる低灰分、低硫黄のエンジン油において、エンジン清浄性の低下を、大きなコストの上昇を招くことなく、大幅に改善することができる潤滑油組成物を得ようとするものである。
発明者らは低灰分、低リン、低硫黄のエンジン油の研究、開発の過程において、金属清浄剤の添加量が少ないエンジン油に、ポリブテンやポリイソブテンの高分子量のものを極めて少量添加することによって、エンジンの清浄性を大幅に向上させることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、合成油や鉱油の潤滑油基油に、重量平均分子量50万〜1000万のポリブテンやポリイソブテンを単独で又は併用して0.001〜1重量%を、好ましくは0.002〜0.5重量%を含有させて潤滑油組成物としたものである。
また、これらポリブテン若しくはポリイソブテンを用いることにより、潤滑油組成物を低灰分とすることが可能となり、JIS K2272に規定される硫酸灰分量が1.5重量%以下、好ましくは1.3重量%、より好ましくは1重量%とすることができる。
本発明によれば、金属系清浄剤を多量に用いることなく、硫酸灰分が少ない潤滑油配合においても、エンジンの清浄性を大幅に向上させることが可能となり、環境に与える影響を大きく抑えることができる。
この潤滑油組成物は、ピストン周辺の清浄性を効果的に改善する硫黄分が50ppm以下のガソリン及び軽油燃料に対応した、低灰分エンジン油を提供することができる。また、この潤滑油組成物は、上記内燃機関用のディーゼルエンジン油、ガソリンエンジン油、ガスエンジン油用の他、各種の潤滑油として広く用いることができる。
本潤滑油組成物の基油には、通常の潤滑油に使用される鉱油、合成油及びこれらの混合物が使用できる。
鉱油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を、さらに減圧蒸留することによって得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ロウ、水素化精製等の処理を1種以上行って製造される潤滑油基油がある。
上記合成油としては、各種の合成油を使用することが出来る。例えば、フィッシャー・トロプシュ法によって合成したのち、溶剤脱ロウや接触脱ロウしたいわゆるGTL基油(ガス・ツー・リキッド)がある。
他の合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリイソブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、或いはこれらの水素化物など)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、モノエステル(例えば、ブチルステアレート、オクチルラウレートなど)、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート、ジオクチルアゼレートなど)、ポリエステル(例えば、トリメリット酸エステルなど)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートなど)、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、などが例示できる。
上述した、基油として用いられるポリブテン及び/又はポリイソブテンは、平均分子量が約200〜3000程度のもので、本発明における上記及び下記するポリブテン及び/又はポリイソブテンと分子量において大いに異なるものである。
本発明に用いるポリブテン及び/又はポリイソブテンは、重量平均分子量が約50万〜1000万のものであり、好ましくは約100万〜500万の高分子量のものである。重量平均分子量が上記範囲に達しないものを使用した場合は、添加量を多くしないと充分な高温清浄性を得られないため、コストがかさみ実用的ではなくなる。一方、重量平均分子量が上記範囲を超えるものを使用した場合は、粘度が高すぎ、基油に配合する際の作業性が悪くなる。
本発明のポリブテンは、ブテン−1、ブテン−2、イソブテンおよび不活性成分としてのブタン類などの混合物を原料として、従来公知の方法で製造される。
すなわち、例えば、ナフサ分解によりエチレン、プロピレン、ブタジエン等を製造する際に副生するB−B留分(ブタン−ブテン留分)を原料とし、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、フッ化ホウ素、四塩化チタンなどのフリーデル・クラフツ触媒、またはそれらの錯体化合物などを触媒とし、反応系中の微量水分、有機ハロゲン化物や塩酸を助触媒とし、または特に助触媒を用いないで、反応温度約−30℃〜30℃で重合させる方法が代表的な製造法である。溶剤は、上記B−B留分を使用した場合には、ブタンおよび未反応オレフィンが溶剤として作用するために、特に使用しないのが一般的である。
こうして得られるポリブテンは、通常、沈降槽で触媒を分離し、さらにアルカリ洗浄、水洗浄する方法、硝酸、硫酸、シュウ酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩水溶液で洗浄する方法や、ボーキサイト、活性白土などの吸着剤を用いる方法などの諸方法を単独で、または併用して、残存する微量触媒を除去する。その後、フラッシュドラムで未反応ガスを分離し、次いでストリッパーで軽質ポリマーを分離し、さらに必要ならば精製槽で精製される。
このようなポリブテンの製造方法としては、現在、アモコ法とコスデン法がその代表的なものとして知られているが、そのいずれであってもよい。
さらに本発明においては、上記のポリブテンが含有する二重結合を既知の方法、たとえばニッケルまたはニッケルモリブテン酸塩触媒などを用いて水素添加した、水添ポリブテンも使用することができる。
また、本発明で用いる上記ポリイソブテンはイソブテンを原料として、従来公知の方法で製造される。
すなわち、例えば、前記のB−B留分に、若しくは第3級ブチルアルコールの脱水、ジアセトンアルコールの脱水などの方法で合成したイソブテンに、又はこれらをモレキュラーシーブなどにより高度に精製したイソブテンに、エチレン、プロパン、ヘキサンなどを希釈剤として加え、または希釈剤を用いないで、通常約−10℃〜−150℃の低温で三フッ化ホウ素を通入するか、塩化アルミニウムをそのままメチルクロライドまたはエチルクロライド溶液として加えることにより重合させるのが代表的な製造法である。
上述したポリブテンおよびポリイソブテンは、チューインガムの基礎剤として食品添加物に指定されていることからも明らかなとおり、人体に対して極めて無毒性の物質である。
本発明におけるポリブテン及び/又はポリイソブテンは、上記のとおり重量平均分子量50万〜1000万の高分子量ものであるが、潤滑油組成物の全量を基準として0.001〜1重量%、好ましくは0.002〜0.5重量%の含有量で使用される。この含有量が上記範囲に達しない場合は、高温清浄性の効果が少なく、一方含有量が上記範囲を超える場合は、潤滑油組成物の粘性が高くなりすぎ操作性が悪くなる。
本潤滑油組成物においては、上記基油に、ポリブテン、ポリイソブテン以外に、必要に応じて、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属清浄剤、分散剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤及び消泡剤などを適宜に配合することができる。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレンーブタジエン水添共重合体系等のものを用いることができ、これらは、通常、3〜35重量%の割合で使用される。
また、流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、これらは、通常、0.1〜10重量%の割合で使用される。
金属清浄剤(又は清浄剤添加剤)は、エンジンのサスペンション中の微細な固形物を保持することにより、ピストン堆積物、例えば高温ワニス及びラッカー堆積物の形成を低減させる。また、この金属清浄剤は酸中和性を有していてもよい。
金属清浄剤は、極性先端部、即ち、有機酸の金属塩を油溶性の長い疎水性末端部に有し、石鹸又は界面活性物質と呼ばれる。従って、一般的に、有機酸は一つ又はそれより多い官能基、例えば-OH又は-COOH又は-SO3Hを、金属及びヒドロカルビル置換基との反応のために有する。この金属清浄剤が有機酸の中和に必要な理論量に関して過剰の金属を含む場合、金属清浄剤は過塩基性であってもよい。この過剰塩基は、ミセル構造における有機酸の金属塩を有するコロイド分散、一般的に金属カーボネート及び/又はヒドロキシドの形態で存在する。
有機酸としては、例えば、スルホン酸、フェノール及び硫化したそれらの誘導体及び芳香族カルボン酸を含むカルボン酸が挙げられる。
上記フェノールは、非硫化又は好ましくは硫化されていてもよい。このフェノールは、1以上のヒドロキシル基を含むフェノール(例えば、アルキルカテコール)又は縮合芳香族環(例えば、アルキルナフトール)、及び化学反応により改質されたフェノール、例えばアルキレン架橋フェノール、マンニッヒ塩基縮合フェノール、及びサリゲニン型フェノール(塩基性条件下でフェノール及びアルデヒドの反応により製造される)を含むものである。
一般的に、スルホン酸は、ヒドロカルビル置換、具体的にはアルキル置換された芳香族炭化水素、例えば蒸留及び/又は抽出により石油の分別から、又は芳香族炭化水素のアルキル化により得られるもののスルホン化により得られる。アルキルアリールスルホン酸は、一般的に、炭素数が22〜100又はそれより多い。スルホン酸は、芳香族成分上で1以上のアルキル基により置換されていてもよく、例えば、それらはジアルキルアリールスルホン酸であってもよい。
カルボン酸としては、モノ及びジカルボン酸が挙げられる。好ましいモノカルボン酸は、炭素数(カルボキシル基中の炭素原子を含む)が8〜30、好ましくは8〜24のものである。
モノカルボン酸としては、例えば、イソオクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びベヘン酸などが挙げられる。他の好適な酸は、α−炭素原子での三級置換基を有するもの及びカルボキシル基を隔てる二つ又はそれより多い炭素原子を有するジカルボン酸である。さらに、炭素数が35より多い、例えば炭素数36〜100のジカルボン酸も好適である。
カルボン酸の好ましいタイプとして芳香族カルボン酸があり、芳香族カルボン酸の芳香族成分は、ヘテロ原子、例えば窒素及び酸素を含むことができる。好ましくは、その芳香族成分の炭素数は6又はそれより多いもので、例えば、ベンゼンは好ましい成分である。一つ又はそれより多い芳香族成分、例えば一つ又はそれより多いベンゼン環であって、縮合されているか又はアルキレン架橋により結合されているものを含んでいてもよい。
芳香族カルボン酸のもっとも好ましい例は、サリチル酸及びそれらの硫化誘導体、例えばヒドロカルビル置換したサリチル酸及びそれらの誘導体である。ヒドロカルビル置換したサリチル酸の硫化方法は、当業者に公知である。
サリチル酸はフェノキシドのカルボキシル化、例えば、Kolbe-Schmitt法により製造され、その場合、通常、希釈剤中で、非カルボキシル化フェノールとの混合物において一般的に得られる。
油溶性のサリチル酸に関する好ましい置換基は、アルキル置換基である。アルキル置換サリチル酸において、アルキル基は、炭素数が5〜100、好ましくは9〜30、さらに好ましくは14〜20である。1以上のアルキル基がある場合、すべてのアルキル基中の平均炭素数は、好適な油溶性を確実にするために、好ましくは少なくとも9である。
金属清浄剤は、中性又は過塩基性であってもよく、その用語は当技術分野において公知である。具体的にはJIS K2501(過塩素酸法)で規定される全塩基価(TBN)が、5〜600mgKOH/gである金属清浄剤が好ましい。金属清浄剤の添加剤成分は、一つのタイプの有機酸の塩又は一つより多いタイプの有機酸の塩を含んでいてもよく、それらは中性金属清浄剤、過塩基性金属清浄剤又は両方の混合物であり得る。
異なる金属清浄剤の組み合わせとしては、例えば、フェナート−サリチレート−スルホネート金属清浄剤、フェナート−スルホネート金属清浄剤及びフェナート−サリチレート金属清浄剤が挙げられる。
添加剤としての金属清浄剤組成物は、二つ又はそれより多い金属清浄剤、例えばアルカリ金属(ナトリウムなど)金属清浄剤、及びアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)金属清浄剤を含む。
この金属清浄剤組成物は、無灰分散剤、即ち金属非含有金属清浄剤を、一般的に、有機酸の有機塩の形態で含んでいてもよい。好ましくは、その金属清浄剤は金属含有であり、1属及び2属の金属で、好ましくはカルシウム及びマグネシウム、より好ましくはカルシウムである。
分散剤、特に無灰分散剤としては、例えば、ポリブテニルコハク酸イミド系、ポリブテニルコハク酸アミド系、ベンジルアミン系、コハク酸エステル系のものがある。これらの分散剤は、ホウ素化されていてもよい。
これら分散剤のうち、好ましいものに、塩素又は塩素原子含有化合物のいずれも使用しない熱反応方法により、ポリブテン及び無水マレイン酸から製造されたポリイソブテニルコハク酸無水物から得られる、無灰コハク酸イミド又はそれらの誘導体があり、好ましくは、非重合性(例えば、モノ−又はビス−コハク酸イミド)である。これら無灰コハク酸イミド又はそれらの誘導体は、通常、潤滑剤組成物中に、オイル組成物の重量をベースとして0.01〜0.2、好ましくは0.03〜0.15、さらに好ましくは0.05〜0.12重量%の窒素を提供する量において使用される。
上述した分散剤の他に、分散性を有する添加剤として、粘度指数向上剤等の分散性を提供できる重合性化合物を用いることもできる。
耐摩耗剤としては、リン系化合物、有機モリブデン化合物、脂肪酸エステル化合物あるいは脂肪族アミン系化合物が挙げられる。
リン系化合物としては、例えば、アルキルジチオリン酸亜鉛、リン酸、亜リン酸、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリエステル類、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエステル類、亜リン酸トリエステル類、(亜)リン酸エステル類の塩、及びチオリン酸、あるいはチオ亜リン酸又はこれらのエステル類等、並びにこれらの混合物が挙げられる。
リン系化合物としては、特に、アルキルジチオリン酸亜鉛が好適に用いられ、通常、炭素数2〜30、好ましくは3〜20の炭化水素基を含有する。この炭素数2〜30の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができる。
上記耐摩耗剤の有機モリブデン系化合物としては、例えば、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオフォスフェート、モリブデン酸アミン塩などが挙げられ、特に、モリブデンジチオカーバメートが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤には、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が好ましい例として挙げることができる。これらは二種以上を混合して使用することができる。
上記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、及びジアルキルジフェニルアミンを挙げることができる。これらは二種以上を混合して使用してもよい。
また、上記フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤は適宜に組み合せて配合することができる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
潤滑剤組成物としては、上記した基油、高分子量のポリブテンやポリイソブテンの他、各用途に合わせた要求性能に応じて上記の如き各種の添加剤が用いられるが、この高分子量ポリブテンやポリイソブテンの使用によって清浄性のより一層の向上を図るためには、各種の添加剤の使用を効率的にするとよい。
この場合、各種の添加剤の使用に伴って増加する金属分について、JIS K2272に規定されている硫酸灰分量によって、潤滑剤組成物の全体量に対して、1.5重量%以下になるようにする。また、好ましくは1.3重量%以下、より好ましくは1重量%以下になるようにする。
そして、この硫酸灰分量が1.5重量%以下、好ましくは1.3重量%以下、より好ましくは1重量%以下であっても、上記高分子量ポリブテンやポリイソブテンの使用によって清浄性の高い潤滑剤組成物を得ることができる。
実施例及び比較例の調製にあたり、下記の組成材料を用意した。
1.基油A:水素化精製鉱油(100℃の動粘度;5.3mm2/s、硫黄分;0.01重量%以下、粘度指数;103)
2.基油B:フィッシャートロプッシュ法によるワックスの水素化異性化油(100℃の動粘度;5.1mm2/s、油中イオウ分0.01重量%以下、粘度指数;145)
3.基油C:溶剤精製鉱油(100℃の動粘度;4.6mm2/s、硫黄分;0.5重量%、粘度指数;100)
4.添加剤A:重量平均分子量300万のポリイソブテンを鉱油に2.5%溶解させたもの
5.添加剤B:重量平均分子量500万のポリイソブテンを鉱油に2%溶解させたもの
6.添加剤C:重量平均分子量30万のポリイソブテンを鉱油に10%溶解させたもの
7.その他の添加剤:カルシウムサリシレート金属清浄剤、2級アルキル置換基を有するZnDTP(亜鉛ジチオフォスフェート)、ポリブテニルコハク酸イミド、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ポリメタクリレート系流動点降下剤、粘度指数向上剤を含有する添加剤。
表1、表2に示すに示す組成材料を、組成割合(重量%)によって混合し、実施例1〜4、比較例1〜4、比較例5の各エンジン油組成物を調製又は用意した。
上記実施例及び比較例の各エンジン油組成物について、下記の性状及びその性能評価試験を行った。
(性状試験)
1.40℃の動粘度(JIS K2283による)
2.100℃の動粘度(JIS K2283による)
3.粘度指数(JIS K2283による)
4.硫酸灰分(重量%)(JIS K2272による)
(性能評価試験:パネルコーキング試験)
本試験は、規定温度に加熱したアルミニウムパネルに試験油をスプラッシャーで規定時間はねかけ、試験前後のパネルの重量増加から試験油の堆積物生成の抑止性能、すなわち、清浄性を評価するものである。
試験は、米国 Federal Test Method Standard 791−3462に準拠して実施した。
すなわち、試験装置に試験油を250ml供し、油温を90℃、アルミニウムパネル温度を300℃に設定し、スプラッシャーの回転時間15秒/停止時間45秒で試験を3時間行った。
試験結果は、アルミパネルの増加量をmg数で示し、高温清浄性を示す指標は次のとおりである。
30.0mg以下:合格(可)
25.0mg以下:合格(良)
20.0mg以下:合格(優)
(結果)
性状試験及びパネルコーキング試験の結果を表1、表2に示す。
(考察)
実施例1の基油A,B,Cを混合し、添加剤A(重量平均分子量300万のポリイソブテンを0.005重量%)を含むものは、パネルコーキング試験において6.6mg(優)と低く、比較例1の添加剤Aを含まない不合格のものに比べて、約1/20と優良な結果となっている。
実施例2の基油A,Bを混合し、添加剤A(同ポリイソブテン量として0.00375重量%)を含むものは、パネルコーキング試験において14.8mg(優)と低く、比較例1の添加剤Aを含まない不合格のものに比べて、約1/4と優れた結果となっている。また、実施例3の基油Aに添加剤Aを実施例2の倍量(同ポリイソブテン量として0.0075重量%)加えたものも11.5mg(優)と低い値で、比較例2に対して約1/5と優れた値を示している。
実施例4の基油Aに添加剤B(重量平均分子量500万のポリイソブテンを0.002重量%)を含むものは同じく16.9mg(優)と低い値を示し、比較例3、4の添加剤C(重量平均分子量30万のポリイソブテンを0.01重量%、同0.1重量%)を含んでいる不合格なものに対して、約1/7、約1/6と優良な結果を示している。
また、比較例5は市販のディーゼルエンジン油で、パネルコーキング試験において28.0mg(可)で一応合格しているが、硫酸灰分の量が1.88重量%と実施例のものに比べて約2倍となっており、清浄性を高めるために金属清浄剤を多く含んでいることが判る。
このように、実施例のものはいずれも、特にエンジン油の清浄性において優良な結果がえられるものであることが判った。
Figure 0005170969
Figure 0005170969

Claims (2)

  1. 合成油及び/又は鉱油を基油とする内燃機関用の潤滑油組成物であって、潤滑油組成物全量に対してJIS K2272に規定される硫酸灰分量が1.5重量%以下であり、重量平均分子量が300万〜500万のポリブテン及び/又はポリイソブテンを0.001〜1重量%含有している内燃機関用潤滑油組成物。
  2. 上記内燃機関がディーゼルエンジンである請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
JP2006073734A 2006-03-17 2006-03-17 潤滑油組成物 Expired - Fee Related JP5170969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006073734A JP5170969B2 (ja) 2006-03-17 2006-03-17 潤滑油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006073734A JP5170969B2 (ja) 2006-03-17 2006-03-17 潤滑油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007246771A JP2007246771A (ja) 2007-09-27
JP5170969B2 true JP5170969B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=38591406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006073734A Expired - Fee Related JP5170969B2 (ja) 2006-03-17 2006-03-17 潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5170969B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5564166B2 (ja) * 2008-05-16 2014-07-30 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 潤滑油添加剤組成物、潤滑油添加剤組成物の製造方法、及び潤滑油組成物の製造方法
CN103237875A (zh) * 2010-10-06 2013-08-07 卢布里佐尔公司 具有防雾添加剂的润滑油组合物
CN103320200A (zh) * 2013-06-15 2013-09-25 安徽车威仕汽车用品有限公司 发动机清洗润滑剂及其制备方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3919098A (en) * 1973-11-05 1975-11-11 Chevron Res Cutting oil of reduced stray fog
JPS57185389A (en) * 1981-05-11 1982-11-15 Nippon Oil Co Ltd Lubrication of slide bearing in large-sized industrial machine
JPS6187792A (ja) * 1984-10-05 1986-05-06 Cosmo Co Ltd 潤滑油又は作動油組成物
JP2555326B2 (ja) * 1986-10-03 1996-11-20 ジャパンパシフィックエンタープライズ 株式会社 液体潤滑油混合組成物
JPS63205395A (ja) * 1987-02-20 1988-08-24 World Oil Kk 液体潤滑油混合組成物
GB8804171D0 (en) * 1988-02-23 1988-03-23 Exxon Chemical Patents Inc Dispersant for marine diesel cylinder lubricant
AU671625B2 (en) * 1991-06-19 1996-09-05 Exxon Chemical Patents Inc. Method of suppressing mist formation from oil-containing functional fluids
JP3504405B2 (ja) * 1995-10-23 2004-03-08 新日本石油株式会社 ディーゼルエンジン油組成物
JP3722472B2 (ja) * 2000-06-02 2005-11-30 シェブロンテキサコジャパン株式会社 潤滑油組成物
JP4227764B2 (ja) * 2002-06-28 2009-02-18 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
JP4761800B2 (ja) * 2005-03-23 2011-08-31 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 エスカレータ用チェーンオイル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007246771A (ja) 2007-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003327987A (ja) 潤滑油組成物
JP6751641B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5465938B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
JP5390092B2 (ja) ピストン清浄性を強化した潤滑油
JP5175739B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
JP5925473B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5143516B2 (ja) 低硫酸灰分低硫黄低リン低亜鉛潤滑油組成物
CA2799082A1 (en) Fuel economical lubricating oil composition for internal combustion engines
CA3130232C (en) Lubricating compositions for diesel particulate filter performance
CA2794662C (en) Natural gas engine lubricating oil compositions
JP2013064154A (ja) ピストン沈着物制御能力が向上した潤滑油
JP6708831B2 (ja) カルシウム含有清浄剤を含む潤滑剤及び低速プレイグニッションを改善するためのそれらの使用
JP2012504174A (ja) 潤滑油組成物
JP6559974B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5806230B2 (ja) 潤滑油組成物
JP2013087288A (ja) 潤滑油組成物
JP4083321B2 (ja) ディーゼルエンジン油組成物
JP5787590B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5170969B2 (ja) 潤滑油組成物
KR101994372B1 (ko) 윤활 조성물용 무회분 마찰조정제
JP2005306913A (ja) エンジン潤滑油組成物
CA2724289A1 (en) Aminic antioxidants to minimize turbo sludge
KR102071114B1 (ko) 마그네슘 설포네이트 합성
KR102416394B1 (ko) 가스 엔진용 윤활제 조성물
JP5646311B2 (ja) 潤滑油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5170969

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02