JP2013224403A - アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 - Google Patents

アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013224403A
JP2013224403A JP2013006613A JP2013006613A JP2013224403A JP 2013224403 A JP2013224403 A JP 2013224403A JP 2013006613 A JP2013006613 A JP 2013006613A JP 2013006613 A JP2013006613 A JP 2013006613A JP 2013224403 A JP2013224403 A JP 2013224403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
group
sulfur
lubricating oil
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013006613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6247820B2 (ja
Inventor
Junya Iwasaki
純弥 岩崎
Yasunori Shimizu
保典 清水
Yoriyuki Takashima
頼由 高嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013006613A priority Critical patent/JP6247820B2/ja
Priority to US14/385,874 priority patent/US9790450B2/en
Priority to EP13764396.1A priority patent/EP2829592B1/en
Priority to PCT/JP2013/056776 priority patent/WO2013141077A1/ja
Priority to CN201380014986.1A priority patent/CN104204164A/zh
Priority to KR1020147025903A priority patent/KR20140135205A/ko
Publication of JP2013224403A publication Critical patent/JP2013224403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6247820B2 publication Critical patent/JP6247820B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、該摺動部に対する耐摩耗性が優れるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物であって、アルミ合金に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及びそれを用いた潤滑方法を提供すること。
【解決手段】基油と、コハク酸イミド化合物と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物とを含み、組成物全量基準での硫黄含有量が0.10質量%以上1.00質量%以下であり、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%以上0.6質量%以下であるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物である。
Figure 2013224403


(式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基およびアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0以上5以下の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及びそれを用いた潤滑方法に関する。さらに詳しくは、特にガソリンエンジン、ディーゼルエンジン及びガスエンジン等の内燃機関に有用なアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法に関する。
近年、環境負荷低減を目的とし、自動車業界では排出ガスへの厳しい規制が次々と導入され、排出ガスの後処理装置の開発が行われている。排出ガスには,地球温暖化物質である二酸化炭素(CO2)以外にも、有害物質である粒子状物質(PM)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等が含まれており、中でもPMやNOxの規制値は非常に厳しくなっている。これらの排出量削減策として,ガソリン車輌では三元触媒が装着され,ディーゼル車輌ではディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)が装着されている。これにより、排出ガスをクリーンにして、大気中に放出している。
一方、エンジン油中のリン分が三元触媒の活性点を被毒し、触媒機能を低下させること、また金属成分由来の灰分がDPFに堆積し寿命を短くすること等が報告されている。現在、エンジン油の規格であるILSAC規格やJASO規格にてリン量や灰分の上限値が制定され、これらを減量したエンジン油の開発が進められている。
また近年、燃費向上の観点から、エンジンやミッション部品の非鉄化による軽量化が進められている。中でもアルミニウム合金、特に、Al−Si合金が多く採用されているが、耐摩耗剤には、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)等のFeに対しての被膜形成が主反応の添加剤を使用しているため、Al−Si合金等のアルミ材への耐摩耗性の低下が懸念されている。
そのため、アルミ材に対して良好な耐摩耗剤の研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特表2010−528155号公報
しかし、これらの従来の耐摩耗剤は、いずれも、リン分を多量に含むZnDTPと併用しなければ十分な効果が得られないものであり、排ガス後処理装置への悪影響が拭い去られていない状況にあった。したがって、さらにリン分を減少し、若しくはリン分を含まなくとも、アルミ材に対して優れた耐摩耗性を有するエンジン用潤滑油組成物の出現が切望されていた。
本発明は、このような状況下で、摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、該摺動部に対する耐摩耗性が優れるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物であって、アルミ合金に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及びそれを用いた潤滑方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コハク酸イミド化合物と、特定の含硫黄複素環化合物とを併用することにより上記目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
〔1〕 基油と、コハク酸イミド化合物と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物とを含み、
組成物全量基準での硫黄含有量が0.10質量%以上1.00質量%以下であり、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%以上0.6質量%以下であるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物、
Figure 2013224403
(式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基およびアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0以上5以下の整数である。)
〔2〕 前記コハク酸イミド化合物由来の窒素含有量が、組成物全量基準で0.08質量%以上0.40質量%以下である〔1〕に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物、
〔3〕 前記コハク酸イミド化合物がそのホウ素誘導体を含む〔2〕に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物、
〔4〕 前記一般式(I)において、m及びnが共に0となることはない〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
〔5〕 前記一般式(I)において、含硫黄複素環が、チアジアゾール環である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
〔6〕 前記チアジアゾール環が1,3,4−チアジアゾール環であり、該1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に硫黄原子が結合している〔5〕に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物、
〔7〕 前記1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に、それぞれ硫黄原子が1つずつ結合している〔6〕に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物、
〔8〕 摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、該摺動部に〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物を使用することを特徴とするアルミ合金製エンジンの潤滑方法、
を提供するものである。
本発明によれば、摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、該摺動部に対する耐摩耗性が優れるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物であって、アルミ合金に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及びそれを用いた潤滑方法が提供される。
本発明のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物(以下、単に「潤滑油組成物」と称する場合がある)は、基油と、コハク酸イミド化合物と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物とを含み、組成物全量基準での硫黄含有量が0.10質量%以上1.00質量%以下であり、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%以上0.6質量%以下であることを特徴とする。
Figure 2013224403
上記式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基およびアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0以上5以下の整数である。
以下、上記各要件について説明する。
〔基油〕
本発明において用いる基油としては、特に制限はなく、従来、潤滑油の基油として使用されている鉱油や合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
前記鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックスや、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。
一方、前記合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン[α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)など]、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなど)、各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど)、ポリグリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。これらの合成油のうち、特にポリオレフィン、ポリオールエステルが好ましい。
本発明においては、基油として、前記鉱油は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記合成油を一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。更には、鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
基油の粘度については特に制限はないが、100℃における動粘度が、1.5mm2/s以上50mm2/s以下であることが好ましく、より好ましくは3mm2/s以上30mm2/s以下、さらに好ましくは3mm2/s以上15mm2/s以下である。
100℃における動粘度が1.5mm2/s以上であると蒸発損失が少なく、また50mm2/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が得られる。
また、基油としては、環分析による%CAが3.0以下で硫黄分の含有量が50質量ppm以下のものが好ましく用いられる。ここで、環分析による%CAとは、環分析n−d−M法にて算出した芳香族分の割合(百分率)を示す。また、硫黄分はJIS K 2541に準拠して測定した値である。
%CAが3.0以下で、硫黄分が50質量ppm以下の基油は、良好な酸化安定性を有し、酸価の上昇やスラッジの生成を抑制しうる潤滑油組成物を提供することができる。より好ましい%CAは1.0以下、さらには0.5以下であり、またより好ましい硫黄分は30質量ppm以下である。
さらに、基油の粘度指数は、70以上が好ましく、より好ましくは90以上、さらに好ましくは100以上である。この粘度指数が70以上の基油は、温度の変化による粘度変化が小さい。
〔コハク酸イミド化合物〕
本発明におけるコハク酸イミド化合物としては、例えば、下記一般式(II)で表されるモノタイプのコハク酸イミド化合物、又は下記一般式(III)で表されるビスタイプのコハク酸イミド化合物が挙げられる。
Figure 2013224403
上記一般式(II)、(III)において、R3、R5及びR8は、それぞれ、数平均分子量が500以上4,000以下のアルケニル基もしくはアルキル基で、R5及びR8は同一でも異なっていてもよい。R3、R5及びR8の数平均分子量は、好ましくは1,000以上4,000以下である。
上記R3、R5及びR8の数平均分子量が500以上であれば、基油への溶解性が良好であり、4,000以下であれば分散性が低下するおそれがない。
また、R4、R6及びR7は、それぞれ、炭素数2〜5のアルキレン基で、R6及びR7は同一でも異なっていてもよく、rは1以上10以下の整数を示し、sは0又は1以上10以下の整数を示す。また、上記rは、好ましくは2以上5以下、より好ましくは3以上4以下である。rが1以上であると、分散性が良好であり、rが10以下であると、基油に対する溶解性も良好である。
さらに一般式(III)において、sは好ましくは1以上4以下、より好ましくは2以上3以下である。sが上記範囲内であれば、分散性及び基油に対する溶解性の点で好ましい。
前記アルケニル基としては、ポリブテニル基、ポリイソブテニル基、エチレン−プロピレン共重合体を挙げることができ、アルキル基としてはこれらを水添したものである。好適なアルケニル基の代表例としては、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基が挙げられる。該ポリブテニル基は、1−ブテンとイソブテンの混合物あるいは高純度のイソブテンを重合させたものとして得られる。また、好適なアルキル基の代表例は、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基を水添したものである。
コハク酸イミド化合物としては、ポリブテニルコハク酸イミド等のアルケニルコハク酸イミド化合物や、アルキルコハク酸イミド化合物が好ましく用いられる。
上記アルケニルコハク酸イミド化合物若しくはアルキルコハク酸イミド化合物は、通常、ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物、又はそれを水添して得られるアルキルコハク酸無水物を、ポリアミンと反応させることによって製造することができる。また、前記モノタイプのコハク酸イミド化合物及びビスタイプのコハク酸イミド化合物は、上記アルケニルコハク酸無水物若しくはアルキルコハク酸無水物とポリアミンとの反応比率を変えることによって製造することができる。
前記ポリオレフィンを形成するオレフィン単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの一種又は二種以上を混合して用いることができるが、イソブテンと1−ブテンとの混合物を好適に用いることができる。
また、前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、ペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン;アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体;などを挙げることができる。
また、コハク酸イミド化合物としては、前記アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミド化合物の他に、そのホウ素誘導体及び/又はこれらを有機酸で変性したものを用いてもよい。
アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミド化合物のホウ素誘導体は、常法により製造したものを使用することができる。例えば、前記ポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてアルケニルコハク酸無水物とした後、更に上記のポリアミンと酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、ホウ素酸のアンモニウム塩等のホウ素化合物を反応させて得られる中間体と反応させてイミド化させることによって得られる。
このホウ素誘導体中のホウ素含有量には、特に制限はないが、ホウ素として、通常、0.05質量%以上5質量%以下、好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。
また、前記コハク酸イミド化合物の配合量は、該コハク酸イミド化合物由来の窒素含有量として潤滑油組成物全量基準で、0.08質量%以上0.40質量%以下であることが好ましい。窒素含有量が上記範囲にあると、潤滑油組成物の高温清浄性が十分に改善し、また低温流動性も大幅に改善する。上記窒素含有量は、0.08質量%以上0.35質量%以下であることがより好ましい。
さらに、前記コハク酸イミド化合物がそのホウ素誘導体を含む場合には、該ホウ素誘導体由来のホウ素含有量が、組成物全量基準で0.020質量%以上0.3質量%以下であることが好ましい。ホウ素含有量がこの範囲にあると、良好な清浄性、分散性を得ることができる。上記ホウ素含有量は、0.025質量%以上0.25質量%以下であることがより好ましい。
またこの場合、前記窒素含有量に対する上記ホウ素含有量の質量比(B/N)は、0.07以上1.0以下であることが好ましく、0.09以上0.95以下であることがより好ましい。
〔含硫黄複素環化合物〕
本発明における含硫黄複素環化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 2013224403
上記式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基およびアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0以上5以下の整数である。
また、前記一般式(I)において、m及びnが共に0とならない、すなわち、前記含硫黄複素環の少なくとも片側に、1以上の硫黄原子が結合していることが、耐摩耗性向上の観点から好ましい。さらにこの硫黄原子は、含硫黄複素環の両側に結合していることがより好ましい。
前記含硫黄複素環としては、例えば、各々置換もしくは非置換の、ベンゾチオフェン環、ナフトチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チエノチオフェン環、ジチエノベンゼン環、チアゾール環、チオフェン環、チアゾリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ナフトイソチアゾール環、チアジアゾール環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、ジチアナフタレン環、チアントレン環、チオキサンテン環、ビチオフェン環等を挙げることができる。
これらの中では、チアジアゾール環が耐摩耗性向上の観点から好ましく用いられる。
また、上記チアジアゾール環としては、1,3,4−チアジアゾール環がより好ましく、さらに、本発明における含硫黄複素環化合物としては、該1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に硫黄原子が結合している構造を含むことが、耐摩耗性向上の観点からより好ましい。
さらに、上記1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に、それぞれ硫黄原子が1つずつ結合している構造を含むことが、耐摩耗性向上の観点から特に好ましい。
前記一般式(I)においてR1及びR2で表されるアルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、例えばn−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基および各種イコシル基等が挙げられる。また、アルキル基は芳香族基で置換されていてもよく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
1及びR2で表されるシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜24のシクロアルキル基がより好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基およびジエチルシクロヘキシル基等が挙げられる。また、シクロアルキル基は芳香族基で置換されていてもよく、例えばフェニルシクロペンチル基、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
1及びR2で表されるアルケニル基は、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜24のアルケニル基がより好ましい。アルケニル基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、ノネニル基、デセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。また、アルケニル基は芳香族基で置換されていてもよい。
1及びR2で表されるシクロアルケニル基は、炭素数3〜30のシクロアルケニル基が好ましく、炭素数3〜24のシクロアルケニル基がより好ましい。シクロアルケニル基の具体例としては、シクロブテニル基、メチルシクロブテニル基等が挙げられる。また、シクロアルケニル基は芳香族基で置換されていてもよい。
1及びR2で表されるアリール基は、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜24のアリール基がより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等が挙げられる。
一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物としては、例えば以下の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013224403
Figure 2013224403
Figure 2013224403
Figure 2013224403
Figure 2013224403
Figure 2013224403
さらに、上記以外に、一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物として、例えば2−(2−エチルヘキシルチオ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルチオ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルチオ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルチオ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルチオ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルチオ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(2−エチルヘキシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(t−ノリルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、
2−(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルジチオ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルジチオ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルジチオ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(2−エチルヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(t−ノリルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、
2−(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルアミノ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルアミノ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルアミノ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−(2−エチルヘキシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−(t−ノリルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、
2−(2−エチルヘキシル)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシル)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニル)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチル−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシル)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシル)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシル)チオフェン、2−(2−エチルヘキシル)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)−1,3,4−チアジアゾール、2−(2−エチルヘキシル)−1,3,4−チアジアゾール、2−(t−ノリル)−1,3,4−チアジアゾールなどが挙げられる。
また、本発明の潤滑油組成物において、硫黄含有量は組成物全量基準で0.10質量%以上1.00質量%以下である。硫黄含有量が0.10質量%未満では十分な耐摩耗性が得られず、1.00質量%を越えると、腐食が生ずるおそれがある。硫黄含有量は組成物全量基準で0.12質量%以上0.90質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上0.85質量%以下であることがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、組成物全量基準でリンの含有量が0.03質量%未満である。上記組成物中のリンの含有量が0.03質量%未満であれば、三元触媒の活性点の被毒作用が抑制され、触媒寿命を延長させることができる。従って、リンの含有量は、0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。
リンの含有量は、リン系耐摩耗剤の配合量によって調整すればよい。代表的なリン系耐摩耗剤としては、リン酸エステル系、チオリン酸エステル系のものが挙げられるが、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩等が好ましく、本発明においては、特に、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が好ましい。
一方、本発明の潤滑油組成物においては、硫酸灰分量が0.3質量%以上0.6質量%以下である。上記組成物中の硫酸灰分量が0.3質量%以上であれば、内燃機関用潤滑油として要求される清浄性が高められ、0.6質量%以下であれば、金属成分由来の灰分がDPFに堆積することが抑制され、その寿命を延長させることができる。従って、組成物中の硫酸灰分量は、0.3質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましい。
なお上記硫酸灰分量は、後述する金属系清浄剤の配合量を適宜選択することにより調整すればよい。
本発明の潤滑油組成物においては、その効果を阻害しない範囲において従来公知の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、酸化防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、防錆剤、及び消泡剤等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、リンを含まない酸化防止剤が好ましく、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、モリブデンアミン錯体系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
また、前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系;及びα−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、更にはブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン;などが挙げられる。
これらの中で、ジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが好適である。
前記モリブデンアミン錯体系酸化防止剤としては、6価のモリブデン化合物、具体的には三酸化モリブデン及び/又はモリブデン酸とアミン化合物とを反応させてなるもの、例えば、特開2003−252887号公報に記載の製造方法で得られる化合物を用いることができる。
前記6価のモリブデン化合物と反応させるアミン化合物としては特に制限されないが、具体的には、モノアミン、ジアミン、ポリアミン及びアルカノールアミンが挙げられる。より具体的には、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。
また、特公平3−22438号公報及び特開2004−2866号公報に記載されているコハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体等が例示でき、具体的には、以下の工程(m)および(n)により製造することができる。
(m)酸性モリブデン化合物又はその塩と、コハク酸イミド、カルボン酸アミド、炭化水素モノアミン、炭化水素ポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホン酸アミド、チオホスホン酸アミド、リン酸アミド、分散剤型粘度指数向上剤およびそれらの混合物からなる群より選ばれた塩基性窒素化合物とを、反応温度を約120℃以下に維持して反応させてモリブデン錯体を形成する工程。
(n)(m)の工程の生成物を少なくとも一回のストリッピング又は硫化工程または両工程にかける。ただし、モリブデン錯体をイソオクタンで希釈して、希釈したモリブデン錯体1g当りモリブデン0.00025gの一定モリブデン濃度として、UV−可視分光光度計で光路長1センチメートルの石英セルで測定したときに、波長350ナノメータにおける吸光度が0.7未満であるモリブデン錯体を与えるのに充分な時間をかけ、かつストリッピング又は硫化工程における反応混合物の温度を約120℃以下に維持する工程。
また、このモリブデン錯体は、以下の工程(o)、(p)および(q)によっても製造することができる。
(o)酸性モリブデン化合物又はその塩と、コハク酸イミド、カルボン酸アミド、炭化水素モノアミン、炭化水素ポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホン酸アミド、チオホスホン酸アミド、リン酸アミド、分散剤型粘度指数向上剤およびそれらの混合物からなる群より選ばれた塩基性窒素化合物とを、反応温度を約120℃以下に維持して反応させてモリブデン錯体を形成する工程。
(p)(o)の工程の生成物を約120℃以下の温度でストリッピングする工程。
(q)得られた生成物を約120℃以下の温度で、硫黄とモリブデンのモル比が約1:1かそれ以下で、そしてモリブデン錯体をイソオクタンで希釈して希釈したモリブデン錯体1g当りモリブデン0.00025gの一定モリブデン濃度にして、UV−可視分光光度計で光路長1センチメートルの石英セルで測定したときに、波長350ナノメータにおける吸光度が0.7未満であるモリブデン錯体を与えるのに充分な時間をかけて、硫化する工程。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えばフェノチアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイド、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
このような酸化防止剤の中でも、金属分や硫黄分を低減する観点から、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤が好ましい。また、前記酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。中でも、酸化安定性の効果の観点から、フェノール系酸化防止剤一種又は二種以上とアミン系酸化防止剤一種又は二種以上との混合物が好ましい。
酸化防止剤の配合量は、組成物全量基準で、通常0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がより好ましい。また、モリブデン錯体の配合量は、組成物全量基準でモリブデン量換算により、10質量ppm以上1000質量ppm以下が好ましく、30質量ppm以上800質量ppm以下がより好ましく、50質量ppm以上500質量ppm以下がさらに好ましい。
前記金属系清浄剤としては、潤滑油に用いられる任意のアルカリ土類金属系清浄剤が使用可能であり、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレート及びこれらの中から選ばれる二種類以上の混合物等が挙げられる。
上記アルカリ土類金属スルホネートとしては、分子量300以上1,500以下、好ましくは400以上700以下のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
前記アルカリ土類金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が特に好ましく用いられる。
前記アルカリ土類金属サリシレートとしては、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
前記アルカリ土類金属系清浄剤を構成するアルキル基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは6〜18のアルキル基であり、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。
これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
また、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートとしては、前記のアルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を、直接マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートだけでなく、中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルホネート、塩基性アルカリ土類金属フェネート及び塩基性アルカリ土類金属サリシレートや、炭酸ガスの存在下で中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートをアルカリ土類金属の炭酸塩又はホウ酸塩を反応させることにより得られる過塩基性アルカリ土類金属スルホネート、過塩基性アルカリ土類金属フェネート及び過塩基性アルカリ土類金属サリシレートも含まれる。
本発明において用いる金属系清浄剤としては、組成物中の硫黄分を低減する目的から、アルカリ土類金属サリシレートやアルカリ土類金属フェネートが好ましく、中でも過塩基性サリシレートや過塩基性フェネートが好ましく、特に過塩基性カルシウムサリシレートが好ましい。
本発明において用いる金属系清浄剤の全塩基価は、10mgKOH/g以上500mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であり、これらの中から選ばれる一種又は二種以上併用することができる。
なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される電位差滴定法(塩基価・過塩素酸法)による全塩基価を意味する。
また、本発明において用いる金属系清浄剤としては、その金属比に特に制限はなく、通常20以下のものを一種又は二種以上混合して使用できるが、好ましくは、金属比が3以下、より好ましく1.5以下、特に好ましくは1.2以下の金属系清浄剤を用いることが、酸化安定性や塩基価維持性及び高温清浄性等により優れるため特に好ましい。
なお、ここでいう金属比とは、金属系清浄剤における金属元素の価数×金属元素含有量(モル%)/せっけん基含有量(モル%)で表され、金属元素とはカルシウム、マグネシウム等、せっけん基とは、スルホン酸基、フェノール基及びサリチル酸基等を意味する。
前記金属系清浄剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
配合量が0.01質量%以上であると、高温清浄性や酸化安定性、塩基価維持性などの性能が得られやすくなる。一方、20質量%以下であれば、通常その添加量に見合った効果が得られるが、当該金属系清浄剤の配合量の上限については、上記の範囲に関わらず、配合量を可能な限り低くすることが肝要である。それによって、潤滑油組成物の金属分、すなわち硫酸灰分を少なくして、自動車の排出ガス浄化装置の劣化を防止することができる。
また、金属系清浄剤は、上記の規定量を含有する限り、単独又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、前記金属系清浄剤の中では過塩基性カルシウムサリシレートまたは過塩基性カルシウムフェネートが、前記無灰系分散剤の中では前記ポリブテニルコハク酸ビスイミドが特に好ましい。なお、上記過塩基性カルシウムサリシレート及び過塩基性カルシウムフェネートの全塩基価は100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がより好ましい。
前記粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など)などが挙げられる。
粘度指数向上剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
前記流動点降下剤としては、例えば、質量平均分子量が5,000以上50,000以下程度のポリメタクリレートなどが挙げられる。
流動点降下剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
前記金属不活性化剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
金属不活性化剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、0.01質量%以上3質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上1質量%以下である。
前記防錆剤としては、例えば石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
これら防錆剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である。
前記消泡剤としては、例えばシリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられ、配合量は、消泡効果及び経済性のバランスなどの点から、潤滑油組成物全量基準で、0.005質量%以上0.5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上0.2質量%以下である。
本発明の潤滑油組成物においては、さらに必要に応じて摩擦調整剤、耐摩耗剤、極圧剤を配合してもよい。なおこの摩擦調整剤は、本発明の必須成分である極性基含有化合物以外の化合物のことを指す。摩擦調整剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上1質量%以下である。
前記耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカーボネート類、チオカーバメート類、ポリサルファイド類等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等の硫黄及びリン含有耐摩耗剤;などが挙げられる。
耐摩耗剤又は極圧剤を配合する場合、その配合量は、耐摩耗剤又は極圧剤を配合することによる潤滑油中のリン分や金属分の含有量が過大にならないように留意する必要がある。
本発明の潤滑油組成物は、上記の組成からなるものであるが、その性状として以下を満たすものである。
(1)硫酸灰分(JIS K2272)が、0.3質量%以上0.6質量%以下、好ましくは0.3質量%以上0.5質量%以下であること。かつ、
(2)リン含有量(JIS−5S−38−92)が、0.03質量%未満、好ましくは0.02質量%以下であること。
(3)硫黄含有量(JIS K2541)が、0.10質量%以上1.00質量%以下、好ましくは0.12質量%以上0.90質量%以下であること。
さらに、上記に加えて以下を満たすことがより好ましい。
(4)窒素含有量(JIS K 2609)が、好ましくは0.08質量%以上0.40質量%以下、より好ましくは0.08質量%以上0.35質量%以下であること。
(5)ホウ素含有量(JPI−5S−38−92)が、好ましくは0.020質量%以上0.3質量以下、より好ましくは0.025質量%以上0.25質量%以下であること。
これらの性状を満たす本発明の潤滑油組成物は、摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、アルミ合金に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる。
本発明の潤滑油組成物は、二輪車、四輪車、発電用、舶用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関用潤滑油として好ましく使用することができ、低リン分、低硫黄分、低硫酸灰分であるため、特に排出ガス浄化装置を装着した内燃機関用に好適である。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
<性状、性能の測定方法>
以下の実施例、比較例における潤滑油組成物の性状及び性能は、次の方法によって求めた。
(1)リン含有量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(2)硫黄含有量
JIS K 2541に準拠して測定した。
(3)ホウ素含有量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(4)硫酸灰分
JIS K 2272に準拠して測定した。
(5)窒素含有量0
JIS K 2609に準拠して測定した。
(6)耐摩耗性の評価
SRV摩擦試験機(往復動型摩擦試験機)を用い、下記の試験条件で、リング状鋼材の曲面とディスクとを接触させた状態で往復移動させて両者間の摩擦試験を行い、試験時間中の最大の動摩擦係数を測定した。なお、この動摩擦係数が試験時間内に0.3を超えると、試験片のディスクが大きく摩耗するために、耐摩耗性が問題となる。
−試験条件−
・試験片 :リング状鋼材(クロムメッキ鋼材、リング幅:1.5mm)、ディスク(Si含有アルミ:AA(アメリカアルミニウム協会)規格「A390」)
・試験温度 :130℃
・荷重 :100N
・移動方向 :リング状鋼材の幅方向
・振幅 :3.0mm
・振動数 :20Hz
・試験時間 :1時間(ただし動摩擦係数が0.3を超えた時点で試験中止)
<実施例1〜11及び比較例1〜6>
第1表及び第2表に示すように、基油及び添加剤を各々の割合で配合してエンジン用潤滑油組成物を調製した。それらの組成物の性状及び性能を第1表及び第2表にまとめて示す。
Figure 2013224403
Figure 2013224403
なお、第1表、第2表に示す潤滑油組成物の調製に用いた各成分は以下のとおりである。
・基油:水素化精製鉱油(100N、40℃動粘度:21.0mm2/s、100℃動粘度:4.5mm2/s、粘度指数:127、硫黄含有量:5質量ppm未満)
・ホウ素化イミド1(ポリブテニルコハク酸モノイミドホウ素化物、ポリブテニル基の数平均分子量:950、塩基価(過塩素酸法):30.6mgKOH/g、窒素含有量:1.8質量%、ホウ素含有量:2.1質量%)
・ホウ素化イミド2(ポリブテニルコハク酸ビスイミドホウ素化物、ポリブテニル基の数平均分子量:950、塩基価(過塩素酸法):25mgKOH/g、窒素含有量:1.2質量%、ホウ素含有量:1.3質量%)
・非ホウ素化イミド1(ポリブテニルコハク酸モノイミド、ポリブテニル基の数平均分子量:950、塩基価(過塩素酸法):44mgKOH/g、窒素含有量:2.1質量%)
・非ホウ素化イミド2(ポリブテニルコハク酸ビスイミド、ポリブテニル基の数平均分子量:1300、塩基価(過塩素酸法):11.9mgKOH/g、窒素含有量:1.0質量%)
・化合物A(式(I−a)で示される化合物)
・化合物B(式(I−b)で示される化合物)
・化合物C(式(I−c)で示される化合物)
・化合物D(式(I−d)で示される化合物)
・化合物E(式(I−e)で示される化合物)
・化合物F(式(I−f)で示される化合物)
・化合物G(ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、硫黄含有量:158質量ppm)
・金属系清浄剤(Caサリチレート、塩基価(過塩素酸法):270mgKOH/g)
・リン系耐摩耗剤(ジチオアルキルジチオリン酸亜鉛(アルキル基が第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物)、Zn含有量:9.0質量%、リン含有量:8.0質量%、硫黄含有量:17.1質量%)
・その他の添加剤:酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、及びアミン系酸化防止剤)、金属不活性化剤(アルキルベンゾトリアゾール)及び消泡剤(シリコーン系)との混合物
第1表1、第2表から以下のことが分かる。
一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物を含む本発明の潤滑油組成物は、アルミ材に対する動摩擦係数が小さく、耐摩耗性が優れていることが分かる(実施例1〜11)。特に、式(I−b)で示される含硫黄複素環化合物を用いた実施例4の潤滑油組成物のアルミ材に対する耐摩耗性は、さらに顕著である。
これに対して、硫黄含有量がかなり少ないか、一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物以外の硫黄系耐摩耗剤を用いた潤滑油組成物は、いずれもアルミ材に対する耐摩耗性は劣っている(比較例1〜6)。
本発明のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物は、アルミ材に対する耐摩耗性が優れるものであり、アルミ材に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる。
したがって、アルミ材を用いる内燃機関の排出ガス後処理装置への影響を軽減することができるエンジン用潤滑油組成物として有用に利用することができる。

Claims (8)

  1. 基油と、コハク酸イミド化合物と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物とを含み、
    組成物全量基準での硫黄含有量が0.10質量%以上1.00質量%以下であり、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%以上0.6質量%以下であるアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
    Figure 2013224403

    (式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0以上5以下の整数である。)
  2. 前記コハク酸イミド化合物由来の窒素含有量が、組成物全量基準で0.08質量%以上0.40質量%以下である請求項1に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  3. 前記コハク酸イミド化合物がそのホウ素誘導体を含む請求項2に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  4. 前記一般式(I)において、m及びnが共に0となることはない請求項1〜3のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  5. 前記一般式(I)において、含硫黄複素環が、チアジアゾール環である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  6. 前記チアジアゾール環が1,3,4−チアジアゾール環であり、該1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に硫黄原子が結合している請求項5に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  7. 前記1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に、それぞれ硫黄原子が1つずつ結合している請求項6に記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物。
  8. 摺動部がアルミ合金であるエンジンにおいて、該摺動部に請求項1〜7のいずれかに記載のアルミ合金製エンジン用潤滑油組成物を使用することを特徴とするアルミ合金製エンジンの潤滑方法。
JP2013006613A 2012-03-21 2013-01-17 アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 Active JP6247820B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006613A JP6247820B2 (ja) 2012-03-21 2013-01-17 アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
US14/385,874 US9790450B2 (en) 2012-03-21 2013-03-12 Lubricating oil composition for engine made of aluminum alloy and lubrication method
EP13764396.1A EP2829592B1 (en) 2012-03-21 2013-03-12 Lubricating oil composition for engine made of aluminum alloy and lubrication method
PCT/JP2013/056776 WO2013141077A1 (ja) 2012-03-21 2013-03-12 アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
CN201380014986.1A CN104204164A (zh) 2012-03-21 2013-03-12 铝合金制发动机用润滑油组合物以及润滑方法
KR1020147025903A KR20140135205A (ko) 2012-03-21 2013-03-12 알루미늄 합금제 엔진용 윤활유 조성물 및 윤활 방법

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064134 2012-03-21
JP2012064134 2012-03-21
JP2013006613A JP6247820B2 (ja) 2012-03-21 2013-01-17 アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013224403A true JP2013224403A (ja) 2013-10-31
JP6247820B2 JP6247820B2 (ja) 2017-12-13

Family

ID=49594681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013006613A Active JP6247820B2 (ja) 2012-03-21 2013-01-17 アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6247820B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0347897A (ja) * 1989-04-03 1991-02-28 Exxon Chem Patents Inc 内燃機関用の改良された無灰潤滑剤組成物
JPH0570785A (ja) * 1991-04-30 1993-03-23 Tonen Corp 潤滑油組成物
JP2000319682A (ja) * 1999-05-10 2000-11-21 Tonen Corp 内燃機関用潤滑油組成物
JP2001049280A (ja) * 1999-08-05 2001-02-20 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk エンジン油
JP2002356753A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Nippon Piston Ring Co Ltd 耐摩耗部材用多孔質金属焼結体および耐摩環
JP2003082377A (ja) * 2001-09-17 2003-03-19 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP2004018677A (ja) * 2002-06-17 2004-01-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物
JP2004149762A (ja) * 2002-09-06 2004-05-27 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk エンジン油組成物
JP2004238514A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Japan Energy Corp 超低硫黄分内燃機関用潤滑油
JP2005220196A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP2005263830A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk 潤滑油組成物
JP2011190331A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0347897A (ja) * 1989-04-03 1991-02-28 Exxon Chem Patents Inc 内燃機関用の改良された無灰潤滑剤組成物
JPH0570785A (ja) * 1991-04-30 1993-03-23 Tonen Corp 潤滑油組成物
JP2000319682A (ja) * 1999-05-10 2000-11-21 Tonen Corp 内燃機関用潤滑油組成物
JP2001049280A (ja) * 1999-08-05 2001-02-20 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk エンジン油
JP2002356753A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Nippon Piston Ring Co Ltd 耐摩耗部材用多孔質金属焼結体および耐摩環
JP2003082377A (ja) * 2001-09-17 2003-03-19 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP2004018677A (ja) * 2002-06-17 2004-01-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物
JP2004149762A (ja) * 2002-09-06 2004-05-27 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk エンジン油組成物
JP2004238514A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Japan Energy Corp 超低硫黄分内燃機関用潤滑油
JP2005220196A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP2005263830A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk 潤滑油組成物
JP2011190331A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6247820B2 (ja) 2017-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5175462B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
JP6302458B2 (ja) 潤滑油組成物
EP2546324B1 (en) Lubricant composition
JP4597223B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
JP6676868B2 (ja) 潤滑油組成物
WO2017170948A1 (ja) 潤滑油組成物
JPWO2011068137A1 (ja) 潤滑油組成物
JP5377925B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
WO2013141077A1 (ja) アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
JP6247820B2 (ja) アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
JP6247822B2 (ja) アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
JP6247821B2 (ja) アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法
WO2013141258A1 (ja) 内燃機関油用潤滑油組成物
JP5876341B2 (ja) 内燃機関油用潤滑油組成物
JP5784183B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5876342B2 (ja) 内燃機関油用潤滑油組成物
KR20140058531A (ko) 내연 기관유용 윤활유 조성물
JP2013049849A (ja) 内燃機関油用潤滑油組成物
JP5876340B2 (ja) 内燃機関油用潤滑油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160826

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170111

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170215

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6247820

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150