JP2013049849A - 内燃機関油用潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミ材に対する耐摩耗性が優れる潤滑油組成物であって、アルミ材に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たし、かつリンの含有量(P質量%)と金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)とが、組成物全量基準で下記の式を満たすことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物である。
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
【選択図】なし
【解決手段】ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たし、かつリンの含有量(P質量%)と金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)とが、組成物全量基準で下記の式を満たすことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物である。
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
【選択図】なし
Description
本発明は内燃機関用潤滑油組成物に関し、リン分や金属系清浄剤に由来する金属量を低減してもアルミ材に対する耐摩耗性が良好な内燃機関用潤滑油組成物に関するものである。
近年、環境負荷低減を目的とし、自動車業界では排出ガスへの厳しい規制が次々と導入され、排出ガスの後処理装置の開発が行われている。排出ガスには,地球温暖化物質である二酸化炭素(CO2)以外にも、有害物質である粒子状物質(PM),炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等が含まれており、中でもPMやNOxの規制値は非常に厳しくなっている。これらの排出量削減策として、ガソリン車輌では三元触媒が装着され、ディーゼル車輌ではディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)が装着されている。これにより排出ガスをクリーンにして,大気中に放出している。
近年、エンジン油中のリン分が三元触媒の活性点を被毒し触媒機能を低下させること、また金属成分由来の灰分がDPFに堆積し寿命を短くすること等が報告されている。現在、エンジン油の規格であるILSAC規格やJASO規格にてリン量や灰分の上限値が制定され、これらを減量したエンジン油の開発が進められている。
近年、エンジン油中のリン分が三元触媒の活性点を被毒し触媒機能を低下させること、また金属成分由来の灰分がDPFに堆積し寿命を短くすること等が報告されている。現在、エンジン油の規格であるILSAC規格やJASO規格にてリン量や灰分の上限値が制定され、これらを減量したエンジン油の開発が進められている。
一方で、燃費向上の観点から、エンジンやミッション部品の非鉄化による軽量化が進められている。中でもアルミニウム合金、特に、Al−Si合金が多く採用されているが、耐摩耗剤には、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)等のFeに対しての被膜形成が主反応の添加剤を使用しているため、Al−Si合金等のアルミ材への耐摩耗性の低下が懸念されている。
そのため、アルミ材に対して良好な耐摩耗剤の研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの耐摩耗剤は、いずれも、リン分を多量に含むZnDTPと併用しなければ十分な効果が得られないものであり、排ガス後処理装置への悪影響が拭い去れていない状況にある。
したがって、さらにリン分を減少し、若しくはリン分を含まなくとも、アルミ材に対して優れた耐摩耗性を有する内燃機関用潤滑油組成物の出現が切望されている。
そのため、アルミ材に対して良好な耐摩耗剤の研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの耐摩耗剤は、いずれも、リン分を多量に含むZnDTPと併用しなければ十分な効果が得られないものであり、排ガス後処理装置への悪影響が拭い去れていない状況にある。
したがって、さらにリン分を減少し、若しくはリン分を含まなくとも、アルミ材に対して優れた耐摩耗性を有する内燃機関用潤滑油組成物の出現が切望されている。
本発明は、このような状況下で、アルミ材に対する耐摩耗性が優れる潤滑油組成物であって、アルミ材に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の好ましい内燃機関用潤滑油組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、イミド系分散剤とホウ素化イミド系分散剤とに由来する窒素含有量とホウ素含有量とを調整することによって、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たし、かつリンの含有量(P質量%)と金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)とが、組成物全量基準で下記の式を満たすことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物、
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
2. ホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(II)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
N ≧ B + 0.1 ・・・ (II)
3.さらに、硫黄系耐摩耗剤を含有する上記1又は2に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
4.硫黄系耐摩耗剤が、下記の一般式(3)
R1OOC−A1−S2−A2−COOR2 ・・・(3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜12の二価の炭化水素基を示す。)
で表わされるジスルフィド化合物である上記3に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
を提供するものである。
1. ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たし、かつリンの含有量(P質量%)と金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)とが、組成物全量基準で下記の式を満たすことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物、
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
2. ホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(II)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
N ≧ B + 0.1 ・・・ (II)
3.さらに、硫黄系耐摩耗剤を含有する上記1又は2に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
4.硫黄系耐摩耗剤が、下記の一般式(3)
R1OOC−A1−S2−A2−COOR2 ・・・(3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜12の二価の炭化水素基を示す。)
で表わされるジスルフィド化合物である上記3に記載の内燃機関用潤滑油組成物、
を提供するものである。
本発明によれば、アルミ材に対する耐摩耗性が優れる潤滑油組成物であって、アルミ材に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
したがって、アルミ材への耐摩耗性を維持しながら、排出ガス後処理装置への影響を軽減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
したがって、アルミ材への耐摩耗性を維持しながら、排出ガス後処理装置への影響を軽減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たす内燃機関用潤滑油組成物である。
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たす内燃機関用潤滑油組成物である。
上記式(I)を満たす組成物は、耐摩耗性を高めることができる。
また、下記の式(II)
N ≧ B + 0.1 ・・・ (II)
を満たす組成物は、前記効果をさらに高めることができる。
また、下記の式(II)
N ≧ B + 0.1 ・・・ (II)
を満たす組成物は、前記効果をさらに高めることができる。
前記のとおり、本発明においては、ホウ素化イミド系分散剤、及び必要に応じて非ホウ素化イミド系分散剤を用いる。
上記非ホウ素化イミド系分散剤は、通常イミド系分散剤といわれるものである。当該非ホウ素化イミド系分散剤としては、ポリブテニルコハク酸イミドを用いることが好適である。上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)
上記非ホウ素化イミド系分散剤は、通常イミド系分散剤といわれるものである。当該非ホウ素化イミド系分散剤としては、ポリブテニルコハク酸イミドを用いることが好適である。上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)
で表される化合物が挙げられる。これら一般式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、その数平均分子量は、通常800〜3500であり、好ましくは900〜2000である。上記数平均分子量が800以上であれば、分散性が劣る恐れがなく、3500以下であれば、貯蔵安定性が劣る恐れもない。
また、上記一般式(1)及び(2)におけるnは、通常1〜5の整数であり、より好ましくは2〜4の整数であれば、分散性が劣る恐れはない。
また、上記一般式(1)及び(2)におけるnは、通常1〜5の整数であり、より好ましくは2〜4の整数であれば、分散性が劣る恐れはない。
上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、公知の方法によって製造することができる。例えば、ポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
一方、本発明で用いるホウ素化イミド系分散剤としては、上記一般式(1)及び(2)で例示する非ホウ素化イミド系分散剤に、ホウ素化合物を作用させて得られるホウ素化ポリブテニルコハク酸イミドを用いることが好ましい。
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩及びホウ酸エステル等が挙げられる。上記ホウ酸としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸とアルキルアルコール(望ましくは炭素数1〜6)とのエステル、例えばホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。
なお、ホウ素化ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比、B/Nは、0.1〜3が好ましく、0.2〜2であるものがより好ましい。
なお、ホウ素化ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比、B/Nは、0.1〜3が好ましく、0.2〜2であるものがより好ましい。
なお、本発明に用いる内燃機関用潤滑油組成物において、上記ホウ素化コハク酸イミド系分散剤、及び非ホウ素化コハク酸イミド系分散剤(イミド系分散剤)の含有量は、前記式(I)を満たすことを除いては特に制限されないが、それぞれ0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。それらの含有量が0.1質量%以上であれば良好な清浄性、分散性が得られ、15質量%以下であれば、含有量に見合う清浄性、分散性の効果が得られる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、さらにリンの含有量(P質量%)及び金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)が、下記の式を満たすことを要する。
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
すなわち、組成物全量基準でリンの含有量が0.03質量%以上0.06質量%以下、かつ金属系清浄剤由来の金属成分の含有量が0.05質量%未満である。
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05
すなわち、組成物全量基準でリンの含有量が0.03質量%以上0.06質量%以下、かつ金属系清浄剤由来の金属成分の含有量が0.05質量%未満である。
組成物中のリンの含有量が0.03質量%以上であれば、耐摩耗性をさらに高めることができる。一方リンの含有量が0.06質量%以下であれば、三元触媒の活性点の被毒作用を抑制することができ、触媒寿命を延長させることができる。このようなことからリンの含有量は、0.03〜0.05質量%であることがより好ましい。
すなわち、組成物全量基準でリンの含有量が0.03質量%以上0.06質量%以下、かつ金属系清浄剤由来の金属成分の含有量が0.05質量%未満である。
組成物中のリンの含有量が0.03質量%以上であれば、耐摩耗性をさらに高めることができる。一方リンの含有量が0.06質量%以下であれば、三元触媒の活性点の被毒作用を抑制することができ、触媒寿命を延長させることができる。このようなことからリンの含有量は、0.03質量%以上0.05質量%以下であることがより好ましい。
前記リンの含有量は、リン系耐摩耗剤の配合量によって調整すればよい。代表的なリン系耐摩耗剤としては、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)やジチオリン酸モリブデンリン(MoDTP)などのジチオリン酸金属類、リン酸もしくは亜リン酸エステル類(有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステル、アルキルまたはアリールアシッドホスフェート、アルキルまたはアリールハイドロゲンホスファイト、及びこれらのアミン塩など)、チオリン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類が挙げられる。これらの中でも、ジチオリン酸亜鉛、すなわちジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ヒドロカルビル基が、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは2〜12のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルカリール基である)が好ましく、特に、炭素数3〜8の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が好ましい。
すなわち、組成物全量基準でリンの含有量が0.03質量%以上0.06質量%以下、かつ金属系清浄剤由来の金属成分の含有量が0.05質量%未満である。
組成物中のリンの含有量が0.03質量%以上であれば、耐摩耗性をさらに高めることができる。一方リンの含有量が0.06質量%以下であれば、三元触媒の活性点の被毒作用を抑制することができ、触媒寿命を延長させることができる。このようなことからリンの含有量は、0.03質量%以上0.05質量%以下であることがより好ましい。
前記リンの含有量は、リン系耐摩耗剤の配合量によって調整すればよい。代表的なリン系耐摩耗剤としては、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)やジチオリン酸モリブデンリン(MoDTP)などのジチオリン酸金属類、リン酸もしくは亜リン酸エステル類(有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステル、アルキルまたはアリールアシッドホスフェート、アルキルまたはアリールハイドロゲンホスファイト、及びこれらのアミン塩など)、チオリン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類が挙げられる。これらの中でも、ジチオリン酸亜鉛、すなわちジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ヒドロカルビル基が、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは2〜12のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルカリール基である)が好ましく、特に、炭素数3〜8の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が好ましい。
一方、上記組成物中の金属系清浄剤由来の金属成分の含有量がが0.05質量%未満であれば、金属成分由来の灰分がDPFに堆積することが抑制され、その寿命を延長させることができる。従って組成物中の金属成分の含有量は、0.01質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以下であることがより好ましく、0.001質量%以下であることが特に好ましい。
組成物中の金属系清浄剤由来の金属成分の含有量がが0.05質量%未満にするには、金属系清浄剤の配合を、制限もしくは禁止することになる。
組成物中の金属系清浄剤由来の金属成分の含有量がが0.05質量%未満にするには、金属系清浄剤の配合を、制限もしくは禁止することになる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、さらに硫黄系耐摩耗剤を含有することが好ましい。硫黄系耐摩耗剤としては、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイドなどのリンを含まない硫黄系耐摩耗剤が好ましい。これらの中でも、下記の一般式(3)
R1OOC−A1−S2−A2−COOR2 ・・・(3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜12の二価の炭化水素基を示す。)
で表されるジスルフィド化合物が好ましい。
R1OOC−A1−S2−A2−COOR2 ・・・(3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜12の二価の炭化水素基を示す。)
で表されるジスルフィド化合物が好ましい。
上記一般式(3)で表わされる硫黄含有化合物の具体例としては、ビス(メトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(エトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(n−プロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(イソプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(n−ドデシルオキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(シクロプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニル−n−プロピル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニル−n−ブチル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニル−n−ヘキシル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニル−n−オクチル)ジスルフィド、1,1−ビス(1−メトキシカルボニル−n−ドデシル)ジスルフィド、2,2−ビス(2−メトキシカルボニル−n−プロピル)ジスルフィド、α,α−ビス(α−メトキシカルボニルベンジル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−エトキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−n−プロポキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−イソプロポキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−シクロプロポキシカルボニルエチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−メトキシカルボニル−n−プロピル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−メトキシカルボニル−n−ブチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−メトキシカルボニル−n−ヘキシル)ジスルフィド、1,1−ビス(3−メトキシカルボニル−n−プロピル)ジスルフィド、2,2−ビス(3−メトキシカルボニル−n−ペンチル)ジスルフィド、1,1−ビス(2−メトキシカルボニル−1−フェニルエチル)ジスルフィドなどを挙げることができる。
上記硫黄系耐摩耗剤の含有量は、組成物全量基準で、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。配合量が0.05質量%以上であれば十分な耐摩耗性が得られ、5質量%以下であれば、腐食が生ずる恐れがない。
本発明の潤滑油組成物は、本発明が必要とする、上記のリン分、金属成分などの条件を損なわない範囲において、従来公知の内燃機関用潤滑油など潤滑油組成物に用いられる添加剤を配合しても良い。例えば、その他の摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、酸化防止剤、防錆剤等が挙げられる。
上記その他の摩擦低減剤としては、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、高級アルコール系などの無灰摩擦低減剤が挙げられる。
上記その他の摩擦低減剤としては、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、高級アルコール系などの無灰摩擦低減剤が挙げられる。
上記粘度指数向上剤としては、各種メタクリル酸エステル又はこれらの任意の組合せに係る共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及び更に窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。
また、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等が例示できる。これら粘度指数向上剤の分子量(数平均分子量)は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000である。
また、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等が例示できる。これら粘度指数向上剤の分子量(数平均分子量)は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000である。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
また、アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。これらの中でジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが好適である。
上記酸化防止剤は、1種を選択し、又な2種以上を組合せて用いてもよい。とりわけ、フェノール系酸化防止剤を1種又は2種以上とアミン系酸化防止剤を1種又は2種以上とを組みあわせて用いることが好ましい。
上記酸化防止剤は、1種を選択し、又な2種以上を組合せて用いてもよい。とりわけ、フェノール系酸化防止剤を1種又は2種以上とアミン系酸化防止剤を1種又は2種以上とを組みあわせて用いることが好ましい。
上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
上記その他の添加剤の配合割合は、通常用いられる範囲で適宜選択すればよい。
上記その他の添加剤の配合割合は、通常用いられる範囲で適宜選択すればよい。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油(単に、「基油」と称することがある)に上記各種の添加剤を含有せしめて、目的の性能を有する潤滑油組成物を得る。
本発明で用いる基油に特に制限はなく、従来使用されている公知の鉱物系基油(単に、「鉱油」と称することがある)及び合成系基油(単に、「合成油」と称することがある)の中から適宜選択して用いることができる。
ここで、鉱油としては、例えばパラフィン基系原油、中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、又は常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、あるいはこれを常法に従って精製することによって得られる精製油、例えば溶剤精製油、水添精製油、水素化分解油、脱ろう処理油、白土処理油などを挙げることができる。さらにはワックス類(スラックワックスなど)の異性化油も用いることができる。
一方、合成油としては、例えば炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーであるポリα−オレフィン、ポリブテン、ポリオールエステル、アルキルベンゼンなどを挙げることができる。
本発明においては、基油として、上記鉱油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
また、組成物中の基油の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
本発明で用いる基油に特に制限はなく、従来使用されている公知の鉱物系基油(単に、「鉱油」と称することがある)及び合成系基油(単に、「合成油」と称することがある)の中から適宜選択して用いることができる。
ここで、鉱油としては、例えばパラフィン基系原油、中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、又は常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、あるいはこれを常法に従って精製することによって得られる精製油、例えば溶剤精製油、水添精製油、水素化分解油、脱ろう処理油、白土処理油などを挙げることができる。さらにはワックス類(スラックワックスなど)の異性化油も用いることができる。
一方、合成油としては、例えば炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーであるポリα−オレフィン、ポリブテン、ポリオールエステル、アルキルベンゼンなどを挙げることができる。
本発明においては、基油として、上記鉱油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
また、組成物中の基油の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
前記基油としては、100℃における動粘度が、1.5〜50mm2/sが好ましく、より好ましくは3〜30mm2/s、特に好ましくは3〜15mm2/sである。100℃における動粘度が1.5mm2/s以上であると蒸発損失が少なく、また50mm2/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が良好に発揮される。
また、この基油は、粘度指数が80以上、さらには90以上、特に100以上のものが好ましい。粘度指数が80以上であると、基油の温度による粘度変化が小さく、安定した潤滑性能を発揮する。
また、この基油は、粘度指数が80以上、さらには90以上、特に100以上のものが好ましい。粘度指数が80以上であると、基油の温度による粘度変化が小さく、安定した潤滑性能を発揮する。
また、基油としては、JIS K 2541に準拠して測定した硫黄分が50質量ppm以下であるものが好ましい。硫黄分が50質量ppm以下であれば、低摩擦摺動材料の耐摩耗性を高める効果がある。より好ましい硫黄分は、30質量ppm以下、さらには20質量ppm以下である。
また、基油としては、環分析による%CAが3.0以下のものが安定性の面から好ましく用いられる。ここで、環分析による%CAとは、環分析n−d−M法にて算出した芳香族分の割合(百分率)を示す。%CAが、3.0以下であれば、良好な酸化安定性を示す。より好ましい%CAは1.0以下、さらには、0.5以下である。
また、基油としては、環分析による%CAが3.0以下のものが安定性の面から好ましく用いられる。ここで、環分析による%CAとは、環分析n−d−M法にて算出した芳香族分の割合(百分率)を示す。%CAが、3.0以下であれば、良好な酸化安定性を示す。より好ましい%CAは1.0以下、さらには、0.5以下である。
次に、本発明を、実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、内燃機関用潤滑油組成物(以下、単に「潤滑油組成物」と称することがある)の組成及び性能は、以下に示す方法で測定した。
<潤滑油組成物の組成>
1.ホウ素、リン、及びカルシウムの定量
ASTM D5185に準拠して測定した。
2.窒素の定量
JIS K2609に準拠して測定した。
3.硫黄分
JIS K2541に準拠して測定した。
<潤滑油組成物の性能>
4.耐摩耗性の評価
SRV摩擦試験機(往復動型摩擦試験機)を用い、下記の試験条件で、シリンダーとディスク間の摩擦試験を行い、シリンダーに発生した摩耗痕径を測定した。
試験条件
・試験片 :シリンダー(標準材;SUJ2)、ディスク(Si含有アルミ:AA(アメリカアルミニウム協会)規格「A390」)
・試験温度 :130℃
・荷重 :200N
・振幅 :3.0mm
・振動数 :20Hz
・試験時間 :1時間
なお、内燃機関用潤滑油組成物(以下、単に「潤滑油組成物」と称することがある)の組成及び性能は、以下に示す方法で測定した。
<潤滑油組成物の組成>
1.ホウ素、リン、及びカルシウムの定量
ASTM D5185に準拠して測定した。
2.窒素の定量
JIS K2609に準拠して測定した。
3.硫黄分
JIS K2541に準拠して測定した。
<潤滑油組成物の性能>
4.耐摩耗性の評価
SRV摩擦試験機(往復動型摩擦試験機)を用い、下記の試験条件で、シリンダーとディスク間の摩擦試験を行い、シリンダーに発生した摩耗痕径を測定した。
試験条件
・試験片 :シリンダー(標準材;SUJ2)、ディスク(Si含有アルミ:AA(アメリカアルミニウム協会)規格「A390」)
・試験温度 :130℃
・荷重 :200N
・振幅 :3.0mm
・振動数 :20Hz
・試験時間 :1時間
実施例1〜10及び比較例1〜8
第1表び第2表に示す組成の内燃機関用潤滑油組成物を調製し、その耐摩耗性の測定を行った。結果を第1表及び第2表に示す。
第1表び第2表に示す組成の内燃機関用潤滑油組成物を調製し、その耐摩耗性の測定を行った。結果を第1表及び第2表に示す。
潤滑油組成物の調製に用いた各成分は以下のとおりである。
(1)基油1:水素化精製鉱油(100N)、40℃動粘度21.0mm2/s、100℃動粘度4.5mm2/s、粘度指数127、硫黄含有量5質量ppm未満、
(2)ホウ素化イミド1:ポリブテニルコハク酸モノイミドホウ素化物:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)30.6mgKOH/g、窒素含有量1.8質量%、ホウ素含有量2.1質量%
(3)ホウ素化イミド2:ポリブテニルコハク酸ビスイミドホウ素化物:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)25mgKOH/g、窒素含有量1.2質量%、ホウ素含有量1.3質量%
(4)非ホウ素化イミド1:ポリブテニルコハク酸モノイミド:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)44mgKOH/g、窒素含有量2.1質量%、
(5)非ホウ素化イミド2:ポリブテニルコハク酸ビスイミド:ポリブテニル基の数平均分子量1300、塩基価(過塩素酸法)11.9mgKOH/g、窒素含有量1.0質量%、
(6)硫黄系耐摩耗剤:ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフイド、硫黄含有量158質量ppm
(7)金属系清浄剤:Caサリチレート、塩基価(過塩素酸法)270mgKOH/g
(8)リン系耐摩耗剤:ジチオアルキルジチオリン酸亜鉛:Zn含有量9.0質量%、リン含有量8.0質量%、硫黄含有量17.1質量%、アルキル基;第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物
(9)その他の添加剤:酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、及びアミン系酸化防止剤)、金属不活性化剤(アルキルベンゾトリアゾール)及び消泡剤(シリコーン系)との混合物。
(1)基油1:水素化精製鉱油(100N)、40℃動粘度21.0mm2/s、100℃動粘度4.5mm2/s、粘度指数127、硫黄含有量5質量ppm未満、
(2)ホウ素化イミド1:ポリブテニルコハク酸モノイミドホウ素化物:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)30.6mgKOH/g、窒素含有量1.8質量%、ホウ素含有量2.1質量%
(3)ホウ素化イミド2:ポリブテニルコハク酸ビスイミドホウ素化物:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)25mgKOH/g、窒素含有量1.2質量%、ホウ素含有量1.3質量%
(4)非ホウ素化イミド1:ポリブテニルコハク酸モノイミド:ポリブテニル基の数平均分子量950、塩基価(過塩素酸法)44mgKOH/g、窒素含有量2.1質量%、
(5)非ホウ素化イミド2:ポリブテニルコハク酸ビスイミド:ポリブテニル基の数平均分子量1300、塩基価(過塩素酸法)11.9mgKOH/g、窒素含有量1.0質量%、
(6)硫黄系耐摩耗剤:ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフイド、硫黄含有量158質量ppm
(7)金属系清浄剤:Caサリチレート、塩基価(過塩素酸法)270mgKOH/g
(8)リン系耐摩耗剤:ジチオアルキルジチオリン酸亜鉛:Zn含有量9.0質量%、リン含有量8.0質量%、硫黄含有量17.1質量%、アルキル基;第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物
(9)その他の添加剤:酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、及びアミン系酸化防止剤)、金属不活性化剤(アルキルベンゾトリアゾール)及び消泡剤(シリコーン系)との混合物。
第1表及び第2表から以下のことが分かる。
(1) 式(I)を満たす本発明の潤滑油組成物は、アルミ材に対する耐摩耗性が優れている(実施例1〜10)。特に、式(II)を満たす実施例5〜8の潤滑油組成物のアルミ材に対する耐摩耗性は、さらに優れている。
これに対して、式(I)を満たさない潤滑油組成物は、いずれもアルミ材に対する耐摩耗性は劣っている(比較例1〜8)。
(2) 本発明の潤滑油組成物(実施例1〜10)は、P分含有量が0.03質量%以上であるため、さらに一層耐摩耗性に優れている。また、P分含有量が0.06質量%以下であるため、三元触媒の被毒防止効果も良好である。また、金属分含有量が0.05質量%未満であるためDPFの寿命低下を抑制する効果にも極めて優れている。
(1) 式(I)を満たす本発明の潤滑油組成物は、アルミ材に対する耐摩耗性が優れている(実施例1〜10)。特に、式(II)を満たす実施例5〜8の潤滑油組成物のアルミ材に対する耐摩耗性は、さらに優れている。
これに対して、式(I)を満たさない潤滑油組成物は、いずれもアルミ材に対する耐摩耗性は劣っている(比較例1〜8)。
(2) 本発明の潤滑油組成物(実施例1〜10)は、P分含有量が0.03質量%以上であるため、さらに一層耐摩耗性に優れている。また、P分含有量が0.06質量%以下であるため、三元触媒の被毒防止効果も良好である。また、金属分含有量が0.05質量%未満であるためDPFの寿命低下を抑制する効果にも極めて優れている。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、アルミ材に対する耐摩耗性が優れるものであり、アルミ材に対する耐摩耗性を維持しながら、リン分を多量に含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
したがって、アルミ材を用いる内燃機関の排出ガス後処理装置への影響を軽減することができる内燃機関用潤滑油組成物として有用に利用することができる。
したがって、アルミ材を用いる内燃機関の排出ガス後処理装置への影響を軽減することができる内燃機関用潤滑油組成物として有用に利用することができる。
Claims (4)
- ホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤を含有してなり、組成物中のホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(I)
N ≧ B + 0.05 ・・・ (I)
を満たし、かつリンの含有量(P質量%)と金属系清浄剤由来の金属成分の含有量(M質量%)とが、組成物全量基準で下記の式を満たすことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物。
0.03 ≦ P ≦ 0.06 かつ M < 0.05 - ホウ素化イミド系分散剤に由来するホウ素含有量(B質量%)とホウ素化イミド系分散剤もしくはホウ素化イミド系分散剤及び非ホウ素化イミド系分散剤に由来する窒素含有量(N質量%)とが下記の式(II)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
N ≧ B + 0.1 ・・・ (II) - さらに、硫黄系耐摩耗剤を含有する請求項1又は2に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
- 硫黄系耐摩耗剤が、下記の一般式(3)
R1OOC−A1−S2−A2−COOR2 ・・・(3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜12の二価の炭化水素基を示す。)
で表わされるジスルフィド化合物である請求項3に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
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JP2015034205A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 出光興産株式会社 | 再生処理用潤滑油組成物、及び潤滑油基油の製造方法 |
JP2019147864A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物 |
-
2012
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