JP2004149762A - エンジン油組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(a)油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物をMo量で150〜3000ppm、(b)硫黄化合物添加剤を硫黄量で200〜4000ppm、(c)油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機酸化合物、及び油溶性有機酸金属塩の中から選ばれる1種又は2種以上を含有させ、(c)成分の含有割合を油溶性ホウ酸化合物はホウ素量で20〜3000ppm、油溶性チタン酸化合物はチタン量で20〜3000ppm、油溶性有機酸化合物は含有量で0.03〜4質量%、油溶性有機酸金属塩は硫酸灰分量で0.02〜1.2質量%の範囲にし、必要に応じて(d)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量で0.08質量%以下含有させる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦低減効果に優れるエンジン油組成物に関する。また、本発明のエンジン油組成物は、ガソリンエンジン、ディ−ゼルエンジン用潤滑油として利用できるとともに、2輪自動車用4−サイクルエンジン油にも利用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化、大気汚染、酸性雨などの環境問題に対応するため、自動車の燃費向上、排出ガス浄化などが検討されている。燃費の向上には、自動車本体の軽量化、エンジンの改良といった自動車本体の改良とともに、エンジン油の省燃費性能向上が重要な要素となっている。そのため、エンジン内部の摩擦損失の低減を目的とした摩擦調整剤の添加が検討されている。中でも有機モリブデン化合物は優れた摩擦低減作用を有しており、省燃費化に効果的である。
有機モリブデン化合物としては、硫黄原子を含むものと含まないものが知られている。硫黄原子を含む有機モリブデン化合物としては、ジアルキルジチオリン酸モリブデン(以下、MoDTPともいう)、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(以下、MoDTCともいう)などがが挙げられている(特許文献1参照)。
【0003】
硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物としては、三酸化モリブデン等の無機モリブデン化合物と第二級アミンを反応させて得られるモリブデン酸アミン塩が挙げられる(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物は単独では摩擦低減効果が得られにくいため、硫黄を含有する化合物を組み合わせる技術が提案されている(特許文献1参照)が、現状ではMoDTC、MoDTPと比較して十分な摩擦低減効果が得られていない。
有機モリブデン化合物による摩擦低減効果は、新油の時点で優れていても、使用時間の経過とともに摩擦低減効果が失われていく(以下、摩擦低減効果の持続性という。)という問題がある。ZnDTPの増量は摩擦低減効果の持続性を向上させる有効な方法である。しかし、自動車に装着される排出ガス浄化システムはエンジン油に含まれるリンにより性能低下する恐れがあるため、ZnDTPの添加量は制限されている。これに対応するためにMoDTCと特定の硫黄化合物を組み合わせる技術(特許文献4参照)が提案されているが、硫黄を含有しない有機モリブデン化合物では十分な摩擦低減効果の持続性が得られていない。
【0004】
【特許文献1】
特公平6−4866号公報
【特許文献2】
特公平5−62639号公報
【特許文献3】
特開2001−164281号公報
【特許文献4】
特開平8−73878号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、リンを含有しないエンジン油組成物、またはリンの含有量を低減したエンジン油組成物であって、摩擦低減効果に優れるエンジン油組成物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、リンの含有量とエンジン油組成物としての硫酸灰分量を低減したエンジン油組成物であって、摩擦低減効果の持続性に優れるエンジン油組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(a)油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物、(b)硫黄化合物添加剤、(c)油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機酸化合物、及び油溶性有機酸金属塩の中から選ばれる1種または2種以上を、必要に応じて(d)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をそれぞれ特定量配合することによって、上記の目的を達成することを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(a)油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物をMo量で150〜3000ppm、(b)硫黄化合物添加剤を硫黄量で200〜4000ppm、及び(c)油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機酸化合物、及び油溶性有機酸金属塩の中から選ばれる1種又は2種以上を含有しており、(c)成分の含有割合を油溶性ホウ酸化合物はホウ素量で20〜3000ppm、油溶性チタン酸化合物はチタン量で20〜3000ppm、油溶性有機酸化合物は含有量で0.03〜4質量%、油溶性有機酸金属塩は硫酸灰分量で0.02〜1.2質量%の範囲にし、必要に応じて(d)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量で0.08質量%以下含有していることを特徴とするエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、(b)成分である硫黄化合物添加剤が、硫化油脂、硫化エステル、分子中に硫黄原子を3つ以上有する有機ポリサルファイド化合物、及び分子中に硫黄原子を3つ以上有するチアジアゾール化合物から選ばれる1種又は2種以上であるエンジン油組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、エンジン油組成物全体の硫酸灰分量が0.9質量%以下であるエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、さらに、(e)フェノール系酸化防止剤を0.1〜3.0質量%含有するエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、(c)成分である油溶性有機酸化合物が、油溶性有機スルホン酸化合物であるエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、(c)成分が、油溶性有機酸金属塩を必須成分とし、さらに必要に応じて油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、及び油溶性有機酸化合物の中から選ばれる1種又は2種以上を含有するエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、(c)成分である油溶性有機酸金属塩による硫酸灰分量が0.02〜0.8質量%であるエンジン油組成物を提供する。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、(c)成分である油溶性有機酸金属塩が、アルカリ土類金属スルホネートを必須とし、該アルカリ土類金属スルホネートの含有量が、油溶性有機酸金属塩としての硫酸灰分合計量のうち10〜50質量%であるエンジン油組成物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される(a)成分の油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物としては、モリブデン酸誘導体が好ましく、さらに好ましくはモリブデン酸アミン塩が挙げられる。モリブデン酸アミン塩は、三酸化モリブデン、モリブデン酸、又はそのアルカリ塩を還元剤にて還元後、アミノ性窒素原子含有化合物とを反応させて得ることができる。
使用されるアミノ性窒素原子含有化合物は下記一般式(1)で表される。
【0010】
【化1】
(式中、R1〜R3は水素原子及び/又は炭化水素基を表す)
上記一般式(1)の化合物としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンなどが挙げられる。第一級アミンとしては、炭素数3〜30程度、好ましくは4〜24のモノアルキルアミンが好適であり、たとえば、n−ブチルアミン、n−オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、イソブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、分枝トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂由来アルキルアミン、硬化牛脂由来アルキルアミン、大豆油由来アルキルアミンなどの鎖状モノアルキルアミンが挙げられる。その他のモノアルキルアミンとしてシクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式置換基を持つモノアミン、ベンジルアミン、4−メチルベンジルアミンなどの芳香族置換基を持つモノアミンが挙げられる。
【0011】
第二級アミンとしては、ジアルキルアミンが好ましく、ジアルキルアミンとしては、各アルキル基が炭素数1〜30程度、好ましくは1〜24のアルキル基のジアルキルアミンが好ましく、具体例としては、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、分枝ジ(トリデシル)アミン、N−テトラデシルメチルアミン、N−ペンタデシルメチルアミン、N−ヘキサデシルメチルアミン、N−ステアリルメチルアミン、N−オレイルメチルアミン、N−ドコシルメチルアミン、N−牛脂由来アルキルメチルアミン、N−硬化牛脂由来アルキルメチルアミン、N−大豆油由来アルキルメチルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジドコシルアミン、ビス(2−ヘキシルデシル)アミン、ビス(2−オクチルドデシル)アミン、ビス(2−デシルテトラデシル)アミン、ジ牛脂由来アルキルアミン、ジ硬化牛脂由来アルキルアミン、ジ大豆油由来アルキルアミンなどの鎖状ジアルキルアミンが挙げられる。その他のジアルキルアミンとしてジシクロヘキシルアミン、ジ−2−メチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式置換基を持つ第二級アミン、ジベンジルアミン、ジ−4−メチルベンジルアミンなどの芳香環置換基をもつ第二級アミン、メチル−n−ブチルアミン、エチルラウリルアミン、エチルステアリルアミン、イソプロピル−n−オクチルアミン、イソブチル−2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシル−2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルベンジルアミン、ステアリルベンジルアミン、2−エチルヘキシルベンジルアミンなどの非対称第二級アミンが挙げられる。
【0012】
第三級アミンとしては、トリアルキルアミンが好ましく、トリアルキルアミンとしては、各アルキル基が炭素数1〜30程度、好ましくは1〜24のアルキル基のトリアルキルアミンが好ましく、具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリイソプロピルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、分枝トリ(トリデシル)アミン、テトラデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、牛脂由来アルキルジメチルアミン、硬化牛脂由来アルキルジメチルアミン、大豆油由来アルキルジメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、トリテトラデシルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミンなどの鎖状トリアルキルアミンが挙げられる。その他のトリアルキルアミンとしてトリシクロヘキシルアミンの如き脂環式置換基を持つ第三級アミン、トリベンジルアミン、トリ−4−メチルベンジルアミンの如き芳香環置換基を持つ第三級アミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジエチルラウリルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンの如き混合炭化水素基を有する第三級アミンが挙げられる。さらに、アミノ性窒素原子含有化合物としては、分子量70〜50,000程度の炭化水素基を持ち、アミノ性窒素原子を持つコハク酸イミド、コハク酸アミド、カルボン酸アミド及び炭化水素系ポリアミン等の分散剤的アミノ化合物もしくはこれらの混合物も挙げることができる。
【0013】
また、この他にもアルカノール基を含むアルキルアミンも使用でき、具体的には2−ヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシテトラデシルアミン、2−ヒドロキシヘキサデシルアミン、2−ヒドロキシオクタデシルアミン、2−ヒドロキシエイコシルアミン等の第一級アミン;N−2−ヒドロキシドデシルメチルアミン、N−2−ヒドロキシテトラデシルメチルアミン、N−2−ヒドロキシヘキサデシルメチルアミン、N−2−ヒドロキシオクタデシルメチルアミン、N−2−ヒドロキシエイコシルメチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルエチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルブチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルエタノールアミン、N−2−ヒドロキシテトラデシルエタノールアミン、N−2−ヒドロキシヘキサデシルエタノールアミン、N−2−ヒドロキシオクタデシルエタノールアミン、N−2−ヒドロキシエイコシルエタノールアミン等の第二級アミン; N−2−ヒドロキシドデシルジメチルアミン、N−2−ヒドロキシテトラデシルジメチルアミン、N−2−ヒドロキシヘキサデシルジメチルアミン、N−2−ヒドロキシオクタデシルジメチルアミン、N−2−ヒドロキシエイコシルジメチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルジエチルアミン、N−2−ヒドロキシテトラデシルジエチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルジブチルアミン、N−2−ヒドロキシドデシルジエタノールアミン、N−2−ヒドロキシテトラデシルジエタノールアミン、N−2−ヒドロキシヘキサデシルジエタノールアミン、N−2−ヒドロキシオクタデシルジエタノールアミン、N−2−ヒドロキシエイコシルジエタノールアミン、N−2−ヒドロキシドデシルジイソプロパノールアミン等の第三級アミンなどが挙げられる。
【0014】
さらに、アルカノール基を含むアルキルアミンの他の具体例として、N−2−ヒドロキシオクタデシル(アミノエチル)アミン、N−2−ヒドロキシオクタデシルビス(2−アミノエチル)アミン、N−デシルエタノールアミン、N−ドデシルエタノールアミン、N−イソトリデシルエタノールアミン、N−テトラデシルエタノールアミン、N−ヘキサデシルエタノールアミン、N−オクタデシルエタノールアミン、N−オレイルエタノールアミン、N−デシルジエタノールアミン、N−ドデシルジエタノールアミン、N−イソトリデシルジエタノールアミン、N−テトラデシルジエタノールアミン、N−ヘキサデシルジエタノールアミン、N−オクタデシルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−ベヘニルジエタノールアミン、N,N−ジデシルエタノールアミン、N,N−ジドデシルエタノールアミン、N,N−ジイソトリデシルジエタノールアミン、N,N−ジテトラデシルエタノールアミン、N,N−ジヘキサデシルエタノールアミン、N,N−ジオクタデシルエタノールアミン、N,N−ジベヘニルエタノールアミン、N,N−ジオレイルエタノールアミン等のエタノールアミン類;N−デシルジイソプロパノールアミン、N−ドデシルジイソプロパノールアミン、N−イソトリデシルジイソプロパノールアミン、N−テトラデシルジイソプロパノールアミン、N−ヘキサデシルジイソプロパノールアミン、N−オクタデシルジイソプロパノールアミン、N−オレイルジイソプロパノールアミン、N,N−ジデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジドデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソトリデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジテトラデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジヘキサデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジオクタデシルイソプロパノールアミン、N,N−ジオレイルイソプロパノールアミン等のイソプロパノールアミン類;N−デシルビス(2−ブタノール)アミン、N−ドデシルビス(2−ブタノール)アミン、N−イソトリデシルビス(2−ブタノール)アミン、N−テトラデシルビス(2−ブタノール)アミン、N−ヘキサデシルビス(2−ブタノール)アミン、N−オクタデシルビス(2−ブタノール)アミン、N−オレイルビス(2−ブタノール)アミン、N,N−ジデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジドデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジイソトリデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジテトラデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジヘキサデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジオクタデシル−2−ブタノールアミン、N,N−ジオレイル−2−ブタノールアミン等の2−ブタノールアミン類;N−デシル−1,3−プロパンジアミン、N−ドデシル−1,3−プロパンジアミン、N−イソトリデシル−1,3−プロパンジアミン、N−テトラデシル−1,3−プロパンジアミン、N−オクタデシル−1,3−プロパンジアミン、N−オクタデシル−1,3−プロパンジアミンのエチレンオキサイド3モル付加物等の1,3−プロパンジアミン類及びそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0015】
これらアミノ性窒素原子含有化合物の中で、生成物の油溶性の点で特に好ましいのは炭素数6〜24のジアルキルアミンであり、炭素数がこれより短いと基油への溶解性が悪く、基油の油種が限られる。また、炭素数がこれより長い場合、製品に含まれる有効なモリブデン濃度が低くなる。
また、一般に第一級アミンは、油への溶解性が悪く、第三級アミンは、製品の収率が悪くなる。アミノ性窒素原子含有化合物として、ポリアルキレンポリアミンのサクシンイミド等、通常無灰型分散剤として潤滑油に使用されるアミン類を使用した場合は、特に基油への溶解速度が速く、かつ分散剤としての機能も有する組成物が得られる。
油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物の具体的な例としては、下記一般式(2)で表されるモリブデン酸の第二級アミン塩が挙げられる。
【0016】
【化2】
(式中、xは1〜3の整数、yは4〜11の整数、zは0〜6の整数、nは1〜4の整数であり、R4及びR5はそれぞれ炭素数3〜30の炭化水素基である。nが複数の場合、第二級アミンは同一のものでも異なるものでもよい。)
一般式(2)において、R4及びR5は炭素数3〜30の炭化水素基であり、4個の炭化水素基は同一でも、異なっていてもよい。炭素数3〜30の炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜30のアルキル基、炭素数3〜30のアルケニル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを挙げることができる。炭素数3〜30の炭化水素基の具体例としては、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基、ジメチルナフチル基などを挙げることができる。
本発明において、硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
本発明における(a)成分の油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物の含有量は、Mo量で150〜3000ppmであり、好ましくは250〜2000ppm、特に好ましくは350〜1500ppmである。(a)成分の油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物の含有量が少ないと高い摩擦低減効果が得られない。一方、その含有量が多すぎると含有量に見合った摩擦低減効果が得られない。
【0018】
本発明において使用される(b)成分の硫黄化合物添加剤としては種々の硫黄化合物が使用できる。
(b)成分の硫黄化合物添加剤の具体例としては、硫化油脂、硫化エステル、分子中に硫黄原子を3つ以上有する有機ポリサルファイド化合物、分子中に硫黄原子を3つ以上有するチアジアゾール化合物、ジチオカルバメート、炭素数が2〜18のアルキル基を有するジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸銅若しくはジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル、アルキル基の炭素数が3〜18であるテトラアルキルチウラムダイサルファイド、炭素数が2〜18のアルキル基を有するダイサルファイド、炭素数が6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を有するダイサルファイド、ジチオカルバミン酸エステル、硫化オレフィンなどを使用できる。
【0019】
硫化油脂としては、動植物油の硫化物である硫化油脂、例えば、硫化ラード、硫化ナタネ油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化魚油、硫化鯨油などが挙げられる。
硫化エステルとしては、炭素数8〜22の硫化脂肪酸の炭素数1〜12のアルキルエステル等が好ましく挙げられ、具体例としては、硫化オレイン酸アルキルエステルが挙げられ、例えば、硫化オレイン酸メチル、硫化オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
硫化油脂および硫化エステルの硫黄含有量は5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
分子中に硫黄原子を3つ以上有する有機ポリサルファイド化合物として、例えば、下記の一般式(3)
【化3】
R6−Sx−R7 (3)
(式中、R6及びR7は、それぞれ炭素数2〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基または炭素数7〜18のアリールアルキル基を示し、それらはお互いに同一でも異なっていてもよい。xは3〜10の整数で表される化合物である。)で表されるジアルキルポリサルファイドが挙げられる。
【0020】
一般式(3)におけるxは3〜9が好ましく、3〜7が特に好ましい。R6及びR7の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
分子中に3つ以上の硫黄原子を有するチアジアゾール化合物の具体例の1つとして、一般式(4)の1,3,4−チアジアゾール誘導体が挙げられる。
【0021】
【化4】
(式中、R8、R9は炭化水素基又は硫黄原子を含有する炭化水素基を表わす。)で表わされる。
炭化水素基としては、例えば、前記の炭化水素基が挙げられる。
硫黄を含有する炭化水素基としては、例えば、5−チアノニル基、2,5−ジチアノニル基、3,4−ジチアヘキシル基、4,5−ジチアヘキシル基、3,4,5−トリチアヘプチル基、3,4,5,6−テトラチアオクチル基、5−チア−2−ヘプテニル基、4−チアシクロヘキシル基、1,4−ジチアナフチル基、5−(メチルチオ)オクチル基、4−(エチルチオ)−2−ペンテニル基、4−(メチルチオ)シクロヘキシル基、4−メルカプトフェニル基、4−(メチルチオ)フェニル基、4−(ヘキシルチオ)ベンジル基、ステアリルジチオ基、ラウリルジチオ基、オクチルジチオ基、ステアリルチオ基、ラウリルチオ基、オクチルチオ基、N,N−ジアルキルジチオカルバモイル基等が挙げられるが、なかでも2〜4個の硫黄原子が連続した構造を含む基が特に好ましい。
ジチオカルバメートとしては、一般式(5)のジチオカルバメートが挙げられる。
【0022】
【化5】
〔式中、R10、R11、R12及びR13は炭素数1〜20のアルキル基、AはSn−(CH2)m −Sn(式中、mは1〜6の整数であり、nは1〜4の整数である)、又はS−CH2CH(CH3)−Sを示す。〕
上記一般式(5)のR10〜R13のアルキル基は、直鎖であってもよいし、分岐を有してもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等を挙げることができる。
【0023】
上記一般式(5)のジチオカルバメートの具体例としては、メチレンビス(ジメチルジチオカルバメ−ト)、メチレンビス(ジエチルジチオカルバメ−ト)、メチレンビス(ジブチルジチオカルバメ−ト)、ビス(ジメチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジエチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジアミルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジオクチルチオカルバモイル)ジスルフィド等が挙げられる。
本発明で用いるジチオカルバメートは、1種用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。ジチオカルバメートとしては、特に、一般式(5)において、mが1又は2のタイプのジチオカルバメートが摩擦低減効果持続性の点でより好ましい。その中でもメチレンビスジアルキルカルバメートがさらに好ましい。
【0024】
また、上記の硫黄化合物添加剤のうち、硫化油脂、硫化エステル、分子中に硫黄原子を3つ以上有する有機ポリサルファイド化合物、分子中に3つ以上の硫黄原子を有するチアジアゾール化合物を用いた場合には、特に摩擦低減効果の持続性に優れる。
上記の硫黄化合物添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硫黄化合物添加剤の含有量は硫黄量で200〜4000ppmであり、好ましくは400〜3000ppmである。硫黄化合物添加剤の含有量が200ppm未満だと長期に亘り十分な摩耗防止性能や摩擦低減効果が得られなくなり、硫黄化合物添加剤の含有量が4000ppmを超えると添加量に見合った効果が得られない。
【0025】
本発明においては、(c)成分として、油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機酸化合物、及び油溶性有機酸金属塩の中から選ばれる1種又は2種以上を用いる。
油溶性ホウ酸化合物としては、ホウ酸を有機化合物で誘導体化した種々の化合物が使用できる。好適な油溶性ホウ酸化合物としては、炭素数2〜20の炭化水素基を3つ有するホウ酸トリエステルが挙げられる。その具体例としては、炭素数2〜20の炭化水素基で誘導体化された炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜8のアルキル基を3つ有するホウ酸トリアルキル、炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜12のアリール基を3つ有するホウ酸トリアリール、炭素数7〜18、好ましくは炭素数7〜12のアルキルアリール基又はアリールアルキル基を3つ有するホウ酸トリアルキルアリール又はホウ酸トリアリールアルキルなどが挙げられる。炭素数2〜20の炭化水素の具体例としては、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基、ジメチルナフチル基などを挙げることができる。
これらの油溶性ホウ酸化合物のうち、好ましくはホウ酸トリアルキルであり、そのアルキル基がプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、又は2−エチルヘキシル基のものが特に好ましい。
【0026】
また、アミン、アミド、イミドなどの化合物とホウ酸を反応させて油溶性にしたものも用いることができる。例えば、エンジン油の分散剤として広く用いられているポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリアルケニルカルボン酸アミドなどにホウ酸を反応させたものも好適に用いることができる。この時、ポリアルケニル基の分子量は70〜50000程度のものが好ましく、600〜5000が特に好ましい。また、芳香族ボロン酸なども好適に使用することができる。
油溶性ホウ酸化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
油溶性チタン酸化合物としては、チタン酸を有機化合物で誘導体化した種々の化合物が使用できる。好適な油溶性チタン酸化合物としては、炭素数2〜20の炭化水素基で誘導体化されたオルトチタン酸テトラアルキルが挙げられる。その具体例としては、炭素数2〜20のアルキル基を4つ有するオルトチタン酸テトラアルキル、炭素数6〜18のアリール基を4つ有するオルトチタン酸テトラアリール、炭素数7〜18のアルキルアリール基又はアリールアルキル基を4つ有するオルトチタン酸テトラアルキルアリール又はチタン酸テトラアリールアルキルなどが挙げられる。炭素数2〜20の炭化水素の具体例としては、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基、ジメチルナフチル基などを挙げることができる。
これらの油溶性チタン酸化合物のうち、好ましくはオルトチタン酸テトラアルキルであり、そのアルキル基がプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、又は2−エチルヘキシル基のものが特に好ましい。
【0027】
また、アミン、アミド、イミドなどの化合物とチタン酸を反応させて油溶性にしたものも用いることができる。例えば、エンジン油の分散剤として広く用いられているポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリアルケニルカルボン酸アミドなどにチタン酸を反応させたものも好適に用いることができる。この時、ポリアルケニル基の分子量は70〜50000程度のものが好ましく、600〜5000が特に好ましい。また、芳香族チタン酸なども好適に使用することができる。
油溶性チタン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
油溶性有機酸化合物としては、油溶性有機スルホン酸化合物が挙げられる。油溶性有機スルホン酸化合物は、他の油溶性有機酸化合物と比較し、優れた摩擦低減効果の持続性を有している。
油溶性有機スルホン酸化合物は、油溶性脂肪族スルホン酸、油溶性芳香族スルホン酸のいずれでもよい。油溶性脂肪族スルホン酸は炭素数4〜40の脂肪族炭化水素基を有するもの、また、油溶性芳香族スルホン酸としては、炭素数4〜40の脂肪族炭化水素基で置換された芳香族炭化水素基を有するものが好適に用いられる。
脂肪族炭化水素基としては炭素数4〜40のアルキル基、特に、油溶性を付与するためには炭素数8以上のアルキル基が好ましく、炭素数8〜20のアルキル基が特に好ましい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、テトラキシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基等が挙げられる。
【0028】
また、芳香族炭化水素基としては単環または多環縮合環のいずれでもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等を例示することができる。
脂肪族スルホン酸および芳香族スルホン酸の具体例としては、脂肪族炭化水素基がアルキル基であり、その炭素数が8〜20のアルキルスルホン酸、モノアルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルベンゼンスルホン酸、モノアルキルナフタレンスルホン酸、ジアルキルナフタレンスルホン酸等を例示することができる。アルキルスルホン酸としては、例えば、オクチルスルホン酸、ノニルスルホン酸、デシルスルホン酸、ウンデシルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリデシルスルホン酸、テトラデシルスルホン酸、ペンタデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、へプタデシルスルホン酸、オクタデシルスルホン酸、ノナデシルスルホン酸、エイコシルスルホン酸等を挙げることができる。また、モノアルキルベンゼンスルホン酸およびジアルキルベンゼンスルホン酸としては、例えば、モノオクチルベンゼンスルホン酸、モノノニルベンゼンスルホン酸、モノデシルベンゼンスルホン酸、モノウンデシルベンゼンスルホン酸、モノドデシルベンゼンスルホン酸、モノトリデシルベンゼンスルホン酸、モノテトラデシルベンゼンスルホン酸、モノペンタデシルベンゼンスルホン酸、モノヘキサデシルベンゼンスルホン酸、モノヘプタデシルベンゼンスルホン酸、モノオクタデシルベンゼンスルホン酸、モノノナデシルベンゼンスルホン酸、モノエイコシルベンゼンスルホン酸、ジオクチルベンゼンスルホン酸、ジノニルベンゼンスルホン酸、ジデシルベンゼンスルホン酸、ジウンデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸ジトリデシルベンゼンスルホン酸、ジテトラデシルベンゼンスルホン酸、ジペンタデシルベンゼンスルホン酸、ジヘキサデシルベンゼンスルホン酸、ジへプタデシルベンゼンスルホン酸、ジオクタデシルベンゼンスルホン酸、ジノナデシルベンゼンスルホン酸、ジエイコシルベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。
【0029】
さらに、モノアルキルナフタレンスルホン酸およびジアルキルナフタレンスルホン酸としては、例えば、モノオクチルナフタレンスルホン酸、モノノニルナフタレンスルホン酸、モノデシルナフタレンスルホン酸、モノウンデシルナフタレンスルホン酸、モノドデシルベンゼンスルホン酸、モノトリデシルベンゼンスルホン酸、モノテトラデシルベンゼンスルホン酸、モノペンタデシルベンゼンスルホン酸、モノヘキサデシルベンゼンスルホン酸、モノヘプタデシルベンゼンスルホン酸、モノオクタデシルベンゼンスルホン酸、モノノニルデシルベンゼンスルホン酸、モノエイコシルベンゼンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジデシルナフタレンスルホン酸、ジウンデシルナフタレンスルホン酸、ジドデシルナフタレンスルホン酸、ジトリデシルナフタレンスルホン酸、ジテトラデシルナフタレンスルホン酸、ジペンタデシルナフタレンスルホン酸、ジヘキサデシルナフタレンスルホン酸、ジへプタデシルナフタレンスルホン酸、ジオクタデシルナフタレンスルホン酸、ジノナデシルナフタレンスルホン酸、ジエイコシルナフタレンスルホン酸等を挙げることができる。また、炭素数が互いに異なる二種以上のアルキル基で置換された芳香族スルホン酸も用いることができる。
【0030】
さらに、石油留分をスルホン化して得られるアルキルアリールスルホン酸を主成分とする石油スルホン酸も同様に用いることができる。
これらの有機スルホン酸のうち、アルキルベンゼンスルホン酸が好ましく、特にアルキル基が炭素数10〜16のものが好ましく、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
また、前記の脂肪族スルホン酸および芳香族スルホン酸は、1種でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、これらのスルホン酸はアミン、アミド、イミドなどの化合物と反応させたものも用いることができる。例えば、エンジン油の分散剤として広く用いられているポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリアルケニルカルボン酸アミドなどにスルホン酸を反応させたものも好適に用いることができる。この時、ポリアルケニル基の分子量は70〜50000程度のものが好ましく、600〜5000が特に好ましい。
【0031】
油溶性有機酸化合物の他の具体例としては、カルボン酸が挙げられる。カルボン酸は、R(COOH)n(式中、Rは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数である)で表されるモノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸などが挙げられる。カルボン酸は、飽和カルボン酸であってもよいし、不飽和カルボン酸であってもよい。
脂肪族カルボン酸としては、炭素数4〜30、特に10〜24のモノカルボン酸又はジカルボン酸が好ましく、具体的には、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸(エナント酸)、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、トリデカン酸(トリデシル酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸(ペンタデシル酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸(マルガリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸(ノナデシル酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)等のアルカン酸及びこれらの分岐アルカン酸、例えば、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルヘンデカン酸、2−メチルドデカン酸、2−メチルトリデカン酸、2−メチルテトラデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、2−プロピルデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、2−メチルオクタデカン酸等のモノカルボン酸、ヘキセン酸、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸(ペトロセリニン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸)、エイコセン酸、ドコセン酸(エルカ酸、ブラシジン酸)、オクタデカトリエニル酸(リノール酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸(ブラシリン酸)、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸(タブシン酸)、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸等のジカルボン酸を挙げることができる。
【0032】
芳香族カルボン酸は、芳香環にカルボキシル基を直結するカルボン酸のほか、側鎖にカルボキシル基を有するカルボン酸のいずれでも用いることができる。
芳香族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、その他のポリカルボン酸等のいずれでもよい。具体的に示すと、脂肪族炭化水素基で置換された安息香酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸等およびこれらの誘導体を挙げることができる。
これらのカルボン酸のうち、直鎖アルキル基を有するカルボン酸が好ましく、その炭素数は10〜24のものが好ましく、具体的には、オレイン酸、ステアリン酸などが挙げられる。
さらに、これらのカルボン酸はアミン、アミド、イミドなどの化合物と反応させたものも用いることができる。例えば、エンジン油の分散剤として広く用いられているポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリアルケニルカルボン酸アミドなどにスルホン酸を反応させたものも好適に用いることができる。この時、ポリアルケニル基の分子量は70〜50000程度のものが好ましく、600〜5000が特に好ましい。
油溶性有機酸化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
油溶性有機酸金属塩としては、スルホネート、フェネート、サリシレート、カルボキシレート、ナフテネート、ホスホネートなどを挙げることができる。スルホネートの具体例としては、アルキル基の炭素数が8〜20のモノアルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルベンゼンスルホン酸、モノアルキルナフタレンスルホン酸、ジアルキルナフタレンのスルホン酸のアルカリ土類金属塩やNa塩が挙げられる。スルホネートの全塩基価は20〜600mgKOH/g程度のものが好ましい。
フェネートは、芳香環に結合するアルキル基の数は1〜4が好ましく、アルキル基の炭素数が8〜20が好ましい。金属種としてはアルカリ土類金属が好適に用いられる。また、これらのフェネートは硫黄化合物との接触により硫化させたものでもよい。フェネートの全塩基価は30〜500mgKOH/g程度のものが好ましい。
【0034】
サリシレートは、炭素数4〜30の鎖状炭化水素基でフェノールをアルキル化し、次いでコルベ−シュミット反応でカルボキシル基を導入した後、複分解などにより金属塩としたものが使用される(イギリス特許第734,598号公報、イギリス特許第734,622号公報など参照)。鎖状炭化水素基としては、炭素数4〜30のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基等を挙げることができる。また、サリシレートは硫黄化合物との接触により硫化させたものでもよい。金属としてはアルカリ土類金属が好ましく、特にCa、Mgが好ましい。また、サリシレートは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。サリシレートの全塩基価は40〜400mgKOH/g程度のものが好ましい。
上記の油溶性有機酸金属塩のうち、アルカリ土類金属スルホネートが優れた摩擦低減効果の持続性を有している。また、アルカリ土類金属スルホネートの含有量を、油溶性有機酸金属塩としての硫酸灰分合計量のうち10〜50質量%にすることにより、さらに優れた摩擦低減効果の持続性が得られる。
油溶性有機酸金属塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
上記に示した(c)成分は、1種単独もしくは2種類以上混合して使用してもよい。
(c)成分は含有量が多過ぎると摩擦低減効果を損なう恐れがあるため、以下に示す含有量で存在させる。ホウ素化合物はホウ素量で20〜3000ppmであり、好ましくは20〜1500ppmであり、また、摩擦低減効果持続性の面で、より好ましくは20〜500ppmであり、さらに好ましくは40〜400ppmである。油溶性チタン酸化合物はチタン量で20〜3000ppmであり、好ましくは20〜1000ppmであり、また、摩擦低減効果持続性の面で、より好ましくは20〜500ppmであり、さらに好ましくは20〜250ppmである。油溶性有機酸化合物は含有量で0.03〜4質量%であり、好ましくは0.1〜4質量%であり、また、摩擦低減効果持続性の面で、より好ましくは0.1〜3質量%であり、さらに好ましくは0.2〜2質量%である。油溶性有機酸金属塩は硫酸灰分量で0.02〜1.2質量%であり、また、摩擦低減効果持続性の面で、より好ましくは0.02〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.7質量%である。
本発明のエンジン油組成物においては、(d)成分のジアルキルジチオリン酸亜鉛を少量含有してもよいし、実質的に含有しなくてもよい。ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(6)で表されるものが挙げられる。
【0036】
【化6】
(式中、R14、R15、R16及びR17は、炭化水素基である)
一般式(6)において、R14〜R17の炭化水素基は、セカンダリータイプ、プライマリータイプ等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、アリールタイプ等の芳香族炭化水素基などいずれの炭化水素基であってもよく、それらの混合物であってもよい。また、一般式(6)において、R14〜R17の炭化水素基は、セカンダリータイプ、プライマリータイプ、アリールタイプが混合して結合したものでもよい。これらの炭化水素基の炭素数は、2〜20の範囲が好ましく、2〜10の範囲がより好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
本発明のエンジン油組成物は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有させなくても優れた耐摩耗性、摩擦低減効果を得ることができるが、少量のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有させることにより、上記の性能をより一層向上することができる。
しかしながら、ジアルキルジチオリン酸亜鉛の増量により、摩擦低減効果が失われてしまうため、含有量はリン量で0.08質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.06質量%以下である。
【0038】
本発明においては、(e)成分のフェノール系酸化防止剤を含有させることが好ましい。(e)成分のフェノール系酸化防止剤の好ましい具体例としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどを挙げることができる。
(e)成分のフェノール系酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(e)成分の含有量は0.1〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.2〜2.5質量%である。
(e)成分の添加量は少なすぎるとより十分な摩擦低減効果の持続性が得られなくなり、また、多すぎると添加量に見合った摩擦低減効果の持続性が得られない。
【0039】
本発明においては、上記成分を鉱油系潤滑油基油もしくは合成系潤滑油基油又は両者の混合物からなる基油に配合する。
これらの基油の粘度は40℃動粘度で1〜250mm2/sであればよく、好ましくは10〜150mm2/sであり、特に好ましくは20〜120mm2/sである。また、粘度指数は、50〜200であればよく、好ましくは80〜150である。
鉱油系潤滑油基油としては、様々な製造法により得られたものが使用できるが、例えば、潤滑油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油、又はワックスの異性化により得られるワックス異性化油などの鉱油が挙げられる。例えば、60ニュートラル油、100ニュートラル油、150ニュートラル油、300ニュートラル油、500ニュートラル油、ブライトストックなどを挙げることができる。一方、合成系潤滑油基油としては、例えば、メタンなどの天然ガスを原料として合成されるイソパラフィン、ポリ−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、二塩基酸エステル、りん酸エステル、シリコーン油などを挙げることができる。これらの基油はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また鉱油系潤滑油基油と合成系潤滑油基油とを混合使用してもよい。本発明のエンジン油組成物において用いられる基油としては、100℃における動粘度が3〜20mm2/sの範囲にあるものが好適であり、なかでも、芳香族成分3重量%以下、硫黄分50ppm(重量比)以下及び窒素分50ppm(重量比)以下の水素化処理油及びワックス異性化油が特に好適である。
【0040】
合成系潤滑油基油の好適なものとしては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオールエステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類やポリブテンなどが挙げられる。
上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油はそれぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0041】
本発明のエンジン油組成物においては、上記した添加物の他に、必要に応じて各種公知の添加剤、例えば、分散剤、他の摩擦調整剤、他の摩耗防止剤、酸化防止剤、極圧剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、防錆剤、腐食防止剤などを適宜配合することができる。分散剤としては、例えば、コハク酸イミド系、コハク酸アミド系、ベンジルアミン系、エステル系及びこれらのホウ酸誘導体などを挙げることができる。これらの分散剤は、通常0.5〜9.0重量%の割合で配合される。
【0042】
他の摩擦調整剤としては、例えば、多価アルコール部分エステル、アミン、アミドなどを挙げることができる。他の摩耗防止剤としては、例えば、チオりん酸金属塩、硫黄化合物、りん酸エステル、亜りん酸エステル、酸性りん酸エステルやそのアミン塩などを挙げることができる。これらの摩耗防止剤は、通常0.05〜5.0重量%の割合で配合される。酸化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などを挙げることができる。これらの酸化防止剤は、通常0.05〜4.0重量%の割合で配合される。極圧剤としてはメチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などが挙げられる。粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン水添共重合体系あるいはポリイソブチレンなどを挙げることができる。これらの粘度指数向上剤は、通常0.5〜40重量%の割合で配合される。
【0043】
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどを挙げることができる。消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサンやポリアクリル酸などを挙げることができる。防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸部分エステル、脂肪酸セッケン、アルキルスルフォン酸塩、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレンエーテルなどを挙げることができる。腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールやベンゾイミダゾール、チアジアゾールなどを挙げることができる。
本発明においては、エンジン油組成物としての硫酸灰分の範囲は0.9質量%以下が好ましく、この範囲を超えると摩擦低減効果及びその持続性が損なわれる恐れがある。エンジン油組成物としての硫酸灰分の範囲は、より好ましくは0.8質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。
本発明のエンジン油組成物の調製方法は、基油、上記必須成分及び必要に応じて各種添加剤を適宜混合すればよく、その混合順序は特に限定されるものではなく、基油に必須成分を順次混合してもよく、必須成分を予め混合した後基油に混合してもよい。さらに、各種添加剤についても、予め基油に添加してもよく、必須成分に添加してもよい。
【0044】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何等限定されるものではない。
各実施例、各比較例のエンジン油組成物の調製に用いた基油、必須成分及び任意成分の添加剤の種類並びに各評価試験は次の通りである。
【0045】
▲1▼基油
40℃の動粘度が35mm2/sで、粘度指数125の鉱油を使用した。
▲2▼(a)成分 モリブデン酸アミン塩(以下、Mo酸アミン塩ともいう)
Mo酸の第2級アミン塩(一般式(2)において、x=1、y=2、z=0、n=2であり、R4及びR5がトリデシル基である。)を使用した。
比較のため、炭素数が8と13のアルキル基を持つモリブデンジチオカルバメート(以下、MoDTC1という)を使用した。
▲3▼(b)成分 硫黄化合物
硫黄化合物1として、メチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)を使用した。
硫黄化合物2として、硫化オレイン酸メチルを使用した。分子中の硫黄量は19質量%である。
硫黄化合物3として、2,5−ビス(第3オクチルジチオ)1,3,4−チアジアゾールを使用した。分子中の硫黄量は36質量%である。
硫黄化合物4として、ジ−tert−ドデシルポリサルファイドを使用した。分子中の硫黄量は39質量%である。
硫黄化合物5として、硫化脂肪酸を使用した。分子中の硫黄量は12質量%である。脂肪酸の炭素数は16〜22の混合物を使用した。
硫黄化合物6として、下記構造式の硫化オレフィンを使用した。分子中の硫黄量は46質量%である。
【0046】
【化7】
▲4▼(c)成分 油溶性有機酸金属塩、油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機スルホン酸
油溶性有機酸金属塩1として、塩基価170mgKOH/gのカルシウムサリシレートを使用した。塩基価は、JIS−K−2501−6により測定した値である。硫酸灰分はJIS K2272により測定した。
油溶性有機酸金属塩2として、塩基価61mgKOH/gのカルシウムサリシレートを使用した。塩基価は、JIS−K−2501−6により測定した値である。硫酸灰分はJIS K2272により測定した。
油溶性有機酸金属塩3として、塩基価297mgKOH/gのカルシウムスルホネートを使用した。塩基価は、JIS−K−2501−6により測定した値である。
油溶性ホウ酸化合物1としてホウ酸トリイソプロピルを使用した。
油溶性ホウ酸化合物2としてポリブテニル基の分子量が950のポリブテニルコハク酸イミドの鉱油希釈品とホウ酸を反応させたものを使用した。反応後、窒素量は0.8質量%、ホウ素量は0.3質量%であった。
油溶性チタン酸化合物はオルトチタン酸テトライソプロピルを使用した。
油溶性有機スルホン酸化合物としてドデシルベンゼンスルホン酸を使用した。
【0047】
▲5▼(d)成分 ZnDTP
ZnDTP1として分子中にセカンダリータイプとプライマリタイプのアルキル基が混在するZnDTPを使用した。アルキル基の炭素数は3〜6である。
ZnDTP2としてプライマリタイプでアルキル基の炭素数が8であるZnDTPを使用した。
▲6▼(e)成分 フェノール系酸化防止剤
イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを使用した。
【0048】
[評価試験]
(1)摩擦低減効果の評価試験
エンジン油組成物を用いて、SRV試験(往復動すべり摩擦試験)による摩擦係数を評価した。
SRV試験は振動数50Hz、振幅1.0mm、荷重400N、温度80℃、試験時間30分とした。30min経過時の摩擦係数により評価した。試験片のシリンダ、ディスクは材質SUJ−2のものを使用した。
(2)摩擦低減効果持続性の評価試験
200mlのベッセルに、エンジン油組成物を40ml入れ、銅触媒(縦26mm×横10mm×厚さ0.2mm)及び鉄触媒(縦26mm×横20mm×厚さ0.2mm)、ガソリン重質留分2vol%を添加し、140℃で、混合ガス(N2:99.2質量%、NO:0.8質量%)5.7リットル/Hrと、加湿空気15リットル/Hrとをエンジン油組成物に吹き込み、オイルを劣化させた。ガソリン重質留分とはガソリン中の沸点150℃以上の留分を指す。ここから20時間経過した時点から2時間毎に0.1mlずつサンプリングする。このエンジン油組成物の摩擦係数をSRV試験にて測定する。試験条件は振動数50Hz、振幅1.0mm、荷重400N、温度80℃、試験時間30分とした。試験片のシリンダ、ディスクは材質SUJ−2のものを使用した。SRV試験終了時の摩擦係数が0.08を超えるまでを摩擦低減効果の持続時間として評価する。例えば、32時間後にサンプリングしたエンジン油組成物がはじめて摩擦係数0.08を超えた場合、摩擦低減効果の持続時間は32時間となる。本試験での摩擦低減効果の持続時間が長いほど、摩擦低減効果の持続性に優れている。
【0049】
(実施例1〜10)
前記の基油に、(a)成分のモリブデン酸アミン塩、(b)成分の硫黄化合物、(c)成分、(d)成分のZnDTPを表1及び表2の上段に示す割合(質量%)で配合し、エンジン油組成物を調製した。得られたエンジン油組成物についてSRV試験により摩擦係数を測定し、評価結果を表1及び表2の下段に示した。
なお、表中バランスとは、エンジン油組成物に配合されている各成分の合計量が100質量%になるように、基油の量を選定する意味である。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
(比較例1〜7)
前記の基油に、(a)成分のモリブデン酸アミン塩、(b)成分の硫黄化合物、(c)成分、(d)成分のZnDTPを表3の上段に示す割合(質量%)で配合し、エンジン油組成物を調製した。得られたエンジン油組成物についてSRV試験により摩擦係数を測定し、評価結果を表3の下段に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
(実施例11〜27)
前記の基油に、(a)成分のモリブデン酸アミン塩、(b)成分の硫黄化合物、(c)成分、(d)成分のZnDTP及び(e)成分のフェノール系酸化防止剤を表4〜表7の上段に示す割合(質量%)で配合し、エンジン油組成物を調製した。得られたエンジン油組成物についてSRV試験により摩擦係数を測定し、評価結果を表4〜表7の下段に示した。
なお、表中バランスとは、エンジン油組成物に配合されている各成分の合計量が100質量%になるように、基油の量を選定する意味である。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
(比較例8〜16)
前記の基油に、(a)成分のモリブデン酸アミン塩、(b)成分の硫黄化合物、(c)成分、(d)成分のZnDTP、(e)成分のフェノール系酸化防止剤を表8及び表9の上段に示す割合(質量%)で配合し、エンジン油組成物を調製した。得られたエンジン油組成物についてSRV試験により摩擦係数を測定し、評価結果を表8及び表9の下段に示した。
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
[評価試験結果]
実施例1〜10の本発明によるエンジン油組成物はいずれも摩擦低減効果に非常に優れている。これに対して、比較例1〜2のようにS原子を含まないモリブデン化合物と硫黄化合物を含有するが、(c)成分を含有しないものではSRVによる評価試験では摩擦低減効果が十分に得られなかった。また、(a)成分、(b)成分、(c)成分を添加しても、ZnDTPの含有量が多くなると十分な摩擦低減効果が得られない。また、比較例6のように油溶性有機酸金属塩を多量に添加した場合についても十分な摩擦低減効果が得られない。さらに、実施例6〜10と比較例5〜7から分かるように、P量で0.05質量%といった少量のZnDTPや硫酸灰分量0.4質量%といった少量の油溶性有機酸金属塩により、高い摩擦低減効果が得られる。自動車に装着される排ガス浄化システムはエンジン油に含まれるリンにより排気ガス浄化性能が低下する恐れがあるので、本発明による潤滑油組成物は排ガス浄化システム保護の観点からも非常に好ましい。
【0063】
本発明による実施例11〜27のエンジン油組成物は、いずれも摩擦低減効果の持続性に非常に優れている。これに対して、実施例28のように、硫黄化合物として摩擦低減効果の持続性に優れる化合物を用いない場合には、良好な持続性の効果を得られない。
また、比較例8〜9のように、S原子を含まないモリブデン化合物と硫黄化合物を含有するが、(c)成分を含有しないものでは十分な摩擦低減効果の持続性が得られなかった。また、(a)成分、(b)成分、(c)成分を添加しても、比較例10〜13のようにZnDTPの添加量が多くなると十分な摩擦低減効果の持続性が得られない。また、比較例14のように油溶性有機酸金属塩を多量に添加した場合についても十分な摩擦低減効果が得られない。
さらに、実施例25〜27と比較例15、16から分かるように、P量で0.02質量%といった少量のZnDTP、硫酸灰分量0.4質量%といった少量の油溶性有機酸金属塩、フェノール系酸化防止剤を含有することにより、低い硫黄含有量でありながら非常に優れた摩擦低減効果の持続性が得られる。この点はエンジンに装着される排ガス浄化装置保護の観点からも非常に好ましい。
【0064】
【発明の効果】
本発明によるエンジン油組成物は摩擦低減効果に優れており、実用上極めて有効である。
Claims (8)
- 鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(a)油溶性で硫黄原子を含まない有機モリブデン化合物をMo量で150〜3000ppm、(b)硫黄化合物添加剤を硫黄量で200〜4000ppm、及び(c)油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、油溶性有機酸化合物、及び油溶性有機酸金属塩の中から選ばれる1種又は2種以上を含有しており、(c)成分の含有割合を油溶性ホウ酸化合物はホウ素量で20〜3000ppm、油溶性チタン酸化合物はチタン量で20〜3000ppm、油溶性有機酸化合物は含有量で0.03〜4質量%、油溶性有機酸金属塩は硫酸灰分量で0.02〜1.2質量%の範囲にし、必要に応じて(d)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量で0.08質量%以下含有していることを特徴とするエンジン油組成物。
- (b)成分である硫黄化合物添加剤が、硫化油脂、硫化エステル、分子中に硫黄原子を3つ以上有する有機ポリサルファイド化合物、及び分子中に硫黄原子を3つ以上有するチアジアゾール化合物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のエンジン油組成物。
- エンジン油組成物全体の硫酸灰分量が0.9質量%以下である請求項1又は2に記載のエンジン油組成物。
- さらに、(e)フェノール系酸化防止剤を0.1〜3.0質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン油組成物。
- (c)成分である油溶性有機酸化合物が、油溶性有機スルホン酸化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のエンジン油組成物。
- (c)成分が、油溶性有機酸金属塩を必須成分とし、さらに必要に応じて油溶性ホウ酸化合物、油溶性チタン酸化合物、及び油溶性有機酸化合物の中から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジン油組成物。
- (c)成分である油溶性有機酸金属塩による硫酸灰分量が0.02〜0.8質量%である請求項1〜6のいずれかに記載のエンジン油組成物。
- (c)成分である油溶性有機酸金属塩が、アルカリ土類金属スルホネートを必須とし、該アルカリ土類金属スルホネートの含有量が、油溶性有機酸金属塩としての硫酸灰分合計量のうち10〜50質量%である請求項1〜7のいずれかに記載のエンジン油組成物。
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